JPH1052875A - シングルフェーサ - Google Patents

シングルフェーサ

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JPH1052875A
JPH1052875A JP23144796A JP23144796A JPH1052875A JP H1052875 A JPH1052875 A JP H1052875A JP 23144796 A JP23144796 A JP 23144796A JP 23144796 A JP23144796 A JP 23144796A JP H1052875 A JPH1052875 A JP H1052875A
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JP
Japan
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roll
gap
value
thickness
clearance
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Application number
JP23144796A
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English (en)
Inventor
Takanaka Adachi
宇央 足立
Minoru Naito
稔 内藤
Etsuro Abe
悦郎 安部
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Isowa Corp
Original Assignee
Isowa Industry Co Ltd
Isowa Corp
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Publication date
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  • Machines For Manufacturing Corrugated Board In Mechanical Paper-Making Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 片面段ボールシートを作るシングルフェーサ
において、運転変化に伴うロールスキマ変化、例えば生
産速度変化によるローラ径変化を算出してロールスキマ
検出値(検出スキマ値)の補正を行い、精度の高いスキ
マ自動調整を可能とする。 【解決手段】 止転状態又はアイドル状態からの起動、
あるいは運転開始から生産速度の急な増速等が生じる
と、ロール表面の熱が中芯やライナ等の段ボールシート
に奪われてロール径が減少し、これが検出スキマ値の誤
差になるため、例えば生産速度変化から時間遅れの近似
伝達関数に基づいてロール径変化を算出し、それにより
検出スキマ値を補正する。ここで、相当大きなスキマ誤
差を生じるフレーム膨張に伴うスキマ補正と、上述の生
産速度変化に伴う補正等を加算して行うことにより、全
体として実スキマ値の精度を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、段ボール板を製
造するコルゲートマシンの分野に関し、特に波形成形さ
れた中芯にライナを糊付けして片面段ボールシートを製
造するシングルフェーサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般的なシングルフェーサと
して、図9に例示するように、一方の側から中芯mが、
他方の側からライナlが供給されて、片面段ボールシー
トsを製造するものが知られている。中芯mは上段ロー
ル1および下段ロール2からなる一対の狭圧ロール間に
供給されて波形に成形され、さらにその波形の段頂部に
糊ロール(グルーロール)3によって糊4が付けられ
る。この糊の付けられた中芯mの段頂部に対し、ライナ
lがプレスロール5により圧着されて、上述の片面段ボ
ールシートsとなる。糊ロール3はその下部が糊槽6内
に浸漬され、回転することにより糊槽6の糊4を自身の
外周面に巻き上げる。そして、これと逆方向に回転する
ドクターロール7が余分な糊をかき落とし、糊ロール3
の外周面にほぼ均一な糊膜を形成する。これが上述の波
形成形された中芯mの段頂部に付着されることとなる。
【0003】ここで、プレスロール5と下段ロール2と
のスキマによってプレスロール5の圧着力が決まり、こ
れが過大であるとライナlの板面に強いプレスマークが
付いて製品として好ましくなく、また過小であると中芯
mとライナlの接着が不充分となる。さらに、糊ロール
3と下段ロール2のスキマは、中芯mに塗布される糊量
に関係し、また糊ロール3とドクターロール7とのスキ
マは、糊ロール3の糊膜厚さを規定する結果、やはり中
芯mに付着する糊量に関係してくる。そして中芯mに付
着(転移)する糊量が適切でないと、中芯mとライナl
との接着および片面段ボールシートの品質が良好なもの
とならない。
【0004】このようなシングルフェーサの各種ロール
スキマは、例えば中芯mやライナlの厚さ等に基づいて
目標スキマ値を設定する一方、これら各種ロールスキマ
のスキマ値を得るために、スキマ駆動系の位置や回転角
等の検出信号(例えばロール軸受の可動部の移動位置
(軸芯間検出器)、又は軸の偏心によりスキマ調整をす
る場合はその回転角(偏心軸回転角検出器))を検出ス
キマ値として取り込み、上述の目標スキマ値と検出スキ
マ値とが一致するように、スキマ駆動系(例えばモー
タ)を作動させて調整を行っている。
【0005】ところで、シングルフェーサの下段ロール
・プレスロール間のプレスロールスキマ、下段ロール・
糊ロール間の糊ロールスキマ(グルーアプリケータスキ
マ)等のロールスキマは一般には熱により相当変化す
る。例えば一般にシングルフェーサは、材料であるライ
ナ紙、中芯に190度前後の熱を加えて糊の付着性・接
着性を高めている。具体的には、例えば上段ロール及び
下段ロール内に高温蒸気の経路を作って循環させるもの
である。このようなことから機械全体が熱飽和するまで
相当長い経時変化(例えば4時間程度)があり、従来で
は、実公平7−28155号に示すように機台フレーム
に温度センサを取り付け、温度によるロールスキマの経
時変化を補正するものがある。つまりシングルフェーサ
の各種ロールスキマは、フレーム温度上昇による膨張に
よって広がる方向へ変化するから、それを打ち消すよう
にロールスキマを狭める向きにスキマ駆動系を駆動・調
節することとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多品種
・小ロット等の要請にも応える必要のある最近のシング
ルフェーサは、一定速度で長い時間運転し続けるものと
は限らず、例えば生産トラブルによる運転停止(止
転)、生産スケジュールからのフルート替えのための運
転休止(休転)が短時間の周期で生じる場合がある。そ
して、本出願人の研究により、このような運転状況の変
化そのものによって前述の各実スキマが変化することが
判明した。この値はフレーム膨張による値に比較すれば
相対的には小さいと言えるが、片面段ボールシートの品
質や自動運転の安定性に及ぼす影響は必ずしも小さくな
い。このような運転状況の変化(運転変化)に伴う実ス
キマの変化は、従来の機台フレームへ取り付けた温度セ
ンサによっては修正することができず、従ってこのよう
な運転状況の変化に起因する修正は、現状ではオペレー
タの手動介入となっており、このことがシングルフェー
サの自動運転を図る上での一つの制約となり、また得ら
れる片面段ボールシートの品質のバラツキの原因ともな
りやすい。
【0007】この発明の課題は、例えば止転、運転、変
速、休転等の運転(環境)変化に対し、例えば下段ロー
ル等の狭圧ロールとプレスロールとのロールスキマの補
正を行えるようにし、運転パターンの変化等の運転変化
に対するオペレータの介入の余地をなくし又は減少さ
せ、より精度の高いロールスキマの制御を行うことにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段及び効果】本発明の特徴は
特許請求の範囲に記載のとおり、シングルフェーサのロ
ールスキマについて、停止・起動を含む運転変化に伴う
実スキマ変化(例えば熱膨張・熱収縮によるロール径変
化、フレーム長変化等)に着目して、ロール表面間の検
出スキマ補正を行うものである。ロールスキマとして
は、狭圧ロールと糊ロールとの糊ロールスキマ、糊ロー
ルとドクターロールとのドクターロールスキマ、狭圧ロ
ールとプレスロールとのプレスロールスキマの少なくと
も一のロールスキマが対象となる。このようなロールス
キマに関与する変化要素(例えばロールの径変化分やフ
