JPH1052482A - フィルター構造を有する抗ウイルス素材およびフィルター - Google Patents

フィルター構造を有する抗ウイルス素材およびフィルター

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JPH1052482A
JPH1052482A JP9062190A JP6219097A JPH1052482A JP H1052482 A JPH1052482 A JP H1052482A JP 9062190 A JP9062190 A JP 9062190A JP 6219097 A JP6219097 A JP 6219097A JP H1052482 A JPH1052482 A JP H1052482A
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filter
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lectin
viruses
mannose
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Mitsuru Akashi
満 明石
Masanori Baba
昌範 馬場
Masato Onishi
誠人 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、溶液中や空気中に存在するウ
イルスを安全且つ簡易に除去もしくは不活化するフィル
ター類を提供することにある。 【解決手段】マンノース結合型レクチンが、親水性高分
子鎖を介して疎水性高分子鎖よりなる基材に結合した抗
ウイルス素材であり、フィルター構造を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウイルスを捕捉も
しくは不活化することにより、抗ウイルス活性を発現す
る素材に関する。
【0002】
【従来の技術】ウイルスに起因する種種の疾病が近年大
きな社会問題となっている。例えば、エイズ、B型肝
炎、C型肝炎、成人T細胞白血病等の疾病は、各々HI
V,HBV,HCV,HTLV−Iによってもたらされ
ることが知られている。また、フィローウイルスによる
エボラ出血熱やマールバーグ病、ハンタウイルスによる
腎症候性出血熱のような新しいウイルス性疾患の出現も
人類にとって大きな驚異となっている。
【0003】ウイルスに起因する疾患を防ぐ為の重要な
対処法の一つは、感染予防であり、血液製剤やワクチン
等の製造現場、病院、バイオ関連の研究機関等から我々
の日常生活に至るまで、ウイルス感染の対策が求められ
ている。ウイルス除去や不活化の技術としては、加熱処
理する方法がよく知られているが、加熱処理が困難な場
合も存在する。例えば、加熱処理すると変性したり活性
を失う生体成分を含む場合や対象が生物そのものである
場合などである。
【0004】非加熱的手法による方法としては、(1)
フィルターを用いて蛋白溶液からウイルス粒子を分離除
去する方法(特開昭61−168367、特開平2―1
67232)、(2)ポリビニルピリジニウムが固定化
されたフィルターにより水中のウイルスを捕捉する方法
(特開平3−123630)、等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方法は、フィルター孔径をウイルス粒子より小
さい(30〜100nm程度)微少な孔にしなければな
らないため、濾過速度が遅くなり、また、フィルターが
目詰まりしやすいという欠点がある。特に、被処理液が
細胞や微生物を含む場合や高濃度の蛋白質を含む場合
は、フィルターの処理能力は著しく低下することとな
る。さらには、フィルターにピンホールが存在すると、
ウイルスが通り抜けて除去できなくなるなど、ウイルス
除去方法として充分満足のゆくものではなかった。フィ
ルター形状の抗ウイルス素材は、空気中や溶液中からウ
イルスを濾過により除去する方法として有効であり、創
傷面や呼吸気道からのウイルス感染を防止するためのバ
リアー素材として、創傷ドレッシング材やマスク等への
