【発明の詳細な説明】
硬化剤と強化剤とを含むエポキシ樹脂
発明の背景 発明の分野
本発明はプレプレグの製造に用いられるエポキシ樹脂マトリックス製剤と、改
良された機械的性質を有する複合体とに関する。
先行技術の説明
樹脂マトリックス中に高強度フィラメントを含む複合体は周知の物質である。
特に、炭素繊維-エポキシ複合体の高い比強度と比剛性とは、このような複合体
を例えば航空機要素用のような重量感受性構造用途に用いるために適したものに
する。歴史的に、これらの複合体は優れた引張り強度とモジュラス(modulus)
とを示しているが、圧縮強度は構造設計において、特にホット-ウェット(hot-w
et)条件下で限定ファクターであった。さらに、複合体の耐損傷性(damage tol
erance)を高める方向の最近数年間の傾向は時にはホット-ウェット圧縮強度又
はオープンホール圧縮(OHC)強度を犠牲にしている。新規な複合材料の開発
における1つの目的は、幾つかの性質:優れたホット-ウェット圧縮強度及びノ
ッチ付き圧縮強度と組合された、優れた靭性及び引張り特性の釣り合いを得るこ
とである。
炭素繊維複合体の圧縮強度を改良する1つの方法は、マトリックス物質のモジ
ュラスを改良することである。圧縮荷重下で、繊維は潰れる(buckle)傾向があ
り、繊維を囲むマトリックス物質がもっと剛性であるならば、座屈荷重が改良さ
れると考えられる。この概念を考察している参考文献はGene B.Portelli 等
による“単層圧縮強度に対するマトリックスモジュラスの効果”,Int.SAM
PESymp.Exhib.1992,37,783〜95頁である。しかし、複合体
の幾つかの性質の釣り合いを得るために、マトリックスの剛性の増強は樹脂靭性
又は破壊歪みを犠牲にすべきではない。
複合体の製造に用いるために適した硬化性エポキシ樹脂組成物を開示する幾つ
かの特許参考文献が存在する。例えば、米国特許第4,269,759号は、改良
された機械的性質を有する複合体を生じる樹脂組成物の1成分として3,3'-テ
トラグリシジルジアミノジフェニルスルホン(3,3'-TGDDS)を含有する
樹脂組成物を開示している。この特許によって開示される発明の目的は二重であ
る:即ち、ゴムと相容性であるエポキシ組成物を形成することと、水分とゴムの
存在とに不感受性である、高度に架橋されたゴム網状組織と高い初期Tg とを有
する組成物を提供することである。好ましい樹脂組成物は5成分:(3,3'-T
GDDS、硬化剤、ゴム、触媒及びフリーラジカル開始剤)を含んでいる、この
樹脂の炭素繊維複合体も開示されている。
米国特許第4,783,506号は、分散した不融性ゴム粒子をも含有する架橋
したエポキシ樹脂マトリックスを含む靭性なエポキシ相中に分散した高強度フィ
ラメントを含む耐損傷性複合体を開示する。このエポキシ化合物は例えばビスフ
ェノールAのジグリシジルエーテル又はレゾルシノールジグリシジルエーテル(
1,3-ビス-(2,3-エポキシプロポキシ)ベンゼン)のような1分子につき2
〜約4個のエポキシ基を有するポリエポキシドを含むことができる。
米国特許第4,959,438号は、38ksi 以上のCAl強度と、180°F
(82.2℃)湿式において150ksi 以上のO°圧縮強度とを有する複合体を
生じるエポキシ樹脂組成物を開示している。特定されたエポキシ組成物は二官能
性エポキシ樹脂、三官能性エポキシ樹脂、フェノール系化合物及び硬化剤を含有
する。メタ-アミノフェノールのトリグリシジル誘導体が、開示された組成物に
使用可能である三官能性エポキシの1例として挙げられている。
米国特許第5,317,068号も、良好なプレプレグ粘着性及びドレープ性と
共に良好な複合機械的性質を有するエポキシ組成物を開示する。これらの組成物
は、特定範囲のMw/Mn比を与える数平均分子量と重量平均分子量とを有する四
官能性エポキシ樹脂、三官能性エポキシ樹脂及びビスフェノール-Aエポキシ樹
脂を含む。メタ-アミノフェノールのトリグリシジル誘導体が、組成物に使用可
能である三官能性エポキシの1例として挙げられている。
JP-3021631(91-A)の要約書は、アミン又はアミドとエポキシと
の反応生成物を含有するエポキシ樹脂組成物を開示している。エポキシの製造に
用いられる成分の1つは、少量のメタ-アミノフェノールのトリグリシジル誘導
体を包含する。
JP-94008341(B-2)の要約書は、30重量%までのトリグリシジ
ルメタ−アミノフェノールを包含することができるエポキシ樹脂の混合物に基づ
くポリエーテルスルホン強化エポキシ組成物を開示している。
JP-61250021(86-A)及びJP-61250022(86-A)の
要約書はそれぞれ、混合エポキシ系の1成分として少量のN,N,O-グリシジル
アミノフェノールを含有することができるマトリックスエポキシ樹脂組成物を開
示している。
JP-58187422(83-A)の要約書は、ジシアナミドとN,N-ジメチ
ル尿素誘導体との組合せを用いて硬化させた、ビスフェノール Aとエピハロヒ
ドリン又はビス(ジグリシジルアミノフェノール)メタン又はm-ジグリシジル
アミノフェニルグリシジルエーテルとの縮合物を含有するエポキシ樹脂組成物を
開示している。
しかし、上記で考察した参考文献のいずれも機械的性質の改良された釣り合い
、即ち、ホット-ウェット圧縮強度及びノッチ付き圧縮強度と組合された、優れ
た靭性及び引張り特性を提供する硬化済み複合材料を開示しているようには思わ
れない。
発明の概要
本発明は(a)(i)芳香環系の1,2- 若しくは1,3- 位置に複数のグリシ
ジルアミン基若しくは単一のグリシジルアミン基とグリシジルエーテル基とを有
する、又は直接の結合若しくは直接の連結基によって結合した2つの芳香環の2
,2'、2,3'、2,4'、3,3' 若しくは3,4' 位置にグリシジルアミン基若し
くはグリシジルエーテル基を有する芳香族エポキシ樹脂の1種若しくは混合物、
少なくとも約33重量%と;(ii)1分子に付き少なくとも2個のエポキシ基を
有し、成分(a)(i)とは異なる芳香族エポキシ樹脂の1種若しくは混合物、
0〜約67重量%とを含むエポキシ樹脂成分と;(b)前記エポキシ樹脂成分の
硬化剤と;(c)熱可塑性ポリマー、未硬化(uncured)ゴム、前記グリシジル
エーテル基若しくはグリシジルアミン基と反応する官能基を有する芳香族オリゴ
マー、及びこれらの混合物から成る群から選択されるポリマー強化剤(tougheni
ng agent)との混合物を含む硬化性樹脂組成物から製造される、機械的性質の改
良された釣り合いを有する複合材料を提供する。さらに好ましい実施態様では、
組成物は(d)前記組成物中に分散した不融性粒子、0〜50重量部と、(e)
硬化促進剤、0〜約10重量部をも含有する。
好ましい実施態様では、成分(a)(ii)は芳香環のパラ位置に、又は連結し
た芳香族系の4,4'- 位置に、又は一置換芳香環におけるグリシジルエーテル基
若しくはグリシジルアミン基若しくはこのような基の組合せを含有する芳香族エ
ポキシであり、組成物中に存在するエポキシ樹脂の含量に基づいて少なくとも約
5重量%のレベルで組成物中に存在する。
本発明はまた、高強度の炭素に基づく繊維を含有するプレプレグ組成物と、そ
れから製造される硬化済み複合体とにも関する。
本発明のマトリックスエポキシ樹脂製剤は慣用的なパラ- 若しくは4,4'- 異
