JPH10512252A - 1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダンの鏡像異性体 - Google Patents

1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダンの鏡像異性体

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JPH10512252A JP8521453A JP52145396A JPH10512252A JP H10512252 A JPH10512252 A JP H10512252A JP 8521453 A JP8521453 A JP 8521453A JP 52145396 A JP52145396 A JP 52145396A JP H10512252 A JPH10512252 A JP H10512252A
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オーレック,バリー・シドニー
ハーリング,ジョン・デイビッド
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スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 式(I):

Description

【発明の詳細な説明】 1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダンの鏡像異性体 本発明は、炭素環式誘導体、該誘導体の製造方法、該誘導体を含有する医薬組 成物、および治療における、例えば虚血性発作の治療のための、該誘導体の、特 に、カルシウムチャネル拮抗薬としての使用に関する。 発作は、報告によると先進国において3番目に一般的な死亡原因である。虚血 性発作の現行治療法は、限定されており、出血を悪化させる危険性などの多くの 欠点を有する。したがって、虚血性発作のための新しい改良された治療がなおも 必要とされている。 EPA 303961には、式 [式中、R1は、C1-3アルキレンであり、nおよびpは、各々、とりわけ、0で あり、R2およびR3は、とりわけ、水素または低級アルキルを表し、Xは、とり わけ、低級アルキル、低級アルコキシ、CF3またはハロゲンであり、qは、0 、1または2である] で示される化合物が開示されている。該化合物は、抗鬱薬として、ならびにシナ プスノルエピネフリンおよびセロトニン摂取の阻害薬として有用であると言われ ている。 EPA 371508には、式: [式中、R1、R2、R3、n、p、qおよびXは、前記定義と同じであり、R4は 、オキシまたはチオである] で示される同様の化合物が開示されており、該化合物は、薬物耐性マラリアおよ び他の薬物耐性原生動物感染症の治療に有用であると言われている。 本出願人の国際特許出願PCT/EP94/02410(1994年7月21日出願)には、 式(I): [式中、 Xは、O、S、NHまたは結合を表し; pおよびqは、独立して、p+qの合計が少なくとも1であるような0−4を 表し; R1およびR2は、各々、独立して、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキ ル、または、C1-4アルキル−C3-6シクロアルキルを表し; nは、1、2または3であり; Arは、所望によりハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-2アルキレン ジオキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、CN、NO2、アミノ 、モノ−もしくはジ−アルキルアミノ、所望により置換されていてもよいベンゾ イルおよびPh(CH2)rY(CH2)s−(ここで、Phは、所望により置換されてい てもよいフェニルであり、Yは、酸素または結合であり、rおよびsは、各々、 独立して0〜4を表し、ただし、r+sの合計は、4以下である)から選択され た1〜3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表すか、または、 Arは、5または6個の環原子を含有する所望により置換されていてもよい不 飽和単環式ヘテロアリール環系、または、8〜10個の環原子を含有する所望に より置換されていてもよい不飽和もしくは部分的飽和二環式アリールまたはヘテ ロアリール環系を表す] で示される化合物および塩が開示されている。 式(A)で示される化合物は、2つの不斉中心を含有している;かかる化合物は 、ジアステレオ異性体形(シスおよびトランス)で存在することができ、各々、 光学異性体(鏡像異性体)として存在することができる。ジアステレオ異性体に 関しては、炭素環式(例えば、インダン)核上の置換基は、環の平面に対して同 じ側(シス−配置)にあっても、反対側(トランス−配置)にあってもよい。 PCT/EP94/02410に開示されている式(A)で示される特定の例としては、鏡像異 性体の混合物である、化合物(±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2− メチルアミノインダン(塩酸塩として)が挙げられる。 本発明は、この化合物の特定の鏡像異性体、すなわち: (+)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン;お よび (−)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダンなら びにその塩 を提供するものである。 両方の鏡像異性体は、好都合には、構造式(I): によって表される。 