JPH105373A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JPH105373A
JPH105373A JP8165871A JP16587196A JPH105373A JP H105373 A JPH105373 A JP H105373A JP 8165871 A JP8165871 A JP 8165871A JP 16587196 A JP16587196 A JP 16587196A JP H105373 A JPH105373 A JP H105373A
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政利 横田
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明により、反発性、打球感およびコント
ロール性に優れたゴルフボールを提供する。 【解決手段】 本発明は、コアと該コア上に形成された
カバーから成るゴルフボールであって、該カバーが、ア
イオノマー樹脂およびトランス-1,4-構造60%以上を含
有するポリブタジエンとの混合物を主成分として含有す
ることを特徴とするゴルフボールに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反発性、打球感お
よびコントロール性に優れたゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴルフボールのカバーとしてアイ
オノマー樹脂が広く使用されている(特開昭49-49727号
公報等)。これは、アイオノマー樹脂が反発性、耐久
性、加工性等に優れているためである。しかしながら、
アイオノマー樹脂は高い剛性と硬度を有するため、従来
からある糸巻きゴルフボールのカバーであるバラタ(ト
ランスポリイソプレン)に比べて、打球感やコントロー
ル性が劣る。
【0003】そこで、アイオノマー樹脂を種々の手段を
用いて軟質化することにより、打球感やコントロール性
を改良しようとする試みがなされているが、十分な効果
をあげていない。例えば、特開昭57-188270号公報、特
開平6-54928号公報、特開平6-79017号公報等には、アイ
オノマー樹脂をゴムのブレンドにより軟質化することが
開示されているが、ゴムの架橋状態により物性が安定し
ない等の問題点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のゴルフボールの有する問題点を解決し、反発性
を損なうことなく、打球感およびコントロール性に優れ
たゴルフボールを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討を行った結果、カバーにアイオノマ
ー樹脂およびトランス-1,4-構造60%以上を有するポリ
ブタジエンとの混合物を用いることにより、反発性を損
なうことなく打球感およびコントロール性を向上させ得
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、コアと該コア上に形成さ
れたカバーから成るゴルフボールであって、該カバー
が、アイオノマー樹脂およびトランス-1,4-構造60%以
上を含有するポリブタジエンとの混合物を主成分として
含有することを特徴とするゴルフボールに関する。
【0007】以下、本発明について更に詳述すると、本
発明のゴルフボールはコア上にカバーを形成する。リキ
ッドまたはソリッドセンター上に糸ゴムを巻き付けた糸
巻きコア、あるいは全体が加硫ゴムから成るソリッドコ
アのいずれであってもよい。尚、ソリッドコアは均一か
つ一体である必要は必ずしもなく、2層以上の層構造を
有していてもよい。これらはいずれも公知である。以
下、簡単のため均一かつ一体のソリッドコアを用いるツ
ーピースボールについて説明する。ソリッドコアは、通
常のツーピースゴルフボールのコアに用いられるゴム組
成物を加硫成形することにより得られる。ゴム組成物は
通常、基材ゴム、不飽和カルボン酸の金属塩、有機過酸
化物、充填材等を含有する。基材ゴムとしては、従来か
らソリッドゴルフボールに用いられている天然ゴムおよ
び/または合成ゴムが用いられ、特にシス-1,4-結合少な
くとも40%以上、好ましくは80%以上を有するいわゆる
ハイシスポリブタジエンゴムが好ましく、所望により、
天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエ
ンゴム、EPDM等を配合してもよい。
【0008】不飽和カルボン酸の金属塩は、共架橋剤と
して作用し、特にアクリル酸またはメタクリル酸等のよ
うな炭素数3〜8のα,β-不飽和カルボン酸の、亜鉛、
マグネシウム塩等の一価または二価の金属塩が挙げられ
るが、高い反発性を付与するアクリル酸亜鉛が好適であ
る。配合量は基材ゴム100重量部に対して、10〜50重量
