JPH1051339A - デジタルオーディオ放送用受信装置とその方法 - Google Patents

デジタルオーディオ放送用受信装置とその方法

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JPH1051339A
JPH1051339A JP9080385A JP8038597A JPH1051339A JP H1051339 A JPH1051339 A JP H1051339A JP 9080385 A JP9080385 A JP 9080385A JP 8038597 A JP8038597 A JP 8038597A JP H1051339 A JPH1051339 A JP H1051339A
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  • Stereo-Broadcasting Methods (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より信頼性のあるワイアレスデジタルデータ
リンクを有する通信システムを提供する。 【解決手段】 本発明の無線周波数(RF)送信器は、
低い中間周波数(IF)の信号で動作するロテータ(回
転子)を有し、この中間周波数は、その後RFキャリア
周波数で伝送できるよう変調される。本発明は、受信機
が移動中の車の中に配置されドプラー効果の影響を受け
る場合には特に重要である。本発明の一実施例において
は、DABシステムは、RF送信器とそれに対応するR
F受信機を有する。このRF送信器内でデジタル的に圧
縮されたオーディオ信号は、シンボルストリームに符号
化され、その後RF受信機に送信される前に150,0
00hzの周波数を用いて回転される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信システムに関
し、特にオーディオ放送に関する。
【0002】
【従来の技術】ソース符号化技術の大いなる進展によ
り、ステレオ音声を約10倍も圧縮することができ、し
かも伸長後の品質の目だった劣化もない。このような技
術の進展による1つの応用例は、放送(broadcasting)
である。FM放送はAM放送に比較して、品質が大きく
改善されている。過去10年間に亘って、多くの研究者
は、音声伝送の品質をさらに改善するために、また別の
方法を採ろうとしている。これはデジタルオーディオ放
送(digital audio broadcasting(DAB))あるいは
デジタルオーディオラジオ(digital audio radio(D
AR))の成果となって現れている。
【0003】ソース符号化技術の研究者にとって、1.
4Mb/sから160kb/sへステレオサウンドを圧
縮することができるようになったことは、大いなる目標
達成であるが、データ通信研究者にとっては、移動中の
車の中の無線受信機のような高速移動環境下で信頼性の
あるワイアレスデジタルデータリンクを設計することは
単純なことではない。その理由は、DABのような通信
システムの分配は、通信チャネルが時間的に変動し、マ
ルチパスおよびドプラーシフトの影響により、非常に歪
むという事実により複雑化しているためである。その結
果、目標としたエラーレートおよび出力レートは、デジ
タルセルラ電話のアプリケーションよりもより厳しいも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、より信頼性のあるワイアレスデジタルデータリン
クを有する通信システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の無線周波数(R
F)送信器は、無線周波数より低い中間周波数(IF)
の信号で動作するロテータ(回転子)を有し、この中間
周波数は、その後RFキャリア周波数で伝送できるよう
変調される。このロテータを使用して、受信信号内の位
相の不明瞭さを除去することができ、受信機の構成を単
純にでき、さらに低次のデジタルキャリア位相再生回路
の受信機内での使用が可能になり、これにより受信RF
信号を獲得できるようになる。この本発明は受信機が移
動中の車の中に配置され、上記のドプラー効果の影響を
受ける場合には特に利用価値がある。
【0006】本発明の一実施例においては、DABシス
テムはRF送信器とそれに対応するRF受信機とを有す
る。このRF送信器内では、デジタル的に圧縮されたオ
ーディオ信号は、シンボルストリームに符号化され、そ
の後RF受信機に送信される前に150,000hzの
周波数を用いて回転される。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を実施するDAB
通信システム10のブロック図である。このDAB通信
システム10は、送信器100と通信チャネル200と
受信機300とを有する。本発明を詳述する前に、DA
B通信システム10の動作を簡単に説明する。ただし知
覚オーディオ符号化技術は公知であるため詳述しない。
例えばこれに関しては、米国特許第5,285,498
号(発明の名称 "Method and Apparatus for Coding Au
dio Signals Based on Perceptual Model," February
8, 1994 発行、 発明者 Johnston) 他の符号化技術
は、J.P. Princen と A.B. Bradley 著の "Analysis/Sy
sthesis Filter Bank Design Based on Time DomainAli
asing Cancellation," IEEE Trans. ASSP, Vol. 34, N
o. 5, October, 1986と、E.F. Schroder と J.J. Platt
e 著の "'MSC': Stereo Audio coding with CD-Quality
and 256 kBIT/SEC," IEEE Trans. on Consumer Electr
onics, Vol. CE-33, No. 4, November 1987 と、Johnst
on 著の "Transform Coding of AudioSignals Using No
ise Criteria," IEEE J.S.C.A., Vol. 6, No. 2, Febru
ary 1988 と、米国特許第5,341,457号(発明
の名称 "Perceptual Coding ofAudio Signals," August
23, 1994 発行、発明者 Hall 他) を参照のこと。
【0008】図1において、アナログオーディオ信号1
01はプリプロセッサ105に入力され、そこでサンプ
リングされ(通常48Khzで)、そしてPCM(デジ
タルパルス符号変調)信号106(16ビット)に変換
される。このPCM信号106は、知覚オーディオコー
ダ(PAC)110に入力され、そこでPCM信号を圧
縮し、PAC信号111を出力する。PAC信号111
は、170kb/sビットストリームを表し、その内の
10kb/sは、補助データ用の制御チャネルで、16
0kb/sは、圧縮オーディオ信号である。
【0009】PAC信号111は、エラー保護コーダ1
15に入力され、そこでリードソロモン符号を用いて、
このPAC信号111に100%の冗長性を与える。エ
ラー保護コーダ115は、バッファとインタリーバ(図
示せず)を有し、通信チャネル200の影響に耐えるよ
うにしても良い。その結果、符号化信号116は、34
0kb/sのインタリーブされたデータストリームで、
各インタリーバは320msのデータ(1088kビッ
ト)を有する。
【0010】この符号化信号116は、モデュレータ1
50に入力され、そこで本発明により信号を生成して通
信チャネル200を介して伝送できるようにする。通信
チャネル200からの信号を、受信機300のディモデ
ュレータ350が本発明により符号化信号351として
再生する。この符号化信号351は、エラー保護デコー
ダ315に入力され、そこでは送信器100内のエラー
保護コーダ115とは逆に動作して、圧縮PAC信号3
16を知覚オーディオデコーダ310に与える。この知
覚オーディオデコーダ310は、圧縮されたPAC信号
を伸長して、PCM信号311を出力する。このPCM
信号311は、ポストプロセッサ305に入力され、そ
こでアナログ表示された信号、即ち理想的にはアナログ
オーディオ信号101と同一の信号を生成する。
【0011】図2にはモデュレータ150のブロック図
を示してある。符号化信号116が、マルチプレクサ
(MUX)155に入力され、そこで同期化データ19
6と、符号化信号116を多重化して合成データ信号1
56を生成する。同期化データ196は、同期を表す2
0kb/s(10kシンボル/秒)のデータストリーム
であり、プロセッサ195により生成された等価情報で
ある。このプロセッサ195は、デジタル信号プロセッ
サを表す。(本発明は、例えば4−PSKマッパー16
0のような個別の機能ブロックを用いて実現するよう記
載されているが、これらの機能ブロックあるいは複数の
機能ブロックの機能は、適宜プログラムされたプロセッ
サ例えばプロセッサ195を用いて実行される。)
【0012】合成データ信号156は、360kb/s
のデータストリームを表し、フレームを表し、これは一
連のフレームにフォーマット化され、各フレームは10
msの幅で、2つの部分即ちヘッダ部分と符号化データ
部分とに分割されている。各10ms期間において、ヘ
ッダ部分は同期化データの200ビット(100シンボ
ル)を表し、一方符号化データ部分は、符号化信号11
6の3400ビットを表す。
【0013】合成データ信号156は、4−PSKマッ
パー160に入力され、そこで同時に2つのビットを同
相(in-phase)成分161と直交相(quadrature)成分
162を有する二次元の複合シンボルにマッピングす
る。各シンボルは、それぞれ{a(n)+jb(n)}
で等価的に表すことができる。この信号点配置を図3に
示す。
【0014】図3から分かるように、この信号点配置
は、4個の「データシンボル」と、2個の「チャネル同
期と音声シンボル」と、2個の「インタリーバ(シンボ
ルクロック)同期シンボル」とを有する。図3の信号点
配置から「チャネル同期と音声シンボル」と、「インタ
リーバ(シンボルクロック)同期シンボル」とは一つの
同位相値のみを有する一次元シンボルである。4−PS
Kマッパー160からの出力信号は、一連のフレームで
あり、各フレームは、フレーム毎に1800の複合シン
ボルを有する。
【0015】図4に示すフレーム205は、10msの
