JP2002519069A - レトロウイルスベクターを用いた染色体へのターゲッティングされた組込み - Google Patents

レトロウイルスベクターを用いた染色体へのターゲッティングされた組込み

Info

Publication number
JP2002519069A
JP2002519069A JP2000558225A JP2000558225A JP2002519069A JP 2002519069 A JP2002519069 A JP 2002519069A JP 2000558225 A JP2000558225 A JP 2000558225A JP 2000558225 A JP2000558225 A JP 2000558225A JP 2002519069 A JP2002519069 A JP 2002519069A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
retroviral
retroviral vector
sequence
integration
vector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000558225A
Other languages
English (en)
Inventor
ギュンツブルク、バルター
サルモンズ、ブライアン
ゴラー、ザビーネ
クライン、ディーター
Original Assignee
オーストリアン・ノルディック・バイオセラピューティクス・アーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by オーストリアン・ノルディック・バイオセラピューティクス・アーゲー filed Critical オーストリアン・ノルディック・バイオセラピューティクス・アーゲー
Publication of JP2002519069A publication Critical patent/JP2002519069A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • C12N15/86Viral vectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2740/00Reverse transcribing RNA viruses
    • C12N2740/00011Details
    • C12N2740/10011Retroviridae
    • C12N2740/13011Gammaretrovirus, e.g. murine leukeamia virus
    • C12N2740/13041Use of virus, viral particle or viral elements as a vector
    • C12N2740/13043Use of virus, viral particle or viral elements as a vector viral genome or elements thereof as genetic vector

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、LTR配列に好ましくはアデノ関連ウイルスの配列を含有する、ターゲティングされた組込みのためのレトロウイルスベクターを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に遺伝的欠損症又はウイルス感染の遺伝子治療のための異種遺伝
子をコードするレトロウイルスベクターに関する。
【0002】
【発明の背景】
レトロウイルスは種々の細胞を感染し、標的細胞に対する遺伝子の輸送のため
の典型的な手段である。さらに、感染性レトロウイルスは、標的細胞のゲノムに
そのRNAゲノムのDNA型を組込むことが可能であるため、それらは標的細胞
のゲノムに異種配列を安定的に組込むための典型的な手段である。従って、レト
ロウイルスに感染した細胞の全ての娘細胞は、レトロウイルスベクターのDNA
を担持し、恐らく異種遺伝子を含んでいる。
【0003】 レトロウイルスゲノムは、R−U5−gag−pol−env−U3−R構造
を有するRNA分子から構成される。レトロウイルスベクター(RV)の開発の
ために、該レトロウイルスゲノムは、ウイルス性タンパク質をコードする遺伝子
gag−pol−envを、マーカー遺伝子又は治療用遺伝子のような1以上の
関与する遺伝子で置換することにより修飾され得る。組換え型レトロウイルス粒
子及びパッケージングされたRVそれぞれを生成させるために、レトロウイルス
ベクター系の原理が用いられる。この系は、2つの要素:ウイルス性タンパク質
をコードする遺伝子が置換されたRV自体、及び失われたウイルス性タンパク質
を有する修飾RVを提供するパッケージング細胞から構成される。このパッケー
ジング細胞は、修飾RVがパッケージングされることを可能にする遺伝子を担持
する1以上のプラスミドでトランスフェクションされているが、複製能力を有す
るウイルスを生産する能力に欠ける。
【0004】 パッケージング細胞系にベクターを導入した後に、RVはRNAに転写される
。組換え型レトロウイルスゲノムを表わすこのRNAは、パッケージング細胞に
よって生産されるウイルス性タンパク質によってパッケージングされ、パッケー
ジング細胞から分離され、レトロウイルス粒子を形成する。さらに、これらの粒
子は標的細胞を感染するのに用いられる。標的細胞において、RNAゲノムは該
粒子から再び放出され、逆転写されて、細胞のゲノムに安定的に組込まれる。
【0005】 従って、RVsは一般に、USA及び欧州の両方での種々の公認のプロトコル
において、標的細胞に治療用遺伝子を安定的に運搬するための選択的な方法であ
る。しかしながら、たいていのプロトコルは、治療用遺伝子を運搬するRVで標
的細胞をイン・ビトロにて感染させることを必要とする。次に、感染に成功した
細胞を患者に戻す。好都合なことに、そのようなイクス・ビボでの標的細胞の感
染は、使用前に厳密に安全性を試験することができる大量の濃縮ウイルスの投与
を可能にする。さらに、イクス・ビボでの遺伝子治療プロトコルは、標的細胞群
を容易に分離することができる病気の治療に理想的である。
【0006】 不運なことに、遺伝子治療のために可能な用途のほんの一部が、容易に分離、
培養した後、患者への再導入が可能な標的細胞と関係するに過ぎない。さらに、
イクス・ビボでの有効な遺伝子治療の複雑な技術及び付随する高いコストにより
、その使用の世界中での普及を妨げられている。手軽な将来性及びコスト的に有
用な遺伝子治療には、RVを生産する細胞の注射又は単なる移植の形態で、RV
、又はRVを生産する細胞を患者に直接投与する、イン・ビボでのアプローチが
要求されるであろう。
【0007】 この種のイン・ビボでのアプローチは、当然ながら種々の新たな問題をもたら
す。まず第一に、安全性を考慮しなくてはならない。1つの深刻な安全性のリス
クは、ウイルスを生産する細胞の移植から、恐らくウイルスが生産されるであろ
うことである。従って、このように生産されるウイルスを予め検査する機会が存
在しないであろう。また別の問題は、レトロウイルスゲノムのプロウイルス型は
、感染した細胞のゲノムにおいてランダムに組込まれることである。このランダ
ムな組込みは、細胞の遺伝子又は細胞の遺伝子近傍に直接組込まれる結果となり
、新たなゲノム配列をもたらす。この結果として、細胞の遺伝子の機能は変質す
