JPH10594A - ストリッピング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、段ボールや板紙等の薄板状素材を
所定形状に打抜き加工する自動打抜き機に用いられ、打
抜き断裁後の不要部分を素材から取除くストリッピング
装置に関し、各製品に合せた治具の配置を図面として個
々に保存でき、装置全体を保管する必要がなく省スペー
ス化が図れると共に、組立調整時の手間を少なくして作
業効率が向上し、カス部の除去作業全体に亘って低コス
ト化できるストリッピング装置を提供することを目的と
する。 【解決手段】 打抜き設計図面７に合せて調整作業を行
えることにより、組立調整時の手間を少なくして作業の
効率化が図れると共に、組替え後においても各製品に合
せた治具の配置を打抜き設計図面７で保存して容易に再
現でき、また、打抜き設計図面７のみ保管すればよく、
装置全体の保管が不要で保管スペースも少なく済み、カ
ス部の除去作業全体に亘ったコストダウンが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、段ボールや板紙等
の薄板状素材を所定形状に打抜き加工する自動打抜き機
に用いられ、打抜き断裁後の不要部分を素材から取除く
ストリッピング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】段ボールや板紙等の薄板状素材を打抜い
て箱等の製品の展開形状である製品部を作成する自動打
抜き機では、薄板状素材が給紙され、抜き型により展開
形状に断裁が行われて製品部を作成し（打抜き工程）、
この展開形状が断裁された薄板状素材から残除の不要部
分（以下、カス部）を取除き（ストリッピング工程）、
さらに製品部を分離（ブランキング工程）する構成であ
る。一般にこの打抜き工程は、断裁の時点では断裁部分
がバラバラに分離して後の工程に不都合など生じないよ
うに、一部に不断裁部を適宜形成するように実施され
る。前記ストリッピング工程は、断裁済みの薄板状素材
からあらかじめ一度に分離しにくい細かい部分、特に袋
状部又は孔形状部などのカス部を、不断裁部を剪断して
取除く。その後ブランキング工程は、更に製品取りとし
て、前記不断裁部を剪断して製品部を完全に分離し、残
りの部分を廃材として排出していた。

【０００３】こうした自動打抜き機で断裁後の薄板状素
材から不要部分であるカス部を取除くストリッピング工
程には、従来から、ストリッピング装置が使用されてい
た。こうしたストリッピング装置としては、図６及び図
７に示すものがある。この図６は従来のストリッピング
装置の概略構成図、図７は従来のストリッピング装置の
動作説明図を示す。

【０００４】前記各図において従来のストリッピング装
置１００は、木型として形成され、板材よりなる基板１
０１の前記カス部８１に対応する部分に凸部１０１ａを
配設した構成である。

【０００５】この従来のストリッピング装置１００によ
る除去動作は、自動打抜き機における断裁後に取除くカ
ス部８１の形状に対応した開口部９１を備えた雌型９０
の上に、断裁後の薄板状素材８０を正確に位置決めす
る。次に、このカス部８１の直上に配置したストリッピ
ング装置１００を押し下げ、カス部８１を凸部１０１ａ
で押圧して不断裁部を剪断しながらカス部８１を雌型９
０の開口部９１の中に落とし込んで取除くものである。

【０００６】また、従来の他のストリッピング装置とし
て、図８に示される装置がある。この図８は従来の他の
ストリッピング装置の概略構成図を示す。前記図８にお
いて従来の他のストリッピング装置１００は、対向する
２辺に長手方向に延びる長孔を複数穿設した矩形状の枠
体１０２と、この枠体１０２の長孔１０２ａに両端を摺
動自在に取付けられる柱状材で、長手方向に長孔１０３
ａを複数穿設され、前記枠体１０２に平行移動可能に複
数配設されるスライドフレーム１０３と、このスライド
フレーム１０３の長孔１０３ａに摺動自在かつ回動自在
に複数取付けられる支持治具１０４と、この支持治具１
０４に取付けられ、前記カス部を押圧する押圧治具１０
５とを備える構成である。

【０００７】このストリッピング装置の組立ては、ま
ず、枠体１０２に配設された複数のスライドフレーム１
０３に支持治具１０４及び押圧治具１０５をカス部の数
だけ取付け、位置決めの基準となる抜き型に合せてスラ
イドフレーム１０３、支持治具１０４及び押圧治具１０
５をスライドあるいは回動させて位置を調整し、押圧治
具１０５でカス部８１を確実に押圧できるようにしてか
ら各部品を動かないよう固定するものである。

