JPH10505873A - セルロースと少なくとも1種の燐酸とを主成分とする液晶溶液 - Google Patents

セルロースと少なくとも1種の燐酸とを主成分とする液晶溶液

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Abstract

(57)【要約】 溶媒中に溶解したセルロースを含有する液晶溶液。これら溶液は、10重量%を越えるセルロースを含み、かつ静止中かつ室温において光学的に異方性である。該溶媒は85重量%を越える少なくとも1種の燐酸を含み、該燐酸またはこれら全ての燐酸は、平均して以下の式で表される:

Description

【発明の詳細な説明】 セルロースと少なくとも1種の燐酸とを主成分とする液晶溶液 本発明は、セルロース、セルロースを主成分とする、即ち高濃度でセルロース を含む液晶溶液、並びにセルロース製の紡糸製品に関するものである。 より詳しく言えば、本発明は紡糸性の、セルロースを主成分とする液晶溶液、 即ち紡糸によって高い機械的特性をもつ繊維またはフィルムを与えることのでき る溶液に関するものである。 特に、アラミド繊維に関連する米国特許出願第A-3,767,756 号および芳香族ポ リエステル製繊維に関連する米国特許出願第A-4,746,694 号に示されているよう に、高い機械的特性をもつ繊維を得るためには、液晶溶液の製造が必須であるこ とが、長きに渡り知られていた。 セルロース誘導体を主成分として含む液晶溶液、並びにこれらの溶液から得る ことのできる繊維またはフィルムも、幾つかの特許または特許出願に記載されて いる。 米国特許出願第A-4,370,168 号および同第A-4,501,886 号は、例えば有機酸中 に溶解したセルロースエーテルまたは酢酸セルロースを主成分とする紡糸性の液 晶溶液が存在し、該溶液が高い引張強さおよび高いモジュラスをもつ繊維を得る ことを可能とすることを示した。しかしながら、これらの利用された方法は、以 下のような欠点のためにその利用が制限される。 −該誘導体を別々に調製し、次いでこれら誘導体の溶液を調製することが必要で あること、 −該誘導体溶液の紡糸後に、可能な場合には繊維を再生して、セルロース繊維を 得ることが必要であること、 −エーテルの場合には、再生は不可能であること、および −極めて長期間に渡る(数時間)再生は、酢酸セルロースの場合に、該紡糸との オンライン操作を妨げること。 欧州特許第B 179,822 号およびその等価な米国特許第A 4,839,113 号は、セル ロースを蟻酸および燐酸と反応することにより、セルロースホルメートを主成分 として含む、紡糸用液晶溶液の製造を記載している。これらは、またセルロース ホルメート繊維の再生により得られる、高い機械的特性をもつ再生セルロースの 繊維をも記載している。これらの使用された方法は、多数の利点をもつ。特に、 該ホルメートの誘導体としての使用は、該紡糸とのオンライン操作で、その場で の誘導(同一の溶媒混合物中での、該セルロースのホルミル化および溶解)およ び極めて迅速な再生を可能とする。しかしながら、これらの方法は酸混合物並び に該再生における生成物の循環によって、不利なものとなる。 更に、セルロースを直接(誘導なしに、即ち該再生を抑制して)溶解すること により、セルロース含有液晶溶液を得るための、多数の試みがなされてきた。 例えば、米国特許第A 4,278,790 号等に記載されているように、N,N-ジメチル アセタミド(DMAC)と塩化リチウム(LiCl)との混合物中に、セルロースを溶解する ことが提案されている。このような方式を利用しても、十分に濃縮された溶液を 得ることは不可能であり、かつその異方性は僅かであり、従って高い機械的特性 をもつ繊維を得ることは不可能である(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Phys. Ed.,1989,27: 1477およびJ.Appl.Polym.Sci.,1994,51: 583 を参照のこ と)。 また、例えば米国特許第A 4,416,698 号等に記載されているように、三級アミ ンのN-オキサイド、特にN-メチルモルホリンのN-オキサイドに、直接セルロース を溶解することも提案されている。これらの溶媒は、かなり濃厚な溶液を得るに は不向きであり、更に液晶相を得るための濃縮条件が必要とされる。なんとなれ ば、これら溶媒の使用温度が、該溶媒の分解温度に近いからである。 特開平4-258648号として公開された日本国特許出願も、セルロースの直接的溶 解によって得られた溶液を開示し、該溶液の幾つかがある条件の下で光学的異方 性を示すことができることを開示している。しかしながら、提案されたこの溶媒 混合物は、少なくとも2種の酸、特に硫酸と燐酸とから生成される。2種の酸の 存在は、再循環の際に非常な複雑性をもたらす可能性がある。