るか、または失われる。細胞の遺伝子が成長制御の調節に関与する場合には、制
御されない細胞増殖が生じる可能性がある。従って、RVを用いた遺伝子の治療
学的用途においては、レトロウイルスベクターを用いた1つの遺伝的欠損の修復
と同時に、第二の欠損がもたらされる可能性があり、制御されない増殖、要する
に腫瘍の発生を生じる結果となる、潜在的なリスクが存在する。
【0008】
【発明の目的】
従って、本発明の目的は、標的細胞の遺伝子又は遺伝子近傍への、組換え型ウ
イルスゲノムのランダムな組込みを防ぎ、従って標的細胞のゲノムのゲノム再配
列を防ぐ、安全なレトロウイルスベクターを提供することである。
【0009】
【発明の詳細の記述】
本発明の基礎をなす基本的な概念は、標的細胞のゲノムの非コード領域に特異
的に組込まれるレトロウイルスベクターを提供することである。従って、先に述
べた目的及び他の目的を達成するために、本発明は、1以上の異種核酸配列、並
びにゲノムの非コード領域に該異種配列を部位特異的に組込ませる少なくとも1
つの配列を含んでなるレトロウイルスベクター(RV)を提供する。
【0010】 該部位特異的に組込ませる配列により、RVは、何れのコード配列又は調節塩
基配列をも含まないゲノム領域と相互作用する。従って、相互作用及びその後の
組込みは、相同組換え又は別の(例えば、タンパク質によって媒介される)組込
み機構によって起こり得る。一般に、レトロウイルスの組込み過程は、組込みを
媒介する酵素(それは、感染性レトロウイルス粒子に含まれる)によって媒介さ
れる。組込みを媒介するタンパク質は、RVによってコードされる部位特異的に
組込ませる配列、並びに標的細胞のゲノム配列の非コード領域内への組込み部位
と相互作用する。従って、該標的細胞は、RV及び任意に組込みを媒介するタン
パク質を含むレトロウイルス粒子によって感染される。その結果、標的細胞のゲ
ノムの非コード領域にRVの部位特異的な組込みが起こる。
【0011】 非コード領域へのRVの部位特異的な組込みの結果、新たなゲノム配列の危険
性(例えば、非調節の遺伝子産物又は制御されない細胞増殖を引き起こす)が回
避される。従って、本発明に従ったRVは、イン・ビボにて将来高く適用される
だけでなく、イン・ビトロにてヒトを含む哺乳類の標的細胞に異種核酸配列を運
搬する。
【0012】 「異種(非相同性)」の用語は、一般的に密接な関係にあることが全く見出され
ていないDNA配列の何れかの組み合わせに用いられる。従って、上述の少なく
とも1つのRVの異種核酸配列は、ウイルス感染、遺伝性、代謝、増殖性若しく
は何れか他の関連疾患又は病気の治療に関連する異種遺伝子である。従って、本
発明に従ったRVによって標的細胞に運搬され得る異種遺伝子は、好ましくはマ
ーカー遺伝子、治療用遺伝子、抗ウイルス性遺伝子、抗腫瘍遺伝子、サイトカイ
ン遺伝子及び/又はトキシン遺伝子からなる群の1以上の要素であるが、それら
に限定されない。マーカー遺伝子及び治療用遺伝子は、好ましくはβ−ガラクト
シダーゼ遺伝子、ネオマイシン遺伝子、単純疱疹ウイルスチミジンキナーゼ遺伝
子、プルマイシン遺伝子、シトシンデアミナーゼ遺伝子、ヒグロマイシン遺伝子
、分泌性アルカリホスファターゼ遺伝子、グアニンホスホリボシルトランスフェ
ラーゼ(gpt)遺伝子、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子、ヒポキサンチン
ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子、グリーン蛍光タンパク
質(gfp)遺伝子、シトクロムP450遺伝子及び/又はジフテリア、百日咳
トキシン、破傷風トキソイドのαサブユニットのようなトキシン遺伝子のような
遺伝子から選択されるのが好ましい。
【0013】 組込み現象の間に、RVによってコードされる異種配列が、ゲノムの非コード
領域に確実に組込まれるために、該異種配列を1以上の部位特異的に組込ませる
配列の隣に配置する。一般に、1つの部位特異的に組込ませる配列を用いて組込
み過程を導入することが可能であり、この場合、これは組込まれる異種配列の一
方の末端のみの隣に配置する。しかしながら、より好ましい態様において、部位
特異的に組込ませる塩基配列は、直接的に又は幾らか離れて、組込まれる異種配
列の両側の隣に配置する。従って、該部位特異的に組込ませる配列は、レトロウ
イルスのLTRのU3領域及び/又はU5領域に挿入されるのが好ましい。また
代わりとして、該部位特異的に組込ませる配列を、組込まれる異種配列とつなげ
て挿入することも可能である。この場合には、これ以上のレトロウイルスの配列
を有さない組込まれる異種配列のみが、部位特異的に組込まれるであろう。従っ
て、この場合には、RVは標的細胞に組込まれる異種配列の輸送手段としてのみ
作用する。
【0014】 哺乳類のゲノムの90%以上が非コード領域から構成されると知られているこ
とから、本発明に従ったRVは、特にヒト染色体を含む哺乳類の非コード領域へ
の部位特異的な組込みに有用である。本発明の更なる態様において、RVはヒト
第19番染色体に位置する非コード領域において、特異的に組込まれる。ヒト第
19番染色体における該特異的な非コードDNA領域が、アデノ関連ウイルス(
AAV)の組込みのための標的部位として最初に記載された。第19番染色体に
おける非コード領域への組込みのために、本発明の更なる態様において、部位特
異的にRVを組込ませる配列は、AAVの逆方向末端反復(ITRs)と呼ばれ
る。
【0015】 これらの形態の系統発生的な種々のウイルスを組み合わせると、本発明に従っ
て得られたRVは、さらにゲノムにおける非コード領域を標的とする約8kbの
容量の異種DNA配列を収容できることが特に有用であると見出した。比較して
、現存のAAVを基にした全てのベクターは、第19番染色体へのターゲティン
グされた組込みに必要な全てのコード領域の存在下において、最大約4,5kb
の異種DNAを収容することが可能である(Dongら、1996年、「組換え型アデノ
関連ウイルスのパッケージング容量の定量分析」、Hum Gene Ther Nov 10;7(17)
:2101-2112)。不運なことに、これらはあまりに小さいため、たいていの遺伝子
治療において実用的に使用することは不可能である。
【0016】 本発明の更に好ましい態様において、AAV−Repタンパク質が、RVの部
位特異的な組込みのために用いられる。驚くべきことに、AAVの組込みを媒介
するRepタンパク質は、これらタンパク質がAAV組込み過程において標準的
に使用する第19番染色体の同様の非コード領域へのRVのターゲティングされ
た組込みのために使用可能であることを見出した。RVはRNAゲノムを有する
ウイルスに基づき、一方AAVはDNAゲノムを有するウイルスに属するために
、このことは特に予想されなかった。また、これらゲノム構造における差異に依
存して、調節又は組込み機構は完全に異なる。レトロウイルスゲノムの組込みは
、一般に酵素インテグラーゼ(IN)に依存するのに対し、部位特異的なAAV
ゲノムの組込みはRepタンパク質によって媒介される。このタンパク質はAA
Vに特異的であるので、前述のゲノムの組込みがこのタンパク質によって媒介さ
れるであろうことは予想されなかった。さらに、完全に相違する系統発生的な群
に属するDNAウイルスのタンパク質が、RNAウイルスと組み合わせると、レ
トロウイルスゲノムの組込みを媒介するであろうことは予想されなかった。
【0017】 標的細胞に組込みを媒介するタンパク質(例えば、該AAV−Repタンパク
質)を提供するための一つの選択手段は、RVに該タンパク質をコードする核酸