適用性を有している。しかしながら、フィルター形状で
は、ウイルスの体内への侵入部位である泌尿生殖管など
の粘膜表面で抗ウイルス材として使用することが困難で
ある。
【0006】上記(2)のポリビニルピリジニウム構造
を用いる方法は、蛋白質の少ない水道水中等からはウイ
ルスを捕捉し除去できるものの、高濃度の蛋白質や脂質
が存在する血漿や細胞培養液等からは、蛋白成分や脂質
などの非特異的吸着が支配的となる結果、ウイルスを効
果的に除去できなくなる。従って、本発明の目的は、上
記課題を解決した抗ウイルス素材を提供することであ
る。例えば、ウイルス感染の予防のために、粘膜組織等
に予め適用しウイルスの侵入を抑えるウイルス感染予防
剤類、溶液中や空気中に存在するウイルスを安全且つ簡
易に除去もしくは不活化するフィルター類や殺ウイルス
剤類等を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の手段によ
って達成される。 (1)マンノース結合型レクチンが、親水性高分子鎖を
介して疎水性高分子鎖よりなる基材に結合されている抗
ウイルス素材であって、かつフィルター構造を有する抗
ウイルス素材。 (2)前記親水性高分子鎖の吸水率が2%以上であり、
かつ前記疎水性高分子鎖の吸水率が2%以下である
(1)に記載の抗ウイルス素材。 (3)孔径100nm〜10μmのフィルター構造を有
することを特徴とする(1)に記載の抗ウイルス素材。 (4)フィルター基材にマンノース結合性レクチンが親
水性高分子鎖を介して結合されいることを特徴とするフ
ィルター。 (5)前記フィルター基材は、疎水性高分子基材である
(4)に記載のフィルター。 (6)前記フィルター基材は、多孔質膜である(4)に
記載のフィルター。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明の抗ウイルス素材は、マンノース結合型レ
クチンを結合した親水性高分子鎖が、疎水性高分子鎖よ
りなる基材に結合されていることが特徴であり、そし
て、フィルター形状もしくはフィルター構造を備えてい
る。レクチンとは、糖結合性蛋白質の総称であり、細胞
膜複合糖質の糖鎖と結合することによって、細胞凝集、
分裂誘発、機能活性化、機能抑制、細胞障害などの活性
を発現することが知られている。
【0009】本発明に使用されるマンノース結合型レク
チンは、主としてアスパラギン結合糖鎖の母核の構成糖
であるα−マンノシル残基を認識するレクチンであり、
Conavalia ensiformis(ConA), Lens culinaris(LCA), B
owringia midbraedii(BMA),Dolichos lablab(DLA),Gala
nthus nivalis(GNA), Gerardia savaglia (GSL), Macha
erium biovulatum (MBA), Machaeriumu lunatus(MLA),
Narcissus pseudonarcissus(NPA), Epipactis helebori
ne (EHA), Listera ovata (LOA)などがある。機能及び
経済性の面から、マンノース結合型レクチンの中でも特
に、ConAが好適である。
【0010】本発明においては、マンノース結合型レク
チンがウイルス表層の膜糖蛋白質の高マンノース領域に
作用することにより、その機能を発現するように設計さ
れている。レクチンやウイルスの種類により、抗ウイル
ス活性の程度が異なるため、目的や用途に合わせて、素
材設定されることが望ましい。
【0011】本発明のマンノース結合型レクチンを結合
させる基材全体の構造としては、親水性高分子鎖と疎水
性高分子鎖とがブロックもしくはグラフト共重合体とし
て形成されているのがよく、親水性高分子鎖が疎水性高
分子鎖のグラフト鎖として存在していることが好まし
い。疎水性高分子鎖を基材とすることにより、水中での
強度や寸法安定性が向上し、性能や操作性に優れた抗ウ
イルス素材となる。また、親水性高分子鎖をグラフト鎖
とすることにより、疎水性高分子鎖からなる基材の表層
部を覆い、水系溶媒中において、疎水性相互作用による
