JP2003026358A - フィルムテープおよびテープ巻き取り装置 - Google Patents

フィルムテープおよびテープ巻き取り装置

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JP2003026358A
JP2003026358A JP2001213647A JP2001213647A JP2003026358A JP 2003026358 A JP2003026358 A JP 2003026358A JP 2001213647 A JP2001213647 A JP 2001213647A JP 2001213647 A JP2001213647 A JP 2001213647A JP 2003026358 A JP2003026358 A JP 2003026358A
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tape
magnetic
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magnetic tape
thickness
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JP2001213647A
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English (en)
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Mitsuru Onodera
満 小野寺
Naotake Fujiwara
尚武 藤原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムテープをロール状に巻き取った際の
皺の発生を防止する。 【解決手段】 磁気テープ2を構成する磁性層6および
バック層8は、磁気テープ2の幅方向において厚みが一
定に形成されている一方、フィルムテープ4は、その幅
方向において、中央部10でもっとも厚く、側端部12
側ほど薄く形成されている。そのため、タッチローラー
により押圧しつつ、ローラーに巻き取る際、幅方向の中
央部ほどテープ間に空気が入りにくくなる。よって磁気
テープ2は、幅方向の中央部ほど硬く巻き取られ、側端
部側ほど弱く巻き取られることになり、磁気テープ2は
側端部側ほど幅方向に移動し易い状態となる。その結
果、巻き取り時に長手方向の張力により幅が僅かに細く
なっていた磁気テープ2が、巻き取り後にもとの幅に戻
ろうとした際、両側部が固定されることがないので、幅
方向に容易に移動でき、したがって皺が発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムテープお
よびテープ巻き取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビデオテープレコーダーやオーディオテ
ープレコーダーなどに用いる磁気テープは、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどの合
成樹脂によるテープ状のフィルム(フィルムテープとも
いう)を支持体として、その表面に磁性層を形成した構
造となっている。磁性層は、磁性粒子を有機溶媒溶液、
硬化剤、ならびに潤滑剤と配合し混合した磁性塗料をフ
ィルムテープの表面に塗布し、乾燥させて形成される。
磁性層形成の後、磁気テープは、カレンダー処理を行っ
た上で、幅方向において複数に裁断され、製品としての
磁気テープとされる。
【0003】図6は、磁気テープの製造における磁性塗
料の塗布工程を示す模式図、図7は、磁気テープのカレ
ンダー処理工程を示す模式図である。図6に示したよう
に、磁性塗料を塗布すべきフィルムテープ102は、幅
が620mm程度、全長が1000m〜25000m程
度のものが紙巻芯などに巻き付けられてロール104を
形成しており、このロール104から、ガイドローラー
106により案内されて引き出され、巻き取りローラー
108に巻き取られる。ロール104と巻き取りローラ
ー108との間には、塗布装置110および乾燥装置1
12が配置されており、ロール104から引き出された
フィルムテープ102は、まず塗布装置110により、
表面に磁性塗料が塗布され、その後、乾燥装置112内
を通過する関に、塗布された磁性塗料が乾燥し、そして
