【発明の詳細な説明】
耐性腫瘍の治療法
外科手術および放射線療法に加えて、化学療法は多くの癌に対する有効な治療
法であり続けている。事実、多くのタイプの癌が現在では化学療法によって治癒
し得ると考えられており、これにはホジキン病、大細胞リンパ腫、急性リンパ球
性白血病、精巣癌、および初期乳癌が含まれる。卵巣癌、小細胞肺癌、および進
行性乳癌のような他の癌は、まだ治癒可能ではないが併用化学療法に対して有効
な反応を示しつつある。
癌治療における最も重要な未解決の問題の一つは薬剤耐性である。薬剤耐性に
は、化学療法を用いる治療時において本来備わっている固有の耐性と獲得薬剤耐
性の両方がある。癌治療では耐性細胞の出現を避けると共に、既に薬剤耐性であ
る予め存在している細胞を死滅させる必要があるので、この問題が併用化学療法
が重要性を増す理由である。
アントラサイクリンは重要な腫瘍崩壊剤のクラスである。アントラサイクリン
の1つである、当該分野でアドリアマイシン(登録商標)としても知られている
ドキソルビシンは、乳癌の臨床管理において選択される薬剤である。ドキソルビ
シンのようなアントラサイクリンによる治療は、ドキソルビシンの腫瘍崩壊活性
を制限またはうち消すアントラサイクリン耐性表現型が出現することから複雑化
する。
タキソール(パクリタキセル(登録商標))は、Taxus spp.イチイ木から最
初に単離された抗腫瘍性タキサン誘導体である。この化合物およびより最近のそ
の誘導体は一次選択(first-line)化学療法の手に負えない転移性卵巣癌の治療
に有用である。
トポイソメラーゼインヒビターは別のクラスの腫瘍崩壊剤である。エトポシド
(登録商標)およびテニポシド(登録商標)のようなエピポドフィロトキシンは
精巣の腫瘍、小細胞肺癌ならびに他の肺癌、乳癌、ホジキン病、非ホジキンリン
パ腫、急性顆粒球性白血病、およびカポシ(Karposi)肉腫の治療に有用なトポ
イソメラーゼインヒビターである。エピポドフィロトキシンの治療的有用性はエ
ピポドフィロトキシン耐性表現型の出現によって限定される。
多薬剤耐性(MDR)の1つの形は、P−糖蛋白(P−gp)と呼ばれる膜結
合性170−180kDエネルギー依存性流出ポンプによって介在される。P−
糖蛋白は疎水性、天然産物薬剤に対する多くのヒト腫瘍の固有および獲得耐性に
大きな役割を果たすことが示されている。P−gpの基質として作用し、次いで
P−gpによって無毒化される薬剤には、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン
およびビンブラスチン)、アントラサイクリン(アドリアマイシン)、およびエ
ピポドフィロトキシン(エトポシド)が含まれる。P−gp関連MDRは化学療
法剤に対する腫瘍細胞耐性の主要な決定要因であるが、MDRの現象は多要因性
であり、多くの異なるメカニズムが含まれる。アントラサイクリンに対する耐性
の1つのそのような別の経路には、P−pgではない190kD蛋白(p190
)の出現が含まれる(T.McGrathらの、Biochemical Pharmacology,38:3611(1989
)参照)。蛋白p190は原形質膜には全くみいだされないが、主として小胞体
に局在しているようである(D.MarguardtとM.S.Centerの、Cancer Research, 5
2:3157(1992)参照)。
蛋白p190はP−pgのATP結合部位とホモロガスなヌクレオチド結合ド
メインを有する(D.Marguardtらの、Cancer Research,50:1426(1990)参照)。
アドリアマイシン(登録商標)に対する耐性をもたらすためにp190が利用す
るメカニズムはよくわかっていないが、核からのアドリアマイシン(登録商標)
の細胞内への再分散が含まれるかもしれない(D.MarguardtとM.S.Centerの、既
述参照)。アドリアマイシン(登録商標)はDNAの複製に関与する酵素である
トポイソメラーゼIIのインヒビターである(W.T.Beckの、Bulletins in Cancer
,77:1131(1990))。したがって、核からのアドリアマイシン(登録商標)の再分
散はこの薬剤に対する細胞性耐性の重要な構成要素である。以前に発表されたp
190に関する研究では、アドリアマイシン(登録商標) 耐性のためにin vitr
oで選択された細胞系が利用されてきた(T.McGrathら、既述;D.MarquardtとM.
S.Center、既述;およびD.Marqardtら、Cancer Research、既述))。
p190と薬剤耐性との関連づけは、8−アジド−α[32P]ATPで標識し
たアドリアマイシン耐性HL60/Adrヒト白血病細胞から作製した放射活性
抽出物のドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳導(SDS-PAGE)に
よってなされた(T.McGrathらの、既述参照)。p190によってもたらされる
薬剤耐性表現型はアントラサイクリンに限定されない。エピポドフィロトキシン
耐性はp190発現と関連している。アドリアマイシン(登録商標)とエトポシ
ド(登録商標)で処理したHL60/S細胞のIC50はそれぞれ0.011μg
/mLおよび0.39μg/mLであった。アドリアマイシンとエトポシドで処
理したHL60/Adr細胞(ドキソルビシンに耐性のHL60由来細胞系)の
IC50はそれぞれ2.2μg/mLおよび>10μg/mLであった。HL60
/SおよびHL60/Adr細胞系はP−糖蛋白を発現しない。HL60/Ad
r細胞はp190を発現する。したがって、アントラサイクリンとエピポドフィ
ロトキシンに対する耐性はp190の発現によって生じる。
したがって、耐性腫瘍もしくはp190、P−糖蛋白を含む耐性経路、または
その両方を治療するのに有用な化合物を提供することが望ましい。
本発明は哺乳動物における多剤耐性腫瘍の多剤耐性を逆転させる方法であって
、その処置を必要とする哺乳動物に対し、多剤耐性を逆転させる量の式I:
[式中、Aは−O−、−S(O)m−、−N(R11)−、−CH2CH2−、また
は−CH=CH−(ここで、R11は水素またはC1−C6アルキルであり、mは0
、1、または2である)であり、
Xは結合またはC1−C4アルキリデニルであり、
R2は式:
[式中、R4とR5は独立してC1−C6アルキルであるか、または組合わさってそ
れらが結合している窒素と共にヘキサメチレンイミニル、ピペラジノ、ヘプタメ
チレンイミニル、4−メチルピペリジニル、イミダゾリニル、ピペリジニル、ピ
ロリジニル、またはモルフォリニルからなる群から選ばれる複素環を形成する]
で示される基であり、
Rは、ヒドロキシ、ハロ、水素、C3−C8シクロアルキル、C2−C7アルカノイ
ルオキシ、C1−C6アルコキシ、またはフェニル(該フェニルは所望によりC1
−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ニトロ、クロロ、フルオロ、トリフルオ
選ばれる1、2、または3つの部分で置換されている)であり、
R1は、ヒドロキシ、ハロ、水素、C3−C8シクロアルキル、C2−C7アルカノ
イルオキシ、C1−C6アルコキシ、またはフェニル(該フェニルは所望によりC1
−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ニトロ、クロロ、フルオロ、トリフルオ
選ばれる1、2、または3つの部分で置換されている)であり、
各R3は独立してC1−C6アルキル、C3−C8シクロアルキル、非置換または置
換フェニル(ここで、置換基はハロ、C1−C6アルキル、またはC1−C6アルコ
キシである)である(ただし、Xが結合であるときはAは−S−であり、RとR
1はともにヒドロキシ、メトキシ、およびC2−C7アルカノイルオキシから選ば
れることはない)]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物を投与する
ことを含む該方法を提供するものである。
本発明は、式Iの化合物を腫瘍崩壊剤と組み合わせて投与することを含む、哺
乳動物の感受性腫瘍(新生物)を治療する方法をも提供する。
本発明は、置換ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ナフタレン、
およびジヒドロナフタレン、式Iの化合物が耐性腫瘍における多剤耐性を逆転さ
せるのに有用であるという発見に関するものである。
本明細書の実施例中で用いている用語と略語は、特記しない限り通常の意味を
表す。例えば、「℃」は摂氏温度を、「N」は正常または規定度を、「mmol」は
ミリモルまたはミリモル(複数)を、「g」はグラムまたはグラム(複数)を、
「mL」はミリリッターまたはミリリッター(複数)を、「M」はモルまたはモ
ル濃度を、「MS」はマススペクトル法を、「IR」は赤外分光法を、「NMR
」は核磁気共鳴スペクトル法を示す。
本明細書で用いている用語「C1−C10アルキル」は、炭素数1〜10の、直
鎖または分岐鎖の一価飽和脂肪属鎖を表し、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、フェニル、イソフェニル、およびヘ
キシルが含まれるがこれらに限定されない。用語「C1−C10アルキル」にはそ
の定義中に用語「C1−C4アルキル」および「C1−C6アルキル」が含まれる。
「C1−C6アルコキシ」は、酸素原子と結合した炭素数1〜6の直鎖または分
岐鎖アルキル鎖を表す。典型的なC1−C6アルコキシ基には、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、およびペントキシ
などが含まれる。用語「C1−C6アルコキシ」にはその定義中に用語「C1−C4
アルコキシ」が含まれる。
「C1−C6アルキリデニル」は炭素数1〜6の、直鎖または分岐鎖の、二価飽
和脂肪族鎖を表し、これにはメチレニル、エチレニル、プロピレニル、イソプロ
ピレニル、ブチレニル、イソブチレニル、t−ブチレニル、ペンチレニル、イソ
ペンチレニル、およびヘキシレニルなどが含まれるがこれらに限定されない。用
語「C1−C4アルキリデニル」は用語「C1−C6アルキリデニル」内に含まれる
。
用語「ハロ」には、クロロ、フルオロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。
本明細書で用いている用語「脱離基」は、求核性置換反応において求核試薬の
攻撃によって炭素原子から置換する原子群を示す。本明細書で用いている用語「
脱離基」には、活性化基が含まれるがこれには限定されない。
本明細書で用いている用語「活性化基」とは、それが結合しているカルボニル
基(−C=O)と共にあるとき、それが存在しない場合、例えば遊離酸のような
場合よりも、アシル化反応により加わりやすくする脱離基を意味する。
そのような活性化基は当業者によく知られており、例えば、サクシンイミドキシ
、フタルイミドキシ、ベンゾトリアゾリルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、
メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、アジド、または−O−C
O−(C4−C7アルキル)であってよい。
本発明で使用される化合物の多くは、以下のごとくRING INDEX(The American
Chemical Society)に従って命名および番号付される。
同様に、本発明で使用される化合物のいくつかは、以下のごとくRING INDEXに
従って命名および番号付される1,2−ジヒドロナフタレン誘導体である。
本発明の化合物の多くは、以下のごとくRING INDEX(The American Chemical
Society)に従って命名および番号付されるベンゾフラン誘導体である。
本発明で使用される化合物のいくつかは、以下のごとくRING INDEXに従って命
名および番号付されるベンゾ[b]チオフェン誘導体である。
同様に、本発明で使用される化合物のいくつかは、以下のごとくRIDEX INDEX
に従って命名および番号付されるインドール誘導体である。
本発明の方法に使用されるより好ましい化合物は式I[式中、
a)Aは−O−、−S−、−CH2−CH2−、または−CH=CH−であり、
b)Rは水素、ヒドロキシ、C1−C3アルコキシ、または−OSO2−(C1−C10
)アルキル)であり
c)R1は水素、ヒドロキシ、C1−C3アルコキシ、または−OSO2−(C1−
C10)アルキル)であり、
d)Xは結合またはメチレンであり、
e)R2はピペリジニル、ヘキサメチレンイミニル、ピロリジニル、または−N
R4R5(ここで、R4とR5はC1−C4アルキルである)である]
の化合物、およびその医薬的に許容される酸付加塩および溶媒和物である。
本発明の方法に使用される最も好ましい化合物は式I[式中、
a)Aは、−S−であり、
b)Rは水素、ヒドロキシ、C1−C3アルコキシ、または−OSO2−(C1−C10
)アルキル)であり
c)R1は水素、ヒドロキシ、C1−C3アルコキシ、または−OSO2−(C1−
C10)アルキル)であり、
d)Xは結合またはメチレンであり、
e)R2はピペリジニル、ヘキサメチレンイミニル、ピロリジニル、または−N
R4R5(ここで、R4とR5はC1−C4アルキルである)であり、
f)RとR1の少なくとも1つは−OSO2−(C1−C10アルキル)である]
の化合物、およびその医薬的に許容される酸付加塩および溶媒和物である。
本発明の化合物は当業者によく知られた種々の方法によって製造することがで
きる。式Iの化合物を製造するのに必要な工程の特定の順序は、合成される特定
の化合物、出発化合物、および置換部分の相対的不安定度に依存する。
A.ジヒドロナフタレニル化合物の製造
本発明に用いる化合物(ここで、Aは−CH2−CH2−または−CH=CH−
である)は、本質的に米国特許第4,230,862号(T.SuarezおよびC.D.Jones、19
90年10月28日発行、この内容は本明細書の一部を構成する)に記載のごと
く製造してよい。
これらの化合物は一般に以下の順序によって製造され、ジヒドロナフタレン構
造は一般にナフタレン化合物に対する前駆物質である。
本発明の方法で使用されるナフタレンおよびジヒドロナフタレンは式II:
[式中、Rcは水素、C1−C6アルコキシ、またはベンジルオキシである]
で示されるテトラロンを、式III:
[式中、Y1はメトキシ、ベンジルオキシ、または−O−(CH2)n−NRaRb
(ここで、nは1〜6であり、−NRaRbはR2である)である]
で示されるフェニルベンゾエートと反応させることによって製造してよい。この
反応は一般にナトリウムアミドのような適度な強さの塩基の存在下、室温または
それ以下で行われる。
得られる産物は式IVで示される置換テトラロンである。
次に、この置換テトラロンを、Grignard反応条件下で、式:
[式中、R1aは水素、C1−C6アルコキシ、またはベンジルオキシであり、Ya
は結合、メチレン、またはエチレンである]
で示されるGrignard試薬と反応させる。
製造された化合物の3−フェニル−4−アロイル−1,2−ジヒドロナフタレ
ンは以下の式Vで示される。
Y1がメトキシである場合には、式Vの化合物を環流温度で塩酸ピリジンと反
応させ、対応するヒドロキシ化合物を生成させることができる。RcまたはR1a
をアルコキシまたはベンジルオキシとすべきであるこれらの条件下では、これら
の基も開裂し、ヒドロキシ基を生じるであろう。
Y1がメトキシまたはベンジルオキシであり、RcまたはR1aがアルコキシまた
はベンジルオキシである場合には、約80℃〜約90℃の適度に上昇した温度で
、式Vの化合物を、N,N−ジメチルホルムアミド中の等量のナトリウムチオエ
トキシドで処理することによってこの基のY1を選択的に開裂させることができ
る。選択的開裂の工程は定期的に薄層クロマトグラフィー分析を行うことによっ
てモニターしてよい。出発物質の残りがほとんどまたはまったくなくなったら反
応を終了する。
Y1がヒドロキシに変換されている式Vの化合物が生成されたら、次いでこの
化合物を式VII:
L−(CH2)n−NRaRb VII
[式中、Lはハロ、のような適した脱離基、特にクロロである]
で示される化合物で処理することができる。もちろん、通常の反応条件下では、
分子内に存在する保護されていないヒドロキシ基のそれぞれがアルキル化される
であろう。過剰の微細粉末炭酸カリウム存在下で、等量またはわずかに過剰の式
VIIの化合物を用いて反応を行うことによって、これを避け、4−ベンゾイル
基のみをアルキル化することができる。
次に、意図する最終産物の構造によって、さらに式VIIの置換基を含む化合
物を既述のごとくN,N−ジメチルホルムアミド中のさらなる量のナトリウムチ
オエトキシドと反応させることにより、残っているあらゆるアルコキシ基または
ベンジルオキシ基を開裂させ、これにより、R1および/またはR2がヒドロキシ
である本発明に用いる化合物の形成を達成するための別の方法が提供される。上
記のいずれにおいても、特定の定義および位置の置換基を有する化合物を製造す
るために計画された合成工程の特定の順序が当業者によく知られているようなも
のであることは明らかである。
