JPH105073A - 介助台 - Google Patents

介助台

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JPH105073A
JPH105073A JP16404296A JP16404296A JPH105073A JP H105073 A JPH105073 A JP H105073A JP 16404296 A JP16404296 A JP 16404296A JP 16404296 A JP16404296 A JP 16404296A JP H105073 A JPH105073 A JP H105073A
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JP
Japan
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seat plate
sitting
buttocks
hand
assistance
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JP16404296A
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English (en)
Inventor
Toshitaka Nakajima
敏貴 中島
Yoshiharu Nakajima
吉晴 中島
Hiroshi Shudo
浩 周藤
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Individual
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高齢者等が、介助台を用いて上り框段差等の
種々な段差を乗り越える際に行なう座り動作、靴の着脱
動作、回旋動作、立ち上がり動作等を、容易に且つ安全
に行なうことができる介助台を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 臀部を支持可能な座板3 の座る側3aの周
縁が、平面略円弧状に形成され、且つ前記座板3 が、座
った状態で手をつくことができる面積に形成されてなる
ことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高齢者や下肢等に
障害を持つ方等(以下、「高齢者等」という)が、普段
の生活環境に於いて種々な場所に存在する段差の乗越え
や靴の着脱等の動作を行なう際に、高齢者等の当該動作
に伴う負担を軽減するために使用される介助台に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、日本家屋は、土間面と床面との
間に段差(以下、便宜上、この段差を「上り框段差」と
いう)があり、又、屋内で靴を履いたままで生活する習
慣がない。従って、屋外から屋内に入る場合には、立っ
たままで或いは床面に腰掛けて靴を脱ぎ、体幹を反転さ
せて上り框段差を上がらなければならない。
【0003】かかる一連の動作は、健康な者にとっては
何ら問題なく行なえるが、高齢者等にとっては極めて困
難な動作である。
【0004】例えば、高齢者等が、立ったままで靴の着
脱動作を行なうと、バランスを崩して転倒したり、又、
片足に全体重が加わるから脚や腰に負担がかかり腰痛等
の原因となることがある。また、靴を着脱する際に床面
に腰掛けたり、或いはその状態から立ち上がったり、更
には体幹を反転させて上り框段差を上がり下がりする動
作は、高齢者等にとって健康な者には予想することがで
きない程の負担がある。
【0005】勿論、高齢者等に介護者がいる場合には、
高齢者等の負担は軽減され事故が起こる確率も低くなる
が、上り框段差の乗り越え等を介助すること自体困難な
作業で、介護者の負担は過大である。
【0006】このような諸問題に鑑みて、従来より座っ
た姿勢で靴を着脱することが勧められ、更に、上り框段
差を解消して靴の着脱や上り框段差の乗り越えに伴うの
上下移動の際の負担を少しでも軽減すべく介助台が使用