部が好ましい。50重量部より多いと硬くなり過ぎ、フィ
ーリングが悪くなり、10重量部より少ないと反発が悪く
なり飛距離が低下する。
【0009】有機過酸化物は、架橋剤または硬化剤とし
て作用し、例えばジクミルパーオキサイドまたはt-ブチ
ルパーオキサイドが挙げられ、ジクミルパーオキサイド
が好適である。配合量は、基材ゴム100重量部に対して
0.5〜5重量部であることが好ましい。0.5重量部未満で
は軟らかくなり過ぎて反発が悪くなり飛距離が低下す
る。5重量部を越えると硬くなり過ぎ、フィーリングが
悪くなる。
【0010】充填材は、ゴルフボールのコアに通常配合
されるものであればよく、例えば無機塩(具体的には、
酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)、高比重金
属粉末(例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末
等)およびそれらの混合物が挙げられる。配合量は、カ
バーおよびコアの比重、大きさに左右され限定的ではな
いが、基材ゴム100重量部に対して5〜50重量部である
ことが好ましい。5重量部未満ではコアが軽くなり過ぎ
てボールが軽くなり過ぎ、50重量部を越えるとコアが重
くなり過ぎて、ボールが重くなり過ぎる。
【0011】更に本発明のゴルフボールのコアには、老
化防止剤またはしゃく解剤、その他ソリッドゴルフボー
ルのコアの製造に通常使用し得る成分を適宜配合しても
よい。
【0012】本発明では、上記コア上にはカバーを被覆
し、該カバーが、アイオノマー樹脂およびトランス-1,4
-構造60%以上を含有するポリブタジエンとの混合物を
主成分として含有する。本発明に用いられるアイオノマ
ー樹脂は、それらに限定されないが、α-オレフィンと
α,β-不飽和カルボン酸の共重合体のカルボン酸の一部
を金属イオンで中和したものが用いられる。上記α-オ
レフィンとしては、エチレン、プロピレンが好ましく、
α,β-不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタク
リル酸等が好ましい。更に、中和する金属イオンとして
は、アルカリ金属イオン、例えばNaイオン、Kイオン、
Liイオン等;2価金属イオン、例えばZnイオン、Ca
イオン、Mgイオン等;3価金属イオン、例えばAlイオ
ン、Ndイオン等;およびそれらの混合物が挙げられる
が、Naイオン、Znイオン、Liイオン等が反発性、耐
久性等からよく用いられる。アイオノマー樹脂の具体例
としては、それだけに限定されないが、ハイミラン155
7、1605、1652、1705、1706、1707、1855、1856(三井デ
ュポンポリケミカル社製)、IOTEC 7010、8000(エクソン
(Exxon)社製)等を例示することができる。
【0013】ポリブタジエンは、ブタジエンをモノマー
として重合することにより得られるポリマーである。ブ
タジエンの付加重合時に、1,4-付加と1,2-付加の両方が
起こり、しかも1,4-付加でも次に示すようなシス-1,4-
構造とトランス-1,4-構造の両方が起こる。
【化1】 1,4-付加と1,2-付加とでは、1,4-付加が優先的に起こる
ので、1,2-付加は余り考慮する必要はないが、シス-1,4
-構造とトランス-1,4-構造とは、重合時の触媒の選択、
重合方法などで、いろいろなものが得られる。本発明で
は特に、トランス-1,4-構造が60%以上、好ましくは75
〜95%のポリブタジエンを用いる。通常ゴルフボールの
製造時に用いられて来たポリブタジエンは、シス-1,4-
構造が多いものであり、トランス-1,4-構造は2%以下
のものであり、トランス-1,4-構造が多いものをゴルフ
ボールのカバーに用いることは、予想外の事である。ト
ランス-1,4-構造が60%未満のものは、硬度が低すぎて
反発性が低下する。本発明に用いるトランス-1,4-構造
を60%以上有するポリブタジエンゴムは、好ましくは分
子量3万〜30万、より好ましくは5万〜20万を有する。
分子量が3万より小さいと、物性、特に反発弾性が低く
なり、30万を越えると耐久性が悪くなり、加工性、成形
性、作業性が劣る。好適なポリブタジエンは市販されて
おり、具体的には旭化成(株)から市販のTP-049が挙げら
れる。
【0014】カバーの配合において、アイオノマー樹脂
を(A)、トランス-1,4-構造60%以上を含有するポリブタ
ジエンを(B)と表す場合、重量比(A):(B)が99:1〜5
0:50、特に98:2〜70:30の範囲であることが望まし
い。(A)の割合が上記範囲より多いと(B)の効果が十分に
発揮されず、上記範囲より少ないと、(A)の有する反発
性や耐久性が損なわれる。
【0015】また、本発明において、カバー用組成物に
は、主成分としての上記樹脂の他に必要に応じて、硫酸
バリウム等の充填材や二酸化チタン等の着色剤や、その
他の添加剤、例えば紫外線吸収剤、光安定剤並びに蛍光