性体以外の又はこれらに加えたエポキシ樹脂の異性体を含有する。エポキシ樹脂
含量に基づいて少なくとも33重量%のレベルでのマトリックス樹脂組成物中へ
のこれらの他の異性体の混入は高いモジュラスのマトリックスを生じて、次には
慣用的なエポキシ樹脂異性体によって製造された複合体に比べて改良された圧縮
強度、オープンホール圧縮強度及び剪断強度を有する複合体を生じる。本発明の
複合体の耐損傷性は、匹敵する状態のこの技術分野の複合体に比べて同じか又は
より良好である。
発明の詳細な説明
本発明の対象であるエポキシ樹脂組成物は1種以上のエポキシ樹脂;反応性芳
香族オリゴマー成分又は熱可塑性ポリマー成分又はこれらの混合物;及び硬化剤
を含む。硬化促進剤も存在することができる。任意に、生成する複合体を強化す
るように作用する不融性粒子が樹脂組成物中に存在することができる。エポキシ
樹脂組成物は高強度フィラメントの帯に含浸するためのフィルム、又は熱によっ
て溶融して高強度フィラメントの帯上に広がることができる物質塊、又は浸漬操
作で高強度フィラメントに含浸することができる溶解生成物の形状であることが
できる。
エポキシ樹脂は1分子につき平均1個より多いエポキシド基、好ましくは1分
子につき平均少なくとも2個のエポキシド基を含有する。本明細書で用いるエポ
キシドなる用語は、三員環である最も簡単なエポキシド基を意味する:
エポキシ(又はエポキシド)、1,2-エポキシ(又はエポキシド)、隣接エポキ
シ(又はエポキシド)及びオキシラン環なる用語もこのエポキシド基に対して技
術上認められた名称である。
1分子につき2〜約4個のエポキシド基を有するエポキシ樹脂は、本発明の対
象である樹脂組成物において特に好ましい。本発明の対象である組成物に用いら
れるエポキシ樹脂の1種類は芳香族化合物、
即ち、フェニレン基を含有する化合物から誘導される。フェニレン環上の置換基
の3種類の配向が可能であり、これらはオルト-(o)、メタ-(m)及びパラ-
(p)と呼ばれる。連結基Xによって結合された2つのフェニレン基に関しては
幾つかの可能な異性体:2,1'、2,3';2,4';3,3';3,4';及び4,4'
が存在する。商業的に入手可能なエポキシ樹脂は典型的にパラ- 又は4,4'- 異
性体である。例えば、ビスフェノール-Aのジグリシジルエーテル(DGEBA)
、Ciba-Geigy のAraldite GY6010、Shell Chemical のEpon828
又はDow Chemical のDER332として入手可能な、広範囲に用いられるエ
ポキシ樹脂は4,4'- 異性体である。Ciba-Geigy のAraldite MY721又
はShell の1077として入手可能なテトラグリシジルメチレンジアニリン(
TGMDA)は4,4'- 異性体である。Ciba-Geigy のAraldite MY051
0又はShell Chemical のEpon1075として入手可能なトリグリシジル-パ
ラ-アミノフェノールはパラ異性体である。他の種類の芳香族エポキシ樹脂は1
分子につき2個のエポキシド基を有する一置換芳香族化合物である。この種類の
例はAjinomoto USA社からGANとして入手可能なジグリシジルアニリンで
ある。 本発明の組成物中のエポキシ樹脂の少なくとも1種はパラ- 又は4,4'
- 以外の異性体である。これらのエポキシ樹脂は本発明の目的のために“異性エ
ポキシ(isomeric epoxies)”と呼ばれる。メタ-又は3,3'- 異性体が好まし
い。トリグリシジル-メタ-アミノフェノール及びテトラグリシジル-3,3'-ジア
ミノジフェニルスルホンが、本発明の組成物に包含するために好ましい異性エポ
キシである。異性エポキシの他の例はテトラグリシジル-3,3'-メチレンジアニ
リン、テトラグリシジル-2,4'-メチレンジアニリン、テトラグリシジル-2'-
メチル-2,4'-ジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル-オルト-アミノフェ
ノール、ジグリシジル-3,3'-ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2-ビス[m
-(2,3-エポキシ-プロポキシ)フェニル]プロパン等である。
上記異性エポキシ樹脂の1種以上は組成物のエポキシ含量の100%を占める
ことができる、又はこれらを67重量%までの、やはり上述したような1種以上
の慣用的な芳香族パラ-、4,4'- 若しくは一置換エポキシ樹脂とブレンドする
こともできる。これらの樹脂は一般に、単一芳香環構造の1,4- 位置に又は直
接の結合によって或いは例えばメチレン、イソプロピリデン若しくはスルホン基
のような連結基によって結合した2個の芳香環の4,4'- 位置にグリシジルエー
テル若しくはグリシジルアミン基若しくはこのような基の組合せを含有する。こ
の種の慣用的エポキシの例は、トリグリシジル-パラ-アミノフェノール、ジグリ
シジル-ビスフェノール A、ジグリシジル-ビスフェノール F、テトラグリシ
ジル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、1,6-ジヒドロキシナフタレンのジグ
リシジルエーテル、テトラグリシジル−ビス(4-アミノ-3-エチルフェニル)
メタン及びこれらの混合物である。
好ましいエポキシ樹脂組成物はエポキシ樹脂含量の少なくとも33重量%、よ
り好ましくは少なくとも約45重量%、最も好ましくは少なくとも約50重量%
の1種以上の異性エポキシ樹脂成分と、エポキシ含量の残部の1種以上の慣用的
なパラ-、4,4'- 又は一置換エポキシ樹脂とを含有する。より好ましい組成物
は約45重量%〜95重量%の異性エポキシ樹脂成分を含有する。好ましい実施
態様では、異性エポキシ樹脂成分 a(i)とより慣用的なエポキシ樹脂成分 a
(ii)とが約10:1から約1:2までのそれぞれの重量比で存在する。
組成物中に存在する硬化剤はアミン硬化剤、より好ましくは下記構造:
[式中、R1、R2、R3及びR4は独立的に水素、ハロゲン又は炭素数1〜12の
アルキル又はアルコキシ基であり、XはO、S、SO2、アルキレン、アルキリ
デン及びオキソアルキレンであり、mは0又は1である]を有する芳香族ジアミ
ン、フェニレンジアミン又は複素環式ジアミンでありうる。特に好ましい芳香族
ジアミンは、3,3'-又は4,4'-ジアミノジフェニルスルホンである。他の芳香
族ジアミンは例えば4,4'-メチレンジアニリンのようなメチレンジアニリン;
ジアミノジフェニルスルフィド;ジアミノジフェニルエーテル;ジアミノベンゾ
フェノン;ベンジデン;4,4'-チオジアニリン;メタ-フェニレンジアミン;2
,6-ジアミノピリジン;2,4-トルエンジアミン:4,4'-[1,4-フェニレン
(1-メチルエチリデン)]ビス(2,6-ジメチルベンゼンアミン)、例えばSh
ell のEpon HPT硬化剤1062-M;及びジアニシジンを包含する。例えば
ジ(アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル又はスルホンのような、さらに他の
芳香族ジアミンを必要な場合には用いることができる。例えばメタンジアミンの
ような脂環式アミンをも用いることができる。場合によっては、濃度及び/又は
