JPH10507392A - 食道における胃の逆流を防止するための医用プロテーゼ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 実質的に均一な断面を有する柔軟性の管の形状のプロテーゼを開示している。前記プロテーゼは裂孔ヘルニア（３）中に内視鏡的に縫ってまたはクリップで取つけるためのフランジ（２）及び、胃の内容物を食道へ逆流させないためにその外側の表面上に圧力（Ｆ）を加えることにより管を押しつぶすことを可能にする柔軟性管状部分（１）を含む。食物は食道（４）から胃（５）までの方向にプロテーゼを通って自由に通過できる。前記プロテーゼは、任意にＸ線で検出可能とする硫酸ビスマスを含有する、生物適合性ポリマーから作られる。

Description

【発明の詳細な説明】 食道における胃の逆流を防止するための医用プロテーゼ 本発明は、耐胃酸性の生体適合性ポリマー材料で作られた管を包含する、胃の 内容物を食道へ逆流させないようにする医用プロテーゼに関する。１端は胃の上 に取り付けられ、他端は胃の中で遊離状態にされている。 この型のプロテーゼ（国際特許出願公開第91 01117号明細書に記載されている ）は弾性的に閉じられたままの開口通路を有する弁の形状を記載している。通路 の部分は、管の下方の端を閉じるために次第に狭められ、最大の開口状態ではそ の部分はほぼ食道の下方端に取り付けられている上方端部と同じ大きさである。 これは閉じたままにしておこうとする弾性力に打ちかつことができる力によって 開かれるバルブの記載である。上記構想は、それを開けることができるいかなる 力もない場合には、それを閉鎖したままにする比較的に剛性のプロテーゼを含み 、この力は食道による食塊に加えられた蠕動圧により生じるものである。 この解決策は、自然に起こるのと反対の状況を創造し、蠕動圧がバルブを開け なくてはならないので不十分である。 ある場合には、たとえば、十分に噛まなかった食物を飲み込む時、食道を通る 食塊を通過させるのに増加した圧力が必要であり、そのバルブを開けるのにさら に力が必要なら、食物を詰まらせる危険または痛みを生じさせる危険のいずれか または両方がある。 本発明の目的は上述の解決策の欠点を少なくとも部分的に克服することである 。我々は、一見したところ同様であるけれども、過去のものとはかなり異なる、 他の解決策が、上述の欠点なしに同等の 結果を可能にすることに気がついた。この構想は胃の中に食道を延長させる単純 な軟質の管状要素の相当に一定の部分に基づく。胃は食道の軸に関して非対称形 であるので、胃の逆流の場合には、加えられた圧力は食道の軸に関して斜めの方 向を有する。したがって、特定の長さに延長された軟質の管で食道を胃の中に延 長するなら、胃の逆流の場合には、軟質の管は斜めの圧力のもとでつぶれて、胃 酸の食道への出口をふさぐ。 この目的のために、本発明の対象は請求項１に限定するように、食道への胃の 逆流をふせぐための医用プロテーゼである。 既に記載した利点の他に、本発明の目的である医用プロテーゼはその増加した 柔軟性のために内視鏡で食道中に導入するのがより容易であり、そのプロテーゼ は同じ理由のために決まった場所に取りつけるのもより容易である。前記管状の プロテーゼは、通常閉鎖している上述のバルブとは反対に、通常開いているので 、食道の壁または裂孔ヘルニアの壁にこのプロテーゼを埋め込むのに用いられる 手段に加えられる力は、プロテーゼに加えられる力はプロテーゼの壁上の食塊の 低い摩擦力だけであるので、非常に減少する。 図１は、本発明の対象であるプロテーゼを備えた胃及び食道の断面図である。 図２は、図１のプロテーゼの断面図である。 図３は、図２のプロテーゼの変形の断面図である。 図１及び２に図解されたプロテーゼは生体適合性ポリマーで作られた単純な軟 質の管である。いくつかの異ったポリマー、たとえば医用に特に作られたシリコ ーン、医用に作られたポリウレタン、ポリスチレン−エチレン(PSE)または他の エラストマーが考えられるが、このリストは限定的なものではない。 この管の寸法はたとえば直径25〜30mmで（これはプロテーゼが埋 め込まれる裂孔ヘルニアまたは食道の直径に依存して変えることができる）、長 さは５〜10cmで、そのほとんどは胃の中にあるであろう。壁の厚さは、大部分、 柔軟性を決めるであろう用いられるポリマーの性質に依存するが、一般にほぼ0. 2〜0.6mmの間で変化する。この管は柔軟でなければならないばかりでなく、逆流 圧力の下で、圧力で内側にひっくり返らないようにある程度までの抵抗を示さね ばならない。しかしながら、吐く時のような高圧力では、管が内側にひっくり返 ることが好ましい。この場合、これはまれなことであるが、管の柔軟性は、蠕動 圧のおかげでそれを元の位置にもどすことを可能とするか、または内視鏡の介在 がプロテーゼを正しく元の位置にもどすのに必要であろう。 図１に図解するように、胃５における圧力増大の場合には、力は矢印Ｆにより 記載されるように加えられ、すなわち、力は管１の長軸に関して、その結果柔軟 な壁に、斜の方向を有しており、管状プロテーゼは胃壁に対してつぶれて、胃酸 が胃を離れ、食道の粘膜に達するのを防ぐだろう。 図１では、胃の逆流を助長する主要な因子の１つである裂孔ヘルニア３の基底 に縫合糸または外科用かすがいで取り付けられる、フランジ２を有する。プロテ ーゼは食道４の基底に取り付けることもできる。