幅で2つの部分に分割されている。その1つはヘッダ部
分206で、一次元の100個の複合シンボルを有し、
他の部分は符号化データ部分207で1700個の複合
シンボルを有する。
【0016】合成データストリームの符号化データ部分
用に、図3の信号点配置の内4個のデータシンボルが用
いられる。データシンボルマッピングは、以下のルール
に従って行われる。そのルールによれば、各ブラケット
は2つの対になった要素、即ち図3の信号点配置の同相
信号強度と直交相信号強度により特定される来入ビット
とその関連シンボルである。{(0,0),(-1,-1)}, {(0,1),
(-1,1)}, {(1,0),(1,-1)}, {(1,1),(1,1)}
【0017】各フレームのヘッダ部分については、10
0個の複合シンボルが同期化信号を表す。この100個
の複合シンボルは、一次元であり、図3の信号点配置に
示されたような同相成分の値のみを有する。ヘッダ部分
206の100個の同期化シンボルの内、86個の一次
元シンボルが、受信機300でのフレーム同期を取るた
めに用いられる。
【0018】この86個の一次元シンボルは、図3の信
号点配置の「チャネル同期と音声シンボル」から選択さ
れたものであり、2個の「31シンボル疑似ランダム
数」(31PN)シーケンスと、その後の24PNシー
ケンス(31PNシーケンスの一部)とを含む。これら
86個のシンボルは、受信機300でも用いられ、チャ
ネル音声化(channel sounding)とチャネル等価用に用
いられる(マルチパス修正,タイミング位相再生,キャ
リア位相再生を含む)。
【0019】ヘッダ部分206の残りの14個の一次元
シンボルは、受信機300内でインタリーバ同期化用あ
るいはシンボルクロック整合用のいずれかに用いられ
る。これら14個の一次元シンボルは、図3の信号点配
置内の「インタリーバ(シンボルクロック)同期化シン
ボル」から選択されたものである。特にこの14個のシ
ンボルは、受信機300内で用いられて、各320ms
でインタリーバブロックの開始点を示す。このインタリ
ーバ同期化は、各32フレーム毎に繰り返され、そして
2個の連続する7PNシーケンスを含む(図4)。
【0020】いずれの場合にせよ、この14個のシンボ
ルは関連フレーム内のデータシンボル同期化用に常に用
いられる。同時にインタリーバ同期化用に用いられた場
合には、この14個のシンボルは2個の正7PNを含
む。他の場合には、14個のシンボルは正の+7PNと
その後の負の−7PNとを含む。これは大きなサンプル
時間位相変化あるいは異なる信号パスの相対的強度変化
および受信機300内の遅延の変化がある時には常に各
フレームの符号化データ部分を整合するために必要であ
る。(本明細書においては、負のPNシーケンスは、正
のPNシーケンスの単なる対である。例えば2PNが図
3のシンボル(1.414,0;−1.414,0)に
より表された場合には、対応する負の2PNのシンボル
(−1.414,0;1.414,0)になる。)
【0021】ここで図2に戻って同相成分161と直交
相成分162がロテータ(回転子)165に入力され、
このロテータ165は各シンボルの位相を回転させる。
各回転されたシンボルは、次式で表される。
【数1】 ここでωd=2π×150,000 が回転周波数で、n
はTだけ離れたシンボル例(symbol instance )の時間
因子を表す。
【0022】ロテータ165からの出力シンボルストリ
ームは、1/Tのシンボルレートの3倍でサンプリング
レートイクスパンダ(拡張器)170によりサンプリン
グされる。この回転シンボルのサンプリングレートは、
全てのシンボル間に2個のゼロ値のサンプルを挿入する
ことにより拡張される。
【0023】その結果複合回転シンボルは、L倍に拡張
され、サンプリングレートイクスパンダ170はA″
(m)として定義される拡張複合シンボルストリームを
与える。
【数2】 ここで、mはT′だけ離間したサンプルの時間因子であ
り、L=(T/T′)=3はオーバサンプリング係数で
ある。
【0024】この拡張複合サンプルは、その後、デジタ
ルベースバンドフィルタ175によりスペクトル的に整
形される、このデジタルベースバンドフィルタ175は
同相ベースバンドフィルタ175−1と直交相ベースバ
ンドフィルタ175−2とからなる。(ここで理論的に
は、回転された同相シンボルと直交相シンボルとはアナ
ログシンボルに変換され、それぞれアナログ信号により
フィルタ処理される。しかし、アナログフィルタの使用
を制御することはデジタルフィルタの使用を制御するこ
とよりもはるかに難しい。)
【0025】デジタルベースバンドフィルタ175は、
実数値のみを有するhb(m) で定義される伝達関数を
有する。例えばその例として、デジタルベースバンドフ
ィルタ175は66タップ(22シンボルスパン)の有
限インパルス応答(FIR)フィルタを用いた10%過
剰のバンド幅を有する。デジタルベースバンドフィルタ
175をハードウェアで実現するには、拡張されたサン
プル中の各シンボルインタバール間に2個のゼロ値サン
プルを含むという利点を利用できる。
【0026】その結果このフィルタ処理は、その入力点
における同一組のシンボルA′(r)を有する3個のサ
ブフィルタ(図示せず)hb(3r),hb(3r−
1),hb(3r−2)を有するものと見なすことがで
きる。ここでrは、シンボル間隔の時間因子で、r=k
/Lである。これら3個のサブフィルタは、それぞれ独
立にサイクリックにサンプルを生成するが、rで示され
た各シンボル間隔で3個の出力サンプルを生成する。本
発明に際しては必ずしも必要なことではないが、このサ
ブフィルタ構成を使用することによりデジタルベースバ
ンドフィルタ175を無理矢理実現する方法に比べて1
/Lだけ計算の複雑度が減少する。
【0027】デジタルベースバンドフィルタ175の複
合出力は次の通りである。
【数3】 デジタルベースバンドフィルタ175の出力サンプルy
(m)に、プロセッサ195によりデジタル的に生成さ
れたパイロット信号が付加される。このパイロット信号
は、下の式(4)の右辺の第2項のkを乗算する前のe
として表された複合信号であり、シンボルレートの3倍
の時間毎に、100Khzのコサイン波形のサンプルバ
ージョンをフィルタ処理された同位相サンプルに付加
し、そのサイン波形をフィルタ処理された直交相サンプ
ルに付加されたものである。パイロットトーン(信号)
をデジタルベースバンドフィルタ175により得られた
信号に付加するパワーは、約0.3dBである。
【0028】加算器177と182により得られた複合
信号は、次の通りである。
【数4】 ここでkは、パイロットパワーを決定する。別法として
同位相成分と直交相成分である上記の式の実部と虚部と
は、次式で表すことができる。
【数5】 ここで式(5a)は信号178を表し、式(5b)は信
号183を表す。
【0029】その後信号s(m)をD/Aフィルタ18
5に入力される、このD/Aフィルタ185は同位相D
/Aフィルタ185−1と直交相D/Aフィルタ185
−2を有する。各D/Aフィルタは、ローパスアナログ
フィルタ(図示せず)との後にサンプルホールド回路
(図示せず)を有する。
【0030】このサンプルホールド回路からこのように
して得られたアナログ信号は、次式で表すことができ
る。
【数6】 ここでΠ(t)は、D/Aフィルタ185のサンプルホ
ールド回路により導入された矩形パルスで、次式で表す
ことができる。
【数7】 そのフリーエ変換は、次式で表されるsinc関数である。
【数8】
【0031】より高いオーバサンプリングレート1/
T′を用いることにより、サンプルホールド回路に起因
するスペクトラル整形の影響を低減できる。同時に不正
信号間の分離を促進できる。このD/Aコンバータの出
力信号は、各1/T′で繰り返される不正信号と共にD
/Aフィルタ185のアナログローパスフィルタにより
フィルタ処理される。通常アナログフィルタの設計に際
しては、大きなエンベロープ(包絡線)遅延歪がナロー
パスバンドからストップバンドへの遷移領域で発生す
る。しかし、ここでは不正信号は大きな周波数スパンに
より分離され、その結果アナログフィルタのストップバ
ンドは、クリティカルな信号スペクトラムから移動し、
そのため信号内に大きな歪を引き起こすことはない。
【0032】信号sc(t)は その後中間周波数(例1
0.7MHz)に上方向変換され、その後さらにRF送
信器190によりRF信号に変換される。(本明細書に
おいては、RF信号は、FM無線に関連する所定の周波
数チャネルの1つ内にあるものとし、さらにまたこのサ
ービスに割り当てられた別の周波数を使用できるものと
する。)この時点で送信された信号は、次式で表すこと
ができる。
【数9】 ここでωp=2π(100,000)で、ωd=2π(1
50,000)で、ωcはRFキャリア周波数である。
【0033】受信機の説明に移る前に、送信器内のシン
ボルの回転の理由について説明する。式(9)で示すよ
うにシンボルAn は、次式で表されるeで回転される。
【数10】 ここでチャネルと変調は理想的なものとすると、この低
IF信号は上記の式(9)でωc=ωdに設定することに
より表すことができる。
【0034】以下に説明するように、その後受信機30
0内の回路は、より一般的なベースバンド信号を生成す
る代わりに150Khzであるωd を中心とする低IF
信号を生成する。パイロット信号を除くとこれは次式で
表わされる。
【数11】 ここでhb(t)は、 パスバンドチャネルを表し次式と
なる。
【数12】 受信機300内でヒルベルトフィルタ対を用いると、次
の分析信号を生成する。
【数13】
【0035】hb(t)が ナイキスト規準を満たすとす
ると、z(t)はシンボル間隔でもってサンプリングさ
れ、ベースバンドシンボルAn を生成する。このこと
は、サンプリング後の受信スペクトラムは、各1/Tで
繰り返されるというサンプリング理論から理解できると
ころである。そのためサンプリングプロセスは元のAn
を再構成する。これは次式で表すことができる。
【数14】
【0036】例として同位相成分を用いると次式とな
る。
【数15】 その理由は次式が成立するからである。
【数16】
【0037】しかし、s(t)が送信器で[数10]で
回転しない場合には、式14bとなり、その直交相成分
は、[数10]で回転し、そのため、ロテータが、この
回転を保証するために受信機内で必要とされる。このこ
とに加えて、受信機内のロテータは、ドプラー効果等に
起因する位相シフトを補償するために必要である。この
ことは考え方としてはシンプルではあるが、ロテータは
ωd/2πHz での位相変化と、上記の位相変化の両方