レーム長変化分)を、シングルフェーサの生産停止(例
えば休止のためのアイドル運転)を含む運転変化に基づ
いて補正をする。つまり、上述のロールスキマについ
て、実際のロールスキマ(実スキマ)の算定の基礎とな
るスキマ駆動系の位置又は回転角等の検出信号(例えば
ロールの軸芯間距離検出器、偏心軸回転角検出器等の出
力)を検出スキマ値として取り込み、中芯及びライナの
送り状況の変化(停止・起動を含む運転変化)から、例
えばロール径変化等に基づくスキマ変化を、予め定めた
アルゴリズムにより算出して、その算出値に基づき検出
スキマ値を補正する。
【0009】これにより実スキマ値の精度が上がり、こ
の実スキマ値と目標スキマ値とが一致するようにスキマ
駆動系を作動させてスキマ調整を行うことにより、誤差
が少なく、精度の高いスキマ調整が可能となり、運転状
態の変化に伴うオペレータの介入の必要性を解消若しく
は軽減することができる。またロールスキマの高精度の
調整が実現することで、得られる片面段ボールシートの
品質も向上する。
【0010】上述のアルゴリズムとしては、運転変化か
らその時間遅れ要素を含むアルゴリズムに基づいて、ロ
ール径変化を算出するものとすることができる。その場
合、例えば運転変化の時間遅れ要素を時定数で規定した
伝達関数等を採用することができる。つまり、運転変化
(例えば停止状態からの起動、あるいは運転中における
生産速度の増速、減速等)が生じた後、この運転変化か
らロール径変化等に基づくスキマ変化が生じるまでには
ある程度の時間遅れがあるため、これを反映すること
が、ロール径変化等をより正確に算出し、ひいては実ス
キマ値の精度の高い補正が可能となる。
【0011】ロールスキマに大きな影響を与えるものと
して、ロールを支持するフレームの熱変化に基づいて発
生するスキマ誤差がある。これを補正するために、フレ
ーム温度検出・フレーム熱膨張検出等の熱変化要素に基
づいて、検出スキマ値の補正を行い、かつこれに上述の
運転変化に伴うスキマ変化の要素に基づく検出スキマ値
の補正を加えることができる。一般には、フレームの熱
変化分によるスキマ誤差の方が大きいが、これと運転変
化に伴うロール径変化等のスキマ変化の要素を加味する
ことにより、全体として、実スキマ(算出値)の精度が
高くなり、より精度の高いスキマ調整が可能となる。
【0012】このような実スキマ値が、補正によってそ
の誤差が小さくなることに加え、その実スキマ値に基づ
いてオペレータが何らかの手動介入をするような場合
に、その補正された実スキマ値を表示する表示装置を設
けることにより、これまでより精度の高い実スキマ値を
オペレータの目で確認することができる。これはオペレ
ータによる何らかの調整作業を行う場合等に有益とな
る。
【0013】実スキマ値が補正により高精度のものにな
ることを、表示の面にのみ生かすこともできるが、目標
スキマ値と実スキマ値とが一致するようにスキマ駆動系
を制御する際、実スキマ値の精度が高まれば、いわば見
掛けの値である検出スキマ値と実際のスキマとの誤差が
少なくなるため、全体としてスキマ調整の精度が高ま
る。
【0014】これまでの説明は、検出スキマ値を補正す
ることに着目したが、目標スキマ値を最適に設定する上
で、中芯及びライナの少なくとも一方の紙質、厚さ、坪
量等の材料態様を反映させることができる。請求項11
〜請求項14は、そのような材料態様に応じて目標スキ
マ値を設定するという前提に立つものである。
【0015】特公昭59−25660号公報には、中芯
mおよびライナlの各厚さを測定し、これら厚さの合算
値でプレスロールスキマを調整し、中芯mの厚さで糊ロ
ール3と下段ロール2とのスキマ(糊ロールスキマ)を
調整する技術が開示されている。しかしながら、この方
式では、一般的な厚さ、紙質の中芯およびライナの組合
せであればほぼ目的を達し得るが、最近の段ボールシー
トの多様化に伴う相当厚い又は薄い中芯やライナに対し
ては、必ずしも良好な片面段ボール板を製造できず、作
業者の熟練に基づく手動調節を行わざるを得ない。ま
た、糊量の調節のために糊ロールスキマを中芯厚さで調
整するだけでは、種々の厚さや紙質の中芯およびライナ
について、良好な片面段ボールシートを得にくいのが実
情である。
【0016】例えば非常に厚い中芯、ライナであればそ
の圧縮率が大きく、また紙質が異なれば圧縮率も変わ
り、さらに付着させるべき糊量も中芯およびライナの厚
さや紙質等に応じて最適な値が異なってくる事実があ
る。このような知見より、中芯やライナの厚さ、紙質
等、複数の条件に基づいてプレスロールスキマ、糊ロー
ルスキマおよびドクターロールスキマ等の目標スキマ値
を最適に設定し、かつ前述の検出スキマ値を運転変化に
よるスキマ変化に基づいて補正することにより、段ボー
ルシートの素材の多様化や、止転・起動を含む運転変化
にかかわらず、良好な片面段ボールシートを安定的に生
産できる。
【0017】そのポイントを要約すれば次のとおりであ
る。中芯およびライナの各厚さを実際に測定し、さらに
それらの紙厚大別データや紙質大別データに基づく比例
定数を、それら中芯厚さ並びにライナ厚さに乗じて、そ
れらの和をとることに基づき、プレスロールスキマ、糊
ロールスキマあるいはグルーロールスキマの目標スキマ
値を設定する。
【0018】そのために、中芯厚さ測定器、ライナ厚さ
測定器、大別データ付与手段、目標スキマ値演算手段等
を含む。中芯厚さ測定器は、中芯の厚さをその波形成形
前に測定する。ライナ厚さ測定器は、ライナの厚さをそ
の圧着前に測定する。大別データ付与手段は、供給され
る中芯およびライナについて、それらがどの紙厚の大別
区分に属するかを示す紙厚大別データ、どの紙質の大別
区分に属するかを示す紙質大別データの少なくともいず
れかを付与する。
【0019】ここで、紙厚大別としては、薄紙、中厚紙
および太厚紙等の複数区分を設定することができる。こ
れらのデータは中芯やライナの供給に先立って予め付与
手段に記憶させておいてもよいし、上記中芯厚さ測定器
およびライナ厚さ測定器で測定された厚さデータに基づ
いて、それら紙厚大別を付与してもよい。また紙質大別
データは、例えばジュート紙、普通クラフト紙および特
別クラフト紙(強化紙、耐水紙、撥水紙等)のような複
数区分を与えることができる。このデータは中芯やライ
ナの供給に先立って予め付与手段に記憶させておいても
よいし、センサ等で紙質を判別できるようにすれば、そ
のセンサ等からのデータを取り込んでもよい。
【0020】目標スキマ値演算手段は、中芯厚さ測定器
で測定された中芯厚さ、ライナ厚さ測定器で測定された
ライナ厚さ、さらには上記付与された紙厚大別データお
よび紙質大別データの少なくとも一方に基づき、プレス
ロールの狭圧ロールに対するプレスロールスキマ目標値
Gp、糊ロールの狭圧ロールに対する糊ロールスキマ目
標値Gg、またはドクターロールの糊ロールに対するド
クターロールスキマ目標値Gdを、次のような式(A)
又は(B)に基づいて算出する。 (A) Gp=Klp×Ml+Kmp×Mm+Ap Gg=Klg×Ml+Kmg×Mm+Ag または、 (B) Gp=Klp×Ml+Kmp×Mm+Ap Gd=Kld×Ml+Kmd×Mm+Ad ただし、 『 Ml:測定されたライナ厚さ Mm:測定された中芯厚さ Klp,Klg,Kld:前記ライナの紙厚大別データおよび
紙質大別データの少なくとも一方に基づいて各々決定さ
れるライナ厚さ係数 Kmp、Kmg,Kmd:前記中芯の紙厚大別データおよび紙
質大別データの少なくとも一方に基づいて各々決定され
る中芯厚さ係数 Ap,Ag,Ad:それぞれの補正値 』
【0021】これら式中における各係数(比例定数)
は、上述の紙厚大別データや紙質大別データの双方又は
いずれか一方が反映したものである。そして、プレスロ
ールスキマGpは、中芯とライナの圧着力を規定するも
のとなり、糊ロールスキマGg、グルーロールスキマGd
は、糊量を決定するものであるが、この糊量を主に糊ロ
ールスキマGgによって決めるのが(A)式であり、糊
量を主にドクターロールスキマGdによって決めるのが
(B)式である。これら(A)式または(B)式のいず
れかを選択的に使用することができる。この概念を示す
ものが図6〜図8である。
【0022】図6に示すように、回転する糊ロール3が
糊槽6の糊4を巻き上げ、逆方向に回転するドクターロ
ール7が余分な糊をかき落として、糊ロール3の外周面
に所定厚さの糊膜8を形成する。この糊膜8が下段ロー
ル2の中芯mの段頂部に接して糊が付着(転移)する。
ここで、図7(1)に示すように、糊膜8の厚さ(ドク
ターロールスキマGd)をほぼ一定に保った状態で、糊
ロールスキマGgを大きくとれば糊量は少なく、同図
(2)のように小さくすれば糊量は多くなる。このよう
に糊量の設定を主に糊ロールスキマGgに基づいて調節
するものが(A)方式である。
【0023】一方、図8に示すように、糊ロールスキマ