磁性層が形成されたフィルムテープ102、すなわち磁
気テープ114として巻き取りローラー108に巻き取
られる。
【0004】次に、このように磁性層が形成された磁気
テープ114に対して、図7に示した工程で、カレンダ
ー処理が施される。カレンダー処理部116には、本例
では2つのスチールローラー118と弾性ローラー12
0とがロール面を互いに当接させて一列に交互に配置さ
れ、ロール122から引き出された磁気テープ114
は、ガイドローラー106によりカレンダー処理部11
6へ案内され、隣接するスチールローラー118および
弾性ローラー120の間を蛇行して走行する。スチール
ローラー118は金属製であって表面が硬く、また内部
に誘導発熱源が内蔵されている。弾性ローラー120は
合成樹脂製であり弾性を有している。
【0005】磁気テープ114は、カレンダー処理部1
16を通過する間、スチールローラー118の上記誘導
発熱源により60°C〜120°C程度の温度に加熱さ
れ、表面の磁性層がいったん軟化する。その状態で、ス
チールローラー118と弾性ローラー120とに挟まれ
押圧されることから、磁性層の表面が平滑化され、磁気
テープとしての特性が向上する。
【0006】カレンダー処理部116を出た磁気テープ
114は、ガイドローラー106により案内され、テー
プ巻き取り装置を構成する巻き取りローラー124に巻
き取られる。巻き取りローラー124には、ウレタンゴ
ムなどから成るタッチローラー125が設けられてお
り、タッチローラー125は、巻き取りローラー124
と平行に延在して回転可能に支持され、巻き取りローラ
ー124側に付勢されて磁気テープ114を巻き取りロ
ーラー124方向に押圧している。このタッチローラー
125により磁気テープ114が押圧される結果、巻き
取り済みの磁気テープ114と、新たに巻き取られる磁
気テープ114との間に空気が入り込んでフィルム間に
空気層が形成されフィルムに皺などが形成されることが
防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなタ
ッチローラーにより空気層の形成防止を図っても、巻き
取りローラー124に巻き取られたロール126には、
しばしば皺が形成される場合があった。図8の(A)か
ら(C)は巻き取りローラーに巻き取られたロール3を
示す斜視図であり、(A)は正常なロール、(B)は皺
128が形成されたロール、(C)は他の形態の皺13
0が形成されたロールをそれぞれ示している。
【0008】このような皺は、短くて200m、長い場
合には磁気テープ114の全長にわたって発生し、そし
て磁気テープ114に塑性変形を起こさせるため、つづ
く裁断工程で磁気テープ114を正しい幅に裁断できな
かったり、裁断後の磁気テープが蛇行したものとなった
りすることから、製造歩留まりの低下を招く結果とな
る。
【0009】ロール126に皺が形成される1つの原因
は、磁気テープ114の幅方向における厚みが均一でな
いことにある。図9は、幅方向の厚みが不均一な、裁断
前の磁気テープを示す模式部分断面図である。図9の例
では、フィルムテープ102の表面に形成された磁性層
132が、皿形の断面形状を呈し、その結果、裁断前の
磁気テープ全体の厚みは、幅方向において中央部が最も
薄く、側端部側ほど厚くなっている。このような場合に
しばしばロールの皺が発生している。なお、磁気テープ
によっては、図9に示したように、フィルムテープ10
2の裏面側に、磁気テープの強度向上のため、合成樹脂
によるバック層134が形成されている。
【0010】図9に示した皺は次のようなメカニズムに
より発生すると考えられる。すなわち、図7の巻き取り
ローラー124により磁気テープ114を巻き取ると
き、磁気テープ114には一定の張力がかけられ、磁気
テープ114はその長手方向に引っ張られ、幅方向で僅
かに細くなった状態となる。したがって、巻き取りロー
ラー124に巻き取られた後は、もとの幅に戻ろうとす
る力が磁気テープ114に作用する。
【0011】ここで、図9に示したように磁気テープの
断面が皿形となっている場合には、磁気テープの両側端
部では、タッチロール125により強く押圧される結
果、空気がテープ間に入り込み難く、一方、中央部では
タッチロールにより押圧される力が弱くなるため、テー
プ間に空気が入り込み易い。したがって、両側端部では
磁気テープは硬く巻き取られ、中央部では弱く巻き取ら
れることになり、上述のように幅方向に戻ろうとする力