硬化温度が硬化速度の制御を可能にするほど充分に低いならば、通常は迅速反
応性硬化剤である第2級アルキルアミンのような脂肪族アミンを単独で又は他の
アミン硬化剤と組合せて用いることができる。本発明のエポキシ樹脂の製造に硬
化剤として用いられうる他の迅速反応性硬化剤はジシアンジアミド(Dicy)、
三フッ化ホウ素-アミン錯体、イミダゾール、ポリアミド、o-トリルビグアニド
等である。このような触媒硬化剤はアミンと組合せて用いることができる。
アミン硬化剤は組成物中に組成物を架橋又は硬化させるほど充分な量で存在し
、好ましくは組成物中のエポキシド基の1当量につき0.3〜1.5当量、より好
ましくは0.5〜1.2当量の活性水素原子を与えるような量で存在する。
硬化剤は例えばカルボン酸無水物、テトラヒドロナフタル酸無水物、メチルテ
トラヒドロナフタル酸無水物、ナジクメチル-無水物(nadicmethyl-anhydride)
、フタル酸無水物、マレイン酸無水物、ポリアジリクポリアンヒドリド(polyaz
ilic polyanhydride)、トリメリト酸無水物、ベンゾフェノン、テトラカルボン
酸無水物及びピロメリト酸無水物のような、無水物及び二無水物であることもで
きる。これらの無水物のグリコールアダクツも硬化剤として用いることができる
。
好ましくは、硬化剤は組成物のエポキシ樹脂含量の100重量部につき硬化剤
約5〜約100重量部、より好ましくは約20〜60重量部のレベルで組成物中
に存在する。
エポキシ樹脂組成物は硬化速度を高めるために促進剤をさらに包含することが
できる。エポキシ樹脂分野で知られ、用いられている任意の促進剤を慣用的な量
で用いることができ、このような促進剤は、例えばBF3-モノエチルアミン、B
F3-トリエタノールアミン、BF3-ピペリジン及びBF3-2-メチルイミダゾー
ルのようなルイス酸-アミン錯体;例えばイミダゾール、1-メチルイミダゾール
、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、N,N-ジメチル
ベンジルアミン及び他の第3級アミンのようなアミン;例えばイミダゾール若し
くはモルホリンのp-トルエンスルホン酸塩のような第3級アミンの酸塩;イミ
ダゾール若しくはベンジルジメチルアミンのサリチル酸塩;ジシアンジアミド;
1,1-ジメチル-3-フェニル尿素又は例えばモヌロン、ジウロン若しくはフェヌ
ロンのような他の置換尿素;置換イミダゾール、トリフルオロメタンスルホン酸
塩;例えばトルエン-2,4-ビス-(N,N-ジメチルカルバミド)のようなカルバ
ミ
ド;例えばジ-オルト-トリルグアニジン、ジフェニルグアニジン、テトラメチル
グアニジンのようなグアニジン;例えばビスフェノールA、F若しくはS、カテ
コール、ジヒドロキシナフタレン、ヒドロキノン、テトラブロモビスフェノール
Aのようなヒドロキシル含有化合物;及びオルガノホスホニウムハライドを包含
する。硬化促進剤は典型的に製剤(formulation)のエポキシ樹脂含量の100
重量部につき約0〜10重量部のレベルで用いられ、組成物中に存在する場合に
少なくとも1重量部から5重量部までの好ましいレベルで用いられる。
組成物はポリマー強化剤をも含有し、ポリマー強化剤は、エポキシ成分中に存
在するグリシジルエーテル基若しくはグリシジルアミン基と反応する官能基を有
する熱可塑性ポリマー、ゴム、芳香族オリゴマー又はこれらの混合物を包含する
。
熱可塑性成分はエンジニアリング等級又は高性能等級の熱可塑性樹脂を含むこ
とができる。熱可塑性成分はエポキシ樹脂成分中に溶解性であるべきであり、選
択された熱可塑性樹脂と予定された特定の最終用途とに依存した濃度で存在する
。適当な熱可塑性樹脂の例はポリアクリレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
エーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド、ポリアリールエーテル、フェノ
キシ樹脂、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル-ケト
ン、ポリフェニレンエーテル及びポリカーボネートである。芳香族ポリマーが好
ましい熱可塑性樹脂であり、特にポリエーテルスルホンが好ましい。
強化剤がゴムである場合には、高度に架橋された硬質網状組織が形成されない
ように、一般に、ゴムエラストマーのための硬化剤又は架橋剤を加えずに、ゴム
を加える。使用可能な適当なゴムは天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン
、ブタジエンとスチレン及び/又はアクリロニトリルとのコポリマー、イソブチ
レンと10重量%までのイソプレン若しくはパラ-メチルスチレンとのコポリマ
ー並びにこれらのハロゲン化形、ポリクロロプレン、エチレンとプロピレンとの
エラストマーコポリマー、エチレンとプロピレンと非共役ジエン、例えばエチリ
デンノルボルネンとのエラストマーターポリマー等の物質を包含する。ブタジエ
ン/アクリロニトリルコポリマーが特に好ましい。
反応性芳香族オリゴマー成分を用いる本発明の実施態様では、このような成分
は組成物のエポキシ樹脂成分及び/又はアミン硬化剤に対して反応性である官能
基を含有する。好ましい1実施態様では、オリゴマーはエポキシ反応性であり(
即ち、これはエポキシド基と反応する)、1分子につき少なくとも1.4個のエ
ポキシ反応性基を有する。反応性芳香族オリゴマーは好ましくは、同じ又は異な
る二価非芳香族連結基によって結合された、例えばフェニレン、ジフェニレン又
はナフタレン基のような二価芳香族基を含有する。典型的な連結基はオキシ(-
O-);スルホニル(-SO2-);二価硫黄(-S-);オキシアルキレン(-OR-
)若しくはオキシアルキレンオキシ(-ORO-)[この場合、Rは好ましくは炭
素数1〜3の低級アルキレンである];低級アルキレン(-R-)若しくはアルキ
リデン(-R(R1)y-)[この場合、RとR1は炭素数1〜3であり、yは1又
は2である];例えば -(R1)xCOO(R2)y- のようなエステル基[この場
合、R1とR2は独立的に好ましくは炭素数1〜3の低級アルキレンであり、xと
yは独立的に零又は1である];及びオキシアルキレン、即ち、R21(C=O
)R22[この場合に、R1とR2は独立的に低級アルキレン又は原子価結合であ
る]である。芳香族単位は例えば塩素、低級アルキル、フェニル等のような非干
渉性(non-interfering)置換基によって置換されることができる。一般に、反
応性芳香族オリゴマー中の炭素原子の総数の少なくとも25%は芳香族構造中に
存在し、好ましくは、総炭素原子の少なくとも約50%が芳香族構造に含まれる
。
反応性芳香族オリゴマーは好ましくはポリエーテル、ポリスルホン、ポリエー
テルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホン、ポリエーテル
イミド又はポリイミドであり、さらに好ましくはスルホン架橋ジフェニレン単位
又はケトン架橋ジフェニレン単位を含有する。これらの好ましいオリゴマー中に
存在しうる他の種類の単位は、架橋されない芳香族若しくは脂環式単位(例えば
、ナフタレン)又は例えばイソプロピリデン架橋のようなアルキリデンのような