材料または蛍光増白剤等を、ゴルフボールカバーによる
所望の特性が損なわれない範囲で含有していてもよい
が、通常、着色剤の配合量は0.1〜0.5重量部が好まし
い。
【0016】本発明のカバー層は、ゴルフボールのカバ
ーの形成に使用されている一般に公知の方法、例えば射
出成形、プレス成形等により形成される。カバー層厚さ
は、1.0〜2.5mmが好ましく、1.0mm未満ではカバーが薄
くなり過ぎて、カバーの特性が発揮されず、2.5mmを越
えるとボール全体の硬度が大きくなってコントロール性
とフィーリングが悪くなる。被覆する際に通常、ディン
プルと呼ばれるくぼみを多数表面上に形成する。本発明
のゴルフボールは美観を高め、商品価値を上げるため
に、通常ペイントで被覆され、市場に投入される。
【0017】本発明では、反発性を損なわず、打球感お
よびコントロール性を向上させたゴルフボールを提供し
得る。
【0018】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0019】コアの作製 以下の表1に示した配合のコア用ゴム組成物を混練し、
150℃×30分間加熱プレスすることにより直径39.0mmの
ソリッドコアを得た。
【表1】 表1 コア配合 種類 重量部 BR11(注1) 100 アクリル酸亜鉛 30 酸化亜鉛 20 ジクミルパーオキサイド 1.0 老化防止剤(注2) 0.5 注1 日本合成ゴム(株)製ポリブタジエン 注2 吉富製薬(株)製ヨシノックス425
【0020】カバー組成物の調製 以下の表2に示すカバー用配合材料を二軸混練型押出機
ペレタイザーにより押出し、ペレット状のカバー用組成
物を得た。
【表2】 表2 実 施 例 比較例 種類 1 2 3 1 2 ハイミラン1605(注3) 45 35 25 50 20 ハイミラン1706(注4) 45 35 25 50 20 ハイミラン1855(注5) − 25 30 − 60 TP-049(注6) 10 5 20 − − 二酸化チタン 2 2 2 2 2 (注3)三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウム イオン中和タイプのアイオノマー樹脂 (注4)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン 中和タイプのアイオノマー樹脂 (注5)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン 中和タイプの三元共重合アイオノマー樹脂 (注6)旭化成(株)製のポリブタジエン、平均分子量8〜13万、 トランス-1,4-構造含量87%
【0021】(実施例1〜3および比較例1〜2)上記
コアの周囲に、上記のカバー用組成物を射出成形で被覆
することにより、重量45.4gを有するゴルフボールを得
た。得られたゴムのボールコンプレッション、反発係
数、打球感、コントロール性を評価し、その結果を以下
の表3に示した。試験方法は後記の通り行った。
【0022】(試験方法) ボールコンプレッション ATTI測定器により測定した。 反発係数 198gの円筒形の筒を45m/秒の速度で発射してボールと衝
突させ、その際のボールの速度から算出し、比較例1を
100とした時の指数で表した。 打球感およびコントロール性 トッププロおよびトップアマチュアゴルファー10人によ
る実打テストで評価した。判定基準は以下の通りとし
た。 判定基準 〇 … 10人中8人以上が良好と答えた △ … 10人中7〜4人が良好と答えた × … 10人中3人以下が良好と答えた
【0023】(試験結果)
【表3】 表3 実 施 例 比較例 試験項目 1 2 3 1 2 ボールコンプレッション 97 97 96 99 97 (PGA) 反発係数 99 98 98 100 95 打球感 〇 〇 〇 × △ コントロール性 〇 〇 〇 × △
【0024】以上の結果より、本発明の実施例1〜3の
ボールは比較例1〜2と比較して、反発係数を損なうこ
となく、打球感およびコントロール性にも優れることが
わかる。
【0025】
【発明の効果】コアと該コア上に形成されたカバーから
成るゴルフボールにおいて、該カバーにアイオノマー樹
脂およびトランス-1,4-構造60%以上を有するポリブタ
ジエンとの混合物を用いることにより、反発性を損なう
ことなく打球感およびコントロール性を向上させ得たも
のである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと該コア上に形成されたカバーから
    成るゴルフボールであって、該カバーが、アイオノマー
    樹脂およびトランス-1,4-構造60%以上を含有するポリ
    ブタジエンとの混合物を主成分として含有することを特
    徴とするゴルフボール。
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