Ggはほぼ一定に保ち、糊膜8の厚さを変化させる、つ
まりドクターロールスキマGdを変化させることにより
糊量の調整を行うこともできる。図8(1)のように、
ドクターロールスキマGdを小さくして糊膜8を薄くす
れば、中芯mに転移する糊量は少なく、逆に同図(2)
のようにドクターロールスキマGdを大きくして糊膜8
を厚くすれば、中芯mに転移する糊量は多くなる。そし
て、いずれの方式をとる場合においても、変化させる対
象、つまり(A)方式であれば糊ロールスキマ、(B)
方式であればドクターロールスキマの調整において、紙
厚大別や紙質大別のデータに基づく比例定数が用いられ
ることとなる。
【0024】なお、図7の(A)方式を採用する場合、
ドクターロールスキマGdを中芯厚さに基づいて設定
し、言い換えれば糊膜8の外周が中芯mの段頂部に接す
るような状態を基準にすることができる。これを式で表
せば、ドクターロールスキマ目標値Gdは、次式: Gd=Kmd×Mm+Ad で与えることができる。ここで、Kmdは前記中芯の紙厚
大別データや紙質大別データに基づいて決定される中芯
厚さ係数、またAdは補正値である。
【0025】一方、図8の(B)方式を採用する場合、
糊ロールスキマGdを中芯厚さに基づいて調整するこ
と、例えば糊ロール3の外周面が中芯mの段頂部にほぼ
接するような状態に調整することができる。これを式で
表せば、糊ロールスキマ目標値Ggは、次式: Gg=Kmg×Mm+Ag で与えることができる。ここでKmgは前記中芯の紙厚大
別データや紙質大別データに基づいて決定される中芯厚
さ係数、またAgは補正値である。
【0026】また、以上の式中における補正値Ap、A
g、Adはそれぞれ適宜設定されるもので、ゼロの場合も
あり得る。また補正値の内容としては、例えば中芯やラ
イナの紙幅寸法、供給速度(シングルフェーサの生産速
度)等に基づき、紙幅区分定数、あるいは生産速度補正
値等を加えることができる。例えば生産速度を例にとれ
ば、中芯やライナの流れる速度が早い場合は、糊量が多
いと乾燥しにくいため、糊量は少なめにするといったよ
うな補正を適宜加えることが可能である。もちろんこれ
以外にも、場合に応じて適切な補正値を与えることがで
きる。
【0027】以上のように、中芯厚さおよびライナ厚さ
がそれぞれ実際に測定され、さらにこれら紙厚大別や紙
質大別のデータの少なくとも一方に基づく中芯厚さ係数
およびライナ厚さ係数が乗じられ、それらの和に基づい
てプレスロールスキマが設定され、かつ糊量を規定する
糊ロールスキマ又はドクターロールスキマが調整され
る。このように中芯およびライナの実際の厚さ、さらに
は紙厚大別や紙質大別を反映させてプレスロールスキ
マ、つまり中芯とライナの圧着力、および両者間の糊量
が設定されることにより、最近の段ボールシート素材の
多様化に伴う相当厚い又は薄い中芯やライナ、あるいは
ジュート紙、クラフト紙または特別クラフト紙等の紙質
が異なるものを用いる場合であっても、適切な圧着力お
よび糊量を確保して、良好な片面段ボールシートを作る
ことができる。
【0028】このような目標スキマ値の設定の精度を上
げることと、前述の検出スキマ値を運転変化に基づいて
補正し、実スキマ値の精度を上げることとが相乗的に作
用して、従来では熟練作業者によって行われることが多
かった手動調節を廃止もしくは最小限とすることがで
き、省力化および生産性の向上につながり、また、得ら
れるシート品質も向上する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施例を参照し
つつ、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明
の一実施例であるシングルフェーサの全体システムを示
す概念図である。図右側において中芯mは原紙掛け10
にストックされ、そこからスプライサ11、プレコンデ
ィショナー12を経て、一対の狭圧ロールとして機能す
る上段ロール1および下段ロール2の間に供給されて、
前述のように波形に加圧成形される。他方、図の左側に
おいてライナlも、上述と同様の原紙掛け13から引き
出され、スプライサ14、プレヒータ15を経てプレス
ロール5に導かれ、糊の付いた中芯mの段頂部に圧着さ
れる。これにより順次片側段ボールシートs(シングル
フェース段ボール)が得られる。なお、この片側段ボー
ルシートsはさらに下流に送られて、図示しないダブル
フェーサによりもう片方の面にもライナが糊付けされる
こととなる。なお、16は防音壁である。
【0030】スプライサ11は位置固定ロール17、1
8の間にスライドロール19が設けられたもので、中芯
mの貯溜部(溜め)を構成する。中芯mの紙継ぎや紙替
えの際は、スライドロール19が前進して蓄えている中
芯mを放出し、この間に紙継ぎや紙替えが行えるように
なっている。ライナlのスプライサ14も同様の構造、
すなわち位置固定ロール20、21およびスライドロー
ル22を備えている。
【0031】中芯mのスプライサ11には、その位置固
定ロール18に近接して中芯厚さ測定器23が設けられ
ている。この中芯厚さ測定器23は、図2に簡略に示す
ように、揺動アーム24に設けられた回転接触子25
と、位置固定のセンサ部26とを備え、磁性体製のロー
ラ18との間で、中芯mの厚さに対応する渦電流変化が
生じることを利用したものである。なお、これ以外に、
リニヤまたはロータリエンコーダを利用したもの、磁気
センサあるいは差動トランスを利用したものなど適宜選
択できる。ライナl側についても同様なライナ厚さ測定
器27(図1)が、スプライサ14の位置固定ロール2
1に近接して設けられている。
【0032】なお、糊ロール3、ドクターロール7およ
び糊槽6等を備えた糊ユニット28や、上段ロール1お
よび下段ロール2等は、前述の図9に示したものと同様
である。そして図9におけるプレスロール5と下段ロー
ル2とのスキマ(プレスロールスキマ:Gp)、糊ロー
ル3と下段ロール2とのスキマ(糊ロールスキマ:G
g)、さらにドクターロール7と糊ロール3とのスキマ
(ドクターロールスキマ:Gd)の各スキマは、プレス
ロール5、糊ロール3およびドクターロール7の各ロー
ル軸が移動させられることにより調整される。
【0033】例えば図3に概念的に示すように、プレス
ロール軸29に偏心して嵌合された偏心スリーブ(調整
軸)30が、保持スリーブ31内でプレスロールスキマ
モータ32により所定角度回転すると、プレスロール軸
29の中心位置が変わる。これを利用してプレスロール
スキマが調整される。糊ロールスキマおよびドクターロ
ールスキマも、同様の機構で調整され、そのためのモー
タ33、34を備える。この調整軸30には回転角検出
器35が接続されており、その回転角検出に基づいてプ
レスロールスキマの変化量が検出されるようになってい
る。なお、糊ロール3およびドクターロール7について
も、それらのスキマ調整軸に回転角検出器36、37が
接続される。なお、回転角を検出するのではなく、うず
電流式スキマセンサ35’を設け、これとプレスロール
軸29とのスキマによって変化するうず電流をアンプで
増幅してスキマの検出信号として出力することもでき
る。
【0034】次に、図4に基づいて制御系の概要を説明
する。図4における制御系の主体をなすものは、制御装
置38である。この制御装置38は目標スキマ演算器4
0、その演算のための比例係数や定数の発生器41を主
体とするものである。プレスロールスキマ、糊ロールス
キマおよびドクターロールスキマを調整する各モータ3
2、33および34は、それぞれモータ駆動ユニット4
2、43および44によって駆動され、これらが制御装
置38に接続されている。一方、図3に示した各ロール
スキマ調整軸30の回転角を検出するスキマ調整軸回転
角検出器35、36および37が、それぞれプレスロー
ル、糊ロールおよびドクターロールに関して設けられ、
これらにより検出された各回転角は、回転角/スキマ変
換器45、46および47においてスキマに換算され
る。
【0035】なお、制御装置38にはフレーム膨張検出
器48が接続されており、シングルフェーサの温度変化
に基づくフレーム熱膨張が、それぞれスキマの補正器4
9、50および51によって補正されるようになってい
る。また制御装置38には、前述の中芯厚さ測定器23
およびライナ厚さ測定器27が接続され、さらに上位生
産管理装置54が接続されている。
【0036】中芯厚さ測定器23およびライナ厚さ測定
器27は、例えば2〜3μm程度の分解能で各厚さを測
定するが、それらの厚さ信号には紙のすきむら、ごみ、
軸振れ等によるノイズ成分が含まれているため、それぞ
れデジタルフィルタ52a、52bでノイズ成分を除去
し平滑化している。また、その平滑後の各厚さ信号は、
紙厚大別判別器53に供給され、中芯およびライナの厚
さを各々予め設定された数種のしきい値で判定し、薄
