JPH10505549A - 穿削工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 金属穿削用の穿削工具はその前部に例えば３、５或いは７個の切削インサート坦持カートリッジを有している。その周辺カートリッジ（６）は周辺切削インサートを坦持している。この周辺カートリッジはドリルヘッドにあるスロット（１７）に延入したロックネジ（１６）によってドリルに固定確保される。周辺カートリッジの半径方向内側にはクサビ（１５）として、当該クサビが軸方向に変位可能であり且つそれによって周辺カートリッジの半径方向位置を調節し、それにより穿削直径を調節する斯ゝるクサビがある。所望の半径方向調節が得られたとき、周辺切削インサートがロックネジ（１６）によって固定される。このようにして、穿削直径の非常に正確な半径方向調節が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 穿削工具 本発明は先ずは金属穿削を企図した請求項１に係る穿削工具として、穿削直径 を調節するために調節可能カートリッジに装着された周辺切削インサートを含ん で成る斯ゝる穿削工具に関する。 ドリルに関して、機械的クランプ機構によってドリルに固定確保されるセメン テッドカーバイド製の切削インサートを用いることは知られている。数多くの既 知の構造によれば、切削インサートは先ずカートリッジに装着され、その後にこ のカートリッジがドリルに機械的に着脱可能に固定確保される。例えば、ＵＳ− Ａ３７２６３５２（及びＳＥ−Ｃ−３４７６７３）には、この種の構造として、 それにより穿削直径が２個の設定ネジにより周辺カートリッジを位置付けること によって調節されるようになっている斯ゝる構造が開示されている。所望の直径 が得られたとき、カートリッジは特殊なロックネジによって固定される。この構 造は満足に機能していたが、長年に亘る経験から幾つかの不都合が明らかになっ た。２つの設定ネジの使用が穿削直径の精度を落とす。更に、調整範囲が非常に 狭く、正確に言えば、0.1mm までのオーダである。これは１方でロックネジがド リルのくり抜き穴に収められ、当該穴の壁とロックネジの間の遊びがカートリッ ジの半径方向調節範囲を決め、他方で周辺切削インサートに対しドリルの支持パ ッドを相互調節することは出来ないという事実に依存している。この構造の更に 別の不利益はカートリッジをドリルヘッドから取り除きたいときに、ロックネジ を完全に緩めることが必要になることである。 本発明の主目的は、これまでに知られている穿削工具よりも穿削 直径をより安全に、より簡単に、そしてより正確に調整することが出来る穿削工 具を提供することにある。 本発明の第２の目的はカートリッジの取り外しを単純化することにある。 これらの目的並びに更なる目的は請求項１の特徴事項に係る、スロットとクサ ビを備えた穿削工具のカートリッジを形成することにより達成された。 限定的な説明を目的に、本発明は添付の図面を参照してこれから説明される。 図面は本発明の好適例を示している。 図１は上斜めからの斜視で本発明に係る穿削工具を示しているが、カートリッ ジは分解視で示してある。 図２は図１に係る穿削工具の周辺インサート座の分解図である。 図３は半径方向内側の方に見たときの周辺カートリッジの上斜めからの斜視図 である。 図４は本発明に係る穿削工具を部分断面側面視で示している。 図５は図４に係る穿削工具の頂面図である。 図６は本発明に係る穿削工具に適切に含まれる支持パッドを示す。 図７は本発明に係る穿削工具における支持パッド座を示す。 図１において、本発明に係る穿削工具は参照番号１で全体的に指定されている 。適切な態様では、穿削工具はエジェクタ式であるが、所謂ＢＴＡ−穿削工程で 一般に有利に使用される得る。これはクラウン或いはドリルヘッド２、寸法適合 子（ディメンション・アダプタ）３及び軸（シャフト）部４を含んで成る。この 軸部は、方法それ自体既知の方法で以て外位保持管（図示省略）に螺結されるべ く企図された外ネジ５を備えている。 図示の穿削工具は３つのインサート坦持カートリッジ：周辺切削 インサート７を備えた周辺カートリッジ６；中間切削インサート９を備えた中間 カートリッジ８；及び中央切削インサート１１を備えた中央カートリッジ１０を 具備している。周辺切削インサート７は工作物の穴の直径を工作する。隣の中央 切削インサート１１は残留コアを所望していないので、ドリルの中心軸線と１部 重複させてある。回転すると、中間切削インサート９の切刃の軌道は中心軸線か ら周辺まで連続した切削ラインを得るために、周辺切削インサートと中央切削イ ンサートの両方の切刃と１部重複している。 穿削工具における多数の切削インサートは３個より多くても、少なくても良い 。従って、穿削工具は、例えば４〜９個の切削インサートを備えるものにするこ とが出来る。但し、ドリルが２個の支持パッドを含んで成るときには、奇数箇の 切削インサートが好ましい。例えば、個数３は２０と１０５ｍm の間の直径に穿 削するための，複雑性、有用寿命並びに均衡度を良好に妥協させたときの数であ る。 