され、例えば、既成の椅子を上り框段差の近くに置いた
り、或いは床面から土間面に跨がるベンチを置いたりし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように既成の椅子を介助台として用いた場合にあって
は、以下のような問題点がある。即ち、既成の椅子は、
人間の疲労を軽減するための器具、デスクワーク等の所
定の行為を効率よく行なうための器具、思索行為や緊張
を和らげるための器具、人間の地位や権力等を象徴する
ための補助的な器具等として機能するように作られてい
る。
【0008】従って、高齢者等が座った姿勢で靴を着脱
し、体幹を反転させたり、立ち上がったり等する動作を
介助するという目的には適した構造とはなっていないの
である。
【0009】より具体的に説明すると、座った状態で靴
を着脱する動作(以下、この動作を「靴の着脱動作」と
いう)をする際には、体幹を前屈みとする関係で前後左
右方向への重心移動を伴うから、既成の椅子のように座
板の面積が狭いものでは不安定となり転倒するに至るこ
ともある。
【0010】また、座板に腰を掛ける動作(以下、この
動作を「座り動作」という)や座った状態から立ち上が
る動作(以下、この動作を「立ち上がり動作」という)
をする際には、高齢者等は、上肢の力を利用するが、手
を突っ張るための有効なスペースが設けられていないの
である。
【0011】次に、従来のようにベンチを介助台として
用いた場合にあっては、以下のような問題点がある。即
ち、ベンチの座板の形状は長方形に形成されており、玄
関口とベンチの設置された位置関係を考慮すると、一般
的にベンチに座る際には、座板の直角部方向からベンチ
に接近して座板に臀部(「臀部」とは、座骨のある尻及
びその周辺をいう。以下、同様)を進入させて座ること
となるが、その際、臀部や大腿(「大腿」とは、大腿骨
のある太ももの部分をいう。以下、同様)が直角部に当
たって邪魔になるから斜め直線的に座ることができない
場合が多々ある。
【0012】また、座った後に臀部を中心として体幹を
回旋させる動作(以下、この動作を「回旋動作」とい
う)をする際には、該角部が脚に当たりスムーズに方向
転換できず、しかも、上肢の力を十分に発揮するために
バランス良く手を突っ張るスペースが設けられていない
から自力で回旋動作等をし難いというのが現状である。
【0013】一方、座板の直角部を避けて座板の直線部
分から座ろうとした場合には、先ず体幹を180度反転
させる必要があり、直角部方向から接近して斜め直線的
に座る場合に比して方向転換する動作が大きくなり、高
齢者等にとっては、かかる大きな方向転換を立ったまま
で行なうことは困難である。
【0014】本発明は、上記の如き従来の問題点に鑑み
てなされたもので、高齢者等が、介助台を用いて上り框
段差等の種々な段差を乗り越える際に行なう座り動作、
靴の着脱動作、回旋動作、立ち上がり動作等を、容易に
且つ安全に行なうことができる介助台を提供することを
課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたもので、その課題を解決す
るための手段は、臀部を支持可能な座板3 の座る側3aの
周縁が、平面略円弧状に形成され、且つ前記座板3 が、
座った状態で手をつくことができる広さに形成されてな
ることにある。
【0016】上記手段からなる介助台は、座板3 の座る
側3aの周縁が、平面略円弧状に形成されているので、介
助台に座ろうとする際、即ち、座り動作をする際に、座
板3に手をついて支え軸として腰を少し介助台1 側に回
せば、座板3 の座る側3aに臀部が乗り上がる。つまり、
座板3 の座る側3aの周縁が、平面略円弧状に形成されて
いるので、従来のベンチのように臀部を進入させる際に
直角部に臀部や大腿が当たることもなく、体幹の方向転
換を最小限にして直線的に座板3 に座ることができる。
【0017】さらに、座板3 が、座った状態で手をつく
ことができる広さに形成され、且つ座る側3aの周縁が円
弧状に形成されているので、回旋動作をする際には、両
手を座板3 に突っ張ることにより、上肢の力を均等に利