この単一の式は、鏡像異性体の混合物を表すわけではなく、個々の鏡像異性体 を表すと認識されるであろう。 本発明の鏡像異性体、例えば、(+)−鏡像異性体は、対応する(−)鏡像異性体 を実質的に含まないと認識されるであろう(逆もまたは同じ)。好ましくは、本 発明の特定の鏡像異性体は、その反対の鏡像異性体を10%未満、例えば5%未 満、好都合には、1%未満、例えば、0.5%未満含有するであろう。 疑いを回避するために、本明細書に記載する式(I)、(II)および(III)は、特 記しない限り、単一の鏡像異性体を表すものである;各化合物の鏡像異性体混合 物は、各々、式(I)、(II)および(III)で示される「鏡像異性体の混合物」と称 される。「単一の鏡像異性体」は、他方を実質的に含まない所定の化合物の個々 の鏡像異性体の1つを意味する。 さらに、医薬用には、化合物(I)の塩は、医薬的に許容されるべきであること が認識されるであろう。医薬的に許容される塩の例としては、塩酸、臭化水素酸 、硫酸、リン酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、メタ ンスルホン酸などの無機および有機酸付加塩または同様の医薬的に許容される無 機もしくは有機酸付加塩が挙げられる。例えばシュウ酸などの他の医薬的に許容 されない塩は、例えば最終生成物の単離において用いてもよく、本発明の範囲内 に含まれる。 式(I)で示される単一の鏡像異性体は、当該技術分野で知られている一般的な 方法に従って、鏡像異性体の対応する混合物から、または、分割された中間体か ら製造される。かくして、さらなる態様では、本発明は、 (A)例えば、 (i)例えばキラルHPLCカラム上などでのクロマトグラフィーによ る式(I)で示される鏡像異性体の混合物またはその誘導体の分離; (ii)例えば結晶化またはクロマトグラフィーなどによる、式(I)で示 される鏡像異性体の混合物のキラル誘導体のジアステレオ異性体の分離 などの慣用的な方法により、式(I)で示される単一の鏡像異性体を、例えばラセ ミ混合物などの対応する鏡像異性体混合物から得ること; (B)式(II): [式中、Alkは、C1-4アルキル基、例えば、エチルまたはt−ブチルである] で示される単一の鏡像異性体の脱保護; (C)式(III): [式中、Alkは、C1-4アルキル基、例えば、メチルまたはエチルである] で示される単一の鏡像異性体の還元; 次いで、所望により、例えばN−保護基または促進基(facilitating group) の除去などによる式(I)で示される鏡像異性体の誘導体の式(I)で示される鏡像 異性体自体への転換;塩の遊離塩への転換および/または塩形成 からなることを特徴とする式(I)で示される鏡像異性体の製造方法を提供するも のである。 プロセスA(i)による分離は、まず式(I)で示される鏡像異性体の混合物のメ チルアミノ部分に容易に除去することができる基を導入することによって容易に なる。適切な除去可能な促進基としては、一般にN−保護基として用いられるも の、例えば、t−ブトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基が挙げられ る。得られた鏡像異性体混合物をキラルHPLCに適用することができ、個々の 異性体を含有するフラクションを回収することができる。促進基は、酸性加水分 解などの標準的な方法によって除去される。 プロセスA(ii)においては、キラル塩は、例えば、式(I)で示される鏡像異性 体の混合物、例えば1:1ラセミ化合物の、光学活性酸との反応により製造され る。ジアステレオ異性体の混合物は、式(I)で示される鏡像異性体の混合物を酸 塩化物などの反応性誘導体の形態でS(+)−α−メトキシフェニル酢酸などの光 学的に活性な試薬と反応させることによって製造される。アミド混合物は、慣用 的な方法によって分離され、次いで、過剰のメチルリチウムによる処理またはU. S.5,149,714に一般的に開示されていると同様に湿テトラヒドロフラン中過剰 のカリウムt−ブトキシドによる処理により分割されたアミンに転換される。 プロセス(B)による式(II)で示される化合物の脱保護は、慣用的な方法によっ て行われる。好ましくは、保護基は、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリフルオ ロ酢酸を用いて切断されるtert−ブトキシカルボニルである。エトキシカルボニ ル基は、塩基性条件下での加水分解により除去される。 プロセス(C)による式(III)で示される化合物の還元は、好ましくはテトラヒ ドロフランまたはジエチルエーテルなどの不活性溶媒中、水素化アルミニウムリ チウムなどの好適な還元剤を用いて行われる。 本明細書に記載するプロセスが還元プロセスを含む場合、一般に、最終生成物 中に保持される置換基に影響を及ぼさないかまたは該置換基を妨害しない還元剤 および条件を用いることが望まれるであろう。適切な還元剤および条件の選択は 、当業者に容易に明白であろう。かくして、Arは、3,4−ジクロロフェニルを 表すので、強制(例えば、還流)条件下での水素化アルミニウムリチウムの使用 を回避するのが好ましい。 プロセス(A)において用いられる式(I)で示される鏡像異性体の混合物は、前 記プロセス(B)および(C)と類似の方法を用いて、各々式(II)で示される鏡像異 性体の混合物または(III)で示される鏡像異性体の混合物を用いて製造される。 プロセス(B)および(C)は、一般的に、出発物質の配置を保持しつつ進行する 。したがって、適切な配置、すなわちcisの出発物質が用いられるべきである。 式(II)および(III)で示される化合物の以下の製造方法は、単一の鏡像異性体 またはその混合物に適用される。 