JPH1137704A - 長尺状体の幅方向での湾曲測定方法及びその測定装置、並びに長尺状体の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

長尺状体の幅方向での湾曲測定方法及びその測定装置、並びに長尺状体の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法

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JPH1137704A
JPH1137704A JP19366397A JP19366397A JPH1137704A JP H1137704 A JPH1137704 A JP H1137704A JP 19366397 A JP19366397 A JP 19366397A JP 19366397 A JP19366397 A JP 19366397A JP H1137704 A JPH1137704 A JP H1137704A
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Toshio Aizawa
俊夫 相沢
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気テープの製造段階において、ベースフィ
ルムの幅方向での湾曲を高精度に測定し、湾曲量を定量
化して生産性の向上を図れるベースフィルムの幅方向の
湾曲測定方法及びその測定装置、並びにベースフィルム
の製造方法及び磁気テープの製造方法を提供すること。 【解決手段】 基台2上に設けた基枠3に、等間隔で配
して軸着させたローラー4、及び基準線用の糸6を張架
して測定装置1を構成する。そして、ローラー4上にか
けられて前後端を固定され、更に重り8によって張力を
付与されたサンプルフィルム10の中間部における側縁
位置の基準線とのずれを測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺状体(例え
ば、ビデオやオーディオ等に用いられる磁気テープ用の
ベースフィルム)の幅方向での湾曲測定方法及びその測
定装置、並びに長尺状体の製造方法及び磁気記録媒体の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビデオやオーディオ等に使用される磁気
テープは、ベースフィルムに磁性層材料を塗布、乾燥し
た磁性層を形成し、幅広で長尺の磁気シートに加工後、
一定の幅に裁断して巻き取り、完成する。
【0003】ベースフィルムの製造には一般に延伸成膜
装置を用い、例えば、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)からなる溶融状態の材料を原料タンクに収容し、
このタンクのノズルから原料を連続的に吐出させ、吐出
された原料を延伸しながら幅広のフィルムとして成形
し、更に熱処理を経た後に巻き取られる。
【0004】幅広のベースフィルムは、更に所定の幅に
裁断され、原反用のフィルムとしてそれぞれ巻き取られ
る。そして、この原反用のフィルムは磁性層塗布及び乾
燥工程を経て原反となり、この原反を所定の幅(例えば
8mm)に裁断するスリッティング工程を経て磁気テー
プとして完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近時、ベースフィルム
上への磁性塗料塗布の高速化、それに伴う乾燥能力向上
のためにエアーフローティング方式のドライヤー(乾燥
炉)を用いることが一般的になっている。この方式のド
ライヤーは、上下のノズルからのエアー圧力でベースフ
ィルム走行のバランスを取っているが、ベースフィルム
が幅方向に湾曲していると、走行トラブル(シフティン
グ、蛇行)を引き起こす要因となる。
【0006】従って、製造段階において、上記したベー
スフィルムの湾曲の如き半製品状態でのトラブル対策等
の品質管理が重要である。従来、このような管理の手法
(即ち、湾曲量の測定方法)としては、例えば平坦な床
面にベースフィルムを置き、床面とベースフィルムフィ
ルムとの間の空気を取り除き、必要に応じてテンション
を付加して湾曲を測定する方法、または、ガイドロール
を有した測定機上でのベースフィルムのたるみ量を、フ
