JPH10507628A - 非自己不活化性の発現標的化レトロウイルスベクタ - Google Patents

非自己不活化性の発現標的化レトロウイルスベクタ

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、プロモ−タ転換性のレトロウイルスベクタであって、以下のものを具備したものに関する:U3-R-U5構造の5’LTR領域;コ−ド及び非コ−ド配列より選択した1以上の配列;並びにU3領域が完全にまたは部分的に欠失した3’LTR領域であって、該欠失U3領域がポリリンカ配列で置換され、その後にRとU5領域とが続くもの。前記レトロウイルスベクタはプロモ−タ転換を起こし、標的遺伝子治療にとって有益なトランスファ−用運搬体になる。

Description

【発明の詳細な説明】 非自己不活化性の発現標的化レトロウイルスベクタ 本発明は、プロモ−タ転換が起こるベクタ(ProConベクタ)を含む、レトロウ イルスベクタに関する。このベクタ系は、標的化遺伝子治療における、遺伝子ト ランスファ−用の運搬体として有益である。 発明の背景 レトロウイルスベクタを遺伝子治療に使用することは、これまでに多大な注目 を集めてきているが、現在のところ、レトロウイルスベクタの使用は、アメリカ 合衆国及びヨ−ロッパで承認されている種々のプロトコ−ルにおいて、治療用遺 伝子の運搬に関しての選択すべき方法である(Kotani et al.,1994)。しかし ながら、これらのプロトコ−ルの多くにおいては、治療用遺伝子を有するレトロ ウイルスによる標的細胞の感染をin vitroで行う必要があり、次いでうまく感染 した細胞を、影響を受けている患者へ戻すことが必要となる(Rosenberg et al. ,1992; レビュ−に関しては、Anderson et al.,1992を参照されたし)。この ような生体外(exvivo)遺伝子治療のプロトコ−ルは、その標的となる細胞(例 :リンパ球)が容易に単離できる医学的症状の処置にとって理想的である。更に 、標的細胞の生体外感染を、使用する前に厳密に安全性が確かめられた、多量の 濃縮ウイルスで行うことが可能である。 標的細胞が容易に単離でき、培養されて、再導入されるのは、残念ながら遺伝 子治療の可能な対象のほんの一部でしかない。更に、生体外遺伝子治療での高額 な費用と複雑な技術により、世界規模での使用が阻まれている。将来における、 容易で対費用効果のよい遺伝子治療には、ウイルスベクタや、ウイルスベクタを 産生する細胞を、患者に対して注射するか、またはレトロウイルスベクタ産生細 胞の簡単な移植を行うといったどちらかの形態で直接的に投与する、in vivo的 方法が必要とされるであろう。この種のin vivo的方法ではもちろん、多種の問 題が生じる。何より も第一に、安全性に関しての考慮がなされなくてはならない。ウイルスが、おそ らくウイルス産生細胞より産生されるが、この産生されたウイルスを予め調べる ことはできない。このような系を使用する際には、危険性があることを知ってお くことと、またこの危険性を低減させる新たな系を作りだすことを知っておくこ とも同様に重要である。 レトロウイルスベクタ系は、以下の二つの組成物よりなっている(図1)。 1)レトロウイルスベクタはそれ自体で修飾済みレトロウイルス(ベクタプラ スミド)であり、この中で、ウイルスタンパク質をコ−ドしている遺伝子が、標 的細胞へ形質移入される治療用遺伝子、及びマ−カ遺伝子と置換されている。ウ イルスタンパク質をコ−ドする遺伝子を置換すると、ウイルスを効果的に不具に するので、修飾済みウイルスで損なわれているウイルスタンパク質を提供する系 内の第二の組成物でレスキュ−する必要がある。 第二の組成物とは、 2)多量のウイルス性タンパク質を産生するが、複製適格性(replication co mpetent)のウイルスを産生する能力がない細胞株である。この細胞株は、パッ ケ−ジング細胞株として知られていて、また修飾済みウイルスベクタをパッケ− ジングさせることが可能な遺伝子を有する、第二のプラスミドで形質移入されて いる細胞株からなるものである。パッケ−ジングされたベクタを産生するには、 ベクタプラスミドをパッケ−ジング細胞株へ形質移入する。この条件下では、挿 入された治療用遺伝子及び標識遺伝子を含んだ、修飾済みレトロウイルスのゲノ ムは、ベクタプラスミドから転写されて、修飾済みのウイルス粒子(組み換えウ イルス粒子)内へパッケ−ジングされる。この組み換えウイルス粒子を次いで、 標的細胞へ感染に使用して、ベクタゲノムと、運搬されるどのような標識遺伝子 及び治療用遺伝子もが標的細胞のDNAへ挿入される。このような組み換えウイ ルス粒子に感染した細胞は、これらの細胞内にウイルスタンパク質が全くないた め、新たなベクタウイルスを産生することができない。しかしながら、治療用遺 伝子、及び標識遺伝子を有するベクタのDNAは、細胞のDNAへ挿入されて、 今度は感染細胞内で発現できるようになる。感染細胞のゲノム中では、レトロウ イルスのプロウイルスの形で、本質的にランダムな挿入がおこることから、挿入 活性化によって、数多くの細胞性 プロトオンコジ−ンが同定されるに至った(Varmus,1988; van Lohuizen and B erns,1990)。予め存在していたその他の医学的症状の治療を目的とした治療用 遺伝子を有するレトロウイルスベクタで治療した患者において、同様の機序で癌 が引き起こされる可能性により、倫理的な問題が再発した。