用することができるので、臀部を僅かに浮かして回旋す
ることができる。加えて、座板3 の座る側3aの周縁は、
円弧状に形成されているので、回旋時に座板3 の周縁に
大腿や脚等が当たって回旋動作を妨げるようなこともな
い。
【0018】また、座位にて座板3 の座る側3aの周縁に
手をつくことにより、臀部の両座骨と手との三点を結ん
で出来る図形が三角形となって体幹は座板3 に支持され
ることとなり、靴の着脱動作をするために前に屈んだ際
に重心移動が生じても、支持面積が広いので体幹の安定
性がよい。
【0019】そして、立ち上がり動作をする際には、手
で座板3 を押しながら立ち上がることができ、高齢者等
が、上り框段差等の種々な段差を乗り越える際に行なう
座り動作、靴の着脱動作、回旋動作、及び立ち上がり動
作等を、容易に且つ安全に行なうことができるのであ
る。
【0020】尚、請求項2記載の手段のように、臀部を
支持可能な座板3 の座る側3aの周縁が、直角部を斜めに
切り取ることにより斜辺状に形成されていても、請求項
1記載の手段と略同様の機能がある。
【0021】さらに、請求項3記載の手段は、前記座板
3 の座る側3aの基部の少なくとも何れか一方には、手を
つくための突張り部7 が膨出されていることにある。か
かる手段によれば、回旋動作が完了して臀部が座る側3a
の基部の一方側に臀部が位置する場合には、臀部と介助
台が設置された壁面との間隔が狭くなるが、基部の一方
側に突張り部7 が膨出されていれば、かかる場合にも手
をつくための有効なスペースが確保されることとなる。
【0022】また、座板3 から突張り部7 が膨出されて
いることにより、座板3 に臀部が支持された状態で突張
り部7 に手をつくと、臀部の両座骨と手とを結んで出来
る図形が三角形となって、座位での体幹の安定性が増
し、更には、両座骨の前方に手が位置するので、上肢の
力を十分に発揮することができる。
【0023】従って、靴の着脱動作をする際には、片手
を突張り部7 におくことにより、前後左右に体幹の重心
が移動しても安定性が良く、又、立ち上がり動作をする
際には、手で突張り部7 を押しながら容易に立ち上がる
ことができる。
【0024】また、請求項4記載の手段のように、前記
座板3 の座る側3aの基部の一方側3cには、手をつくため
の突張り部7 が膨出され、且つ基部の他方側3dには、設
置される壁面等の形状に適合させた拘止部8 が設けられ
てなる介助台であれば、上記突張り部7 の機能を有する
だけでなく、設置される壁面等に拘止部8 が密着し、介
助台を壁面等に沿って置くだけで、介助台をぐらつかせ
ることなく安定な状態で設置することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の介助台の各実施形
態について図面を参照しながら説明する。 <第一実施形態>図1及び図2に於いて、1 は、人が乗
っても壊れない程度の強度を有する台座2 と、該台座2
の上方に設けられた座板3 とからなる介助台を示す。
【0026】更に詳しくは、座板3 の座る側3aの周縁に
は、矩形板状体の隣合う直角部を円弧斜辺状に切り取る
ことにより左右対称の斜辺部5,5 が形成されて、座る側
3aの周縁は、全体として平面略円弧状に形成されてい
る。さらに、座板3 の背側3bの周縁は、設置される場所
の壁面等に当接させるべく、直線状の当接部6 が形成さ
れてなる。
【0027】また、座る側3aと背側3bとの間、即ち、座
る側3aの基部の一方側3cには、人が手をつくための突張
り部7 が膨出されてなり、且つ基部の他方側3dには、設
置される場所の壁面等に座板3 を当接させるべく、直線
状の拘止部8 が形成されている。
【0028】かかる座板3 は、人の臀部を支持可能で、
且つ人が座った状態で手をつくことが可能な広さに形成
されている。具体的な寸法例を挙げると、図2に示すよ
うに、一方側3cの突張り部7 から他方側3dの拘止部8 ま
での長さ、即ち、座板3 の幅Aが 710mm、座る側3aの突
出頂部3a' から背側3bの当接部6 までの長さ、即ち、座