ィルム自体の持つ湾曲量の目安として測定する方法が行
われている。
【0007】しかし、前者の場合、測定室内の気流によ
りフィルムがばたつく等の現象により、測定値が信頼性
に欠けたり、また測定に時間を要することがある。ま
た、後者の場合、フィルム全体あるいは局部的な伸びに
より、この測定結果に信頼性が欠けることが多い。
【0008】ベースフィルムに湾曲のないことは理想的
であるが、実際には湾曲が生じることは避けられない。
従って、湾曲量を測定し、それが例えば許容範囲にある
か否かの判断ができるようにベースフィルムの湾曲量を
定量化することは、ベースフィルムの走行性、ひいては
生産効率などの改善には不可欠であるが、従来、これを
精度良く測定できる有効な対策が存在しなかった。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、磁気テープ等の磁気記録媒体の製造段階に
おいて、ベースフィルムの如き長尺状体の幅方向での湾
曲を精度良く測定し、測定結果により湾曲量を定量化し
て走行性の向上、ひいては生産性の向上を実現でき、場
合によっては、媒体の製造工程を制御できると共に、ベ
ースフィルム等の成形工程自体も制御できる、長尺状体
の幅方向の湾曲測定方法及びその測定装置、並びに長尺
状体の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ベースフィル
ム等の半製品状態の材料について、その後の処理条件
(例えば、原反の乾燥時の張力条件)と同等の条件下で
材料の湾曲量を測定することに注目し、その効果的な方
策を見出して本発明に到達したものである。
【0011】即ち、本発明は、幅広の長尺状体の幅方向
での湾曲を測定するに際し、前記長尺状体の前端部側及
び後端部側にそれぞれ張力付与手段を設け、前記前端部
と前記後端部との間に所定の張力を付与し、この状態で
前記長尺状体を支持手段によって支持させ、前記長尺状
体の前記前端部と前記後端部との間の幅方向での湾曲
を、前記前端部と前記後端部との間に設けた基準線との
比較によって測定する、長尺状体の幅方向での湾曲測定
方法に係るものである。
【0012】また、本発明は、幅広の長尺状体の幅方向
での湾曲を測定する装置において、前記長尺状体の前端
部側及び後端部側にそれぞれ設けられた張力付与手段に
よって、前記前端部と前記後端部との間に所定の張力が
付与され、この状態で前記長尺状体が支持手段によって
支持され、前記長尺状体の前記前端部と前記後端部との
間の幅方向での湾曲が、前記前端部と前記後端部との間
に設けられた基準線との比較によって測定されるように
構成したことを特徴とする、長尺状体の幅方向での湾曲
測定装置に係るものである。
【0013】また、本発明は、幅広の長尺状体の前端部
側及び後端部側にそれぞれ張力付与手段を設け、前記前
端部と前記後端部との間に所定の張力を付与し、この状
態で前記長尺状体を支持手段によって支持させ、前記長
尺状体の前記前端部と前記後端部との間の幅方向での湾
曲を、前記前端部と前記後端部との間に設けた基準線と
の比較によって測定し、この測定値に基づいて前記長尺
状体に相当する幅広の別の長尺状体の製造条件を制御す
る、長尺状体の製造方法に係るものである。
【0014】更に、本発明は、幅広の長尺状体の前端部
側及び後端部側にそれぞれ張力付与手段を設け、前記前
端部と前記後端部との間に所定の張力を付与し、この状
態で前記長尺状体を前記支持手段によって支持させ、前
記長尺状体の前記前端部と前記後端部との間の幅方向で
の湾曲を、前記前端部と前記後端部との間に設けた基準
線との比較によって測定し、この測定値に基づいて前記
長尺状体に相当する幅広の別の長尺状体の製造条件を制
御し、これによって得られた長尺状体を加工した後に磁
性層を形成する(原反を作製する)磁気記録媒体の製造
方法に係るものである。
【0015】本発明の測定方法によれば、長尺状体をそ
の前端部側及び後端部側に張力を付与された状態で支持
させ、前端部と後端部との間の幅方向の湾曲を基準線と
の比較によって測定するので、長尺状体の幅方向での湾
曲を精度良く測定することができ、例えば、乾燥炉内で
の張力に対応した条件の下での測定結果を得ることがで
きる。
【0016】また、本発明の測定装置によれば、上記し