その上、硫酸の使 用は、セルロースのスルホン化に導く可能性があり、あるいは該セルロースの過 度の分解に導き、結果としてより困難な紡糸に導く恐れがある。また、使用する 装置の迅速な腐食を起こす危険性がある。 全く予想外のことに、本出願人は、今やその研究中において、単一の無機酸ま たは単一の型の無機酸のみを使用した極めて単純な溶媒系が、セルロースの直接 的溶解を可能とし、かつ液晶溶液の生成を可能とすることを見出した。 溶媒中に溶解したセルロースを含有する、本発明の液晶溶液は以下の事項によ って特徴付けられる: −該溶液は10重量%を越えるセルロースを含有し、 −室温かつ静止状態では、光学的に異方性であり、 −該溶媒は、少なくとも1種の燐酸を、85重量%を越える量で含有し、該燐酸ま たは全ての燐酸は、平均して以下の式で表される: [n(P2O5),p(H2O)], 0.33<(n/p)< 1.0 上記のP2O5対水のモル比(n/p)は、以下の関係を満たすことが好ましい: 0.5 ≦(n/p) ≦0.75 本発明は、また上記の溶液を得る方法にも関連する。該方法は以下の諸特徴を 有する: −セルロースを溶媒と接触させる。ここで、該溶媒は85重量%を越える、少なく とも1種の燐酸を含み、該燐酸またはこれら全ての燐酸は、平均して以下の式で 表される: [n(P2O5),p(H2O)], 0.33<(n/p)< 1.0 −セルロースと溶媒との混合物を基準として、10重量%を越える量のセルロース を使用する。 −該セルロースを、該溶媒と共に混練することにより直接溶解する。 本発明の液晶溶液は紡糸性溶液であることが好ましい。 本発明は、更にセルロースの紡糸製品並びに紡糸製品自体にも関連する。 セルロース繊維またはフィルムを製造するための本発明の方法は、以下の諸工 程を含む。即ち、 −上で規定した紡糸性溶液を、繊維またはフィルムの形状をもつ液状押出物に変 換する工程と、 −該液状押出物を、凝固媒体中で凝固させる工程と、 −このようにして得た該繊維またはフィルムを、洗浄し、次いで乾燥する工程、 を含む。 また、本発明は以下の関係の少なくとも一つを満足する非再生セルロース繊維 にも関連する: Te>70 cN/tex; Mi>1500 cN/tex ここで、Teは該繊維の靭性であり、またMiはその初期モジュラスである。 本発明は、また以下のような製品にも関連する。 −例えば、それぞれ少なくとも1種の本発明による紡織製品を含有するケーブル または撚り糸等の強化用アセンブリー、 −本発明の紡織製品で強化された物品、特にそれぞれ少なくとも1種の本発明に よる繊維および/またはフィルムおよび/または強化用アセンブリーで強化され た物品。ここで、該物品はゴムまたはプラスチック製品、例えば撚り製品、ベル ト、チューブおよびタイヤケーシング等である。 本発明は、以下の説明および非限定的実施例から、より一層容易に理解される であろう。 I.使用する測定法およびテストI.1 .前置き 本特許出願において、 −「溶液(solution)」なる用語は、肉眼によって見ることのできる固体粒子が存 在しない、均一な液状組成物を意味する。 −「紡糸溶液(spinning solution)または紡糸性溶液(spinnable solution)」と は、紡糸操作に付すことのできる溶液、即ち紡糸装置に直接移し、そこで即座に 紡ぐことのできる溶液を意味し、該溶液は、脱ガス化または濾過等の通常の操作 以外のあらゆる予備的な変換を必要としない。 −「液晶溶液(liquid-crystal solution)」なる用語は、光学的に異方性の、即 ち光を偏光解消することのできる溶液を意味する。 −「静止状態にある溶液(solutionatrest)」とは、あらゆる力学的応力がかけら れていない溶液、特に剪断応力の作用下にない溶液を意味する。 −「室温(room temperature)」なる用語は、約20℃の温度を意味する。 −「紡糸製品(spun product)」なる用語は、紡糸によって得られる、即ち溶液の 紡糸口金または孔を通して押し出すことにより得られる任意の製品を意味し、該 紡糸製品は、例えばマルチフィラメント繊維、モノフィラメント繊維、大きな径 をもつ棒状体またはフィルムであり得る。 −「非再生セルロース繊維(non-regenerated cellulose fiber)」なる用語は、 セルロース溶液を紡糸することにより直接得られる、即ちセルロースの誘導、セ ルロース誘導体溶液の紡糸およびその後のセルロース誘導体の繊維の再生等とい った、連続する諸工程を経ることなしに得られるセルロース繊維を意味する。I.2 .セルロースの重合度 この重合度はDPで表される。該セルロースのDPは、公知の方法で測定さ、この セルロースは粉末状態にあるか、あるいは予め粉末状態に添加されている。 