式(II)で示される化合物は、例えば、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、 および例えばジメチルホルムアミドなどの溶媒中、ハロゲン化メチルを用いて、 式(III)で示される化合物をメチル化することにより製造される。 式(III)で示される化合物は、例えば、好ましくはトリエチルアミンなどの第 三級アミンの存在下、クロロギ酸エチルなどのハロギ酸アルキルを用いるかまた は水酸化ナトリムおよびジオキサンなどの溶媒の存在下、ジ炭酸ジtert−ブチル などの炭酸塩を用いて、式(IV): で示される対応する化合物をアシル化することにより製造される。 式(IV)で示される化合物は、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのよ うなエーテルなどの不活性溶媒中、水素化アルミニウムリチウム、NaBH3(O COCF3)または好ましくはホウ水素化リチウムおよびクロロトリメチルシラン などの還元剤を用いて、式(V): [式中、R1は、水素、C1-4アルキルまたはフェニルC1-4アルキル(例えば、 ベンジル)である] で示される化合物を還元することにより製造される。一般に、このプロセスは、 生成物のシス形を優勢的に提供する。好ましくは、R1は、C1-4アルキルである 。 式(V)で示される化合物の還元により、例えば、D(−)マンデル酸などの光学 活性酸と反応させ、次いで、得られたジアステレオ異性体を結晶化により分離す ることによるなど、標準的な方法を用いて分離される式(IV)で示される鏡像異性 体の混合物が得られる。 式(V)で示される化合物は、テトラヒドロフランなどの溶媒中、リチウムビス −(トリメチルシリル)アミドの存在下、式(VI): [式中、R1は、前記定義と同じである] で示される化合物式(VII): [式中、Halは、ハロゲン原子である] で示される化合物と反応させることによって製造される。 式(VI)および式(VII)で示される化合物は、文献公知の方法を用いて製造され る。 発作などの虚血性事象により、脳への血液供給の中断が生じ、脳から必須の酸 素およびグルコースが奪われる。生化学反応のカスケードは、その結果が細胞死 を生じるいわゆるボルテージ・オペレーテッド・カルシウム・チャネルズ(VO CCs)を介して脳細胞(ニューロン)にカルシウムイオンを流入させるという ことを保証する。かかるカルシウム流入を阻害する薬物は、細胞死を最小にし、 したがって、回復のためのポテンシャルを増加させるであろうと思われる。 式(I)で示される鏡像異性体は、例えばニューロン中で、高いカルシウム流入 遮断活性を示すことが判明している。したがって、当該化合物は、ニューロンカ ルシウム拮抗薬と称される。当該化合物自体は、哺乳動物の、特にヒトの、脳細 胞におけるカルシウムの蓄積に関連する病状および疾患の治療において有用であ ると思われる。例えば、当該化合物は、例えば発作を含む虚血;心拍停止および 心臓手術を含む原因による無酸素症;および外傷性頭部損傷の治療において有用 なものである思われる。該化合物は、また、片頭痛;疼痛;癲癇;AIDS関連 痴呆;アルツハイマー病および年齢関連記憶障害のような神経変性疾患;気分障 害;およびエタノール嗜癖禁断症状などの薬物嗜癖禁断症状の治療において有用 なものでもある。 式(I)で示される鏡像異性体は、一酸化窒素シンターゼ(NOS)を阻害する ことが判明しており、かかる阻害が有益である病状の治療に有用である。かかる 病状としては、神経変性疾患および虚血性発作または外傷性頭部損傷後のCNS 機能不全、片頭痛、神経痛、慢性疼痛およびニューロパシー疼痛が挙げられる。 したがって、さらなる態様では、本発明は、必要とする患者に式(I)で示され る鏡像異性体またはその医薬的に許容される塩の有効量を投与することからなる 、哺乳動物の脳細胞におけるカルシウムの蓄積に関連する(例えば、該蓄積によ って生じるかまたは再燃する)病状または疾患の治療方法を提供するものである 。したがって、例えば、本発明は、必要とする患者に式(I)で示される鏡像異性 体またはその医薬的に許容される塩の有効量を投与することからなる、例えば発 作を含む虚血;無酸素症または外傷性頭部損傷の治療方法を提供するものである 。本発明は、必要な患者に式(I)で示される鏡像異性体またはその医薬的に許容 される塩の有効量を投与することからなる、片頭痛、疼痛、癲癇、AIDS関連 痴呆、アルツハイマー病および年齢関連記憶障害などの神経変性疾患、気分障害 およびエタノール嗜癖禁断症状などの薬物嗜癖禁断症状の治療方法を提供するも のでもある。 本発明は、例えば前記したような、哺乳動物の脳細胞におけるカルシウムの蓄 積に関連する病状または疾患の治療薬の製造における式(I)で示される鏡像異性 体またはその医薬的に許容される塩の使用を提供するものでもある。 本発明化合物は、好ましくは、虚血性発作の治療において有用なものである。 医薬用では、式(I)で示される鏡像異性体は、通常、標準的な医薬組成物で投 与される。したがって、本発明は、さらなる態様では、式(I)で示される鏡像異 性体またはその医薬的に許容される塩および医薬的に許容される担体または賦形 剤からなる医薬組成物を提供するものである。 式(I)で示される鏡像異性体は、例えば経口投与、非経口投与、口腔内投与、 直腸投与または経皮投与によるような慣用的な方法および適応した医薬組成物に よって投与される。 経口投与される場合に活性である式(I)で示される鏡像異性体およびその医薬 的に許容される塩は、液体または固体、例えば、シロップ剤、懸濁液剤または乳 剤、錠剤、カプセル剤およびロゼンジ剤として処方することができる。 液体製剤は、一般に、懸濁化剤、保存剤、フレーバーリング剤まはた着色剤を 有する適切な液体担体、例えば、エタノール、グリセリン、非水性溶媒、例えば 、ポリエチレングリコール、油、または水中の当該化合物またはその医薬的に許 容される塩の懸濁液または溶液からなるであろう。 