を追跡しなければならないので受信機のロテータを実現
するのは複雑となる。
【0038】例えば、より大きなステップサイズをこの
位相変化を追跡するために付随する制御ループ内で必要
とされる場合、捕捉時間と得られたノイズ成分が増加す
る。そのため本発明によれば、ロテータを図2に示す送
信器内に配備して受信機の構造を簡単にしている。特に
ロテータ165を使用することにより、位相の不明確さ
が取り除かれ受信機300内で受信したRF信号の追跡
が単純になる。
【0039】このトラッキング(同期追跡)が単純にな
る理由は、低次例えば1次のデジタルキャリア位相再生
回路を受信機内で用いることができ、これによりRF部
後の受信した信号内の残留周波数/位相変化をすばやく
追跡できるからである。この受信したRF信号をすばや
く追跡する機能は、受信機が移動中の車に配備され、上
記のドプラー効果の影響を受ける際には特に重要であ
る。
【0040】さらに重要なことは、送信器内で回転を用
いることにより、単純でコヒーレントなキャリア周波数
(あるいは位相)の補償がデータブロックサイズの選択
といったようなシステムデザインの制限を必要とせずに
可能となる。送信器での回転の結果、モデュレータ15
0により与えられる変調は、通常のQPSK変調に対
し、ここではキャリアレスQPSK変調と称する。
【0041】上記のベースバンドアプローチの問題点
は、無線周波数のアップコンバージョンがコサイン変調
器とサイン変調器を必要とすることである。2つのアナ
ログ無線周波数変調器を正確に90度ずらして保持する
ことは、簡単なことではない。2つの変調器が正確に位
相が整合していない場合には、この2つの信号は、完全
なヒルバート対(公知の)を形成しないか、あるいは解
析的複合機能を実行できない。
【0042】この問題を回避するには、例えばデジタル
パスバンドのような別のアプローチがある。このパスバ
ンドアプローチにおいては、ベースバンドデジタルフィ
ルタは、ヒルバート対を形成する同位相パスバンドフィ
ルタと直交相パスバンドフィルタでもって置換できる。
同位相パスバンドフィルタの出力は、直交相フィルタの
出力から抽出される。その後このようにして得られた信
号を中間周波数に変調し、そして選択的アナログバンド
パスフィルタを用いて関連イメージを除去する。
【0043】このパスバンドフィルタ処理された信号
を、その後放送するために無線周波数に変換する。この
方法は、より選択的なイメージ除去バンドパスフィルタ
を使用することにより、2つの充分にバランスした(9
0度ずれた)ミキサを用いる必要がなくなる。2つのミ
キサは、その位相差が90度からずれることにより性能
が劣化してしまう。このイメージ除去バンドパスフィル
タの選択要件を緩和するために、同位相/直交相デジタ
ルパスバンドフィルタの中心周波数を高周波数に設定し
て、これによりより高いオーバサンプリングレートLの
使用ができる。
【0044】デジタルフィルタの前の位相ロテータの回
転周波数は、ベースバンド実行(フィルタ処理)とパス
バンド実行とが等価となるように適宜選択しなければな
らない。パスバンドフィルタの中心周波数が150+1
80N+XkHzに設定されている場合には、回転周波
数は−XkHzに設定しなければならない(ここでN
は、0以上の整数で、180kHzはシンボルレートで
ある)。全体的に上記のベースバンドアプローチは、こ
れから説明する受信機300内での実行に対し性能の劣
化が少ない。パスバンド内のパイロットは、パスバンド
の中心周波数からずれていなければならない。
【0045】受信機300内では受信したRF信号が、
ディモデュレータ350に入力される。図5においてデ
ィモデュレータ350は、RFダウンコンバータ505
を有し、このRFダウンコンバータ505は、受信した
RF信号をIF周波数(例えば10.7MHz)に下方
変換するIFフィルタである。このようにして得られた
IF出力信号をその後IFダウンコンバータ510に入
力し、このIFダウンコンバータ510は250Khz
の上記のパイロット信号を含む150Khzに中心を有
するパスバンド低IF信号511を出力する。この低I
F信号511は、キャリア再生用の規準信号として、そ
して受信機用の他のクロック信号を生成するソースとし
て受信機300内で使用される。低IF信号511の振
幅のスペクトラムを図6に示す。
【0046】ディモデュレータ350の残りの機能を議
論する前に、送信RF信号と受信RF信号のキャリア周
波数差を補償するために、アナログキャリア位相ロック
ループ(PLL)が、RFダウンコンバータ505内に
通常配置されることについて述べる。(このアナログキ
ャリアPLLは、ディモデュレータ350の他の部分で
実行されるがこの機能はRF部で実行するのが最も好ま
しい。)しかし、移動環境下では、受信したRF信号は
周波数選択性のフェージングと振幅フェージング(ここ
では「フラットフェージング」と称する)の両方の影響
を受ける。そのためRFダウンコンバータ505のPL
L回路は、図7のように変更してフラットフェージング
あるいは周波数選択性フェージングの両方に応答できる
ようにする。
【0047】特に受信したRF信号がミキサ605に入
力されるが、このミキサ605は局部発信器信号(LO
信号)631も受信する。説明を簡単にするために、ミ
キサ605は10.7MHzで、再生したIF信号60
6を与えるのに必要な全ての回路を有するものとする。
このように再生されたIF信号は、自動ゲインコントロ
ーラ(AGC)610に入力され、このAGC610を
用いて再生したIF信号の振幅を調整して、上記のIF
出力信号506を生成する。アナログPLL630は位
相ロックループで、必要なLO信号631を生成するた
めに水晶発信子を含んでいる。
【0048】従来公知のようにアナログPLL630
は、IF信号(ここではIF出力信号506)に応答し
てLO信号の位相を調整する。しかしアナログPLL6
30は、ホールド/ゴー信号636の状態により追跡モ
ードかあるいはロックモードのいずれかで動作する。後
者はホールド/ゴー信号636が論理「1」を表す場合
には、アナログPLL630は、追跡を停止し、LO信
号631の位相をロックする。一方、ホールド/ゴー信
号636が論理「0」を表す場合には、アナログPLL
630はLO信号631の位相を調整し続ける。言い換
えると、アナログPLL630のフィードバックループ
は、パイロット周波数でシビアなフラットフェージング
あるいは周波数選択性フェージングが存在する場合に
は、誤調整を回避するためにオープンに保持される。
【0049】特に受信RF信号のフラットフェージング
が、フラットフェードディテクタ615により検出され
る。このフラットフェードディテクタ615は、再生し
たIF信号606の振幅を表すAGC610からの出力
信号を比較する。再生したIF信号606の振幅が例え
ば−110dBmの所定の値以下の場合には、フラット
フェードディテクタ615は論理「1」をORゲート6
35に入力する。このORゲート635は、論理「1」
の信号をアナログPLL630に与え、その結果アナロ
グPLL630は追跡を中止する。同様にパイロットフ
ェードディテクタ620を用いて250Khz近傍の周
波数選択性フェードを検出する。
【0050】上記の低レベルIF信号511は、ナロー
バンドフィルタ625に入力され、この低IF信号51
1は例えば250Khzのパイロット信号周波数を中心
とする。ナローバンドフィルタ625は、再生したパイ
ロット信号626をパイロットフェードディテクタ62
0に与える。このパイロットフェードディテクタ620
は再生したパイロット信号626を規準しきい値と比較
する。パイロットフェードディテクタ620が再生した
パイロット信号626を検出する限り、周波数フェージ
ングは存在せず、そしてパイロットフェードディテクタ
620は論理「0」をORゲート635に与える。
【0051】しかし、パイロットフェードディテクタ6
20がパイロット信号626を検出しないと、常にパイ
ロットフェードディテクタ620は論理「1」をアナロ
グPLL630に与え、これによりアナログPLL63
0がLO信号631の位相を調整するのを中止させる。
再生パイロット信号は他の方法、例えばイコライザある
いはチャネル特徴づけ装置を用いても生成できる。しか
し、他のアプローチを用いた場合には、再生パイロット
信号を生成する際に、大きな処理時間の遅れがあること
が認められている。フラットフェードディテクタとパイ
ロットフェードディテクタが、論理「1」または「0」
以外のパイロット信号の質に応じてその出力を生成する
ようにすることも可能である。
【0052】例えばフラットフェードディテクタは、受
信信号とPLLループバンド幅を調整するために、−1
10dBmの所定値との差に比例した出力信号を生成す
ることもできる。極端な場合には、このPLLはループ
バンド幅をゼロに減少することによりホールド状態とな
る(ループをオープンする)。さらに別の手法として
は、二進数の1とゼロだけを用いる代わりに入力信号レ
ベルの関数として異なる重み付けの係数を用いることも
可能である。「ホールド」または「ゴー」のいずれかの
決定は、しきい値を瞬時に計算した値、あるいは重み付
け係数を用いた所定のタイムインターバルに亘って蓄積
した値と比較することによる。
【0053】図5において、IFダウンコンバータ51
0はより一般的なベースバンド信号を生成せずに、15
0Khz,ωd に中心がある低IF信号511を生成す
る。図6は、低IF信号511の周波数スペクトラムを
表し、同図によれば、50Khzから250Khzの範
囲の周波数を占有している。低IF信号511の生成
は、通常のベースバンド信号の生成とは対象的に、どの
ような上位の隣接するRFチャネル干渉の除去は、アナ
ログまたはデジタルローパスフィルタにより強化され、
そして一方どのような低位の隣接RFチャネル干渉をI
Fフィルタのみで減少しなければならないといった事実
を考慮して選択される。
【0054】実際のところ、RFダウンコンバータを通
過した後の低位の隣接RFチャネル干渉は、最終IF周
波数変換によりメインの信号により偽造される。しかし
この偽造された疑似信号を減少するためにパスバンドの
低IF信号は、0から50KHzの間(無存在領域)で
は存在せず、50Khzと250Khzの間に存在する
というように生成される。この無存在領域は、下方隣接
RFチャネル干渉の最初の50Khzは、メインの信号
には偽造されないことを補償している。言い換えると、
低IF信号511が100Khzに設定され、無存在領
域が許されない場合には、10.7MHzのIF信号
は、10.6MHzでのストップバンド減衰は、10.