式Iの化合物を製造するための別の経路において、式VI:
[式中、R2aは−HまたはC1−C6アルコキシであり、YcはC1−C6アルコキ
シ−置換フェニルまたはベンジルである]
で示される化合物は、本質的にC.D.Jonesらの、Journal of Medicinal Chemistry
, 53:931-938(1992)の記載に従って製造される(この内容は本明細書の一部を構
成する)。
一般に、上記のテトラロンまたはその塩を標準的Friedel Crafts条件を用いて
アシル化し、式VIa:
[式中、R2aは−HまたはC1−C6アルコキシである]
で示される高度にエノール化されたジケトンを得る。
ナトリウム水素化物を用いて置換誘導化し、次いでジフェニルクロロホスフェ
ートを加えることにより、仮に式VIb:
[式中、R2aは上記と同意義である]
で示されるエノールホスフェート誘導体を得る。
Jones(既述)の記載に従って、式VIbの化合物にフェニル−またはベンジ
ル−、置換フェニル−または置換ベンジルマグネシウムブロミドを加え、次いで
選択的脱メチル化を行うことにより、それぞれ、式VIcおよびVIdの化合物
を得る。
[式中、R2aおよびYcは上記と同意義である。]
最後に式VIdの化合物を式:
L−(CH2)n−NRaRb
[式中、Lはブロモまたは好ましくはクロロ部分であり、R2aおよびYcは所望
により標準的方法で脱アルキル化される]
で示される化合物でアルキル化し、それぞれ式VIeおよびVIfの化合物を得
る。
[式中、R2aは−Hまたは−OHであり、Ydはフェニル、ベンジル、ヒドロキ
シフェニル、またはヒドロキシベンジルである]
式VIeまたはVIfの化合物化合物を製造するための工程において、特定の
定義および位置の置換基を有する化合物を製造するために計画された合成工程の
特定の順序が当業者によく知られているようなものであることは明らかである。
所望により、標準的方法を用いて式VIfの化合物を置換し、式Iの対応する
ジヒドロナフテニル化合物を得る。
B.ナフタレニル化合物の製造
置換ナフタレンである式Iの化合物は対応するジヒドロナフタレニル化合物か
ら容易に製造される。ジヒドロナフタレン構造の選択的脱水素化による具体的な
対応するナフタレンの製造は、約50℃〜約100℃の温度で2,3−ジクロロ
−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)で処理することによって
達成することができる。生成されるナフタレンを、さらに上記の誘導化反応によ
って他のナフタレン化合物に変換してよい。
実施例1
3−(4−メトキシフェニル)−4−[4−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ
)ベンゾイル−1,2−ジヒドロナフタレン・クエン酸塩の製造
米国特許No.4230862の記載に準じ、標記化合物を製造する。250m
lのテトラヒドロフラン中のナトリウム・アミド(15.2g、0.38モル)の懸
濁液に、50g(0.34モル)のβ−テトラロンを加える。混合物を15〜20
分間撹拌し、テトラヒドロフランに溶解したフェニル・p−メトキシベンゾエー
トを加える。反応混合物の温度を10℃以下に維持し、次いで混合物を室温で一
夜撹拌する。反応混合物を濃縮し、残渣に水を加える。水性混合物を酢酸エチル
で抽出し、酢酸エチル抽出物を洗い、濃縮する。
残渣をシリカにて、溶離剤としてベンゼンを用いるクロマトグラフィーに付す
。クロマトグラフィー分離で得られる純粋画分をコンバインし、濃縮し、残渣を
最小量のメタノールに溶解する。メタノールを冷却し、35.2gの1−(4−メ
トキシベンゾイル)−2−テトラロンを濾取する。
5滴の1,2−ジブロモエタンおよび3.6g(0.15モル)のマグネシウムを
含有するテトラヒドロフランに、エーテル中の4−ブロモアニソール(18.7g
、0.1モル)を滴下する。反応がほぼ直ちに起こり、滴下は低速度で継続し、
その間、大ざっぱな還流を維持するのに十分な発熱が伴う。滴下終了時、アセト
ン中の上記置換β−テトラロンを撹拌下、2時間にわたって滴下し、混合物を4
0℃に維持する。次いで、得られる混合物を冷希塩酸に注ぎ、酸性混合物を酢酸
エチルで抽出する。酢酸エチル抽出物を洗い、乾燥し、濃縮して油状物とする。
油状物をシリカにて、溶離剤としてベンゼンを用いるクロマトグラフィーに付す
。続いて、2%酢酸エチル含有のベンゼン混合物によるカラムの溶離を行い、1
5gの3−(4−メトキシフェニル)−4−(4−メトキシベンゾイル)−1,2−ジ
ヒドロナフタレンを油状物で得る。
N,N−ジメチルホルムアミド中の11.1g(0.03モル)の上記ジメトキシ
生成物、7.2gの水素化ナトリウム(50%油状物)および11mlのエチルメル
カプタンの混合物を調製する。混合物を65〜70℃に加熱し、同温度で約2時
間維持する。次いで、混合物を冷却し、濃縮する。濃縮物を酸性化し、酢酸エチ
ルで抽出する。酢酸エチル抽出物を洗い、乾燥し、蒸発する。残渣をベンゼンに
溶解し、シリカにてクロマトグラフィーに付して、比較的純粋な3−(4−メト
キシフェニル)−4−(4−ヒドロキシベンゾイル)−1,2−ジヒドロナフタレン
からなる5gの油状物を得る。
上記フェノール性生成物(4.3g、0.01モル)をN,N−ジメチルホルムア
ミドに溶解する。この溶液に、0.7gの水素化ナトリウム(50%油状物)を加
え、得られる混合物を1時間40℃に加温し、次いで室温まで冷却する。かかる
混合物に、1.6gの1−クロロ−2−ピロリジニルエタンを加え、混合物を6
0℃に加温し、この温度で約2時間維持する。次いで反応混合物を室温で一夜撹
拌する。
混合物を濃縮し、残渣に水を加える。水性混合物を酢酸エチルで抽出する。酢
酸エチル抽出物を洗い、濃縮して残渣とする。残渣をヘキサンで抽出し、不溶部
分を酢酸エチルに溶解し、酢酸エチル溶液を1N塩酸で抽出する。酸性抽出物を
アルカリ性とし、次いで酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル抽出物を洗い、濃縮
する。次いで、濃縮物に1当量のクエン酸/アセトンを加え、混合物を濃縮乾固
する。残渣を大量のメチルエチルケトンに溶解する。ケトン溶液を約300mlに
濃縮し、0℃に冷却する。濾過および真空乾燥により、標記生成物である、3−
(4−メトキシフェニル)−4−[4−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ)ベン
ゾイル−1,2−ジヒドロナフタレンのクエン酸塩を得る。m.p.82〜85℃。
元素分析(C36H39NO10として)
理論値:C66.96、H6.09、N2.17、O24.78
実測値:C66.70、H6.27、N2.27、O24.54
実施例2
3−フェニル−4−[4−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ)ベンゾイル]−
7−メトキシ−1,2−ジヒドロナフタレンの製造
米国特許No.4230862の記載に準じ製造する。300mlのN,N−ジメ
チルホルムアミドに、107gのフェニル・p−ヒドロキシベンゾエートおよび2
6gの水素化ナトリウム(50%油状物)を加える。混合物を60℃に加熱し、こ
の温度で約2時間維持する。この混合物に1−クロロ−2−ピロリジン−1−イ
ルエタン(67g)を加え、混合物を85℃で一夜撹拌する。次いで混合物から、
N,N−ジメチルホルムアミドの大半を蒸発し、残渣に水を加え、水性混合物を
酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル抽出物を濃縮し、残渣をエーテルおよび酢酸
エチル(1:1)混合物に溶解する。次いで有機溶液を2N塩酸で抽出し、酸性抽
出物を2N水酸化ナトリウムに滴下する。得られる混合物を酢酸エチルで抽出し
、酢酸エチル抽出物を洗い、硫酸マグネシウム上で乾燥する。酢酸エチルを濃縮
して、110gの粗フェニル・p−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ)ベンゾエ
ートを得る。
テトラヒドロフラン中の20g(0.5モル)のナトリウム・アミドの懸濁液に
、41.7gの6−メトキシ−2−テトラロン/テトラヒドロフランを滴下し、
混合物の温度を10℃以下に維持する。滴下終了時、混合物を20分間撹拌し、
反応混合物を10℃以下に維持し、その後に発熱反応が起こり、反応温度が約2
0℃まで上昇する。
上記製造したフェニル・p−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ)ベンゾエー
トをテトラヒドロフランに溶解せしめ、これを滴下し、混合物を室温で一夜撹拌
する。混合物を水に注ぎ、得られる混合物を酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル
抽出物を水で数回洗い、硫酸マグネシウム上で乾燥する。酢酸エチルを濃縮して
、約100gの粗物質を得、これを1.5Lのアセトンに溶解し、400mlの酢
酸エチル中の1当量のクエン酸を加える。得られる固体を濾過で単離し、真空乾
燥して85.9gの6−メトキシ−1−[4−(2−ピロリジン−1−イルエトキ
シ)ベンゾイル]−2−テトラロンを得る。次いで生成物をシリカにて、溶離剤と
して酢酸エチルを用いるクロマトグラフィーに付し、回収生成物からクエン酸塩
を得る。
上記生成物(8.6g、0.02モル)を、テトラヒドロフラン中のフェニルマ
グネシウム・ブロミドの溶液に加える。得られる混合物を室温で1時間撹拌し、
次いで50℃に加温し、この温度で3時間維持する。得られる混合物を、氷およ
び塩酸混合物に注ぎ、酸性混合物を酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル抽出物を
洗い、乾燥し、濃縮して10.5gの赤褐色油状物を得る。油状物を500mlの
酢酸に加え、混合物をスチーム浴で約30分間加熱する。酸をストリッピングし
、残渣に水を加える。
水性混合物に塩基を加えてアルカリ性とし、アルカリ性混合物を酢酸エチルで
抽出する。抽出物を乾燥し、濃縮して8.7gの生成物を得、これをアセトンに
溶解し、混合物に1当量のクエン酸を加える。アセトンをストリッピングし、残
渣にメチルエチルケトンを加える。混合物を0℃で一夜維持し、形成した結晶を
濾取し、冷メチルエチルケトンで洗い、真空乾燥する。固体をアセトンより再結
晶して、標記化合物をそのクエン酸塩で得る。m.p.98〜100℃。
元素分析(C36H39NO10として)
理論値:C66.96、H6.09、N2.17、O24.78
実測値:C66.72、H6.27、N2.09、O24.50
なお、かかるクエン酸塩を希アルカリで処理することにより、標記化合物を遊
離塩基の形状で生成する。
元素分析(C30H31NO5として)
理論値:C79.44、H6.89、N3.09
実測値:C79.19、H6.68、N2.91
実施例3
3−フェニル−4−[4−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ)ベンゾイル]−
1,2−ジヒドロナフタレンの製造
米国特許No.4230862の記載に準じ標記生成物を製造する。50mlの
エーテル中の5.0g(18ミリモル)の1−(4−メトキシベンゾイル)−2−テ
トラロン(実施例1の記載に準じ製造)の溶液に0℃にて、9mlのエーテル中のフ
ェニルマグネシウム・ブロミド(18ミリモル)の溶液を滴下する。滴下終了時、
混合物を20分間撹拌する。反応混合物の薄層クロマトグラフィーにより、出発
物質の存在が認められる。さらに13.5mlのフェニルマグネシウム・ブロミド
溶液を加える。
混合物を2時間還流し、次いで冷却し、氷冷塩化アンモニウム水溶液に注ぐ。
有機層を分離し、塩水で洗う。次いで混合物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾
過し、蒸発して約10gの黄色油状物を得る。ヘキサンで洗浄後、さらに生成物
をクロマトグラフィーで精製して、4.67gの3−フェニル−4−(4−メトキ
シベンゾイル)−1,2−ジヒドロナフタレンを得る。
2.0g(6ミリモル)の上記ジヒドロナフタレンを10mlのN,N−ジメチルホ
ルムアミドに溶解せしめ、これに、15mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶
解したナトリウム・チオエトキシド(7.5ミリモル)を加える。添加は、窒素雰
囲気下80℃にて行なう。混合物を80℃で15時間維持する。次いで混合物を
冷却し、氷冷塩化アンモニウム水溶液に注ぐ。得られる混合物を酢酸エチルで抽
出し、酢酸エチル抽出物を塩水で4回洗う。
酢酸エチル抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発して油状物を得、これ
をさらにシリカカラムにて、ベンゼンを用いるクロマトグラフィーで精製を行い
、不純物を溶離する。次いで生成物を酢酸エチルで溶離し、酢酸エチルを蒸発し
て、1.69gの3−フェニル−4−(4−ヒドロキシベンゾイル)−1,2−ジヒ
ドロナフタレンを透明淡黄色油状物で得る。
119mg(4.95ミリモル)の水素化ナトリウムおよび新蒸留1−クロロ−(
2−ピロリジン−1−イル)エタンを含有する、10mlの乾燥N,N−ジメチルホ
ルムアミド中の1.61g(4.95ミリモル)の上記生成物の混合物。添加は、
温度を約10℃に維持しながら、窒素雰囲気下で行なう。生成する起泡の終了時
、混合物を80℃に加熱し、同温度で約2時間維持する。次いで混合物を水に注
ぎ、全量をエーテルで抽出する。エーテル抽出物を塩水で5回洗い、硫酸マグネ
シウム上で乾燥する。次いでエーテル層を濾過し、蒸発して灰色油状物を得、さ
らにクロマトグラフィーで精製して、3−フェニル−4−[4−(2−ピロリジン
−1−イルエトキシ)ベンゾイル]−1,2−ジヒドロナフタレンを得る。
生成物を、50mlの温アセトン中の0.59gのクエン酸で処理して、対応す
るクエン酸塩に変換する。得られる混合物を蒸発乾固し、残渣をエーテルと共に
約15時間撹拌して、クエン酸塩を得る。m.p.89〜93℃。
元素分析(C33H37NO9・0.5H2Oとして)
理論値:C67.34、H6.13、N2.25
実測値:C67.06、H6.41、N2.66
実施例4
1−[4−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ)ベンゾイル]−2−フェニルナ
フタレン・クエン酸塩の製造
米国特許No.4230862の記載に準じ標記生成物を製造する。30mlの
ジオキサンに、実施例3の記載に準じて製造した、3−フェニル−4−(4−メ
トキシベンゾイル)−1,2−ジヒドロナフタレン(1.90g、5.58ミリモ
ル)、および2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(2.0
0g、8.81ミリモル)を加える。得られる混合物を加熱還流し、窒素雰囲気下
で12時間還流する。次いで混合物を冷却し、蒸発乾固する。残渣をエーテルと
水間に分配する。有機画分を5N水酸化ナトリウム(20ml×5)で洗った後、塩
水で洗う。次いで混合物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発して1.9gの実
質上純粋な1−(4−メトキシベンゾイル)−2−フェニルナフタレンを得る。
実施例3の記載と実質的に同じ脱メチル化操作を用いて、上記生成物1.83
g(5.41ミリモル)をナトリウム・チオエトキシドで処理して、1.4gの1−
(4−ヒドロキシベンゾイル)−2−フェニルナフタレンを得る。
10mlのN,N−ジメチルホルムアミドに、1.25gの上記生成物を加える。
得られる混合物を約10℃にて、120mg(5.0ミリモル)の水素化ナトリウム
および800mgの1−クロロ−2−(ピロリジン−1−イル)エタンを含有する2
0mlのN,N−ジメチルホルムアミドの混合物に加える。生成する起泡の終了時
、混合物を80℃に加熱し、同温度で約3時間維持し、その間に塩化ナトリウム
が沈澱する。混合物を冷却し、蒸発乾固する。得られる残渣を水と酢酸エチル間
に分配する。有機画分を塩水(25ml×5)で洗う。有機画分を乾燥し、蒸発して
1.62gの1−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイル]−2
−フェニルナフタレンを黄色油状物で得る。
実施例3の方法に従い、0.811gのクエン酸水和物を用いて、上記遊離塩
基を対応するクエン酸塩に変換する。エーテル中の一夜静置により晶出する非晶
形固体の標記化合物を得る。
元素分析(C33H35NO9・H2Oとして)
理論値:C65.55、H5.90、N2.22
実測値:C66.90、H5.85、N2.25
実施例5
3−(4−メトキシフェニル)−4−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキ
シ]ベンゾイル]−1,2−ジヒドロナフタレン・クエン酸塩の製造
米国特許No.4230862の記載に準じ標記化合物を製造する。N,N−ジ
メチルホルムアミド(50ml)中の、鉱油を洗い落とした水素化ナトリウム(0.