錠剤型の組成物は、慣用的には、固体製剤を製造するために慣用的に用いられ る適切な医薬担体を用いて調製することができる。かかる担体例としては、ステ アリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、スクロースおよびセルロースが 挙げられる。 カプセル剤型の組成物は、慣用的な被包化方法を用いて調製することができる 。例えば、活性成分を含有するペレットは、標準的な担体を用いてゼラチン硬カ プセル中に充填する;別法としては、分散物または懸濁液は、適切な医薬的担体 、例えば、水性ガム、セルロース、シリケートまたは油を用いて製造することが でき、次いで、該分散物または懸濁液をゼラチン軟カプセル中に充填する。 本発明の鏡像異性体は、ボーラス注射または連続注入により非経口投与されて もよい。典型的な非経口組成物は、無菌水性担体または非経口的に許容される油 、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生 油またはゴマ油中の当該化合物または医薬的に許容される塩の溶液または懸濁液 からなる。別法としては、該溶液を凍結乾燥し、次いで、投与直前に適切な溶媒 で復元する。 液体および固体の両方の組成物は、シクロデキストリンなどの製薬技術分野に おいて知られている他の賦形剤を含有してもよい。 好ましくは、当該組成物は、錠剤、カプセル剤またはアンプル剤などの単位投 与形態である。 経口投与用の各投与単位は、好ましくは、遊離塩として計算して式(I)で示さ れる化合物またはその医薬的に許容される塩1〜250mgを含有する(非経口投 与用としては、0.1〜60mgを含有するのが好ましい)。 成人患者のための日用量方針は、例えば、遊離塩として計算して式(I)で示さ れる化合物またはその医薬的に許容される塩1mg〜500mg、好ましくは、1mg 〜250mg、例えば、5〜200mgの経口投与量、または、0.1mg〜100mg 、好ましくは0.1mg〜60mg、例えば、1〜40mgの静脈内、皮下、または筋 肉内投与量であり、該化合物を1日当たり1〜4回投与する。別法としては、本 発明の化合物は、連続静脈内注入により、好ましくは1日当たり400mgまでの 投与量で投与されてもよい。したがって、経口投与による総日用量は、1〜20 00mgの範囲であり、非経口投与による総日用量は、0.1〜400mgであろう 。適切には、当該化合物は、連続治療の期間、例えば、1週間以上、投与される であろう。 所望により、式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩は、1 種類以上の他の治療薬、例えば、アニストプラーゼ、ストレプトキナーゼまたは 組織プラスミノーゲン活性化因子などの血栓溶解剤;NMDA拮抗薬などの興奮 性アミノ酸拮抗薬;フリーラジカル阻害薬;またはカルパイン阻害薬と組み合わ せて、または同時に投与される。 生物学的データ Ca2+電流測定 細胞調製 Marrion et al.,Neurosci.Lett.,77,55-60(1987)から変更された方法に 従って、上頸神経節ニューロンを単離し、培養した。細胞をラミニン被覆したプ ラスチック製組織培養皿上に置き、記録直前まで37℃でインキュベートした。 分離の2〜9日後に電気生理学的記録を行った。 溶液 ピペット(内部溶液)は、CsCl 130mM;HEPES 10mM;EGTA 10mM;MgCl24mM;ATP 2mMを含有しており、CsOHでpH7.2に 緩衝剤処理した。細胞を規定タイロード溶液中に浸漬した後、全細胞記録を確立 し、次いで、浸漬溶液をCa2+電流を単離させるものと交換した。Ca2+チャネル 電流を記録するための外部溶液は、BaCl210mM;TEA−Cl 130mM; グルコース 10mM;HEPES 10mM;MgCl2 1mMを含有しており、T EA−OHでpH7.3に緩衝剤処理した。バリウムは、電流単離を助け、電流の カルシウム依存性不活化を回避するので、バリウムを電荷担体として用いた。化 合物をDMSOに溶解させて、20mMの貯蔵溶液を調製した。使用した最も高 い薬物濃度で、ビヒクル(0.1%)は、Ca2+電流に対して有意な影響を及ぼさ なかった。全ての実験は、21〜24℃で行った。全細胞電流は、List EPC −7増幅器を用いて記録し、貯蔵し、従前に開示された(Benham & Tsien,Jour nal of Physiology(1988),404,767-784)ものと同様のPCベースのソフトウ エアを用いて後の分析のためにディジタル化した。 結果 Ca2+電流 電荷担体として10mM Ba2+を用いて、10nAまでのピーク電位ゲートCa2 + チャネル電流を記録した。15秒毎に、−80mVの保持電位から0または+1 0mVの試験電位まで電流を誘発した。この試験電位は、電流電圧関係のピーク であり、この点での遮断を評価することは、ドリフトする保持電位による誤差を 減少させた。いくつかの細胞は、Ca2+電流を記録した場合に一般的に見られる ような電流の減衰を示した。減衰率は、制御条件下で測定し、薬物適用時点を通 って外挿して、減衰修正対照値を得た。 定常カルシウム電流を4連続パルス(1分)の間記録した後、10μMニモジ ピン(Nimodipine)(ジヒドロピリジン)を細胞に適用して、L型カルシウム 電流を遮断した。3分後、5μM薬物を10μMニモジピンと一緒に3分間適用 した。かかる薬物適用は、残りの優勢なN型カルシウム電流の遮断を試験した。 これらの条件下、実施例1および2の化合物により、各々、プラトーCa2+電流 の95%および99%阻害が得られた。 イン・ビボ アレチネズミ(gerbil)BCAOモデル 体重60〜80gの雄性スナネズミ(Mongolian gerbil)をハロタンで麻酔し 、加熱したマット上に置き、頸動脈を6分間閉塞した。