JPH1053695A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH1053695A
JPH1053695A JP21234396A JP21234396A JPH1053695A JP H1053695 A JPH1053695 A JP H1053695A JP 21234396 A JP21234396 A JP 21234396A JP 21234396 A JP21234396 A JP 21234396A JP H1053695 A JPH1053695 A JP H1053695A
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JP
Japan
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resin
component
styrene
resin composition
maleic anhydride
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Application number
JP21234396A
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English (en)
Inventor
Tadayuki Omae
忠行 大前
Kenichi Hosoda
賢一 細田
Kaoru Kitadono
馨 北殿
Yoshiyuki Komori
嘉幸 古森
Yoshimitsu Hine
義光 日根
Takafumi Kitano
隆文 北野
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MARUBISHI OIL CHEMICAL
Marubishi Yuka Kogyo KK
Original Assignee
MARUBISHI OIL CHEMICAL
Marubishi Yuka Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐衝撃性と流動性(成形加工性)を併
せ持ち、かつ成形品に分散不良に起因する層剥離や機械
的物性低下をもたらさない熱可塑性ポリエステル樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】 下記(A)成分〜(C)成分を含有する樹脂
組成物。 (A)成分;熱可塑性ポリエステル樹脂 100重量部 (B)成分;ポリアクリレート系エラストマー 2〜20
重量部 (C)成分;(a)スチレン・無水マレイン酸共重合体と
(b)ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルとの
反応生成物 0.5〜10重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性ポリエステ
ル樹脂組成物に関し、詳しくは耐衝撃性が十分に高い水
準に向上され、かつ流動性すなわち成形加工性が一段と
改良された熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂な
どに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂、またはこれ
らの樹脂を主成分とするポリマーアロイ類は耐熱性に加
えて引張り応力や曲げ応力に対する機械的特性に優れる
という点で共通しており、自動車部品、家電部品、OA
機器部品を始めとして様々な分野で多量に使用されてい
る。
【0003】しかしながら、「耐衝撃性と流動性とのバ
ランス」の観点からすると、いずれの熱可塑性ポリエス
テル樹脂も未だ満足できる水準に無く、より広範な工業
的使用の障害となっている。特に射出成形加工製品の大
型化、薄肉化、精密化、さらには形状の複雑化といった
要求が各用途分野で急速に高まっており、「耐衝撃性と
流動性とのバランス」の改善が強く望まれている。
【0004】例えば、ポリカーボネート樹脂においては
耐衝撃性には優れているが、溶融粘度が高いために流動
性が不良で、特に薄肉製品や精密形状の製品などの成形
加工品が問題である。
【0005】かかるポリカーボネート樹脂の難点である
耐衝撃性と成形加工性とのバランスを改善する方法とし
て、特公平7−25966号公報にはポリカーボネート
樹脂に対して「弾性重合体」とともに「特定のスチレン
・無水マレイン酸共重合体」を溶融混練する方法が提案
されている。しかしながら、この方法においてはスチレ
ン・無水マレイン酸共重合体の配合量が15重量%以上
も必要であるためにポリカーボネート樹脂本来の特長で
ある耐熱変形性が著しく損なわれる。
【0006】一方、耐薬品性、耐候性、耐摩耗性などを
特長とするポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチ
レンテレフタレート樹脂においては溶融粘度が低いので
成型加工性にも優れるが、耐衝撃性、とりわけ低温耐衝
撃性の低いのが問題である。耐衝撃性の改善方法とし
て、例えば特公昭58−47419号公報、特公昭63
−4566号公報、特公平1−26380号公報などに
開示されているごとく各種のエポキシ基含有エチレン共
重合体などを溶融混練する方法などが提案されている。