紙、中厚紙および太厚紙の3区分のデータを付与する。
これらに対応する紙厚大別信号t1〜t3(t1:薄紙、
t2:中厚紙、t3:太厚紙)は、前述の比例係数や定数
の発生器41に出力される。この紙厚大別の判定基準
は、例えば中芯およびライナのどちらかが「薄」であれ
ば薄紙とし、どちらかが「太厚」であれば太厚紙とする
とともに、双方の合算値が「太厚」であっても太厚紙と
する一方、上述の「薄」、「太厚」のいずれにも該当し
なければ中厚紙とすることができる。
【0037】また、上位生産管理装置54には、紙替え
に伴い次に供給されるロットの紙質大別として、例えば
ジュート紙、普通クラフト紙および強化、耐水、撥水等
の特別クラフト紙の3種の紙質大別データが予め記憶さ
れている。これは紙の銘柄等で区分することができる。
そして、紙替えの例えば50mほど手前で、これら紙質
大別の区分信号が比例係数や定数の発生器41に供給さ
れる。なお、前述の紙厚大別を、中芯厚さ測定器23や
ライナ厚さ測定器27の測定値から付与するのではな
く、上位生産管理装置54に、紙質大別に併せて紙厚大
別のデータを記憶させておき、これらのデータを併せて
上述の発生器41に供給することもできる。また、紙質
大別を上位生産管理装置54に予め記憶させておくので
はなく、ロット替えの際に紙質(銘柄)設定器55で設
定することも可能である。
【0038】また、中芯やライナの紙幅を検出する紙幅
検出器56が設けられる場合、その紙幅が例えば
「狭」、「中」、「広」の3区分のいずれに属するかが
判定され、この出力値も上述の比例係数等の発生器41
に出力される。
【0039】この比例係数等の発生器41では、中芯や
ライナに関する上述の紙厚大別区分および紙質大別区分
に基づいて、目標スキマ演算のための比例係数Kl、Km
が設定されるとともに、必要に応じて紙幅に対応した定
数W、さらには他の適宜の定数C等が設定される。そし
て、このような比例係数Kl、Km等が目標スキマ演算器
40に供給される。目標スキマ演算器40には、予め各
ロールスキマの目標値を算出するための演算式が記憶さ
れており、その式中に上述の比例係数や必要に応じて
W、C等の定数が導入される。
【0040】なお、各ロールスキマの自動調整を前提と
するこのような制御系で、手動調整の余地を残す意味で
寸動調整ボタン58を設けることができ、この信号を補
正値判定器59に供給することができる。また、前述の
スプライサ11、14において紙の供給速度を測定する
パルスエンコーダ60による供給速度信号、並びに次に
供給される紙が同種のものによる紙継ぎなのか、ロット
が異なる紙替えなのかを表す信号も補正値判定器59に
供給される。また、紙替えや紙継ぎの時期が近付いてス
プライサ11、14がスプライスしたことを表す動作信
号が、各ロールスキマのチェンジタイミング発生器61
に供給される。上述の寸動補正値Jは、通常はゼロに設
定されるが、例えば中芯やライナ等の保管状態の優劣等
により(湿っている等)、適宜必要に応じて設定される
もので、紙継ぎの場合は以前の補正値を援用することが
できる。またパルスエンコーダ60の速度信号に基づ
き、生産速度補正値Sが目標スキマ演算器40に出力さ
れる。
【0041】そして、目標スキマ演算器による各ロール
スキマの算出のための一般式は、 目標スキマ=Kl×Ml+Km×Mm+C+W+J+S 等として表すことができる。ここで、C、W、Jおよび
S等は必要に応じて加えられるもので、これらの全体を
広い意味で補正値とみることができる。比例係数Kl、
Kmをライナ厚さMl、中芯厚さMmに乗ずることによ
り、単に中芯厚さとライナ厚さを合算する場合に比べ
て、よりきめ細かく精度の高いロールスキマ設定が可能
となる。例えば紙厚大別が「太厚」のものでは、成形時
の圧縮率も大きいため、ロールスキマを少なめにする方
向、あるいは紙質大別が例えば特別クラフト紙等であっ
て吸水性が低い場合は糊量を多くする等、それら比例係
数Kl、Kmは様々な紙厚区分や紙質区分の特性を反映し
たものとなる。
【0042】このようなロールスキマ算出の一般式の大
きな特徴は、プレスロールスキマ、糊ロールスキマおよ
びドクターロールスキマのそれぞれに対して、図6〜図
8で説明したように、中芯に対するライナの圧着力と、
中芯に付着させる糊量とを不可分一体に調整する点であ
る。そして、糊ロールスキマとドクターロールスキマは
互いの協調動作によって下段ロール表面の中芯段頂部に
塗布する糊量を加減するものである。それには、図7に
示した(A)方式と、図8に示した(B)方式がある。
【0043】(A)方式では、ドクターロールスキマG
dを糊ロール表面の糊量を一定に保たせるように加減す
る一方、糊ロールスキマGgをライナ厚さと中芯厚さの
変化に応じて調整し、転移糊量を制御するものである。
この方式につきプレスロールスキマGpも含めた全体を
式で表せば次式のようになる。 Gp=Klp×Ml+Kmp×Mm+Ap Gg=Klg×Ml+Kmg×Mm+Ag Gd=Kmd×Mm+Ad なお、前述のようにGp、Gg、Gdはそれぞれ目標とす
るプレスロールスキマ、糊ロールスキマ、ドクターロー
ルスキマであり、Klp、Klg、下記Kldはライナ厚さに
対する比例係数、Kmp、Kmg、Kmdは中芯厚さに対する
比例係数、Ap、Ag、Adは広義の補正値である。
【0044】一方、(B)方式は糊ロールスキマGgを
中芯厚さ分だけ変化させて、下段ロール表面の中芯段頂
部が糊ロール表面にほぼ一致するようにしておき、ドク
ターロールスキマGdにより中芯およびライナの各厚さ
の変化に対応して糊ロール表面の糊膜厚さを変化させ、
中芯段頂部への転移糊量を制御するものである。この方
式の全体を式で表せば次式のようになる。 Gp=Klp×Ml+Kmp×Mm+Ap Gg=Kmg×Mm+Ag Gd=Kld×Ml+Kmd×Mm+Ad
【0045】ところで、以上は目標スキマ値を中芯やラ
イナの紙質等の条件に基づいて設定する例を説明した
が、次に検出スキマ値を補正する要因及び手法等につい
て説明を加える。
【0046】例えば図9における下段ロール2とプレス
ロール5とのスキマ(プレスロールスキマ)の、生産/
停止による径変化要因を検討する。図10に示すよう
に、シングルフェーサの下段ロール2は主フレーム80
により回転可能に支持され、プレスロール5はプレス用
アーム81により回転可能に支持され、プレス用アーム
81とプレスロール5の間に、例えば図3に示したよう
な偏芯調整機構(スキマ駆動系)が介在する。そして、
下段ロール2及びプレスロール5内へは、例えば12kg
/cm2程度のスチームが供給され、それにより各ロール
の表面温度(t)は約190℃となる。
【0047】アイドル運転等の低速回転時の表面温度t
は、構造体への熱伝導と表面放射によって、約186℃
(内部から―4℃程)で熱平衡している。このアイドル
状態から通常の高速生産に入って一定の時間(約5分
程)が経つと、生産される段ボール紙に熱を消費して
(△dp、△dc)、表面温度は約―10℃のtpr176
℃程となる(tpは段ボール紙を無視した表面温度)。
また、内面積と外面積との差による温度差も含む。この
温度変化分は各ロールの径変化となって、スキマ誤差の
要因となる。この大きさは、段ロール側及びプレスロー
ル側のそれぞれについて径、温度差、線膨張率を乗じる
ことに基づき、双方の側の誤差の和として計算上の概略
値を求めることができ、下段ロール径を400mm、プレ
スロール径を500mmとしたとき、例えば0.0325m
m程度である。これは、フレームの熱膨張によるスキマ
誤差より小さいといえるが、スキマ精度を低下させる一
つの原因となる。
【0048】そこで、主にロール径変化によるスキマ誤
差を解消又は低減するために、本シングルフェーサの生
産停止(アイドル状態の休止も停止の一種とみることが
できる)及び運転開始、生産速度変化等の運転変化によ
るロールスキマ変化を、電気的な置換アルゴリズムによ
って求め、それに基づいて検出スキマ値を補正すること
により、実スキマ値の精度向上を図る。置換アルゴリズ
ムは、例えば、生産速度に対するロールスキマgの変化
分を近似伝達関数として、回路的又はソフトウェアで実
行させるが、後述の例えばむだ時間要素や1次遅れ要素
等で示すように、時間関数としているところが特徴的で
ある。
【0049】まず、上記置換アルゴリズムの近似伝達関
数の前提として、生産速度によるプレススキマgの静特
性を図11に例示する。図10の下段ロール2、プレス
ロール5への加熱蒸気は、片面段ボールシートの生産速
度で減圧しないように充分供給される。通紙されるライ
ナー及び中芯の材質は同一であるのが普通で、各原紙は
シングルフェーサへ送り込まれる前に、前述のようにプ
レヒーテングされる。従って、シングルフェーサへ入る
中芯、ライナーの温度は、生産速度の全域において一定
となるのが望ましいが、実際上は、生産速度が上がるに