板3 の奥行きBが 400mm、突張り部7 の突出幅Cが 130
mm、突張り部7 の奥行きDが 220mmの寸法で座板3 は形
成されている。
【0029】尚、かかる寸法は、平均的な成人を基準と
して設計したもので、本発明の作用効果を有効に発揮で
きるものと考えられるが、使用者や設置場所等に応じて
適宜設計変更されるものであること勿論である。
【0030】また、座板3 の座る側3aや突張り部7 の膨
出された一方側3cの周縁端は、安全のため丸く面取りさ
れている。さらに、座板3 は、木、金属、又は合成樹脂
等の周知の材料で形成されており、必要に応じて座板3
の上面にスポンジ等のクッション材を適宜設けたり、或
いはその上面に厚手の合成樹脂フィルムや皮革等を適宜
被覆してもよい。
【0031】台座2 は、設置される面上に載置可能で、
且つ座板3 よりも少し大きい相似形に形成された底板10
と、座板3 と略同形状で、且つ座板3 と底板10の間に設
けられた棚板11と、座板3 と棚板11及び棚板11と底板10
の間に連架された支え板9 及び複数の支柱12と、座板3
の当接部6 に沿って座板3 、棚板11及び底板10に固着さ
れた背板14とから構成されている。
【0032】かかる台座2 の底板8 は、座板3 よりも大
きいので、座板3 に人が座って体幹を動かしても安定性
があり、又、棚板11と支柱12との間に生ずる収納部15に
靴等を収容することが可能である。
【0033】また、台座2 の高さは、設置される場所の
段差の高さによって適宜変更されるが、通常、上り框段
差に使用する場合には、上り框段差を解消でき、且つ高
齢者等が座板3 に容易に座ることができる高さと考えら
れる40cmから65cm程度のものが好ましい。
【0034】上記構成からなる介助台を、例えば、上り
框段差の解消に使用する場合について説明する。図3に
示すように、介助台1 を玄関の土間面16の向かって左隅
に置き、且つ玄関の左側の壁面17のコーナーに座板3 の
当接部6 と拘止部8 を当接させた状態で設置する。かか
る当接部6 と拘止部8 により直角部が形成されるので、
壁面17のコーナーに密着し、介助台1 はぐらつくことな
く安定な状態で設置される。
【0035】(座り動作)図の位置に介助台1 を設置し
た場合、高齢者等が、屋外へ出る際には、先ず、座る側
3aの基部の他方側3dから座る側3aの斜辺部5 に進入し、
座板3 の略中央に片方の手(図の位置では右手となるの
で、便宜上、「右手」とする)をつくことにより、やや
半身の姿勢となる。このように座板3 に右手をつくこと
により、座板3 に座る際に上肢の力を利用できる。
【0036】そして、右手を軸として腰を少し座板3 側
に回すと、臀部18を座板3 の座る側3aに進入させること
ができ、座板3 に臀部18を乗せることができる(同図
(ロ)の二点鎖線に示す。尚、臀部18に印された塗潰し
黒丸印19,19 は、両座骨の接地部分(以下、座骨点19,1
9 という)を示し、×印20は手の接地部分(以下、手点
20という)を示す)。
【0037】この際、座板3 の座る側3aの周縁には、斜
辺部5 が形成されて斜辺状となっているため、座板3 に
臀部18を進入させる際に、従来の直角部を有するベンチ
に比して臀部や大腿が座板3 の周縁に当たり難く、手を
軸として腰を約45度位座板3 側に回すだけで臀部18の
座骨点19,19 が座板3 に乗り上がる。
【0038】従って、座板3 の座る側3aの横や斜め方向
から、即ち、進行方向から体幹の回転動作を最小限にし
て直線的に介助台1 に座ることができる(同図(ロ)の
実線で示す臀部18と二点鎖線で示す臀部18を参照)。次
に、手で突っ張りながら臀部18を座板3 の背側3bに押し
出し、座板3 に深く腰を掛け座位を安定させる。このよ
うに座板3 に深く腰を掛けると、足裏が土間面16から僅
かに浮き上がる状態となっている。
【0039】(回旋動作)そして、介助台1 に座った高
齢者等は、図4に示すように、座位にて体幹を回旋さ
せ、上り框段差を乗り越える。
【0040】この際、両手を座板3 に突っ張ることによ
り、上肢の力を均等に利用することができるので、臀部