しかしながら、かかる方法によると、耐衝撃性は改善さ
れるものの、ポリエステル樹脂とエポキシ基含有エチレ
ン共重合体との間に生じる化学反応などに起因して溶融
粘度が著しく増大して流動性(成型加工性)が低下する
ので実用上の新たな問題となる。
【0007】特開平8−104799号公報にはポリエ
ステル樹脂の耐衝撃性を改善しながら流動性の低下を回
避する方法として、エポキシ基含有エチレン共重合体に
加えてスチレン・無水マレイン酸共重合体とポリアルキ
レンオキシドモノアルキルエーテルとの反応生成物を溶
融混練する方法が示されている。しかしながら、本発明
者らの試験によると、この方法によっても流動性につい
てはなお改善効果に乏しく、たとえばベースとなるポリ
エステル樹脂本来の流動性のレベルには及ばない。さら
にポリエステル樹脂本来の表面光沢がなくなり、薄く着
色した。エチレン共重合体中のエポキシ基がポリエステ
ル樹脂末端の水酸基と反応するのみならず、スチレン・
無水マレイン酸共重合体とポリエチレンオキシドモノメ
チルエーテルとの反応生成物中に生成するカルボキシル
基とも反応することに起因すると思われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑み、上記のような難点を解決すること、すなわち優れ
た耐衝撃性と流動性(成形加工性)を併せ持ち、かつ成
形品に分散不良に起因する層剥離や機械的物性低下をも
たらさない熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは熱可塑性ポ
リエステル樹脂に対して有効な改良方法を更に詳しく検
討した結果、耐衝撃性改良剤としてのポリアクリレート
系エラストマーに対して流動性改良剤としてスチレン・
無水マレイン酸共重合体とポリアルキレンオキシドモノ
アルキルエーテルとの反応生成物を組み合わせることに
より耐衝撃性と流動性が同時に一段とバランス良く改良
され、かつ、層剥離や分散不良が無くて外観や機械的物
性にも優れた成形品に仕上がることを見出し、本発明を
完成した。
【0010】すなわち本発明は、下記(A)成分〜(C)成
分を含有する樹脂組成物を提供するものである。 (A)成分;熱可塑性ポリエステル樹脂 100重量部 (B)成分;ポリアクリレート系エラストマー 2〜20
重量部 (C)成分;(a)スチレン・無水マレイン酸共重合体と
(b)ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルとの
反応生成物 0.5〜10重量部
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において(A)成分である熱
可塑性ポリエステル樹脂は芳香族ポリカーボネート樹脂
と芳香族ポリエステル樹脂に大別される。
【0012】芳香族ポリカーボネート樹脂は、溶剤法、
すなわち塩化メチレンなどの溶媒中で公知の酸受容体、
分子量調整剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのよ
うなカーボネート前駆体との反応、または二価フェノー
ルと炭酸ジエステル(ジフェニルカーボネート)のよう
なカーボネート前駆体とのエステル交換反応によって製
造されるものである。二価フェノールとしてはビスフェ
ノール類が好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−プロパン(すなわちビスフェノールA)、1,
1'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン
(すなわちビスフェノールZ)などが例示される。ま
た、目的に応じてハロゲンで置換されたビスフェノール
類を用いることもできる。また、ビスフェノールAの一
部または全部を他の二価フェノールで置換したものであ
ってもよい。本発明において使用される芳香族ポリカー
ボネート樹脂の粘度平均分子量は10,000〜100,
000のものが好ましく、特に14,000〜35,00
0のものが好適である。
【0013】一方、芳香族ポリエステル樹脂は芳香環を
重合体の連鎖単位に有するポリエステル樹脂で、芳香族
ジカルボン酸(もしくはそのエステル形成性誘導体)と
ジオール(もしくはそのエステル形成性誘導体)とを主
原料とする縮合反応により得られる重合体もしくは共重
合体である。具体的な好ましいものとしては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキシレンフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ
ートなどの重合体、さらにはポリエチレンイソフタレー
ト/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イ
ソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジ
カルボキシレートなどの共重合体が挙げられる。中でも
機械的性質に優れ、比較的安価に得られるポリブチレン
テレフタレートとポリエチレンテレフタレートが特に好
ましく使用できる。本発明において使用される芳香族ポ
リエステル樹脂は0.5%のO−クロルフェノール溶液
を25℃で測定した相対粘度が1.1〜2.0、特に1.