55MHzの無存在領域が許される場合と同程度となる
ように設定される。
【0055】しかし、150Khzを中心波長とする低
IF信号511を選択することは、10.7MHzのI
Fフィルタのストップバンド減衰要件を緩和させる。同
時にまた従来のRF設計では、RFダウンコンバータ5
05はあるバンドではリップルおよびエンベロープ遅延
歪を導入させないことが重要であり、さらにイコライザ
を有するデジタルシステムがその後に形成されるので、
図5を構成する際にはその要件が緩和されることが重要
なことである。
【0056】実際どのようなIFフィルタの不完全さ
も、ノイズの増大を最小限に押さえながら、受信機のイ
コライザにより補償される。しかし、信号パワーは、I
Fフィルタの前で調整され、そしてさらに内部システム
のノイズは無視できることが重要である。実際このIF
フィルタの応答は、隣接チャネル干渉を減らすためによ
り多くのストップバンド減衰を確保するために低周波の
方向にバイアスすることができる。
【0057】低IF信号511がフィルタ590に入力
されるが、このフィルタ590はベースバンドアナログ
ローパスフィルタとハイパスフィルタとの両方を直列に
有する。ローパスフィルタ(図示せず)は、情報隣接チ
ャネル干渉を除去するために250と270Khzの間
で大きなスットプバンド減衰を有するよう設計される。
このベースバンドアナログローパスフィルタは、充分で
ない10.7MHzIFフィルタの除去により引き起こ
されるサンプリングプロセス中の偽造を回避する。ハイ
パスフィルタ(図示せず)は、同期検出に悪影響を及ぼ
す下方隣接チャネル干渉をさらに減少するよう設計され
る。(RF周波数変換に際し、このフィルタは、不十分
な除去に起因するメイン信号中に既に偽造された下方隣
接チャネル干渉を除去するものではない。)
【0058】フィルタ590からの低IF出力信号は、
A/D変換器515でシンボルレートの3倍の速度、こ
こでは540Khz(ナイキスト周波数は270Kh
z)でサンプリングされる。A/D変換器515からの
デジタルサンプル516のストリームは、デジタルAG
C520に入力され、このデジタルAGC520が受信
したデジタルサンプル521のストリームを生成する。
この受信したデジタルサンプル521が、相関器525
と遅延ライン(即ちバッファ)530に入力される。
【0059】遅延ライン530は、チャネルインパルス
を処理する処理遅延と、イコライザ係数計算と、ミドア
ンブル等価(mid amble equalization)を実施するのに
必要な遅延を考慮にいれて設計される。
【0060】従来の受信機の設計においては、フィルベ
ルトフィルタ対を用いて、同位相信号成分と直交位相信
号成分とを生成し、複合(交差結合)イコライザを用い
て送信されたベースバンド信号を再生する。複合(交差
結合)イコライザは、同位相出力信号と直交位相出力信
号とがそれぞれ2個のフィルタにより生成されるよう4
個のフィルタを有する。例えば、同位相出力信号は、同
位相入力信号を処理する第1フィルタと直交位相入力信
号を処理する第2フィルタから出力されたものである。
この直交位相出力信号は、同様に異なるフィルタ対から
生成される。パスバンド低IF信号を上記のように生成
することにより(従来のベースバンド信号とは別に)に
より交差接合しないイコライザ570を用いることがで
きる。
【0061】このイコライザ570は、2個のフィルタ
1個は同相(I−EQ 570−1)と、他は直交(Q
−EQ 570−2)からなる。これらの両方のフィル
タは、3/Tレートで、共通入力信号を有し、これは以
下は分数で離間したサンプルと称する(fractionally-s
paced samples)。 各フィルタは、サンプラー575−
1と575−2から1/Tレートで同位相出力信号と直
交位相出力信号とを再生する。数学的には、交差結合し
ていないイコライザ570は、二次元信号を再生するの
みならずヒルベルト対を構成する。この結果は、同位相
のみからのチャネル音声信号(in-phase-only channel
sounding signal) から同位相イコライザ係数と直交位
相イコライザ係数の両方を設計するために重要である。
【0062】イコライザのハードウェアの複雑さは、前
記の2/Tの交差結合イコライザのそれに対し、3/T
の非交差結合イコライザを用いることによって低減でき
る。例えば、イコライザ570が3/Tのサンプリング
レートで動作するがフィルタは必ずしもその必要はな
い。これにより2/Tの交差結合した4フィルタイコラ
イザに比較して25%もイコライザのハードウェアを省
略でき、さらにまた交差結合イコライザの前に必要とさ
れるヒルバートフィルタ対でも削減できる。
【0063】同位相出力信号と直交位相出力信号(これ
らはシンボルレート1/Tのデジタルサンプルのストリ
ームであり)がキャリア再生ループ580に入力され、
このキャリア再生ループ580が受信した信号中の位相
オフセットφk を補償する。上記したように、ロテータ
が送信器100内に存在して低If信号511のパスバ
ンド生成を補償しているために、低次位相ロックループ
を受信機300内で用いて受信したRF信号内のいかな
る周波数/位相変化をすばやく追跡できる。受信したR
F信号を追跡できるこの機能は、受信機が移動中の車内
に配備され、ドプラー効果の影響を受ける場合には特に
重要である。
【0064】しかしこの実施例においては、キャリア再
生ループは、デジタルキャリア再生ループ580により
実現され、このキャリア再生ループ580は位相回転予
測装置580−2と、位相ロテータ580−1とを有す
る。位相回転予測装置580−2は、デジタル信号プロ
セッサ(DSP)内で実現される。このDSPはイコラ
イザの出力とその理想的位置との間の角度差を測定し、
この情報を位相ロテータ580−1に戻してその角度差
の分だけ反対方向に回転させる。
【0065】この位相差は、32個のシンボルについて
の平均と、その後続の300個のシンボルに対し得られ
た計算を行うことにより得られる。その結果6個だけの
予測が全体フレーム、即ちデータブロック(図4のフレ
ーム205として示す)に対し実行される。これは通常
の位相ロックループフィードバック手順(この手順はロ
テータの出力とスライスされた位置との間の差から得ら
れた誤差をフィルタ処理し、そしてこれを用いて位相ロ
ック回路に与えて予測値を出力する)ではなく、ブロッ
クベースのフィードフォワード修正手順である。
【0066】このフィードフォワード修正手順は、単純
で高速で移動する乗り物に対し、追跡が容易となる。し
かし、その周波数のオフセット追跡範囲は、非常に限ら
れたもので例えばわずか±18Hzのオーダーである。
さらに各300個のシンボル中のキャリア位相変化は劣
化を引き起こす程大きなものである。したがって、キャ
リア再生ループシステム中で、シンボルベースの二次位
相ロックループあるいは負荷周波数トラッキングループ
を実行することは、トラッキング(追跡)をさらに改善
できる。
【0067】キャリア再生ループ580により与えられ
る位相修正シンボルストリームの処理を説明する前に、
相関器525,パターンマッチャー540,決定素子5
65,チャネル応答要素535について説明する。これ
らの要素はフレーム同期化機能とチャネル同期化機能を
提供する。
【0068】フレーム同期化機能について説明すると、
同期化検出アルゴリズムは、受信機での所定の信号パタ
ーン(トレーニング信号と称する)を来入信号に適合さ
せるよう通常設計されている。適合すると同期完了が宣
言される。適合しているか否かを決定する際の情報を生
成するのに用いられる素子は、コリレータ(相関器)と
称する。
【0069】コリレータの出力点のカウンタは、同期化
信号中の特定のシンボルが適合するか否かに応じて増加
したり、あるいは減少したりする。このカウンタの出力
は、来入した信号と、受信機内に蓄積された信号パター
ンとの類似性を表す。このようなカウンタは、信頼カウ
ンタ(confidence counter)と称する。このような単純
な同期化メカニズムは、コリレータから得られる非常に
限られた情報のみを用いている。通常のデータ信号は、
制限がない場合には、同期化信号と類似のパターンを有
し、誤った検出を引き起こしてしまう。
【0070】しかし、本発明によれば、来入信号が同期
化信号にマッチングしている場合には、コリレータがこ
の同期化信号を雑音環境中でのデータ信号とは区別する
のに用いられる明確な信号特徴を生成するように、同期
化信号が設計されている場合には、同期化検出デバイス
は、改良できることが分かった。この場合、ある特徴を
有する特定のトレーニング信号が必要である。さらにま
たこの特定のトレーニング信号から同期化プロセス中に
得られた情報を用いてチャネル特性(channelsoundin
g)を決定できることが望ましい。
【0071】そのためその自動相関機能中の明確な特徴
を有する同期化パターンを用いて同期化の信頼性を改善
することができる。例えば、このことがヘッダ206中
で二進の疑似ランダムシーケンスを用いる理由となって
いる。このようなシーケンスが送信器中で繰り返され、
そして受信機中で繰り返しのないパターンのコピーと相
関がとられると、コリレータは、マッチングがあると高
い値(peak)を生成し、それ以外の場合には低い値(静
止ゾーン)を生成する。このシーケンスは繰り返される
ので、周期性と、ピークの幅と、静止ゾーンの幅に関す
る予め知り得た情報を用いて検出の信頼性を向上させる
ことができる。
【0072】1と0の値を採るシンボルを有する長さN
のシーケンスが送信器で再生され、受信機で値1と−1
(−1は0の代わり)を有するシーケンスの蓄積された
コピーと相関が採られると、コリレータはシーケンスが
マッチングする場合には、振幅(N+1)/2の高いピ
ーク値を生成し、それ以外の場合には低い値を生成す
る。また別法として、送信器で1と−1の値のシーケン
スを用いて、蓄積された1と0の値のシーケンスのコピ
ーと相関を採ることもできる。
【0073】この受信した信号は、その処理を単純にす
るために、1または0にハード的にスライスすることも
できる。しかしこの方法だけでは、例えば移動中の環境