18を僅かに浮かして回旋することができ、しかも、両手
をつくことによって手点20と座骨点19,19 とを結んで囲
まれた部分22(以下、この部分を「基底面22」という)
が2箇所でき、回旋移動の際の体幹の安定性もよい
(尚、同図(ロ)に於いて、二点鎖線の臀部18は、回旋
動作前の位置を示し、実線の臀部18は、回旋動作後の位
置を示す)。
【0041】さらに、座板3 の座る側3aの周縁は、円弧
状に形成されているので、回旋時に座板3 の周縁に大腿
や脚等が当たって回旋動作を妨げるようなこともない。
但し、一度に回旋動作を完了する必要は必ずしもなく、
少しだけ回旋した後、両手のつく位置を変えて再び基底
面22を形成し、数度に分けて回旋動作を繰り返すことも
できる。
【0042】また、上り框段差を乗り越えて玄関方向に
体幹が向いた際、即ち、座位にて回旋動作が完了した際
に臀部18が基部の一方側3cに位置しても、該基部の一方
側3cには、突張り部7 が膨出されているので、かかる際
にも、右手を座板3 につくスペースが確保されている。
【0043】(靴の着脱動作)回旋動作完了後、体幹を
座る側3aにずらしてやや浅く腰を掛け、台座2 の収納部
15から靴21を取り出し、図5に示すように、右手で突張
り部7 を握って体幹の安定を保ちながら左手で靴21を履
く。
【0044】この際、体幹は前屈みとなるので前下方に
重心が移動するが、座板3 に膨出された突張り部7 に手
をつけば、座骨よりも前方位置で手を突っ張ることがで
きるので、基底面22の図形が三角形となって体幹の支持
面積が広くなるから重心移動を伴う動作に対する体幹の
安定性が極めて良好となる。従って、従来の椅子のよう
に前屈みとなって前方に倒れることもなく、座位での靴
の着脱動作を安全に行なうことができる。
【0045】(立ち上がり動作)最後に、図6に示すよ
うに、前屈みとなって右手で突張り部7 を押しながら立
ち上がる。この際にも、座板3 の突張り部7 に右手を突
っ張ることにより、その手点20が座骨点19,19 よりも前
方に位置することとなり、上肢の突っ張り力を十分に発
揮することができ、立ち上がり動作も容易且つ安定する
のである。
【0046】このように本発明に係る介助台1 を用いれ
ば、高齢者等が、靴の着脱動作や上り框段差等の種々な
段差を乗り越える際に行なう立ち上がり動作、座り動作
及び座位での方向転換動作等を、容易に且つ安全に行な
うことができるのである。
【0047】尚、上述の使用例は、屋内から屋外に出る
場合について説明したが、逆に、屋外から屋内に入る場
合には、逆の手順で各動作を行なえば容易に且つ安全に
上り框段差を乗り越えることができる。
【0048】即ち、左手を座板3 について座り動作を行
い、次に突張り部7 又は座板3 の座る側3aの縁に右手又
は左手をついて他方の手で靴を履く靴の着脱動作を行
い、回旋して上り框段差を乗り越える回旋動作をした
後、立ち上がり動作をすれば上述と略同様の作用効果を
以て屋内に入ることができる。
【0049】ところで、上述の使用例は、図3に示すよ
うに、介助台1 を土間面16の左隅に設置した場合を説明
したが、勿論、介助台1 を土間面16の右隅に設置しても
よいこと言うまでもない。このように向かって右隅に介
助台1 を設置する場合には、玄関の右側の壁面に当接部
6 を当接させた状態で設置するため、座板3 の突張り部
7 が、屋内側に位置することとなり(左隅に介助台1を
設置した場合には、上述のように、突張り部7 は玄関口
側に位置する)、主として屋外から屋内に入る場合の回
旋動作、立ち上がり動作に役立つ。
【0050】但し、後述する第二実施形態に示す介助台
1 であれば、玄関の右隅又は左隅の何れに設置しても、
突張り部7 は、屋内側及び玄関口側の双方に位置するこ
ととなり、何れに設置しても突張り部7 を有効に利用で
きるという利点がある。
【0051】<第二実施形態>図7に示すように、第二
実施形態に於いては、座板3 の座る側3aの基部の双方側
3c,3d に夫々突張り部7 が膨出されている。また、台座
2 は、前記座板3 と同一形状のものを重合した如くの柱