た測定方法に基づくものであるので、長尺状体の幅方向
での湾曲を測定する精度の良い測定装置を提供すること
ができる。
【0017】また、本発明の長尺状体の製造方法によれ
ば、上記した測定方法を用いて同様に測定し、この測定
値に基づいて幅広の別の長尺状体の製造条件を制御する
ので、例えば、この測定結果が製造工程にフィードバッ
クされ別の長尺状体の製造工程における湾曲の発生原因
を明確にし、延伸条件の制御等により湾曲を改善するこ
とが可能になる。この結果、この湾曲量の定量化によっ
て湾曲自体を低減させることができると共に、生産性を
向上させることができる。
【0018】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
よれば、上記した測定方法による測定結果に基づき、延
伸等の長尺状体の製造条件を制御しながら磁気記録媒体
用の原反を製造するので、上記長尺状体の製造方法と同
様に測定結果が製造工程にフィードバックされ、湾曲の
定量化、更にはその低減により高品質の磁気記録媒体を
製造することができ、生産性を向上させることが可能と
なる。
【0019】
【発明の実施の形態】上記の長尺状体の幅方向での湾曲
測定方法及びその測定装置、並びに長尺状体の製造方法
及び磁気記録媒体の製造方法においては、前記長尺状体
の前後方向に所定間隔で配され、この長尺状体の幅全体
を支持する前記支持手段を設け、前記長尺状体の前記前
端部と前記後端部との幅方向のそれぞれの端部を結ぶ基
準線を前記前端部と前記後端部との間で前記長尺状体の
上方に設け、前記長尺状体に所定の張力を付与するため
の前記張力付与手段を前記長尺状体の幅方向に亘って設
けることが望ましい。
【0020】この場合、前記長尺状体の上方に設ける基
準線の材料としては、例えば糸や針金などの如き線状体
のものが望ましく、基準線は長尺状体の上方に限らず、
測定する長尺状体と同一面上であってもよく、また、例
えばセンサーを用いて測定してもよい。
【0021】そして、前記長尺状体の前後方向での中間
位置におけるそれぞれの側縁位置と前記基準線とのずれ
を測定することが望ましい。
【0022】そして、この場合、前記長尺状体が、所定
の幅に裁断される磁気記録媒体の原反に加工される別の
長尺状体に相当するものとして、この製造条件により、
磁気記録媒体の原反用の別の長尺状体を制御することが
望ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
が以下の実施例に限定されるものでないことは勿論であ
る。
【0024】図1は、本発明の実施例による長尺状体の
幅方向での湾曲測定装置に測定されるべき長尺状体を装
着した状態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図で
ある。なお、この測定装置は幅広の長尺状体の湾曲測定
用であるが、以下、長尺状体は磁気記録媒体のベースフ
ィルムを対象として説明する。
【0025】本実施例の測定装置(以下、装置と称す
る)1は、水平面を有する定盤等からなる基台2上に、
前後方向(図1において左側が前端、右側が後端とす
る)の左右に基枠3が設けられ、この基枠3に1m間隔
で配された直径170mmのローラー4が軸着されてお
り、全長Lは22mであり、1500mm幅のサンプル
フィルムを測定できる幅に形成されている。そして、基
枠3の前後端部近傍の内側には糸固定台5が設けられ、
この糸固定台5を介してサンプルフィルム10の側縁位
置を示すナイロン製の糸6が前後方向に張架され、この
糸6の長さが測定長となり22mに形成されている。
【0026】本装置1に測定用として装着されているサ
ンプルフィルム10は、ロール状に巻回されたベースフ
ィルムからサンプリングしたもの(図3参照)であり、
124cm幅(W)に裁断した所定の長さのものが装着
されている。そして、図示の如く、前後方向の末端部を
粘着テープ7によって基台2の上面に固定し、更に前後
端部側のローラー4、4間において、サンプルフィルム
10上に重り8を載せてサンプルフィルム10に原反フ
ィルムの乾燥時と同等の張力が付与されている。
【0027】そして、サンプルフィルム10の前後端部
のそれぞれの側縁位置に合わせて、前後の糸固定台5、
5の位置を調節し、この間に張架したナイロン製の糸6