配列を直接組込むことである。RVで標的細胞を感染させた後に、組込みを媒介
するタンパク質(例えば、AAV−Repタンパク質)は、標的細胞にて直接合
成される。次に、AAV−Repタンパク質は、RVの部位特異的な組込みを媒
介する。
【0018】 また代わりとして、パッケージング細胞は、組込みを媒介するタンパク質(例
えば、AAV−Repタンパク質)をレトロウイルス粒子(RVP)に提供する
。この場合には、組込みを媒介するタンパク質は、パッケージング細胞から合成
され、新たに発生した感染性レトロウイルス粒子(RVP)にパッケージングさ
れる。次に、これら粒子は標的細胞を感染するために用いられ、従って標的細胞
に、RVとともに付加的な組込みを媒介するタンパク質を運搬した。
【0019】 組込みを媒介するタンパク質、特にAAV−Repタンパク質の発現は、より
高濃度で細胞に毒性効果を引き起こすことが知られている。従って、本発明の更
なる態様において、組込みを媒介するタンパク質、並びにAAV−Repタンパ
ク質の発現は、誘導性プロモーター及び/又は非常に弱いプロモーターの転写制
御の下にある。該誘導性プロモーター及び/又は非常に弱いプロモーターは、テ
トラサイクリンによって誘導されるプロモーター、HIV Tat トランスアク
チベーターによって誘導されるプロモーター、MMTVプロモーターのようなグ
ルココルチノイドホルモンによって誘導されるプロモーター又はX線によって誘
導されるプロモーターからなる群の1以上の要素から選択されるのが好ましいが
、それらに限定されない。
【0020】 RVPの発生のために、本発明の更なる態様において、第一の要素としての上
記のRV及びRVがパッケージングされるのに必要なタンパク質を提供するパッ
ケージング細胞を含んでなるレトロウイルスベクター系が提供される。パッケー
ジング細胞系は、psi−2、psi−Crypt、psi−AM、GP+E−
86、PA317、GP+envAM−12、Fly A13、BOSC 23、
BING、Fly RD 18、ProPak−Χ、−A.52及び−A.6又は
他のエンベロープされたウイルス由来の表面タンパク質を発現させる組換え型の
構築物でスーパートランスフェクションされたこれらの何れかから選択されるの
が好ましいが、それらに限定されない。
【0021】 RVの部位特異的な組込みの高い有用性を確実にするために、本発明の更なる
態様に従ったパッケージング細胞は、機能性レトロウイルスインテグラーゼ(I
N)をコードしないGag/Pol発現プラスミドを提供する。従って、パッケ
ージング細胞は、pol領域によってコードされる非機能性レトロウイルスIN
が合成され得るような方法で構築される。このため、パッケージング細胞は、p
ol領域の突然変異体及び/又はpol領域を部分的に若しくは完全に欠失した
ものを組込むレトロウイルスのpol領域をコードするDNA構築物を用いて発
生する。非機能性INを引き起こすpol領域における突然変異又は欠失を誘導
するために、好ましくは組換えPCR技術が用いられる。
【0022】 更に本発明は、上記の本発明のRVを含むレトロウイルス粒子を提供する。こ
れら粒子は、標準的なプロトコルに従って、上記のRVで上記のパッケージング
細胞をトランスフェクションすることで得ることができる。
【0023】 また本発明は、レトロウイルスのプロウイルス、本発明に従ったレトロウイル
スのプロウイルスのmRNA、本発明に従ったレトロウイルスベクターから生じ
る何れかのRNA及びそれらのcDNA、並びに本発明に従ったレトロウイルス
粒子で感染させた標的細胞を含む。
【0024】 本発明の更なる態様は、イン・ビボ及びイン・ビトロにて上記の組換え型レト
ロウイルス粒子で標的細胞群を感染させることを含んでなる、標的細胞に同種及
び/又は異種ヌクレチド配列を導入する方法を提供する。更に、レトロウイルス
ベクター、レトロウイルス粒子、レトロウイルスベクター系及びレトロウイルス
のプロウイルス、並びにそれらのRNAは、ウイルス感染の治療、又は遺伝性、
代謝性、増殖性若しくは何れか他の関連疾患又は病気の治療に用いられる。
【0025】 レトロウイルスベクター、レトロウイルス粒子、レトロウイルスベクター系及
びレトロウイルスのプロウイルス、並びにそれらのRNAは、ヒトを含む哺乳類
においてイン・ビボ及びイン・ビトロでの遺伝子治療のための薬剤組成物生産の
ために使用される。
【0026】 更に本発明は、治療学的に有効な量のレトロウイルス粒子及び/又はレトロウ
イルスベクター系及び/又は治療学的に有効な量のレトロウイルスベクター、ベ
クター系若しくは粒子を含有する薬剤組成物を、必要とする個人に投与すること
を含んでなる、ウイルス感染、又は遺伝性、代謝性、増殖性若しくは何れか他の
関連疾患又は病気の治療方法を含む。
【0027】
【発明の概要】
本発明は、特に単独で又は組み合わせて下記を含有する: 1以上の異種核酸配列、並びにゲノムの非コード領域に該異種配列を部位特異
的に組込ませる少なくとも1つの配列を含んでなるレトロウイルスベクター; 該部位特異的に組込ませる配列が、レトロウイルスの長末端反復配列(LTR
)のU3領域及び/又はU5領域に挿入される上記のレトロウイルスベクター; 該部位特異的に組込ませる配列が、アデノ関連ウイルス(AAV)の逆方向末
端反復(ITR)配列である上記のレトロウイルスベクター; 該ゲノムが、ヒトを含む哺乳類の染色体である上記の何れかのレトロウイルス
; 該染色体が、第19番染色体である上記のレトロウイルスベクター; 少なくとも1つの該異種核酸配列が、ウイルス感染の治療、又は遺伝性、代謝
性、増殖性若しくは何れか他の関連疾患又は病気に関連する異種遺伝子である上
記の何れかのレトロウイルスベクター; 少なくとも1つの該異種核酸配列が、組込みを媒介するタンパク質をコードす
る配列である上記の何れかのレトロウイルスベクター; 該組込みを媒介するタンパク質が、AAV−Repタンパク質である上記の何
れかのレトロウイルスベクター; 該組込みを媒介するタンパク質をコードする配列が、誘導性プロモーターの転
写制御下にある上記のレトロウイルスベクター; 第一の要素としての上記の何れかのベクター、及び該ベクターをパッケージン
グするのに必要なタンパク質をコードする少なくとも1つのDNA構築物を有す
るパッケージング細胞を含んでなるレトロウイルスベクター系; 該パッケージング細胞が、突然変異したレトロウイルスのインテグラーゼ(I
N)又は完全に若しくは部分的に欠失したレトロウイルスのインテグラーゼ(I
N)を合成する上記のレトロウイルスベクター系; 上記の何れかのレトロウイルスベクターを含むレトロウイルス粒子; 上記のレトロウイルスベクターで上記のレトロウイルスベクター系のパッケー
ジング細胞をトランスフェクションすることによって得られる上記のレトロウイ
ルス粒子; 上記のレトロウイルス粒子で標的細胞を感染させることにより生産されるレト
ロウイルスのプロウイルス; 上記のレトロウイルスのプロウイルスのmRNA; 上記の何れかのレトロウイルスベクターのRNA; 上記のRNAのcRNA; 上記レトロウイルス粒子で感染させた宿主細胞; 上記レトロウイルス粒子で標的細胞を感染させることを含んでなる、標的細胞
に同種及び/又は異種ヌクレオチド配列を導入する方法; ウイルス感染の治療、又は遺伝性、代謝性、増殖性若しくは何れか他の関連疾
患又は病気の治療における使用のための、上記の何れかのレトロウイルスベクタ
ー及び/又は上記のレトロウイルス粒子及び/又は上記のレトロウイルスベクタ