つれ、曲線的に温度低下θsa〜θsb(ロール表面温度は
θa〜θb)を生じながら生産される。なお、加圧蒸気は
ボイラー出口では一定(例えば12kg/mm2)として
いても、段ロール、プレスロール内での熱消費量の増大
によって、内面では配管ドロップを含め少なからず減圧
する。
【0050】以上のことから、各ロールの表面温度θ
は、生産速度vに対して図11に示すような非線形曲線
に基づく特性となる。なお、この静特性の非線形曲線
は、近似的なテーブル(換算表)で置換することがで
き、例えば生産速度(停止を含む)を複数領域に分割し
て、各分割領域ごとに対応するロール表面温度を予め用
意しておくことができる。ロール表面温度の低下は、ロ
ール肉厚分の熱容量による遅れ時間を伴うが、ロールの
径変化となって、プレススキマ(プレスロールスキマ)
gの変化△gとなる。
【0051】次に、生産速度vの変化によるプレススキ
マgの動特性(時間遅れ要素に着目したもの)を、図1
2に例示するグラフを参照して説明する。この図は、生
産速度がアイドル(停止状態)vaから、充分に速いvb
へ変速したときのロール表面温度θとプレススキマgの
動特性例を示すものである。ロール表面温度θは、図1
1で説明したように曲線特性を示すが、遅れ特性(生産
速度vに対するロール表面温度θの)はごく小さく無視
できる。図12のθ(t)はこのことを表す。一方、各
ロールには所定厚さの肉厚があって熱容量cをもつた
め、表面温度が急変しても熱膨張による各ロール径の変
化、すなわちプレススキマgの変化は曲線g(t)であ
り、二次遅れ的特性を示す。なお、生産速度vの変速時
間T0は、プレススキマgの近似モデル特性におけるむ
だ時間T1、及び一次遅れ時定数T2より充分に小さいた
め、省略可能である。
【0052】そして、図4のAの部分は、図13のよう
に構成される。この制御構成において、スキマ/運転演
算変換器90は、上述のプレススキマgと生産速度vと
の、g/vの動特性を置換するものとして構成されるの
で、一例として次のように、 近似伝達関数G(s)=g/v を組み込むことができる。実際の特性としては、もっと
複雑な多次遅れ要素になるものと考えられるが、実用的
にはこれで充分といえる。すなわち、
【0053】 g/v=(g/θ)・(θ/v) =e-ST1・{kg/(1+T2S)} ただし、 kg:速度vの変数、具体的には、スキマga〜gbの変
化分。 e-ST1:むだ時間(図12のT1に相当)。 1/( 1+T2S):1次遅れ要素
【0054】上記のような時間遅れ要素を含む近似伝達
関数G(S)が、図13におけるスキマ/運転演算変換
器90に回路として組み込まれ、又はソフトウェアとし
てプログラムの一部に記憶される。スキマ/運転演算変
換器90は、スキマ/速度演算変換器90a及び最大ス
キマ変化値設定器90bを備え、スキマ/速度演算変換
器90aは、生産速度vの変化データを図4のパルスエ
ンコーダ60から取り込み(接続関係は図示省略)、上
述の近似伝達関数G(S)に基づき、生産速度vの変化
をローラスキマの変化の値に変換する。すなわち、スキ
マ変化量△gは、次の演算により求める。 △g=G(S)・v
【0055】最大スキマ変化値設定器90bは、この演
算で許容されるスキマ変化値の最大値を予め設定してお
くもので、その最大スキマ変化値の範囲内で、スキマ/
速度演算変換器90aが、生産速度変化等の運転変化に
基づくスキマ変化値を算出し、加算器91へ出力する。
なお、スキマ変化値最大値Kgは、機台の仕様によって
異なるため、図4の制御装置38(図13では最大スキ
マ変化値設定器90b)等にプリセットできるようにな
っている。
【0056】加算器91へは、前述のロール間スキマ調
整軸回転角検出器35等の回転角信号が、回転角/スキ
マ変換器45でスキマに変換されて入力される。このス
キマ値gが補正前のいわば見掛けの検出スキマ値であ
る。また、フレーム膨張検出器48のフレーム膨張信号
が、膨張値/スキマ変換器92を経て、フレームの熱膨
張に伴うスキマ変化分として加算器91へ入力される。
フレーム膨張検出器48は、例えばフレームの熱膨張に
基づく歪みを検出する歪みゲージユニットを、フレーム
にセットしたものを採用することができる。また、フレ
ームの温度を検出することに基づいて線膨張係数等から
フレーム膨張量を計算により間接的に推定し、その推定
値をさらにスキマ変化値に変換することもできる。
【0057】そして、見掛けの検出スキマ値gに対し
て、加算器91により、第1にフレーム熱膨張に伴うス
キマ変化分を補正し、第2に停止・起動を含む生産速度
の変化に伴うスキマ変化分を補正する。ここでフレーム
膨張に伴いロールスキマは拡大する方向に変化するた
め、補正態様としては、これを相殺する(接近させる)
ためのものとなる。また、生産速度vがアイドル状態又
は止転状態から起動又は増速に転じた場合は、前述のよ
うに、ロール表面からシート側(中芯、ライナ)に奪わ
れる熱量が多くなり、時間遅れ要素を伴ってロール径が
減少し、ロールスキマが広がる結果となるため、スキマ
補正はスキマ拡大を相殺するように行う。すなわち、加
算器91の補正入力である極性−は、ロール表面間距離
を遠ざける方向を意味していて、通常運転の最高速ラン
クでの精度出しをして良品シートが得られるようにスキ
マ調整し、その最高速ランクでの補正値をゼロに設定し
て、常温・止転時におけるスキマ補正値を最大(Kg)と
したものである。つまり、最高速での運転状態に対し、
アイドル又は止転時はシートに熱をうばわれにくくロー
ル径拡大の傾向があるため、−(マイナス)補正を加え
ることになる。
【0058】このように、見掛けの検出スキマgにおけ
るフレーム膨張に伴うスキマ誤差△f、及び生産速度変
化(ロール径変化)に伴うスキマ誤差△gをそれぞれ加
算器91で加えて補正し、精度の高い実スキマ値gmと
して加算器91から出力する。
【0059】この補正後の実スキマ値gmは、図4の比
較器62、63又は64に出力されて、前述の目標スキ
マ演算器40で算出された目標スキマ値と比較され、そ
れら実スキマ値と目標スキマ値とが一致するように(厳
密には両者が高精度に近似するように)、モータ駆動ユ
ニット42〜44を介してスキマ調整用のモータ32〜
34を駆動(微調整)することとなる。
【0060】また、図4及び図13に示すように、加算
器91で補正された実スキマ値gmは、併せて実スキマ
表示器93(a、b、c)に表示される。これにより、
オペレータは例えば手動調整が必要かどうかを判断する
場合であるとか、生産ラインが正常に稼働しているかど
うかを判断する場合等において、従来に比べてより精度
の高いデータ値を見ることができるから、より的確に異
常等の判断や、手動介入の必要性等を把握できる。
【0061】なお、以上の説明では図12における近似
伝達関数として、例えばP0P1P2P3P4で示す非線形
曲線に対応するもの等を例示したが、これをさらに近似
化して、例えば、P0P1P2P5P4で示す折れ線形態、
あるいは図中の1点鎖線若しくは線分P1P4等に示す直
線形態の線形的な近似伝達関数を採用することもでき
る。
【0062】また、以上のような比較的精密なスキマ誤
差補正する具体例に代えて、より制御構成が簡単で比較
的ラフな補正とするために、図15のように生産速度の
全域を複数範囲に分割してデータテーブルを設定し、こ
れに基づいて生産速度変化に伴うスキマ変化の補正を行
ってもよい。いま例えば、全運転変化で0.03〜0.0
05mm程度のスキマ補正値であって、実スキマ表示の最
小単位が仮に0.01mmとすれば、スキマ調整機構(ス
キマ駆動系)の位置決め精度が一般には±0.005mm
程度が限界であることを考えると、スキマ補正値の単位
を0.005mm程度とすれば、相対的に実用性は充分に
ある。従って、止転を含む生産速度全域の全運転変化
で、例えば10分割したデータテーブルを設け、ここへ
生産速度変化に伴うスキマ変化分をセットする方式を採
用することができる。このようにすれば、非線形特性も
経験値として自由にセットでき、実用的である。
【0063】また、遅れ時間に関しては、T1+T2≒4
分としたとき、例えばむだ時間T1を1分とし、一次遅
れ整定時間を6分として、この中を1分ごとに区切っ
て、先のテーブル値であるスキマ変化分を6分割して直
線的に更新していく(直線補間)機能でも、充分実用的
である。この具体的なソフトウェアアルゴリズムの一例
を図14、図15に示す。前提としてRAMテーブル
に、上述のように全生産速度域を10分割し、その各速
度値にそれぞれ対応して補正スキマ(ギャップ)値kg
を予め設定しておく。いま、最高速ランクで精度出し
をして良品シートを作り出しておいて、低速又はアイド
ル状態になり、さらに運転に入った時でも良品シートが
出るように補正値を決めるという考え方に立てば、生産
速度が止転・アイドル状態で補正スキマ値は最大の0.