先ず第一に、該セルロースの固有粘度IVはスイススタンダードSNV 195 598(19 70)に従って測定されるが、種々の濃度において0.5〜0.05g/dlの範囲内で変動す る。この固有粘度は以下の式で定義される: IV = (l/C)× Ln(t/to) ここで、Cは乾燥セルロース濃度を表し、tは希薄ポリマー溶液の流動時間を表 し、t0はウベロード型粘度計内での純溶媒の流動時間を表し、またLnは自然対数 を意味し、ここで測定は20℃で実施する。 次いで、極限粘度[η]を、該固有粘度を零濃度に外挿することにより決定す る。 平均分子量Mwは、以下のマークーホーウインクの関係式により得られる: [η]=KMw a ここで、定数KおよびaはそれぞれK=5.31×10-4およびa=0.78であり、これらの 定数は該固有粘度の測定に使用した溶媒系に関連している。これらの値はL.バル タサリー(Valtasaari)によって、文献Tappi,1965, 48, p.627 に与えられて いる。 このDPは、最終的に以下の式によって算出される: DP=(Mw)/162 ここで、162はセルロースの基本単位の分子量である。 溶液中のセルロースの該DPの決定に関連して、該セルロースが、まずその溶媒 から分離される必要がある。次いで、該溶液の凝固を行い、更に該酸を抽出する ために完全に洗浄し、かつ最終的に乾燥する。次に、該DPを上記のように測定す る。I.3 .本発明の溶液の光学的特性 該溶液の光学的な等方性または異方性は、対象とする溶液一滴を、光学的偏光 顕微鏡の直線上に交叉して配置された偏光子と検光子との間に配置し、次いでこ の溶液を静止状態および周囲温度にて観察することにより決定した。 公知の方法においては、光学的に異方性の溶液は、光の偏光解消する、即ち上 記のように直線上に交叉して配置された偏光子と検光子との間に配置された場合 に、光の透過性(着色構造)を示す溶液である。 光学的に等方性の溶液は、同一の観測条件下で、上記の偏光解消特性を示さず に、該顕微鏡の視野を暗色に維持する溶液である。I.4 .紡糸製品の機械的特性 以下の実施例の紡糸製品はマルチフィラメント繊維、即ち紡績糸としても知ら れる小径(小番手)の基本フィラメント多数によって形成された繊維である。 上記の機械的特性全ては、予備的な状態調節に付した繊維について測定した。 「予備的な状態調節」とは、測定前に、1992年9月の欧州スタンダードDIN EN 2 0139(標準的大気の使用、温度20℃および湿度65%)に従って、該繊維を保存する ことであると理解すべきである。 該繊維の線密度は、各々50mの長さに対応する、少なくとも3つのサンプルに ついて、該長さの繊維を秤量することにより決定される。この線密度はtex(1000 mの繊維のg表示の重さ)で与えられる。 該繊維の機械的特性(靭性、初期モジュラスおよび破断点伸び)は、引張試験 器(ドイツのツビック(ZWICK)GmbH & Co 製の1435および1445型:ドイツスタン ダードDIN 51220 、51221 および51223 に対応)によって、公知の方法で測定す る。特に述べない限り、これらの測定に使用した操作方法は、1979年1月のドイ ツスタンダードDIN 53834 に記載されているものである。幾分かの予備的保護的 な捩じり(約6°の螺旋角)を与えた後、該繊維に、初期長さ400 mmに渡り、引 張を与える。与えられた結果全ては、10回の測定の平均である。 該靭性および初期モジュラスは、cN/tex(1 tex当たりのセンチニュートン)で 示されている。破断点伸びは、%で示されている。該初期モジュラスは、標準的 な0.5 cN/texのプレテンションの直後に生ずる、力−伸び曲線の線形部分の勾配 として定義される。 II.本発明の実施II.1 .原料物質 本発明は、セルロースと、予め調製され、簡単な混練によって該セルロースを 迅速に溶解し得る、セルロース用の溶媒とを使用して実施される。 該セルロースは天然セルロースまたは再生セルロースであってよい。これは種 々の形態、例えば粉末またはパルプの形状で使用できる。本特許出願において、 該溶液中のまたはセルロースと溶媒との混合物中の、セルロースの重量部は、全 て該セルロースの初期含水率について補正されていない、未補正値であり、該初 期含水率は「自然」状態の、即ち添加された水のない状態での含有率である。こ の初期含水率は、好ましくは(セルロースの重量基準で)8%未満である。 該セルロース用の溶媒は85重量%を越える、少なくとも1種の燐酸を含み、こ の燐酸またはこれら燐酸の全ては、平均して以下の式で表される: [n(P2O5),p(H2O)] ここで、モル比(n/p)については、以下の関係が成立する: 0.33<(n/p)< 1.0 好ましくは、この関係は、以下の関係を満たす: 0.5 ≦(n/p) ≦0.75 この溶媒は、0から15% 未満の水と、85% を越える少なくとも1種の燐酸(% は溶媒の重量基準で表した)とから調製することが好ましい。