269g、11ミリモル)、および1−クロロ−2−(ピペリジン−1−イル)エタ
ン(1.82g、12ミリモル)の懸濁液に、窒素雰囲気下0℃にて、20mlのN,
N−ジメチルホルムアミドに溶解した、実施例1の記載に準じ製造の4.0g(1
0ミリモル)の3−(4−メトキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシベンゾイル)
−1,2−ジヒドロナフタレンを加える。溶液を撹拌下で滴下する。起泡がほと
んどなくなったとき、混合物を50℃に加熱し、同温度で数時間維持する。反応
の進行を、薄層クロマトグラフィーで監視する。
反応が十分に進行してしまうと、N,N−ジメチルホルムアミドを蒸発せしめ
、濃縮混合物を氷水および酢酸エチル上に注ぐ。酢酸エチル画分を塩水で洗い、
炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発する。得られる油状物を1.5インチ×
12インチのシリカカラムにて、下記の二重勾配を用いるクロマトグラフィーに
付す。
(i)10%酢酸エチル/ベンゼン(500ml)→20%酢酸エチル/ベンゼン(
2L)
(ii)20%酢酸エチル/ベンゼン(1.5L)→メタノールおよび酢酸エチル(
1:1)混合物(1.5L)
適切画分を濃縮して、ほぼ無色の油状物を得る。油状物を酢酸エチルに溶解し
、酢酸エチル溶液を炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発して4.7gの遊離
塩
基の標記化合物を淡黄色油状物で得る。
この遊離塩基(3.4g、7.28ミリモル)を、約20mlの沸とうアセトン中
のクエン酸モノ水和物(1.49g、7.1ミリモル)で処理する。透明溶液が得
られると、アセトンを蒸発せしめ、300mlの無水エーテルを加え、得られる沈
澱物を一夜撹拌する。標記化合物(5.2g)を白色粉末で収集する。
元素分析(C37H41NO10として)
理論値:C67.36、H6.26、N2.12
実測値:C67.25、H5.96、N1.84
実施例6
3−(4−メトキシフェニル)−4−[4−(2−ジメチルアミノエトキシ)ベン
ゾイル]−1,2−ジヒドロナフタレン・クエン酸塩の製造
米国特許No.4230862の記載に準じ標記化合物を製造する。50mlの
アセトンに、4.0g(11.2ミリモル)の3−(4−メトキシフェニル)−4−(
4−ヒドロキシベンゾイル)−1,2−ジヒドロナフタレン(実施例1の記載に準
じ製造)、1.81g(16.8ミリモル)の1−クロロ−2−ジメチルアミノエタ
ン(塩酸塩から新たに製造)、および2.32g(16.8モル)の塩化カリウム微
粉末を加える。得られる混合物を撹拌しながら窒素下で約72時間還流する。反
応の進行を薄層クロマトグラフィーで監視する。
得られる混合物を氷上に注ぎ、得られる混合物をエーテルで抽出する。エーテ
ルを塩水で3回洗い、炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発して4.51gの
遊離塩基の標記化合物を褐色油状物で得る。
油状物を真空乾燥し、次いで50mlの温アセトン中の2.17g(10.4ミリ
モル)のクエン酸モノ水和物で処理して、クエン酸塩に変換する。アセトンの蒸
発および残渣とエーテルの撹拌により、5.2gの標記化合物を非晶形固体で得
る。
元素分析(C34H37NO10として)
理論値:C65.90、H6.02、N2.26
実測値:C66.17、H6.23、N2.37
実施例7
3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エト
キシ]ベンゾイル]−1,2−ジヒドロナフタレン・メシレート塩の製造
米国特許No.4230862の記載に準じ標記化合物を製造する。25mlの
メチルエチルケトンに、10g(2.92ミリモル)の3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−(4−ヒドロキシベンゾイル)−1,2−ジヒドロナフタレン、0.49
7g(2.92ミリモル)の1−クロロ−2−(ピロリジン−1−イル)エタン、お
よび1.21g(8.77ミリモル)の炭酸カリウム微粉末を加える。得られる混
合物を16時間還流する。次いで混合物を冷却し、水および酢酸エチルの混合物
に注ぐ。得られる混合物に1N塩酸を加えて酸性とし、次いで重炭酸ナトリウム
を加えてアルカリ性とする。
有機画分を塩水で洗い、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発して黄色油状物を
得る。得られる油状物をさらにクロマトグラフィーで精製する。遊離塩基(36
2mg、0.825ミリモル)を1当量のメタンスルホン酸/アセトンで処理して
メシレート塩に変換し、標記化合物を非晶形固体で得る。
元素分析(C31H37NO6Sとして)
理論値:C67.27、H6.21、N2.61
実測値:C67.25、H6.19、N2.69
実施例8
3−(4−メトキシフェニル)−4−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−1−
イル)ベンゾイル]−1,2−ジヒドロナフタレン・メシレート塩の製造
米国特許No.4230826の記載に準じ標記化合物を製造する。50mlの
メチルエチルケトンに、3.0g(8.43ミリモル)の3−(4−メトキシフェニ
ル)−4−(4−ヒドロキシベンゾイル)−1,2−ジヒドロナフタレン、1.84
g(9.27ミリモル)の1−クロロ−2−(ヘキサメチレンイミン−1−イル)エ
タン塩酸塩、および3.25g(25.3ミリモル)の炭酸カリウム微粉末を加え
る。混合物を48時間還流する。
次いで混合物を水に注ぎ、酢酸エチルを加える。得られる有機層を分離し、塩
水で洗い、乾燥し、蒸発して黄色油状物を得る。油状物をさらにクロマトグラフ
ィーで精製する。遊離塩基の標記化合物を淡黄色油状物で回収する(2.51g)
。油状物を10mlのアセトン中の0.431g(4.48ミリモル)のメタンスル
ホン酸で処理する。混合物を引掻き(scratching)および冷却すると、結晶が形成
する。混合物を一夜冷却し、1.97gの標記化合物を白色結晶で得る。m.p.
123〜125℃。
元素分析(C34H41NO6Sとして)
理論値:C68.61、H6.80、N2.42
実測値:C68.38、H6.62、N2.40
実施例9
米国特許No.4230862の記載に準じ標記化合物を製造する。150ml
のメチルエチルケトンに、7.8g(21.9ミリモル)の3−(4−メトキシフェ
ニル)−4−(4−ヒドロキシベンゾイル)−1,2−ジヒドロナフタレン、4.8
4g(23.6ミリモル)の1−クロロ−2−(ピペリジン−1−イル)エタン塩酸
塩、および14.5g(109ミリモル)の炭酸カリウムを加える。得られる混合
物を一夜還流する。
次いで混合物を水および酢酸エチルの混合物に注ぐ。得られる有機画分を分離
し、塩水で洗い、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧蒸発して遊離塩基の標記化
合物を黄色油状物で得る。
油状物を30mlのアセトンに溶解し、2.105g(21.9ミリモル)のメタ
ンスルホン酸で処理する。混合物を冷却し、引掻きを行い、−40℃で標記化合
物を収集し、約−60℃に冷却したアセトンおよびエーテルで十分に洗う。次い
で固体を100℃で真空乾燥して11.21gの標記化合物を白色結晶固体で得
る。m.p.157〜158℃。
元素分析(C33H39NO6Sとして)
理論値:C68.18、H6.62、N2.48
実測値:C68.11、H6.76、N2.50
実施例10
3−(4−メトキシフェニル)−4−(4−ジエチルアミノエトキシベンゾイル)
−1,2−ジヒドロナフタレン・メシレート塩の製造
75mlのメチルエチルケトンに、4.0g(11.2ミリモル)の3−(4−メト
キシフェニル)−4−(4−ヒドロキシベンゾイル)−1,2−ジヒドロナフタレン
、2.41g(14ミリモル)の1−クロロ−2−ジエチルアミノエタン塩酸塩、
および7.93g(56ミリモル)の炭酸カリウム微粉末を加える。混合物を一夜
還流し、実施例9の方法を用いて、5.67gの遊離塩基の標記化合物を黄色油
状物で得る。
油状物を約15mlのアセトン中の1.07g(11.2ミリモル)のメタンスル
ホン酸で処理する。得られる混合物を冷却しながら数日間維持した後、白色結晶
が生じる。結晶は少し吸湿性で、できるだけ早く収集し、真空乾燥する。4.3
gの標記化合物が白色結晶固体で得られる。
元素分析(C31H39NO6Sとして)
理論値:C67.24、H7.10、N2.53
実測値:C67.48、H6.92、N2.43
実施例11
3−(4−メトキシフェニル)−4−(4−ジイソプロピルアミノエトキシベン
ゾイル)−1,2−ジヒドロナフタレン・メシレート塩の製造
75mlのメチルエチルケトンに、3.84g(10.8ミリモル)の3−(4−メ
トキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシベンゾイル)−1,2−ジヒドロナフタ
レン、2.70g(13.5ミリモル)の1−クロロ−2−ジイソプロピルアミノ
エタン塩酸塩、および7.11g(54ミリモル)の炭酸カリウム微粉末を加える
。混合物を一夜還流せしめ、実施例9の操作に従ってワークアップを行い、5.
64gの遊離塩基の標記化合物を黄色油状物で得る。油状物を約25mlのアセト
ン中の1.04g(10.8ミリモル)のメタンスルホン酸で処理する。混合物を
冷却し、結晶がゆっくりと精製する。−60℃に冷却したアセトンの助けで、−
40℃にて結晶を収集する。生成物の真空乾燥により、5.1gを得る。
元素分析(C33H41NO6Sとして)
理論値:C68.37、H7.31、N2.42
実測値:C68.08、H6.91、N2.21
本質的に上述の実施例に記載と同様にして、以下に示す化合物を製造する。
実施例12
3−ヒドロキシ−4−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイ
ル]−1,2−ジヒドロナフタレン・ナトリウム塩
実施例13
2−(4−メトキシフェニル)−1−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキ
シ]ベンゾイル]ナフタレン・メシレート塩
実施例14
3−(4−メトキシフェニル)−4−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキ
シ]ベンゾイル]−7−メトキシ−1,2−ジヒドロナフタレン・メシレート塩
実施例15
3−(4−メトキシフェニル)−4−[4−[2−(ジメチルアミノエトキシ)ベン
ゾイル]−1,2−ジヒドロナフタレン・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパント
リカルボン酸塩
実施例16
3−(4−メトキシフェニル)−4−[4−[2−(N−メチル−1−ピロリジニ
ウム)エトキシ]ベンゾイル]−1,2−ジヒドロナフタレン・ヨージド塩
実施例17
3−(4−メトキシフェニル)−4−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキ
シ]ベンゾイル]−1,2−ジヒドロナフタレン・メシレート塩
C.インドール類、ベンゾフラン類およびベンゾチオフェン類の製造
米国特許No.4133814(1979年1月9日特許)、同No.44180
68(1983年11月29日特許)および同No.4380635(1983年4
月19日特許)の記載に準じ、本発明の方法で用いる、ベンゾフラン類、ベンゾ
チオフェン類およびインドール類を製造する。この方法は、メチル化した出発化
合物をアシル化し、次いで必要に応じて脱メチル化を行い、所望のジヒドロキシ
生成物を得る便利な方法を付与する。アシル化および脱メチル化は、単一反応混
合物にて連続工程で行ってよく、あるいは中間体を単離し、かつ脱メチル化工程
を別反応で行ってよい。
式:
のメチル保護化合物VIIは、以下の手順により最も容易に得られる。すなわち、
3−メトキシフェノールとα−ブロモ−4−メトキシアセトフェノンを強塩基の
存在下、比較的低い温度で反応させて、α−(3−メトキシフェノキシ)−4−メ
トキシアセトフェノンを形成し、次いで高温にてポリリン酸などの物質で閉環を
行い、式VIIの中間体化合物を得る。
本発明のアシル化はフリーデル・クラフツアシル化であり、通常の方法で、ア
シル化触媒として塩化アルミニウムまたは臭化アルミニウム(好ましくは塩化ア
ルミニウム)を用いて行なう。
アシル化は普通、溶媒中で行い、そして条件によってそれほど攻撃されない不
活性有機溶媒を使用しうる。たとえば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、クロロホルムなどのハロゲン化溶媒が使用されてよく、またベンゼン、クロ
ロベンゼンなどの芳香族溶媒も使用可能である。ハロゲン化溶媒、特にジクロロ
メタンの使用が好ましい。
トルエンは、フリーデル・クラフツアシル化で用いる条件下でむしろ容易にア
シル化され、そこで、トルエンを工程の早い段階で用いるとき、保護された出発
化合物からできるだけ完全にトルエンを除去して、アシル化剤の消耗を回避する
ことが重要であることがわかった。
アシル化は、約−30〜+100℃の温度で、好ましくは約15〜30℃範囲
のほぼ周囲温度で行ってよい。
アシル化剤は、式:
(式中、Raはクロロまたはブロモである)
の適当な安息香酸の活性体VIIIである。好ましいアシル化剤は、Raがクロロの
ものである。すなわち、最も好ましい個々のアシル化剤は、4−[2−(ピペリジ
ン−1−イル)エトキシ]ベンゾイルクロリド、4−[2−(ヘキサメチレンイミン
−1−イル)エトキシ]ベンゾイルクロリド、4−[2−(ピロリジン−1−イル)
エトキシ]ベンゾイルクロリド、4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]ベンゾイ
ルクロリド、4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]ベンゾイルクロリド、および
4−[2−(ジイソプロピルアミノ)エトキシ]ベンゾイルクロリドである。
アシル化剤として用いるアシルクロリドは、対応するカルボン酸から、チオニ
ルクロリドなどの代表的な塩素化剤と反応させることにより製造しうる。アシル
クロリドから過剰の塩素化剤を取除くよう、注意を払わなければならない。最も
便宜的には、アシルクロリドを現場で形成し、過剰の塩素化剤を減圧下で留去す
る。
一般的に、等モル量の化合物VIIと化合物VIIIを一緒に反応させることが好ま
しい。要すれば、反応体のいずれかを少し過剰に加えて、他方を十分に使い切る
ように確保することができる。一般に、アシル化剤を大過剰に、たとえば生成物
1モル当り約2〜12モル、好ましくは約5〜10モルの量で用いるのが好まし
い。
アシル化は急速である。経済上短い反応時間、たとえば約15分〜数時間は高
収量のアシル化中間体を付与する。必要ならば、長い反応時間も使用しうるが、
一般的に有利でない。通常通り、低い反応温度の使用は、比較的長い反応時間を
要する。
アシル化工程が終わると、メチオニンおよび式:
X1−S−Yα
(式中、X1は水素または非分枝状C1−C4アルキル、およびYαはC1−C4ア
ルキルまたはフェニルである)
の化合物からなる群から選ばれるイオウ化合物を加えて、任意の脱メチル化工程
を始める。イオウ化合物は、好ましくは、アルキルチオール類、たとえばメタン
チオール、エタンチオール、イソプロパンチオール、ブタンチオール等;ジアル
キルスルフィド類、たとえばジエチルスルフィド、エチルプロピルスルフィド、
ブチルイソプロピルスルフィド、ジメチルスルフィド、メチルエチルスルフィド
等;ベンゼンチオール;メチオニン;およびアルキルフェニルスルフィド類、たと
えばメチルフェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、ブチルフェニルス
ルフィド等である。
出発ベンゾフラン1モル当り約4〜10モル範囲の、かなり過剰のイオウ化合
物を用いるときに、脱メチル化は最も効率的であることがわかった。この方法は
、たとえ効率が低くても、少量のイオウ化合物(出発化合物1モル当り約2〜3
モルの範囲)を用いて実施してもよい。また、少量のイオウ化合物を用い、かつ
約1〜3モルのアルカリ金属ハライド、たとえばナトリウム,カリウムもしくは
リチウムのクロリド,ブロミドもしくはヨージドの添加で収量を改善することも
可能である。
脱メチル化反応は、約15〜30℃範囲のほぼ周囲温度で十分に進行し、そし
てこのような操作が好ましい。しかしながら、望まれるならば、約−30〜+5
0℃範囲の温度で脱メチル化を行ってもよい。約1時間程度の短い反応時間で十
分であることがわかった。