050mm、速度なら0.025mm分の補正、速度な
ら0.020mmの補正というように、テーブルを作成で
きる。また、RAMテーブルには、時定数、補正出力値
△g、現在スキマ値、出力スキマ値(これは図13でス
キマ/速度変換器90aから加算器91に出力される補
正値△gである)、現在・出力スキマ差(現在スキマ値
と出力スキマ値の差)、経時カウンタ、前回スキマ値等
を記憶するための制御用レジスタが割当てられている。
なお、図15のQの範囲(補正スキマ値や時定数)は、
制御操作盤のタッチパネル上で設定が可能であり、この
Qの範囲に補正出力値△gを加えたもの(Rの範囲)
は、タッチパネル上の表示部に表示させることができ
る。
【0064】図14において、S1の1分インターバル
タイマを作動させ、S2で現在スキマ値(図15の例え
ば生産速度が止転又はアイドルに対応する補正スキマ
値)を前回スキマ値に更新し、S3で現在の生産速度
(例えば速度)から、RAMテーブルに基づき補正ス
キマ値(例えば0.025mm)を抽出し、現在スキマ値
とする。S4で前回スキマ値と現在スキマ値とを比較
し、両者が一致しなければ、現在スキマ値と出力スキマ
値(実際に加算器91に出力される補正値△g)との差
を、現在・出力スキマ差として一時記憶し、S6で経時
カウンタの零リセットをする。
【0065】そして、再度S2、S3の実行により、S
4で前回スキマ値が例えば0.025、現在スキマ値が
0.020(速度)だとすれば、S4を経てS7で、
現在スキマ値と出力スキマ値とが一致するかどうかを判
断する。このS7は時定数等の時間遅れ要素を取り込む
趣旨で、通常、むだ時間や時定数等の時間遅れ要素のた
めに、現在スキマ値と出力スキマ値とは異なるのが普通
である。その場合、S8で経時カウンタが零であれば、
それが始まりとなって、S11で経時カウンタを+1す
る。
【0066】いま再びS8に至ったとすれば、経時カウ
ンタは1であるため、S9を経てS10で、現在・出力
スキマ差の1/6を、出力スキマ値に加算する。これを
もう少し概念的にいえば、むだ時間や時定数等の時間遅
れ要素の時間帯を任意の数にN分割し、経時カウンタは
N回カウントを行い、そのN回に達するまで、現在・出
力スキマ差の1/Nを繰り返し最新の出力スキマ値に加
算して、積み上げていく。これは近似伝達関数のカーブ
を簡易なアルゴリズムで処理することを意味し、基本的
にはいわゆる直線補間で比例的に、時間遅れ要素を取り
込みつつスキマ補正をすることができる。
【0067】S9で経時カウンタの内容が6になれば、
一次遅れ整定時間が経過して生産速度とロールスキマと
は平衡状態で落ち付いたとみることができるため、S1
2で出力スキマ値を現在スキマ値に等しいものとする
(置き換える)処理を行ってリターンする。その結果、
S7の判断がYESとなり、生産速度等の運転変化に伴
う時間遅れ要素を含むスキマ補正処理は終了する。
【0068】ところで、シングルフェーサの段取替えそ
の他の事由により、シート(中芯やライナ)の走行を停
止する場合、シートが停止しても前述のロール類は低速
で回転した状態で待機するのが普通である。具体的には
上下の段ロールは離間して低速回転、糊ロール、プレス
ロールも低速回転状態を維持する。これが前述のアイド
ル状態であり、メンテナンスその他の理由で上記ロール
類の回転を完全に止めるのが止転となる。いずれにして
も上述のアイドル状態と止転状態を含めて生産の停止状
態とみることができる。
【0069】ここで、中芯・ライナが走行するシングル
フェーサの生産状態では、図示はしないが、下段ロール
に中芯を吸着させるためのバキュームファンが回転す
る。このバキュームファンは、下段ロールの段溝の部分
に中芯吸着のための負圧(大気圧との差)を生じさせる
空気流が、下段ロールの幅方向に生じるように設置され
るが、バキュームファンの駆動は、中芯の吸着のみなら
ず、結果的に下段ロールを冷却する副次的な作用もな
す。
【0070】そして、上記アイドル又は止転状態の生産
停止時には、中芯を下段ロールに吸着しないからバキュ
ームファンが切られるが、バキュームファンが切られる
(停止する)と、下段ロールに対する冷却作用がなくな
り、結果的に下段ロールが熱膨張して、プレスロールス
キマや糊ロールスキマを小さくさせる方向のスキマ変化
が生じる傾向がある。そして、このスキマ変化は、アイ
ドル状態等の生産停止時間が長いほど大きくなる。つま
り、スキマ変化は生産停止時間の長短に影響される。
【0071】このような知見に基づき、前述の時定数等
の時間遅れ要素をさらに発展させた別の実施形態を以下
に説明する。それは、広義には運転変化の一形態である
生産停止時間の長短に応じて、その停止から起動に転じ
た状況におけるスキマ補正のためのアルゴリズムを変え
るということである。具体的には、時間遅れ要素を含む
関数式又は変換テーブルを、生産停止時間の長短を規定
する複数の時間区分に対応して複数用意し、生産停止時
間を検出又は取り込むことにより、その生産停止時間に
対応する関数式又は変換テーブルを選択的に用いて検出
スキマ値を補正し、実スキマ値を得るものである。い
ま、時定数を含む伝達関数を考えれば、例えばその時定
数を、生産停止時間の長短に応じて複数種類を用意する
手法を取り得る。
【0072】例えば図16(a)又は(b)に示すよう
に、アイドル状態等の生産停止時間t1、又はt2を取り
込み、それと設定値(しきい値)txとの大小を比較
し、t1<txであれば第1の時定数C1を選択し、tx≦
t2であれば第2の時定数C2を選択する。上記しきい値
を複数段階に設定すれば、それに応じて3以上の時定数
を設定することもできる。いずれにしても、そのような
複数種の時定数またはそれらを取り込んだ複数種の伝達
関数式を、例えばROMのプログラム中またはRAMテ
ーブルに記憶しておくことができる。また、停止時間の
相違に対応する複数種の時定数を反映させた複数種の変
換テーブルを、例えばRAMテーブルに格納しておき、
停止時間に対して、どの変換テーブルを用いるかを選択
することができる。簡単に言えば、停止時間に応じて複
数種の変換テーブルを使い分け、停止時間の長短を反映
させたスキマ補正を行う。
【0073】図17はその一例を示すもので、図15と
比較すると明らかなように、停止時間の長短に対応する
2種類の時定数に基づく2種類の(2ランクに分割され
た)変換テーブルがRAMテーブルに記憶されている。
ここで、停止時間tがしきい値txより短い場合は図中
左側の第1の変換テーブルを、しきい値tx以上の場合
は図中右側の第2の変換テーブルを用いる。これら第
1、第2の変換テーブルは図15と同様に、タッチパネ
ル上で設定可能であるとともに、タッチパネル上の表示
部に表示することができる。いま、停止時間tがしきい
値txより長い場合は、前述のバキュームファンの停止
による下段ロールの熱膨張、ひいては各ロールスキマの
縮小傾向が大きいことから、これをより離す補正を加え
る意味で、補正スキマ値の最大値が0.070mmと大き
くなっている。このように停止時間が長く、ロールスキ
マ小の場合から起動に転じた場合、機台全体の熱容量が
大きくなるので、停止時間が短い場合と比べて、時定数
は少し長く設定することが望ましい。
【0074】このような複数の(例えば2ランクに分割
された)変換テーブルを用いる処理の流れでは、図18
に示すように、生産停止時間を検出してこれの取込み
(R1)、生産停止時間の長短の判断(R2)、それに
応じた第1又は第2の(時定数)変換テーブルの選択
(R3、R4)のステップを、例えば図14のステップ
に先立って、又は適宜の割込み処理で実行することが一