より一層好ましく は、該溶媒は0から15% 未満の水および85% を越える少なくとも1種の燐酸(% は溶媒の重量基準で表した)のみから調製される。該燐酸は、特にピロ燐酸また はポリ燐酸である。 全ての場合において、該溶媒は、該セルロースとの接触のためには、液体形状 で使用される。II.2 .本発明の溶液の調製 本発明に従って該溶液を調製するためには、セルロースを、前に定義した溶媒 と接触状態に置く。 液晶溶液を得るためには、セルロースと溶媒との混合物の重量基準で、10重量 %を越えるセルロースの最少量を使用する必要がある。好ましくは、15重量%を 越える量、およびより一層好ましくは20重量%を越える量のセルロースを使用す る。 これらの溶液は、任意の公知の混練法によって調製する。該セルロースおよび 溶媒は、一般的に直接該混練装置内に注ぎ込まれ、該装置は、溶液が得られるま で、該セルロースおよびその溶媒を適当に攪拌し、混合し、かつ混練するのに適 したものである。この混練は、例えばZ-字型混練アームをもつミキサーまたは連 続式スクリューミキサー内で実施できる。 これらの混練手段は、一般的に該混合物の温度を調節もしくは制御することを 可能とする、加熱または冷却装置を備えている。特に紡糸溶液の調製のために、 該溶液を、その形成中に冷却して、該セルロースの分解を制限することが好まし い。該混合物の温度は、従って20℃未満に維持することが好ましい。該混練手段 は、また真空排気装置および押出スクリューをも備えていて、紡糸溶液が関連す る場合には、該溶液を紡糸装置に移す前に、該溶液の脱ガスを可能とすることが 好ましい。 該混練手段は、また単に小さな公知の実験室用の反応器で構成されていてもよ く、これらの反応器は冷却用の二重のジャケットおよび機械的攪拌機を備えてい る。これは、特に小規模のテスト、例えば紡糸用の溶液を調製する前の、予備的 最適化テストのために好ましい。本発明の溶液の調製は、また極めて小規模(例 えば、数gの溶液)で、ビーカー型の小さな実験室用の容器内で、スパチュラに よって「手動で」該セルロースおよび該溶媒とを混合することにより実施するこ とも可能である。 必要な混練時間は、勿論使用した手段および該溶液の組成、特にそのセルロー ス濃度の関数である。これは、実験室テスト等に対しては、例えば数十分乃至数 時間(例えば、大きなミキサー内で調製する紡糸溶液に対して、30分〜1時間) の範囲で変えることができる。 以下の説明並びに態様を読んだ後には、当業者は、特定の調製条件に従って、 必要な混練時間を規定することができるであろう。II.3 .本発明の溶液の特徴 このようにして得られたセルロースと溶媒との混合物は、先ずこれが実際に溶 液であるか否かを明らかにすべくチェックする(肉眼観察可能な固体粒子の不在 を明らかにする)。これが溶液である場合には、次いで該溶液のサンプルを偏光 顕微鏡下で観察して、その光学的特性を測定する。 本発明の液晶溶液は、多少とも粘稠な液体である。これらは静止状態および周 囲温度にて、光学的に異方性である。力学的な応力、特に剪断応力をこれら溶液 にかけずに、または室温以下の低温度をこれら溶液に適用せずに、これらが光学 的異方性を示すことを明らかにする必要があることに注意すべきである。本発明 の溶液は、更に一般的に周囲温度よりもかなり高い温度、例えば30℃あるいはそ れ以上であり得る温度において液晶状態を維持している。 好ましくは、本発明の溶液は、15重量%を越える、より好ましくは20重量%を 越えるセルロース濃度を有する。 本発明の液晶溶液は、好ましくは紡糸性溶液であり、以下の章で記載する方法 で、紡糸することができる。II.4 .本発明の溶液の紡糸 本章は、本発明の好ましい溶液、即ち紡糸性の溶液に関する。 例えば、直接該混練手段内で脱気した後、該溶液を、例えば押出スクリューに よって、ピストンを備えた溜めに移す。この段階中、該真空を維持する。次に、 この溶液を好ましくは氷点下の温度(例えば、0〜-10 ℃の範囲の温度)にて保 存して、分解を防止する。かくして、この溶液を低温にて、数日程度保存するこ とができるが、そうしないと、該溶液は即座に紡糸を開始してしまう。この紡糸 は、該溶液の製造段階との連続的なオンライン方式によって実施することが好ま しい。 この紡糸の際に、該溶液を、該ピストン付き溜めから押し出して、抽出ポンプ を満たし、順に該ポンプは、微細なカートリッジフィルタを介して、次に紡糸用 の区画を介して、かつ該紡糸用のポンプにまで、連続的に該溶液をポンプ輸送す る。そこから、該溶液は次に、少なくとも一つの毛管または少なくとも一つのス リットにより形成される紡糸口金を介して押し出される。該溶液は、このように して、繊維またはフィルムの形状をもつ、少なくとも一つの液状の筋または層に より形成される液状押出物に変換される。