多くの研究者達は、 現在使用されているような複製不適格性レトロウイルスが、細胞の増殖を制御す るのに関わる細胞性遺伝子内、またはその近傍へ組み込まれることの可能性は、 極端に低いと認めるであろう。しかしながら、一般的にはさらに、単一の感染で 複製適格性のレトロウイルスのポピュレ−ションが爆発的におこると十分な組み 込みがおこり、結果としてこのような表現型の組み込みが非常に現実的なものと なる。 レトロウイルスベクタ系は、複製適格性のウイルスが存在する可能性を最小限 にするように最適化される。しかしながら、レトロウイルス系の構成物の間での 組み換えにより、潜在的に病原性のある複製適格性ウイルスが産生されることに ついては、よく考証されていて、この組み換えの危険性を減少させる、数多くの ベクタ系が構築されている(レビュ−:Salmons and Gunzburg,1993)。 in vivoでの遺伝子治療を考える際に更に、安全性、及び純粋な実用上の観点 から考慮すべきことは、レトロウイルスベクタの標的化である。ベクタが有する 治療用遺伝子は全ての組織及び細胞で無差別的に発現すべきではなく、必須の標 的細胞のみで発現すべきであることは明らかである。このことは、、トランスフ ァ−される遺伝子が、除去される腫瘍細胞に向けられている毒性遺伝子である場 合には、特に重要である。標的としていないその他の細胞を除去することは、明 らかに望ましくない。 運搬される治療用遺伝子の標的化を許容するような、数多くのレトロウイルス ベクタ系がこれまでに記載されている(Salmons and Gruzburg,1993)。これら の多くの方法には、予め決めておいた細胞種に感染を限定するか、または異種プ ロモ−タを利用して、それにリンクした異種の治療用もしくは標識遺伝子の発現 を特異的細胞種に限定するかの何れかが、含まれる。異種プロモ−タとしては、 このプロモ−タが通常、活性を有する細胞種のみにおいて、リンクした遺伝子の 発現を起こ させるものが使用される。このようなプロモ−タは以前に、gag,pol,env遺伝 子の代わりに、レトロウイルス中で標識遺伝子または治療用遺伝子と組み合わせ て挿入されていた。 上記遺伝子の側面にある、レトロウイルスのロングタ−ミナルリピ−ト(LTR )中には、レトロウイルスプロモ−タがあるが、これは通常、多くの異なる細胞 種において発現を行わせることが可能であるという点において、非特異的である (Majors,1990)。LTRプロモ−タと、上記したような組織特異的プロモ−タのよ うな、異種の内在性プロモ−タとの間のプロモ−タ干渉が、以前より記載されて いる。更に、レトロウイルスLTRは、レトロウイルスのプロモ−タと一緒に、ま たは独立して、レトロウイルスの挿入部位近傍の細胞性遺伝子の発現に影響を与 えることができる、強力なエンハンサを有している。この機序は、動物において 腫瘍形成能に寄与していることが示されている(van Lohuizen and Berns)。これ ら二つの観察により、レトロウイルスのプロモ−タが、標的細胞内で機能的に不 活化された自己不活性化ベクタ(SIN:self-inactivating-Vectors)の開発が推 奨された(PCTWO94/29437)。これらのベクタの更なる修飾には、LTR領域内への プロモ−タ遺伝子の挿入によるダブルコピ−ベクタの創出が含まれる(PCT.WO89 /11539)。しかしながらこれらのベクタにおいては、ベクタ本体、またはLTR領 域内へ挿入された異種プロモ−タは、標識/治療用遺伝子に直接リンクされてい る。 3'LTRを欠損した、上記の既知SINベクタ(PCT WO94/29437)は、レトロウイ ルスの5'LTRプロモ−タ(U3欠損5’LTR)の代わりに、サイトメガロウイルス(C MV)のプロモ−タのような強力なプロモ−タを更に利用していて、パッケ−ジン グ細胞株内でのベクタ構築物の発現を行わせている。異種のポリアデニレ−ショ ンシグナルもまた、3'LTRに含まれている(PCT WO94/29437)。 本発明の目的は、標的遺伝子治療のために、安全な遺伝子トランスファ−用運 搬体として利用できて、パッケ−ジング構築物との組み換えを起こす可能性が低 減された、新規のレトロウイルスベクタを構築することである。この新規のベク タには、感染後に複製されて、標的細胞内で5’LTRに転座され、結果的にプロモ −タには直 接リンクしていないがベクタ本体に挿入されている標識/治療用遺伝子の発現を 制御する、異種のプロモ−タ、及び/または制御配列が3’LTRに保持されている 。このベクタは自己不活性化を起こさないが、そのかわり、プロモ−タが交換さ れて、プロモ−タ転換という意味のProConという名のものになる。 プロモ−タ転換は自己不活性化を起こさないので、レトロウイルスベクタは、 標的細胞内で転写的に活性である。しかし両方のLTRは標的細胞内では、大部分 が異種のプロモ−タ/エンハンサ配列からなっている。このことは、標的細胞内 に組み込まれたベクタが、通常のベクタに関して記載されているような、長期間 での不活化を受ける可能性を減少させるであろうし(Xu et al.,1989)、また内 在性のレトロウイルス配列との組み換えによる、潜在的に病原性の複製適格ウイ ルスの産生の可能性を減少して、系の安全性を高めるであろう。 本発明においては、レトロウイルス構築物の5'LTRは、修飾を受けておらず、 またパッケ−ジング細胞内でのウイルスベクタの発現は、通常のレトロウイルス のU3プロモ−タにより行なわれている。通常のレトロウイルスポリアデニレ−シ ョンは許容され、また異種のポリアデニレ−ションシグナルは3'LTRに含まれて いない。