を基準線として、サンプルフィルム10の中間部におけ
る側縁位置の基準線である糸6とのずれ量Cを測定す
る。
【0028】基準線となる糸6は、図1(b)に示す如
く、サンプルフィルム10の上方に所定の寸法H(5〜
10mm)を置いて張られており、ずれ量Cの測定はこ
の糸6の上方から定規を用いて測るものである。
【0029】湾曲は図1のような方向とは限らず、これ
と反対側へ湾曲していることもある。図2は湾曲方向を
示した概略図であり、(a)は図1と同じ方向の湾曲を
示し、(b)は図1とは反対方向への湾曲を示してい
る。そして、(a)のような湾曲を+方向の湾曲、
(b)のような湾曲を−方向の湾曲と定義する。
【0030】この測定に供した124cm幅のサンプル
フィルム10は厚さが11μmであり、張力付与のため
に用いた重りはそれぞれ5Kgであるが、この張力は、
ベースフィルムが後述する乾燥炉内において張力を付与
されながら走行する条件に近づけたものである。
【0031】このような装置はサンプルフィルム10の
寸法に応じた規格に形成するのが良く、具体的な規格は
次の表1を基準として、被測定フィルムの厚みよりもそ
の幅に対応した規格に構成する方が好ましい。
【0032】
【0033】本装置1は、図3に示すようなロール状の
ベースフィルム11から所定の幅、長さをサンプリング
し、その幅方向の湾曲量を測定するものであり、その測
定結果から、このベースフィルム11全体において幅方
向に有している湾曲方向と湾曲量とを推定することがで
きる。
【0034】即ち、図3に示すベースフィルム11を末
端部側で、仮想線で示すように、(1)〜(5)の領域
をそれぞれ124cm幅に裁断して所定の長さを抽出
し、図1に示した装置を用いて幅方向の湾曲量を測定し
た。その結果、ベースフィルム11からの採取位置
(1)〜(5)のそれぞれの湾曲量は次の表2の通りで
あった。
【0035】
【0036】上記の測定結果から、このベースフィルム
11の側縁部に近いほど湾曲傾向があることが分かる。
即ち、図3のベースフィルム11においては、側縁部側
の採取位置(1)及び(5)において湾曲の度合いが大
きく、しかも湾曲が相反する方向になる性質を有してお
り、幅の中心部に至ってこの傾向が少ないことを示して
いる。
【0037】従って、この測定値が許容範囲を超えてい
る場合(例えば、採取位置の(1)及び(5))は使用
材料から除外し、湾曲量が許容範囲以内のもの(例えば
採取位置の(2)〜(4))のみを材料として用い、こ
れを媒体製造工程で常法に沿って処理すれば、例えば乾
燥炉内での原反の走行トラブル(シフティングなど)が
生じなくなる。更に、この結果をベースフィルムの製造
時の例えばフィルム延伸条件を制御する等、成形条件の
改善に反映させ、湾曲再発を抑制若しくは低減すること
も可能になる。
【0038】次に、図3の如きベースフィルム11が、
磁気テープとして完成するまでのその後の工程を概略的
に説明する。
【0039】図4は、磁性層塗布装置の1例を示す正面
図である。
【0040】図3の如きベースフィルム11が所定幅に
裁断され、ハブ20に巻回された未塗布のベースフィル
ム11Aは、ガイドローラー21、21、21に案内さ
れて適度の張力を付与されながら搬送され、ガイドロー
ラー22、バックアップローラー23を経由し、バック
アップローラー23とグラビアローラー28とに挟まれ
て磁性塗料35を塗布される。磁性塗料の塗布は、塗料
槽34に満たした磁性塗料35に一部を浸しながら回転
し、余分な塗料はドクターブレード27で払拭したグラ
ビアローラー28によってベースフィルム11Aの片面
に塗布される。
【0041】磁性塗料を塗布されたベースフィルム11
Bは、ガイドローラー29、30を経由し、乾燥炉15
を通って熱風により磁性塗料が乾燥されて磁気シート1
1Cとなり、多数のローラー32からなるカレンダ部3
1を通って磁性層が平坦化され、ハブ33に巻回されて
原反12となる。
【0042】磁気テープの原反12は、次に裁断装置に
よって所定の幅(この例では8mm幅)に裁断されて磁
気テープとなる。図5は裁断装置の要部正面図である。
【0043】磁気テープの原反12は、芯と共に繰出ハ
ブ43に装着され、対のロール32A、32Bからなる
駆動用ニップロール40により裁断機33に送られ、こ
こで所定の幅に裁断されて磁気テープとなり、一つ置き