非特異的な蛋白質等の吸着を抑制し、レクチンの選択的
吸着性が発現されやすい環境を提供することとなる。
【0012】本発明に使用される疎水性高分子鎖は、特
に構造は限定されないが、吸水率が2%以上では水中に
おける材料の強度や寸法安定性が悪くなったり、表面積
を増やすことにより、保持させるレクチン量を増加させ
ることが困難となるため、吸水率が2%未満の水不溶性
の高分子より構成されているのが好ましい。例えば、ア
クリル酸エステルやメタクリル酸エステル類、スチレン
やその誘導体の重合体や共重合体、ポリオレフィン、ポ
リスルホン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリイミド、等の中から選ばれる疎水性高分子鎖が
好ましく、共重合体でもよい。
【0013】本発明に使用される親水性高分子鎖は、特
に構造は限定されないが、吸水率が2%未満では疎水性
相互作用による非特異的吸着が起こりやすくなるため、
水溶液中で溶解もしくは2%以上の吸水率を有し、単量
体より形成された繰り返し構造を有する重合体が好まし
い。例えば、アクリルアミドやメタクリルアミド及びそ
の誘導体、アクリル酸やメタクリル酸のように分子内に
カルボキシル基を有する単量体、ビニル硫酸やスチレン
スルホン酸のように分子内に硫酸基を有する単量体、ビ
ニルアミンやアリルアミンのように分子内にアミンを有
する単量体、N−ビニルアセトアミドやN−ビニルアル
キルアミド類、ビニルピロリドンやビニルピロリジノ
ン、ビニルエーテル類、アミノ酸や糖を分子内に有する
親水性単量体、アジリジン化合物、リン脂質を分子内に
有する単量体、アクリル酸エステルやメタクリル酸エス
テル等を構成成分とする重合体や共重合体で、親水性高
分子に該当するもの等を用いることができる。また、ポ
リエーテル化合物、多糖類、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリウレタン、等であっても吸水率が2%以上であ
ればよい。
【0014】好ましい親水性高分子鎖としては、蛋白質
の非特異的な吸着を抑制する高分子鎖であり、アクリル
アミドやその誘導体、N−ビニルアセトアミド類のよう
な水溶性高分子鎖がある。4級アンモニウム塩のような
強塩基性イオン交換基を有する高分子やポリプロピレン
・ポリエチレンといった疎水性高分子は、非特異的な蛋
白吸着を増大させ、レクチンによる抗ウイルス作用を低
下させるため好ましくない。
【0015】本発明において、マンノース結合型レクチ
ンを親水性高分子に結合させる方法としては、まず、共
有結合法として、イミドカルボナート誘導体を介する臭
化シアン活性化法、カルボジイミド試薬やウッドワード
試薬を用いる縮合試薬法、ジアゾニウム化合物を介した
ジアゾ法、酸アジド誘導体法、ハロゲン化アセチル誘導
体法、トリアジニル誘導体法、ハロゲン化メタクリル
(アクリル)酸誘導体法、グルタルアルデヒドや両末端
エポキシ化合物のような多官能性の架橋剤を用いる架橋
法などいずれも可能である。
【0016】これらの結合方法を用いる理由は、レクチ
ンが有する官能基として、カルボキシル基、アミノ基、
ヒドロキシル基、イミダゾール基、フェノール基などが
考えられるためであり、これらの官能基と反応する種々
のジアゾニウム塩、酸アジド、イソシアネート、ハロゲ
ン化アルキル、エポキシ、アルデヒド、等の官能基を親
水性高分子鎖に導入したり、架橋剤や縮合剤を用いて、
適当な条件下でレクチンと反応させればよい。
【0017】親水性高分子鎖に官能基を導入する方法と
しては、当該官能基を有する単量体を共重合する方法、
別の官能基を有する単量体から変換する方法等がある。
一方、共有結合法以外の方法としては、親水性高分子鎖
にイオン交換基やレクチン結合部位を導入し、静電相互
作用や特異的親和力(アフィニティー)を用いて非共有
結合的に固定化する方法もよい。尚、レクチンの徐放を
意図しない場合は、共有結合法による固定化が好まし
い。
【0018】本発明のフィルター形状を有する抗ウイル
ス素材について説明する。フィルター形状とは、多孔質
膜、スポンジ構造体、織布、不織布、等の繊維集合体や