が磁気テープに作用した際、両側端部では磁気テープは
移動し難く、一方、中央部では容易に移動して上述のよ
うな皺が発生することになる。
【0012】このような皺の発生を防止するため、従来
は、塗布装置110を調整して、磁性層の塗布厚が磁気
テープ114の幅方向においてできるだけ均一となるよ
うにしたり、さらには、磁性層の厚みが図9の場合とは
逆に、中央部で最も厚くなるように磁性層を形成してい
た。図10は、磁性層の厚みを中央部で厚く、側端部側
ほど薄くなるようにした場合の磁気テープ幅方向の断面
図である。このように磁性層132中央部の厚みを大き
くした場合には、図7に示した巻き取りローラー124
に磁気テープ114が巻き取られる際に、テープ幅方向
の中央部で空気がテープ間に入り難くなり、中央部で最
も硬く巻き取られることになるので、側端部側ではテー
プは幅方向に容易に移動でき、皺の発生が防止される。
また、図11に示したようにバック層134を、その中
央部が厚くなるように形成しても、磁気テープ114は
図10の場合と同様に中央部が厚くなり、同様の効果が
得られる。
【0013】しかし、磁性層の厚みが常に均一となるよ
うに、あるいは磁性層の中央部で厚みが最も大きくなる
ように塗布装置110を安定的に調整することは容易で
はなく、また、バック層134を、その中央部で最も厚
くなるように形成することも同様である。しかも、磁気
テープ114全体の厚みにおいて、フィルムテープ10
2の厚みが占める割合が大きいため、フィルムテープ1
02の厚みが均一でない場合には、その影響を大きく受
け、磁性層を均一な厚みに形成したり、中央部で厚くな
るように形成しても、その効果が発揮されず、巻き取っ
たロールに皺が発生する場合がしばしばあった。
【0014】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、その目的は、ロール状に巻き取った際
に皺の発生を防止できるフィルムテープ、および巻き取
ったフィルムテープにおける皺の発生を防止できるテー
プ巻き取り装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、合成樹脂から成るフィルムにより形成されロ
ール状に巻回されるテープであって、その幅方向におい
て、中央部でもっとも厚く、側端部側ほど薄く形成され
ていることを特徴とする。また、本発明は、巻き取りロ
ーラーと、同ローラーを回転駆動する駆動手段とを含
み、合成樹脂から成るフィルムにより形成したテープを
前記巻き取りローラーに巻き取るテープ巻き取り装置で
あって、前記フィルムテープは、その幅方向において、
中央部でもっとも厚く、側端部側ほど薄く形成されてい
ることを特徴とする。
【0016】このように、本発明では、フィルムテープ
が、その幅方向において、中央部でもっとも厚く、側端
部側ほど薄く形成されているので、フィルムテープを巻
き取ってロールとする際に、たとえばタッチローラーに
より押圧しつつ巻き取った場合、幅方向の中央部ほどテ
ープ間に空気が入りにくくなる。よってフィルムテープ
は、幅方向の中央部ほど硬く巻き取られ、側端部側ほど
テープは幅方向に移動し易い状態で巻き取られることに
なり、その結果、フィルムテープの皺の発生を防止でき
る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図面を参照して説明する。図1の(A)は本発明の実
施の形態例としての磁気テープを示す模式断面図、
(B)は(A)の磁気テープを構成するフィルムテープ
を詳しく示す模式断面図である。図1の(A)に示した
磁気テープ2は、一例としてポリエチレンテレフタレー
トから成るフィルムテープ4の表面に磁性層6を形成
し、一方、フィルムテープ4の裏面にバック層8を形成
した構造となっている。ここで、磁性層6およびバック
層8は、磁気テープ2の幅方向において厚みが一定に形
成されている一方、フィルムテープ4は、図1の(B)
に強調して示したように、その幅方向において、中央部
10でもっとも厚く、側端部12側ほど薄く形成されて
いる。フィルムテープ4の厚み、したがって磁気テープ
2の厚みがこのように幅方向の中央部10で大きくなっ
ていることから、そのロール14は中央部で径が最も大
きい樽型となる。図1の(A)ではこれが強調して示さ
れている。
【0018】磁気テープ2は、たとえば図7に示したカ
レンダー処理の工程で、スチールローラー118および