金属またはナイロンの縫合糸ま たはかすがいを、適当な内視鏡縫合装置を用いてプロテーゼを結合させるのに用 いることができる。 管状プロテーゼは、用いられる生体適合物質に依存して、特に生体適合物質の 粘度及びプロテーゼの壁の厚さに依存して、いくつかの異なった技術を用いて製 造することができる。プロテーゼは射出成形、押出成形または溶液流延（この方 法は所望の厚さの壁が得られるまで、プロテーゼを生物適合性物質の溶液中に浸 す方法である ）により製造することができる。射出成形を用いるなら、型からの容易な取り出 しを助長するために約１°または２°の円錐形様の形を設計するのが好ましい。 図３により図解される変形は、装置の壁を固定点で強固なものにするために１ 先端でより厚いフランジからなる、射出成形された管状プロテーゼ６を示す。 図１及び２では、射出成形により得られた管状プロテーゼは、成形品の取り出 しを容易にするために１°のわずかな円錐形である。 図３の代替例の場合に管状のプロテーゼ６は、２つの部分から作られ、固定フ ランジに隣接する、上位の部分６ａ（これはこの例では長さ25mm、３°の円錐形 及び厚さ0.5mmである）及び下位の部分６ｂ（これはこの例では、長さ55mm、１ °の円錐形及び厚さ0.3mmである）から作られている。胃腔５（図１）中に伸長 し、胃の逆流圧力が増加した場合につぶれるのはこの下位の部分６ｂである。 この特許出願の対象であるプロテーゼは、国際特許出願公開第91 01117号明細 書に記載されたバルブとして機能するが、同時に前記バルブの欠点を回避する。 そのより大きな柔軟性は前記プロテーゼの導入と内視鏡埋め込みを容易にする。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年２月１２日 【補正内容】 請求の範囲 １．耐胃酸性の生体適合性ポリマーから作られた管（１，６）を包含する食道 における胃の逆流を妨げるプロテーゼであって、その１端は胃（５）の上方開口 に埋め込まれると同時に、他端は胃腔の中に自由に垂れ下がっており、その管状 の導管（１，６）は、１端から他端まで直径25〜30mmのほとんど一定の部分を有 し、その長さは５〜10cmであって、この導管（１，６）の壁の厚さを、胃の逆流 により生じる圧力のレベルに達した時に、その外壁に適用された横からの圧力の 下にその管がつぶれることを可能とするために、用いられたポリマーの性質に依 存して、0.2〜0.6mmの間で選択することを特徴とする、前記プロテーゼ。 ２．埋め込みのためのその上方端部でのより厚い環状のフランジ（２，７）を 特徴とする、請求項１記載のプロテーゼ。 ３．医用級のポリウレタンで作られることを特徴とする、請求項１に記載のプ ロテーゼ。 ４．医用級のシリコーンで作られることを特徴とする、請求項１に記載のプロ テーゼ。 ５．医用級のポリスチレン−エチレン(PSE)で作られることを特徴とする、請 求項１に記載のプロテーゼ。 ６．管状導管（１，６）が縦に２つの部分（６ａ，６ｂ）に分割され、第１部 分（６ａ）はプロテーゼの上方端部でほぼ３°の円錐形を示し、下方の第２部分 （６ｂ）はほぼ１°の円錐形を有し、下方の第２の部分（６ｂ）の厚さは第１の 上方部分（６ａ）の厚さよりも薄いことを特徴とする、請求項１に記載のプロテ ーゼ。 ７．第２部分（６ｂ）が導管（６）の全長のほぼ２／３を示すことを特徴とす る、請求項６に記載のプロテーゼ。 ８．第２部分の厚さが第１部分のほぼ半分であることを特徴とする、請求項７ に記載のプロテーゼ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，Ｕ Ｇ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．耐胃酸性の生体適合性ポリマーから作られた管（１，６）を包含する食道 における胃の逆流を妨げるプロテーゼであって、その１端は胃（５）の上方開口 に埋め込まれると同時に、他端は胃腔の中に自由に垂れ下がっており、その管状 の導管（１，６）は、１端から他端まで直径25〜30mmのほとんど一定の部分を有 し、その長さは５〜10cmであって、この導管（１，６）の壁の厚さを、胃の逆流 により生じる圧力のレベルに達した時に、その外壁に適用された横からの圧力の 下にその管がつぶれることを可能とするために、用いられたポリマーの性質に依 存して、0.2〜0.6mmの間で選択することを特徴とする、前記プロテーゼ。 ２．埋め込みのためのその上方端部でのより厚い環状のフランジ（２，７）を 特徴とする、請求項１記載のプロテーゼ。 ３．医用級のポリウレタンで作られることを特徴とする、請求項１に記載のプ ロテーゼ。 ４．医用級のシリコーンで作られることを特徴とする、請求項１に記載のプロ テーゼ。 ５．医用級のポリスチレン−エチレン(PSE)で作られることを特徴とする、請 求項１に記載のプロテーゼ。 ６．管状導管（１，６）が縦に２つの部分（６ａ，６ｂ）に分割され、第１部 分（６ａ）はプロテーゼの上方端部でほぼ３°の円錐形を示し、下方の第２部分 （６ｂ）はほぼ１°の円錐形を有し、下方の第２の部分（６ｂ）の厚さは第１の 上方部分（６ａ）の厚さよりも薄いことを特徴とする、請求項１に記載のプロテ ーゼ。 ７．第２部分（６ｂ）が導管（６）の全長のほぼ２／３を示すことを特徴とす る、請求項６に記載のプロテーゼ。 ８．第２部分の厚さが第１部分のほぼ半分であることを特徴とする、請求項７ に記載のプロテーゼ。