3〜1.8のものが好ましい。
【0014】本発明において、(A)成分である熱可塑性
ポリエステル樹脂としては上述の芳香族ポリカーボネー
ト樹脂または上述の芳香族ポリエステル樹脂が各々単独
に適用される以外に、該熱可塑性ポリエステル樹脂が主
構成分であるところの所謂「ポリマーアロイ」であって
も適用される。代表例としては、ポリカーボネート樹脂
とポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート
樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂とアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系
樹脂(ABS樹脂)からなるポリマーアロイなどが挙げ
られる。
【0015】本発明において使用される(B)成分は所謂
「コア・シェル型」のポリアクリレート系エラストマー
であり、1)アルキルアクリレートおよび/またはアル
キルメタクリレートを主体とするゴム状重合体(コア
部)の存在下にビニル系単量体の1種または2種以上を
グラフト重合(シェル形成)させて得られる樹脂重合体
(B−1タイプ)と、2)アルキルアクリレートおよび
/またはアルキルメタクリレートと、共役ジエン型二重
結合を持つ単量体とを共重合させて得られるゴム状共重
合体(コア部)に、ビニル系単量体の1種もしくは2種
以上をグラフト重合(シェル形成)させて得られる樹脂
重合体(B−2タイプ)とがある。
【0016】B−1タイプのポリアクリレート系エラス
トマーを更に詳述すると、主要な原料単量体であるアル
キルアクリレートやアルキルメタクリレートとしては炭
素数2〜10のアルキル基のものが好適であり、具体的
にはエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタアクリレ
ートなどがあげられる。これらアルキルアクリレート類
を主体とするゴム状重合体中(コア部)には、これらア
ルキルアクリレート類と共重合可能な他のビニル単量
体、たとえばメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、グリシジルメタクリレート、スチレン、酢酸ビ
ニル、アクリルニトリルなどを30重量%以下の範囲で
共重合で導入する場合もある。一般には、架橋剤として
多官能性単量体、たとえばジビニルベンゼンなどの芳香
族ジビニル類、エチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコー
ルジアクリレート、オリゴエチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレートな
どのアルカンポリオールポリアクリレート類、アリルア
クリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエー
トなどの不飽和カルボン酸アリルエステル類などを適当
量併用するとゴム弾性をより高めるのに効果的である。
さらには、コア部にジメチルシロキサン重合体(シリコ
ンゴム)を適当量導入したものは、低温耐衝撃性の改良
効果と耐候性の観点から特に好ましい。
【0017】かかるゴム状重合体(コア部)の存在下に
グラフト重合反応させるビニル系単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル類、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレートな
どのアクリレート類が好ましく使用される。
【0018】かかるB−1タイプのポリアクリレート系
エラストマー中には、上記のゴム状重合体が少なくとも
20重量%以上含まれている事が肝要である。通常は乳
化重合法で製造されるが、塊状重合法や懸濁重合法で製
造されたものでもよい。
【0019】一方、B−2タイプのポリアクリレート系
エラストマーは、B−1タイプと共通したアクリレート
類単量体とブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン型
二重結合を持つ単量体、さらに必要に応じてスチレン、
α−メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、
塩化ビニルなどの共重合可能な他の単量体を共重合させ
てゴム状共重合体(コア部)を合成した後、B−1タイ
プと同様に同類のビニル系単量体を追添してグラフト重
合でシェル部を形成させたものである。
【0020】本発明において使用される(C)成分はスチ
レン・無水マレイン酸共重合体とポリアルキレンオキシ
ドモノアルキルエーテルとの反応生成物であり、特開平
7−228785号公報にはその製造方法が具体的に開