該溶液の温度およびその該毛管または 該紡糸口金のスリットを通る速度は、便宜的にそれぞれ紡糸温度および口金速度 と呼ぶこととする。 公知の方法で、該セルロース繊維またはフィルムは、凝固液体の作用下での、 該セルロースの沈殿(その溶媒からの分離)によって、凝固浴内で形成される。 以下において凝固媒体と呼ぶ、この液体は、好ましくはアルコールまたはケトン を主成分とし、あるいはより好ましくはメタノールまたはアセトンを主成分とし て含有する。 該凝固浴を出る際に、該紡糸製品は巻取り装置、例えば駆動するシリンダ上に 巻き取られる。この巻取り装置上での該紡糸された製品の速度は、便宜上紡糸速 度と呼ばれる。この紡糸速度と該紡糸口金との間の比は、一般的に紡糸−ストレ ッチファクタ(spinning-stretch factor)(SSF と略される)として知られる事項 を定義している。 次いで、浴または洗浄ブースに、該紡糸した製品を連続的に通すことにより、 好ましくは水で洗浄を行って、残留する溶媒を除去する。このようにして洗浄し た該紡糸製品を、次に任意の公知の手段、例えば電気加熱式ローラー上で乾燥す る。 本発明の紡糸性溶液は、例えば欧州特許B-179 822 号および米国特許第A-4,83 9,113 号に記載されているような、非−凝固層による紡糸技術(non-coagulating -layer spinning technique)〔ドライ−ジェット−ウエット紡糸法(dry-jet-wet spinning)〕に従って、凝固用媒体中に浸漬されていない紡糸口金を使用して紡 糸することが好ましい。この技術においては、該紡糸口金は該凝固浴の数州また はcm方に水平に配置される。一般的には空気の層(エアーギャップ)である、こ の凝固層を通過する際に、該紡糸口金から出てくる各液状の筋または層は、凝固 に先立って延伸(SSF>1)され、可能な最良の様式でその流動方向に該ポリマー分 子が配向され、かくして最終製品の機械的特性が整えられる。エアーギャップ以 外の非−凝固層を使用できることに注意すべきである。 再生繊維ではないという事実によって特徴付けられる、本発明のセルロース繊 維は、好ましくは以下の関係式の少なくとも一つを満足する: Te> 70; Mi> 1500 ここで、TeはcN/tex単位で表示した該繊維の靭性であり、またMiは同様にcN/tex 単位で表示した該繊維の初期モジュラスである。 より一層好ましくは、該繊維は以下の関係式の少なくとも一つを満足する: Te> 90; Mi> 2500 III.調製例 以下に記載するテストは、本発明によるテスト、あるいは本発明以外のテスト の何れかである。これらテスト全体において、粉末状態にあるセルロース(プロ クター&ギャンブル社(Procter & Gamble))を使用する。その重合度は約500で あり、またその初期含水率は6%であり、該溶媒として使用した水は脱イオン水 である。 これらテスト全体においては、更にピロ燐酸またはポリ燐酸を使用する。 ここで使用するピロ燐酸(H4P2O7)は純度約95%の、リーデル−デ−ハーン(Ried el-de-Haen)により市販されている酸である。この燐酸に対応するモル比(n/p)は 0.5 である。 ここで使用するポリ燐酸は、フルカ社(Fluka Company)によって市販されてお り、85% のポリ燐酸である。即ち、その濃度は85% P2O5である。対応するモル比 (n/p)は0.75であり、その組成(重量%)は以下の通りである: −約60% のトライマーH5P3O10、 −約15% のピロ燐酸H4P2O7、 −約10% のメソマー(mesomer; HPO3)6、 −約15% のポリメタ燐酸(PHO3)x。III.1 . テストA このテストは、本発明に従う例を記載し、そこではポリ燐酸と水との混合物中 に、セルロースを直接溶解することにより溶液を調製する。 6.9gのポリ燐酸(該混合物の87重量%)および1.0gの水(該混合物の13重量%)を先 ずビーカー中で混合し、次いで周囲温度にて数秒放置して冷却した。次に、2.1g のセルロースを添加し、スパチュラを使用して、10分間、周囲温度(20℃)にて 混練した。 このようにして、21重量%のセルロースを含有する粘稠な溶液(溶液S1)を調 製する。周囲温度にて、かつ静止状態で、該溶液を光学偏光顕微鏡により検査し たところ、該溶液は強力な光学的異方性を示した。更に、スパチュラの先端によ って一滴の溶液を引き伸ばす迅速テストは、この溶液が糸を形成し得ることを示 す。このことは、このような溶液(勿論、十分な量で調製された)は、高い確率 で、紡糸性溶液である。III.2 . テストB このテストは、本発明に従う例を記載し、そこではピロ燐酸中にセルロースを 直接溶解することにより、溶液を調製する。 該ピロ燐酸を、60℃に加熱して液体とし、次いで室温まで冷却する。