に分離されて2つの磁気テープグループに分けられる。
【0044】そして、2つに分けられた磁気テープグル
ープは、それぞれガイドローラー35A、35Bに案内
され、対のロール37、38からなる駆動用ニップロー
ル41A、41Bによってそれぞれ搬送され、巻取りハ
ブ39A、39Bに巻回され、パンケーキ50A、50
Bとなる。パンケーキとは、巻回され、所定の長さに切
断する前の長尺の磁気テープを指す用語である。
【0045】上記した如く、製造段階におけるベースフ
ィルムの幅方向の湾曲を測定し、その材料の持つ湾曲状
態を掌握した上で所要の措置を行えば、許容範囲内での
湾曲で良好な品質のテープとして完成する。しかし、こ
のような湾曲状態の確認をしない場合は、湾曲のある材
料はその湾曲が製品にまで追随してしまい、このような
原反が磁気テープとして製品化されれば、信号の記録、
再生に重大な影響を及ぼす。これについて、以下に説明
する。
【0046】図6は、既に上述した如き湾曲のあるベー
スフィルムが所定の幅の原反用フィルムに裁断され、磁
性塗料を塗布後に乾燥工程を経て原反化されたフィルム
12の一部を示す概略平面図であるが、図示の如く、原
反フィルム12がそのベースフィルムの湾曲により同方
向に湾曲している場合、湾曲の凸状側に湾曲量Cが形成
され、反対に凹状側では湾曲量C’が形成されているこ
とを示している。そしてこのような場合、凹状側Bは伸
びていないが、凸状側Aが伸びている現象である。
【0047】図7は、磁気テープとして例えば8mm幅
にスリッティングしたテープ14であるが、原反に図6
に示すような湾曲現象が存在しておれば、この現象はス
リッティング後のテープ14にも同様の傾向が追随して
現れ、原反と同様に凸状側aに湾曲量Cが形成され、凹
状側bにも湾曲量C’が形成される確率が高い。
【0048】図8は、このように湾曲したテープをカセ
ットデッキに組み込んだ場合、カセットデッキのローラ
ー間を走行するテープ14の湾曲が図7のようにa側で
伸びていれば、仮想線で示すように、反対のb側へ斜行
しようとする。従って、テープ12の走行を安定させる
ために、カセットデッキ内のガイドピンにテープ走行規
制面が設けられているときには、テープエッジが損傷を
受け、同規制面が設けられていないときには、或る程度
以上に走行位置がずれると再び元の走行位置に戻ろうと
するが、テープ14の一部が磁気ヘッドの磁気ギャップ
からずれて記録面積が減り、同一テープ内において記録
面積に変化が生じてしまい、再生時に出力信号が大小に
変化し、出力信号に乱れが生じる。
【0049】また、回転ヘッドにより信号を記録する
際、図8のような場合には、図7の如き湾曲があれば、
テープ14の下端b側は固定シリンダドラムの規制ガイ
ド面で規制されているため、下端側は回転シリンダに密
着するが、上端a側はドラム上で浮上し易くなる。この
ため、ヘッドとの間のスペーシングロスが増大し、上記
と同様に再生出力信号の出力が低下し、またテープエッ
ジが損傷され易くなる。
【0050】また、湾曲が図7と逆に生じている場合に
は、これに伴う斜行性やこれに伴う諸現象は上記と反対
側で生じる。
【0051】しかし、本発明に基づいて、媒体の製造段
階において、上述したようにベースフィルムの湾曲を既
に測定して定量化し、良品のみを選別して原反化できる
(場合によっては、ベースフィルムの製造条件も制御し
て湾曲を低減できる)ので、上記したテープの斜行によ
るトラブル、記録再生特性の劣化を十分に防ぐことが可
能である。
【0052】即ち、テープの湾曲現象の原因は、既にベ
ースフィルムの段階で発生していることが多いので、テ
ープの製造段階においてこれを測定し、掌握すれば、こ
の測定結果によって良質の製品を提供できる。或いは、
ベースフィルムの製造工程にフィードバックすれば、フ
ィルムの湾曲自体を低減できる。この結果、製造ライン
の設備稼働率の向上に加え、良品の迅速処理による生産
の高速化を実現できる。
【0053】こうすることによって、信頼性のある高品
質の磁気テープを製造することができる。なお、上記し
た測定方法及び測定装置は磁気記録媒体に限らず、他の
各種の幅広の長尺状体の製造に適用することが可能であ
る。
【0054】本発明の実施例によれば、装置1の前後及
び中間の要所に、一定の目盛りを設けたスケールを幅方