、本質的に無極性である基によって架橋された芳香族若しくは脂環式単位である
。特に好ましい反応性オリゴマーはスルホン又は架橋したジフェニレン単位及び
ビスフェノール単位を含有し、後者の単位の一部は任意に二価硫黄(-S-)によ
って置換されて、式:
NH2R"-O-(R-R')m-(R-S)n-R-O-R"NH2
を有する反応性オリゴマーを形成する、上記式中、R”は3-フェニレン又は4-
フェニレンであり、Rは例えば4,4'-ジクロロジフェニルスルホン又はジハロ
ジフェニルケトンのようなジハロジフェニルスルホンの残基(residuum)であり
、R'は例えばビスフェノールA、ジヒドロキシベンゼンビフェノール及びキノ
リンのような、ジヒドロキシ又はジチオール芳香族化合物の残基であり、Oは二
価酸素であり、Sは二価硫黄であり、mプラスnは平均して8〜25であり、m
は好ましくは少なくとも2である。例えばEPA88.120096.8に開示さ
れているような反応性芳香族オリゴマーも使用可能である。このようなオリゴマ
ーは、p-ビス-(4-イソプロピリデン-2,6-ジメチルアニリン)ベンゼンと3
,3',4,4'-ベンゾフェノン-テトラカルボン酸二無水物との反応生成物;p-ビ
ス-(4-イソプロピリデン-2,6-ジメチルアニリン)ベンゼンとトリメリト酸
無水物酸塩化物との反応生成物;p-ビス-(4-イソプロピリデン-2,6-ジメチ
ルアニリン)ベンゼンとイソフタロイルジクロリドとの反応生成物;1,3-ジア
ミノベンゼンとイソフタロイルジクロリドとの反応生成物;及び3,3',4,4'-
ベンゾフェノン-テトラカルボン酸二無水物とジエチルジアミノトルエンとの反
応生成物であるオリゴマーを包含する。EPA88.120096.8によって考
察されているような、他のアミン若しくはカルボン酸誘導体末端オリゴマーも使
用可能であり、このようなオリゴマーはアミン若しくはカルボン酸末端ポリイミ
ド、ポリアミド又はポリアミドイミドを包含する。
反応性芳香族オリゴマーは好ましくは、オリゴマーバックボーンの末端基であ
る反応性基を有する。反応性オリゴマーの好ましい反応性基は第1級アミノ(-
NH2)、ヒドロキシル(-OH)、カルボキシル(-COOA)[この場合に、
Aは水素又はアルカリ金属である]、無水物、チオール、第2級アミン、及びエ
ポキシド基である。1分子につき少なくとも約1.7個の反応性基を有し、総数
の少なくとも約70%の、第1級アミン、第2級アミン、ヒドロキシル及び/又
はエポキシド基として存在する反応性基を有する反応性芳香族オリゴマーが特に
好ましい。
例えば、ジクロロジフェニルスルホンのようなスルホンのモル過剰量を例えば
ビスフェノールA又は2,7-ナフタレンジオールのようなジヒドロキシ化合物
(単数又は複数種類)と反応させて、クロロ末端オリゴマーを得て、次にクロロ
末端オリゴマーを例えばパラ- 又はメタ-アミノフェノールのようなヒドロキシ
アミン化合物と反応させて、オリゴマー末端の反応性基を形成することによって
、好ましい反応性芳香族オリゴマーを製造する。この方法のために好ましいスル
ホンはメタ- 及びパラ-ジクロロジフェニルスルホンである。この方法に用いる
ために適当なジヒドロキシ芳香族化合物には、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ナフタレンジオール及びビフェニルジオールが含まれる。さらに詳細な方
法の工程は、本明細書に援用される米国特許第4,789,722号に見られる。
反応性末端基を有するオリゴマーを製造するための他の方法は、米国特許第3,
895,064号と第3,563,951号とに開示されており、後者の特許はニ
トロ末端オリゴマーを形成し、次にニトロ基をアミンに還元することを含む方法
を用いる。 反応性芳香族オリゴマーのガラス転移温度は好ましくは150〜2
50℃の範囲である。より好ましい範囲は160〜220℃である。反応性芳香
族オリゴマーの分子量(数平均)は好ましくは2000〜10000の範囲であ
る。好ましくは、反応性芳香族オリゴマーは約2.0〜4.0の多分散度(polydi
spersity)(Mw/Mn)を有し、この場合にMwは重量平均分子量であり、Mnは
数平均分子量である。
強化剤として有用な、他の種類の反応性芳香族オリゴマーは芳香族エポキシ樹
脂を二価フェノールと反応させることによって製造することができる。二価フェ
ノールとエポキシとを約0.4/1のフェノールのエポキシドに対する比で混合
し、約135℃において約4時間加熱して、約2000の数平均分子量と約60
00の重量平均分子量とを有するオリゴマーを得る。これらのオリゴマーは組成
物のエポキシ樹脂成分及び/又はアミン硬化剤成分に対して反応性である、ヒド
ロキシル官能基とエポキシ官能基とを含有する。この反応に適した芳香族エポキ
シ樹脂はジグリシジル-ビスフェノールA、ジグリシジル-ビスフェノールF、ト
リグリシジル-p-アミノフェノール等を包含する。適当な二価フェノールはビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、9,9'-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)フルオレン等を包含する。
熱可塑性ポリマー、ゴム、反応性オリゴマー又はこれらの混合物は組成物中に
存在するエポキシ樹脂の100重量部につき好ましくは約5〜約70重量部、よ
り好ましくは約15〜60重量部のレベルで組成物中に存在する。
エポキシ樹脂組成物は任意に、エラストマー物質、無機物質又はエラストマー
物質と無機物質との混合物でありうる不融性粒子を含有することができる。不融
性粒子は5〜75ミクロンの範囲であるメジアン粒度(即ち、半分はより大きく
、半分はより小さい)を有する。不融性粒子は円筒形、球形、細長い形状、小板
状又は不規則な形状を包含する多様な形状を取りうる。これらの粒子はエポキシ
樹脂組成物及びそのプレプレグの製造中に変形と溶解とに耐える程度まで不融性
である。
エラストマー粒子はエポキシ樹脂組成物に加えたゴム溶液からの沈殿によって
樹脂混合プロセス中に形成される(現場での粒子)か、又はこれらの粒子は予成
形され、エポキシ樹脂組成物の混合中に粉末として分散される(現場外(ex sit
u)での粒子)ことができる。
現場でのエラストマー粒子は好ましくは例えばカルボキシル基のような官能基
を有する架橋可能なゴムポリマーから形成される。カルボキシ官能性ブタジエン
アクリロニトリルポリマーが好ましい。この後者のポリマーの例はZeon Chemi
cals USA社によって販売されるNipol 1472である。ゴム粒子形成を促進
するために触媒を用いることもできる。このような触媒の例は、例えばMorton-
Thiokol から入手可能なエチルトリフェニルホスホニウムヨージドのような、
アリールホスホニウムハライドである。
適当な現場外でのエラストマー粒子は、例えばブタジエン若しくはイソプレン
とアクリロニトリル若しくは例えばスチレン若しくはビニルトルエンのようなビ
ニル芳香族モノマーとのコポリマー、又はジエンとビニル芳香族モノマーとアク
リロニトリルとのターポリマーのような、多様な商業的に入手可能なゴムを包含
する。他の適当なゴムは天然ゴム、シリコーンゴム、ジエン又はオレフィンゴム
、及びアクリル系ゴムを包含する。ゴム粒子は比較的大きいゴム小片の極低温粉