【０００８】次に、前記した構成に基づく従来の他のス
トリッピング装置１００による除去動作を説明する。前
記図７で示す場合と同様、自動打抜き機における断裁
後、取除くカス部８１の形状に対応した開口部９１を備
えた雌型９０の上に、断裁後の薄板状素材８０を正確に
位置決めする。次に、このカス部８１の直上に配置した
ストリッピング装置１００を押し下げ、カス部８１を押
圧治具１０５で押圧して不断裁部を剪断するようにして
カス部８１を雌型９０の開口部９１の中に落とし込み、
これを取除く。このストリッピング装置１００は、精度
良く組立てられ、且つ抜き型に合せて押圧治具１０５を
自由にセットできるため、カス部８１がどの位置にあっ
ても対応でき、様々な形状の製品に対して幅広く使用で
きる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】従来のストリッピング
装置は以上のように構成されていたことから、一つの木
型で一つの製品にしか対応できず、製品毎に一つずつ用
意しなければならないため、保管に広いスペースが必要
になってしまうという課題を有していた。

【００１０】また、図８に示す従来の他のストリッピン
グ装置においては、部品点数が多く、装置の組立の際、
正常にカス部を押圧するために抜き型に合せて各部品の
位置を微調整するのが難しく、組立に非常に手間がかか
るという課題を有する。また、一度治具を外して別の製
品用に組替えると、再度前回の配置に戻すのにも初めか
ら調整のやり直しとなり、作業能率が良くないという課
題を有する。

【００１１】本発明は前記課題を解消するためになされ
たもので、各製品に合せた治具の配置を図面として個々
に保存でき、装置全体を保管する必要がなく省スペース
化が図れると共に、組立調整時の手間を少なくして作業
効率が向上し、カス部の除去作業全体に亘って低コスト
化できるストリッピング装置を提供することを目的とす
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明に係るストリッピ
ング装置は、薄板状素材の自動打抜き機に用いられ、打
抜き断裁後の不要部分を取除くストリッピング装置にお
いて、前記薄板状素材より大きい板状体に形成されてな
り、取付用螺子孔が板面に垂直且つ等間隔に多数配設さ
れる基板と、当該基板上の所定位置に貼設され、抜き型
を原寸で示す打抜き設計図面と、前記基板への取付用螺
子を通す調整用長孔が基板の取付用螺子孔の配置間隔の
１／２より長い寸法として形成され、前記調整用長孔に
通した取付用螺子を前記基板の取付用螺子孔に前記打抜
き設計図面を貫通するように螺合させて基板に取付けら
れる支持治具と、当該支持治具に位置調整可能に取付け
られ、薄板状素材の不要部分を押圧する押圧治具とを備
えてなり、前記打抜き設計図面に示された薄板状素材の
不要部分にあたる位置に押圧治具が位置するよう支持治
具及び押圧治具を調整してから、動かないよう固定して
使用されるものである。このように本発明においては、
打抜き設計図面に合せて調整作業を行えることにより、
組立調整時の手間を少なくして作業の効率化が図れると
共に、組替え後においても各製品に合せた治具の配置を
打抜き設計図面で保存して容易に再現でき、また、打抜
き設計図面のみ保管すればよく、装置全体の保管が不要
で保管スペースも少なく済み、カス部の除去作業全体に
亘ったコストダウンが可能である。

【００１３】また、本発明に係るストリッピング装置は
必要に応じて、前記支持治具が、前記調整用長孔と並列
に固定用螺子孔を形成されてなり、前記押圧治具が、固
定用螺子を通す貫通孔及び同固定用螺子の頭部を収める
凹部を形成されてなり、前記貫通孔に通した固定用螺子
を前記支持治具の固定用螺子孔に螺合させて支持治具に
取付けられるものである。このように本発明において
は、簡略な構造で押圧治具を支持治具に取付けられ、位
置調整及び固定が容易となる上、製作しやすく低コスト
化できる。

【００１４】

【発明の実施の形態】

（本発明の一の実施の形態）以下、本発明の一の実施の
形態に係るストリッピング装置を図１〜図５に基づいて
説明する。この図１は本実施の形態に係るストリッピン
グ装置の打抜き設計図面貼設状態説明図、図２は本実施
の形態に係るストリッピング装置の治具取付状態説明
図、図３は本実施の形態に係る治具の概略構成図、図４
は本実施の形態に係るストリッピング装置の要部断面
図、図５は本実施の形態に係るストリッピング装置の動
作説明図を示す。