ドリル頂面には、２個のフルート：周辺切削インサートと中央切削インサート の両方に共用される相対的に大きいチップフルート；及び中間切削インサート用 の相対的に幾分小さいフルート、が開口している。両チップフルートの対立する 下位端は好ましくは、ドリル頂面の方へ向けて上に引っ繰り返された状態の底面 を備えた斯ゝる円錐台の形状を有する逆転形の内位チップスペース１４（図４参 照）に開口している。 本発明によれば、周辺カートリッジ６、それ故に周辺切削インサート７の作業 切刃はクサビ（楔）１５によって半径方向に調節される。但し、このカートリッ ジのロックネジ１６はスロット１７に収容されている。このスロットは円筒孔と は対照的に２種の利点として：１方では、ロックネジ１６が穿削直径を調整する ときに、スロ ットで半径方向に移動可能であること；他方では、ロックネジ１６を単に数回転 させるだけで（即ち、ロックネジは完全に取り外すことを要しない）、カートリ ッジ全体を穿削工具から取り外すことが出来ることの斯ゝる利点を有している。 周辺カートリッジを遠心力に抗して更に固定確保するために、スロット１７はそ の長さｙが半径外方へ進むに従って大きくなるように形成することが出来る。こ のようにすれば、周辺カートリッジはロックネジ１６が締結されると、半径外方 へ振り出すことが出来ない。更に、ロックネジ１６は好ましくは、ネジヘッドの 下面、それに対応するスロット開口の上、下の夫々の当接面との間で明確な当接 が可能になるようにするため、図５において分かるように穿削工具の外周接線に 対して半径内方へ角度付けられる。 本発明にとって必須のクサビ１５は軸下方へ進むに従って狭くなる態様で先細 る肉厚を有している。このクサビは、軸方向に対して傾斜し且つ半径内方へ仕向 けられた当接滑面（スライド面）１８（図３参照）に対して当接する。但し、こ の当接滑面はドリル中心軸線、即ち回転軸線に対して３と１５°の間で傾斜する のが適切である。クサビはカートリッジの孔２０に貫通されたネジ１９によって カートリッジに螺結される。孔２０はクサビの軸方向変位を可能にし、それによ って周辺切削インサートの微細な半径方向調節を可能にするために軸方向に長尺 化されている。当接滑面１８の軸方向に対する角度（アキシャル角）はクサビ１ ５の２つの主面の間の角度と実質的に等しくし、それにによってカートリッジ座 （シート）３０に乗置しているクサビ面がアキシャル平面（軸線を含む平面）に カートリッジ座の底面と同様に配位している。所望の穿削直径が得られたとき、 周辺カートリッジをその位置にロックネジ１６によって固定する。ロックネジ１ ６のためのカートリッジにあるネジ孔は 盲孔（穴）でも貫通孔であっても良い。 好ましくは、周辺カートリッジの半径内位面は平坦な当接面２９を備えた形態 で形成されたカートリッジの下位部にある。但し、この当接面は少なくともある 程度はドリルカートリッジ座３０の対応する面部に乗置されている。従って、周 辺切刃の位置付けに際し、カートリッジはその下位部における点或いは線の周り で傾けられる。この線は通常は当接面２９の上位或いは下位の長尺エッジライン である。 本発明の好適例によれば、更にその他のカートリッジ、即ち本例では中間カー トリッジと中央カートリッジがロックネジを夫々入れるように企図された貫通孔 に代わるスロットを備えた形態で以て形成される。従って、図１から分かるよう に、中間カートリッジ８はロックネジ２２の貫通するスロット２１を具備してい る。このスロットはロックネジのヘッドの底面が乗置することになる肩部２３を 有している。スロットの開口から始まる肩部は、ロックネジを締めつけたときに カートリッジを接線方向へロックするために、軸下方へ傾斜されている。中央カ ートリッジはこれに対応するように形成される。 ドリル穴（穿削穴）でドリルを支持し且つ案内するために、ドリルはセメンテ ッドカーバイド製の２箇の支持パッド２４を具備している。周辺カートリッジ６ は更にベークライト等の適宜の材料製の支持シム３１を具備している。好適例に よれば、支持パッド２４は実質的に平面視で方形の平行６面体の基本形を有する 。好ましくは、これらは２つの翼形の派生物２５として各々が各長辺に配位する 斯ゝる翼形派生物を具備している。これらの派生物は互いに相手の反射像を基本 的に構成する実質的に円扇形（セグメント）を有している。派生物の外側輪郭は 円形線に本質的に対応している。その寸 法は長辺の全長の１／５と３／５の間の値、好ましくは１／４と１／２の間の値 である。支持パッドの半径外側１７は工作物の穿削穴に対し当接するように幾分 丸くなっている。更に、支持パッドは適当なロックネジによってドリル穴におい て支持パッドを固定するための中心貫通孔１８を示している。 図７は支持パッドを収容する座２７を示している。この座２７は実質的に平底 面を有している。軸方向の限界は２つの膨らんだ部分２８を有している。これら の形状は派生物２５の外形に対応している。このようにすると、支持パッドの短 端は当接面として機能させるものではないので、短端の１方が損傷を受けたら、 支持パッドは半回転させることが出来る。