再灌流後、該動物を縫合 し、インキュベーター中に2時間置いて、急性回復期の間、体温を維持した。次 いで、該動物を別々にカゴに入れ、術後5日目に、該動物を安楽死させ、組織学 的分析のために脳を取り出した。これらの実験における投与プロトコールは、虚 血後30分間、15mg/kgであり、次いで、3日間、1日2回、5mg/kgであっ た。注射は、腹腔内経路により行い、ビヒクルは、蒸留水であった。 実施例1および実施例2に記載した試験化合物は、各々、虚血性のビヒクル処 理動物において見られたものと比較して海馬のCA1領域における組織学的損傷 の有意な減少を生じた。 マウスMCAOモデル 体重25〜29gの雄性CD1マウスをトリブロモエタノールで麻酔し、ヒー トパッド上に置き、37℃に維持した。中大脳動脈を焼灼し、頭蓋内経路により 分割した。手術完了後、マウスを2時間インキュベーター中に置いて、急性回復 期の間、体温を維持した。4日目にマウスを安楽死させ、組織学的分析のために 脳を取り出した。これらの実験における投与プロトコールは、虚血後30分間、 10mg/kgであり、次いで、3日間、1日2回、10mg/kgであった。注射を腹 腔内経路により行い、ビヒクルは、蒸留水であった。 実施例1および実施例2に記載した試験化合物は、各々、虚血性のビヒクル処 理動物において見られたものと比較して大脳皮質における組織学的損傷の有意な 減少を生じた。 医薬製剤 標準的な方法を用いて調製される本発明の典型的な医薬製剤を以下に示す。 IV輸液 式(I)で示される化合物 1〜40mg バッファー pH約7まで 溶媒/錯体形成剤 100mlまで ボーラス注射 式(I)で示される化合物 1〜40mg バッファー pH約7まで 共溶媒 5mlまで バッファー:適切なバッファーとしては、リン酸塩、水酸化ナトリウム/塩酸 。 溶媒:典型的には水であるが、シクロデキストリン(1〜100mg)ならびに プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびアルコールなどの共溶媒 を含んでもよい。 錠剤 化合物 1〜40mg 希釈剤/充填剤* 50〜250mg 結合剤 5〜25mg 崩壊剤* 5〜50mg 滑沢剤 1〜5mg シクロデキストリン 1〜100mg *は、シクロデキストリンを含んでもよい。 希釈剤:例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、デンプン。 結合剤:例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロー ス。 崩壊剤:例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン。 滑沢剤:例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム 。 経口懸濁液剤 化合物 1〜40mg 懸濁化剤 0.1〜10mg 希釈剤 20〜60mg 保存剤 0.01〜1.0mg バッファー pH約5〜8まで 共溶媒 0〜40mg フレーバー 0.01〜1.0mg 着色剤 0.001〜0.1mg 懸濁化剤:例えば、キサンタンガム、微結晶性セルロース。 希釈剤:例えば、ソルビトール溶液、典型的には、水。 保存剤:例えば、安息香酸ナトリウム。 バッファー:例えば、クエン酸塩。 共溶媒:例えば、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ ール、シクロデキストリン。 以下の限定しない製造例および実施例により本発明をさらに説明する。 製造例1 (±)E,Z−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−インダノンオキシム−O− メチルエーテル アルゴン下、−78℃で、2−インダノンオキシム−O−メチルエーテル(5 .05g、31ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラン(250ml)中溶液にリチウ ムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中1M溶液41ml、41 ミリモル)を添加して、緑色溶液を得た。10分後、塩化3,4−ジクロロベン ジル(7.34g、38ミリモル)を一度に添加し、冷却浴を外した。反応混合物 が室温に達した後、さらに30分間撹拌し続けた後、大過剰量の水中に注ぎ、ジ エチルエーテル(3×100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリ ウムで乾燥させ、揮発物を真空除去した。残留物を、ヘキサン中10%ジエチル エーテルで溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーに付して、黄色 油状物として標記化合物を得た(8.04g)。 1H Nmr(主要な異性体)(CDCl3)δ:3.14−3.18(2H,m)、 3.51(2H,d,J=20Hz)、3.97(3H,s)、4.43(1H,t,J=5H z)、6.60−7.23(7H,m)。 製造例2 方法A (±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−アミノインダン 水素化アルミニウムリチウム(2.19g、58ミリモル)の乾燥ジエチルエー テル(100ml)中溶液に(±)E,Z−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−イ ンダノンオキシム−O−メチルエーテル(8.04g、25ミリモル)のジエチル エーテル(400ml)中溶液を滴下した。