形状に形成され、台座2 の高さは、35cm程度であ
る。他の構成は、上記第一実施形態と略同一であるから
省略する。
【0052】第二実施形態に係る介助台1 は、突張り部
7 が座る側3aの基部の一方側3aのみならず、他方側3dに
も設けられているので、高齢者等が、上記第一実施形態
で説明したように屋内から屋外に出る場合に靴の着脱動
作や立ち上がり動作をする際に突張り部7 を有効に利用
できるだけでなく、逆に、屋外から屋内に入る場合に
も、高齢者等は、靴の着脱動作や立ち上がり動作をする
際に基部の他方側3dに膨出された突張り部7 を有効に利
用することができる。また、台座2 の高さは、第一実施
形態に比して低く、靴の着脱動作や立ち上がり動作に特
に有効な介助台1 となる。
【0053】<第三実施形態>図8及び図9に示すよう
に、第三実施形態に於いては、座板3 の座る側3aの周縁
は、円弧斜辺状の斜辺部5,5 の間に直線部23が形成さ
れ、全体として座板3 の座る側3aの周縁は平面略円弧状
に形成されている。
【0054】かかる直線部3dが形成されていることによ
り座板3 全体の形状は、第一実施形態に比して長くなっ
ている。具体的な寸法例を挙げると、図8に示すよう
に、座板3 の幅Aが 860mm、座板3 の奥行きBが 400m
m、突張り部7 の突出幅Cが 130mm、突張り部7 の奥行
きDが 220mm、直線部23の幅Eが 150mmの寸法で座板3
は形成されている。
【0055】さらに、座板3 は、座る側3aが背側3bより
やや下方に傾斜させて台座2 に設けられている(図9の
一点鎖線で示す角α)。他の構成は、上記第一実施形態
と略同一であるから省略する。
【0056】第三実施形態に係る介助台1 は、座る側3a
を下方に傾斜させて座板3 を台座2に設けているので、
上記第一実施形態に比して、座り動作の際に斜辺部5 の
形成された座る側3aから座板3 に臀部を乗せ易くなり、
又、座った後、靴の着脱動作や立ち上がり動作をする際
に、前屈みになり易いからそれらの動作をし易くなると
いう利点がある。
【0057】また、第三実施形態のように、座板3 が長
く形成されている介助台は、一般家庭の上り框段差のみ
ならず、公共的な場所、例えば、公民館の入口等のよう
に多数の人が出入りする場所に設置して高齢者等の靴の
着脱に利用することもできる。
【0058】<第四実施形態>図10に示すように、第
四実施形態に於いては、座板3 の座る側3aの周縁には、
矩形板状体の隣合う直角部を直線傾斜状に切り取ること
により左右対称の斜辺部5,5 が形成され、且つ該斜辺部
5,5 の間に直線部23が形成された形状からなる。他の構
成は、上記第一実施形態と略同一であるから省略する。
【0059】第四実施形態に於いては、座る側3aの周縁
に形成された斜辺部5,5 は、直線状に形成されている
が、このように斜辺部5 が直線状に形成されていても、
座板3に臀部を進入させる際に、従来の角部を有するベ
ンチに比して、臀部や大腿が座板3 の周縁に当たって邪
魔にならず、従って、上記第一実施形態で説明したと略
同様の機能を奏する。
【0060】<第五実施形態>図11に示すように、第
五実施形態に於いては、座板3 の座る側3aの基部の一方
側3cに拘止部8 が形成され、且つ他方側3dに突張り部7
が膨出されている。従って、第一実施形態のように一方
側3cに突張り部7 が膨出された座板3 と比較すれば、突
張り部7 の位置が逆に膨出されていることとなる。座板
3 の他の構成は、上記第一実施形態と略同様である。
【0061】台座2 の底板10及び棚板11は、座板3 の座
る側3aより前方に一体的に延設されて踏み台25が設けら
れている。かかる踏み台25の周縁の一部25a は、円弧状
に形成されている。
【0062】第五実施形態に於いては、台座2 に踏み台
25が設けられているので、例えば、段差高Hが高い上り
框段差に設置する場合、又は腰痛や下肢疾患等で靴の着
脱動作に伴う体幹の前屈が十分できない高齢者等に効果
がある。
【0063】即ち、上り框段差が高い場合には、介助台