このことは、in vivo遺伝子治療方法の開発にとっては重要であるが、 それは通常のウイルスプロモ−タによる、ウイルスの通常の生理学的制御と、お そらくはポリアデニレ−ションに関しての正常な、ウイルスによる制御に関わる ものは、in vivoで長期間にわたって行き渡り、一方パッケ−ジング細胞では組 み換えウイルスを産生するためである。 この新規のレトロウイルスベクタの修飾は、異種プロモ−タ及び/または制御 配列の代わりに、細胞性配列をも含むであろう。これは、細胞性配列との特異的 組み換えに関しての高度の選択性を可能にして、レトロウイルスベクタを宿主細 胞ゲノムの特異的部位への標的化組み込みを行う(Saller,1994)。 上記の、及びその他の目的を達成するために、本発明は、プロモ−タ転換を起 こすレトロウイルスベクタであって、以下のものを具備したレトロウイルスベク タを 提供する:U3-R-U5構造の5'LTR領域;コ−ド領域及び非コ−ド領域より選択した 一つ以上の配列;及びU3領域が完全に、または一部が欠損した3’LTR領域であっ て、該欠損U3領域がポリリンカ配列で置き換えられていて、その後にRとU5領域 が続くもの。 前記のポリリンカ配列は、少なくとも一つの制限部位を有し、また好ましくは 少なくとも一つの異種DNA断片を含んでいる。該異種DNA断片は好ましくは 制御配列及びプロモ−タから選択され、これらはその発現において標的細胞特異 的であることが好ましい。しかしこれらは制御機能を全く有さないDNA断片で あってもよい。 上記の異種DNA断片は好ましくは一つ以上の細胞性配列に対して相同性であ る。制御配列及びプロモ−タは好ましくはトランスアクティング分子で制御され る。 更なる目的、特徴、及び利点は、以下に記載する本発明の好ましい態様から自 明である。 標的細胞特異的な、制御配列及びプロモ−タは、以下のものよりなる群の一つ 以上から選択される:乳清酸性タンパク質(WAP);マウス乳がんウイルス(MMT V);β−ラクトグロブリン、及びカゼイン特異的な、制御配列及びプロモ−タ ;すい臓特異的な、制御配列及びプロモ−タ(カルボニック脱水酵素II、及びβ グルコキナ−ゼ制御配列及びプロモ−タを含む);リンパ球特異的な、制御配列 及びプロモ−タ(免疫グロブリン及びMMTVリンパ球特異的な、制御配列及びプロ モ−タを含む)、並びにグルココルチコイドホルモンへの応答性を与えるか、乳 腺での発現を行わせる、MMTV特異的制御配列。該制御配列及びプロモ−タは、該 レトロウイルスベクタ中の少なくとも一つのコ−ド領域の発現を好ましく制御す る。LTR領域は以下のものよりなる、少なくとも一つの配列から選択される:マ ウス白血病ウイルス(MLV);マウス乳がんウイルス(MMTV);マウス肉腫ウイ ルス(MSV);サル免疫不全症ウイルス(SIV);ヒト免疫不全症ウイルス(HIV );ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV);ネコ免疫不全症ウイルス(FIV);ネコ 白血病ウイルス(FELV);ウシ白血病ウイル ス(BLV);メイソンーパイツァ−サルウイルス(MPMV)。 レトロウイルスベクタは、好ましくはBAGベクタ(Price et al.,1987)、ま たはLXSNベクタ(Miller and Rosman,1989)のどちらかに基づいている。 コ−ド配列は、好ましくは、標識遺伝子、治療用遺伝子、抗ウイルス遺伝子、 抗腫瘍遺伝子、サイトカイン遺伝子からなる群の一つ以上の配列から選択される 。 前記の標識及び治療用遺伝子は、好ましくは、以下のものからなる群の一つ以 上の配列より選択される:βガラクトシダ−ゼ;ネオマイシン遺伝子;単純ヘル ペスウイルスのチミジンキナ−ゼ;ピュ−ロマイシン遺伝子;シトシンデアミナ −ゼ遺伝子;ハイグロマイシン遺伝子;分泌性アルカリホスファタ−ゼ遺伝子; グアニンホスホリボシルトランスフェラ−ゼ遺伝子(gpt);アルコ−ル脱水素 酵素遺伝子;及びヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラ−ゼ(HPRT)遺 伝子。 本発明の別の態様は、レトロウイルスの組み込みに必要な少なくとも一つのレ トロウイルス性配列が変化しているか、部分的に欠損しているものを予見する。 本発明の更なる態様においては、第一構成物として、上記したレトロウイルス ベクタ、並びに該レトロウイルスのパッケ−ジングに必要なタンパク質をコ−ド した、レトロウイルス、または組み換えレトロウイルス構築物を少なくとも一つ 有する、パッケ−ジング細胞を具備するレトロウイルスベクタ系が提供される。 前記パッケ−ジング細胞は、上記のレトロウイルスベクタにはコ−ドされてい ないレトロウイルスタンパク質をコ−ドした、レトロウイルス構築物、または組 み換えレトロウイルス構築物を有している。 パッケ−ジング細胞株は、好ましくは、以下のものからなる群の配列より選択 される:プサイ-2;プサイ−Crypt;プサイ−AM;GP+E-86、PA317;GP+envAM-12 ;上記のものであってその他のエンベロ−プ型ウイルスの表面タンパク質の発現 を許容 する組み換え構築物で過剰に形質移入されたもの。 本発明の別の態様は、インテグレ−ゼ機能が欠損した組み換えレトロウイルス 構築物を有するパッケ−ジング細胞株の使用に関わる。 