該混合物を室温で18時間撹拌した後 、最小量の水を注意して添加して、反応を急冷した。沈殿したアルミニウム塩を 濾過し、溶媒を真空除去した。残留物をクロロホルム中5%エタノールで溶離す るシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーに付した。主要な早い流出成分を 含有する純粋なフラクションをプールして、油状物として標記化合物(2.11g )を得、これをHCl塩に転換し、結晶化して、白色固体を得た。融点>198 ℃分解(エタノール−ジエチルエーテルから)。 1H Nmr(HCl塩)(CDCl3)δ:2.61(1H,t,J=14Hz)、3. 13−3.25(3H,m)、3.63(1H,m)、4.02(1H,m)、6.42(1H ,d,J=7Hz)、7.03(1H,t,J=7Hz)、7.16(2H,m)、7.30(1 H,d,J=7Hz)、7.45(1H,s)、7.60(1H,d,J=7Hz)、8.57( 3H,br.s)。 方法B アルゴン下、−20℃で、ホウ水素化リチウム(9.91g、0.456モル) の乾燥テトラヒドロフラン(900ml)中スラリーにクロロトリメチルシラン( 145ml、1.14モル)を添加した。該混合物を室温で2時間撹拌し、次いで 、−20℃に冷却し、(±)E,Z−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−インダ ノンオキシム−O−メチルエーテル(26.6g、83ミリモル)の乾燥テトラヒ ドロフラン(50ml)中溶液で滴下処理した。室温で18時間撹拌し続けた後、 メタノール(100ml)で急冷し、シリエチルアミン(75ml)で処理した。真 空濃縮して、薄黄色固体を生成し、これを氷冷水(300ml)およびジクロロメ タン(400ml)に分配させた。水性層をジクロロメタン(4×100ml)で抽 出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。残留物 をクロロホルム中5%エタノールで溶離するカラムクロマトグラフィーに付して 、薄黄色油状物として標記化合物を得た(12.2g、51%)。 製造例3 (±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−tert−ブトキシカルボニル アミノインダン (±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−アミノインダン(1.29g 、4.4ミリモル、製造例2の方法Aにおけると同様に製造した)を1,4−ジオ キサン(100ml)に溶解させ、0℃に冷却した。3M NaOH水溶液(1.4 8ml)およびジ炭酸ジ−tert−ブチル(1.02ml、4.4ミリモル)を添加し、 該反応を室温で3時間撹拌した後、水中に注ぎ、ジエチルエーテル(3×100 ml)で抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を真空除去し、残留物を エタノール/ヘキサンから再結晶して、白色固体として標記化合物(1.65g) を得た。 1H Nmr(CDCl3)δ:1.54(9H,s)、2.68−2.81(2H,m) 、2.92(1H,dd,J=7,15Hz)、3.14(1H,dd,J=7,15Hz)、 3.44−3.59(1H,m)、4.47−4.53(1H,m)、4.73(1H,d,J =9Hz)、6.81(1H,d,J=7Hz)、6.99(1H,d,J=9Hz)、7.0 8−7.26(4H,m)、7.45(1H,d,J=9Hz)。 製造例2の方法Bによって製造した(±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル )−2−アミノインダンを用いて、(±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)− 2−tert−ブトキシカルボニルアミノインダンを製造した。 製造例4 (±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−(N−メチル−N−tert−ブ トキシカルボニルアミノ)インダン 窒素下、水素化ナトリウム(油中80%分散物、130mg、4.2ミリモル) の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(6ml)中懸濁液に(±)シス−1−(3,4 −ジクロロベンジル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノインダン(1.65 g、4.2ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中溶液を滴下し た。該混合物を室温で30分間撹拌した後、ヨードメタン(0.28ml、4.5ミ リモル)を滴下し、さらに1時間撹拌し続けた。次いで、該反応混合物を大過剰 量の塩化アンモニウム飽和溶液中に注ぎ、ジエチルエーテル(3×40ml)で抽 出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。残留 物をヘキサン中10%ジエチルエーテルで溶離するシリカゲル上でのカラムクロ マトグラフィーに付して、無色の油状物として標記化合物を得た(1.02g)。 1H Nmr(CDCl3)δ:1.45(9H,s)、2.65(3H,s)、2.70 −2.91(2H,m)、3.04(1H,dd,J=6,15Hz)、3.18(1H,dd ,J=7,15Hz)、3.64(1H,m)、4.98(1H,br.s)、6.78(1H, d,J=7Hz)、7.02−7.29(5H,m)、7.37(1H,d,J=9Hz)。 