砕(cryogenic grinding)によって所望の粒度範囲の不規則な形状の粒子を得る
ことによって形成されることができる。ゴムの溶液又は懸濁液の噴霧乾燥、凝結
、沈殿又はフラッシュ蒸発によっても形成されることができる。粒子はこの粒度
範
囲内の粒子の形成に適した、分散又はエマルジョン重合又は任意の他の方法によ
っても形成されることができる。これらのゴム溶液又は懸濁液は補強用フィラー
の存在下で形成されることができる。
現場外エラストマー粒子が、粒子とエポキシマトリックス樹脂との間の接着を
改良する官能基を含有することが好ましい。例えば、エラストマーはマトリック
スと化学的に結合するように反応するか、又はそれらの極性性質のために粒子の
樹脂との相容性を単純に改良するカルボキシル基を含有することができる。マト
リックスへの接着は樹脂組成物による粒子の膨潤によっても改良することもでき
る。
適当な、商業的に入手可能な現場外エラストマー粒子の例はZeon Chemicals
社からのNipol 5078、カルボキシ官能性アクリロニトリル−ブタジエンコ
ポリマーと、B.F.Goodrich からのProteus 5025、カルボキシ官能性ア
クリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマーとである。
適当な無機粒子はガラス、セラミック又は他の無機物質である。樹脂粘度を最
小にするために粒子は球形であることが好ましい。粒子は中空でも中実でもよい
。これらの組成はソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス、アルミノケ
イ酸塩、フライアッシュ(flyash)、パーライト、マイカ、セラミック等である
ことができる。粒子とエポキシ樹脂マトリックスとの間の相容性又は接着を改良
するためにカップリング剤を無機粒子に塗布することが好ましい。適当なカップ
リング剤は例えば3-(グリシドキシ)プロピルトリメトキシシラン又は3-アミ
ノプロピルトリエトキシシランのようなシラン;チタネート;ジルコネート等で
あることができる。これらの無機粒子は広く商業的に入手可能である。
不融性粒子はエポキシ樹脂の100重量部につき0〜約50重量部のレベルで
組成物中に存在することができる。不融性粒子は、存在する場合には、エポキシ
樹脂の100重量部につき約5〜30重量部の好ましいレベルで存在することが
好ましい。
ポリマー強化剤と本明細書に開示する種類の不融性粒子とを含有する組成物は
米国特許第4,656,207号、第4,783,506号及びEPO486,04
4にさらに詳しく述べられており、これらの特許の完全な開示は本明細書に援用
される。
例えば触媒、酸化防止剤、加工助剤等のような他の成分も少量でエポキシ樹脂
組成物中に含めることができる。
下記表Aは、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物中に存在する、エポキシ樹
脂成分、熱可塑性ポリマー、ゴム又は反応性芳香族オリゴマー、硬化剤、硬化促
進剤及び不融性粒子の一般的範囲と好ましい範囲とを重量部として示す。
エポキシ樹脂組成物を慣用的手段を用いて混合する。典型的には、エポキシ樹
脂を適当な容器に装入し、撹拌しながら、80〜150℃に、好ましくは60〜
130℃に(特定の組成物に依存して)加熱する。熱可塑性ポリマー又は反応性
芳香族オリゴマーが樹脂組成物の成分である場合には、これを分散させ、混合物
をポリマー又はオリゴマーが溶解するまで撹拌する。或いは、ポリマー又はオリ
ゴマーは、硬化時に溶解する微細粉末の形状であることができる。
エポキシ樹脂組成物が現場ゴム粒子(in situ rubber particles)を含有する
場合には、熱可塑性又は反応性芳香族オリゴマーをエポキシ樹脂に加えた後に、
90〜80%の低沸点溶媒中に溶解した10〜20%のゴムポリマーを含有する
溶液を加える。次に、この混合物から撹拌しながら溶媒を留去する。現場ゴム粒
子形成プロセスに関するさらなる詳細は、上記で参考として引用した米国特許第
4,783,506号に見いだすことができる。
エポキシ樹脂組成物が現場外ゴム粒子を含有する場合には、これらの粒子を樹
脂中に分散させるか、又は例えば以下に述べるように、他の方法でプレプレグに
施用するために留保することができる。熱可塑性樹脂又はオリゴマーを溶解する
前に又は後に、現場外粒子を樹脂中に分散させることができる。典型的には、硬
化剤を加える前に粒子を分散させるが、粒子を後に加えることもできる。
硬化剤をその組成に依存する適当な温度において分散させた後に、任意に硬化
促進剤を分散させる。
エポキシ樹脂組成物を用いて、炭素若しくは黒鉛、ガラス、芳香族ポリアミド
(例えば、DuPont からのKevlar)、ホウ素等から成る高強度フィラメント又
は繊維を含浸させて、プレプレグを製造する。複合体の総体積に基づいて約30
〜70%、好ましくは約40〜70%のこれらの繊維を含有する複合体が、複合
構造体の製造に好ましい。
本発明は、一般に“プレプレグ”と呼ばれる物質から製造される複合体に特に
適用可能性を有する。プレプレグは樹脂と高強度フィラメントとを含み、高強度
フィラメントは、典型的にフラットシートの形状であるプレプレグの製造の前に
、予め多数のフィラメントを含むフィラメント束(しばしば、“ロービング”又
は“トウ”と呼ばれる)の形状である。炭素繊維の各トウは例えば典型的に約5
00〜20000フィラメントを束にする。シート形状のプレプレグを製造する
場合には複数のフィラメント束を一緒に整列させるか又は一緒に織る。或いは、
プレプレグは、樹脂を含浸させた、フィラメントの単一束の形状であることがで
きる。この後者のプレプレグ形は例えばフィラメント巻織り(filament winding
)、繊維配置(fiber placement)及び引き抜き成形のようなプロセスに用いら
れる。
好ましい高強度フィラメントは例えばポリアクリロニトリル、レーヨン又はピ
ッチを炭化することによって製造された炭素又は黒鉛繊維フィラメントである。
好
ましい高強度フィラメントの例は、Hercules 社によって販売されるAS4、I
M6、IM7及びIM8炭素繊維である。
本発明のプレプレグはエポキシ樹脂組成物と高強度フィラメントとを慣用的方
法によって組合せることによって製造される。例えば、エポキシ樹脂組成物をフ
ィルムプロセスでの剥離紙のシート上のフィルムに形成することができる。この
プロセスによるプレプレグの製造では、上部剥離紙と下部剥離紙とによって保持
されたフィルムは圧縮されて、高強度フィラメントの帯又はシートになる。或い
は、“ホットビーズ”プロセスを用いることができ、このプロセスではエポキシ
樹脂組成物を溶融し、圧縮して、高強度フィラメントの帯又はシートを形成する
。さらに他のルートはエポキシ樹脂組成物を溶媒に溶解し、この溶媒を含有する
浴に高強度フィラメントを通し、その後に溶媒を留去して、プレプレグを得る方
法である。
上記プレプレグ製造方法の全てにおいて、任意の不融性粒子はフィラメントト
ウ又は束によってトラップされるか若しくは濾過されて、これらの粒子をフィラ
メントの束又はトウ中のフィラメントの間ではなく、その表面に有するプレプレ
グを形成する。現場外不融性粒子をプレプレグの表面に固定するための別の方法