多孔質体のように、物質の分離機能を有する形状を意味
する。フィルター形状の利点は、表面積が大きいこと、
濾過操作により被処理液の高い処理速度を有すること、
粒子サイズによる物質分離(フィルター機能)も同時に
実施できることなどがあげられる。
【0019】ウイルスは、大きさが30〜200nm程
度のものが多いため、例えば、孔径が0.2〜5μm程
度の本発明のフィルターを用いることにより、細胞成分
や微生物の入った培養液や血液等から、細胞成分とウイ
ルスとを同時に除去しながら目的とするバイオプロダク
ツや蛋白質を得ることが可能となる。すなわち、フィル
ターの孔径を利用して細胞成分を分離しながら、同時に
フィルターに結合したレクチンの親和性を利用してウイ
ルスを分離することが可能となる。また、孔径を0.2
〜0.4μm程度に小さくすることにより、細菌類も孔
径で分離できるフィルターを作成することができ、また
逆に、孔径を数μm〜数十μmと大きくすることによ
り、ウイルス抗原を提示したウイルス感染細胞を吸着除
去できるフィルターを設計することも可能となる。
【0020】これらのフィルターは、フィルター基材に
マンノース結合性レクチンを親水性高分子鎖を介して結
合させることにより作成できる。その際、予め親水性高
分子鎖にレクチンを固定化した後、疎水性高分子基材に
結合させてもよいし、疎水性高分子基材に親水性高分子
鎖を導入した後、レクチンを固定化してもよい。フィル
ター基材としては、後述する実施例において用いている
ように、ポリプロピレン多孔質膜が使用できる。
【0021】マンノース結合型レクチンが不活化作用を
発現するウイルスは、全て、本発明の適用対象となり、
有用かつ重要な標的ウイルスの一つとして、現在社会問
題化しているエイズの原因ウイルス(HIV)がある。
ConA等のマンノース結合型レクチンは、HIVの外
被糖蛋白質であるgp120の糖鎖に結合し、抗HIV
活性を発現する。従って、被処理液中や体液中からの感
染性HIV粒子の除去や感染予防、あるいは、生体内の
病因物質の一つとされているgp120やその免疫複合
体の除去等に効果を発現することが期待できる。
【0022】本発明の抗ウイルス素材の用途としては、
例えば、ウイルス保有者からの二次感染を予防するため
の各種製品(医療用や看護用の各種製品、日常製品)、
ウイルス感染が懸念される医療現場や臨床試験現場で使
用される医療用具類や臨床検査製品の素材、ウイルス感
染者のウイルス負荷を軽減させるための治療装置、検査
や実験等で使用するウイルスの濃縮装置、等への適用が
考えられる。具体的に例示すると、HIV感染者のウイ
ルス負荷を低減するため体内からHIVを不活性化した
りgp120を除去するための医療器などである。
【0023】
【実施例】次に、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0024】(実施例1、比較例1)平均孔径0.46
μ、空孔率61%、膜厚80μのポリプロピレン多孔質
膜に、アルゴンプラズマ(100W、0.1Torr、
15秒間)を照射した後、2−メトキシエチルアクリレ
−トに、1.0Torrで3分間、グリシジルメタクリ
レートに0.7Torrで3分間接触させて表面グラフ
ト重合(米国特許5,202,025、米国特許5,0
28,332)を行った。該表面グラフト化膜は、疎水
性高分子鎖であるポリプロピレンを基材とし、エポキシ
基を有するグリシジルメタクリレート鎖が親水性高分子
鎖であるメトキシエチルアクリレート鎖を介して基材表
面にグラフト結合している多孔質膜である。
【0025】膜に導入したグラフト鎖は、IR、NM
R、重量変化により検出した。また、膜のエポキシ基含
量は、酢酸を溶媒とした過塩素酸による非水系逆滴定に
より測定したところ、5×10-4eq/gであった。こ
の表面グラフト化膜を、10mg/mlConA(マン
ノース結合型レクチンであるコンカナバリンA)と0.
02%ピリジン含むリン酸緩衝液(pH8.0)中に、
50℃、6時間浸漬することにより、膜表面にConA
を固定化した。また、比較例4として、上記表面グラフ
ト化膜を、ConA未添加でリン酸緩衝液(pH8.