ー系; ウイルス感染の治療、又は遺伝性、代謝性、増殖性若しくは何れか他の関連疾
患又は病気の治療のための薬剤組成物を生産するための、上記の何れかのレトロ
ウイルスベクター及び/又は上記のレトロウイルス粒子及び/又は上記のレトロ
ウイルスベクター系の使用; 治療学的に有効な量の上記の何れかのレトロウイルスベクター及び/又は上記
のレトロウイルス粒子及び/又は上記のレトロウイルスベクター系を含有する薬
剤組成物; 治療学的に有効な量の上記のレトロウイルス粒子及び/又は上記のレトロウイ
ルスベクター系を、それらを必要とする患者に投与することを含んでなる、ウイ
ルス感染、又は遺伝性、代謝性、増殖性若しくは何れか他の関連疾患又は病気の
治療方法。
【0028】
【実施例】
下記の例は、本発明をさらに説明するであろう。提供する例は如何なる意味で
も、限定されると解釈されるべきではなく、本発明は、特許請求の範囲全てによ
ってのみ限定されることは、何れの当業者によっても十分理解されるであろう。
【0029】 例1:RVのターゲティングされた組込み 1.AAVゲノムの逆方向末端反復(ITR)モチーフを含有するレトロウイル
スベクター(RV)の構築 プラスミドpAV1(Laughlinら、1983年、細菌性プラスミドにおける感染性
アデノ関連ウイルスのゲノムのクローニング、Gene 23:65-73)から得られるIT
R配列を含むフラグメント及びRVベクターpLESNMPのバックボーン配列
(identisch zu pLXSNPCEGPF aus Klein et.al.(1997)、Gene Therap
y 4:1256-1260)の結合により、RVベクターpLESN1IPを構築した。
【0030】 このために、プラスミドpLESNMPを制限酵素SacII及びMluIで消
化させ、MMTV U3領域を削除し、7065bpのフラグメントを得た。該
消化混合物を、0.8%アガロースゲルで精製し、DNAバンドを削り取り、Q
iaquickプロトコル(Qiagen)を用いて溶出させた。エタノール沈
殿後に、DNAを水に再懸濁させた。
【0031】 PCR法を用いて、プラスミドpAV1からITR配列を分離した。従って、
左側のプライマー(配列ID No.1)(5'-GACTCCACGCGTCCAGGAAC-3')は、I
TRの開始点に特異的であり、また新たなMluI制限部位(下線)を生じさせ
、右側のプライマー(配列ID No.2)(5'-GACCGCGGATCATCGATAAG-3')は、
ITRの末端に特異的であり、またSacII制限部位(下線)を生じさせた。P
CRにより198bpフラグメントが得られ、それを制限酵素MluI及びSa
cIIで消化し、次に精製した。
【0032】 調製したpLESNMPバックボーンフラグメント50ng、及びMluI/
SacIIで消化したPCRフラグメント300〜400ngを混合した。結合の
ために、NEBリガーゼ(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs
))を用い、温度を10℃から22℃まで1時間につき1℃ずつ上昇させた。該
リガーゼを65℃にて10分間、不活性化させ、DNAを化学的に処理したコン
ピテントTOP10バクテリア(インビトロゲン)にトランスフェクションした
。アンピシリン耐性コロニーを選択し、DNAを調製し、制限酵素HindIII
で試験的に消化させた。最終的な適切なプラスミドをpLESN1IPと称した
【0033】 2.AAVゲノムの2つのITRモチーフを含有する2つのRVの構築 プラスミドpAV1から得られるITRを含有するフラグメント及び上記1.
のProConベクターpLESN1IPバックボーンの結合により、制限部位
の位置のみ異なるRV pLESN2IP1及びpLESN2IP6を構築した
【0034】 ベクターを直線状にする制限酵素AgeIでpLESN1IPバックボーンを
消化した。消化させたDNAをアルカリホスファターゼ(ベーリンガー)で脱リ
ン酸化した。フェノール及びクロロホルム抽出の後に、DNAをエタノール沈殿
させ、水に再懸濁させた。
【0035】 上記1.に記載のPCR法を用いて(但し、異なるプライマーの組み合わせを
用いて)、プラスミドpAV1からITRモチーフ分離した。この場合には、左
側のプライマー(配列ID No.:3)(5'-TCACGACTCCACCGGTCCAGGAAC-3')は、
ITRの開始点に特異的であり、また新たなAgeI制限部位(下線)を生じさ
せ、右側のプライマー(配列ID No.:4)(5'-GTTTGACCGGTTATCATCGATAAG-3
')は、ITRの末端に特異的であり、また新たなAgeI制限部位(下線)を生
じさせた。PCRにより206bpのフラグメントを生じ、それを制限酵素Ag
eIで消化し、精製した。
【0036】 直線状にしたpLESN1IPバックボーン50ng、及びAgeIで消化し
たPCRフラグメント300〜400ngを混合し、上記1.のように、結合さ
せ、バクテリアにトランスフェクションした。アンピシリン耐性コロニーを選択
し、DNAを調製し、制限酵素EcoRI及びHindIIIで試験的に消化させ
た。最終的な適切なRVをpLESN2IP1及びpLESN2IP6と称した
【0037】 3.RV pLESN1IP、pLESN2IP1又はpLESN2IP6を
用いたレトロウイルス粒子(RVP)の生産 パッケージング細胞系のトランスフェクションのために、5×105の細胞(
例えば、PA317)を直径35mmの6−ウェルディッシュにまいた。トラン
スフェクションの際、生産工程説明書に従ってリン酸カルシウムプロトコルセル
フェクトキット(ファルマシア)を用いて、10ngのpLESN1IP、pL
ESN2IP1又はpLESN2IP6をトランスフェクションさせた。
【0038】 トランスフェクションの18時間後、培地を変えた。更に24時間後に、RV
Psを含有する培地を取り出し、標的細胞の感染のために使用した。更に、G4
18−ジェネティシン(Geneticin)を含有する新しい培地をトランスフェクショ
ンしたパッケージング細胞に添加し、安定的にトランスフェクションした細胞を
選択した。
【0039】 4.染色体へのターゲティングされた組込みのための1つ又は2つのITRモ
チーフを有するRVを含有するRVPsでの標的細胞の感染 標的細胞(例えば、HeLa;NIH3T3)の感染のために、10ml培地
中の2×106の細胞を直径10cmの培養皿にまいた。感染の際、ベクターウ
イルスを含有する無菌のフィルターを通した上澄み液2ml及びポリブレン2μ
l(最終濃度8μg/ml)を細胞に添加した。6時間後に、新鮮な培養培地を
細胞に添加した。感染の24時間後に、G418−ジェネティシンを含有する新
しい培地を添加し、安定的に感染した細胞を選択した。染色体において非コード
領域へのターゲティングされた組込みを分析するために、細胞のゲノムDNAを
分離し、サザンブロットで分析した。幾つかのクローンに、相同組込みパターン
が見られることが確認された。さらに組込み位置を確認するために、FISH染
色体アッセイを該クローンに実施した。
【0040】 例2:AAV Repタンパク質を用いたRVのターゲティングされた組込み 1.プラスミドpSVoriAAV(Chioriniら、1995年、Human Gene Therap
y 6:1531-1541)にてコードされるAAV Repタンパク質を合成するパッケー
ジング細胞系における1つ又は2つのAAVのITRモチーフを有するRVを含
有するRVPの生産 パッケージング細胞系のリポフェクションのために、2×105の細胞(例え