向に予め設置しておけば、前後端部の目盛りと中間部に
おける目盛りとの差を湾曲量として読み取ることができ
る。
【0055】また、上記と同様な位置に幅方向に移動可
能なセンサーを設け、例えばそれぞれのセンサーが測定
されるベースフィルムの前後の側端位置と同一線上にあ
る場合はゼロ点と設定しておけば、中間位置における側
端位置を示すセンサーによる表示を湾曲量として即座に
読み取ることができる。
【0056】また、図1の装置において、前後端寄り複
数のローラー4にロック機能を持たせ、測定されるフィ
ルムの長さに応じてその前後端近傍の適当な位置のロー
ラー4(但し、回転ロック機構を設けるのがよい。)に
粘着テープ等で固定できるようにすれば、例えば前記し
た表1における最大規格のサンプルフィルムを測定でき
る装置により、この規格以下の大きさのフィルム全てを
1つの装置を用いて測定することが可能であり、設備費
の軽減も可能になる。
【0057】
【発明の作用効果】上述した如く、本発明は、幅広の長
尺状体の幅方向での湾曲を測定するに際し、前記長尺状
体の前端部側及び後端部側にそれぞれ張力付与手段を設
け、前記前端部と前記後端部との間に所定の張力を付与
し、この状態で前記長尺状体を支持手段によって支持さ
せ、前記長尺状体の前記前端部と前記後端部との間の幅
方向での湾曲を、前記前端部と前記後端部との間に設け
た基準線との比較によって測定するので、幅広の長尺状
体の幅方向での湾曲を精度よく測定することがてきる。
そして、これは各種の長尺状態の幅方向の湾曲測定に応
用することができ、この測定結果に基づいて、例えば湾
曲による走行トラブルをなくし、或いは製造条件の制御
により湾曲の発生を抑制することもできる。また、これ
を磁気記録媒体の製造において実施すれば、生産性を向
上させると共に高品質の製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による測定装置を示し、(a)
は被測定物を装着した状態の平面図、(b)は正面図で
ある。
【図2】湾曲方向を示す概略平面図であり、(a)は+
方向の湾曲を示し、(b)は−方向の湾曲を示す図であ
る。
【図3】磁気テープ用のベースフィルムを示す視斜図で
ある。
【図4】磁性塗料塗布工程から原反形成に至る概略正面
図である。
【図5】磁気テープ原反のスリッティング工程を示す概
略正面図である。
【図6】磁気テープ用のベースフィルムを示す概略平面
図である。
【図7】磁気テープを示す概略平面図である。
【図8】使用状態における磁気テープの斜行を示す概略
図である。
【符号の説明】
1…測定装置、2…基台、3…基枠、4…ローラー、5
…糸固定台、6…糸、7…粘着テープ、8…重り、10
…サンプルフィルム、11…ベースフィルム、12…原
反、14…磁気テープ、A、a…伸びている側、B、b
…伸びていない側、C…湾曲量、H…高さ、W…幅

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅広の長尺状体の幅方向での湾曲を測定
    するに際し、前記長尺状体の前端部側及び後端部側にそ
    れぞれ張力付与手段を設け、前記前端部と前記後端部と
    の間に所定の張力を付与し、この状態で前記長尺状体を
    支持手段によって支持させ、前記長尺状体の前記前端部
    と前記後端部との間の幅方向での湾曲を、前記前端部と
    前記後端部との間に設けた基準線との比較によって測定
    する、長尺状体の幅方向での湾曲測定方法。
  2. 【請求項2】 前記長尺状体の前後方向に所定間隔で配
    され、この長尺状体の幅全体を支持する前記支持手段を
    設け、前記長尺状体の前記前端部と前記後端部との幅方
    向のそれぞれの端部を結ぶ基準線を前記前端部と前記後
    端部との間で前記長尺状体の上方に設け、前記長尺状体
    に所定の張力を付与するための前記張力付与手段を前記
    長尺状体の幅方向に亘って設ける、請求項1に記載した
    長尺状体の幅方向での湾曲測定方法。
  3. 【請求項3】 前記長尺状体の前後方向での中間位置に
    おけるそれぞれの側縁位置と前記基準線とのずれを測定
    する、請求項1に記載した長尺状体の幅方向での湾曲測
    定方法。
