JPH10510905A - エネルギー案内チェーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも一方を移動させうる２つの接続点の間でチューブなどを案内するためのエネルギー案内チェーンに関するものである。このエネルギー案内チェーンは側部部材とクロスバー部材とを有する数個の相互接続された関節状チェーンリンクを備える。相対的な隣接チェーンリンクの水平旋回能力は、接触面（１５）が設けられてチェーンリンク上に配置された対応の停止部（１４）により制限される。より急速なランナップ速度を可能にすると共にチェーンの騒音発生を減少させるため、チェーンリンクには隣接リンクの相対的傾斜速度を減少させるための手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】 エネルギー案内チェーン 本発明は、少なくとも一方が位置変化しうる２つの接続点の間で、側部部材と クロスバーとからなる互いに連結接続された複数のチェーン素子によりホースな どを案内し、隣接チェーンの相対的旋回性は接触面を有するチェーン素子に配置 された対応の停止部により制限されるエネルギー案内チェーンに関するものであ る。 相対的なチェーン素子の旋回性は、たとえば自由支承されたエネルギー案内チ ェーンが存在する場合（すなわちエネルギー案内チェーンの上側ストランドがそ のランナップに際し下側ストランドには当接せずに、これに対し垂直間隔にて案 内される場合）に制限される。互いに隣接するチェーン素子の制限された旋回性 に基づき、エネルギー案内チェーンの方向変化は所定の構造設定された屈曲半径 までしか可能でない。この屈曲半径は、エネルギー案内チェーンが装着された装 置の構造状態、並びにエネルギー案内チェーン内に配置すべきホースなどの案内 導管の柔軟性に対し適合させねばならない。 相対的な隣接チェーン素子の旋回性は、これにつき特殊に設けた停止部によっ て制限することができる。しかしながら停止部としては一般に、各隣接チェーン 素子の領域が隣接チェーン素子の旋回に際し当接することによりチェーン素子の 相対的旋回性を制限するようなチェーン素子の領域として理解される。 エネルギー案内チェーンの急速走行はしばしば、著しくかつ煩わしいと感じら れる騒音と結び付く。 本発明の課題は、高いランナップ速度を可能にすると共に騒音発生を減少させ うるようなエネルギー案内チェーンを提供することにある。 本発明によれば前記課題は、チェーン素子に隣接チェーン素子の相対的角度変 化速度を減少させるための手段を設けることにより解決される。これにより、チ ェーン素子の旋回に際し相対的な隣接チェーン素子の角度変化の際に制動が生じ て対応の停止部が相対的な減少速度をもたらし、これによりエネルギー案内チェ ーンのランナップに際し騒音発生を減少させる。このため、たとえば連結領域に は捩りバネを設けることができ、これを各隣接側部部材と接続させる。 好ましくは角度変位速度を減少させるには、側部部材にランナップベベルを設 けると共に、各隣接チェーン素子の側部部材にはチェーン素子の旋回に際しラン ナップベベル上をランナップする（すなわち旋回角度領域にわたりランナップベ ベルに沿って案内される）領域を設け、ランナップベベルが設けられかつ／また はこれらの上をランナップする隣接チェーン素子の領域は弾性変形自在な部材を 有し、これら部材はチェーン素子の変形に際し弾性変形することができる。部材 の弾性変形により、ランナップベベル上に案内される隣接チェーン素子の領域に てチェーン素子の旋回に際し隣接チェーン素子の相対的制動が生じ、停止部の衝 突速度の減少が生ずる。この緩衝程度はランナップベベルの傾斜および長さ、並 びに弾性変形自在な部材の弾力性に依存する。 弾性変形しうる部材は別途のバネ部材で構成することができ、或いは側部部材 を構成する材料の対応の弾力性にて一体形成された側部部材の領域を示すことも できる。 互いに対応する内側および外側ストランドとして側部部材を構成し、 これが中央平面の領域にてチェーン長さ方向に対し横方向に突出する厚さ領域を 備えれば、たとえばランナップベベルを厚さ調整領域の側方境界面または隣接チ ェーン素子の対向領域に配置することができる。屈曲した側部部材にてランナッ プベベルは屈曲の領域にて或いは側部部材の外周にて相応に配置することができ 、これらを隣接側壁部の屈曲領域に指向させる。ランナップベベルはたとえば歯 面として或いは波状プロフィルとして構成することができ、ランナップベベル上 をランナップする隣接チェーン素子の領域は第１チェーン素子の歯部に係合する 歯部として構成すると共に、歯面の種々異なる傾斜または波の屈曲部を設けるこ とができる。