ば、PA317)を直径35mmの6−ウェルディッシュにまいた。トランスフ
ェクション際、例1のRV2μg、及びrep遺伝子をコードするpSVori
AAV0.1〜0.2μgを、生産過程説明書に従ってリポフェクションプロト
コル(Gibco)を用いて同時トランスフェクションさせた。
【0041】 トランスフェクションの5時間後に、培地を変えて、トランスフェクションの
48時間後に、RVPsを含有する培地を取り出し、標的細胞の感染に用いた。
さらに、G418−ジェネティシンを含有する新たな培地をトランスフェクショ
ンした細胞に添加し、安定的にトランスフェクションした細胞を選択した。
【0042】 また代わりとして、生産過程説明書に従ってリン酸カルシウムプロトコル(セ
ルフェクトキット、ファルマシア)を用いて、パッケージング細胞系をトランス
フェクションした。この場合には、例1のRV10μg、及びrep遺伝子をコ
ードするpSVoriAAV0.5〜1μgを同時トランスフェクションさせた
【0043】 2.例1の4.に記載するようなRVPでの標的細胞の感染 感染のために、例2の2.に記載されるプロトコルに従って、RV及びAAV
Repタンパク質を含有するRVPで、標的細胞(例えば、HeLa;NIH
3T3)を感染させ、選択した。選択後に染色体における非コード領域へのター
ゲティングされた組込みを分析するために、細胞のゲノムDNAを分離し、サザ
ンブロットを行い、FISH染色体アッセイで分析した。
【0044】 例3:インテグラーゼ欠失のパッケージング細胞系の構築 1.pol−領域の1つの塩基対突然変異によるMLVインテグラーゼの不活性
化 MLVインテグラーゼ遺伝子を有する発現プラスミドpGagPol.gpt
(Markowitzら(1988年)、Virology 167(2):400-406)を、特定部位の突然変異のた
めに用いた。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて、この酵素の触媒部位
内にあるアミノ酸184における特定部位の突然変異を導入した。このために、
1つのヌクレオチド(下線)を交換した組換え型プライマーを用い、従って触媒
部位内において、アスパラギン酸をアスパラギンで置換した。
【0045】 このために、第一のPCRにおいて、プライマー(配列ID No.:5)(5'-
ACA AGT CAA CGC CAG CAA GT-3')及びセンスDNA株と相補的なCからTに交換
したヌクレオチド(下線)を含有するプライマー(配列ID No.:6)(5'-CC
C ATT GTT AGT TCC CAA TAC CTG AG-3')を用いた。
【0046】 第二のPCRにおいて、GからAに交換したヌクレオチド(下線)を含有する
プライマー(配列ID No.:7)(5'-TGG GAA CTA ACA ATG GGC CTG CCT-3')
及びアンチセンスDNA株に相補的なプライマー(配列ID No.:8)(5'-CG
T TGA ACG CGC CAT GTC AG-3')を用いた。両反応から得られたPCRフラグメン
トを精製し、次に第三のPCRにおいて鋳型として使用した。45℃での最初の
3回のサイクルの後に、温度を55℃に上昇させ、プライマー(配列ID No
.:5)及び(配列ID No.:8)を添加した。32回のサイクルの後に、PC
Rフラグメントを精製し、制限酵素NdeI及びSacIIで消化させ、450b
pのフラグメントが生じ、再度精製した。
【0047】 2つのNdeI制限部位(1つはインテグラーゼ遺伝子内、1つはインテグラ
ーゼ遺伝子の外)及び1つのSacII制限部位(インテクラーゼ遺伝子内)を含
有するプラスミドpGagPol.gptを制限酵素NdeI及びSacIIで消
化させ、9467bpのNdeI/SacIIベクターバックボーン、2948b
pのNdeI/NdeI及び450bpのNdeI/SacIIDNAフラグメン
トを生じた。該バックボーンフラグメントを分離し、精製した。
【0048】 それぞれpGagPol.gptバックボーン20ng及び突然変異させたN
deI/SacIIPCRフラグメント20ngを混合し、T4-リガーゼ(ベー
リンガー)を用いて4℃にて12時間、結合させた。該リガーゼを、65℃にて
20分間不活性化させ、10倍量のブタノールを用いて、DNAをブタノール沈
殿させた。沈殿させたDNAを水に再懸濁させ、DH10Bバクテリア(Gib
co)に電気穿孔させた。アンピシリン耐性コロニーを選択し、DNAを調製し
、制限酵素XhoI及びNdeIで試験的に消化させた。生じたプラスミドの塩
基配列決定により、更に確認した。該中間の適切なプラスミドをpIN1−26
4newと称した。
【0049】 該中間のプラスミドpIN1−264newにおいて、1つのNdeI制限部
位が欠損した。失われた2948bpのNdeI/NdeIフラグメントを回復
させるために、pIN1−264newを制限酵素XhoI及びNdeIで消化
させ、3842bp及び6075bpのフラグメント(消化物1)を得た。また
発現ベクターpGagPol.gptを制限酵素XhoI及びNdeIで消化さ
せ、2948bp、3842bp及び6075bpのフラグメント(消化物2)
を得た。全てのDNAフラグメントを精製した。次に、消化物1の3842bp
のNdeI/XhoIフラグメント40ng、及び消化物2の2948bpのN
deI/NdeI30ng及び6075bpのNdeI/XhoIフラグメント
37.5ngを混合し、T4-リガーゼ(ベーリンガー)を用いて、6℃から1
6℃まで温度を1時間に1℃上昇させて結合させた。該リガーゼを65℃にて2
0分間、不活性化させ、10倍量のブタノールを用いて、DNAをブタノール沈
殿させた。沈殿させたDNAを水に再懸濁させ、DH10Bバクテリア(Gib
co)に電気穿孔させた。アンピシリン耐性コロニーを選択し、DNAを調製し
、制限酵素XhoI、NdeI及びHindIIIで試験的に消化させ、塩基配列
決定した。最終的な適切なプラスミドをpIND184Nと称した。
【0050】 2.pol領域における1つの塩基対の突然変異、フレームシフト突然変異の
導入及び人工終止コドンによるMLVインテグラーゼの不活性化 上述のように、発現プラスミドpGagPol.gptを、種々のPCRセッ
トアップに用いた。従って、第一のPCRにおいて、プライマー(配列ID N
o.:5)及びセンスDNA株に相補的なCからTに交換したヌクレオチド(下線
)を含有するプライマー(配列ID No.:9)(5'-GGC CCA TTG TTA GTT CCC
AAT ACC TGA G-3')を用いた。第二のPCRにおいて、GからAに交換したヌク
レオチド(下線)及び追加のC(小文字)を含有するプライマー(配列ID N
o.:10)(5'-TGG GAA CTA ACA ATG GGC CcT GC-3')、並びにアンチセンスDN
A株に相補的なプライマー(配列ID No.:8)を用いた。このプライマーを
用いて導入されるヌクレオチドの交換により、触媒部位内においてアスパラギン
酸はアスパラギンで置換される。さらに、追加のCが挿入され、フレームシフト
突然変異を引き起こす。該PCRフラグメントを精製し、例3の1.に記載され
るように実行される第三のPCRにおいて、鋳型として使用した。
【0051】 得られたフラグメントを制限酵素NdeI及びSacIIで消化させ、451b
pのフラグメントを生じ、それを精製した。次に、突然変異させたNdeI/S
acIIPCRフラグメント5ngを、例3の1.で調製されるpGagPol.