は、プレプレグの粘着性表面上への乾燥粒子の散布、塗布又は吹付けを包含する
。他の方法では、マトリックス樹脂と不融性粒子との一部を含むフィルムを、樹
脂の残部を既に含浸させたプレプレグの表面に塗布する。マトリックス樹脂の一
部中に分散させた不融性粒子を、樹脂の残部を含有するプレプレグの表面上に塗
布することもできる。
当業者に知られた、他のプレプレグ製造方法を本発明の実施に適用することも
できる。
本発明の複合体の製造では、プレプレグを単に相互に重ね合わせ、次に硬化さ
せる。表Bに略述する複合体試験パネルはレイアップしてから、硬化させたもの
である。試験パネルは典型的にオートクレーブ中で350°F(約176.7℃
)において2〜4時間硬化させた。特定の複合体の硬化時間は実施例中で指定す
る。次に、適当な試験を実施して、本発明の複合体の機械的性質を測定する。0
°引張り、0°圧縮及びオープンホール圧縮に関して報告されるデータは、60
%繊
維量(fiber volume)に標準化されたものである。
数種類のエポキシ樹脂組成物を種々な異性エポキシを用いて製造した。次に、
これらのエポキシ樹脂組成物を用いて、各々が多数のフィラメントを含む複数個
のトウの形状の炭素繊維を含有するプレプレグを製造した。これらのプレプレグ
をレイアップして、上述したやり方で硬化させた。
下記実施例は本発明の実施を説明するものであり、本発明の限定を意図するも
のではない。実施例中の全ての部及び%は重量部及び重量%である。
表Cは、実施例中に述べた組成物に用いられる全ての商業的に入手可能な成分
の組成を同定する。
表Dは実施例において樹脂と複合体との機械的性質データを得るために用いた
試験方法を説明する。
実施例
実施例1
RD92−119(200g)とPY306(120g)とを1クオート缶内
で70℃に加温し、ヒドロキシ末端ポリエーテルスルホンオリゴマー(208g
)を徐々に加えた。この混合物を128℃に加熱し、2.5時間維持して、オリ
ゴマーを溶解した。混合物を71℃に冷却し、メチルエチルケトン(MEK)中
のNipol 1472ゴムの溶液(15%固形分)214gを加えた。混合物を加
熱して、MEKを除去し、樹脂混合物を125℃に30分間維持した。混合物を
110℃に冷却し、PY306(80g)を加えた。この組成物を“パートA”
と
名付けた。
パートA(1788g)を90℃に加熱し、3,3'DDS(525g)を加え
た。この樹脂を剥離紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊維と結合させて、1
49g/m2の繊維面積重量と34%の樹脂含量とを有する単方向プレプレグテー
プを製造した。このプレプレグを複合体試験パネルにレイアップした。複合体の
機械的試験の結果を表1に比較例Aの結果と共に示す。表1を綿密に調べると、
トリグリシジルアミノフェノールのメタ−異性体を含有する実施例1樹脂の複合
体性質が、トリグリシジルアミノフェノールのパラ−異性体を含有する比較例A
樹脂よりも優れていることが分かる。
比較例A
MY0510(167g)、LY9703(33.4g)、ヒドロキシ末端ポ
リエーテルスルホンオリゴマー(173.8g)及びMEK(139.5g)を1
リットルフラスコに装入して、60℃に加熱し、2時間維持して、オリゴマーを
溶解した。MEK中のNipol 1472の15%固形分溶液 177.3gを加え
た。この混合物を撹拌し、温度を105℃に徐々に高めながら、混合物からME
Kを留去した。MEKが除去された後にさらにLY9703(133.6g)を
加え、次に、この樹脂混合物に3,3'DDS(163.7g)を加えた。この樹
脂混合物を剥離紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊維と結合させて、144
g/m2の繊維面積重量と34%の樹脂含量とを有する単方向プレプレグテープを
製造した。このプレプレグを複合体試験パネルにレイアップした。複合体の機械
的試験の結果を表1に実施例1からの結果と共に示す。
実施例2
RD92-405(403g)とジグリシジルアニリン(202g)とを1ク
オート缶内に装入して、80℃に加熱した。Victrex 5003P(215g)
を徐々に加えて、温度を125℃に高めて、5.5時間維持して、ポリマーを溶
解した。この混合物にさらにRD92-405(538g)を加えて、ブレンド
した。混合物を108℃に冷却し、3,3'DDS(457g)を加えた。この樹
脂を剥離紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊維と結合させて、146g/m2
の繊維面積重量と36%の樹脂含量とを有する単方向プレプレグテープを製造し
た。このプレプレグを複合体試験パネルにレイアップした。複合体の機械的試験
の結果を表2に比較例Bの結果と共に示す。表2を綿密に調べると、メタ-エポ
キシ異性体と3,3'-エポキシ異性体とを含有する実施例2樹脂の圧縮強度、オ
ープンホール圧縮強度及び剪断強度が、パラ- 及び4,4'-エポキシ異性体を含
有する比較例B樹脂よりも優れていることが分かる。実施例2複合体のCAI強
度と引張り強度は比較例B複合体と同じである。
比較例B
MY0510(900g)とMY721(900g)とを1ガロン缶内で混合
して、60℃に加熱した。Victrex 5003P(540g)を徐々に加え、こ
の混合物を125℃に加熱して、3時間維持した。この混合物を95℃に冷却し
、3,3'DDS(770g)と4,4'DDS(86g)とを加えた。この樹脂を
剥離紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊維と結合させて、146g/m2の繊
維面積重量と35%の樹脂含量とを有する単方向プレプレグテープを製造した。
このプレプレグを複合体試験パネルにレイアップした。複合体の機械的試験の結
果を表2に比較例Bからの結果と共に示す。
実施例3
RD92-119(750g)とPY306(750g)とを1ガロン缶内に
装入して、74℃に加熱した。ヒドロキシ末端ポリエーテルスルホンオリゴマー
(900g)を徐々に加えて、温度を125℃に高めて、3時間維持して、オリ
ゴマーを溶解した。この混合物を95℃に冷却して、3,3'DDS(705g)
を加えた。この樹脂を剥離紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊維と結合させ
て、144g/m2の繊維面積重量と35.6%の樹脂含量とを有する単方向プレ
プレグテープを製造した。このプレプレグを複合体試験パネルにレイアップした
。複合体の機械的試験の結果を表3に比較例Cの結果と共に示す。表3を綿密に
調べると、トリグリシジルアミノフェノールのメタ-異性体を含有する実施例3
樹脂からの複合体の圧縮強度、オープンホール圧縮強度、剪断強度及びCAI強
度が、トリグリシジルアミノフェノールのパラ-異性体を含有する比較例C樹脂
よりも優れていることが分かる。実施例3複合体の引張り強度は比較例C複合体
と同じである。
比較例C
MY0510(750g)とPY306(750g)とを1ガロン缶内で混合
して、75℃に加熱した。ヒドロキシ末端ポリエーテルスルホンオリゴマー(9
90g)を徐々に加え、温度を125℃に加熱し、5時間維持して、オリゴマー