製造例5 (±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン 0℃で、(±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−(N−メチル−N− tert−ブトキシカルボニルアミノ)インダン(1.016g、2.5ミリモル)のジ クロロメタン(20ml)中溶液にトリフルオロ酢酸(4ml)を滴下した。次いで 、該溶液を室温で2時間撹拌し、NaHCO3飽和水溶液(150ml)中に注ぎ、 ジクロロメタン(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで 乾燥させ、真空濃縮した。残留物を、クロロホルム中5%エタノールで溶離する シリカ上でのカラムクロマトグラフィーに付して、無色油状物として標記化合物 (585mg)を得、これを、HCl塩に転換し、結晶化して、白色固体を得た。 融点>245℃分解(エタノール−ジエチルエーテルから)。 1H Nmr(HCl塩)(CDCl3)δ:2.48(1H,t,J=14Hz,)、2 .72(3H,s)、3.23(3H,m)、3.61(1H,m)、3.94(1H,q,J= 7Hz)、6.21(1H,d,J=7Hz)、7.00(1H,t,J=7Hz)、7.09( 1H,d,J=7Hz)、7.19(1H,t,J=7Hz)、7.30(1H,d,J=7H z)、7.38(1H,s)、7.58(1H,d,J=7Hz)、9.66(2H,br.s)。 製造例6 (+)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−アミノインダンおよび(−) シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−アミノインダン (±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−アミノインダン(7.58g 、0.026モル)のエタノール(60ml)中溶液をD(−)マンデル酸(3.95 g、0.026モル)で処理した。該溶液を蒸気浴上で加温し、次いで、真空濃縮 した。得られた泡状物をジエチルエーテルに溶解させ、次いで、蒸気浴上で濃縮 し、結晶化させて、白色固体としてD(−)マンデル酸塩(5.3g)を得、これか ら(−)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−アミノインダンを遊離した 。 比旋光度=−50.2(クロロホルム、c=0.6、20℃)。 鏡像異性体的純度=90.3%(キラルHPLC分析に基づく(キラルパク( Chiralpak)ADカラム、90/10のヘキサン/エタノール+0.1%DEA で溶離する))。 母液を蒸発させて、泡状物(6.3g)を得、これから(+)シス−1−(3,4− ジクロロベンジル)−2−アミノインダンを遊離した。 鏡像異性体的純度=89.5%(キラルHPLC分析に基づく(キラルパク( Chiralpak)ADカラム、90/10のヘキサン/エタノール+0.1%DEA で溶離する))。 実施例1および2 (+)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン塩酸 塩(E1) (−)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン塩酸 塩(E2) S−(+)−α−トメキシフェニル酢酸(2.41g、14.5ミリモル)のジク ロロメタン(100ml)中溶液に塩化チオニル(15ml)を添加し、該混合物を 還流させながら90分間加熱した。冷却後、該混合物を真空濃縮した。次いで、 残留物をジクロロメタン(50ml)に溶解させ、(±)シス−1−(3,4−ジクロ ロベンジル)−2−メチルアミノインダン(3.7g、12.1ミリモル、製造例2 の方法Aを用いて得られた(±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−ア ミノインダンから製造した)、ジクロロメタン(50ml)および1M水酸化ナト リウム水溶液(100ml)の混合物に添加した。次いで、二相混合物を、1時間 、強く撹拌した。次いで、層を分離し、水性相をジクロロメタンで抽出した。合 わせた有機相を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮して、2 つのジアステレオ異性体の50:50混合物を得、これを、60−80℃石油中 50%ジエチルエーテルで溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー 付すことによって容易に分離した。 早く溶出するジアステレオ異性体(2.2g、4.8ミリモル)を乾燥テトラヒ ドロフラン(175ml)に溶解させ、カリウムtert−ブトキシド(22g)およ び水(0.37ml)で処理した。次いで、該混合物を、45分間、強く撹拌した 。固体物質を濾過した後、該混合物を真空濃縮し、残留物をジエチルエーテルお よび水に分配させた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。残留 物を、クロロホルム中5%エタノールで溶離するシリカゲル上でのカラムクロマ トグラフィーに付して、褐色油状物を得、これをHCl塩に転換させ、結晶化し て、白色固体として(+)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルア ミノインダン塩酸塩(E1)(297mg)を得た。融点>250℃分解(メタノ ール−ジエチルエーテルから)。 比旋光度=+160°(クロロホルム、c=1、24℃)。 遅く溶出したジアステレオ異性体(2.2g、4.8ミリモル)を乾燥テトラヒ ドロフラン(175ml)に溶解させ、カリウムtert−ブトキシド(22g)およ び水(0.37ml)で処理した。