生成物を脱メチル化した後、回収し、通常の方法で単離する。一般に、水を加
えてアシル化触媒の錯体を分解する。希水性酸の添加が有利である。多くの場合
生成物は沈澱するが、あるいは生成物を通常の方法に従って有機溶剤で抽出して
もよい。以下に具体例を挙げて、単離について詳しく説明する。
別の方法において、式:
の中間体化合物IXは、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒドと1−(
4−メトキシフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エタノンを、本質的に製
造3aの記載と同様に反応させることによって合成される。この反応には通常、
等モル量の2つの反応体を用いるが、他の割合も実用的である。反応は、酸の存
在下、非反応性溶媒、たとえば酢酸エチル、クロロホルム等中で行なう。特に無
水塩化水素を吹き込むことによって生じる、塩化水素酸が特別好ましい酸である
。非極性溶媒に通常、低級アルキルアルコールを加えて、現場で多くの塩化水素
酸が生じるようにし、この場合、エタノールおよびメタノールが特に好ましい。
反応は、周囲温度から混合物の還流温度までの温度で行なう。この反応は、式:
の化合物Xまたは塩化水素酸を用いない場合の当量アニオンの合成をもたらし、
次いで過酸化水素を加えて、式IXの化合物に酸化する。式Xの中間体は、単離し
てもよく、あるいは好ましくは同じ反応容器で化合物IXに変換してもよい。
次いで化合物IXを、本質的に製造4aの記載と同様に選択的に脱メチル化に付
して、式:
の化合物IXを得る。次いで、ヒドロキシ基の水素をアルキルまたはハライドで置
換することにより、式Iの化合物のエーテルを製造する。
“A”が−N(R11)−に匹敵する式Iの化合物は、本質的に上記置換ベンゾフ
ラン類と同じ方法で製造される。下記の実施例33は、本発明の置換インドール
類を合成する1つの記録を付与する。
“A”が−S(O)m−に匹敵する式Iの化合物は、本質的に上記置換ベンゾフ
ラン類と同じ方法で製造される。以下の実施例は、これらのベンゾチオフェン類
およびその酸化誘導体の幾つかの実例を付与する。
mが1または2である式Iの化合物は、mが0である対応するベンゾチオフェン
の酸化によって製造しうる。酸化は、ベンゾチオフェンを酸化剤、たとえばm−
クロロ過安息香酸等と、スルホキシド基の形成を成すのに十分な時間にわたって
処理することにより、実施することができる。酸化反応の進行は、薄層クロマト
グラフィー法で監視しうる。
本発明の方法で用いる化合物は、広範囲の種々の有機および無機酸および塩基
と共に、医薬的に許容しうる酸および塩基付加塩を形成し、および医薬化学で使
用することが多い生理的に許容しうる塩を包含する。また、かかる塩も本発明の
一部を構成する。かかる塩の形成に用いる代表的な無機酸としては、塩酸、臭酸
、ヨウ酸、硝酸、硫酸、リン酸、次リン酸等が挙げられる。有機酸、たとえば脂
肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸
およびヒドロキシアルカンジ酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸から
誘導される塩も使用しうる。すなわち、かかる医薬的に許容しうる塩としては、
酢
酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、アスコルビン酸塩
、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩
、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、O−アセトキシ安息香酸塩、ナフタ
レン−2−安息香酸塩、ブロミド、イソブチレート、フェニルブチレート、β−
ヒドロキシブチレート、ブチン−1,4−ジカルボキシレート、ヘキシン−1,4
−ジカルボキシレート、カプレート、カプリレート、シンナメート、クエン酸塩
、ホルメート、フマレート、グリコレート、ヘプタノエート、馬尿酸塩、塩酸塩
、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、
マンデル酸塩、メシレート(メタンスルホン酸塩)、ニコチン酸塩、イソニコチン
酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、フタレート、テトラフタレート、リン酸塩、一水素
リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、プロピオレート、プ
ロピオネート、フェニルプロピオネート、サリチル酸塩、セバケート、コハク酸
塩、スベレート、硫酸塩、重硫酸塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、スル
ホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベ
ンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩
、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スル
ホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酒石酸塩等が挙
げられる。好ましい塩は、塩酸塩である。
医薬的に許容しうる酸付加塩はたとえば、化合物Iを等モルまたは過剰量の酸
と反応させることによって形成される。これらの反応体は一般に、相互溶剤、た
とえばジエチルエーテルまたはベンゼン中でコンバインする。かかる塩は普通、
約1時間〜10日間以内で溶液から析出し、濾過で単離することができ、あるい
は溶剤を通常の方法でストリッピングすることができる。
塩の形成に普通に用いられる塩基としては、水酸化アンモニウムおよび水酸化
および炭酸アルカリおよびアルカリ土類金属、並びに脂肪族および芳香族アミン
、脂肪族ジアミンおよびヒドロキシアルキルアミンが挙げられる。付加塩の製造
に特に有用な塩基としては、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、水酸化カルシ
ウム、メチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、シクロヘキシルアミ
ン
およびエタノールアミンが挙げられる。
医薬的に許容しうる塩は頻繁に、それらが誘導される化合物と比較して、高い
溶解性特性を有し、従って、液体あるいはエマルジョンの配合物に受け入れられ
ることが少なくない。
実施例
下記実験は、本発明に用いたベンゾフラン、ベンゾチオフェンおよびインドー
ルの調製を示す。合成プロトコールに続く「NMR」、「IR」または「MS」
なる語は、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルまたは質量スペクトル分
析を行ったこと、およびそれが標記生成物と一致したことを示す。
調製例1a
2−(3−メトキシフェノキシ)−1−(4−メトキシフェノキシ)エタノンの
合成
冷却器および窒素吸入口を設置した1リットル容丸底フラスコに、100ml
の2−ブタノン中の3−メトキシフェノール(12.4g、0.1モル)、4−メ
トキシフェナシルブロマイド(22.9g、0.1モル)、炭酸カリウム(17.
3g、0.125モル)を加えた。この混合物を80℃に加熱し、この温度で約
4時間保持した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、9:1ト
ルエン:酢酸エチル)によりモニターした。
80℃で4時間保持した後、反応混合物を冷却し、反応混合物を水を加えて分
配した。有機相を除去し、水性相を2−ブタノンで洗浄した。ついで有機相をコ
ンバインし、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を真空下で除去して31.1gの
黄色の油状物を得た。この黄色の油状物をクロマトグラフィーによりさらに精製
し、ついで所望の生成物を含有するフラクションを結晶化した。結晶化のフラク
ションをすべてコンバインし、ついで80mlの熱エタノール中に溶解した。つ
いで15mlの熱水を加え、生成物を結晶化させ、ついでエタノール/水の混合
物で洗浄して所望の標記生成物(19.1g、70%)を得た。融点52.5〜5
3.5℃。
元素分析値(C15H16O4として)
計算値:C68.08、H5.71、N2.84
実測値:C67.86、H5.51、N2.88
調製例2a
2−メトキシフェニル−6−メトキシベンゾフラン
調製例1aの生成物の結晶化は、本質的にゴールデンバーグ(C.Goldenberg
)らのChimie Therapeutique、398〜411(1973)の記載に従って行
った。500ml容の3つ首丸底フラスコにて200mlのキシレンにポリリン
酸(30g)を加えた。ついで、この混合物を120℃に加熱した。ついで、こ
の加熱混合物に、上記に従って調製した2−(3−メトキシフェノキシ)−1−
(4−メトキシフェノキシ)エタノン(10g、0.037モル)を加え、温度
を約170℃に上げ、この温度で約8時間保持した。ついで、この反応混合物を
冷却し、水を加えた。
暗色の水性相を黄色の有機相から分離した。有機相を水洗し、炭酸ナトリウム
水溶液で洗浄し、ついで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を真空除去して
黄−オレンジ色の固体を得た。この生成物を最少量の熱アセトンから再結晶し、
エタノールおよび水を加えた。残留アセトンを沸騰して除いた。室温に冷却して
白色結晶(2.09g、22%収率)を得た。融点158℃。
元素分析値(C16H14O3として)
計算値:C75.58、H5.55、O18.88
実測値:C75.33、H5.67、O18.62
調製例3a
2−(4−メトキシフェニル)−3−(4−メトキシベンゾイル)−6−メトキ
シベンゾフラン
250ml容の3つ首丸底フラスコに、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズ
アルデヒド(10g、65.7ミリモル)、1−(4−メトキシフェニル)−2
−(4−メトキシフェニル)エタノン(16g、62.6ミリモル)、酢酸エチ
ル(100ml)およびエタノール(25ml)を加えた。ついで、すべての出
発物質が溶解するまで反応混合物を約45℃に温めた。ついで、塩化水素ガスを
約30分間泡立てると鮮やかな赤の発色が得られた。ついで反応液を室温にて約
2時間保持し、この時点で溶媒を真空下で除去して明るい赤色の油状物を得た。
この赤色の油状物を180mlのメタノール中に溶解し、20%硫酸(30m
l)を撹拌および冷却しながら加えた。過酸化水素を滴下し、混合物を約30分
間撹拌した。反応混合物に飽和塩化ナトリウム溶液(500ml)および酢酸エ
チル(300ml)を加え、有機相を除去した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶
液で洗浄し、乾燥し、溶媒を真空除去して赤みがかった褐色の油状物(25g)
を得、これをさらにクロマトグラフィーにより精製して標記生成物(1.25g
)を黄色の油状物として得た。融点106〜109℃。
元素分析値(C24H20O5として)
計算値:C74.21、H5.19、O20.60
実測値:C74.07、H5.22、O20.38
調製例4a
2−(4−メトキシフェニル)−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)−6−メト
キシベンゾフラン
窒素雰囲気下で氷浴中に冷却した3つ首丸底フラスコ中、エタンチオール(0
.95ml、1.288ミリモル)を10mlの無水N,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解した。この溶液にn−ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6M溶液を0.
60ml、0.966ミリモル)を加え、ついで上記調製例3の記載に従って調
製した2−(4−メトキシフェニル)−3−(4−メトキシベンゾイル)−6−
メトキシベンゾフラン(250mg、0.644ミリモル)を加えた。ついで反
応混合物を80℃に加熱し、この温度で約16時間保持した。
ついで反応混合物を1N塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。ついで有機相
を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒
を真空除去した。得られた所望の生成物をさらにカラムクロマトグラフィーによ
り精製した。ついで生成物をメタノールから結晶化させて130mg(81%)
の所望の生成物を得た。融点148〜149℃。
元素分析値(C23H18O5として)
計算値:C73.79、H4.85、O21.37
実測値:C73.68、H5.12、O21.17
実施例18
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エ
トキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランの合成
方法A:ベンゾフランのアシル化
4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイルクロライド(0.
562g、1.96ミリモル)をエチレンクロライド(20ml)に加え、つい
で上記調製例2aの記載に従って調製した2−メトキシフェニル−6−メトキシ
ベンゾフラン(0.500g、1.96ミリモル)を加えた。この混合物を、三塩
化アルミニウム(1.96g、14.7ミリモル)を加えながら室温にて撹拌した
。ついで、この反応混合物を一夜撹拌した。
ついで反応混合物を氷上に注ぎ、温かいクロロホルム(3×50ml)で抽出
した。クロロホルムを蒸発して除いた。ついで炭酸ナトリウム、水および酢酸エ
チルを加え、有機相を除去し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空除去し
て黄色の油状物を得た。この黄色の油状物をクロマトグラフィーにかけて、得ら
れた所望の生成物をさらに精製した。NMR、IR、MS。
元素分析値(C30H31NO5として)
計算値:C74.21、H6.44、N2.88、O16.47
実測値:C74.11、H6.71、N2.75、O16.57
方法B:2−(4−メトキシフェニル)−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)−
6−メトキシベンゾフランのアルキル化
500ml容の丸底フラスコ中の無水N,N−ジメチルホルムアミド(100
ml)中に、上記調製例4aの記載に従って調製した2−(4−メトキシフェニ
ル)−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)−6−メトキシベンゾフラン(10.
50g、28ミリモル)および炭酸ナトリウム(6.20g、34ミリモル)を
加えた。この混合物を100℃に加熱し、ついで2−(ピペリジン−1−イル)
エチルクロライド(6.20g、34ミリモル)を徐々に加えた。反応混合物を
100℃にて約1時間保持した。
N,N−ジメチルホルムアミドを蒸発させ、残渣を酢酸エチルおよび水中に溶
解した。酢酸エチル層を除去し、水性相をさらに酢酸エチルで洗浄した。有機フ
ラクションをコンバインし、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を真空除去して黄
色の油状物(13.3g)を得、これを放置すると結晶化した。得られた生成物
を濾過する前に−30℃に冷却したメタノールから再結晶させて所望の生成物(
11.4g、84%)を薄黄色の結晶として得た。融点87〜89℃。
元素分析値(C30H31NO5として)
計算値:C74.21、H6.44、N2.88、O16.47
実測値:C74.31、H6.34、N2.63、O16.47
実施例19
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)
エトキシ]ベンゾイル]−6−ヒドロキシベンゾフランの合成
標記生成物を、上記実施例1aの生成物である2−(4−メトキシフェニル)
−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイル]−6−メ
トキシベンゾフランの脱メチル化により調製した。250ml容の3つ首丸底フ
ラスコ中で、エチレンクロライド(50ml)および三塩化アルミニウム(9.
60g、72ミリモル)およびエタンチオール(6.39g、103ミリモル)
を混合して薄黄色の液体とした。ついで、この液体に実施例1aの生成物(5.