【００１５】前記各図において本実施形態に係るストリ
ッピング装置１は、取付用螺子孔２ａが縦横等間隔の格
子点状に複数配置される基板２と、当該基板２上に貼設
される打抜き設計図面７と、前記基板２の取付用螺子孔
２ａに取付用螺子５を介して取付けられ、同取付用螺子
５を通す調整用長孔３ａが穿設され、同調整用長孔３ａ
と並列に固定用螺子孔３ｃが配設される支持治具３と、
当該支持治具３に取付けられ、薄板状素材８の不要部分
の押圧を行う押圧治具４とを備える構成である。

【００１６】前記基板２は、木製の矩形の板状体で、薄
板状素材８より大きい寸法に形成されており、薄板状素
材８に対応する位置に複数の取付用螺子孔２ａが縦横等
間隔に規則正しく配置され、表面には打抜き設計図面７
取付け用の保持具２ｄが配設されると共に、打抜き設計
図面７との位置合せ用の基準線２ｅが設けられる構成で
ある。取付用螺子孔２ａは、板状体に穿設した貫通孔２
ｂに、埋め込みナット２ｃを裏面側から打込んで嵌入さ
せることで形成される構成である。

【００１７】前記支持治具３は、矩形の小片で、押圧治
具４取付け用の固定用螺子孔３ｃを形成されると共に、
基板２に取付けるための取付用螺子５を通す調整用長孔
３ａ及び取付用螺子５の頭部が収まる溝３ｂを形成され
る構成である。調整用長孔３ａは、前記基板２の取付用
螺子孔２ａの配置間隔の１／２より長く形成されてお
り、調整用長孔３ａの範囲内で取付用螺子５すなわち基
板２の取付用螺子孔２ａに対し支持治具３をスライド及
び回動させることによって、基板２上のどの位置にも支
持治具３の固定用螺子孔３ｃを配置させることができ、
薄板状素材８のどの位置に対しても押圧治具４で確実に
押圧できるようにして、カス部８ａがどこにあっても対
応できる構成である。

【００１８】前記押圧治具４は、カス部８ａの形状に対
応してこれを的確に押圧させられると共にカス部８ａ以
外の部分には干渉しないようなやや小さめの形状に形成
され、固定用螺子６を貫通させる孔４ａ及びその頭部が
収納される凹部４ｂを形成される構成である。

【００１９】前記打抜き設計図面７は、抜き型下面すな
わち抜き型の薄板状素材８を断裁する面が原寸で示され
る設計図と同等のものである。打抜き設計図面７の記載
された側を表にして基板２に貼設することにより、薄板
状素材８のカス部８ａの位置が明示される。

【００２０】このストリッピング装置１の組立ては、ま
ず、基板２の基準線２ｅと打抜き設計図面７の基準位置
を合せながら打抜き設計図面７を基板２に固定する。固
定した打抜き設計図面７に示されるカス部８ａの位置に
固定用螺子孔３ｃを合せるようにして支持治具３を打抜
き設計図面７の上から直接基板２の取付用螺子孔２ａに
取付用螺子５により仮止めする。さらに、押圧治具４を
支持治具３の固定用螺子孔３ｃに仮止めし、打抜き設計
図面７のカス部８ａの位置に合せて支持治具３及び押圧
治具４をスライドあるいは回動させて位置を調整し、押
圧治具４でカス部８ａを確実に押圧できるようにしてか
ら各支持治具３及び押圧治具４を動かないよう固定して
組立て完了となる。

【００２１】次に、前記構成に基づくストリッピング装
置の打抜き動作について説明する。まず、取除くカス部
８ａの形状に対応した開口部９ａを備えた雌型９の上
に、断裁後の薄板状素材８を正確に位置決めする。位置
決め後、薄板状素材８の直上に配置したストリッピング
装置１を押し下げ、カス部８ａを押圧治具４で押圧して
不断裁部を剪断するようにしてカス部８ａを雌型９の開
口部９ａの中に落とし込み、これを取除く。このように
本実施の形態に係るストリッピング装置１では、打抜き
設計図面７に合せて容易且つ正確に押圧治具４の位置合
せができ、且つ支持治具３を基板２の多数の取付用螺子
孔２ａに回動可能且つスライド可能にセットできるた
め、カス部８ａがどの位置にあっても対応でき、様々な
形状の製品に対して幅広く使用できる。また、別の製品
に使用するために組替えても、使用した打抜き設計図面
７を保管して再使用できるため、調整状態が容易に再現
でき、調整の手間が省け、保管のためのスペースもほと
んど不要となる。