次に、こ れを、即座にこの液体状態で使用する。このようにして、7.5gの酸と2.5gのセル ロースとを、相互に接触状態に置き、次いで上記のテストAに記載のように、混 練を10分間行う。このようにして、25重量%のセルロースを含有し、極めて粘稠 な、高い異方性をもつ溶液(溶液S2)を得る。この溶液の糸を形成する能力につ いては、前記と同様なことが言える。III.3 . テストC このテストでは、本発明に従う3つの例を記載し、そこではそれぞれ16%(溶液 S3)、20%(溶液S4)および30%(溶液S4)のセルロースを含有する、3種のセルロー ス溶液を調製する。ここで使用する溶媒はピロ燐酸のみからなる。これら3種の 溶液は、上でテストAおよびBで記載した方法と同様な方法で調製する。即ち所 定量のセルロースと溶媒とを10分間混練する。 これら3例において得られる該混合物は、セルロース濃度の増大に伴って、粘 度が増加する溶液である。これら溶液は、室温下で、静止状態において液晶溶液 である。これら各々は、スパチュラの先端によって一滴の溶液を引き伸ばした場 合に、糸を形成する能力を有している。III.4 . テストD このテストでは、本発明に従う3つの例を記載し、そこでは20重量%のセルロ ースを含有する3種のセルロース溶液を調製する。ピロ燐酸を主成分とする該溶 媒は、以下に示すように変動する割合の該ピロ燐酸と水とを混合することにより 調製する。 −溶液S6については、96% の酸と4%の水、 −溶液S7については、91% の酸と9%の水、 −溶液S8については、87% の酸と13% の水。 次いで、これら3種の溶液を、二重ジャケット(-5℃冷却)および機械的攪拌 機を備えた小さな0.5 l容量の実験室用の反応器内で、所定量のセルロースと溶 媒とを混合することにより調製する。このようにして得た混合物は、3つの全て の場合において、室温で静止状態において液晶溶液である。更に、該溶液中の該 セルロースの重合度の分析結果は、以下の通りである:395(S6); 400(S7); 400( S8)。これらの溶液は糸を形成し得るものである。III.5 . テストE 本テストでは、本発明以外の3つの例を記載する。ここでは、9重量%のセル ロースを含有する3種の溶液(S9、S10 およびS11)を調製する。使用する溶媒は ポリ燐酸と水とを、以下の割合で混合することにより生成する: −溶液S9に対しては、84% の酸および16% の水、 −溶液S10 に対しては、80% の酸および20% の水、 −溶液S11 に対しては、78% の酸および22% の水。 従って、使用する方法は、本発明による方法ではない。 セルロースと溶媒との混合物を上記テストDで示したように、小さな実験室用 の反応器内で、1時間混練する。かくして得た混合物は、実際に溶液である。し かしながら、これら3つの溶液の何れも、室温にて静止状態において、光学的異 方性を示さない。III.6 . テストF 本テストでは、本発明以外の一例を示し、ここでは18重量%のセルロースを含 有する溶液(S12)の調製を試みた。使用した溶媒はポリ燐酸(混合物の82重量%)と 水(混合物の18重量%)との混合物である。従って、使用する方法は本発明の方法 ではない。 混合は、テストDに記載のように行う。2時間の経過時点において、該セルロ ースは依然として溶解しなかった。本発明による溶液は、該混合時間を延長して も、得られない。III.7 . テストG 本テストでは、本発明に従う3つの例を記載する。ここでは、セルロースを12 重量%(S13)、16重量%(S14)および22重量%(S15)含有する3種のセルロース溶 液を調製する。燐酸と水とを主成分とする、使用した溶媒は以下に記載する変動 する割合で酸と水とを混合することにより調製する: −溶液S13 に対しては、91% の酸および9%の水、 −溶液S14 に対しては、95% の酸および5%の水、 −溶液S15 に対しては、87% の酸および13% の水。 所定量のセルロースと溶媒とを、上記テストDに示した如き、小さな実験室用 の反応器内で1時間混合する。3種の溶液は、このようにして1時間の混練後に 得られる。これら溶液は全て室温で、静止条件下で液晶であり、また糸を形成し 得るものである。III.8 . テストH 本テストでは、本発明に従う3つの例を記載する。ここでは、21重量%のセル ロースを含有する1500gの溶液(溶液S16)を調製する。この溶液は、Z-字型の混 練アームをもち、冷却用の二重ジャケットを備えた、2-lのミキサー内で製造す る。 1036gのポリ燐酸(混合物の87重量%)および150gの水(混合物の13重量%)を、二 重ジャケット反応器内で、冷却しつつ(+5 ℃)、予め混合する。次いで、かくし て得た溶媒を2-lのZ-字型アームミキサー中に導入する。