次いで、該混合物を、45分間、強く撹拌した 。固体物質を濾過した後、該混合物を真空濃縮し、残留物をジエチルエーテルお よび水に分配させた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。残留 物を、クロロホルム中5%エタノールで溶離するシリカゲル上でのカラムクロマ トグラフィーに付して、褐色油状物を得、これをHCl塩に転換させ、結晶化し て、白色固体として(−)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルア ミノインダン塩酸塩(E2)を得た(250mg)。融点>250℃分解(メタノ ール−ジエチルエーテルから)。 比旋光度=−159°(クロロホルム、c=1、24℃)。 実施例1および2のさらなる製造例 (+)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン塩酸 塩(E1) (−)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン塩酸 塩(E2) 製造例3〜5における記載と同様に、(±)シス−1−(3,4−ジクロロベンジ ル)−2−アミノインダン(製造例2の方法B、13.95g)から(±)シス−1 −(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン(7.49g)を製造 し、次いで、前記同様に単一の鏡像異性体(+)シス−1−(3,4−ジクロロベン ジル)−2−メチルアミノインダン塩酸塩(E1)および(−)シス−1−(3,4 −ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン塩酸塩(E2)に転換した。 各々の場合、キラル純度は、キラルHPLC分析(カラム:CHIRALPAK AD;溶離液:99/1のヘキサン/エタノール+0.1%DEA)により判定 すると99.5%より高かった。他の不純物のレベルは、HPLC(カラム:Me rck RP − セレクトB。溶離液A:水中0.1%TFA;溶離液B:アセトニ トリル中0.1%TFA;溶離液組成物は、5%Bから80%Bまで直線的に4 0分間かけて増加させ、次いで、80%Bでさらに10分間維持した)により判 断すると<0.3%であった。 実施例1および2の鏡像異性体は、製造例3、4および5において記載したと 同様の方法を用いて、製造例6の鏡像異性体生成物からも製造される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),UA(AZ,BY,KZ,RU,TJ,TM),A L,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR,BY ,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES, FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ ,VN (72)発明者 ハーリング,ジョン・デイビッド イギリス、シーエム19・5エイディ、エセ ックス、ハーロウ、ザ・ピナクルズ、コー ルドハーバー・ロード、スミスクライン・ ビーチャム・ファーマシューティカルズ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式(I): で示される単一の鏡像異性体またはその塩。 2.(+)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン またはその塩。 3.(−)シス−1−(3,4−ジクロロベンジル)−2−メチルアミノインダン またはその塩。 4.塩酸塩である請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。 5.反対の鏡像異性体を10%未満含有する請求項1〜4のいずれか1項記載 の鏡像異性体。 6.反対の鏡像異性体を1%未満含有する請求項5記載の鏡像異性体。 7.(A)(i)クロマトグラフィーによる式(I)で示される鏡像異性体の混 合物またはその誘導体の分離; (ii)式(I)で示される鏡像異性体の混合物のキラル誘導体のジア ステレオ異性体の分離 により、式(I)で示される単一の鏡像異性体を対応する鏡像異性体混合物から得 ること; (B)式(II): [式中、Alkは、C1-4アルキル基、例えば、エチルまたはt−ブチルである] で示される単一の鏡像異性体の脱保護; (C)式(III): [式中、Alkは、C1-4アルキル基、例えば、メチルまたはエチルである] で示される単一の鏡像異性体の還元; 次いで、所望により、このようにして得られた式(I)で示される鏡像異性体の 誘導体の式(I)で示される鏡像異性体自体への転換;塩の遊離塩への転換および /または塩形成 からなることを特徴とする式(I)で示される単一の鏡像異性体の製造方法。 8.ジアステレオ異性体が式(I)で示されるアミド誘導体である請求項7記載 の方法。 9.哺乳動物の脳細胞におけるカルシウムの蓄積に関係する病状または疾患の 治療方法であって、該治療を必要とする対象体に請求項1〜6のいずれか1項記 載の鏡像異性体またはその医薬的に許容される塩の有効量を投与することからな る治療方法。 10.哺乳動物の脳細胞におけるカルシウムの蓄積に関係する病状または疾患 の治療薬の製造における請求項1〜6のいずれか1項記載の鏡像異性体またはそ の医薬的に許容される塩の使用。 11.請求項1〜6のいずれか1項記載の鏡像異性体またはその医薬的に許容 される塩および医薬的に許容される担体または賦形剤からなる医薬組成物。
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