本発明のレトロウイルスベクタを、上記したようにしてレトロウイルスパッケ −ジング細胞株へ導入し、標的細胞を感染させると、上記したようにして、レト ロウイルスのプロウイルスが提供されるが、このプロウイルス内では前記のポリ リンカ、及び3’LTR内の該ポリリンカ内へ挿入された如何なる配列も、感染した 標的細胞内での逆転写のプロセス中に複製されて、また得られるウイルスの3’L TR内と同様に、5’LTR内にも現れる。 本発明はまた、本発明のレトロウイルス性プロウイルスのmRNAと、本発明のレ トロウイルス性ベクタ由来の如何なるmRNAとが含まれる。 本発明の更なる態様は、相同性及び/または異種性のヌクレオチド配列を、ヒ トまたは動物の細胞へin vivoまたはin vitroで導入する、非治療性の方法であ って、本発明のレトロウイルスベクタ系のパッケ−ジング細胞株を、本発明のレ トロウイルスで形質移入することと、該パッケ−ジング細胞株が産生した組み換 えレトロウイルスで、標的細胞ポピュレ−ションを感染させることとを具備した 、上記の非治療性の方法を提供する。該ヌクレオチド配列は、タンパク質をコ− ドする遺伝子若しくはその一部、制御配列、及びプロモ−タからなる群の一つ以 上の配列より選択される。 レトロウイルスベクタ、レトロウイルスベクタ系、及びレトロウイルス性プロ ウイルスは、そのRNAと同様に、ヒトを含む哺乳類での遺伝子治療用の薬学的 組成物を調製するのに使用される。更に、これらは、相同性の細胞配列への標的 組み込みに使用される。 プロモ−タ転換 本発明はレトロウイルスに特有のプロモ−タ転換の原理を利用している。 レトロウイルスゲノムは、R-U5-gag-pol-env-U3-Rの構造を有するRNAから なる(図2を参照)。逆転写のプロセスの間、該U5領域は複製されて、生成され るDNA分子の右側末端に位置するようになり、一方該U3領域は複製されて生成 されるDNA分子の左側末端に位置するようになる(図2を参照)。この生成し たU3-R-U5構造はロングタ−ミナルリピ−ト(LTR)と呼ばれ、故に相同であり、 またDNA構造またはプロウイルスの両方の末端で繰り返されている(Varmas, 1988)。プロウイルスの左側末端の該U3領域にはプロモ−タがある(以下参照) 。このプロモ−タは、左腕のU3及びR領域の間の境界部分で始まって、RとU5との 間の境界領域で終結するRNA転写産物の合成を起こさせる(図2)。このRN Aはレトロウイルス粒子内へパッケ−ジングされて、感染させる標的細胞内へ輸 送される。標的細胞内では、このRNAゲノムは再び、上記したようにして逆転 写される。 本発明では、レトロウイルスベクタは、右腕のU3領域が変異するようにして構 築されるが(図3)、正常な左腕U3領域は保存される(図3)。そしてこのベク タは通常は、左腕のU3領域内に位置する正常なレトロウイルスプロモ−タを利用 して転写される(図3)。しかしながら生成されたRNAは変異した右腕U3構造 を有するのみであろう。感染した標的細胞においては、逆転写後に、上記のU3構 造がレトロウイルス構造の両末端に位置するようになる(図3)。 変異した領域に、U3領域の代わりにポリリンカがもしあるならば(以下参照) 、どのようなプロモ−タ(WAPプロモ−タ(以下参照)のような組織特異的発現 を行わせるものを含む)も、容易に挿入することができる。次いでこのプロモ− タは、レトロウイルスベクタが有するリンクした遺伝子の、標的細胞内での独占 的な発現に使用されるであろう。あるいは、若しくはこれに加えて、細胞性配列 の一つ以上に相同的なDNA断片を、相同性組み換え(以下参照)により、遺伝 子標的化のためにポリリンカ内へ挿入することが可能である。 本発明では、「ポリリンカ」という用語は、人工的に合成された、短い長さの DNAであって、多くのユニ−クな制限部位を有していて、これにより如何なる プロモ−タやDNA配列をも容易に挿入できるようにするものを意味するものと して使用される。「異種性」という用語は、天然には通常見られないDNA配列 のどのような組み合わせも意味するものとして使用される。 遺伝子発現は、プロモ−タにより制御されている。プロモ−タ機能がないと、 遺伝子は発現されない。通常のMLVレトロウイルスプロモ−タは、多くの細胞種 で活性であるという点において、かなり非特異的である(Majors,1990)。しか しながら、非常に特異な細胞種のみにおいて活性を示す、多くのプロモ−タが存 在する。このような組織特異的プロモ−タはレトロウイルスベクタでの遺伝子発 現の制御を行い、治療用遺伝子の発現を特異的標的細胞内に限定するのにとって 、理想的な候補である。 パッケ−ジング細胞株内では、レトロウイルスベクタの発現は、U3領域に含ま れている通常の非選択的なレトロウイルスプロモ−タにより制御されている。し かしながら、ベクタが標的細胞に入るやいなや、プロモ−タ転換が起きて例えば βガラクトシダ−ゼのような治療用または標的遺伝子の発現が、ポリリンカへ挿 入した組織特異的な、選択したプロモ−タから起きる(図3)。実質的に全ての 組織特異的プロモ−タがこの系に含まれるのみならず、多様な異なる細胞種の選 択的標的化が提供されるが、更に変換が後から起きるので、レトロウイルスベク タの構造と特徴は、ウイルスのものには似付かない。このことはもちろん、安全 性の観点からは非常に重要であるが、これは通常のまたは従来の技術におけるレ トロウイルスベクタは、レトロウイルスパッケ−ジング構築物、及び/または内 在性レトロウイルスと遺伝的組み換えを起こして、潜在的に病原性のあるウイル スを産生するためである。プロモ−タ転換(ProCon)ベクタは、レトロウイルス には似ていないが、これは変換後にはU3レトロウイルスプロモ−タを保持してお らず、遺伝的組み換えの可能性が低減されているためである。 