ランナップベベルは停止部に一体化することも可能である。 ランナップベベル上をランナップする領域のランナップ高さはランナップベベ ルの対応の傾斜に際し旋回角度に過大比例して増大し、チェーン素子の角度変位 増加と共に緩衝も増大する。緩衝特性は、したがってランナップベベルの輪郭に より調整することができる。 ランナップベベルの傾斜、並びに側部部材のランナップベベルを設けた領域ま たはこの上をランナップする隣接チェーン素子の案内領域の弾性変形は、好まし くはランナップベベルを設けた側部部材の領域自身が弾性部材として作用するよ う互いにマッチさせ、側部部材の作成についても用いうるプラスチック材料で構 成される。この側部部材は一部材で作成することができる。 好ましくはランナップベベルは実質的に各側部部材に対し垂直に配置される。 弾性部材の変形に際し側部部材の主面に対し平行に作用する力はしたがって連結 接続に対し半径方向にも作用して、チェーン素子の相対旋回運動の緩衝が隣接チ ェーン素子の遊び減少をも同時にもたらすと共に、隣接チェーン素子の対応停止 部が互いに当接した際にはチェーン素子の緊張をももたらしうる。これは、エネ ルギー案内チェーンの剛性増大をもたらす。エネルギー案内チェーンのランナッ プ方向に対し垂直に側部部材に対し作用するチェーン素子制動の際の力成分がか くして回避される。 好ましくはランナップベベルは停止部の接触面の高さに終端する。これにより 、停止部の衝突速度の最大減少がその相対的衝突前に直接得られ、構造上簡単な 構成が得られる。 良好な騒音防止およびエネルギー案内チェーンの長使用寿命を実現しうる簡単 な構成は、ランナップベベル上をランナップする領域が停止部を形成して、その 側方（すなわち半径方向）内方および／または外方位置する境界面をランナップ ベベルに当接させうれば得られる。この場合、停止部は円形セグメント状または 実質的に丸みの停止ピンとして構成することができる。 停止部は円弧状の側方境界面を備えることができ、ランナップベベルは円弧状 屈曲部から出発し、実質的に接線方向のランナップ部を備えた領域として構成さ れる。これにより、製作技術上簡単に製作しうると共にチェーン素子の旋回増大 に際しチェーン素子旋回の緩衝増大も可能となるような構成が得られる。 ランナップベベルを停止部の角度領域の１部にわたってのみ延在させれば、チ ェーン素子の相対的旋回の第１部分が制動なしに生じうる。 好ましくは、リンクに対し互いに接続された隣接チェーン素子の側部部材には 、旋回軸線の外周に分配配置された少なくとも２個のランナップベベルを設け、 これらの上をランナップ案内される隣接チェーン素子の領域をも設ける。エネル ギー案内チェーンの走行に際し相対的なチェーン素子の角度変化速度低下が増大 し、したがって騒音発生がさらに減少する。さらに、これによりチェーン素子の 角度変化に際し隣接チェーン素子の緊張が半径方向力成分の発生なしに可能とな り、旋回軸線の周囲におけるランナップベベルの分配によりチェーン素子のリン ク接続が解除される。緊張により同時にチェーン素子の遊びも連結領域にて減少 し、これにより旋回軸線に対する側部部材の自動集中性が生ずると共に連結接続 の領域における磨耗も減少し、さらにエネルギー案内チェーンの部材長さ（すな わちエネルギー案内チェーンの各チェーン素子の長さ）が増大しない。これは、 エネルギー案内チェーンのランナップに際し方向安定性を向上させる。 好ましくは、ランナップベベルは旋回軸線に対し互いに直径方向に対向配置さ れる。しかしながら、たとえば旋回軸線の周囲に同程度に分配された３個のラン ナップベベルを設けることも可能である。 好ましくは、停止部にはさらにアンダーカット部を設け、これを対応停止部に 係合させることもできる。隣接側部部材の相対的な側方角度変化が防止され、こ れによりエネルギー案内チェーンの安定性が向上する。 本発明は、屈曲した側部部材または交互の内側および外側ストランドからなる 側部部材のスランドで構成されたエネルギー案内チェーンのみに限定されず、側 部部材の具体的構成には依存しない。側部部材は着脱自在とすることができ、或 いはクロスバーと一体的に接続することもできる。 以下、添付図面を参照して本発明を実施例によりさらに説明する。 第１図は、内側ストランドとして構成されたエネルギー案内チェーンの側部部 材を示し、 第２図は、エネルギー案内チェーンの対応外側ストランドとして構成されたラ ンナップベベルを有する側部部材を示す。 