示されている。経済的観点から好ましいのは、1)同じ
反応槽を使い、前段でスチレンと無水マレイン酸をシメ
ンなどの高沸点芳香族溶媒中で共重合した後、重合釜中
の溶媒を留去させて共重合体が200℃前後の高温に保
持されているうちに、後段で窒素雰囲気下にポリアルキ
レンオキシドモノアルキルエーテルを加熱溶融体として
液体ポンプで追添し、80〜180℃で2〜8時間かけ
て撹拌反応する方法、または、2)前段でアルカリ金属
(Li,Na,K)の水酸化物またはアルコラートを触媒
としてメチルアルコール、エチルアルコールなどのアル
コール類、またはエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどの低
分子量グリコールモノアルキルエーテル類の存在下にア
ルキレンオキシドを開環重合してポリアルキレンオキシ
ドモノアルキルエーテルを合成し、重合熱などで120
〜180℃に保持されているうちに、窒素雰囲気下に粉
末状のスチレン・無水マレイン酸共重合体を追添して後
段の付加反応を80〜180℃で2〜8時間かけて行う
方法である。
【0021】スチレン・無水マレイン酸共重合体として
は、数平均分子量が1,000〜4,000で、スチレン
/無水マレイン酸の共重合モル比が1/1〜1/5のも
のが好ましい。
【0022】ポリアルキレンオキシドモノアルキルエー
テルは、下記化学式で表される化合物であり、数平均分
子量が200〜5,000のものが好ましい。
【0023】
【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2
水素または炭素数1〜2のアルキル基を表し、nは5〜
100の整数を表す。)
【0024】なお、ポリアルキレンオキシドモノアルキ
ルエーテルとしては、その一種を単独で用いてもよく、
二種以上を混合して(例えばR2が水素のものとメチル
基のもの)用いてもよい。
【0025】反応性および反応生成物の性能の観点から
最も好ましいポリアルキレンオキシドモノアルキルエー
テルはポリエチレンオキシドモノメチルエーテルであ
る。
【0026】本発明による樹脂組成物は、上記(A)成分
100重量部に対して、(B)成分を2〜20重量部、好
ましくは5〜15重量部と、(C)成分を0.5〜10重
量部、好ましくは1〜5重量部とを溶融混練してなるも
のである。(B)成分が2重量部以下では樹脂組成物の耐
衝撃性改良効果が不足し、20重量部以上では剛性や引
張強度が不足する。また、(C)成分が0.5重量部以下
では樹脂組成物の流動性改良効果が不足し、10重量部
以上では引張物性、曲げ物性および耐熱性に難点が生じ
る。
【0027】本発明による樹脂組成物は上記の各成分を
配合し、溶融混練することにより得られる。配合、混練
方法は通常の方法で行えばよく、例えば、リボンブレン
ダー、ヘンシェルミキサー、単軸もしくは二軸スクリュ
ウ押出機、バンバリーミキサー、ロール、各種ニーダー
などが用いられる。混練に際しての加熱温度は通常22
0〜300℃が適当である。
【0028】本発明による樹脂組成物には、必要に応じ
て、一般的に熱可塑性樹脂に添加されるところの各種の
熱安定剤、酸化防止剤、光吸収剤、光安定剤、核剤、滑
剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、着色剤、無機
充填剤、ガラスファイバー、炭素繊維、金属繊維などの
補強剤などを添加することもできる。さらに、本発明の
特性を損なわない範囲内で、(B)成分とは別種の耐衝撃
性改良樹脂や(C)成分以外の流動性改良剤を併用するこ
とも可能である。
【0029】本発明による樹脂組成物は、その優れた物
性と加工性の特長を活かして、例えば自動車部品、電気
および電子機器部品などの用途に最適に利用される。
【0030】
【実施例】下記の実施例および比較例は、本発明をより
具体的に説明するためのものであり、本発明はその要旨
を越えない限り、以下に記載の例に限定されるものでは
ない。なお、以下の例において、「部」は「重量部」を
示し、「%」は「重量%」を示す。
【0031】使用した樹脂 実施例において用いた樹脂は以下の通りである。 (1)熱可塑性ポリエステル樹脂(A成分) (A−1) ポリカーボネート樹脂、カリバー(登録商
標)301−22 住友ダウ株式会社製、粘度平均分子
量 20,000 (A−2) ポリブチレンテレフタレート樹脂、ノバドゥ
ール(登録商標)5010R5、三菱エンジニアリングプ
ラスチックス株式会社製 (2)ポリアクリレート系エラストマー(B成分) (B−1) パラロイドEXL2602、呉羽化学工業株
式会社製 メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン(MB
S)系 (B−2) パラロイドEXL2315、呉羽化学工業株