gptバックボーン20ngにT4-リガーゼ(ベーリンガー)を用いて、結合
させた。12℃にて18時間たった後に、該リガーゼを65℃にて20分間、不
活性化させ、該DNAを10倍量のブタノールを用いてブタノール沈殿させ、沈
殿したDNAをDH10Bバクテリア(Gibco)に電気穿孔させた。アンピ
シリン耐性コロニーを選択し、DNAを調製し、制限酵素XhoI及びNdeI
で試験的に消化させ、塩基配列決定した。該中間のプラスミドをpIN1-26
4Mと称した。
【0052】 プラスミドpIN1-264Mにおいて失われた2948bpのNdeI/N
deIフラグメントを回復させるために、制限酵素XhoI及びNdeIで消化
させ、3843bp及び6075bpのフラグメント(消化物3)を得た。発現
ベクターpGagPol.gptを制限酵素XhoIで消化させ、NdeIで部
分的に消化させ、9023bp及び3842bpのフラグメント(消化物4)を
得た。両方の消化物から得られるフラグメントを上述のように精製した。消化物
3の3843bpのNdeI/XhoIフラグメント20ng、及び消化物4の
9023bpのNdeI/XhoIバックボーン26ngを、T4-リガーゼ(
ベーリンガー)を用いて、12℃にて18時間、結合させた。上述のように精製
及び電気穿孔の後に、アンピシリン耐性コロニーを選択し、制限酵素PmaCI
で試験的に消化させた。塩基配列分析により、アミノ酸184の特定部位の突然
変異に成功し、6465bpにて追加のCが正確に導入され、AA187からA
A203までフレームシフトを引き起こし、続く人工終止コドンが生じることが
確認された。最終的な適切なプラスミドをpIN1-203M15と称した。
【0053】 3.pol領域の欠失突然変異誘発によるMLVインテグラーゼの不活性化 インテグラーゼの触媒部位以外のC末端における欠失突然誘発のために、発現
プラスミドpGagPol.gptを用いた。従って、pol遺伝子内のインテ
グラーゼ領域に特異的な9つの異なるPCRプライマー(表1、配列IDNo.:
11〜19)を、天然に存在するSfiI制限部位の下流のインテグラーゼ領域
内のpol遺伝子に特異的なプライマー(配列番号 No.:20)(5'-GTCAGCAA
CCAGGTGTGGAA-3')と組み合わせて、別個のPCRに用いた。該プライマーは、増
幅生成物に新たなSfiI部位(下線)を導入した。
【0054】 また9つの異なる先述のプライマーを用いて得られたPCR増幅生成物の種々
の長さも表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】 精製した増幅生成物を制限酵素SfiIで消化させ、再度精製した。 従って、クローニングベクターpGagPol.gptを制限酵素SfiIで
消化させ、10408bp及び2457bpのフラグメントを生じた。精製した
10408bpのバックボーンフラグメントを、種々のSfiI PCRで生じ
たフラグメントに結合させた。
【0057】 下記の量のpGagPol.gptバックボーン及びSfiI PCRで生じ
たフラグメントを結合反応のために混合した。
【0058】 PCRフラグメントサイズ pGagPol.gptバックボーン SfiIフラグメント 2246bp: 3ng 5ng 2288bp: 3ng 7.5ng 2324bp: 3ng 5ng 2375bp: 4ng 10ng 2533bp: 10ng 60ng 2551bp: 50ng 25ng 2568bp: 10ng 30ng 2598bp: 10ng 15ng 2630bp: 10ng 45ng。
【0059】 結合は、T4-リガーゼ(ベーリンガー)を用いて、12℃にて14時間行っ
た。上述のように不活性化、沈殿及び電気穿孔の後に、アンピシリン耐性コロニ
ーを選択し、制限酵素NdeIで試験的に消化させ、塩基配列決定をした。MV
Lインテグラーゼ遺伝子において種々の欠失突然変異を表わす最終的なプラスミ
ドを、pIN263、pIN277、pIN289、pIN306、pIN36
0、pIN364、pIN371、pIN381及びpIN392と称した。
【0060】 4a.MoMLVenvを発現するパッケージング細胞の構築のためのMoM
LVenv発現ベクター プラスミドpGR102(Salmonら、1985年、Virol 144:101-114)から得られ
るMoMLVenv遺伝子を含有するフラグメント及びpSV2neo(Souther
n and Berg、1982年)バックボーンそれぞれの結合により、発現ベクターpSV
−Menvを構築した。
【0061】 従って、ベクターpSV2neoを、制限酵素HindIII及びBSSHIIで
消化させた。4831bpのバックボーンフラグメントを精製した。更に、PC
R法を用いて、プラスミドpGR102からMoMLVenv遺伝子を分離した
。従って、env遺伝子の開始点に特異的で、また新たなHindIII制限部位
(下線)を生じさせるプライマーMenvr(配列ID No.:21)(5'-GCGA
AGCTTTCCACAGGATGCCGAATCACC-3')、及びenv遺伝子の末端に特異的で、また新
たなBssHII制限部位(下線)を導入するプライマーMenvr(配列ID
No.:22)(5'-ATAGCGCGCCCAAGTTTGCAGCAGAGAATG-3')を用いた。増幅生成物は
2186bpのフラグメントを生じ、それを制限酵素HindIII/BssHII
で消化させ、再度精製した。
【0062】 次に、pSV2neoバックボーン10ng及びHindIII/BssHIIフ
ラグメント10ngを、T4-リガーゼ(BRL)を用いて、16℃にて12時
間、結合させた。上述のように結合、電気穿孔した後に、アンピシリン耐性コロ
ニーを試験した。適切なプラスミドをpSV−Menvと称した。
【0063】 4b.もう1つのMoMLVenv発現ベクター 例3の4a.に記載されるように、プラスミドpMOV1-(Mannら、1983年、
Cell 33:153-159)から得られるMoMLVenv遺伝子を含むフラグメント及び
pSV−Menvバックボーンの結合により、発現ベクターpMOVenvを構
築した。
【0064】 このために、ベクターpMOV1-及びpSV−Menvを、制限酵素Hin
dIII及びBssHIIで消化させ、それぞれ3318bp及び14535bp及
び4831bp及び2186bpのフラグメントを得た。3318bp及び48
31bpのフラグメントを精製した。
【0065】 次に、3318bpのMoLVenv遺伝子を含むpMOV1-のHindIII
/BssHIIフラグメント50ngを、4831bpのpSV−Menvバック
ボーン60ngと混合し、T4-リガーゼ(BRL)を用いて16℃にて12時
間、結合させた。上述のように、結合、電気穿孔の後に、アンピシリン耐性コロ
ニーを、制限酵素BamHI、CIaI、XbaI、BssHII及びHindII
Iで試験した。適切なプラスミドをpMOVenvと称した。
【0066】 5a.突然変異したインテグラーゼ遺伝子又は部分的に欠失したインテグラー
ゼ遺伝子を含むMLVgag−polコード領域を担持する安定なセミパッケー
ジング細胞系の構築 細胞系の安定的なトランスフェクションのために、5×105の細胞(例えば
、COS7、HT10080、293T、293)を、直径100mmのディッ
シュにまいた。トランスフェクションの際、10μgのpGAGPOL.gpt
、pIND184N、pIN1−203M15、pIN263、pIN277、
pIN289、pIN306、pIN360、pIN364、pIN371、p
IN381又はpIN392を、生産過程説明書に従ってリン酸カルシウムプロ
トコルセルフェクトキット(ファルマシア)を用いてトランスフェクションさせ
た。トランスフェクションの14時間後に、培地を変え、トランスフェクション
の24時間後に、細胞をトリプシンで処理し、225cm2のフラスコに移し換
え、ヒポキサンチン15μg/ml、キサンチン250μg/ml、ミコフェノ
ール酸(mycophenolic acid)25mg/mlを含む培地を添加し、安定的にトラ
ンスフェクションした細胞を選択した。安定なセミパッケージング細胞系を、2
93の場合には29GAG、29184、29203、29263、29277
、29289、29306、29364、29371、29381及び2939
2と称した。他の細胞も同様に、293T(2TGAG−2T392)、COS
7(COGAG−C392)及びHT1080(HTGAG−HT392)と称
した。
【0067】 5b.突然変異したインテグラーゼ遺伝子又は部分的に欠失したインテグラー
ゼ遺伝子を含むMLVgag−polコード領域、MoMLVenv領域及びM
oMLVに基づくウイルスベクターを担持する、安定なウイルスベクターを産生
する細胞系の構築 細胞系の安定的なトランスフェクションのために、5×105の細胞(例えば
、29GAG、29184、29203、29263、29277、29289
、29306、29360、29364、29371、29381及び2939
)を、直径100mmのディッシュにまいた。トランスフェクションの際、pL
XSNEGFP(Kleinら、1997年、Gene Therapy 4:1256-1260)10μg、及び
pALF(Cossetら、1995年、J.Virol.69:7430-7436)10μgを、生産過程説明
書に従ってリン酸カルシウムプロトコルセルフェクトキット(ファルマシア)を