00g、10.3ミリモル)を少しずつ加えた。赤色の油状物が沈殿し、混合物
を約20分間撹拌した。氷浴中で反応混合物を冷却した後、100mlのテトラ
ヒドロフランを加え、すべての油状物が溶解するまで混合物を撹拌した。
ついで、反応混合物を氷上(200ml)に注ぎ、水(500ml)および濃
塩酸(10ml)を加えた。沈殿した油状物をデカントすることにより液体から
分離した。この液体をクロロホルム(温、2×300ml)で抽出した。油状物
を酢酸エチル、クロロホルム、重炭酸ナトリウムおよび少量の水酸化ナトリウム
と混合して溶解した。クロロホルム抽出物および溶解した油状物を分別漏斗に移
し、重炭酸ナトリウムで洗浄した。ついで有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、
溶媒を蒸発により除去して黄色の泡を得、これを高速液体クロマトグラフィーに
よりさらに精製した。NMR、IR、MS。
元素分析値(C28H27NO5として)
計算値:C73.51、H5.95、N3.06
実測値:C70.45、H6.34、N4.02
実施例20
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エ
トキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフラン塩酸塩の合成
標記化合物は、方法Aの合成において4−[2−(ピペリジン−1−イル)エ
トキシ]ベンゾイルクロライドの代わりに4−[2−(ピロリジン−1−イル)
エトキシ]ベンゾイルクロライドを用いるか、または方法Bにおいて2−(ピペ
リジン−1−イル)エチルクロライドの代わりに2−(ピロリジン−1−イル)
エチルクロライドを用いる他は本質的に実施例18の化合物の調製と同様にして
調製する。
実施例21
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)
エトキシ]ベンゾイル]−6−ヒドロキシベンゾフラン塩酸塩の合成
標記化合物は、2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジ
ン−1−イル)エトキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランの代わりに
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エ
トキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランを用いる他は本質的に実施例
19の記載と同様にして調製する。NMR、IR、MS。
元素分析値(C27H26NO5Clとして)
計算値:C67.57、H5.46、N2.92
実測値:C67.84、H5.56、N2.87
実施例22
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ
]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランの合成
標記化合物の調製を、200mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解し
た上記調製例4aの化合物、2−(4−メトキシフェニル)−3−(4−ヒドロ
キシベンゾイル)−6−メトキシベンゾフラン(10g、26.7ミリモル)を
等モル量の2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルクロライド(6.4g、32ミ
リモル)および炭酸カリウム(11.06g、80.2ミリモル)と反応させるこ
とにより行った。この混合物を100℃に加熱し、この温度で約2時間保持した
。ついで反応混合物を室温に冷却し、撹拌しながらこの温度に一夜保持した。
ついで、溶媒を蒸発により除去し、残渣を酢酸エチルにて水から抽出し、飽和
塩化ナトリウム溶液で2回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒
を真空除去した。得られた物質をヘキサンから結晶化し、メタノール中で再結晶
させた。NMR、IR、MS。
元素分析値(C29H31NO5として)
計算値:C73.55、H6.60、N2.96
実測値:C73.29、H6.50、N2.84
実施例23
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−(ジエチルアミノ)エトキ
シ]ベンゾイル]−6−ヒドロキシベンゾフラン塩酸塩の合成
標記化合物の調製は、脱メチル化すべき出発物質として実施例5の化合物、2
−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]
ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランを用いる他は上記実施例19の記載と
本質的に同様にして行った。NMR、IR、MS。
元素分析値(C27H28NO5Clとして)
計算値:C67.29、H5.86、N2.91
実測値:C67.54、H5.64、N2.92
実施例24
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ジイソプロピルアミノ)エ
トキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランの合成
標記化合物の調製を、200mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解し
た上記調製例4aの化合物、2−(4−メトキシフェニル)−3−(4−ヒドロ
キシベンゾイル)−6−メトキシベンゾフラン(10g、26.7ミリモル)を
等モル量の2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)エチルクロライド(6.4g、
32ミリモル)および炭酸カリウム(11.06g、80.2ミリモル)と反応さ
せることにより行った。この混合物を100℃に加熱し、この温度で約2時間保
持した。ついで反応混合物を室温に冷却し、撹拌しながらこの温度に一夜保持し
た。
ついで、溶媒を蒸発により除去し、残渣を酢酸エチルにて水から抽出し、飽和
塩化ナトリウム溶液で2回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒
を真空除去した。得られた物質をヘキサンから結晶化し、メタノール中で再結晶
させた。NMR、IR、MS。
元素分析値(C33H39NO5として)
計算値:C74.83、H7.42、N2.64
実測値:C74.68、H7.14、N2.76
実施例25
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−(ジイソプロピルアミノ)
エトキシ]ベンゾイル]−6−ヒドロキシベンゾフラン塩酸塩の合成
標記化合物の調製は、脱メチル化すべき出発物質として実施例24の化合物、
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ジイソプロピルアミノ)エ
トキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランを用いる他は上記実施例19
の記載と本質的に同様にして行った。NMR、IR、MS。
元素分析値(C29H32NO5Clとして)
計算値:C68.29、H6.32、N2.75
実測値:C68.53、H6.49、N2.74
実施例26
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ
]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランの合成
標記化合物の調製は、2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)エチルクロライ
ドの代わりに2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルクロライドを2−(4−メ
トキシフェニル)−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)−6−メトキシベンゾフ
ランと反応させる他は上記実施例24の記載と本質的に同様にして行った。NM
R、IR、MS。
元素分析値(C27H27NO5として)
計算値:C72.79、H6.11、N3.14
実測値:C72.51、H6.27、N3.10
実施例27
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−(ジメチルアミノ)エトキ
シ]ベンゾイル]−6−ヒドロキシベンゾフランの合成
標記化合物の調製は、脱メチル化すべき出発物質として実施例26の化合物、
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ
]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランを用いる他は上記実施例19の記載
と本質的に同様にして行った。NMR、IR、MS。
元素分析値(C25H23NO5として)
計算値:C71.93、H5.55、N3.36
実測値:C70.69、H5.51、N3.16
実施例28
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−1
−イル)エトキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランの合成
標記化合物の調製は、2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)エチルクロライ
ドの代わりに2−(ヘキサメチレンイミン−1−イル)エチルクロライドを2−
(4−メトキシフェニル)−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)−6−メトキシ
ベンゾフランと反応させる他は上記実施例24の記載と本質的に同様にして行っ
た。NMR、IR、MS。
元素分析値(C31H33NO5として)
計算値:C74.53、H6.66、N2.80
実測値:C74.69、H6.70、N2.75
実施例29
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−
1−イル)エトキシ]ベンゾイル]−6−ヒドロキシベンゾフラン塩酸塩の合成
標記化合物の調製は、脱メチル化すべき出発物質として実施例28の化合物、
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−1
−イル)エトキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾフランを用いる他は上記
実施例19の記載と本質的に同様にして行った。NMR、IR、MS。
元素分析値(C29H30ClNO5として)
計算値:C68.57、H5.95、N2.76
実測値:C67.28、H6.13、N2.66
実施例30
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)
エトキシ]ベンゾイル]−6−ヒドロキシベンゾフラン塩酸塩の合成
標記化合物の調製を、実施例19の化合物、2−(4−ヒドロキシフェニル)
−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイル]−6−ヒ
ドロキシベンゾフラン(3.1g、6.8ミリモル)をメタノール(15ml)中
に溶解し、過剰の3%塩酸(メタノール中)で処理することにより行った。つい
で、沸騰させて容積を15mlまで減少させた。ついで温かい水(20ml)を
加え、反応混合物をさらに温めて清澄化した。ついで反応混合物を濾過し、0℃
に徐々に冷却し、この温度で反応混合物を約1時間保持した。析出した結晶を濾
取し、冷水で洗浄した。得られた薄黄色の結晶を一夜乾燥させて所望の標記生成
物(2.82g、84%)を得た。融点213〜215℃。NMR、IR、MS
。
元素分析値(C28H28NO5Clとして)
計算値:C68.08、H5.71、N2.84、O16.19
実測値:C67.86、H5.51、N2.88、O15.93実施例31
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)
エトキシ]ベンゾイル]ベンゾフラン塩酸塩の合成
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル
)エトキシ]ベンゾイル]ベンゾフランの調製は、調製例2aに記載した合成に
おいて出発物質として3−メトキシフェノールの代わりにフェノールを用いる他
は本質的に実施例19の記載と同様にして行った。この置換ベンゾフランの塩酸
塩の調製は、本質的に実施例30の記載と同様にして行った。NMR、IR、M
S。
元素分析値(C28H28NO4Clとして)
計算値:C70.36、H5.91、N2.93
実測値:C70.46、H5.84、N2.84
実施例32
2−フェニル−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイ
ル]−6−ヒドロキシベンゾフラン塩酸塩の合成
2−フェニル−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾ
イル]−6−ヒドロキシベンゾフランの調製は、調製例1aに記載した合成にお
いて出発物質として4−メトキシフェナシルブロマイドの代わりにフェナシルブ
ロマイド(α−ブロモアセトフェノンとしても知られる)を用いる他は本質的に
実施例19の記載と同様にして行った。この置換ベンゾフランの塩酸塩の調製は
、本質的に実施例30の記載と同様にして行った。NMR、IR、MS。
元素分析値(C28H28NO4Clとして)
計算値:C70.36、H5.90、N2.93
実測値:C70.39、H6.01、N2.91
実施例33
1−エチル−2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−
1−イル)エトキシ]ベンゾイル]−6−ヒドロキシインドール塩酸塩の合成
0℃に冷却しておいた3リットル容の3つ首丸底フラスコ中の814mlの濃
塩酸に、3−メトキシアニリン(99.26g、0.806モル)を加えた。24
9mlの水中に溶解した亜硝酸ナトリウム(55.61g、0.806モル)を該
3−メトキシアニリン溶液に反応温度が0℃を越えないような速度にて滴下した
。ついで、この混合物を約90分間撹拌した。
497mlの濃塩酸中に溶解した塩化第一スズ(545.57g、2.418モ
ル)を反応混合物に反応温度が5℃を越えないような速度にて滴下した。ついで
、
塩化第一スズの添加完了後、この混合物を約2時間撹拌すると、濃くてベージュ
色で白亜質の乳濁液が生成した。固形分を濾去し、1リットルの水中に一夜貯蔵
し、ついで水酸化ナトリウムの25%溶液で塩基性にした。この水溶液をジエチ
ルエーテル(3×1リットル)で抽出し、ついで硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を真空除去すると褐色の油状物の3−メトキシフェニルヒドラジン(76.3
g、69%収率)が得られた。
上記で調製した3−メトキシフェニルヒドラジン(76.3g、0.552モル
)を400mlのエタノール中に溶解した。この混合物にp−メトキシアセトフ
ェノン(82.80g、0.552モル)を加え、ついで約6滴の塩酸を加えた。
ついで、この混合物を窒素雰囲気下で約7時間撹拌し、ついで4℃にて約4日間
貯蔵した。
ついで、得られた白色固体を真空濾過により懸濁液から除去し、ついで真空下
で乾燥させて下記式で示される135.2g(91%収率)の[(3−メトキシ
フェニル)ヒドラゾノ]−1−メチル−4−メトキシベンジリデンを薄灰色の固
体として得た。
塩化亜鉛(66.5g、0.49モル)を窒素雰囲気下、3つ首丸底フラスコに
加えた。ついでフラスコとその内容物を200℃に加熱し、このときに上記で調
製したヒドラゾン(26.4g、0.098モル)を加えた。混合物を約17分間
撹拌すると褐色のタールが生成し、若干のガスが発生した。ついで、この褐色の
タールを2リットルの0.075N塩酸中に注ぎ、この混合物を約48時間撹拌
すると黄色の固体が生成した。
この固体を濾去し、ついでメタノールから再結晶した。固形分を再び濾去し、
溶媒を真空除去して所望の2−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシインド
ール(5.50g、22%収率)を白色結晶生成物として得た。
上記2−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシインドール(2.0g、8
ミリモル)を40mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した。この溶液
を10mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の水素化ナトリウム(0.48g、
12ミリモル)の溶液に滴下した。ついで、この反応混合物を室温にて1時間撹
拌し、この時点でN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中のヨウ化エチル
(1.9g、12ミリモル)の溶液を5分間かけて滴下した。ついで、この混合
物を室温で約2時間撹拌した。
メタノールを加えて反応を停止させた。溶媒の容積を真空下で減少して褐色の
油状物を得た。この油状物をクロロホルムで希釈し、5N水酸化ナトリウム(3
×75ml)で洗浄し、ついで水洗した(2×200ml)。有機相を硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶媒を真空除去して所望の中間体1−エチル−2−(4−メト
キシフェニル)−6−メトキシインドール(2.3g)を白色結晶として得た。
上記中間体の3−位におけるアシル化を、まず0℃に冷却した100ml容フ
ラスコにN,N−ジメチル−4−メトキシベンズアミド(1.43g、8ミリモル
)を入れることにより行った。ついで、これにオキシ塩化リン(6.1g、40
ミリモル)を反応温度が20℃を越えないような速度にて滴下した。反応混合物
を室温に温め、約30分間撹拌した。ついで反応混合物を0℃に冷却し、上記で
調製した1−エチル−2−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシインドール
(1.5g、5.33ミリモル)を加え、ついで反応混合物を70℃に加熱し、こ
の温度で約3時間保持した。
このインキュベーションの後、反応混合物を氷上に注ぎ、水で希釈した。層を
分離し、有機相を水洗した(150ml)。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、
溶媒を真空除去して暗褐色/黒色の油状物を得た。この油状物を50mlのメタ
ノール中に取り、0℃に冷却した。ついで、この溶液を2N水酸化ナトリウム(
50ml)を滴下することにより塩基性にした。ついで混合物を約5分間加熱還
流し、ついで4℃にて一夜冷却した。
ついで沈殿を濾去し、メタノールから再結晶すると中間体、1−エチル−2−
(4−メトキシフェニル)−3−(4−メトキシベンゾイル)−6−メトキシイ
ンドール(2.21g、86%収率)を黄色の沈殿として得た。
ついで上記中間体(2.1g、5.05ミリモル)をN,N−ジメチルホルムア
ミド(12ml)中のナトリウムチオエトキシド(0.85g、10.11ミリモ
ル)と混合した。ついで反応混合物を85℃に加熱し、この温度に約6時間保持
した。ついで所望の中間体、1−エチル−2−(4−メトキシフェニル)−3−
(4−ヒドロキシベンゾイル)−6−メトキシインドールを酢酸エチルから再結
晶した。
ついで、この中間体を炭酸セシウム(3.26g、10ミリモル)の存在下で
N,N−ジメチルホルムアミド(60ml)中の2−(ピペリジン−1−イル)
エチルクロライド(1.38g、7.5ミリモル)と反応させた。この混合物を8
0℃に加熱し、この温度で約2時間保持した。
得られた沈殿を濾取し、ついでクロロホルム中に取り、2N水酸化ナトリウム
(3×125ml)および水(3×100ml)で洗浄した。ついで有機フラク
ションを硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空除去して1−エチル−2−(4−
メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]ベ
ンゾイル]−6−メトキシインドール(2.05g、95%収率)を灰色の泡と
して得た。
この中間体(1.0g、1.82ミリモル)をジクロロメタン(10ml)中に
溶解し、0℃に冷却した。ついで、この混合物にルイス酸アルミニウムクロライ
ド(1.2g、9ミリモル)を加え、ついで反応混合物を5分間撹拌した。つい
でエタノール(3ml)を加え、反応混合物を氷上で約15分間撹拌した。反応
混合物の温度を徐々に還流温度に上げ、還流温度にて約1.5時間保持した。
ついで反応混合物を0℃に冷却し、この温度をテトラヒドロフラン(5ml)
を加えながら保持した。ついで、この混合物に水中の20%塩酸(5ml)を加
え、反応混合物を0℃に冷却し、この温度で5mlの水を加えると黄色のゴム状
物が生成した。ついで、この懸濁液を−40℃に置き、この温度で約48時間保
持した後、灰色がかった物質を混合物から濾去した。薄層クロマトグラフィーに
よって該物質が所望の標記生成物であると確認した。NMR、IR。
元素分析値(C30H33ClN2O4として)
計算値:C69.15、H6.38、N5.38
実測値:C69.09、H6.43、N5.53
実施例34
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[3−(ピペリジン−1−イル)
プロポキシ]ベンゾイル]−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン塩酸塩の合
成
標記化合物の調製は、4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾ
イルクロライドの代わりに4−[3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ]ベ
ンゾイルクロライドを用いて置換ベンゾ[b]チオフェンをアシル化した他は本
質的に米国特許第4,380,635号(参照のため本明細書中に引用する)の記
載に従って行った。
実施例35
2−フェニル−3−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイ
ル]ベンゾ[b]チオフェンの合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例36
2−フェニル−3−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイ
ル]−6−メトキシベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例37
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エ
トキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例38
2−(4−エトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エ
トキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例39
2−(4−アセトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)
エトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例40
2−フェニル−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイ
ル]ベンゾ[b]チオフェンの合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例41
2−フェニル−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾイ
ル]−6−メトキシベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例42
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エ
トキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例43
2−(4−エトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エ
トキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例44
2−(4−アセトキシフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)
エトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例45