1 の高さが低ければ上り框段差を乗り越え屋内に入ると
きに脚が曲がり過ぎて立ち上がり動作を行い難く、そう
かと言って介助台1 の高さを高くすると座り動作は容易
になるが、座板3 の位置が高すぎて靴の着脱動作が難し
くなる。
【0064】しかしながら、踏み台25を設ければ、座板
3 に座った後、座位にて両手を使って横移動を行なえば
踏み台25の足が乗り上がるので、靴の着脱動作をする際
の体幹の前屈角度が小さくなり、腰痛や下肢疾患等で靴
の着脱動作に伴う体幹の前屈が十分できない高齢者等に
特に適するものとなる。さらに、上り框段差の段差高が
その踏み台25の高さ分だけ低くなるので、上り框段差の
乗り越えに伴う種々の動作が容易となるのである。
【0065】具体的に寸法を例示すると、例えば、上り
框段差の段差高が30cmの場合に於いて、台座2 の高さ、
即ち、座板3 の高さを60cmにし、且つ踏み台25の高さを
20cmにすれば、靴の着脱動作に伴う前屈に必要な高低差
は、差引40cmとなるから比較的前屈みになり易く、一
方、上り框段差の段差高は、差引10cmとなるから、段差
の乗り越えも容易となる。
【0066】<他実施形態>尚、上述のように本発明に
係る介助台1 として第一実施形態から第五実施形態を例
示したが、例えば、第一実施形態に係る介助台1 に、第
三実施形態の特徴の一つである座板3 を傾斜させる等、
適宜各実施形態を組み合わせてもよいこと勿論である。
【0067】さらに、上記実施形態に於いて、座板3 に
は、突張り部7 が膨出されているため上述の作用効果を
奏するが、必ずしも座板3 に突張り部7 が膨出されてい
なければならないわけではない。なぜなら、座板3 が、
その座る側3aの周縁が斜辺状に形成され、且つ座った状
態で手をつくことができる広さに形成されていれば、少
なくとも座り動作、回旋動作については円滑に行なうこ
とができるからである。
【0068】また、上記実施形態に於いて、拘止部8
は、周縁が直線状に形成されているが、必ずしも拘止部
8 は、その周縁が直線状に形成されたものに限定され
ず、要は、介助台1 を設置する場所の壁面等に密着する
ように該壁面等の形状に適合した周縁の形状に拘止部8
が形成されていればよい。
【0069】さらに、上記各実施形態に於いて座板3 の
具体的寸法を開示したが、必ずしも座板3 の寸法は、上
記数値に限定されるものではなく、使用者の体幹の大き
さ、設置する場所等に合わせて適宜変更されるものであ
る。要は、臀部を支持でき、且つ座った状態で手をつく
ためのスペースを有する広さで座板3 が形成されていれ
ばよい。
【0070】また、上記各実施形態に於いては、介助台
1 を玄関の上り框段差に使用する場合について説明して
たが、必ずしも上り框段差の解消に使用される場合に限
定されず、例えば、介助台1 を便所の便器の横に置いて
使用すれば、先ず介助台1 に座り、次に便器に乗り移る
ことができるので、車椅子から直接便器に乗り移る場合
に比して、高齢者等等の負担が軽減される。また、風呂
場の浴槽の横に置いて洗い場と浴槽との間の段差解消と
して使用してもよく、種々の場所に用いられるものであ
り、その使用場所は問わない。
【0071】
【発明の効果】叙上のように、本発明に係る介助台は、
臀部を支持可能な座板の座る側が、平面円弧状に形成さ
れているので、座り動作をする際や回旋動作をする際
に、座板の周縁が臀部や大腿に当たってこれらの動作を
妨げるようなこともなく、更に、座板は、座った状態で
手をつくことができる広さに形成されているので、座板
に手をつくことによって上肢の力を十分に発揮でき体幹
の安定性が保たれ、座り動作、靴の着脱動作、回旋動
作、立ち上がり動作等を容易に且つ安全に行なうことが
できるという大なる効果を奏する。従って、高齢者等
は、介助台を用いて上り框段差等の種々の段差を乗り越
える際の各動作に伴う負担が軽減され、一人でも安全に
段差を乗り越えることができることとなる。
【0072】さらに、請求項3記載の手段によれば、突
張り部に手をつくことにより座位での安定性が増し、更
に、手を突っ張っり上肢の力を十分に発揮することがで
きるのである。