  4. 【請求項4】 前記長尺状体が、所定の幅に裁断される
    磁気記録媒体の原反に加工される別の長尺状体に相当し
    ている、請求項1に記載した長尺状体の幅方向での湾曲
    測定方法。
  5. 【請求項5】 幅広の長尺状体の幅方向での湾曲を測定
    する装置において、前記長尺状体の前端部側及び後端部
    側にそれぞれ設けられた張力付与手段によって、前記前
    端部と前記後端部との間に所定の張力が付与され、この
    状態で前記長尺状体が支持手段によって支持され、前記
    長尺状体の前記前端部と前記後端部との間の幅方向での
    湾曲が、前記前端部と前記後端部との間に設けられた基
    準線との比較によって測定されるように構成したことを
    特徴とする、長尺状体の幅方向での湾曲測定装置。
  6. 【請求項6】 前記長尺状体の前後方向に所定間隔で配
    され、この長尺状体の幅全体を支持する前記支持手段が
    設けられ、前記長尺状体の前記前端部と前記後端部との
    幅方向のそれぞれの端部を結ぶ基準線が前記前端部と前
    記後端部との間で前記長尺状体の上方に設けられ、前記
    長尺状体に所定の張力を付与するための前記張力付与手
    段が前記長尺状体の幅方向に亘って設けられている、請
    求項5に記載した長尺状体の幅方向での湾曲測定装置。
  7. 【請求項7】 前記長尺状体の前後方向での中間位置に
    おけるそれぞれの側縁位置と前記基準線とのずれが測定
    される、請求項5に記載した長尺状体の幅方向での湾曲
    測定装置。
  8. 【請求項8】 前記長尺状体が、所定の幅に裁断される
    磁気記録媒体の原反に加工される別の長尺状体に相当し
    ている、請求項5に記載した長尺状体の幅方向での湾曲
    測定装置。
  9. 【請求項9】 幅広の長尺状体の前端部側及び後端部側
    にそれぞれ張力付与手段を設け、前記前端部と前記後端
    部との間に所定の張力を付与し、この状態で前記長尺状
    体を支持手段によって支持させ、前記長尺状体の前記前
    端部と前記後端部との間の幅方向での湾曲を、前記前端
    部と前記後端部との間に設けた基準線との比較によって
    測定し、この測定値に基づいて前記長尺状体に相当する
    幅広の別の長尺状体の製造条件を制御する、長尺状体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記製造条件として、前記別の長尺状
    体の成形条件を制御する、請求項9に記載した長尺状体
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記別の長尺状体が、所定の幅で裁断
    されて磁気記録媒体の原反に加工される、請求項9に記
    載した長尺状体の製造方法。
  12. 【請求項12】 幅広の長尺状体の前端部側及び後端部
    側にそれぞれ張力付与手段を設け、前記前端部と前記後
    端部との間に所定の張力を付与し、この状態で前記長尺
    状体を前記支持手段によって支持させ、前記長尺状体の
    前記前端部と前記後端部との間の幅方向での湾曲を、前
    記前端部と前記後端部との間に設けた基準線との比較に
    よって測定し、この測定値に基づいて前記長尺状体に相
    当する幅広の別の長尺状体の製造条件を制御し、これに
    よって得られた長尺状体を加工した後に磁性層を形成す
    る、磁気記録媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記磁性層の形成後に所定幅に裁断す
    る、請求項12に記載した磁気記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記別の長尺状体の前記製造条件とし
    て、成形条件を制御する、請求項12に記載した磁気記
    録媒体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記磁性層用の磁性塗料を塗布後に乾
    燥処理する、請求項12に記載した磁気記録媒体の製造
    方法。
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