【００２２】なお、前記実施の形態に係るストリッピン
グ装置は、基板２の取付用螺子孔２ａが格子点状に縦横
等間隔に規則正しく配置される構成としているが、これ
に限らず、取付用螺子孔２ａ相互間の距離が均一であれ
ば、他の配置、例えば千鳥状の配置とした構成とするこ
ともできる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明においては、打抜き
設計図面に合せて調整作業を行えることにより、組立調
整時の手間を少なくして作業の効率化が図れると共に、
組替え後においても各製品に合せた治具の配置を打抜き
設計図面で保存して容易に再現でき、また、打抜き設計
図面のみ保管すればよく、装置全体の保管が不要で保管
スペースも少なく済み、カス部の除去作業全体に亘った
コストダウンが可能であるという効果を奏する。また、
本発明においては、簡略な構造で押圧治具を支持治具に
取付けられ、位置調整及び固定が容易となる上、製作し
やすく低コスト化できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一の実施の形態に係るストリッピング
装置の図面貼設状態図である。

【図２】本発明の一の実施の形態に係るストリッピング
装置の各治具配設状態説明図である。

【図３】（Ａ）は本発明の一の実施の形態に係るストリ
ッピング装置の支持治具の斜視図である。（Ｂ）は本発
明の一の実施の形態に係るストリッピング装置の押圧治
具の斜視図である。

【図４】本発明の一の実施の形態に係るストリッピング
装置の要部断面図である。

【図５】本発明の一の実施の形態に係るストリッピング
装置の除去動作説明図である。

【図６】従来のストリッピング装置の概略構成図であ
る。

【図７】従来のストリッピング装置の除去動作説明図で
ある。

【図８】従来の他のストリッピング装置の概略構成図で
ある。

【符号の説明】

１，１００ ストリッピング装置 ２，１０１ 基板 ２ａ 取付用螺子孔 ２ｂ 貫通孔 ２ｃ 埋め込みナット ２ｄ 保持具 ２ｅ 基準線 ３，１０４ 支持治具 ３ａ 調整用長孔 ３ｂ 溝 ３ｃ 固定用螺子孔 ４，１０５ 押圧治具 ４ａ 孔 ４ｂ 凹部 ５ 取付用螺子 ６ 固定用螺子 ７ 打抜き設計図面 ８，８０ 薄板状素材 ８ａ，８１ カス部 ９，９０ 雌型 ９ａ，９１ 開口部 １０１ａ 凸部 １０２ 枠体 １０２ａ 長孔 １０３ スライドアーム １０３ａ 長孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄板状素材を抜き型で所定形状に断裁し
   打抜き加工する自動打抜き機に用いられ、断裁後に不要
   部分を取除くストリッピング装置において、 前記薄板状素材より大きい板状体に形成されてなり、取
   付用螺子孔が板面に垂直且つ等間隔に多数配設される基
   板と、 前記基板上の所定位置に貼設され、抜き型を原寸で示す
   打抜き設計図面と、 前記基板への取付用螺子を通す調整用長孔が基板の取付
   用螺子孔の配置間隔の１／２より長い寸法として形成さ
   れ、前記調整用長孔に通した取付用螺子を前記基板の取
   付用螺子孔に前記打抜き設計図面を貫通するように螺合
   させて基板に取付けられる支持治具と、 前記支持治具に取付けられ、薄板状素材の不要部分を押
   圧する押圧治具とを備えてなり、 前記打抜き設計図面に示された薄板状素材の不要部分に
   あたる位置に押圧治具が位置するよう支持治具及び押圧
   治具を調整してから、動かないよう固定して使用される
   ことを特徴とするストリッピング装置。
2. 【請求項２】 前記請求項１に記載のストリッピング装
   置において、 前記支持治具が、前記調整用長孔の近傍に固定用螺子孔
   を形成されてなり、 前記押圧治具が、支持治具の固定用螺子孔に螺合する固
   定用螺子を通す貫通孔及び当該固定用螺子の頭部を収納
   する凹部を前記貫通孔の外周辺に形成されてなり、前記
   貫通孔に通した固定用螺子を前記支持治具の固定用螺子
   孔に螺合させて支持治具に取付けられることを特徴とす
   るストリッピング装置。