【0073】また、請求項4記載の手段によれば、設置
された介助台がぐらつき難く、高齢者等が座り動作等を
する際に不安感を懐くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る介助台の第一実施形態を示す斜視
図。
【図2】第一実施形態の介助台の座板を示す平面図。
【図3】第一実施形態の介助台の上り框段差に於ける使
用状態を示し、(イ)は、座り動作の際の概略斜視図、
(ロ)は、座り動作の際の座骨点と手点の座板に於ける
位置関係を示す平面図。
【図4】同様に、(イ)は、回旋動作の際の概略斜視
図、(ロ)は、回旋動作の際の座骨点と手点の座板に於
ける位置関係を示す平面図。
【図5】同様に、(イ)は、靴の着脱動作の際の概略斜
視図、(ロ)は、靴の着脱動作の際の座骨点と手点の座
板に於ける位置関係を示す平面図。
【図6】同様に、(イ)は、立ち上がり動作の際の概略
斜視図、(ロ)は、立ち上がり動作の際の座骨点と手点
の座板に於ける位置関係を示す平面図。
【図7】本発明に係る介助台の第二実施形態を示す斜視
図。
【図8】本発明に係る介助台の第三実施形態を示す斜視
図。
【図9】同側面図。
【図10】本発明に係る介助台の座板の第四実施形態を
示す平面図。
【図11】本発明に係る介助台の第五実施形態とその使
用状態を示す一部断面を含む斜視図。
【符号の説明】
3 …座板、3a…座る側、3c…基部の一方側、3d…基部の
他方側、5 …斜辺部、7 …突張り部、8 …拘止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 敏貴 大阪府南河内郡美原町さつき野西1丁目12 −7番地 (72)発明者 中島 吉晴 大阪府堺市八田北町499桃田マンション406 号 (72)発明者 周藤 浩 大阪府岸和田市稲葉町476

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臀部を支持可能な座板(3) の座る側(3a)
    の周縁が、平面略円弧状に形成され、且つ前記座板(3)
    が、座った状態で手をつくことができる広さに形成され
    てなることを特徴とする介助台。
  2. 【請求項2】 臀部を支持可能な座板(3) の座る側(3a)
    の周縁が、直角部を斜めに切り取ることにより斜辺状に
    形成され、且つ前記座板(3) が、座った状態で手をつく
    ことができる広さに形成されてなることを特徴とする介
    助台。
  3. 【請求項3】 前記座板(3) の座る側(3a)の基部の少な
    くとも何れか一方には、手をつくための突張り部(7) が
    膨出されてなる請求項1又は2記載の介助台。
  4. 【請求項4】 前記座板(3) の座る側(3a)の基部の一方
    側(3c)には、手をつくための突張り部(7) が膨出され、
    且つ基部の他方側(3d)には、設置される壁面等の形状に
    適合させた拘止部(8) が設けられてなる請求項1又は2
    記載の介助台。
JP16404296A 1996-06-25 1996-06-25 介助台 Pending JPH105073A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004324130A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Aron Kasei Co Ltd 玄関台
JP2016191283A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 トヨタホーム株式会社 玄関ベンチ及び建物玄関

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JP2004324130A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Aron Kasei Co Ltd 玄関台
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