弾性ローラー120の箇所を通過した後、不図示の駆動
手段により回転駆動される巻き取りローラー124に、
タッチローラー125により押圧されつつ、また磁気テ
ープ2の長手方向に適切に張力がかかった状態で巻き取
られ、ロール14を形成する。ここで、上記駆動手段、
巻き取りローラー124、タッチローラー125は本発
明の実施の形態例としてのテープ巻き取り装置を構成し
ている。ただし、巻き取り対象の磁気テープは、図1に
示した磁気テープ2である。
【0019】このように、本実施の形態例では、磁気テ
ープ2を構成するフィルムテープ4が、その幅方向にお
いて、中央部10でもっとも厚く、側端部12側ほど薄
く形成されているので、磁気テープ2を、たとえば図7
のテープ巻き取り装置16により、タッチローラーによ
り押圧しつつ巻き取りローラー124に巻き取る際に、
幅方向の中央部10ほどテープ間に空気が入りにくくな
る。よって磁気テープ2は、幅方向の中央部10ほど硬
く巻き取られ、側端部12側ほど弱く巻き取られること
になり、磁気テープ2は側端部12側ほど幅方向に移動
し易い状態となる。その結果、巻き取り時に長手方向の
張力により幅が僅かに細くなっていた磁気テープ2が、
巻き取り後にもとの幅に戻ろうとした際、従来のように
両側部が固定されることがないので、幅方向に容易に移
動でき、したがって皺の発生が防止される。
【0020】これにより、磁気テープ2を裁断する際
に、正しい幅に裁断できなかったり、裁断後の磁気テー
プが蛇行したものになるといった不具合を解消でき、製
造歩留まりを向上させることが可能となる。そして、本
実施の形態例では、従来のように磁性層6の厚みや、バ
ック層8の厚みを制御する必要がないので、磁性塗料の
塗布装置110の調整などに時間がかからず、磁気テー
プの製造効率が向上する。また、従来のように磁性層6
などの厚みを制御した場合には、裁断後、磁性層6の厚
さが磁気テープにより異なったものとなるため、磁気テ
ープ間で電気的特性のバラツキが大きくなる可能性があ
るが、本実施の形態例ではそのような問題も発生しな
い。さらに、磁気テープ2全体の厚みにおいて、フィル
ムテープ4の厚みが占める割合が大きいため、磁性層6
やバック層8に、幅方向である程度の厚みの変動が生じ
たとしても、その影響は小さく、常に安定に皺の発生を
防止することができる。
【0021】なお、フィルムテープ4に磁性層6を形成
する方式としては、従来よりグラビアコーティングやリ
バースコーティングなどの塗布方式が知られており、ま
た蒸着方式で磁性層を形成することも行われている。し
かし、これらは磁性層6の形成のみに係わるものであ
り、本発明は、いずれの方式で磁性層6が形成されたフ
ィルムテープ4に対しても無論有効である。
【0022】そして、ここでは本発明の実施の形態例と
してフィルムテープ4が磁気テープである場合を説明し
たが、本発明は磁気テープ2に限らず種々のフィルムテ
ープに対して有効であり、たとえば磁性層6やバック層
8以外の何らかの層が形成されていたり、あるいは、こ
れらの層がいっさい形成されていないフィルムテープに
対しても本発明は有効である。
【0023】
【実施例】フィルムテープ4の幅方向における具体的な
厚みは、フィルムテープ4の中央部10の厚みY(図
1)と、側端部12の厚みXとの差Dが、フィルムテー
プ4の側端部12の厚みXの0.05%以上、0.5%
以下となるように選択することができる。厚みの差Dが
フィルムテープ4の側端部12の厚みXの0.05%よ
り小さい場合には、巻き取りの際にタッチローラーによ
り磁気テープ2が押圧されても、幅方向の中央部10と
側端部12側とで押圧力の差が小さく、充分な効果が得
られない。一方、厚みの差Dがフィルムテープ4の側端
部12の厚みXの0.5%より大きい場合には、磁気テ
ープ2は側端部12側で充分な硬さに巻き取られなくな
り、側端部12側に皺などが発生し易くなる。
【0024】図2は、サンプルとして作製した実際の磁
気テープのロールの山の高さと、磁気テープ巻き取り時
の皺による形状不良率との関係をプロットした相関図で
ある。図中、縦軸が形状不良率を表し、横軸は磁気テー
プのロールの、幅方向中央部の半径とロール側端部の半
径との差(ここではロールの山の高さという)を表して
いる。そして、点18が各磁気テープサンプルに対応
し、直線20は近似直線である。
【0025】なお、サンプルの磁気テープは次のような
条件で作製した。フィルムテープとしてはポリエステル