用いてトランスフェクションさせた。トランスフェクションの14時間後に、培
地を変え、トランスフェクションの24時間後に、細胞をトリプシンで処理し、
225cm2のフラスコに移し替え、フレオマイシン50μg/mlを含む培地
を添加し、安定的にトランスフェクションした細胞を選択した。この2週間の最
初の選択後、培地を440μg/mlのG418を含む培地に変更し、更に2週
間の選択を行った。該群を、29GAGVPC、29184VPC、29203
VPC、29263VPC、29277VPC、29289VPC、20306
VPC、20360VPC、29364VPC、29371VPC、29381
VPC及び29392VPCと称した。
【0068】 5c.突然変異したインテグラーゼ遺伝子又は部分的に欠失したインテグラー
ゼ遺伝子を含むMLVgag−polコード領域、VSV Gタンパク質遺伝子
及びMLVに基づくウイルスベクターを担持する、一時的にウイルスベクターを
産生する細胞系の構築 細胞系の安定的なトランスフェクションのために、5×105の細胞(例えば
、29GAG、29184、29203、29263、29277、29289
、29306、29364、29371、29381及び2939)を、直径1
00mmのディッシュにまいた。トランスフェクションの際、pLXSNEGF
P(Kleinら、1997年、Gene Therapy 4:1256-1260)10μg及びpHCMV−G(
Burnsら、1993年、Proc.Natl.Acad.Sci USA 90:8033-8037)10μgを、生産過
程説明書に従ってリン酸カルシウムプロトコルセルフェクトキット(ファルマシ
ア)を用いて、トランスフェクションさせた。トランスフェクションの14時間
後に、培地を変え、トランスフェクションの24時間後に細胞からの上澄み液を
収集した。
【0069】
【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月18日(2000.10.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 7/00 C12N 5/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ゴラー、ザビーネ オーストリア国、アー−1030 ウィーン、 ホフマンシュタールガッセ 6/5/8 (72)発明者 クライン、ディーター オーストリア国、アー−3430 トゥルン、 モラースドルフ 50

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1以上の異種核酸配列、並びに前記異種配列をゲノムの非コ
    ード領域に部位特異的に組込ませる少なくとも1つの配列を含んでなるレトロウ
    イルスベクター。
  2. 【請求項2】 前記部位特異的に組込ませる配列が、レトロウイルスの長末
    端反復配列(LTR)のU3領域及び/又はU5領域にて挿入される請求項1に
    記載のレトロウイルスベクター。
  3. 【請求項3】 前記部位特異的に組込ませる配列が、アデノ関連ウイルス(
    AAV)の逆方向末端反復(ITR)配列である請求項1又は2に記載のレトロ
    ウイルスベクター。
  4. 【請求項4】 前記ゲノムが、ヒトを含む哺乳類の染色体である請求項1〜
    3の何れか1項に記載のレトロウイルスベクター。
  5. 【請求項5】 前記染色体が、第19番染色体である請求項4に記載のレト
    ロウイルスベクター。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つの異種核酸配列が、ウイルス感染の治療、又
    は遺伝性、代謝性、増殖性若しくは何れか他の関連疾患又は病気の治療に関連す
    る異種遺伝子である請求項1〜5の何れか1項に記載のレトロウイルスベクター
  7. 【請求項7】 少なくとも1つの異種核酸配列が、組込みを媒介するタンパ
    ク質をコードする配列である請求項1〜6の何れか1項に記載のレトロウイルス
    ベクター。
  8. 【請求項8】 前記組込みを媒介するタンパク質が、AAV Repタンパ
    ク質である請求項7に記載のレトロウイルスベクター。
  9. 【請求項9】 前記組込みを媒介するタンパク質をコードする配列が、誘導
    性プロモーターの転写調節下にある請求項7又は8に記載のレトロウイルスベク
    ター。
  10. 【請求項10】 第一の要素としての請求項1〜9の何れか1項に記載のベ
    クター、及び前記ベクターをパッケージングするのに必要なタンパク質をコード
    する少なくとも1つのDNA構築物を有するパッケージング細胞を含んでなるレ
    トロウイルスベクター系。
  11. 【請求項11】 前記パッケージング細胞が、突然変異したレトロウイルス
    インテグラーゼ(IN)又は完全に若しくは部分的に欠失したレトロウイルスイ
    ンテグラーゼ(IN)を合成する請求項10に記載のレトロウイルスベクター系
  12. 【請求項12】 請求項1〜9の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ
    ーを含有するレトロウイルス粒子。
  13. 【請求項13】 請求項1〜9の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ
    ーで、請求項10又は11に記載のレトロウイルスベクター系のパッケージング
    細胞をトランスフェクションさせることによって得られる請求項12に記載のレ
    トロウイルス粒子。
  14. 【請求項14】 請求項12又は13に記載のレトロウイルス粒子で標的細
    胞を感染させることにより生産されるレトロウイルスのプロウイルス。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のレトロウイルスのプロウイルスのmR
    NA。
  16. 【請求項16】 請求項1〜9の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ
    ーのRNA。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載のRNAのcRNA。
  18. 【請求項18】 請求項12又は13に記載のレトロウイルス粒子で感染さ
    せた宿主細胞。
  19. 【請求項19】 請求項12又は13に記載のレトロウイルス粒子で標的細
    胞を感染させることを含んでなる、標的細胞への同種及び/又は異種ヌクレオチ
    ド配列を導入する方法。
  20. 【請求項20】 ウイルス感染の治療、又は遺伝性、代謝性、増殖性若しく
    は何れか他の関連疾患又は病気の治療における使用のための、請求項1〜9の何
    れか1項に記載のレトロウイルスベクター及び/又は請求項12又は13に記載
    のレトロウイルス粒子及び/又は請求項10又は11に記載のレトロウイルスベ
    クター系。
  21. 【請求項21】 ウイルス感染の治療、又は遺伝性、代謝性、増殖性若しく
    は何れか他の関連疾患又は病気の治療のための薬剤組成物を生産するための、請
    求項1〜9の何れか1項に記載のレトロウイルスベクター及び/又は請求項12
    又は13に記載のレトロウイルス粒子及び/又は請求項10又は11に記載のレ
    トロウイルスベクター系の使用。
  22. 【請求項22】 治療学的に有効な量の請求項1〜9の何れか1項に記載の
    レトロウイルスベクター及び/又は請求項12又は13に記載のレトロウイルス
    粒子及び/又は請求項10又は11に記載のレトロウイルスベクター系を含有す
    る薬剤組成物。
  23. 【請求項23】 治療学的に有効な量の請求項12又は13に記載のレトロ
    ウイルス粒子及び/又は請求項10又は11に記載のレトロウイルスベクター系
    を、必要とする患者に投与することを含んでなる、ウイルス感染、又は遺伝性、
    代謝性、増殖性若しくは何れか他の関連疾患又は病気の治療方法。
JP2000558225A 1998-07-01 1999-06-30 レトロウイルスベクターを用いた染色体へのターゲッティングされた組込み Pending JP2002519069A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DKPA199801016 1998-07-01
DK199801016 1998-07-01
PCT/EP1999/004521 WO2000001835A2 (en) 1998-07-01 1999-06-30 Targeted integration into chromosomes using retroviral vectors

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002519069A true JP2002519069A (ja) 2002-07-02

Family

ID=8100053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000558225A Pending JP2002519069A (ja) 1998-07-01 1999-06-30 レトロウイルスベクターを用いた染色体へのターゲッティングされた組込み