レトロウイルスのプロモ−タ構造は、LTRのU3領域内に保持されている。LTRは 、 それ自身を標的細胞内へ組み込むシグナルを有している。レトロウイルス性プロ ウイルスの組み込みはまた、病原性の変化にも貢献している(Lohuizen and Ber ns,1990)。本発明の一つの態様においてProConベクタは、組み込みに必要なシ グナルをもはや有さない修飾済みLTRを有することが可能である。繰り返すと、 これは上記のベクタ系の潜在的安定性を増大させる。 遺伝子標的化 本発明の別の側面において、レトロウイルスベクタは標的細胞への標的組み込 みに使用される。レトロウイルスゲノムのプロウイルスDNA版の、標的細胞へ の組み込みは、アデノウイルスなどの他のウイルスと比較したときには、レトロ ウイルスをベクタとして使用することの主要な進歩点となるが、それはトランス ファ−した遺伝子の、長期間にわたる安定な発現が許容されるためである。しか しながらこの組み込みのランダムさのため、レトロウイルスを使用することには おおきな不利益があるが、それは細胞性腫瘍抑制遺伝子、またはプロトオンコジ −ンの組み込み活性化の可能性があり、故に腫瘍の誘導がおきるためである(van Lohuizen and Berns,1990)。 相同組み換えを利用して、形質移入またはマイクロインジェクションされたD NAを特異的DNA座へ標的化するのに成功しており、これは「ノックアウト」 のトランスジェニックマウスやトランスジェニック動物の構築に使用されている (レビュ−:Capecchi,1989; Bradley et al.,1992; Morrow and Kucherlapat i,1993)。残念なことに、このような純粋に物理的な方法によるDNAのトラ ンスファ−の効率は、極めて低い。これとは対照的に、レトロウイルス仲介性の 遺伝子トランスファ−は非常に効率が良く、細胞ポリュレ−ションのほぼ100 %が感染可能である。レトロウイルス遺伝子トランスファ−と相同性組み換えの 組み合わせにより、遺伝子座特異的組み込みにとって理想的な系の構築が許容さ れる。 出願人は長い均一なDNA片をレトロウイルスベクタの異なる部位へ組み込ん で、相同性組み換えによる組み込みを促進させることが行える可能性を調査した (Saller,1994)。遺伝子変換と相同性組み換えの両方を評価した。単一コピ− のHSV-tk遺伝子を有する細胞株を利用して、出願人は、以前他の者が報告してい たものよりも15倍の頻度で標的を阻害することができた(Ellis and Bernstein, 1989)。DNAの組み換え断片をクロ−ニングすることで、標的のtk配列と、レ トロウイルスベクタとが存在することが明らかになった(Saller,1994)。 標的化した組み込みのために、細胞性配列に相同的なDNA断片は、ProConベ クタのポリリンカへ挿入される。標的細胞の感染、及び逆転写の後、これらの配 列はプロウイルスの5’末端に現れるであろう。末端の相同性は相同組換えに対 して(Bradley,1991)、また同質遺伝子的な配列に対して(Bradley,1991)好 ましいことが示されている。修飾された相同性配列を有する標的細胞を感染させ ると、組み換えが起こり、故に修飾した配列の修復が起こるはずである。相同性 配列が細胞のゲノムと組み換えを起こすか、または完全なベクタが挿入されるか の何れかである(Saller,1994)。このベクタクラスは、遺伝子修復での使用の 潜在性のみならず、治療用遺伝子を有するレトロウイルスベクタを、活性遺伝子 を有さないことが知られるゲノム中の特異的な遺伝子座に組み込むのに使用する ことも可能である。これにより、上記したような挿入活性化または不活性化の可 能性をかなり減少させ、よってレトロウイルスベクタの使用に関しての安全性に 寄与する。 以下の例は、本発明を更に例示する。しかしながら明白な修飾はあきらかであ るので、これらの例は、本発明の範囲を限定するためものでは決してなく、また 当業者には他の修飾や置換も明らかである。 本発明を実施するにあたって採用される組み換えDNA法は、当業者に良く知 られる標準的な方法で、例えば"Molecular Cloning"(Sambrook et al.,1989) 、及び"A Practical Guide to Molecular Cloning"(Perbal,1984)に詳しく記 載されているものである。 以下の例で参照する図面の簡単な説明 図1:レトロウイルスベクタ系。 図2:レトロウイルスゲノム、逆転写。 図3:ProConの原理。 図4:PCR分析、MLVプロ−ブ。 図5:PCR分析、MMTVプロ−ブ。 図6:感染済みNIH及びEF43細胞における、β−ガラクトシダ−ゼ発現。 図7:妊娠マウス由来の、感染済み初代乳腺細胞における、β−ガラクトシダ −ゼ発現。 図8:妊娠Balb/cマウス由来の、感染済み、皮膚及び乳腺における、β−ガ ラクトシダ−ゼ発現。 図9:感染済み乳がん細胞におけるβ−ガラクトシダ−ゼの発現。 図10:相同組換えによる、レトロウイルスべくたの標的化組み込み。 例1 哺乳類特異的プロモ−タを有するProConベクタによる感染後の、乳腺特異的発 現 BAGとして知られる、マウス白血病ウイルス(MLV)レトロウイルスベクタにお いては、βガラクトシダ−ゼ遺伝子は、LTRのU3領域中の乱雑な(すなわち組織 非特異性)MLVプロモ−タで制御されている(図3)。本発明では、3'LTR内に位 置するMLVプロモ−タ(U3)が欠失されて、異種プロモ−タの挿入を容易にするポ リリンカで置換された、BAGベクタの誘導体が構築されてた。