のようなチャネルの歪が大きい場合には、充分頑強なも
のではない。そのため以下に説明するように、いかなる
コリレータの入力もA/Dコンバータにより与えられる
完全な正確さを保持するものとする。即ち、コリレータ
の出力信号は、実数を表し単純な論理1または0に制限
されるものではい。
【0074】図5において、受信したデジタルサンプル
521のストリームはコリレータ525に入力される。
この相関器525は、サブコリレータ構造を用いて実現
される。このサブコリレータ構造の例は、米国特許第
5,260,972号("Technique for Determining S
ignal Dispersion Characteristics in Communications
Systems," November 9, 1993 発行、発明者 Wang)と、
米国特許第5,406,586号("Signal Correlatio
n Technique," April 11, 1995 発行、発明者Wang )に
記載されている。同期化シンボルが一次元に限定されな
い場合には、さらに別の組のコリレータが必要である。
【0075】この同期化プロセスは、10ms長さの各
データブロックの開始点を検出するよう意図されてい
る。このデータブロックは、2つの連続する31PNシ
ーケンスとその後続の部分的24PNセグメント(ヘッ
ダ206の上記の86個のシンボル)からなる。この3
1PNシーケンスのコピーをその係数として用い完全に
正確な入力信号を受信すると、相関器525は、コリレ
ータ出力信号526を生成する。このコリレータ出力信
号526の一例を図8に示す。同図においては、コリレ
ータ出力信号526とフレームの受信ヘッダ206とが
示されている。
【0076】例えば、領域11は先行フレームのデータ
部分のテールエンドに対応し、領域12は現行フレーム
のヘッダ206に対応し、領域13は、現行フレームの
データ部分の開始点に対応する。(ヘッダ206内に残
る2個の7PN同期化シンボルは、等価され、これを用
いてディインタリーバを同期化し、各受信データブロッ
ク内のシンボル位置を調整する。)
【0077】コリレータ出力信号526は信頼カウンタ
に入力され、このパターンマッチャー540はスライス
ハイ回路545と、スライスロー回路555と、ハイパ
ターンマッチ回路550と、ローパターンマッチ回路5
60の回路を有する。スライスハイ回路545はコリレ
ータ出力信号526をスライスして、その絶対値が所定
の高いしきい値を超えたか否かによって1または0を出
力する。同様に555は、コリレータ出力信号526を
スライスして、絶対値が所定の低いしきい値以下である
か否かに応じて1または0を出力する。高いしきい値あ
るいは低いしきい値と比較したときに、信号量を表すた
めに1または0を別の実数で表すことも可能である。
【0078】その後この2つのスライスされた出力は、
それぞれハイパターンマッチ回路550とローパターン
マッチ回路560に出力される。このハイパターンマッ
チ回路550とローパターンマッチ回路560とは二次
コリレータと称する。この二次コリレータは、入力信号
の自己構成値が予め記録された信号のそれと比較してい
かに類似しているかを表している。その後この高二次コ
リレータと低二次コリレータからの情報を重み付けして
加算され、その結果決定デバイス565により同期して
いるか否かの決定がなされ、決定デバイス565は同期
化信号(sync)を出力する。
【0079】ハード的にスライスされた入力を有するコ
リレータは、その出力点でスライスされた入力が正確な
らば、明瞭に定義されたピークと静止ゾーンとを有す
る。上記したようにチャネルの損傷が存在するために
は、完全に正確な情報を受け入れるコリレータが用いら
れるものとする。この完全に正確なコリレータの出力
は、ハード的にスライスするコリレータの応答とチャネ
ルインパルス応答との畳み込み関数である。受信した信
号のバンド幅が制限されマルチパスにより歪んでいるた
めに静止ゾーンは、チャネルスパンが、伝送されたPN
シーケンスの長さよりも長い場合には存在しない。
【0080】そのためこの静止ゾーンが完全に損傷され
るのを回避するために、31個のシンボルのPNシーケ
ンスが用いられるが、その理由は31PNシーケンスは
最悪のケースのチャネルスパンよりもはるかに長いから
である。これによりコリレータの出力内に信頼性ある同
期検出ができるように用いられる静止した領域が存在す
ることが確実となる。高(peak)しきい値パターンを用
いて31個のシンボルにより分離された周期的ピークを
検出する。高しきい値パターン内の各ピーク検出ゾーン
の幅は、L個のサンプル(L=3)あるいは1個のシン
ボルである。
【0081】低しきい値パターンを用いて、周期的静止
ゾーンを検出する。各静止ゾーンの検出の幅は、N個の
サンプル(N=18)あるいは6個のシンボルである。
マルチパスに起因する応答が存在する領域は、「無視ゾ
ーン」と定義する。その寄与分は、二次コリレータ内の
関連係数をゼロ値に設定することによりゼロに設定され
る。
【0082】(図8の領域12内では、第1の31PN
シーケンスからの第1の予測ピークは、ある程度は先行
フレームの末尾からのデータと相関が採られる。しか
し、第2の受信31PNシーケンスは、(損傷がない場
合)明確なピークと静止ゾーンを有するが、その理由は
第2の31PNシーケンスは理論的に第1の31PNシ
ーケンスと相関が採られるからである。この最後のPN
シーケンスは、それが24PNシーケンスかし有さない
ために、ピーク値よりも小さな値を有する。)
【0083】これを図9に示す。同図は図8と同じであ
るが、ただし「ピーク検出ゾーン」(P)と、「検出無
視ゾーン」(ni)と、「静止検出ゾーン」(Q)の符
号が付してある点が異なる。ピーク検出ゾーンの間で
は、ピークマッチパターンが走査される。ピーク検出ゾ
ーンが検出された場合には、コリレータの出力は、検出
無視ゾーン(ni として示す)により表される時間の間
は無視される。そしてこの時間の後、静止マッチパター
ンが静止検出ゾーンの間で走査される。代表的なピーク
マッチパターンと静止マッチパターンとを図10に示
す。
【0084】要するにこの同期化プロセスは、フレーム
化信号の高い値と低い値と周期性を観測していることに
なる。ピーク検出ゾーンの間のハイマッチにもかかわら
ず静止検出ゾーンの低マッチを用いてフレームの開始点
を識別できる。この無視ゾーンは、受信信号の反射遅延
等を補償できる。決定デバイス565で用いられる一般
的な方法を図11,12,13に示す。
【0085】まず受信機300が、それぞれの周波数に
同調されると、決定デバイス565は、図11に示す捕
捉モードで動作を開始する。この時点では同期化は宣言
されていない。マッチカウンタ(変数装置あるいはレジ
スタのいずれかでも良い)は、まずステップ60でゼロ
に設定される。ステップ61で同期化プロセスは、ヘッ
ダを検出しようとする。ヘッダが検出されるとマッチカ
ウンタは、ステップ62で増分され、N3個の複数のシ
ンボル をスキップし(ステップ63)、ヘッダを検出
することがステップ64で再び行われる。N3 個の複
数のシンボルはフレーム長さに関連している。
【0086】ヘッダが検出されない場合には、決定デバ
イス565はステップ61に戻る。しかし、ヘッダが検
出された場合には、マッチカウンタはステップ65で増
分される。マッチカウンタが所定数M1 に等しい場合に
は、決定デバイス565はステップ67で「定状モー
ド」に切り換えられ、図13に従って動作する。例え
ば、M1 が3に等しい場合には、3個の連続するヘッダ
が検出されると定状モードへ遷移し、同期(sync)信号
が確認される。複数のヘッダにシーケンシャルにマッチ
ングするこの要件により、同期化が宣言され、定状モー
ドに切り替わる前に確認レベルが確立される。
【0087】しかし、マッチカウンタがM1 に等しくな
い場合には、決定デバイス565はn3 個のシンボルを
スキップ(ステップ63)する。所定数M1 の値は、一
定あるいは可変のいずれでも良い。例えば、受信機が最
初にターンオンした(即ち装置即ちステーションが最初
に電源が入った)ときM1 の値は捕捉モードへの変換が
同期喪失の結果である場合には、M1 の値よりも高くな
る。これにより最初に信号を捕捉したときには、より高
い確認レベルが必要になる。しかし、再同期を処理する
場合には、より低い確認レベルも許される。
【0088】ステップ61と64との差は、ヘッダを検
出しようとする際に、各受信フレーム内のヘッダの位置
に関する差である。ステップ61においては、ヘッダの
検出は、受信信号内のどのポイントでも開始できる。即
ち受信信号は図11のステップ61でピークゾーンを検
出するためにサーチされる。一旦ヘッダが最初に検出さ
れると、それが真のヘッダの場合には、次のフレームの
スタート時に同様の検出プロセスが行われなければなら
ず、これは一定時間後のN3個のシンボルのスキップに
より表される。ここでは、ステップ63のヘッダの検出
は、適当な時間後ヘッダを探し出すことである(信号の
周期性は予め分かっているためにフレームのデータ信号
部分は容易に飛び越えることができるからである)。
【0089】その結果、別に示してあるが、ステップ6
1と64は、同一方法でヘッダを検出するものである。
この検出方法は図12に示し、同図はヘッダ検出の方法
のフローチャート図である。ステップ50において、同
期プロセスは、ピークゾーンを検索する、即ち決定デバ
イス565はパターンマッチャー540からのピークゾ
ーンの始まりの検出をする。そしてピークゾーンが検出
されると、同期プロセスはステップ51でN1個のシン
ボル間隔をスキップして信号の反射(即ち無視ゾーン)
を相殺する。次のステップ52において、同期化プロセ
スは、静止ゾーンを検索する。
【0090】所定の時間内に静止ゾーンが検索されなか
った場合には、同期化プロセスはステップ50に戻って
ピークゾーンを検出する。しかし、静止ゾーンが検索さ
れると決定デバイス565は所定の時間内でステップ5
4でピークゾーンを検出する。ピークゾーンが検出され
ない場合には、同期化プロセスはステップ50に戻りピ
ークゾーンを走査する。しかし、ステップ54でピーク