式会社製 メチルメタクリレート・ブチアクリレート系 (B−3) メタブレン(登録商標)S−2001、三菱
レーヨン株式会社製 メチルメタクリレート・アルキルアクリレート・ジメチ
ルシロキサン系
【0032】(3)スチレン・無水マレイン酸共重合体
とポリエチレンオキシドモノメチルエーテルとの反応生
成物(C成分) 次のようにして合成したものを用いた。 (C−1) 25lのジャケット付きオートクレーブに粉
末状のポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(日本
油脂株式会社製、ユニオックス(登録商標)M−200
0、数平均分子量2,000)を14.0kg仕込み、窒素
雰囲気下に140℃まで加温して溶融させたところに粉
末状のスチレン・無水マレイン酸共重合体(エルフ・ア
トケム社製、SMA(登録商標)レジン#3000、数
平均分子量1,900、スチレン:無水マレイン酸=
3:1共重合モル比)7.0kgを徐々に投入し、窒素雰
囲気下に撹拌溶解後、180℃で1時間反応させ、25
分かけて110℃まで放冷降温した状態でさらに5時間
撹拌しながら保持した。110℃でオートクレーブから
生成物をバットに流出させ、放冷で固化したものを粉砕
した。テトラエチレングリコールを内部標準サンプルと
して該生成物のテトラヒドロフラン溶液をGPCで定量
分析したところ、ポリエチレンオキシドモノメチルエー
テルについての反応率は66%であった。 (C−2) 粉末状のポリエチレンオキシドモノメチルエ
ーテル(日本油脂株式会社製、ユニオックス(登録商
標)M−1000、数平均分子量1,000)12kgと
粉末状のスチレン・無水マレイン酸共重合体(エルフ・
アトケム社製、SMA(登録商標)レジン#1000、
数平均分子量1,600、スチレン:無水マレイン酸=
1:1共重合モル比)8.0kgとを、(C−1)を合成
したと同じ装置と条件で反応させ、ポリエチレンオキシ
ドモノメチルエーテルについての反応率が84%の粉砕
サンプルを調製した。
【0033】(4)以上のものの外に、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂の改質剤として提案されているエポキシ基含
有エチレン共重合体を比較のために用いた。 (R−1) ボンドファースト(登録商標)20M、住友
化学工業株式会社製 エチレン・メチルアクリレート・グリシジルメタクリレ
ート系 MFR=20 (R−2) ボンドファースト(登録商標)2C、住友化
学工業株式会社製 エチレン・グリシジルメタクリレート系 MFR=3
【0034】性能評価 流動性および樹脂物性の評価は以下の方法により行っ
た。 (1)MFR(メルトフローレート) JIS K7210に準拠して行った。 ポリカーボネート樹脂−−−280℃、2.16kg荷重 ポリブチレンテレフタレート樹脂−−−240℃、2.
16kg荷重 (2)引張強度および引張破断点伸び JIS K7113に準拠して行った。 2号ダンベル(厚み 2.0mm)、引張速度 50mm/min (3)曲げ強度および曲げ弾性率 JIS K7203に準拠して行った。 試験片厚み−−−3.2mm、支点間距離 50mm、曲げ速
度 4mm/min (4)耐衝撃強度(アイゾット・ノッチ付) JIS K7110に準拠して行った。 試験片厚み−−−3.2mm、6.4mm (5)スパイラル流動長 楕円スパイラルフローテスト用の金型(流動幅12.7m
m,厚み1.6mm)を射出成形機に取り付け、下記の条件
で評価した。 ポリカーボネート樹脂−−−シリンダー温度:290
℃、金型温度:80℃、射出圧力:1460kg/cm2 ポリブチレンテレフタレート樹脂−−−シリンダー温
度:250℃、金型温度:80℃、射出圧力:913kg
/cm2 (6)外観 平板のテストピース(縦90mm、横50mm、厚さ2mm)
を射出成形して、特にゲート付近に注目して表面外観を
目視により判定した。 ○:外観良好 △:若干のシルバーマークある ×:シルバーマークまたは層剥離がある
【0035】実施例1〜3および比較例1〜8 表1および2に示す配合比で、ポリカーボネート樹脂
(A成分)に、ポリアクリレート系エラストマー(B成
分)またはエポキシ基含有エチレン共重合体(R成分、
比較例)とスチレン・無水マレイン酸共重合体とポリエ
チレンオキシドモノメチルエーテルとの反応生成物(C
成分)を配合し、株式会社神戸製鋼所製の2軸押出機K
TX30型を用い、バレル設定温度240℃、押出量1
0kg/hrの条件で混練造粒して各組成物を得た。その時
の押出機のモーター電流も表1および2に併記する。次
に、日精樹脂工業株式会社製射出成形機FE80S型を
用い、シリンダー温度270℃、金型温度80℃、射出
圧力1460kg/cm2の条件で各組成物を射出成形して得