2−(4−ペンタノイルフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル
)
エトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物(2−(4−バレリルフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン
−1−イル)エトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩として
も知られる)を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例46
2−(4−クロロフェニル)−3−[4−[2−(ピペリジン−1−イル)エト
キシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例47
2−フェニル−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−1−イル)エトキシ
]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンの合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例48
2−フェニル−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−1−イル)エトキシ
]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例49
2−(4−メトキシフェニル)−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−1
−イル)エトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例50
2−(4−エトキシフェニル)−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−1
−イル)エトキシ]ベンゾイル]−6−メトキシベンゾ[b]チオフェンクエン
酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例51
2−(4−アセトキシフェニル)−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−
1−イル)エトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の合成
標記化合物を米国特許第4,133,814号(参照のため本明細書中に引用す
る)の記載に従って調製した。
実施例52
2−(4−ペンタノイルフェニル)−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−
1−イル)エトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の製造
標記化合物は、2−(4−バレリルフェニル)−3−[4−[2−(ヘキサメチレ
ンイミン−1−イル)エトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩とし
ても知られ、ここに引用する米国特許第4133814号に記載の方法で製造し
た。
実施例53
2−(4−クロロフェニル)−3−[4−[2−(ヘキサメチレンイミン−1−イ
ル)エトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンクエン酸塩の製造
上記化合物をここに引用する米国特許第4133814号に記載の方法で製造
した。
実施例54
2−(4−クロロフェニル)−(3−[4−[2−(ピペラジン−1−イル)エトキ
シ]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン−1−オキシドの製造
標記化合物をここに引用する米国特許第4133814号に記載の方法で製造
した。
実施例55
2−(4−クロロフェニル)−3−[4−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ
]ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン−1−オキシドの製造
標記化合物をここに引用する米国特許第4133814号に記載の方法で製造
した。
本発明の方法で用いられる、RまたはR1が−OSO2−(C1−C10アルキル)
または−OCONH−R3の化合物は、1994年9月28日付公開の欧州特許
出願第617030号に記載の方法に基本的にしたがって製造された。本発明の
方法で用いられるR1およびRの少なくとも1つが−OSO2−(C1−C10アルキ
ル)である化合物は、一般に、式II:
の化合物を式IIa:
(式中、X1は離脱基、好ましくはクロロまたはブロモ)
のアルキルスルホニルと反応させて製造される。この反応は、通常、4−ジメチ
ルアミノピリジン(DMAP)のようなカップリング触媒の存在下に塩基性下で行
なわれる。最も好ましい溶媒は、低級アルキルアミン類、とくにトリエチルアミ
ンを含む。チオエステル形成反応は、2つの反応剤を等モル比で行なわれ得るが
、通常、反応を完結させるためにアルキルスルホニル化合物を2〜3モル過剰に
用いるのが好ましい。
本発明のこれらの化合物の製造例を以下に示すが、これらに限定されるもので
はない。
実施例56
[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n-ブチルスルホノイル)フェニル]
ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]
メタノンの製造
乾燥テトラヒドロフラン(250ml)中に[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エト
キシフェニル]メタノン塩酸塩(5.1g、10ミリモル)を懸濁させ、トリエチル
アミン7.1g(70ミリモル)を加えた。その反応混合物を氷浴中で0℃に冷却し
、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)10mgを加え、ついでn−ブチルスル
ホニルクロリド(4.7g、30ミリモル)をゆっくり加えた。この反応混合物を窒
素雰囲気下に置き、ゆっくりと室温にまで温め、72時間保持した。その反応混
合物を濾過し、蒸発させて油状物を得た。その油状残渣をクロロホルムに溶かし
、シリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、クロロホルム〜クロロホルム−メ
タノール(19:1,v:v)の線勾配にて溶出した。所望のフラクションを合わせ、
蒸発乾固して標記化合物5.60gを黄褐色非晶性粉末として得た。
C36H43NO8S3
MS(FD) m/e=714(M+1)
NMRは提示の構造に一致した。
実施例57
[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)フェニル
]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル
]メタノン塩酸塩の製造
実施例1の化合物、[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルス
ルホノイル)フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニ
ル)エトキシ]フェニル]メタノン(5.4g)を酢酸エチル(EtOAc)に溶かし、塩
酸飽和のエーテル溶液を、それ以上沈澱が生じなくなるまで加えた。その溶液を
傾斜して液を除き、固体をエーテルでトリチュレートした。熱酢酸エチルから再
結晶して標記化合物3.74gを白色粉末として得た。
C36H43NO8S3・HCl
元素分析値:
計算値: C57.7; H5.88; N1.87
実測値: C57.75; H5.93; N1.93
NMRは提示の構造に一致した。
実施例58
[6−(n−ペンチルスルホノイル)−2−[4−(n−ペンチルスルホノイル)フェ
ニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェ
ニル]メタノン
乾燥テトラヒドロフラン(100ml)中に[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エト
キシフェニル]メタノン塩酸塩(3g、5.9ミリモル)を懸濁させ、DMAP 10
mgを加え、ついでトリエチルアミン 3g(30ミリモル)を加えた。その反応混
合物を室温にて窒素下に約20分間撹拌した。n−ペンチルスルホニルクロリド(
2.5g、14.7ミリモル)をテトラヒドロフラン25mlに溶かし、撹拌下に反応
混合物にゆっくりと加えた。室温にて窒素下に18時間反応させた。その反応混
合物を濾過し、揮発物質を真空除去した。残留物を少量のクロロホルムに溶かし
、シリカゲルカラムでクロマトグラフィ(HPLC)に付し、クロロホルムからク
ロロホルム−メタノール(19:1、v/v)で終わる線勾配にて溶出した。所望の
フラクションを薄層クロマトグラフィーで決定し、合わせて蒸発させて標記化
合物3.82gを濃油状物として得た。
C38H47NO8S3
NMR: 提示の構造に一致
MS: (FD)m/e=743(M+2)
元素分析値:
計算値: C61.51; H6.39; N1.89
実測値: C57.63; H6.44; N1.50
実施例59
[6−(n−ペンチルスルホノイル)−2−[4−(n−ペンチルスルホノイル)フェ
ニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェ
ニル]メタノン塩酸塩の製造
[6−(n−ペンチルスルホノイル)−2−[4−(n−ペンチルスルホノイル)フェ
ニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェ
ニル]メタノン(3.7g)を酢酸エチル25mlに溶かし、塩酸飽和ジエチルエーテ
ル溶液を加えた。形成した沈澱物と液を傾斜除去した。ゴム状固体をジエチルエ
ーテルでトリチュレートし、室温にて真空乾燥して標記化合物2.12gを白色非
晶質の吸湿性固体として得た。
C38H47NO8S3・HCl
NMR: 提示の構造に一致
元素分析値:
計算値: C58.63; H6.22; N1.80
実測値: C57.35; H6.45; N1.38
実施例60
[6−(n−ヘキシルスルホノイル)−2[4−(n−ヘキシルスルホノイル)フェニ
ル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ)フェニ
ル]メタノンの製造
乾燥テトラヒドロフラン(250ml)に[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペラジニル)エトキシ]
フェニル]メタノン塩酸塩を懸濁させ、DMAP 10mgを加えた。トリエチルア
ミン(4g、40ミリモル)を加え、その反応混合物を室温にて窒素下に20分間
撹拌した。n−ヘキシルスルホニルクロリド(3.6g、19.6ミリモル)のテトラ
ヒドロフラン25ml中溶液を反応混合物にゆっくり加えた。室温にて窒素下に3
日間反応させた。その反応混合物を真空で蒸発させ、酢酸エチルに再懸濁させ、
水洗した。有機相を無水硫酸ナトリウムを通して濾過、乾燥させ、蒸発して黄色
油状物を得た。その油状物をクロロホルムに溶かし、シリカゲルカラムでクロマ
トグラフィ(HPLC)に付し、クロロホルムからクロロホルム−メタノール(1
9:1、v/v)で終わる線勾配にて溶出した。所望のフラクションと薄層クロマ
トグラフィで決定し、合わせて蒸発して標記化合物3.14gを濃油状物として得
た。
C40H51NO8S3
NMR: 提示の構造と一致
MS: (FD)m/e=771(M+1)
元素分析値:
計算値: C62.39; H6.68; N1.82
実測値: C62.33; H6.62; N2.03
実施例61
[6−(n−ヘキシルスルホノイル)−2−[4−(n−ヘキシルスルホノイル)フェ
ニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェ
ニル]メタノン塩酸塩の製造
[6−(n−ヘキシルスルホノイル)−2−[4−(n−ヘキシルスルホノイル)フェ
ニル]メタノン(3g)を酢酸エチル20mlに溶かし、塩酸飽和ジエチルエーテルを
加えた。沈澱物は形成されなかった。その反応混合物を蒸発させて濃厚油状物を
得、ジエチルエーテルで数回トリチュレートし、真空下室温にて乾燥して標記化
合物1.64gを白色非晶質の吸湿性粉末として得た。
MR: 提示の構造に一致
元素分析値:
計算値: C59.67; H6.50; N1.74
実測値: C59.47; H6.59; N1.77
C40H51NO8S3・HCl
実施例62
[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルスルホニル)フェニル]
ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]−フェニ
ル]メタノンクエン酸塩の製造
[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)フェニル
]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]−フェニ
ル]メタノン2gを200mlのアセトン中に溶解し、0.63g(3ミリモル)のクエ
ン酸を加えた。反応混合物を室温に窒素雰囲気下に18時間保った。反応混合物
を真空で50℃で蒸発させた。反応混合物をエーテルで数回トリチュレートし、
室温で真空で乾燥し、2.35gの標記化合物を白色非晶性吸湿性の粉末を得た。
元素分析:
計算値: C55.68; H5.67; N1.55
測定値: C55.39; H5.60; N1.60
NMR: 提案した構造と一致
実施例63
[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)フェニル
]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニ
ル]メタノンの製造
2.5g(4.77ミリモル)の[6−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシフェニル]
ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]−フェ
ニル]メタノン塩酸塩を100mlのテトラヒドロフランに溶解し、3.9g(39ミ
リモル)のトリエチルアミンおよび10mgのDMAPを加えた。反応混合物を1
5分間室温で窒素雰囲気下に撹拌した。15mlのテトラヒドロフラン中の4g(2
5.5ミリモル)のn−ブチルスルホニルクロライドをゆっくり加えた。反応物を
18時間室温で窒素下に反応させた。反応物を25mlのメタノールの添加により
クエンチし、体積を真空下で減少させた。粗生成物をシリカゲルカラムでクロマ
トグラフィにかけ、クロロホルム−メタノール(19:1、v/v)で溶出した。所
望の画分を薄層クロマトグラフィにより決定し、いっしょにし、蒸発し、黄褐色
の油を得た。
実施例64
[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)フェニル
]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]−フェ
ニル]メタノン塩酸塩の製造
[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)フェニル
]−ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]−フ
ェニル]メタノンを酢酸エチル−ヘキサン中に溶解し、塩化水素を吹き込んだ。
反応混合物を濃縮し、クロロホルム、次いでクロロホルム−メタノール(19:1
、v/v)で溶出するシリカゲルカラムでクロマトグラフ(HPLC)した。所望の
画分を薄層クロマトグラフィにより決定し、いっしょにし、黄褐色の非晶性粉末
となるまで蒸発させて、2.5gの標記化合物を得た。
NMR: 提案した構造と一致
MS:(FD)m/e=728(M−HCl)
元素分析:
計算値: C58.14; H6.07; N1.83
測定値: C57.90; H6.05; N1.82
C37H46NO8S3−HCl
実施例65
[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)フェニル
]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル
]メタノンの製造
1.5gの[6−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシフェニル]ベンゾ[b]チエン−
3−イル][4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−フェニル]メタノン塩酸塩(
3ミリモル)を200mlのテトラヒドロフラン中に懸濁した。1.5gのトリエチ
ルアミン(15ミリモル)および10mgの4−N,N−ジメチルアミノピリジンを
加えた。反応混合物を窒素雰囲気下に数分撹拌した。1.56gのn−ブチルスル
ホニルクロライド(10ミリモル)を50mlのテトラヒドロフランに溶解し、反応
混合物に20分かけてゆっくり加えた。反応混合物を18時間、室温で窒素雰囲
気下に撹拌した。反応混合物を真空下に蒸発させてガムを得た。粗生成物を10
0mlの酢酸エチルに懸濁させ、重炭酸ナトリウム溶液、続いて水で洗浄した。有
機層を無水硫酸を通す濾過により乾燥、黄色油となるまで濃縮した。最終生成物
を熱酢酸エチル−ヘキサンから結晶化し、410mgの標記化合物を得た。
NMRは提案した構造と一致した。
MS: m/e=700(M+1)FD
元素分析:
計算値: C60.20; H5.86; N2.01
測定値: C59.94; H5.94; N2.00
MW=699
C35H41NO8S
実施例66
[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)−フェニ
ル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−フェ
ニル]メタノン塩酸塩の製造
350mgの[6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−ブチルスルホノイル)−
フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピロリジニル)エトキ
シ]−フェニル]メタノン(0.5ミリモル)を10mlの酢酸エチルに溶解し、エー
テル中の塩化水素の飽和溶液を加えた。沈澱物は生成せず、反応混合物をガム状
白色固体となるまで蒸発させた。生成物をジエチルエーテルでトリチュレート(
2×)し、濾過し、真空下室温で乾燥し、220mgの標記化合物を得た。
NMR: 提案した構造に一致した。
元素分析:
計算値: C57.09; H5.75; N1.90
測定値: C57.27; H5.91; N1.86
実施例67
[6−ヒドロキシ−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)−フェニル]ベンゾ[b]
チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)−エトキシ]−フェニル]メ
タノンの製造
20gの[6−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシフェニル]ベンゾ[b]チエン−
3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタノン(ラロキ
シフェン)塩酸塩(0.04モル)を250mlのテトラヒドロフラン中に懸濁した。
10gのトリエチルアミン(0.1モル)および10mgの4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジンを加えた。反応混合物を数分窒素下に撹拌した。6.25gのn−ブチ
ルスルホニルクロライド(0.04モル)を25mlのテトラヒドロフランに溶解し
、反応混合物に20分かけてゆっくり加えた。反応を5日間室温で窒素雰囲気下
で続けた。反応混合物をガムとなるまで蒸発させ、酢酸エチル中に懸濁した。酢
酸エチル混合物を、水、希炭酸水素ナトリウムおよび水で連続的に洗浄した。酢
酸エチル水溶液を無水硫酸ナトリウムを通す濾過により乾燥し、非晶性固体とな
るまで蒸発させた。
生成した固体を50mlのメチレンクロライドに溶解し、クロロホルムからクロ
ロホルム−メタノール(19:1)(v/v)へのリニアグラジエントで溶出するシリ
カゲルカラムでクロマトグラフィした。4つの画分を薄層クロマトグラフィによ
り決定し、真空下に濃縮して非晶性固体を得た。
画分A: [6−(n−ブチルスルホノイル)−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)
フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]
フェニル]メタノン、5.43g。
画分B: [6−ヒドロキシ−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)−フェニル]ベ
ンゾ[b]チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]
メタノン、2.19g。Rf=0.50、シリカゲル、CHCl3−MeOH(19:1)
v/v。
画分C: [6−(n−ブチルスルホノイル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾ[b]チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メ
タノン、3.60g。Rf=0.41、シリカゲル、CHCl3−MeOH(19:1)v
/v。
画分D: ラロキシフェン 3.94g。
画分Dのすべてを熱酢酸エチルに溶解し、ヘキサンを加え、標記化合物を晶出
させて、1.89gの標記化合物を得た。
NMR: 提案した構造と一致。
MS: m/e=594(M+1)FD
元素分析:
計算値: C64.80; H5.90; N2.36
測定値: C64.85; H6.07; N2.49
実施例68
[6−ヒドロキシ−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)−フェニル]ベンゾ[b]
チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタノ
ン塩酸塩の製造
1.7gの[6−ヒドロキシ−2−[4−(n−ブチルスルホノイル)−フェニル]ベ
ンゾ[b]チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]
メタノン(2.86ミリモル)を酢酸エチルに溶解し、塩化水素−ジエチルエーテ
ルの飽和溶液を加えた。粘稠な白色固体が生成した。液体をデカントにより除い
た。残りの固体をジエチルエーテル(2×)でトリチュレートし、乾燥して1.5
7gの標記化合物を白色非晶性粉末として得た。
NMR: 提案した構造と一致
元素分析:
計算値: C60.99; H5.76; N2.22
測定値: C61.17; H5.88; N2.27
MW=630.23
C32H35NO6S2−HCl
MS: m/e=594(M−HCl)F.D.
実施例69
[6−n−ブチルスルホノイル−2−[4−ヒドロキシフェニル]ベンゾ[b]チエ
ン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタノンの
製造
実施例67からの画分Cのすべてを50mlの熱酢酸エチルおよびヘキサン中に
溶解した。結晶化は生じなかった。溶媒を真空下に蒸発させて、3.17gの標記
化合物を油状、白色固体として得た。
NMR: 提案した構造と一致。
MS: m/e=594(M+1)FD
元素分析:
計算値: C64.84; H5.90; N2.36
測定値: C64.37; H5.87; N2.28
MW=593
C23H35NO6S
実施例70
[6−n−ブチルスルホノイル−2−[4−ヒドロキシフェニル]ベンゾ[b]チエ
ン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタノン塩
酸塩の製造
[6−n−ブチルスルホノイル−2−[4−ヒドロキシフェニル]−ベンゾ[b]チ
エン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタノン
3gを50mlの酢酸エチルに溶解し、塩化水素で飽和したジエチルエーテルの溶
液を加えた。濃い白色沈澱が形成し、液体をデカントで除いた。その固体をジエ
チルエーテルでトリチュレートし(2×)、乾燥した。これは標記化合物2.51
を白色非晶性粉末として与えた。
NMR: 提案した構造と一致。
元素分析:
計算値: C60.99; H5.76; N2.22
測定値: C60.71; H5.84; N2.21
MW=630.23
C32H35NO6S2−HCl
MS: m/e=594(M−HCl)F.D.