この、U3を欠失し たBAGベクタは、パッケ−ジング細胞へ導入されると、5’LTR内のMLVプロモ−タ (U3)より発現される。その生活環の間にレトロウイルスゲノムで起こる再構成 の結果、標的細胞の感染に続いて、ポリリンカが、上記したようにレトロウイル スゲノムの両末端で複製する。それにより、BAGのβ−ガラクトシダ−ゼ遺伝子 の発現が、標的細胞内のポリリンカへ挿入されたどのような異種プロモ−タによ っても制御される、レトロウイルスベクタが構築されるであろう(図3)。 上記した原理により、以下の特異的プロモ−タは、修飾したBAGベクタのポリ リンカへ挿入される: マウス乳がんウイルス(MMTV)プロモ−タの幾つかのサブ領域(グルココルチ コイドホルモンへの応答性を与える領域と、乳腺での発現を行わせる配列を有す る領域とを含む); 乳清酸性タンパク質(WAP)プロモ−タ:このプロモ−タはWAPの発現を制御 して、妊娠中、及びほ乳中のげっ歯類の乳腺のみにおいて産生されるようにする 。 ポリリンカに挿入されたプロモ−タにより発現されるβ−ガラクトシダ−ゼ遺 伝子の制御は、構築したMMTVとWAPレトロウイルスベクタを使用した、種々の細 胞への感染実験により確証された。 MMTV及びWAP ProConベクタを、パッケ−ジング細胞株GP+E86へ形質移入して、 レトロウイルスの粒子が作成されている(Markowitz et al.,1988)。ネオマイ シン抵抗性(ベクタにコ−ドされている)での選択後に、安定なポピュレ−ショ ン、及 び組み換え型のProConウイルス産生細胞のクローンを得た。該ポピュレ−ション 由来の、ウイルスを含む上清を使用して、マウス線維芽細胞株(Jainchill et a l.,1969)と同様に、マウス乳腺細胞株EF43(Gunzburg et al.,1988)を感染さ せた。感染後4日間で標的細胞を溶解し、定量的βガラクトシダ−ゼアッセイを 行ったが、WAPを有するProConベクタで感染した細胞ではどちらも発現が起こら ず、一方、MMTVを有するProConベクタでかんせんした細胞では、そのどちらでも 発現が良く起きたことが判明した(図6)。この結果は、WAPプロモ−タが、in vivoでは妊娠後期及び授乳期間中のみに機能し、in vitroではEF43細胞に代表さ れるような、哺乳類細胞培養系では機能しないことと一致する。WAPを有するPro Conベクタが、乳腺由来の複雑な初代細胞培養系で活性であるかどうかを調査す るために、妊娠8−10日のマウス、または乳がん由来の、初代原形質類器官を 培養して、形質移入細胞株で安定に形質移入されたポピュレ−ション由来の上清 で感染させた。WAP、及びMMTVのプロモ−タ断片を有するProConベクタの両方は 、β−ガラクトシダ−ゼ活性で論証されるように、上記の初代細胞内(図7)、 及び乳がん由来細胞(図9)では活性であった。 WAP、及びMMTVを有するProConベクタがin vivoで活性であるかどうか、またβ −ガラクトシダ−ゼの発現がin vivoの乳腺のみに限定されるのかどうかを調べ るために、組み換えProConウイルスを含む培地でin situで、妊娠8−10日の マウスの乳腺、または皮膚に接種した。5日後、マウスを犠牲にして細胞抽出液 を調製し、β−ガラクトシダ−ゼアッセイを行った。WAP及びMMTVの両方を有す るProConベクタは、妊娠中の乳腺のみで発現し、皮膚では発現しなかった(図8 のM及びSを参照)。故にin vivoでは、両方のプロモ−タ由来の制御配列は、乳 腺での発現に限定され、一方in vitroではWAPプロモ−タ由来の制御配列はその 厳密な組織特異的性を維持するが、MMTVのそれは維持しない。 組織特異的プロモ−タ、及び制御配列を有する上記のProConベクタは、予め決 めておいた細胞、組織及び器官のタイプにおいて治療用遺伝子を発現させるのに 有益であろう。潜在的な治療用遺伝子には、抗−HIV及び抗腫瘍効果のあるメリ チン(melittin)、並びにSDI/WAF-1/CIP-1のように細胞周期に関わる遺伝子 と同様に、 チミジンキナ−ゼ、グアニンホスホリボシルトランスフェラ−ゼ、及びシトシン デアミナ−ゼ等の遺伝子、及びチトクロームP450を含む、細胞死に向かわせる遺 伝子が含まれる。 例2 3'LTR内にMMTVプロモ−タを元々有するProConベクタで感染した細胞における プロモ−タ転換の確証 マウス乳がんウイルス(MMTV)由来のプロモ−タ領域を有するProConベクタを 、パッケ−ジング細胞株内で形質移入し、得られた組み換えベクタ粒子を使用し て、確立したヒト膀胱癌細胞株(EJ)を感染した。感染した細胞株を、ネオマイ シンの類縁体G-418を有する培地で選択した(このベクタは、内部のSV40プロモ −タから発現されるネオマイシン抵抗性遺伝子を有しているので)。DNAを感 染クロ−ン、または非感染の親EJ細胞の一つより調製して、ポリメラ−ゼ連鎖反 応(PCR)に用いた。PCR法は、LTRの、MMTV配列(図4と5のAとB)、またはMLV R 領域(図4のC)を特異的に認識して結合する二つのプライマのうち一つを、 標識遺伝子内に位置するプライマ(図4と5)とともに使用して行った。標識遺 伝子のプライマは、MMTV(またはMLVのR領域)配列の下流のみに位置するので、も しプロモ−タ転換が起きると、標識遺伝子プライマとの組み合わせでMMTVプライ マとともに得られる陽性のPCRシグナルは、このことを示すものである。