0)中、50℃、6時間反応させた膜を作製した。Co
nA固定化後の孔径分布を、パームポロメーターで測定
したところ、平均孔径は0.44μであり、基材膜と比
較して孔径の顕著な変化は認められなかった。
【0026】多孔質膜や不織布等のフィルター構造を有
する場合は、抗ウイルス作用は、濾過によるウイルス感
染価の減少やウイルス除去により、測定することができ
る。この膜を、ニュ−クリポア製スウインロックフィル
タ−ホルダ−(φ25mm)にセットし、p24換算で
約10,000pg/mlのHIV(HTLV−IIIB
を含むウイルス液を濾過した。下記の方法で、濾過前後
でのHIV感染価を測定したところ、本膜を通過させる
ことにより感染価は、80%低下していた。一方、Co
nAを固定化していない比較例1の膜は、HIVの感染
価を低下させることができなかった。
【0027】抗HIV作用の評価は、エイズの原因ウイ
ルスであるHIVを標的として行った。HIVウイルス
原液は、HTLV−IIIB持続感染細胞であるMOLT−
4/HIVを10%FCS含有RPMI1640培地中
で培養し、遠心分離により細胞成分を分離して得た。該
ウイルス原液は、所定の感染価のHIV溶液となるよう
に、使用前に10%FCS含有RPMI1640培地を
添加して調整した。HIV感染価の測定は、常法に従っ
て、MT−4細胞の細胞変性効果(CPE)により行
い、50%培養細胞ウイルス感染量(TCID 50/ml)
として算出した。また、HIVの外被糖蛋白質であるg
p120は、AGMED社製gp120 Capture ELIZA
kitを用いて定量した。
【0028】(実施例2、比較例2)平均孔径0.33
μ、空孔率56%、膜厚82μのポリプロピレン多孔質
膜に、実施例1と同様にして、アルゴンプラズマ(10
0W、0.1Torr、15秒間)を照射した後、2−
メトキシエチルアクリレ−トに、1.0Torrで3分
間、メタクリル酸に1.5Torrで3分間接触させて
表面グラフト重合を行った。該表面グラフト化膜は、疎
水性高分子鎖であるポリプロピレンを基材とし、親水性
高分子鎖であるメトキシエチルアクリレート鎖とポリメ
タクリル酸鎖が基材表面にグラフト結合している多孔質
膜である。
【0029】この表面グラフト化膜を、WSC(1−エ
チル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
ハイドロクロライド)水溶液で活性化した後、10mg
/mlConAを含むリン酸緩衝液(pH7.0)中
に、4℃、1時間浸漬することにより、膜表面にCon
Aを固定化した。また、比較例2として、上記表面グラ
フト化膜を、ConA未添加でリン酸緩衝液(pH7.
0)中、4℃、1時間反応させた膜を作製した。Con
A固定化後の孔径分布を、パームポロメーターで測定し
たところ、平均孔径は0.30μであった。実施例2と
同様に、これらの膜でHIV液を濾過し、濾過前後での
HIV感染価を測定したところ、本膜を通過させること
により感染価は、86%低下していた。一方、ConA
を固定化していない比較例2の膜では、HIVの感染価
の低下は、20%以下であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の抗ウイルス素材は、マンノース
結合型レクチンが、親水性高分子鎖を介して疎水性高分
子鎖よりなる基材に結合されているため、形状安定性と
強度に優れ、尚且つレクチンによる抗ウイルス活性を効
果的に発現する。さらに、フィルター構造を有するの
で、フィルター孔径を利用した物質分離と、レクチンの
親和性を利用したウイルス除去とを同時に実施すること
が可能となり、効率的なウイルス除去や選択透過性が要
求される用途への適用が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 昌範 鹿児島県鹿児島市皇徳寺台3丁目54−17 (72)発明者 大西 誠人 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンノース結合型レクチンが、親水性高
    分子鎖を介して疎水性高分子鎖よりなる基材に結合され
    ている抗ウイルス素材からなり、フィルター構造を有す
    ることを特徴とする抗ウイルス素材。
  2. 【請求項2】 前記親水性高分子鎖の吸水率が2%以上
    であり、かつ前記疎水性高分子鎖の吸水率が2%以下で
    ある請求項1に記載の抗ウイルス素材。
  3. 【請求項3】 孔径100nm〜10μmのフィルター
    構造を有することを特徴とする請求項1に記載の抗ウイ
    ルス素材。
  4. 【請求項4】 フィルター基材にマンノース結合性レク
    チンが親水性高分子鎖を介して結合されいることを特徴
    とするフィルター。
  5. 【請求項5】 前記フィルター基材は、疎水性高分子基
    材である請求項4に記載のフィルター。
  6. 【請求項6】 前記フィルター基材は、多孔質膜である
    請求項4に記載のフィルター。
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