たテスト片の物性評価結果を流動性評価結果とともに表
1および2に併記する。
【0036】
【表1】
【表2】
【0037】なお、上記表1および2におけるアイゾッ
ト衝撃強度試験の場合、使用したアイゾット衝撃試験機
の評価適性範囲[<45kgcm/cm(3.2mm
厚)、<23kgcm/cm(6.4mm厚)]を越え
たものについては絶対値の信頼性に欠けるため、各々、
>45kgcmおよび>23kgcmと表示した。ま
た、破断しなかったものについてはNBと表示した。
【0038】実施例4および比較例9〜12 表3に示す配合比で、ポリブチレンテレフタレート樹脂
(A成分)にポリアクリレート系エラストマー(B成
分)またはエポキシ基含有エチレン共重合体(R成分、
比較例)とスチレン・無水マレイン酸共重合体とポリエ
チレンオキシドモノメチルエーテルとの反応生成物(C
成分)を配合し、株式会社神戸製鋼所製の2軸押出機K
TX30型を用い、バレル設定温度230℃、押出量1
0kg/hrの条件で混練造粒して各組成物を得た。その時
の押出機のモーター電流も表3に併記する。次に、日精
樹脂工業株式会社製射出成形機FE80S型を用い、シ
リンダー温度250℃、金型温度80℃、射出圧力12
78kg/cm2の条件で各組成物を射出成形して得たテスト
片の物性評価結果を流動性評価結果とともに表3に併記
する。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明による熱可
塑性ポリエステル樹脂組成物は耐衝撃性を十分に高い水
準に維持し、かつ高い流動性すなわち優れた成形加工性
を有している。したがって、自動車、家電製品、OA機
器を初めとし各種の応用分野での射出成型加工製品の大
型化、薄肉化、精密化、形状複雑化の要求にも対応し
て、広く有効に使用することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日根 義光 大阪府寝屋川市早子町2−17 (72)発明者 北野 隆文 大阪府大阪市都島区毛馬町5−4−14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)成分〜(C)成分を含有する樹脂
    組成物。 (A)成分;熱可塑性ポリエステル樹脂 100重量部 (B)成分;ポリアクリレート系エラストマー 2〜20
    重量部 (C)成分;(a)スチレン・無水マレイン酸共重合体と
    (b)ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルとの
    反応生成物 0.5〜10重量部
  2. 【請求項2】 (C)成分が(a)数平均分子量1,000〜
    4,000でスチレン/無水マレイン酸の共重合モル比
    が1/1〜1/5であるスチレン・無水マレイン酸共重
    合体と、(b)数平均分子量が100〜5,000のポリエ
    チレンオキシドモノメチルエーテルとの反応生成物であ
    る請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分がポリカーボネート樹脂または
    ポリカーボネート樹脂を主構成分とする樹脂アロイであ
    る請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分がポリエチレンテレフタレート
    樹脂および/またはポリブチレンテレフタレート樹脂、
    または該樹脂を主構成分とする樹脂アロイである請求項
    1または2に記載の樹脂組成物。
JP21234396A 1996-08-12 1996-08-12 樹脂組成物 Pending JPH1053695A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000053772A (ja) * 1998-07-24 2000-02-22 Korea Res Inst Chem Technol ゴム弾性共重合体の製造方法、これを含むイオン伝導性薄膜組成物、イオン伝導性薄膜及びその製造方法、並びにこれを含む固体電気化学素子
JP2007091842A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Wintech Polymer Ltd ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
JP2008280503A (ja) * 2007-04-12 2008-11-20 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品

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