ゾーンが検出されると同期化プロセスは、ステップ55
でN2個のシンボル期間をスキップして信号反射等を補
償する(これは別の無視ゾーンである)。ここでN2
≧N1である。N1 とN2の値は、最悪のケースのチ
ャネルスパンの知識に基づいて経験的に決定される。
【0091】次のステップ56で同期化プロセスは、静
止ゾーンを検索する。静止ゾーンが所定の時間内に検索
されない時には、同期化プロセスはステップ50に戻り
所定の時間内にピークゾーンを検索する。一方静止ゾー
ンが検出されると決定デバイス565は、ステップ58
でピークゾーンを検索する。ピークゾーンが検出されな
いと同期化プロセスはステップ50に戻りピークゾーン
を検索する。ピークゾーンが検出されると、同期化プロ
セスはヘッダを検出する。無視ゾーンをスキップする際
に経過する時間間隔とピークゾーンを検索する時間と静
止ゾーンを検索する時間の和は、31PNの周期性を利
点にいれるよう意図される。
【0092】定状モードにおいては、図12の上記の方
法は、各全てのフレームに対して用いられる。別法とし
て他の方法を用いることもでき、これを図13に示す。
図13の方法においては、可変形ミスカウンタあるいは
レジスタとして示されるミスカウンタが最初にゼロに設
定される。ステップ72において、決定デバイス565
は、次のフレーム内(この実施例ではN4 個のシンボ
ル後に発生する)でピークゾーンを検索する。ここでN
4 >N3であるので、最初のピークゾーンと静止ゾー
ンのみが検出され、さらに多くのフレームをスキップす
る必要がある。ピークゾーンが検出されると、決定デバ
イス565は、ステップ73において、N1個のシンボ
ル期間をスキップしてステップ74で静止ゾーンを検索
する。
【0093】しかし、ピークゾーンが検出されない場合
には、ミス(誤り)がステップ75で宣言され、このミ
スカウンタは増分される。このミスカウンタの値は、ス
テップ76でチェックされる。このミスカウンタの値が
所定数M2より大きい場合には、決定デバイス565は
捕捉モードに戻り即ち同期化が失われ、決定デバイス5
65は、図11に従って動作する。あるいは決定デバイ
ス565はステップ81に移行し、そしてさらにステッ
プ72に移行する。より多くのシンボルがスキップされ
る必要があるためにN5の値はN4よりも大きい(プロ
セスステップ73,74,78,79への時間により表
されるように)。
【0094】ステップ74において静止ゾーンが検出さ
れると、決定デバイス565はステップ70で同期信号
を与え、ステップ71でN4個のシンボルをスキップ
し、ステップ72で次のフレームの開始点でピークゾー
ンを検索する。しかし、静止ゾーンが検出されないと、
ミス(誤り)がステップ78で宣言され、このミスカウ
ンタが増分される。このミスカウンタの値は、ステップ
79でチェックされる。(ここではミスは無効の同期信
号例えば論理0対論理1によって表わされ、あるいは同
期信号が多数ビット信号の場合には特定のパターンでも
って表され、別法として個々の信号は、決定デバイス5
65により与えられる。)
【0095】ミスカウンタの値が所定数M2より大きい
場合には、決定デバイス565は、捕捉モードに戻され
る、即ち同期が失われ、決定デバイス565は図11に
従って動作する。それ以外の場合には決定デバイス56
5は、ステップ71に進みプロセスを継続する。この実
施例ではミスカウンタは、上記のしきい値に到達するま
で増分が許される。しかし、別の場合にはミスカウンタ
をリセットすることもできる。例えば、このミスカウン
タは、所定の時間内にミスが検出されない場合には周期
的にリセットされる。あるいはミスカウンタは同期信号
がステップ70に与えられる時間毎にリセットされる。
【0096】検出の失敗あるいは同期化の失敗は、チャ
ネルの信号対ノイズ条件を表すのに用いることができ
る。例えば、検出の失敗の場合、あるいは同期化の失敗
の場合には信号(例、同期信号)がリードソロモンデコ
ーダに送られる。このデコーダは、エラーを修正するた
めに現在受信されたフレームを無視する。これはリード
ソロモンデコーダ内の消去と称される従来システムのよ
うな時間間隔に亘って受信信号上のエラー情報を蓄積す
るよりはより効率的である。例えば、イコライザの出力
信号をスライスすることに基づいてエラー統計値を得る
ことは公知である。エラーがあるしきい値以上に蓄積さ
れると、リードソロモンデコーダのような回路は、ある
時間間隔に亘って受信信号をその後無視する。しかし、
上記の同期信号を用いると、この回路は不用となる。
【0097】上述したように、音声信号(sounding sig
nal)は各10ms毎に送信される。理論および実験結
果に基づいて、これは乗り物のスピード上限を通信チャ
ネルの要件の厳しさに基づいて135から200km/
時の間に制限するものである。この乗り物のスピードを
処理する機能は、音声信号の繰り返しレートの増加に比
例して増加する。例えば、音声信号が各5ms毎に送信
される場合には、乗り物の上限のスピードは、270か
ら400km/時の範囲に制限される。
【0098】他の方法を用いても図5の回路を用いて同
期化を決定することができる。例えば、図11と12に
示された確認カウンタ540の出力信号の評価に対する
上記の一連の方法に対し、協同決定型の分析方法を用い
ることもできる。
【0099】フレーム同期が一旦確立されると、イコラ
イザ570に対するイコライザ係数を得るためにコリレ
ータ出力信号526内のチャネルインパルス応答を処理
する。特に一旦同期化完了が制限されると、所定のヘッ
ダ即ちトレーニング信号が識別され、それを用いてチャ
ネルインパルス応答が表される。これは特に有効でその
理由は、移動体ワイアレスチャネルは、多重反射パスの
存在により特徴づけられるからである。
【0100】かくしてこの受信信号は、メイン信号と反
射により生成した多数の間接信号から構成されると見る
こともできる。受信の困難さは、チャネル内の連続的変
化により増加し、さらにまたデータシンボルが数百Kh
zよりも高いレートでもって伝送される場合にはより困
難になる。例えば、複数のパス間の数マイクロ秒の遅延
は複数のデータシンボル間のシンボル間干渉を引き起こ
す。その結果この種の通信環境内でデータを再生するた
めには、チャネル特性は、チャネルにより引き起こされ
る損傷を修正するために必要とされる。
【0101】次にチャネル特徴を説明する。送信器にお
いては、公知のトレーニング信号が未知のチャネルを介
して送信される。受信機においては、この観測された受
信信号を用いてチャネルを特徴づける。A(f)をトレ
ーニング信号周波数スペクトラムと、Ht(f)を送信
器周波数レスポンスと、Hc(f)をチャネル周波数レ
スポンスとHu(f)を同調器周波数レスポンスと、 B
(f)を受信機におけるチャネル特徴の周波数応答と、
T(f)を全周波数レスポンスとして定義する(ここで
はシステムはノイズがないものとする)と以下で表すこ
とができる。
【数17】
【0102】A(f)とB(f)が送信バンドに亘って
定数k(以下これを「処理ゲイン」と称する)に等しい
とすると、次式のように表すことができる。
【数18】 ここでH(f)は全伝達関数で、チャネル情報が得られ
る。この情報を用いてイコライザのタップ係数を得て、
チャネル歪を修正する。次にマルチパスチャネルの特徴
と様々な種類の同期化情報と、キャリア位相オフセット
予測値について説明する。
【0103】チャネルがノイズにより破損された場合に
は、次式で表される。
【数19】 ここでN(f)はチャネルノイズパワースペクトラム
で、kは上記の処理ゲインである。伝送バンドに亘って
積分された比k|H(f)|2/N(f) は、チャネル
予測信号対ノイズ比を規定する。処理ゲインが大きくな
ると、ノイズからの予測チャネル特徴に対する保護が良
好となる。
【0104】一般的にトレーニング信号が長く続くと、
それぞれの通信チャネルの特徴化が良くなる。ここで
は、トレーニング信号は上記のヘッダに対応する。従っ
て、伝送オーバヘッドと通信チャネルを特徴づける時間
量との間に妥協点が存在する。このトレードオフは、ヘ
ッダ206内の86個のシンボルの同期化とチャネル音
声用のトレーニング信号の長さとして選択することによ
り表される。
【0105】前述したように、イコライザ570は、ヒ
ルベルト対を形成し、そのイコライザ570の同期イコ
ライザと直交イコライザ用の係数は、同相チャネル応答
のみから得ることができる。かくして、割当チャネル応
答要素535は、コリレータ出力信号526内の同位層
チャネルインパス応答内に見いだされる。この直交イコ
ライザ係数は、ヒルベルト変換により得られる。
【0106】線形イコライザ係数を得るプロセスを図1
4に示す。(米国特許出願08/322877に示され
たような決定ヒードバックイコライザの変形例を用いる
ことも可能である。)ステップ30において、チャネル
応答要素535は決定デバイス565からコレレータ
(相関器)525はチャネルインパルス応答を表すとい
う信号を送る同期信号を受信する。
【0107】ステップ31において、チャネル応答要素
535は相関器525を時間領域から高速フーリエ変換
(FFT)あるいは個別フーリエ変換(DFT)技術に
従って、周波数領域表示に変換する。通常イコライザ係
数は、FFT出力(周波数領域等価用)の逆数と、逆F
FT(IFFT)を採ることにより決定され、そして時
間領域に戻される(時間領域等価用)。
【0108】しかし、過剰なイコライザのノイズ増加
は、マルチパスの反射に起因する。これは、例えば同一
強度反射のような大きな反射に対して特にあてはまる。
かくしてFFT応答から生成されたイコライザ係数だけ
が収束(convergence)を与えるだけでなくシンボル間
干渉(inter-symbol interference(ISI))の再生
を難しくする。
【0109】そのため本発明によれば、わずかな歪をチ
ャネルインパルス応答に導入するだけでマルチ多重反射
が全体性能の若干の低下のみで処理できることが分かっ
た。特にチャネルインパルス応答は、受信信号が高すぎ
る場合、あるいは低すぎる場合には周波数領域内でクリ
ップされる(FFTしきい値処理)。言い換えると、1