次に315gのセルロース を添加し、混合を1時間行い、一方同時に、該混合物の温度を、高くとも18℃( 約-10 ℃に冷却した二重ジャケット)に維持する。 かくして、1.5 kgのセルロース溶液が得られ(重合度は約420)、これは室温に て、静止状態の下で強力な異方性を示す。この溶液は糸を形成できる。III.9 . テストI 本テストでは、本発明による溶液の一例を記載する。このテストにおいては、 22重量%のセルロースを含有する溶液(溶液S17)の26kg以上を調製する。次に、 この本発明による紡糸性の溶液を使用して、セルロース繊維を形成する(実施例 I-1およびI-2)。 18,200gのポリ燐酸(混合物の87重量%)および2675gの水(混合物の13重量%)を 予め混合して、上記テストHで記載したように溶媒を得る。次いで、この溶媒を 、二重ジャケット(0℃まで冷却)およびZ-字型の混練アームをもつ25lのミキ サー内に導入する。次いで、5,890gのセルロースを添加し、8ミリバールの真空 下で1時間混合を行って、該溶液を脱気し、一方同時に該混合物の温度を、高 くとも17℃(約-20 ℃に冷却された二重ジャケット)に等しい値に維持する。 真空下に維持されたこの溶液を、次に紡糸設備に向けて押出す。得られるこの 溶液は室温にて、静止状態の下で液晶である。該溶液中の該セルロースの重合度 は約420 である。 所謂「非−凝固性層による紡糸」技術(即ち、ドライ−ジェット−ウエット紡 糸法(dry-jet-wetspinning))に従って、径65μmの毛管250 個を有する紡糸口 金を通して、かつエアーギャップの厚み45mmにて、この溶液を、II.4.章に示し た方法で紡糸する。この紡糸の具体的な条件を以下に示す。 実施例I-1 :紡糸温度は39℃。該紡糸口金の速度は5.5 m/分であり、また該紡 糸速度は50m/分であり、これは9.1 のSSF に相当する。このテストで使用した該 凝固溶媒は、-20 ℃のアセトンである。水洗後(温度10℃)、該繊維を温度90℃ にて乾燥する。 かくして、基本フィラメント250 本で構成されるセルロース繊維を得るが、そ の機械的特性は以下の通りである: −線密度: 37 tex; −靭性:97 cN/tex; −初期モジュラス:2950 cN/tex; −破断点伸び:4.4% 実施例I-2 :上記と同一の溶液から、上記の実施例I-1に記載した方法に従っ て実験を進め、セルロース繊維を生成する。但し、該紡糸口金速度は5.3 m/分で あり、紡糸速度は40m/分(7.6のSSF に相当)であり、かつアセトンの温度は-16℃ である。 このセルロース繊維の機械的特性は以下の通りである: −線密度: 44 tex; −靭性:99 cN/tex; −初期モジュラス:2960 cN/tex; −破断点伸び:4.6% 結局、本発明は、セルロースの直接的溶解により、該セルロースの液晶溶液の 調製を可能とする。これは、極めて単純な溶媒系を使用して、極めて短時間内に 実施され、このことは工業的観点から、本発明の方法を極めて魅力あるものとし ている。 誘導段階を経ることなしに、従って再生処理を経ることなしに、極めて高い機 械的特性をもつセルロース繊維を得ることが可能となり、これら繊維は非−再生 繊維である。 本発明は、勿論上記の実施例によって制限されない。 かくして、本発明の範囲を逸脱することなしに、例えば種々の成分を該セルロ ースおよび該溶媒に、該混練の前にあるいはその最中に、添加することが可能で ある。 このような成分が存在する場合には、該成分は低い割合で存在し、最終の溶液 中のこれら全成分の重量部は、好ましくは10% 未満であり、より一層好ましくは 5%未満である。 例として、これらの付随的な成分は他の無機酸またはその塩、アルコール類等 の溶媒、または可塑剤、セルロースと共に溶解し得る種々のポリマー、他のフィ ラーまたは例えばセルロースの溶解を促進し、もしくは得られる溶液の紡糸性お よび/またはこれら溶液から紡糸された繊維の特性、例えばその機械的特性、そ の耐久性またはそのゴムマトリックスに対する接着性を改善することを可能とす る添加剤であり得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV ,MG,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,V N (72)発明者 ウルソ ファビオ フランス エフ−63000 クレルモン フ ェラン リュー ピエール ベース 3 (72)発明者 エスノール フィリップ フランス エフ−63118 セバーザ リュ ー ド ラ メーソン ブランシュ 11