内側ストランド１として構成されたエネルギー案内チェーンの側部部材（交互 配置された外側−および内側ストランドで構成される）には２個の一体形成され た連結ピン２を設け、この連結ピンはチェーン素子を互いに連結配置するため対 応の隣接チェーン素子の切欠部に挿通される。鏡像対称的な内側ストランド１に は中心に厚さ調整領域３を設け、これは内側ストランド１の組立状態にてエネル ギー案内チェーンから側方に外方向へ指向配置される。対応の外側ストランドに 重なる内側ストランド１の領域には２個の停止部４を設け、これら停止部は連結 ピン２を貫通する旋回軸線に対し直径方向に対向配置されると共に円形セグメン ト状に形成される。停止部４は２個の平面接触面５を備え、この接触面は隣接側 部部材の対応停止部に当接してチェーン素子の旋回角度を制限することができる 。両接触面５の間に配置された停止部４の側方境界面は円弧状に形成され、半径 方向内側位置する側方境界面６は旋回軸線に対し間隔ｄ₁を有すると共に、直径 方向外方位置する側方境界面７は間隔ｄ₂を有する。 第２図に示した内側ストランド１に対応する外側ストランド８は内側ストラン ド１に重なる領域に２個の切欠部９を備え、ここに隣接内側ストランド４の連結 ピン２を挿通することができる。長手軸線に対し鏡像対称的かつこれに垂直位置 する側部部材の中央面に対し鏡像対称的に形成された外側ストランド８は厚さ調 整領域１０を備え、これにはチェーン内部に突出させる固定突出部１１を設け、 これにより内側ストランドはクロスバー（詳細には図示せず）を介し互いに接続 することができる。外側ストランド８には切欠部９の領域にそれぞれ２個の停止 部１２を設け、これら停止部はその平面接触面１３を内側ストランド１の停止部 ４に当接させることができる。 切欠部９を包囲する外周縁部１４はその半径方向外側位置する境界面に停止部 １２間に中間位置する領域１５にて旋回軸線に対し間隔ｄ₃を有し、この間隔は 半径方向内側位置する対応停止部４の境界面６の間隔ｄ₁よりも僅かに小さい。 停止部４はしたがって、隣接側部部材の旋回に際し縁部１４の周囲に僅かな遊び を以て案内される。停止部１２の接触面１３に対する方向に旋回軸線に対する縁 部１４の間隔が増大し、円弧状領域から出発して領域１５の方向へ接線方向に案 内される領域を設け、これは間隔ｄ₄にて停止部１２に当接する。接触面１３の 領域における接線方向領域１６の間隔は、停止部１２に対応する内側ストランド １の停止部４の境界面６における間隔ｄ₁よりも若干大である。同様に、縁部１ ４の第２図における下側位置する領域の構成についても外側ストランドの対称性 が存在する。ランナップベベルはしたがってこの上をランナップする隣接側部部 材の領域のランナップ方向に対し僅か上方な傾斜（すなわち数度までの傾斜）を 有し、したがって比較的扁平に構成される。さらに、外側ストランド８は旋回軸 線に対し間隔を有する縁部１７を備え、この間隔は停止部４の半径方向外方位置 する境界面７の間隔ｄ₂より若干大であり、したがって停止部４を僅かな遊びで 包囲する。 外側ストランド８に対する内側ストランド１の旋回に際し停止部４の内側位置 する境界面６が所定旋回角度にて縁部１４の接線方向領域１６に当接する。さら に旋回すると接線方向領域１６はランナップベベルとして機能し、この上を停止 部４がランナップする。この場合、一体形成された外側−および内側ストランド を作成した材料の弾力性に基づき、接線方向領域１６もこれに当接する境界面６ の領域も弾性変形する。これはチェーンストランドの制動をもたらし、チェーン ストランドの角度変化速度を減少させると共に対応の接触面を減少速度にて互い に当接させる。弾性部材によるエネルギー吸収に基づき、エネルギー案内チェー ンの走行に際し騒音発生が減少する。接線方向領域の有効長さが停止部の長さよ りも小さいので、停止部の制動は先ず最初に所定の走行路の後に生じ、これはエ ネルギー案内チェーンの一様な走行性をもたらす。 さらに半径方向内方に突出するランナップベベルを縁部１７にも設け、このラ ンナップベベルを停止部４の半径方向外方位置する境界面７にチェーン素子の旋 回に際し当接させることができる。ランナップベベルとして作用する接線方向領 域１６の縁部１４に対する配置は、この領域が半径方向にさらに外方位置する領 域よりも小さい周速で移動して内側および外側ストランドの対応領域がより小さ い相対速度で互いに移動すると共に一層良好な運動緩衝および／したがって騒音 発生の一層大きい減少が達成されうるという利点を有する。 