Country Status (7)

Country Link
US (1) US6656727B2 (ja)
EP (1) EP1092035B1 (ja)
JP (1) JP2002519069A (ja)
AT (1) ATE318922T1 (ja)
AU (1) AU4903099A (ja)
DE (1) DE69930123T2 (ja)
WO (1) WO2000001835A2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030224415A1 (en) * 2001-06-29 2003-12-04 Gala Design, Inc. Selection free growth of host cells containing multiple integrating vectors
AU2001271614B2 (en) * 2000-07-03 2007-05-31 Catalent Pharma Solutions, Llc Host cells containing multiple integrating vectors
US20040235173A1 (en) * 2000-07-03 2004-11-25 Gala Design, Inc. Production of host cells containing multiple integrating vectors by serial transduction
CA2413156C (en) * 2000-07-03 2009-08-18 Gala Design, Inc. Expression vectors
US7384738B2 (en) * 2002-03-28 2008-06-10 Bremel Robert D Retrovirus-based genomic screening
US20040038304A1 (en) * 2002-03-28 2004-02-26 Gala Design, Inc. Antibody libraries
US20050221429A1 (en) * 2004-01-16 2005-10-06 Cardinal Health Pts, Llc Host cells containing multiple integrating vectors comprising an amplifiable marker
US20060233757A1 (en) * 2004-08-27 2006-10-19 Wendy Maury Vectors with viral insulators
KR20070053732A (ko) * 2004-09-02 2007-05-25 와이어쓰 단백질 생산 시스템 및 생산 방법
US7470777B2 (en) * 2004-12-22 2008-12-30 Iowa State University Research Foundation, Inc. Compositions and methods related to modified retroviral vectors for restricted, site specific integration

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5856152A (en) * 1994-10-28 1999-01-05 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Hybrid adenovirus-AAV vector and methods of use therefor
US5650309A (en) * 1995-05-16 1997-07-22 The Regents Of The University Of California Viral vectors
US5801030A (en) * 1995-09-01 1998-09-01 Genvec, Inc. Methods and vectors for site-specific recombination
WO1998042856A1 (en) * 1997-03-21 1998-10-01 Enzo Therapeutics, Inc., A Fully Owned Subsidiary Of Enzo Biochem, Inc. Vectors and viral vectors, and packaging cell lines for propagating same
US6251677B1 (en) * 1997-08-25 2001-06-26 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Hybrid adenovirus-AAV virus and methods of use thereof

Also Published As

Publication number Publication date
WO2000001835A2 (en) 2000-01-13
DE69930123T2 (de) 2006-10-12
AU4903099A (en) 2000-01-24
US20010043921A1 (en) 2001-11-22
ATE318922T1 (de) 2006-03-15
EP1092035A2 (en) 2001-04-18
WO2000001835A3 (en) 2000-04-06
EP1092035B1 (en) 2006-03-01
US6656727B2 (en) 2003-12-02
DE69930123D1 (de) 2006-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6117681A (en) Pseudotyped retroviral particles
JP6001702B2 (ja) ポリプリントラクト改変レトロウイルスベクター
US5714353A (en) Safe vectors for gene therapy
JP6525986B2 (ja) レトロウイルスベクター
JP4733166B2 (ja) ベクターおよびウイルスベクター、およびこれらを増殖するためのパッケージング細胞株
US6013517A (en) Crossless retroviral vectors
AU2005266221B2 (en) Non-integrative and non-replicative lentivirus, preparation and uses thereof
DE69830798T2 (de) Retrovirale vektoren, die funktionelle spleiss-donor- und spleiss-akzeptor-stellen enthalten
CA2298892A1 (en) Lentiviral vectors derived from sivagm, methods for their preparation and their use for gene transfer into mammalian cells
JP2001509009A (ja) 二機能性レトロウイルス/アデノウイルス系
US5710037A (en) Retroviral vector particles
JP2002519069A (ja) レトロウイルスベクターを用いた染色体へのターゲッティングされた組込み
JP2002530115A (ja) ベクター
Wolff et al. Delivering genes with human immunodeficiency virus-derived vehicles: still state-of-the-art after 25 years
JPH10507628A (ja) 非自己不活化性の発現標的化レトロウイルスベクタ
EP0706575A1 (en) Retroviral vectors for transducing beta-globin gene and beta-locus control region derivatives
EP0817860B1 (en) Pseudotyped retroviral particles
US6821776B1 (en) Reconstituting retroviral vector (recon vector) for targeted gene expression
JPH11507244A (ja) Srv−3エンベロープ糖タンパク質配列で偽型化したレトロウイルスベクター
JP2002539797A (ja) 機能的および非機能的なスプライス供与部位ならびにスプライス受容部位を含むレトロウイルスベクター
US20040248083A1 (en) Vectors for gene therapy
Fassati et al. Retroviral vectors
Hodgson et al. Overview: Retroviral Vectors for Gene Therapy and Transgenics
Maurya et al. Retroviral vectors and gene therapy: an update
AU758262B2 (en) Natural or synthetic retroelements enabling nucleotide sequence insertion into a eukaryotic cell