テレフタレートによる、公称厚が10.0μmのものを
用い、このフィルムテープにグラビアコーティング方式
で磁性層を3.0μmの厚さに、バック層を1.0μm
の厚さに形成した。また、磁性層形成後の巻き取り長は
12000mであった。サンプルの総数は17ロールで
あり、その内の12ロールは山の高さが0〜200μm
程度であり、5ロールは−200μm〜−300μm程
度であった。形状不良率は次のようにして算出した。皺
に関して良/不良を判断するための限度見本をもとに、
目視検査によって、磁気テープ上で皺による塑性変形が
生じている箇所を検出し、磁気テープ長手方向における
不良個所の長さを計測する。次に、その不良箇所の長さ
が、裁断後の製品としての磁気テープの何巻分に相当す
るかを算出し、不良が生じていない場合に本来作製でき
る製品としての磁気テープの総巻数に対する割合を求
め、形状不良率とする。
【0026】図2から分かるように、ロールの山の高さ
が0〜200μmのサンプル、特に100μm〜200
μm程度のサンプル(本発明)では形状不良率は低い値
を示し、一方、山の高さが−200μm〜−300μm
程度のサンプルでは形状不良率は1つを除き非常に大き
な値となっている。
【0027】なお、幅方向の中央部10の厚みが厚い磁
気テープ2を巻き取ってできたロール14は、磁気テー
プ2の厚みの変化に対応して上述のように樽型となる。
したがって、ロール14の、幅方向における各位置の半
径は、磁気テープ2の幅方向における各位置の厚みに対
応しており、上述のようにロール14の山の高さと、形
状不良率との関係を調べることにより、磁気テープ2の
厚みを中央部10で厚くすることの有効性を確認するこ
とができる。
【0028】また、本発明の発明者は、上記ロールの山
の高さを調べるためのロール形状測定器を作製し、これ
を用いて上記各サンプルの山の高さを測定した。図3に
示したように、このロール形状測定器22は、ロール2
4の半径方向に揺動可能なプローブ26を有し、プロー
ブ26の先端をロール24の表面に接触させた状態で本
体28をロール24の幅方向Aに移動させた場合のプロ
ーブ26の揺動角を電気的に測定することで、ロール2
4の山の高さを得る構成となっている。
【0029】図4は、ロール形状測定器22による測定
結果の一例をプロットしたグラフである。縦軸が山の高
さを表し、横軸はロールの幅方向の位置を表している。
この例では山の高さは305μmとなっている。また、
図5は、ロール形状測定器による測定結果の他の例をプ
ロットしたグラフであり、この場合には、磁気テープの
厚みが中央部で小さいため、ロールの中央部が側端部よ
り200μm低くなっている。なお、図4、図5では上
下に隣接する2本のスケール線の間隔が100μmに相
当している。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、フィル
ムテープが、その幅方向において、中央部でもっとも厚
く、側端部側ほど薄く形成されているので、フィルムテ
ープを巻き取ってロールとする際に、たとえばタッチロ
ーラーにより押圧しつつ巻き取った場合、幅方向の中央
部ほどテープ間に空気が入りにくくなる。よってフィル
ムテープは、幅方向の中央部ほど硬く巻き取られ、側端
部側ほどテープは幅方向に移動し易い状態で巻き取られ
ることになり、その結果、フィルムテープの皺の発生を
防止できる。
【0031】これにより、磁気テープを裁断する際に、
正しい幅に裁断できなかったり、裁断後の磁気テープが
蛇行したものになるといった不具合を解消でき、製造歩
留まりを向上させることが可能となる。そして、本実施
の形態例では、従来のように磁性層の厚みや、バック層
の厚みを制御する必要がないので、磁性塗料の塗布装置
の調整などに時間がかからず、磁気テープの製造効率が
向上する。また、従来のように磁性層などの厚みを制御
した場合には、裁断後、磁性層の厚さが磁気テープによ
り異なったものとなるため、磁気テープ間で電気的特性
のバラツキが大きくなる可能性があるが、本実施の形態
例ではそのような問題も発生しない。さらに、磁気テー
プ全体の厚みにおいて、フィルムテープの厚みが占める
割合が大きいため、磁性層やバック層に、幅方向である
程度の厚みの変動が生じたとしても、その影響は小さ
く、常に安定に皺の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施の形態例としての磁気テ