を溶解した。この混合物を95℃に冷却し、3,3'DDS(735g)を加えた
。この樹脂を剥離紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊維と結合させて、14
5g/m2の繊維面積重量と36%の樹脂含量とを有する単方向プレプレグテープ
を製造した。このプレプレグを複合体試験パネルにレイアップした。複合体の機
械的試験の結果を表3に実施例3からの結果と共に示す。
実施例4
RD92-119(284g)、RD92-451(284g)、MY722(
142g)、Epiclon 4032(142g)及びジグリシジルアニリン(73
g)を1ガロン缶内で混合して、80℃に加熱した。Victrex 5003P(2
09g)を分散させ、温度を125℃に高めて、7時間維持して、ポリマーを溶
解した。この混合物を100℃に冷却して、3,3'DDS(357g)を加えた
。この樹脂を剥離紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊維と結合させて、14
4g/m2の繊維面積重量と34%の樹脂含量とを有する単方向プレプレグテープ
を製造した。このプレプレグを複合体試験パネルにレイアップした。次の複
合体機械的性質が測定された:
CAI強度:34.6ksi;OHC強度:49.0ksi;250°F(121
.1℃)湿潤OHC強度:35.4ksi;SBS強度:19.0ksi;250
°F(121.1℃)湿潤SBS強度:9.8ksi。
実施例5
HPT1076(225g)とPY306(45g)とを1クオート缶内で8
0℃に加温し、ヒドロキシ末端ポリエーテルスルホンオリゴマー(235g)を
徐々に加えた。この混合物を128℃に加熱し、2.5時間維持して、オリゴマ
ーを溶解した。混合物を75℃に冷却し、メチルエチルケトン(MEK)中のN
ipol 1472ゴムの溶液(15%固形分)295gを加えた。混合物を加熱し
て、MEKを除去し、樹脂混合物を125℃に30分間維持した。混合物を10
0℃に冷却し、RD92-405(550g)を加えて、混入した。この混合物
を85℃に冷却した後に、3,3'DDS(340g)を加えた。この樹脂を剥離
紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊維と結合させて、146g/m2の繊維面
積重量と35%の樹脂含量とを有する単方向プレプレグテープを製造した。この
プレプレグを複合体試験パネルにレイアップした。次の複合体機械的性質が測定
された:CAI強度:34.2ksi;OHC強度:51.6ksi;250°F
(121.1℃)湿潤OHC強度:36.0ksi;SBS強度:18.6ksi
;250°F(121.1℃)湿潤SBS強度:10.3ksi;0°圧縮強度:
322ksi;250°F(121.1℃)湿潤0°圧縮強度:209ksi。
実施例6
RD92-119(900g)、Epiclon 4032(720g)及びMY72
1(180g)を1ガロン缶に装入し、65℃に加熱した。ヒドロキシ末端ポリ
エーテルスルホンオリゴマー(936g)を徐々に加え、温度を125℃に高め
、5.5時間維持して、オリゴマーを溶解した。この混合物を95℃に冷却し、
4,4'DDS(792g)を加えた。この樹脂を剥離紙上にフィルム流延して、
IM7炭素繊維と結合させて、190g/m2の繊維面積重量と35.3%の樹脂
含量とを有する単方向プレプレグテープを製造した。このプレプレグを複合体試
験パネルにレイアップした。次の複合体機械的性質が測定された:CAI強度:
3
7.0ksi;OHC強度:50.3ksi;180°F(82.2℃)湿潤OH
C強度:39.0ksi;0°引張り強度:412ksi;0°引張りモジュラ
ス:23.6msi;0°圧縮強度:312ksi;180°F(82.2℃)湿
潤0°圧縮強度:212ksi。
実施例7
RD92-119(183.48g)を60℃に加熱し、ジシアンジアミド(8
.26g)と、3-(3,4-ジクロロフェニル-1,1-ジメチル尿素であるジウロ
ン(8.26g)とを混合した。樹脂キャスティング(resin casting)をおこな
い、200°F(93.3℃)において1時間、250°F(121.1℃)にお
いて2時間硬化させた。対照として、MY0510(229.36g)を60℃
に加熱し、ジシアンジアミド(10.32g)とジウロン(10.32g)とを混
合した。加熱樹脂キャスティングをおこない、RD92-119キャスティング
と同じやり方で硬化させた。動的機械的分析は次の結果を生じた:
高い動的貯蔵弾性率(E')は改良された複合体圧縮強度と剪断強度とに相関
する。トリグリシジル-m-アミノフェノールエポキシ樹脂を含有するRD92-
119キャスティングは、トリグリシジル-p-アミノフェノールエポキシ樹脂を
含有するMY0510キャスティングに比べて改良された性能を示した。
実施例8
RD92-405(1345.5g)とPY306(736g)とを1ガロン缶
内に入れ、80℃に加熱した。Victrex 5003P(391g)を分散させ、
温度を125℃に高め、6時間40分間維持して、ポリマーを溶解した。この混
合物を95℃に冷却し、3,3'DDS(754.4g)を加えた。この樹脂を剥
離紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊維と結合させて、143g/m2の繊維
面積重量と36%の樹脂含量とを有する単方向プレプレグを製造した。このプレ
プレグを複合体試験パネルにレイアップした。次の複合体機械的性質が測定され
た:CAI強度:38.3ksi;180°F(82.2℃)湿潤OHC強度:4
0.7ksi;250°F(121.1℃)湿潤OHC強度:35.1ksi;S
BS強度:21.0ksi;180°F(82.2℃)湿潤SBS強度:13.9
ksi;250°F(121.1℃)湿潤SBS強度:11.2ksi;0°圧縮
強度:321ksi;180°F(82.2℃)湿潤0°圧縮強度:261ks
i;250°F(121.1℃)湿潤0°圧縮強度:202ksi;0°引張り
強度:395ksi;0°引張りモジュラス:23.2msi;0°引張り伸び
:1.62%。
実施例9
RD92-405(1750g)とジグリシジルアニリン(250g)とを1
ガロン缶内で混合して、75℃に加熱した。ヒドロキシ末端ポリエーテルスルホ
ンオリゴマー(525g)を分散させ、温度を105℃に高め、7時間40分間
維持して、オリゴマーを溶解した。この混合物を95℃に冷却し、3,3'DDS
(800g)を加えた。この樹脂を剥離紙上にフィルム流延して、IM7炭素繊
維と結合させて、190g/m2の繊維面積重量と36%の樹脂含量とを有する単
方向プレプレグを製造した。このプレプレグを複合体試験パネルにレイアップし
た。次の複合体機械的性質が測定された:CAI強度:28.4ksi;OHC
強度:55.6ksi;180°F(82.2℃)湿潤OHC強度:45.7ks
i;250°F(121.1℃)湿潤OHC強度:40.5ksi;SBS強度:
22.9ksi;250°F(121.1℃)湿潤SBS強度:12.5ksi;
0°圧縮強度:274ksi;250°F(121.1℃)湿潤0°圧縮強度:
231ksi;0°引張り強度:423ksi;0°引張りモジュラス:23.