実施例71
[6−[N−(4−クロロフェニル)カルバモイル]−2−[4−[N−(4−クロロ
フェニル)カルバモイル]フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−
ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタノンの製造
5.56g(10.7ミリモル)の[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾ[b]チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェ
ニル]メタノンを200mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解し、5.45g(35.
2ミリモル)の4−クロロフェニルイソシアネートを加えた。反応混合物を室温
窒素雰囲気下に撹拌した。18時間後、溶媒を真空下蒸発させ、クロロホルムに
再溶解した。クロロホルム溶液を−20℃に24時間冷却し、生じた沈澱を濾取
した。残存溶液をシリカゲルカラムでクロマトグラフ(Waters Prep500,
HPLC)し、クロロホルム−メタノール(19:1)(v/v)で終了するクロロホル
ムのリニアグラジエントで溶離した。所望の画分を薄層クロマトグラフィにより
決定し、いっしょにし、蒸発乾固し、4.01gの標記化合物を黄褐色非晶性粉末
として得た。
C42H35Cl2N3O6S
元素分析:
計算値: C64.64; H4.48; N5.38
測定値: C65.69; H4.81; N4.83
MS(FD)m/e=779.781
実施例72
[6−[N−(4−クロロフェニル)カルバモイル]−2−[4−[N−(4−クロロ
フェニル)カルバモイル]フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−
ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタノン塩酸塩の製造
4.01gの[6−[N−(4−クロロフェニル)カルバモイル]−2−[4−[N−(
4−クロロフェニル)カルバモイル]フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−
[2
−(1−ピペリジニル)エトキシ]−フェニル]メタノンを200mlのエーテルに溶
解し、少量のテトラヒドロフランを溶液に加えた。塩化水素を飽和させておいた
エーテルの溶液を、沈澱が生じなくなるまで加えた。反応混合物を絶乾し、エー
テルで数回トリチュレートした。熱酢酸エチルおよび無水EtOHから塩を結晶
化する試みを行った。溶媒を蒸発させて、標記化合物を黄褐色粉末として2.5
8gを得た。
C42H35Cl2N3O6S−HCl
元素分析:
計算値: C61.73; H4.44; N5.14
測定値: C57.43; H4.29; N5.19
NMR: 提案した構造と一致し、不確定量の溶媒を含む。
実施例73
[6−(n−(n−ブチル)カルバモイル]−2−[4−(N−(n−ブチル)カルバモイ
ル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニ
ル]メタノンの製造
4.47g(9ミリモル)の[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メ
タノンを250mlのテトラヒドロフランに溶解し、4g(40ミリモル)のn−ブチ
ルイソシアネートを加えた。室温窒素下の反応混合物を72時間反応させた。反
応混合物をこの時間の終わりまでに蒸発させ、残渣を最小量のクロロホルムに溶
解した。この溶液をシリカゲルカラムでクロマトグラフ(HPLC)し、クロロホ
ルムからクロロホルム−メタノール(19:1)へのリニアグラジエントで溶離し
、
4.87gの標記化合物を黄褐色非晶性粉末として得た。
元素分析:
計算値: C67.73; H6.75; N6.52
測定値: C66.43; H6.67; N6.24
MS(FD)m/e=672(M+1)
NMRは提案した構造と一致した。
実施例74
[6−(N−メチルカルバモイル)−2−[4−(N−メチルカルバモイル)フェニ
ル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニ
ル]メタノンの製造
250mlの無水テトラヒドロフラン中の3g(5.9ミリモル)の[6−ヒドロキ
シ−2(4−ヒドロキシフェニル)]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−
ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタノン塩酸塩の懸濁液を調製した。この懸
濁液に2g(10ミリモル)のトリエチルアミンを加え、反応混合物を室温で約1
5分窒素雰囲気下に撹拌した。その撹拌混合物に5.8g(20ミリモル)のメチル
イソシアネートを加えた。反応を36時間続けた。反応混合物を濾過し、真空下
に絶乾した。残渣を30mlのクロロホルム中に溶解し、シリカゲルカラムでクロ
マトグラフ(HPLC)、クロロホルムからクロロホルム−メタノール(19:1)
へのリニアグラジエントで溶出した。画分を薄層クロマトグラフィーにより分析
し、所望の画分をいっしよにし、真空下で絶乾し、2.2gの標記化合物を非晶性
粉末として得た。
NMR: 提案した構造と一致。
IR: 3465、2942、1741cm-1(CHCl3)
MS: m/e=588(M+1)FD
C32H33N3O6S
実施例75
[6−(N−メチルカルバモイル)−2−[4−(N−メチルカルバモイル)−フェ
ニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェ
ニル]メタノン塩酸塩の製造
2gの[6−(N−メチルカルバモイル)−2−[4−(N−メチルカルバモイル)
−フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキ
シ]フェニル]メタノンの化合物2gを、酢酸エチル20mlに溶解し、塩酸−エー
テルの溶液を加え、白色沈澱を形成させた。反応混合物を真空で絶乾した。固体
をアセトン−酢酸エチルから結晶化し、濾過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥し、
1.98gの標記化合物を得た。
NMR: 所望の構造と一致。
元素分析:
計算値: C61.58; H5.49; N6.73
測定値: C61.25; H5.96; N5.97
実施例76
[6−(N−エチルカルバモイル)−2−[4−(N−エチルカルバモイル)フェニ
ル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニ
ル]メタノンの製造
[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル
]
[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタノン塩酸塩4g(7.85
ミリモル)を250mlの無水テトラヒドロフラン250ml中に懸濁し、3g(30
ミリモル)のトリエチルアミンを加えた。反応混合物を室温で窒素下15分撹拌
した。
エチルイソシアネート1.67g(23.5ミリモル)を加えた。24時間後、反
応を薄層クロマトグラフィーによりチェックし、完了していなかった。さらに、
4.5gのイソシアネートを加えた。96時間後、反応混合物を濾過し、実施例7
4と同様にクロマトグラフし、4.23gの標記化合物を白色非晶性粉末として得
た。
NMR: 提案した構造と一致。
MS: m/e=616(M+1)FD
C34H37N3O6S
実施例77
[6−(N−エチルカルバモイル)−2−[4−(N−エチルカルバモイル)フェニ
ル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニ
ル]メタノン塩酸塩の製造
この化合物を実施例75と実質的に同じ方法で調製し、3.58gの標記化合物
を得た。
NMR: 提案した構造と一致。
元素分析:
計算値: C62.61; H5.87; N6.44
測定値: C62.33; H6.16; N6.41
C34H38ClN3O6S
実施例78
[6−(N−イソプロピルカルバモイル)−2[4−(N−イソプロピルカルバモ
イル)フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エト
キシ]フェニル]メタノンの製造
4g(7.85ミリモル)の[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−
ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]
−メタノン塩酸塩を250mlの無水テトラヒドロフランに懸濁し、3g(30ミリ
モル)のトリエチルアミンを加えた。反応混合物を15分間室温窒素下に撹拌し
た。2.77g(32.6ミリモル)のイソプロピルイソシアネートを加えた。24
時間後、反応の完了を薄層クロマトグラフィーによりチェックし、完全ではなか
った。イソシアネートのさらに10.8g(130.4ミリモル)を加え、反応をさ
らに96時間続けた。所望の化合物を実施例19に記載の方法に実質的に従って
単離し、4.01gの標記化合物を黄褐色非晶性粉末として得た。
NMR: 提案した構造と一致。
MS: m/e=644(M+1)FD
C36H41N3O6S
実施例79
[6−(N−イソプロピルカルバモイル)−2−[4−(N−イソプロピルカルバ
モイル)フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)
エトキシ]フェニル]メタノン塩酸塩の製造
この化合物を実施例75の方法に実質的に従って調製し、3.58gの標記化合
物を白色結晶性粉末として得た。
NMR: 提案した構造と一致。
元素分析:
計算値: C63.56; H6.22; N6.18
測定値: C63.63; H6.52; N5.95
実施例80
[6−(N−シクロヘキシルカルバモイル)−2[4−(N−シクロヘキシルカル
バモイル)フェニル]ベンゾ[b]チエニル−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニ
ル)エトキシ]フェニル]メタノンの製造
3g(5.9ミリモル)の[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−ベ
ンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メ
タノン塩酸塩を250mlの無水テトラヒドロフランと2g(20ミリモル)のトリ
エチルアミンを加えた。反応混合物を15分間撹拌した。14.5g(105ミリ
モル)のシクロヘキサンイソシアネートを加えた、反応を48時間継続させ、さ
らに20ミリモルのイソシアネートを加えた、24時間後、所望の生成物を、実
施例19の方法に実質的に従って単離し、標記化合物を黄褐色非晶性粉末として
得た。
NMR: 提案した構造と一致。
MS: m/e=724(M+1)FD
実施例81
6−(N−シクロヘキシルカルバモイル)−2[4−(N−シクロヘキシルカルバ
モイル)フェニル]ベンゾ[b]チエニル−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)
エトキシ]フェニル]メタノン塩酸塩の製造
3.9gの6−(N−シクロヘキシルカルバモイル−2[4−(N−シクロヘキシ
ルカルバモィル)フェニル]ベンゾ[b]チエニル−3−イル][4−[2−(1−ピペ
リジニル)エトキシ]フェニル]メタノンを、実施例75に記載したのと実質的に
同じ方法によりその塩酸塩に変換し、熱酢酸エチルから再結晶した。これは3g
の標記化合物を白色粉末として与えた。
NMR: 提案した構造と一致。
元素分析:
計算値: C66.34; H6.63; N5.53
測定値: C66.32; H6.92; N5.62
C42H50ClN3O6S
実施例82
[6−(N−フェニルカルバモイル)−2[4−(N−フェニルカルバモイル)フェ
ニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェ
ニル]メタノンの製造
3g(5.9ミリモル)の[6−ヒドロキシ−[2−(4−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]メタ
ノン塩酸塩を250mlの無水テトラヒドロフランに懸濁し、2g(20ミリモル)
のトリエチルアミンを加えた。反応混合物を15分間室温で窒素下撹拌した。1
5mlのフェニルイソシアネートを加え、反応を96時間続けた。さらに5mlのイ
ソシアネートを加えた。さらに48時間後、反応混合物を濾過し、蒸発させて油
とした。その油をヘプタンでトリチュレートし、液体をデカントした。その油を
クロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムでクロマトグラフし(HPLC)、クロ
ロホルムからクロロホルム−メタノール(19:1)のリニア−グラジエントで溶
出した。所望の画分をいっしょにし、蒸発させて油とし、3.31gの標記化合物
を得た。
NMR: 提案した構造と一致。
MS: m/e=711およびsome212(ジフェニル尿素)
C42H37N3O6S
実施例83
[6−(N−フェニルカルバモイル)−2[4−(N−フェニルカルバモイル)フェ
ニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェ
ニル]メタノン塩酸塩の製造
3.2gの[6−(N−フェニルカルバモイル)−2−[4−(N−フェニルカルバ
モイル)フェニル]ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エ
トキシ]フェニル]メタノンを酢酸エチルに溶解し、濾過した。塩化水素−エーテ
ルをその溶液に加え、白色沈澱が生成した。その液体をデカントした。その固体
を少量のアセトンに溶解し、濾過し、次に絶乾して、270mgの標記化合物を黄
褐色粉末として得た。
元素分析:
計算値: C67.42; H5.12; N5.62
測定値: C67.51; H5.37; N5.50
上記の方法に実質的に従うことにより、当業者は式Iの他の化合物を調製でき
る。
本発明は、複素環の選択群、式Iの化合物が耐性腫瘍に有用であるという発見
に関する。本発明により提供される処置方法は、必要のあるヒトまたは他の哺乳
動物に多薬剤耐性変化量の式Iの化合物、または腫瘍を化学療法に耐性を小さく
するのに有効なその薬学的に許容し得る塩または溶媒和物を投与することによっ
て行う。腫瘍の耐性を小さくする場合に、本発明の化合物を固有の、および/ま
たは後天的耐性を有する腫瘍に用いる。そのような腫瘍には、プロテインp19
0を含む耐性系路を有するものを含む。エピポドフィロトキシンおよびアントラ
サイクリン等の薬剤に対する耐性はp190にリンクしている。耐性の、そして
疑わしい耐性は、耐性の変化または阻害をもたらすであろう。換言すれば、腫瘍
を、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ナベルビン、ダウノルビシ
ン、ドクソルビシン、ミトロキサントロン、エトポシド、テニポシド、マイトマ
イシンC、アクチノマイシンD、タキソール、トポテカン、ミスラマイシン、コ
ルチシン、プロマイシン、ポドフィロトキシン、エチジウムブロマイド、エメチ
ン、グラミシジンD、およびバリノマイシンによる処置などの適当な化学治療に
対してより感受性にするであろう。
本発明の化合物は、結腸癌、中皮腫、黒色腫、前立腺癌、卵巣癌、非小細胞肺
癌、小細胞肺癌、膀胱癌、子宮内膜癌、睾丸癌、乳癌、小細胞リンパ腫を含む、
多くの耐性新生物を用い得る。より特別のタイプの癌は、ホジキン病、カポジ肉
腫、および急性顆粒球白血病である。
本発明の化合物の生物学的活性は、多薬剤耐性腫瘍に存在する耐性を変化させ
ることにおける、試験化合物の活性を早く、そして正確に測定する最初のスクリ
ーニング検定法を用いて測定された。この変化能を評価するのに有用な検定は当
該分野でよく知られている。例えば、T.McGrath等、Biochemical Pha cology
、38: 3611、(1989); D.Marquardt およびM.S.Cente
r,Cancer Research、52: 3157(1992); およびD.Marquardt等
、Cancer Research,50:1426(1990)を参照。
p190媒介ドキソルビシン耐性逆転の分析
HL60/ADRは、高耐性変異体を獲得するまでアドリアマイシン(商標)
の濃度を増加させながらヒト急性骨髄性白血病細胞系であるHL60を培養する
ことにより、アドリアマイシン耐性のために選択された連続細胞系である。
HL60/ADR細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS)と250μg/mlのゲ
ンタマイシン(シグマ社)(商標)を含有したPRMI1640(ギブコ社)中で培養
した。細胞を採取し;分析用培地(培養用培地と同じ)で2回洗浄し;個数計算し
;分析用培地で2x105個/mlまで希釈した。50μlの細胞を96ウェル組織
培養用プレートに入れた。細胞を含有していない分析用培地を負(ネガティブ)対
照として各96ウェルプレートの1カラムに入れた。
試験化合物と対照化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に5mM濃度で溶
解した。検体を分析用培地で20μMまで希釈し、各試験化合物の25μlを6
ウェルに入れた。分析標準は4回繰り返し測定した。溶媒対照として0.4%D
MSO 25μlを4ウェルに加えた。分析用培地をすべてのウェルに入れ、各ウ
ェルの最終容量を100μlとした。
プレートを湿式インキュベーター中で、5%二酸化炭素下37℃で72時間イ
ンキュベートした。細胞生存率と活性度は、標準条件を用いたテトラゾリウム塩
の酸化で測定した。プレートは37℃で3時間インキュベートした。490nmに
おける吸光度をマイクロタイタープレートリーダーを用いて測定した。
HL60/ADR細胞耐性を腫瘍溶解剤に逆転する試験化合物の能力は、アド
リアマイシンのような腫瘍溶解剤と試験化合物を含有したウェルの吸光度と、試
験化合物を含有せず腫瘍溶解剤のみを含有したウェルの吸光度を比較して測定し
た。対照はバックグラウンドを除くため、また分析結果が人工的でないことを示
すために用いた。分析結果は細胞増殖阻害パーセントとして表した。試験濃度で
の腫瘍溶解剤のみではHL60/ADR細胞の増殖は通常は阻害されない。