例として挙げられる。なお、R2の判断ステップを省略
して、生産管理データをこの検出スキマ補正処理に取り
込み、例えば予め定められた生産管理データにおいて停
止時間t3であれば、一義的に第2の変換テーブルを選
択するというようにしてもよい。
【0075】以上の説明から明らかなように、本発明に
おける運転変化の概念は、少なくとも生産速度の変化、
停止時間の長短の要素が含まれ、さらに詳しい例示は省
略するが、生産停止の頻度(例えば設定時間内に何度停
止したか)といった内容も含まれる。また、停止、運
転、加減速等の運転モードパターンも運転変化の概念に
包含される。
【0076】そして、図15又は図17等のいずれの手
法にしても、直線補間を前提にした簡易なアルゴリズム
によるスキマ補正処理によれば、近似伝達関数のカーブ
からラプラス変換等の比較的複雑な演算処理を行って出
力スキマ値(△g)を加算器91に出力する場合に比べ
て、処理が簡単であるため、制御部の構成も簡素で安価
なものとなるメリットがある。なお、上述のような比例
的な直線補間ではなく、一次遅れカーブと対応する非線
形タイプのデータテーブルを作ることもできる。
【0077】以上のようにして、検出スキマ値(ロール
スキマ検出値)が、フレームの熱膨張ならびに生産速度
変化やアイドル時間の長短等の運転変化により補正され
て、実スキマ値としての精度が高まり、また一方で、目
標スキマ値が中芯やライナのロット替えに対応して、様
々な紙厚や紙質に応じて高精度に自動調整される。その
ように精度の高められた実スキマ値及び目標スキマ値同
士が比較され、両者の差がゼロに近づくように各比較器
62〜64(図4)から各モータ駆動ユニット42〜4
4に駆動信号が供給される。これに基づきプレスロール
スキマモータ32、糊ロールスキマモータ33およびド
クターロールスキマモータ34が駆動して、実際の各ロ
ールスキマを各目標スキマ値と実質的に等しくする。
【0078】そのようなロールスキマの調整時期、言い
換えればチェンジタイミングは、前述のチェンジタイミ
ング発生器61からの信号に基づき、紙が変わるのとほ
ぼ合致してスキマ調整が行われるように各スキマモータ
32〜34を駆動することができる。
【0079】なお、図5(a)に示すように、プレスロ
ール5に対して1つの成形糊付ユニットA(Aフルート
用)のみならず、さらに別の成形糊付ユニットB(Bフ
ルート用)を備えて、異なるフルート(波形)の成形が
可能ないわゆるツインフェーサに対しても、本発明は同
様に適用できる。つまりB側の成形糊付ユニットが使用
される場合は、ロール2′とプレスロール5とのプレス
ロールスキマ、ロール2′と糊ロール3′との糊ロール
スキマ、糊ロール3′とドクターロール7′のドクター
ロールスキマが、前述のように演算・設定されることと
なる。さらに、図5(b)に示すように、例えば第1プ
レスロール5a及び第2プレスロール5b等の、2本又
はそれ以上のプレスロールを有する複数プレスロールタ
イプのシングルフェーサに本発明を適用することもでき
る。その場合、例えば下段ロール2等の段ロールと第1
プレスロール5aとのスキマが第1プレススキマ、同じ
く第2プレスロール5bとのスキマが第2プレススキマ
として、これら2種以上のプレススキマに対し、前述の
ような検出スキマ補正により実スキマを得、また、目標
スキマ値を設定して、両者を可及的に合致させることが
できる。
【0080】また、図4における制御装置38について
は、コンピュータのCPU、ROMおよびRAM等によ
り、演算、判定、記憶さらには出力指令等を行うように
構成することができる。また、以上の説明では、目標ス
キマ値を中芯やライナの厚さ、紙質その他の条件に基づ
いて設定していたが、それらを個々に反映させることな
く、一義的に多過去の経験値等で設定することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を簡略に示す全体図。
【図2】中芯厚さ測定器、ライナ厚さ測定器の一例を示
す図。
【図3】各ロールスキマの調整機構の概念図。
【図4】制御系のブロック線図。
【図5】本発明の適用対象となる別タイプのシングルフ
ェーサの説明図。
【図6】中芯段頂部に対する糊付着工程の説明図。
【図7】糊量調整のためのA方式の説明図。
【図8】糊量調整のためのB方式の説明図。
【図9】一般的なシングルフェーサの機構説明図。
【図10】プレスロールと段ボールシート及び下段ロー
ル間の熱移動の説明図。
【図11】生産速度とロール表面温度の静特性例を示す
図。
【図12】生産速度変化とロール径変化の動特性例を示
す図。
【図13】図4のA部分の詳細を例示するブロック図。
【図14】生産速度変化によるロールスキマ補正の一例
を示すフローチャート。
【図15】図14の処理に対応するRAMテーブルの一
例を示す図。
【図16】生産停止時間の長短に応じて2種の時定数を
用いる場合の概念図。
【図17】生産停止時間の長短に応じて2ランクに分け
られた変換テーブルの一例を示す図。
【図18】図17の2ランクの変換テーブルを用いた処
理の一部を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 上段ロール(挟圧ロール) 2 下段ロール(挟圧ロール) 3 糊ロール 5 プレスロール 7 ドクターロール 23 中芯厚さ測定器 27 ライナ厚さ測定器 30 スキマ調整軸 40 目標スキマ演算器 41 比例係数・定数の発生器 53 紙厚大別判別器 55 紙質大別設定器 90 スキマ/運転演算変換器 91 加算器 92 膨張値/スキマ変換器 m 中芯 l ライナ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中芯を狭圧して波形成形する1組以上の
    狭圧ロールを有し、中芯の段頂部に糊を付ける糊ロール
    と前記狭圧ロールとの糊ロールスキマ、前記糊ロールに
    付着する糊量を調整するドクターロールと前記糊ロール
    とのドクターロールスキマ、中芯にライナを圧着する少
    なくとも1以上のプレスロールと前記狭圧ロールとのプ
    レスロールスキマの少なくとも一のスキマについて、実
    際のロール表面間スキマ(実スキマ)を算定するため、
    軸芯間検出器又は偏心軸回転角検出器等のスキマ駆動系
    の位置又は回転角等の検出信号に基づいて検出スキマ値
    を求め、 かつ、本シングルフェーサの停止を含む運転変化から、
    前記糊ロールスキマ、ドクターロールスキマ、プレスロ
    ールスキマの少なくとも一の検出スキマ値の変化を、予
    め定めたアルゴリズムにより算出して、その算出値に基
    づき前記検出スキマ値を補正し、実スキマを得ることを
    特徴とするシングルフェーサ。
  2. 【請求項2】 当該シングルフェーサが生産停止から
    起動に転じる際に、その生産停止時間の長短に応じて、
    複数種の前記アルゴリズムを選択的に用いる請求項1に
    記載のシングルフェーサ。
  3. 【請求項3】 前記運転変化から、前記アルゴリズムと
    して時間遅れ要素を含む関数式又は変換テーブルに基づ
    いて前記少なくとも一のスキマ変化を算出し、その算出
    値に基づいて前記検出スキマ値を補正する請求項1又は
    2に記載のシングルフェーサ。
  4. 【請求項4】 前記運転変化から、その時間遅れ要素を
    時定数で規定した伝達関数に基づいて前記スキマ変化を
    算出し、その算出値に基づいて前記検出スキマ値を補正
    する請求項1又は2に記載のシングルフェーサ。