6msi;0°引張り伸び:1.68%。
本発明によって製造した硬化組成物とプレプレグとは、高強度と軽量の性能が
望ましい任意の構造用途に使用可能である。これらの用途には、例えばジェット
及びロケットエンジンハウジング(ナセル)のような航空機構造要素;飛行機ス
タビライザー、ラダー、補助翼ハズ及びフラップ構造体;ウィング及び胴体構造
要素;ウィング、胴体及びロケットスキン(rocket skin)等の用途を包含する
。
【手続補正書】
【提出日】1998年3月16日
【補正内容】
(1)明細書第3頁第22行において「直接の連結基」とあるのを『連結基』に
訂正する。
(2)同書第14頁の最下行において「完全な」とあるのを『全ての』に訂正す
る。
(3)同書第15頁の表Aの第3行(「慣用的エポキシ樹脂」の欄)において「
5〜95」とあるのを『5〜55』に訂正する。
(4)同書第18頁の表Bの第8行(「0°引張り強度」の欄)の記載を下記の
通りに訂正する。
『0°引張り強度 単方向 8 9x0.5 』
(5)同書第19頁の表Cの最下行において「ICIからのポリエーテルスルホン」とあるの
を『ICIからのポリエーテルスルホンポリマー』に訂正する。
(6)請求の範囲を別紙の通りに訂正する。
請求の範囲
1.下記成分:
(a)(i)芳香環系の1,2- 若しくは1,3- 位置に複数のグリシジルアミ
ン基若しくは単一のグリシジルアミン基とグリシジルエーテル基とを有する、又
は直接の結合若しくは連結基によって結合した2つの芳香環の2,2'、2,3'、
2,4'、3,3'若しくは3,4'位置にグリシジルアミン基若しくはグリシジルエ
ーテル基を有する芳香族エポキシ樹脂の1種若しくは混合物、少なくとも約33
重量%と;
(ii)1分子につき少なくとも2個のエポキシ基を有し、成分(a)(i)
とは異なる芳香族エポキシ樹脂の1種若しくは混合物、0〜約67重量%と
を含むエポキシ樹脂成分と;
(b)前記エポキシ樹脂成分の硬化剤と;
(c)熱可塑性ポリマー、未硬化ゴム、前記グリシジルエーテル基若しくはグ
リシジルアミン基と反応する官能基を有する芳香族オリゴマー、及びこれらの混
合物から成る群から選択されるポリマー強化剤と
の混合物を含む硬化性樹脂組成物。
2.前記硬化剤が前記エポキシ樹脂成分の100重量部につき約5〜約10
0重量部のレベルで前記組成物中に存在する、請求項1記載の組成物。
3.前記ポリマー強化剤が前記エポキシ樹脂成分の100重量部につき約5
〜約70重量部のレベルで前記組成物中に存在する、請求項2記載の組成物。
4.(d)前記エポキシ樹脂成分の100重量部につき0〜50重量部の、
前記組成物中に分散した不融性粒子をさらに含有する、請求項1記載の組成物。
5.(e)前記エポキシ樹脂成分の100重量部につき0〜約10重量部の
硬化促進剤をさらに含有する、請求項1記載の組成物。
6.前記ポリマー強化剤成分(c)が前記エポキシ樹脂成分の100重量部
につき約5〜約70重量部のレベルで前記組成物中に存在する、請求項1記載の
組成物。
7.前記エポキシ樹脂成分が少なくとも約5重量%の成分(a)(ii)を含
む、請求項1記載の組成物。
8.成分(a)(i)がトリグリシジル-メタ-アミノフェノールである、請
求項7記載の組成物。
9.前記エポキシ樹脂が少なくとも約45重量%の成分(a)(i)を含む
、請求項7記載の組成物。
10.前記エポキシ樹脂が少なくとも約50重量%の成分(a)(i)を含
む、請求項9記載の組成物。
11.下記成分:
(a)(i)芳香環系の1,2- 若しくは1,3- 位置に複数のグリシジルアミ
ン基若しくは単一のグリシジルアミン基とグリシジルエーテル基とを有する、又
は直接の結合若しくは連結基によって結合した2つの芳香環の2,2'、2,3'、
2,4'、3,3'若しくは3,4'位置にグリシジルアミン基若しくはグリシジルエ
ーテル基を有する芳香族エポキシ樹脂の1種若しくは混合物、少なくとも約33
重量%と;
(ii)芳香環系の1,4位置に又は直接の結合若しくは連結基によって結合
した2個の芳香環の4,4'位置にグリシジルアミン基とグリシジルエーテル基と
の一方又は組合せを含有する芳香族エポキシ樹脂の1種若しくは混合物、約5〜
約67重量%と
を含むエポキシ樹脂成分、100重量部と;
(b)前記エポキシ樹脂成分の硬化剤、約5〜約100重量部と;
(c)熱可塑性ポリマー、未硬化ゴム、前記グリシジルエーテル基若しくはグ
リシジルアミン基と反応する官能基を有する芳香族オリゴマー、及びこれらの混
合物から成る群から選択されるポリマー強化剤、約5〜約70重量部と;
(d)不融性粒子、0〜約50重量部と;
(e)硬化促進剤、0〜約10重量部と
の混合物を含む硬化性樹脂組成物。
12.請求項1記載の組成物を硬化させることによって製造される熱硬化樹
脂組成物。
13.請求項7記載の組成物を硬化させることによって製造される熱硬化樹
脂組成物。
14.請求項11記載の組成物を硬化させることによって製造される熱硬化
樹脂組成物。
15.請求項1記載の樹脂組成物を含浸させた高強度繊維状物質を含む耐損
傷性構造複合体の製造に用いられるプレプレグ。
16.請求項7記載の樹脂組成物を含浸させた高強度繊維状物質を含む耐損
傷性構造複合体の製造に用いられるプレプレグ。
17.請求項11記載の樹脂組成物を含浸させた高強度繊維状物質を含む耐
損傷性構造複合体の製造に用いられるプレプレグ。
18.請求項15記載のプレプレグを硬化させることによって製造される熱
硬化複合体。
19.請求項16記載のプレプレグを硬化させることによって製造される熱
硬化複合体。
20.請求項17記載のプレプレグを硬化させることによって製造される熱
硬化複合体。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C08J 5/24 CFC C08J 5/24 CFC
C08L 101/00 C08L 101/00
// B29K 105:06