P−糖タンパク媒介ドキソルビシン耐性逆転の分析
ヒト細胞白血病細胞系CCRF−CEMと多薬剤耐性CEM/VLB100(
W.T.ベックら、キャンサー リサーチ(Cancer Research)39巻、2070−2
076頁(1976)に記載のとおり、100ng/ml硫酸ビンブラスチンに対して
選択された)をP−糖タンパクにより媒介された多薬剤耐性を逆転する本発明の
化合物の能力を測定するために用いた。細胞は10%ウシ胎児血清と2mM 1−
グルタミンを含有したSMEM培地内で、湿式インキュベーター中、5%二酸化
炭素下で保存した。細胞数はコールターカウンターモデルZM(商標)を用いて測
定した。細胞は3−4日毎に継代培養した。
細胞生存率を修正MTT[3−(4,5−ジメチルチアソール−2−イル)−2,
5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド]染色還元法を用いて測定した。F.デン
ジオットおよびR.ラング、ジャーナル オブ イムノロジカル メソッド、89巻
、271−277頁(1986)参照。細胞は対数増殖期に採取し、96ウェル血
清培養用プレートに7.5x103個/ウェルの割合で接種し、連続希釈した腫瘍
溶解剤の存在下72時間培養した。使用した腫瘍溶解剤は硫酸ビンブラスチン、
アドリアマイシン(商標)、エトポシド(商標)とタキゾールである。これらの化合
物は本発明の化合物の存在下または非存在下で使用した。
初期設定値(initical leads)は、一定濃度の硫酸ビンブラスチン(4ng/ml)と
モデュレーター(5μM)を用いた単一ウェル分析で発見された。本発明のモデュ
レーターの細胞毒性のみもまた測定した。モデュレーターは2mM ジメチルスル
ホキシド溶液として保存し、5μMから0.5μMの範囲の最終濃度になるよう
ウェルに加えた。72時間後、調製したばかりのMTT(5mg/ml ダルベッコ
のリン酸緩衝生理食塩水溶液、pH7.5)の20μlを各ウェルに加え、37℃
インキュベーターに4時間放置した。
細胞はペレット状となり、70μlの細胞ペレットを各ウェルから注意深く除
いた。この細胞ペレットに100μlの2−プロパノール/0.04N塩酸を加え
て、青くフォルマザン染色した細胞を溶解した。細胞はマルチピペットで5−1
0倍に、または粒状物質が見えなくなるまで再懸濁した。ついでプレートを波長
57
0nmと、比較波長630nmでマイクロプレートリーダを用いて直ちに読んだ。対
照は4回繰り返して測定し、モデュレーターを含有した検体は2回繰り返して測
定した。
細胞増殖を50%阻害する薬剤、モデュレーター、あるいは薬剤とモデュレー
ターの量(IC50)を、親セルラインおよび耐性セルライン両者で、モデュレータ
ーの存在下または非存在下で半対数用量反応曲線から計算した。腫瘍溶解剤のみ
で処理した細胞のIC50を腫瘍溶解剤とモデュレーターで処理した細胞のIC50
で割算して、倍数変移(FOLD SHIFT)を計算した。
式Iの化合物は、P−190とP−糖タンパクで媒介した多薬剤耐性を逆転す
る顕著な効果を示した。多くの化合物は腫瘍溶解剤のみの場合に反して、腫瘍溶
解剤と協力して非常に顕著な活性増加を示した。
式Iの化合物は通常医薬組成物として投与される。これらの化合物は種々の方
法、例えば、経口投与、直腸投与、経皮投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投
与、経鼻投与で投与される。これらの化合物は注射剤として、また経口投与用組
成物として効果的である。そのような組成物は製薬学分野で既知の方法で調製さ
れ、少なくとも1つの有効成分を含有する。
本発明はまた、有効成分として式Iの化合物および製薬学的に許容し得る担体
を含有した医薬組成物の使用方法に関する。本発明の組成物を調製するために、
有効成分は通常賦形剤と混合し、または賦形剤で希釈され、またはカプセル、サ
シェー剤(sachets)、紙剤、他のコンテナー内に包まれる。賦形剤を希釈剤とし
て用いる場合は、賦形剤は固体状、半固体状、液状であり、有効成分の賦形剤、
担体、溶媒として作用する。それゆえ、組成物は10重量%までの活性化合物を
含有した錠剤、丸剤、粉末剤、ロゼンジ剤(lozenges)、サシェー剤(sachets)、
カシェー剤(cachets)、エリキシル剤(elixirs)、懸濁剤、乳化剤、溶液剤、シロ
ップ剤、エアゾール剤(固体状、または液体溶媒中)および軟膏、またはソフトま
たはハードゲラチンカプセル、坐剤、滅菌注射溶液、滅菌包装粉末である。
製剤を調製するために、他の成分と混合する前に、有効成分を粉砕して適当な
粒径にする必要がある。有効化合物が実質的に不溶性であれば、通常200メッ
シュ以下の粒径に粉砕する。有効化合物が実質的に水溶性であれば、粉砕して、
製剤中に実質的に均一に分散するように、例えば、約40メッシュまで粒径を調
整する。
適当な賦形剤の例としては、乳糖、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、
マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギニン酸塩、
トラガカント、ゲラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピ
ロリドン、セルロース、水、シロップおよびメチルセルロースがある。製剤は付
加的に、タルク、ステアリン酸マグネシウム、鉱油等の滑沢剤;保湿剤;乳化剤
または懸濁剤;メチルまたはプロピルヒドロキシ安息香酸等の保存剤;甘味剤;
風味剤を含有し得る。本願の組成物は、この分野で既知の方法を用いて、患者に
投与後、有効成分の放出を速くしたり、持続的にしたりまたは遅らせたりできる
様に製剤される。
組成物は好ましくは単位投与形(unit dosage form)に調製され、各投与形は約
5から約100mg、さらに一般的には約10から約30mgの有効成分を含有す
る。"単位投与形"とは、ヒトまたは他の哺乳動物のための単独投与にふさわしい
物理的に分離した単位(ユニット)を言い、各ユニットは所望の治療効果を得るた
めにあらかじめ計算され決定された量の有効成分、および適当な製薬学的賦形剤
を含有する。
有効化合物は、広い投与範囲で効果的である。例えば、一日あたりの投与量は
、通常約0.5から約30mg/kg(体重)の範囲である。ヒト成人の治療に際して
は、とりわけ好ましくは、約1から約15mg/kg/日を1回または数回に分けて
投与する。しかしながら、実際に投与される化合物の量は医者により、関連した
環境、例えば治療する状況、投与方法、実際に投与される化合物の種類、各患者
の年齢、体重、反応、患者の症状の程度等を考慮して決定され、従って、上記の
投与範囲はいかなる意味においても本発明の範囲を限定するものではないことは
理解されるべきである。いくつかの例では、上記の範囲の最小限度以下の投与レ
ベルで十分であり、また他のケースでは、もっと大きい投与レベルが、一日あた
りの投与としてまず数回の少ない投与量に分けて投与する条件下において、有害
な副作用
を起こすことなく採用され得る。
固体組成物、例えば錠剤などを調製するには、主たる有効成分を製薬学的賦形
剤と混合し、本発明の化合物の均一な混合物を含有した固体状の前製剤組成物を
調製する。これらの前製剤組成物が均一と言う場合は、有効成分が均一に組成物
全体にわたって分散し、組成物は錠剤、丸剤、カプセル剤などの等しく効果的な
単位投与形に容易に小分けできることを意味する。この固体状前製剤はついで上
記の型の単位投与形に小分けされ、各投与形は0.1から約500mgの本発明の
有効成分を含有する。
本発明の錠剤または丸剤は、有利な持続性効果を持った投与形にするため、被
覆または混合される。例えば、錠剤または丸剤は内層投与成分と外層投与成分を
含み、後者は前者を包んだ形である。この2つの成分は、内層投与成分が胃内で
崩壊するのを防ぎ、そのまま十二指腸まで運ばれる様に、またはその放出を遅ら
せる作用をする腸溶層で分けられる。種々の物質がこのような腸溶層または被覆
剤として用いられ、例えば多くの高分子酸、高分子酸とシェラック、セシルアル
コール、酢酸セルロース等との混合物が挙げられる。
本発明の新規な組成物が経口投与または注射剤として含有される液状製剤とし
ては、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、ピーナッツ油等の食用油および製薬学的
担体を含有した、水性溶液、適宜風味付けされたシロップ剤、水性または油性懸
濁剤、風味付けされた乳化剤およびエリキシル剤を含む。
吸入剤または水入剤としては、製薬学的に許容し得る、水性または有機溶媒、
あるいはこれらの混合物中での溶液または懸濁液、および粉末がある。液体また
は固体組成物は上記の適当な製薬学的に許容し得る賦形剤を含有する。好ましく
は、組成物は局所または全身効果のために、経口吸入あるいは経鼻吸入で投与さ
れる。好ましい製薬学的に許容し得る溶媒中の組成物は不活性気体を用いて噴霧
され得る。噴霧された溶液は噴霧器から直接吸入されるか、または噴霧器はフェ
イスマスク、テント、断続的正圧力呼吸器に接続される。溶液、懸濁液、あるい
は粉末組成物は、適当な方法で製剤を輸送する器具から、好ましくは経口投与、
経鼻投与される。
下記の製剤例は単なる例示であり、本発明の範囲をいかなる意味でも制限する
ものではない。勿論、"有効成分"は式Iの化合物またはその薬理学的に許容し得
る塩または溶媒和物を意味する。
製剤例 1
下記の成分を含有する硬ゼラチンカプセルを作製する。
成 分 含 量(mg/カプセル)
活性成分 30.0
デンプン 305.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
上記成分を混合し、340mgずつ硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例 2
下記成分からなる錠剤を作製する。
成 分 含 量(mg/錠)
活性成分 25.0
微細結晶セルロース 200.0
コロイド状二酸化ケイ素 10.0
ステアリン酸 5.0
上記成分を練合し、各錠剤の重量が240mgになるように圧縮して錠剤を作
る。
製剤例 3
下記成分を含有する乾燥粉末吸入剤を作る。
成 分 重 量 %
活性成分 5
95
上記活性成分を乳糖と混合し、その混合物を乾燥粉末調製機(appliance)に加
え製する。
製剤例 4
各々の活性成分30mgを含有する錠剤を次のようにして作製する。
成 分 含 量(mg/錠)
活性成分 30.0mg
デンプン 45.0mg
微細結晶セルロース 35.0mg
ポリビニルピロリドン(10%水溶液として) 4.0mg
ナトリウムカルボキシメチルデンプン 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
タルク 1.0mg
全量 120mg
活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.20 メッシュのU.S.篩にとおし、よ
く混合する。この混合物にポリピロリドンの水溶液を加え混合し、この混合物を
16メッシュのU.S.篩にとおす。得られた顆粒を50−60℃で乾燥し、16メ
ッシュのU.S.篩にとおす。ナトリウムカルボキシデンプン、ステアリン酸マグネ
シウムおよびタルクを、前もってNo.30 メッシユのU.S.篩にとおし、顆粒に加え
て混合し、打錠機で圧縮して一錠120mgの錠剤を製する。
製剤例 5
40mgの医薬を一カプセル当たり含有するカプセル剤を以下のようにして製
する。
成 分 含 量(mg/カプセル)
活性成分 40.0mg
デンプン 109.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0mg
計 150.0mg
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを練合し、
No.20 メッシュのU.S.篩にとおし、硬ゼラチンカプセルに150mgの量を充填
する。
製剤例 6
各々25mgの活性成分を含有する座剤を次のようにして製する。
成 分 量
活性成分 25mg
グリセリンの飽和脂肪酸エステルを加えて2,000mgとする。
活性成分をNo.60 メッシュの篩にとおし、最小加熱装置(minimum heat neces
sary)を用いて予め溶かしたグリセリンの飽和脂肪酸エステルに懸濁させる。つ
いでこの混合物を2.0g容の座剤鋳型に注ぎ、冷却して製する。
製剤例 7
5.0ml容量当たり各々の医薬50mg含有する懸濁液を次のようにして製
する。
成 分 量
活性成分 50.0mg
キサンタンガム 4.0mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム(11%)と
微細結晶セルロース(89%)の混合物 50.0mg
しょ糖 1.75g
安息香酸ナトリウム 10.0mg
香料および着色料 適量
精製水を加えて 全量5.0mlとする。
活性成分、しょ糖およびキサンタンガムを練合し、No.10 メッシュのU.S.篩に
とおし、そして前もって作製した微細結晶セルロースとカルボキシメチルセルロ
ースナトリウムの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香料および着色料を
水に溶かし、それを攪拌しながら加える。ついで十分量の水を加えて所望の量と
する。
製剤例 8
15mgの医薬を一カプセル当たり含有するカプセルを次のようにして作製す
る。
成 分 含 量(mg/カプセル)
活性成分 15.0mg
デンプン 407.0mg
ステアリン酸マグネシウム 30.0mg
計 425.0mg
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを練合し、
No.20 メッシュのU.S.篩にとおし、硬ゼラチンカプセル1個当たり425mg含
むカプセル剤を作製する。
製剤例 9
静脈注射剤の調製例は次のとおりである。
成 分 含 量
活性成分 250.0mg
等張液 1000ml
製剤例 10
局所投与剤は以下のようにして作製できる。
成 分 含 量
活性成分 1−10g
乳化用ワックス 30g
液状パラフイン 20g
白色軟パラフインを加えて 100gとする。
白色軟(Soft)パラフインを溶融するまで加熱する。液状パラフインと乳化用
ワックスを一緒にして溶けるまで攪拌する。活性成分を加え、分散するまで攪拌
を続ける。ついで、この混合物を固化するまで冷やす。
製剤例 11
活性成分を一錠当たり10mg含有する口腔(buccal)あるいは舌下錠は以下の
ようにして作製できる。
成 分 含 量(一錠当たり)
活性成分 10.0mg
グリセロール 210.5mg
水 143.0mg
クエン酸ナトリウム 4.5mg
ポリビニルアルコール 26.5mg
ポリビニルピロリドン 15.5mg
全量 410.0mg
グリセロール、水、クエン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールおよびポリビ
ニルピロリドンを一緒に攪拌下、約90℃に保持しながら、混合する。そのポリ
マーが溶液状になったとき、約50−55℃まで冷却し、活性成分をゆっくり加
える。生じた均質な混合物を不活性材料からなる型に注ぎ込み、約2−4mmの
厚さを有する薬剤含有分散マトリックスを製する。この分散マトリックスを適当
なサイズに切断して錠剤を製する。
本発明の使用に用いられる他の好ましい製剤としてはトランスダ−マル(trans
dermal)デリバリー装置(パチェス;patches)である。このようなパッチェスは本
発明の化合物を制御された量、継続的または非継続的に注入するように使用され
てもよい。薬剤の配送(delivery)のためのこのようなパッチェスの作製と使用法
は当業界で公知である。ここに参照文献として引用する1991年6月11日発
行の米国特許5,023,252を参照のこと。このようなパッチェスは継続的
、鼓動的(pulsatile)または要求に応じた薬剤の配送の為に作製されうる。
しばしば、薬剤組成物を脳に、直接か間接的に導入することが望ましくあるい
は必要である。直接導入法は通常、脳血液関門を回避するため、患者の脳室系へ
薬剤配送カテーテルを挿入することからなる。体の特定の解剖的部位に生物学的
ファクターを搬入するために使用される埋め込み配送システムは、ここに参照文
献として引用する1991年4月30日発行の米国特許5,011,472に記
載されている。
一般的に好ましい、間接方法は通常、薬剤の持続化(latentiation)のために
、水溶性薬剤を脂溶性に、あるいはプロドラッグに変えた組成物にして使用され
る。持続化は一般的には、薬剤に存するヒドロキシ、カルボニル、サルフェイト
(sulfate)および一級アミノ基をブロックし、その薬剤をより脂溶性にし、脳血
液関門を通過しやすいようにすることによって達成される。または、水溶性薬剤
の配送は、脳血液関門を一時的に開くことができる高張液の動脈内注入によって
増強されうる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/445 ADU A61K 31/445 ADU
// C07D 209/12 C07D 209/12
307/80 307/80
(81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG,
CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T
D,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),A
L,AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN
,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KE,
KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,M
D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,RO,RU,SD,SG,SI,SK,TJ,TM,
TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 シェパード,ロバート・リー
アメリカ合衆国46060インディアナ州 ノ
ーブルズビル、ハーバータウン・コート
804番 アパートメント・エフ
(72)発明者 スターリング,ジェイムズ・ジェイコブ・
ザ・セカンド
アメリカ合衆国46033インディアナ州 カ
ーメル、ヒルクレスト・ドライブ 1126番
(72)発明者 ウィンター,マーク・アラン
アメリカ合衆国46220インディアナ州 イ
ンディアナポリス、ケスラー・ビュー・ド
ライブ 4733番