個のしきい値を図15に示すようにコリレータ出力信号
526のFFTの振幅に加える。
【0110】コリレータ出力信号526のFFTがこの
所定のしきい値Th とTl を超える場合には、その信号
はクリップされる。例えば振幅がTh よりも大きい場合
には、その振幅はTh に設定される。同様に振幅がTl
より小さい場合にはその振幅はTl に等しく設定され
る。このしきい値の決定は、予測される反射信号の振幅
と、経験的に決定され許されるISIの程度との間の妥
協の産物である。
【0111】このFFTしきい値処理のアプローチは、
マルチパス環境に起因する等価処理の過剰なイコライザ
ノイズ増加を回避できる。たとえて言うとこのことは、
ゼロフォーシング等価に対応するある種の最小平均二乗
規準を用いた等価と見ることができる。デジタル周波数
と時間変換におけるサーキュラー畳み込みの影響を回避
することは重要なことであり、FFTとIFFTの長さ
は最悪の場合のチャネルとイコライザのスパンの和を越
えなければならず、そしてFFTとIFFの操作を実行
する際の循環的な不正を回避しなければならない。最後
に、60から240Khzの間で180Khzのバンド
幅の特徴を有するイコライザを設計するためには、アウ
トオブバンド応答を周波数領域内でゼロに設定する。
【0112】図14において、チャネル応答要素535
は、ステップ32でFFTしきい値処理を行う。FFT
しきい値の繰り返しがステップ33で行われる。このよ
うにして得られた周波数領域応答は、ステップ34で同
位相イコライザ係数を得るために従来公知の逆FFT
(IFFT)を用いて処理される。最後にチャネル応答
要素535は、ステップ35で直交イコライザ係数を得
るために、時間領域内のヒルベルト変換を用いて同位相
イコライザ係数を処理する。
【0113】イコライザ係数が得られると、チャネル応
答要素535は、ステップ36でイコライザ570を更
新、あるいはダウンロードする。遅延ライン530は、
イコライザ570が適切なデータストリームを見ること
ができるようにサンプルフローを制御する。このデータ
バッファの長さは、チャネルインパルスの処理時間と等
価を実行するのに必要なイコライザ係数の計算と遅延と
を考慮に入れて決められる。サンプリング相の関係を信
号処理回路と遅延回路を介して適切に維持されるように
するのが重要である。
【0114】遅延バッファの後、イコライザプロセスは
2つの部分データブロックを処理し、1つは100シン
ボル同期化パターン前のデータブロックであり、他の1
つは100シンボルの同期化パターン後のデータブロッ
クである。これはいわゆるミドアンブル(mid-amble)
等価と称する。イコライザは、パスバンドイコライザで
ある。同一のデータストリームが、イコライザ570の
同位相部分に、そしてイコライザ570の直交位相部分
に入力される。このイコライザ570の出力は、シンボ
ルレートでもって再度サンプリング処理され、キャリア
再生ループ580に与えられる。このキャリア再生回路
の出力は、その後スライスされ、送信シンボルを再生す
る。
【0115】イコライザ係数を計算する図14の方法の
変形例を図16に示す。図16に示された方法は、図1
4と同一であるが、ステップ35をステップ45で置き
換えてステップ36を動かしている。ステップ45にお
いて、周波数領域内の同位相イコライザ係数は、−js
gn(f)で処理され(ヒルベルト変換の周波数領域表
示)、これにより周波数領域内で直交位相イコライザ係
数を生成し、そこから直交用の時間領域係数がステップ
34でIFFTを採ることにより生成される。
【0116】図5に戻って、キャリア再生ループ580
により与えられる位相相関シンボルストリームがシンボ
ル再生要素705に与えられる。このシンボル再生装置
705は、符号化信号351を生成する。このシンボル
再生装置705は、図17では、コリレータ710とバ
ッファ−カウンタ715を含むよう示されている。
【0117】ヘッダ206の残りの14個の一次元シン
ボルは、受信機300内のインタリーバ同期用かあるい
はシンボルクロック整合用に用いられる。これら14個
の一次元シンボルは、図3の信号点配置のインタリーバ
(シンボルクロック)同期シンボルから選択されたもの
である。特に、この14個のシンボルを受信機300が
用いて、各320msのインタリーバブロックの開始点
を示す。このインタリーバ同期化は、各32個のフレー
ム毎に繰り返され、図4に示すように2個の連続した7
PNシーケンスを含む。
【0118】(インタリーバの深さ、即ちインタリーバ
ブロックのサイズは、障害物のある場所から信号を再生
する機能に影響を与え、同時に乗り物のスピードの最低
限界の関数である。したがって、インタリーバ深さの他
の値は、特定なシステム特徴に依存して用いることがで
きる。例えば、障害物のある場所内いより高い建物が、
放送用領域内に存在する場合にはインタリーバの深さは
640msに調整される。)
【0119】14個のシンボルが、受信機300内でイ
ンタリーバ同期化用に用いられない場合には、それらは
関連フレーム内のデータシンボル同期化用に用いられ
る。この例では、14個のシンボルは、1つの負の7P
Nとその後の正の7PN(図4)を含む。これはサンプ
ル時間位相の大きな変化あるいは異なる信号パス変動の
相対的な強さが存在し、受信機300により遅延の変動
が見られる場合には常に各フレームの符号化データ部分
を整合するために必要である。(ここでは負のPNシー
ケンスは、正のPNシーケンスの単に反対を意味し、例
えば2PNは符号(1.414,0;−1.414,
0)で表される場合には、対応する負の2PNはシンボ
ルシーケンス(−1.414,0;1.414,0)で
ある。)
【0120】かくして相関器710は、上記の相関器5
25とパターンマッチャー540と決定デバイス565
と同様な機能をするが、ただし付加情報信号−同期信号
(現行受信フレームのフレーム同期を確立する、さらに
その結果相関器710はより単純な二進コリレータとな
り)を有する点が異なるだけである。有効フレーム(有
効同期信号により表される)の間相関器710は、イン
タリーバ同期化信号352を図1に示すように、エラー
保護デコーダ315により後で使用するために提供し、
これにより同一符号の2個の連続する7PNシーケンス
の検出に基づいてシンボルブロックをディインタリーブ
する。
【0121】同様に相関器710は、逆符号の2個の連
続する7PNシーケンスの検出に基づいて、あるいはイ
ンタリーバ同期化シーケンスの検出に基づいて相関器7
10を与える。この後者の条件は、新たなインタリーバ
ブロックのスタートを指示するフレームの間でさえもシ
ンボル同期を確実にするものである。インタリーバ同期
化用に同一符号の2個の7PNシーケンスを用いること
により、およびシンボル同期用に反対符号(一方は正、
一方は負)の2個の7PNのシーケンスを用いることに
より、再生機の復号化は位相回転不変量(invariant)
となるよう意図したものである。これによりチャネルが
シビアな場合、さらなる保護が非常に重要な時間スタン
プ情報に加えられる。
【0122】バッファ−カウンタ715は、データシン
ボル同期化信号712に対応し、現行フレームのデータ
部分のみを蓄積する。バッファ−カウンタ715はどの
ような方法によっても実行することができる。例えば、
線形バッファあるいはサーキュラーバッファのようにポ
インタとカウンタを用いて付加と削除を行うことができ
る。現行受信シンボルを蓄積する際には、バッファ−カ
ウンタ715は以下の機能を実行するものとする。まず
バッファ−カウンタ715は、受信シンボルストリーム
をハード的にスライスする。(単純に言うと、スライサ
ーである。)
【0123】このスライスされた受信シンボルストリー
ムをその後蓄積する。理想的にはスライスされ蓄積され
たシンボルの数は、データブロックの所定数、即ち17
00データシンボル以上である。しかし、タイミングオ
フセットにより、より多くのあるいはより少ないデータ
シンボルが現行受信フレームに関連するものとされる。
このタイミングオフセットは、送信器クロックと受信機
クロックとの不整合に起因し、そしてまた通信チャネル
そのもののマルチパスアスペクトに起因している。
【0124】送信器クロックと受信機クロックに関して
は、チャネル音声(channel sounding)から得られた上
記の予測チャネルインパルス応答は、送信器のシンボル
クロックと受信機のシンボルクロックとの間にタイミン
グ位相オフセット情報を有する。予測チャネル応答から
得られた係数を用いた部分離間(fractional-spaced)
したイコライザは、限界量までシフトしたタイミング位
相を補償するが、それはイコライザが次の同期が発生す
るまで凍結されているからである。
【0125】送信器のクロックと受信機のクロックとが
周波数差を有する場合には、タイミング位相オフセット
は、新たな予測値に到達するまで徐々にゼロからある値
まで増加する。この種の問題に関する感受性は、送信器
フィル他の過剰なバンド幅に依存する。例えば送信シス
テムが0%の過剰バンド幅送信器フィルタ(sinx/x)を
用いる場合には、4%のタイミング位相オフセット(1
5度)が信号に−23dBの干渉を導入する。この干渉
がノイズに付加されると受信機の感受性に0.3dBの
劣化を引き起こす。約10%の過剰バンド幅を有する送
信器フィルタが用いられた場合には、これは11%のタ
イミング位相オフセットに相当する。
【0126】最大許容受信機シンボルクロックの不正確
さは次式から得られる。
【数20】 ここでDは、送信器のシンボルクロックからの受信機の
最大許容シンボルクロックのドリフト量を表し、2でわ
り算されているのはミドアンブルイコライゼーション
(mid-amble equalization)による。11%のタイミン
グオフセットと1800シンボルのデータブロックサイ
ズに対しては、D=120ppm(parts per millio
n) である。受信シンボルクロックが送信器のシンボル
クロックから±120ppm内にある限り、タイミング
位相は大きな性能劣化を引き起こすようなデータブロッ
ク間、大きく変化しない。
【0127】シンボルを取り除いたり付加したりさせる