図4で は、MLV配列由来の標識化断片へのハイブリダイゼ−ション後の、プライマA,B, またはCを用いたときのPCR産物を示しており、3つ全てのPCR産物がMLV起源であ ることを論証している。断片のサイズは、プロモ−タ転換が起きたことを証明し ている。図5は、プライマAまたはBを用いてPCRを行い、MMTV特異的なプローブ へのハイブリダイゼ−ションを行った産物を示しており、再びプロモ−タ転換が 起きたことを論証している。 例3 標的化組み込み用のProConベクタの構築 上の例1と同じBAGベクタを使用して、細胞性配列と相同性を有するDNA配 列がLTRへ挿入されたレトロウイルスベクタを構築することができる。得られる ベクタは、ベクタ中へ挿入された相同性配列、またはベクタの全体若しくはその 一部を、宿主ゲノム中にある相同性配列へ組み込む標的に使用することが可能で ある。 上記した原理によって、単純ヘルペスウイルスのチミジンキナ−ゼ(tk)遺伝子 が、修飾済みBAGベクタのポリリンカ領域へ挿入された(図10のtk変異体;Sal ler,1994)。 哺乳類のtk遺伝子の機能性コピ−が全くなく、その代わりにHSV-tk遺伝子の1 コピ−を有する細胞株が確立されている(Saller,1994)。この細胞株を、tkを 有するBAGベクタで感染して、HSV-tk遺伝子が損なわれた細胞を選択した(図10 )。 上記の例は本発明のプロモ−タ転換の原理の結果を例示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD, MG,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,RO,R U,SD,SG,SI,SK,TJ,TT,UA,UG ,US,UZ,VN (72)発明者 ザラー、 ローベルト・ミハエル ドイツ連邦共和国、 デー − 80636、 ミュンヘン、ユタシュトラーセ 22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下のものを具備し、プロモ−タ転換を起こすレトロウイルスベクタ: U3-R-U5構造の5’LTR領域; コ−ド配列及び非コ−ド配列より選択した1以上の配列;並びに U3領域が完全にまたは部分的に欠失した3’LTR領域であって、該欠失U3領域 がポリリンカ配列で置換され、その後にRとU5領域とが続くことを特徴とするも の。 2.以下のものを具備した、請求項1に記載のレトロウイルスベクタ: U3-R-U5構造の5’LTR領域; コ−ド配列及び非コ−ド配列より選択した1以上の配列;並びに U3領域が完全に欠失した3’LTR領域であって、該欠失U3領域がポリリンカ配 列で置換され、その後にRとU5領域とが続くことを特徴とするもの。 3.前記のポリリンカ配列が、少なくとも一つのユニ−クな制限部位を有する ことを特徴とする、請求項1に記載のレトロウイルスベクタ。 4.前記のポリリンカ配列に、少なくとも一つの異種DNA断片が挿入される ことを特徴とする、請求項3に記載のレトロウイルスベクタ。 5.前記の異種DNA断片が、制御配列及びプロモ−タからなる群の一つ以上 の配列より選択されることを特徴とする、請求項4に記載のレトロウイルスベク タ。 6.前記の制御配列及びプロモ−タが、発現において標的細胞特異的であるこ とを特徴とする、請求項5に記載のレトロウイルスベクタ。 7.前記の、標的細胞特異的制御配列及びプロモ−タが、以下のものからなる 群の一つ以上の配列より選択されることを特徴とする、請求項6に記載のレトロ ウイルスベクタ:WAP; MMTV; b-ラクトグロブリン及びカゼインに特異的な制御 配列及びプロモ−タ;すい臓特異的制御配列及びプロモ−タ(カルボニック・ア ンヒドラ −ゼII、及びb-グルコキナ−ゼの制御配列及びプロモ−タを含む);リンパ球特 異的制御配列及びプロモ−タ(免疫グロブリン及びMMTVリンパ球に特異的な制御 配列及びプロモ−タを含む);並びに、グルココルチコイドホルモンへの応答性 、または乳腺への発現を指揮するMMTV特異的制御配列及びプロモ−タ。 8.請求項5乃至7の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタであって、前 記の制御配列及びプロモ−タが、該レトロウイルスベクタの一以上のコ−ド配列 の発現を制御することを特徴とするベクタ。 9.前記のLTR領域が以下のLTRからなる群の一以上の配列より選択されること を特徴とする、請求項1乃至8の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタ:ML V,MMTV,MSV,SIV,HIV,HTLV,FIV,FeLV,BLV,及びMPMV。 10.前記のレトロウイルスベクタがBAGベクタであることを特徴とする、請求 項1乃至9の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタ。 11.前記のコ−ド配列が、マ−カ遺伝子、治療性遺伝子、抗ウイルス遺伝子 、抗腫瘍遺伝子、サイトカイン遺伝子からなる群の一つ以上の配列より選択され ることを特徴とする、請求項1乃至10の何れか一項に記載のレトロウイルスベ クタ。 12.前記のマ−カ、または治療性遺伝子が、以下のものからなる群の一つ以 上の配列より選択されることを特徴とする、請求項11に記載のレトロウイルス ベクタ:b-ガラクトシダ−ゼ遺伝子、ネオマイシン遺伝子、単純ヘルペスウイル スチミジンキナ−ゼ遺伝子、ピュ−ロマイシン遺伝子、シトシンデアミナ−ゼ遺 伝子、ハイグロマイシン遺伝子、分泌性アルカリホスファタ−ゼ遺伝子、グアニ ンホスホリボシルトランスフェラ−ゼ(gpt)遺伝子、アルコ−ル脱水素酵素遺 伝子、及びハイポキサンチンホスホリボシルトランスフェラ−ゼ(HPRT)遺伝子 。 