ープを示す模式断面図、(B)は(A)の磁気テープを
構成するフィルムテープを詳しく示す模式断面図であ
る。
【図2】サンプルとして作製した実際の磁気テープのロ
ールの山の高さと、磁気テープ巻き取り時の皺による形
状不良率との関係をプロットした相関図である。
【図3】ロール形状測定器を示す説明図である。
【図4】ロール形状測定器による測定結果の一例をプロ
ットしたグラフである。
【図5】ロール形状測定器による測定結果の他の例をプ
ロットしたグラフである。
【図6】磁気テープの製造における磁性塗料の塗布工程
を示す模式図である。
【図7】磁気テープのカレンダー処理工程を示す模式図
である。
【図8】(A)から(C)は巻き取りローラーに巻き取
られたロールを示す斜視図である。
【図9】幅方向の厚みが不均一な、裁断前の磁気テープ
を示す模式部分断面図である。
【図10】磁性層の厚みを中央部で厚く、側端部側ほど
薄くなるようにした場合の磁気テープ幅方向の断面図で
ある。
【図11】バック層の厚みを中央部で厚く、側端部側ほ
ど薄くなるようにした場合の磁気テープ幅方向の断面図
である。
【符号の説明】 2……磁気テープ、4……フィルムテープ、6……磁性
層、8……バック層、10……中央部、12……側端
部、14……ロール、16……装置、18……黒点、2
0……直線、22……ロール形状測定器、24……ロー
ル、26……プローブ、28……本体、102……フィ
ルムテープ、104……ロール、106……ガイドロー
ラー、108……巻き取りローラー、110……塗布装
置、112……乾燥装置、114……磁気テープ、11
6……カレンダー処理部、118……スチールローラ
ー、120……弾性ローラー、122……ロール、12
4……ローラー、126……ロール。
フロントページの続き Fターム(参考) 3F055 AA05 CA01 DA01 FA11 FA13 5D006 CB07 5D112 AA02 BA01 KK03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂から成るフィルムにより形成さ
    れロール状に巻回されるテープであって、 その幅方向において、中央部でもっとも厚く、側端部側
    ほど薄く形成されていることを特徴とするフィルムテー
    プ。
  2. 【請求項2】 前記中央部の厚みと、前記側端部の厚み
    との差は、前記側端部における厚みの0.05%以上、
    0.5%以下であることを特徴とする請求項1記載のフ
    ィルムテープ。
  3. 【請求項3】 表面に磁性体層が形成されていることを
    特徴とする請求項1記載のフィルムテープ。
  4. 【請求項4】 前記合成樹脂はポリエチレンテレフタレ
    ートまたはポリエチレンナフタレートであることを特徴
    とする請求項1記載のフィルムテープ。
  5. 【請求項5】 巻き取りローラーと、同ローラーを回転
    駆動する駆動手段とを含み、合成樹脂から成るフィルム
    により形成したテープを前記巻き取りローラーに巻き取
    るテープ巻き取り装置であって、 前記フィルムテープは、その幅方向において、中央部で
    もっとも厚く、側端部側ほど薄く形成されていることを
    特徴とするテープ巻き取り装置。
  6. 【請求項6】 前記巻き取りローラーと平行に延在し、
    前記巻き取りローラーに前記巻き取られたフィルムテー
    プに当接するとともに、前記巻き取りローラー方向に付
    勢されて回転するタッチローラーを含むことを特徴とす
    る請求項5記載のテープ巻き取り装置。
  7. 【請求項7】 前記フィルムテープの前記中央部の厚み
    と、前記側端部の厚みとの差は、前記フィルムテープの
    前記側端部における厚みの0.05%以上、0.5%以
    下であることを特徴とする請求項5記載のテープ巻き取
    り装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルムテープの表面に磁性体層が
    形成されていることを特徴とする請求項5記載のテープ
    巻き取り装置。
  9. 【請求項9】 前記合成樹脂はポリエチレンテレフタレ
    ートまたはポリエチレンナフタレートであることを特徴
    とする請求項5記載のテープ巻き取り装置。
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