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.溶媒中に溶解したセルロースを含有する液晶溶液であって、以下の点: −該溶液は10重量%を越えるセルロースを含有し、 −室温かつ静止状態では、光学的に異方性であり、 −該溶媒は、少なくとも1種の燐酸を、85重量%を越える量で含有し、該燐酸 または全ての燐酸は、平均して以下の式: [n(P2O5),p(H2O)], 0.33<(n/p)< 1.0 で表される、 によって特徴付けられる、上記液晶溶液。 2.以下の関係式: 0.5 ≦(n/p) ≦0.75 によって特徴付けられる、請求の範囲第1項に記載の溶液 3.該溶媒が、0〜15% 未満の水と、85% を越える少なくとも1種の燐酸とから 調製される(ここで、%は該溶媒の重量基準である)という事実によって特徴付 けられる、請求の範囲第1または2項に記載の溶液。 4.該溶媒が、0〜15% 未満の水および85% を越える少なくとも1種の燐酸のみ から調製される(ここで、%は該溶媒の重量基準である)という事実によって特 徴付けられる、請求の範囲第3項に記載の溶液。 5.該燐酸がピロ燐酸またはポリ燐酸である、という事実によって特徴付けられ る、請求の範囲第1〜4項の何れかに記載の溶液。 6.15重量%を越えるセルロースを含有する、という事実によって特徴付けられ る、請求の範囲第1〜5項の何れかに記載の溶液。 7.紡糸性溶液である、という事実によって特徴付けられる、請求の範囲第1〜 6項の何れかに記載の溶液。 8.請求の範囲第1〜7項の何れかに記載の溶液を製造するための方法であって 、 −セルロースを溶媒と接触させ、ここで、該溶媒は85重量%を越える、少なく とも1種の燐酸を含み、該燐酸またはこれら全ての燐酸は、平均して以下の式: [n(P2O5),p(H2O)], 0.33<(n/p)< 1.0 で表され、 −セルロースと溶媒との混合物を基準として、10重量%を越える量のセルロー スを使用し、 −該セルロースを、該溶媒と共に混練することにより直接溶解する、 ことを特徴とする、上記溶液の製造方法。 9.以下の関係式: 0.5 ≦(n/p) ≦0.75 によって特徴付けられる、請求の範囲第8項に記載の方法。 10.該溶媒が、0〜15%未満の水と、85%を越える少なくとも1種の燐酸とから 調製される(ここで、%は該溶媒の重量基準である)という事実によって特徴付 けられる、請求の範囲第8または9項に記載の方法。 11.該溶媒が、0〜15%未満の水および85%を越える少なくとも1種の燐酸のみ から調製される(ここで、%は該溶媒の重量基準である)という事実によって特 徴付けられる、請求の範囲第10項に記載の方法。 12.該燐酸がピロ燐酸またはポリ燐酸である、という事実によって特徴付けられ る、請求の範囲第8〜11項の何れかに記載の方法。 13.セルロースと溶媒との混合物を基準として、15重量%を越える量で、セルロ ースを使用する、という事実によって特徴付けられる、請求の範囲第8〜12項の 何れかに記載の方法。 14.セルロース繊維またはフィルムの製造方法であって、 −請求の範囲第7項に記載の溶液を、繊維またはフィルムの形状にある、液状 押出物に変換する工程と、 −該液状押出物を凝固媒体中で凝固させる工程と、 −このようにして生成した繊維またはフィルムを洗浄し、かつ乾燥する工程と 、 を含む、上記方法。 15.該凝固剤がアルコールまたはケトンを主成分とするものである、という事実 によって特徴付けられる、請求の範囲第14項に記載の方法。 16.該方法が、「非−凝固性層による紡糸」技術(ドライ−ジェット−ウエット 紡糸法)として知られる紡糸技術に従って使用される、という事実によって特 徴付けられる、請求の範囲第14または15項に記載の方法。 17.請求の範囲第14〜16項の何れかに記載の方法によって製造されることを特徴 とする、繊維またはフィルム。 18.再生されておらず、かつ以下の関係: Te>70; Mi>1500 (ここで、TeはcN/texで表した該繊維の靭性であり、またMiはcN/texで表した その初期モジュラスである) の少なくとも一つを満足する、という事実によって特徴付けられるセルロース 繊維。 19.以下の関係式: Te>90; Mi>2500 の少なくとも一つを満足する、という事実によって特徴付けられる、請求の範 囲第18項に記載の繊維。 20.少なくとも1種の請求の範囲第17項に記載の繊維および/またはフィルム、 および/または少なくとも1種の請求の範囲第18または19項に記載の繊維を含む ことを特徴とする強化用アセンブリー。 21.少なくとも1種の請求の範囲第17項に記載の繊維および/またはフィルム、 および/または請求の範囲第18または19項に記載の繊維によって、および/また は少なくとも1種の請求の範囲第20項に記載の強化用アセンブリーによって強化 された物品。 22.該物品がタイヤである、請求の範囲第21項に記載の物品。
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