13.レトロウイルスタンパク質に関しての前記のコ−ド配列の少なくとも一 つが変異しているか、または少なくとも一部が欠失していることを特徴とする、 請求項 1乃至12の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタ。 14.レトロウイルスの挿入に関わる、レトロウイルスの配列が変異している か、または少なくとも一部が欠失していることを特徴とする、請求項1乃至13 の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタ。 15.前記の異種DNA断片が、細胞性配列、またはその一部の一以上に対し て相同的であることを特徴とする、請求項1乃至14の何れか一項に記載のレト ロウイルスベクタ。 16.前記の制御配列が、トランスアクティング分子で制御可能であることを 特徴とする、請求項1乃至15の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタ。 17.請求項1乃至16の何れか一項に記載のウイルスベクタを第一構成要素 として具備し、また該レトロウイルスベクタのパッケ−ジングに必要なタンパク 質をコ−ドした、レトロウイルス構築物、または組み換えレトロウイルス構築物 を保持したパッケ−ジング細胞を更に具備する、レトロウイルスベクタ系。 18.請求項1乃至16の何れか一項に記載のウイルスベクタにはコ−ドされ ていないレトロウイルス性タンパク質をコ−ドした、レトロウイルス構築物、ま たは組み換えレトロウイルス構築物を、前記のパッケ−ジング細胞が保持するこ とを特徴とする、請求項17に記載のレトロウイルスベクタ系。 19.前記のパッケ−ジング細胞株が、以下のものからなる群より選択される ことを特徴とする、請求項17、または18に記載のレトロウイルスベクタ系: プサイ-2,プサイ-Crypt,プサイ-AM,GP+E-86,PA317,及びGP+envAM-12。 20.相同性、または異種性のヌクレオチド配列を、ヒトまたは動物へ、in vi troまたはin vivoで導入するための治療性、または非治療性の方法であって、請 求項17乃至19の何れか一項に記載のレトロウイルス系のパッケ−ジング細胞 を、請求 項1乃至16の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタで形質移入し、該パッ ケ−ジング細胞株で産生された該組み換えレトロウイルスで標的細胞ポピュレ− ションを感染させることを具備した、上記の治療性、または非治療性の方法。 21.前記のヌクレオチド配列が、タンパク質をコ−ドしている遺伝子、若し くはその一部、制御配列、及びプロモ−タからなる群の一つ以上より選択される ことを特徴とする、請求項20に記載の治療性、または非治療性の方法。 22.請求項17乃至19の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタ系にお いて、請求項1乃至16の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタを複製させ ることにより作成される、レトロウイルス性プロウイルスであって、前記のポリ リンカ、及び3’LTR中の該ポリリンカへ挿入される如何なる配列もが、感染し た標的細胞内での逆転写中に複製され、得られるプロウイルスの3’LTRと同様 に5’LTR中にも現れることを特徴とする、上記のレトロウイルス性プロウイル ス。 23.ヒトを含む哺乳類における遺伝予治療用の薬学的組成物を産生させるた めの、請求項1乃至16の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタの使用。 24.ヒトを含む哺乳類における遺伝子治療用の薬学的組成物を産生させるた めの、請求項17乃至19の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタ系の使用 。 25.ヒトを含む哺乳類における遺伝子治療用の薬学的組成物を産生させるた めの、請求項22に記載のレトロウイルス性プロウイルスの使用。 26.前記の相同性細胞性配列への標的挿入のための、請求項1乃至16の何 れか一項に記載のレトロウイルスベクタの使用。 27.前記の相同性細胞性配列への標的挿入のための、請求項17乃至19の 何れか一項に記載のレトロウイルスベクタ系の使用。 28.前記の相同性細胞性配列への標的挿入のための、請求項22に記載のレ トロウイルス性プロウイルスの使用。 29.請求項22に記載のレトロウイルス性プロウイルスのmRNA。 30.請求項1乃至16の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタのRNA 。 31.請求項17乃至19の何れか一項に記載のレトロウイルスベクタ系のパ ッケ−ジング細胞株を、請求項1乃至16の何れか一項に記載のレトロウイルス ベクタで形質移入して、該細胞を適切な条件下で培養することにより得られる、 組み換え型レトロウイルス粒子。 32.請求項31に記載の組み換えレトロウイルス粒子を、治療上効果的な量 で含む薬学的組成物。
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