ような別のケースは、マルチパスチャネルが変動する場
合である。例えば、全てのパスの相対的強度が変化する
場合には、イコライザは、最強のパワーのパスをメイン
の信号として採り、再生シンボルを生成する。
【0128】いずれの場合にも、シンボル整合にタイム
シフトが存在する場合には、多くのあるいは少ないデー
タシンボルが現行受信フレーム内に存在することにな
る。このシンボルタイムシフトは、イコライザ係数が変
化したときに起こり得る。そのためにバッファ−カウン
タ715は、2つの連続する二重の7PNシーケンス
(データシンボル同期化信号712により表される)間
のデータシンボルの数を測定する。余分のシンボルが存
在する場合には、ブロックの中央部の1つが削除され
る。シンボルの数が1700未満の場合には中央のシン
ボルが繰り返される。このような状況ではエラーが発生
する。
【0129】信号フォーマットの設計では、この種の問
題を考慮に入れてはいるが、実行を簡単にするためにこ
の条件を無視すると、エラー保護デコーダ315を有す
るリードソロモンデコーダ(図示せず)をこの問題を修
正するために用いる。これは全体システムの性能からみ
るとわずかな劣化を引き起こすだけである。ミドアンブ
ルイコライザが用いられているので、2個の連続するレ
ーザブロックは、このシンボル再整合を行うために蓄え
られる。
【0130】
【発明の効果】本発明は、個々の機能ブロックとして説
明したが(例えば、知覚オーディオコーダ,割当チャネ
ル応答要素等)で説明したが、これらのブロックの機能
は、1個の適切にプログラムされたプロセッサ(デジタ
ル信号プロセッサ)を用いて処理することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデジタルオーディオ放送用通信システ
ムのブロック図
【図2】図1の送信器100の一部を表す詳細ブロック
【図3】図1の送信器100に用いられる信号点配置を
表す図
【図4】図1の送信器100に用いられるフレームフォ
ーマットを表す図
【図5】図1の受信機300の一部のブロック図
【図6】図1の受信機300内で生成される低IF信号
の周波数スペクトラムを表す図
【図7】フラットフェージングと周波数フェージングに
対応する位相ロックループ回路のブロック図
【図8】コリレータ出力信号526のグラフ
【図9】図8の相関器出力信号内のピークゾーンと無視
ゾーンと静止ゾーンを表す図
【図10】ピークマッチパターンと静止マッチパターン
の概念を表す図
【図11】受信機300内で用いられる同期化方法を表
す図
【図12】受信機300内で用いられる同期化方法を表
す図
【図13】受信機300内で用いられる同期化方法を表
す図
【図14】受信機300内で用いられるイコライザ係数
を計算する方法を表す図
【図15】受信機300内で用いられるイコライザ係数
を計算するのに用いられる「FFTしきい値化」を表す
【図16】受信機300内で用いられるイコライザ係数
を計算する別の方法を表す図
【図17】図1の受信機300内で用いられるシンボル
再生要素705のブロック図
【符号の説明】
10 DAB通信システム 100 送信器 101 アナログオーディオ信号 105 プリプロセッサ 106 PCM(デジタルパルス符号変調)信号 110 知覚オーディオコーダ(PAC) 111 PAC信号 115 エラー保護コーダ 116 符号化信号 150 モデュレータ 155 マルチプレクサ(MUX) 160 4−PSKマッパー 165 ロテータ(回転子) 170 サンプリングレートイクスパンダ 175 デジタルベースバンドフィルタ 175−1 同相ベースバンドフィルタ 175−2 直交相ベースバンドフィルタ 177,182 加算器 185 D/Aフィルタ 185−1 同位相D/Aフィルタ 185−2 直交相D/Aフィルタ 190 RF送信器 195 プロセッサ 200 通信チャネル 300 受信機 305 ポストプロセッサ 310 知覚オーディオデコーダ 311 PCM信号 315 エラー保護デコーダ 316 圧縮PAC信号 350 ディモデュレータ 351 符号化信号 505 RFダウンコンバータ 510 IFダウンコンバータ 515 A/D変換器 520 デジタルAGC 525 相関器 530 遅延ライン 535 チャネル応答割当/I&Q EQ係数計算装置 540 パターンマッチャー 565 決定デバイス 570 イコライザ 575−1,575−2 サンプラー 580 キャリア再生ループ 580−2 位相回転予測装置 590 フィルタ 610 AGC(自動利得制御装置) 615 フラットフェードディテクタ 620 パイロットフェードディテクタ 625 ナローバンドフィルタ 630 PLL(位相ロックループ) 705 シンボル再生装置 710 相関器 715 バッファ/カウンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596077259 600 Mountain Avenue, Murray Hill, New Je rsey 07974−0636U.S.A.

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)中間周波数信号(506)を出力
    するために受信無線周波数信号に応じて動作する無線周
    波数ダウンコンバータ(505)と、 (B)前記中間周波数信号からパスバンド信号(51
    1)を生成する中間周波数ダウンコンバータ(510)
    と、 からなり、 前記パスバンド信号は、受信無線周波数信号の送信器内
    のロテータの回転周波数に適合するよう選択された第1
    周波数にその中心を有することを特徴とするデジタルオ
    ーディオ放送用受信装置。
  2. 【請求項2】 (C)前記パスバンド信号に基づいて、
    等価信号を生成するイコライザ(570)と、 (D)前記等価信号に応答して、前記受信装置を送信器
    に結合する通信チャネルの影響に起因する位相シフトの
    みを補償するキャリア再生回路(580)とをさらに有
    することを特徴とする請求項1の装置。
  3. 【請求項3】 前記キャリア再生回路は、低次位相ロッ
    クループであることを特徴とする請求項2の装置。
  4. 【請求項4】 前記キャリア再生回路は、デジタルキャ
    リア位相再生回路であることを特徴とする請求項2の装
    置。
  5. 【請求項5】 前記等価信号は、フレームのシーケンス
    を表し、 前記デジタルキャリア位相再生回路は、前記等価信号の
    各フレームの一部に対しブロックベースのフィードフォ
    アード位相修正を行う信号プロセッサであることを特徴
    とする請求項4の装置。
  6. 【請求項6】 前記信号プロセッサは、各X1個のシン
    ボルの位相と規準位相とを比較することにより、各フレ
    ームのX1個のシンボルに亘って平均位相差を決定し、 前記信号プロセッサは、後続のX2個のシンボルの位相
    を修正するために前記平均位相差を用いることを特徴と
    する請求項5の装置。
  7. 【請求項7】 前記信号プロセッサは、前記フレームの
    データ部分のみを含むシンボルのみを用いることを特徴
    とする請求項5の装置。
  8. 【請求項8】X2>X1で、X2は各フレームのデータ
    部分を含むシンボルの全数以下であることを特徴とする
    請求項6の装置。
  9. 【請求項9】 (E)前記X2個のシンボルを、前記の
    平均位相差だけ反対方向に回転させるために、前記デジ
    タル信号プロセッサに制御されるロテータをさらに有す
    ることを特徴とする請求項6の装置。
  10. 【請求項10】 前記(D)のキャリア再生回路は、 (D1)前記等価信号に基づいて動作する平均化回路
    と、 前記平均化回路は、フレームのシーケンスにフォーマッ
    ト化されたデータを表し、 前記各フレームは、ヘッダ部分と複数のシンボルを含む
    データ部分とを有し、 前記平均化回路は、平均位相差を与えるためにX1個の
    シンボルと規準信号との間に位相差を平均化し、 (D2)後続のX2(X1<X2)個のシンボルを前記
    平均位相差だけ反対方向に回転させるロテータ(580
    −1)とをさらに有することを特徴とする請求項2の装
    置。
  11. 【請求項11】 前記(D1)の平均化回路は、信号プ
    ロセッサであることを特徴とする請求項10の装置。
  12. 【請求項12】 X1個とX2個のシンボルは、各フレ
    ームのデータ部分から取り出されることを特徴とする請
    求項10の装置。
  13. 【請求項13】 前記(C)のイコライザ(570)
    は、非交差結合イコライザであることを特徴とする請求
    項2の装置。
  14. 【請求項14】 (A)N次元シンボルのストリームを
    表す第1信号を生成するために、データ信号をシンボル
    マッピングするステップと、 (B)第2信号を生成するために、回転周波数で各N次
    元シンボルの位相を回転するステップと、 前記回転周波数は、受信機により通信信号から再生され
    たパスバンド信号のパスバンド周波数範囲内に入り、 (C)通信チャネルを介して伝送する通信信号を生成す
    るために前記第2信号を処理するステップとからなるこ
    とを特徴とする通信信号の伝送方法。
  15. 【請求項15】 前記(C)の処理ステップは、 (C1)前記第2信号を中間周波数信号に情報変換する
    ステップと、 (C2)前記中間周波数を通信信号である無線周波数信
    号に情報変換するステップとを含むことを特徴とする請
    求項14の方法。
  16. 【請求項16】 前記(C)の処理ステップは、前記
    (C1)のステップの前に、パイロット信号を前記第2
    信号に付加するステップを含むことを特徴とする請求項
    15の方法。
  17. 【請求項17】 前記(B)の回転ステップにより、キ
    ャリアレス信号を生成することを特徴とする請求項14
    の方法。
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