縁部１４に旋回軸線に対しそれぞれ直径方向に対向位置する２対のランナップ ベベル１６を設けて、これらをそれぞれ対応停止部４の対応領域と弾性変形下に 当接させると共に緊張させることにより、半径方向外方に作用する変形領域の力 を増大させ、かくしてリンク接続に対し磨耗増大の原因となるような半径方向の 付加的力を作用させない。さらに、内側ストランド１により外側ストランド８を 緊張させて、互いに各ストランドの遊びを対応停止部４および１２の接近増加に 際し減少させ、かつ停止部４と１２とが互いに当接した際に最小にする。かくし てチェーン素子の連結領域における磨耗が明かに減少し、エネルギー案内チェー ンのランナップに際し方向安定性が向上する。 さらに停止部１２にはアンダーカット部１８を設けて、これをベベル１９が設 けられた停止部４と係合させることができ、隣接チェーン素子の側方角度変化が 防止される。 ランナップベベルとして作用する接線方向領域１６が旋回軸線を中心として一 層大きい角度領域にわたり延在することにより、ランナップベベルの極く小さい 高さの場合でも隣接側部領域の相対的な角度変化速度の明瞭かつ一様な遅延およ び／したがって明瞭な騒音発生低下が可能となる。 符号の説明 １ 内側ストランド ２ 連結ピン ３ 厚さ調整領域 ４ 停止部 ５ 接触面 ６ 境界面 ７ 境界面 ８ 外側ストランド ９ 切欠部 １０ 厚さ調整領域 １１ 固定突出部 １２ 停止部 １３ 接触面 １４ 縁部 １５ 円形領域 １６ 接線方向領域 １７ 縁部 １８ アンダーカット部 １９ ベベル

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 少なくとも一方が位置変化しうる２つの接続点の間で、側部部材とクロス バーとからなる互いに連結接続された複数のチェーン素子によりホースなどを案 内し、隣接チェーンの相対的な旋回性は接触面を有するチェーン素子に配置され た対応の停止部により制限されるエネルギー案内チェーンにおいて、チェーン素 子には隣接チェーン素子の旋回速度を相対的に減少させるための手段を設けたこ とを特徴とするエネルギー案内チェーン。 ２． 側部部材（側板１、８）にはランナップベベル（接線方向領域１６）を設 けると共に、各隣接チェーン素子の側部部材にはチェーン素子の旋回に際しラン ナップベベル上をランナップする領域（停止部４）を設け、さらにランナップベ ベルが設けられかつ／またはこれらの上をランナップする隣接チェーン素子の領 域が弾性変形自在な部材を備えて、チェーン素子の旋回に際し弾性変形自在にし たことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のエネルギー案内チェーン。 ３． ランナップベベル（１６）が側部部材（１、８）に対し垂直に配置された ことを特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載のエネルギー案内チェー ン。 ４． ランナップベベル（１６）が停止部（１２）の接触面（１３）の高さに終 端することを特徴とする請求の範囲第１〜３項のいずれか一項に記載のエネルギ ー案内チェーン。 ５． ランナップベベル上をランナップする領域が停止部（４）として形成され 、この停止部は少なくとも１個の側方境界面（６、７）をランナップベベル（１ ６）と当接させうることを特徴とする請求の範囲第１〜４項のいずれか一項に記 載のエネルギー案内チェーン。 ６． 停止部が円弧状の側面を有すると共にランナップベベル上をランナップし 、このランナップベベルは円状の局面から出発して実質的に接線状の走行路を備 えた領域として構成されたことを特徴とする請求の範囲第１〜５項のいずれか一 項に記載のエネルギー案内チェーン。 ７． ランナップベベル（１６）が停止部（４）の角度長さの１部にわたっての み延在することを特徴とする請求の範囲第１〜６項のいずれか一項に記載のエネ ルギー案内チェーン。 ８． 互いに連結接続された隣接チェーン素子の側部部材には、旋回軸線を包囲 して分配配置された少なくとも２個のランナップベベル（１６）およびこの上を 走行する隣接チェーン素子の案内領域を設けたことを特徴とする請求の範囲第１ 〜７項のいずれか一項に記載のエネルギー案内チェーン。 ９． ランナップペベル（１６）が、旋回軸線に対し互いに直径方向に対向配置 されたことを特徴とする請求の範囲第８項に記載のエネルギー案内チェーン。 １０． 停止部にはアンダーカット部（１８）を設け、これを対応の停止部によ り係合させうることを特徴とする請求の範囲第１〜９項のいずれか一項に記載の エネルギー案内チェーン。