  5. 【請求項5】 当該シングルフェーサが生産停止から起
    動に転ずる際に、その生産停止時間の長短に応じて、前
    記時定数を含む複数種の関数式又は変換テーブルを用意
    し、その生産停止時間を取り込んで前記複数種の関数式
    又は変換テーブルのうちの一を選択する請求項3又は4
    に記載のシングルフェーサ。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも一のロールを支持するフ
    レームの熱変化分について、そのフレーム温度検出又は
    フレーム熱膨張検出等の熱変化要素に基づいて前記検出
    スキマ値の補正を行い、かつ、前記運転変化に伴うスキ
    マ変化の算出値に基づいて前記検出スキマ値の補正を行
    う複合的な検出スキマ値補正手段を含む請求項1〜5の
    いずれかに記載のシングルフェーサ。
  7. 【請求項7】 前記補正された結果である実スキマ値を
    表示する表示装置を含む請求項1〜6のいずれかに記載
    のシングルフェーサ。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも一のロール表面間スキマ
    に関して目標スキマ値を設定する目標スキマ値設定手段
    と、前記複合的な検出スキマ値補正手段により補正され
    た実スキマ値との差を減少又は解消するように、前記ス
    キマ駆動系を制御するロール間スキマ制御手段とを含む
    請求項1〜7のいずれかに記載のシングルフェーサ。
  9. 【請求項9】 前記目標スキマ値を、片面段ボールシー
    トの材料である前記中芯及び/又はライナの紙質、厚
    さ、坪量等の材料態様に応じて設定する目標スキマ値設
    定手段を有する請求項1〜8のいずれかに記載のシング
    ルフェーサ。
  10. 【請求項10】 中芯を狭圧して波形成形する1組以上
    の狭圧ロールが設けられ、そのうちの一の狭圧ロールに
    対向して糊ロールが、またその糊ロールに接近してドク
    ターロールが設けられ、また糊ロールより下流に、中芯
    にライナを圧着する1以上のプレスロールが前記狭圧ロ
    ールに対向して配置されたシングルフェーサにおいて、 前記狭圧ロールと糊ロールとのロール表面間における糊
    ロールスキマ、前記糊ロールとドクターロールとのロー
    ル表面間におけるドクターロールスキマ、前記狭圧ロー
    ルとプレスロールとのロール表面間におけるプレスロー
    ルスキマの少なくとも一のスキマに関して目標スキマ値
    を設定する目標スキマ値設定手段と、 前記少なくとも一のロール表面間スキマ(実スキマ)の
    算定の基礎となる検出スキマ値を検出するための検出器
    と、 本シングルフェーサの停止を含む運転変化から、その運
    転変化の時間遅れ要素を含むアルゴリズムに基づいて、
    前記少なくとも一のスキマ変化を算出し、そのスキマ変
    化の算出値に基づいて前記検出スキマ値を補正する検出
    スキマ値補正手段と、 その補正後の値を実スキマ値として表示する表示装置
    と、 前記検出スキマ値補正手段により補正された実スキマ値
    と前記目標スキマ値設定手段により設定された目標スキ
    マ値との差を減少又は解消するように、スキマ駆動系を
    制御するロールスキマ制御手段と、 を含むことを特徴とするシングルフェーサ。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 中芯の厚さをその波形成形前に測定する中芯厚さ測定器
    と、 ライナの厚さをその圧着前に測定するライナ厚さ測定器
    と、 供給される前記中芯およびライナについて、それらがど
    の紙厚の大別区分に属するかを示す紙厚大別データ、ど
    の紙質の大別区分に属するかを示す紙質大別データのう
    ち少なくともいずれかを付与する大別データ付与手段
    と、 前記中芯厚さ測定器で測定された中芯厚さ、前記ライナ
    厚さ測定器で測定されたライナ厚さ、さらには前記付与
    された紙厚大別データおよび紙質大別データの少なくと
    も一方に基づき、前記プレスロールの前記挟圧ロールに
    対するプレスロールスキマ目標値Gp、および前記糊ロ
    ールの前記挟圧ロールに対する糊ロールスキマ目標値G
    gを、次式: Gp=Klp×Ml+Kmp×Mm+Ap Gg=Klg×Ml+Kmg×Mm+Ag ただし、 『 Ml:測定されたライナ厚さ Mm:測定された中芯厚さ Klp,Klg:前記ライナの紙厚大別データおよび紙質大
    別データの少なくとも一方に基づいて各々決定されるラ
    イナ厚さ係数 Kmp、Kmg:前記中芯の紙厚大別データおよび紙質大別
    データの少なくとも一方に基づいて各々決定される中芯
    厚さ係数 Ap,Ag:それぞれの補正値 』により設定する目標ス
    キマ値設定手段と、 を含むことを特徴とするシングルフェーサ。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記ドクターロ
    ールの前記糊ロールに対するドクターロールスキマ目標
    値Gdが、次式: Gd=Kmd×Mm+Ad ただし、 『 Mm :測定された中芯厚さ Kmd:前記中芯の紙厚大別データおよび紙質大別データ
    の少なくとも一方に基づいて決定される中芯厚さ係数 Ad :補正値 』で算出されるシングルフェーサ。
  13. 【請求項13】 請求項10において、 中芯の厚さをその波形成形前に測定する中芯厚さ測定器
    と、 ライナの厚さをその圧着前に測定するライナ厚さ測定器
    と、 供給される前記中芯およびライナについて、それらがど
    の紙厚の大別区分に属するかを示す紙厚大別データ、ど
    の紙質の大別区分に属するかを示す紙質大別データのう
    ち少なくとも一方を付与する大別データ付与手段と、 前記中芯厚さ測定器で測定された中芯厚さ、前記ライナ
    厚さ測定器で測定されたライナ厚さ、さらには前記付与
    された紙厚大別データおよび紙質大別データの少なくと
    も一方に基づき、前記プレスロールの前記挟圧ロールに
    対するプレスロールスキマ目標値Gp、および前記ドク
    ターロールの前記糊ロールに対するドクターロールスキ
    マ目標値Gdを、次式: Gp=Klp×Ml+Kmp×Mm+Ap Gd=Kld×Ml+Kmd×Mm+Ad ただし、 『 Ml:測定されたライナ厚さ Mm:測定された中芯厚さ Klp,Kld:前記ライナの紙厚大別データおよび紙質大
    別データの少なくとも一方に基づいて各々決定されるラ
    イナ厚さ係数 Kmp、Kmd:前記中芯の紙厚大別データおよび紙質大別
    データの少なくとも一方に基づいて各々決定される中芯
    厚さ係数 Ap,Ad:それぞれの補正値 』により設定する目標ス
    キマ値設定手段と、 を含むことを特徴とするシングルフェーサ。
  14. 【請求項14】 請求項13において、糊ロールの狭圧
    ロールに対する糊ロールスキマ目標値Ggが、次式: Gg=Kmg×Mm+Ag ただし、 『 Mm :測定された中芯厚さ Kmg:前記中芯の紙厚大別データおよび紙質大別データ
    の少なくとも一方に基づいて決定される中芯厚さ係数 Ag :補正値 』で算出されるシングルフェーサ。
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