更に、異なる肉圧の下敷きシム層によ って、異なる直径はいずれの穿削直径が周辺切削インサートに対して設定されて いるかに依存して、容易に調節出来る。この場合、これらのシム層は支持パッド に実質的に対応する平面視形状を有し、間隙機素（スペーサ）として支持パッド の下に敷かれる。更に、支持パッド座２７全体は単独のエンドミルによって工作 される。 本発明に係る構造は既知の構造に比べ数多くの利益をもたらした。従って、非 常に簡単且つ非常に安全な穿削直径の調節が達成された。なかんずく、これはネ ジ付きクサビが接触面が大きいが故に頑丈な構造を与え、それによって一層正確 な調節を可能にするという事実によって達成された。更には、調節は大きな軸方 向変位が結果として小さな直径変位をもたらすという事実によって単純化される 。更に、周辺カートリッジは非常に簡単な仕方で取り外し得る。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９６年１０月２２日 【補正内容】 請求の範囲 １．穿削直径を決める周辺切削インサート（７）を坦持した周辺カートリッジ （６）を含んで成る穿削工具において、 該周辺切削インサートの半径方向内側にクサビ（１５）として、これが軸方向 変位可能であって且つそれにより穿削直径を調節するために該周辺カートリッジ を半径方向へ移動させることが出来る斯ゝるクサビが配置されること、及び該カ ートリッジが所望位置にロックネジ（１６）として穿削工具の開形スロット（１ ７）の中に延在して該周辺カートリッジのネジ穴に螺結される斯ゝるロックネジ によって固定され、該スロット（１７）が該周辺カートリッジを遠心力に抗して 固定確保するために該工具の直径に対して角度付けられ且つ半径外方に進むに従 って長さが増加していることを特徴とする穿削工具。 ２．１個と７個、好ましは３個と５個の間の個数のインサート坦持カートリッ ジを含んで成ることを特徴とする請求項１に係る穿削工具。 ３．該周辺カートリッジを除く全てのインサート坦持カートリッジ（８、９） が開形スロットを具備していて、当該開形スロットを通じてロックネジが螺結さ れることを特徴とする請求項１或いは２に係る穿削工具。 ４．該クサビ（１５）が該周辺カートリッジ（６）の軸方向に長尺化した孔（ ２０）に延入したネジ（１９）によって固定確保されることを特徴とする先行請 求項の何れか１項に係る穿削工具。 ５．該クサビが該周辺カートリッジ（６）の半径方向内側におけ る軸方向に対して傾斜した当接滑面（１８）に乗置され、当該当接滑面のクサビ 角と該クサビを該クサビの該半径方向内側が該工具の軸線に実質的に平行になる ように調節することを特徴とする先行請求項の何れか１項に係る穿削工具。 ６．１個或いは数個の支持パッド（２４）が該穿削穴で該ドリルを支持し且つ 案内するために該穿削工具の周囲に配置されていることを特徴とする先行請求項 の何れか１項に係る穿削工具。 ７．各支持パッドが実質的に平面視で方形である平行６面体の基本形を有し、 各長辺に翼形の派生物（２５）として当該派生物が該穿削工具に設けた支持パッ ド座（２７）における対応する膨らんだ部分（２８）に嵌合するように配設され ていることを特徴とする先行請求項の何れか１項に係る穿削工具。 ８．該周辺カートリッジ（６）の該半径方向内側はその底部において下に平坦 当接面（２９）として、当該当接面が該ドリルのカートリッジ座（３０）におけ る対応した面部に常に乗置するように配設されている斯ゝる平坦当接面を具備し ていることを特徴とする先行請求項の何れか１項に係る穿削工具。 ９．該周辺カートリッジ（６）の該半径方向外側は該穿削穴で該ドリルを支持 し且つ案内するために、支持機素（３１）を具備していることを特徴とする先行 請求項の何れか１項に係る穿削工具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．穿削直径を決める周辺切削インサート（７）を坦持した周辺カートリッジ （６）を含んで成る穿削工具において、 該周辺切削インサートの半径方向内側にクサビ（１５）として、これが軸方向 変位可能であって且つそれにより穿削直径を調節するために該周辺カートリッジ を半径方向へ移動させることが出来る斯ゝるクサビが配置されること、及び該カ ートリッジが所望位置にロックネジ（１６）として穿削工具の開形スロット（１ ７）の中に延在して該周辺カートリッジのネジ穴に螺結される斯ゝるロックネジ によって固定されることを特徴とする穿削工具。 ２．１個と７個、好ましは３個と５個の間の個数のインサート坦持カートリッ ジを含んで成ることを特徴とする請求項１に係る穿削工具。 ３．該周辺カートリッジを除く全てのインサート坦持カートリッジ（８、９） が開形スロットを具備していて、当該開形スロットを通じてロックネジが螺結さ れることを特徴とする請求項１或いは２に係る穿削工具。 ４．該周辺カートリッジ（６）に近接した該スロット（１７）が、該周辺カー トリッジを遠心力に抗して固定確保するために該工具の直径に対して角度付けら れ且つ半径外方に進むに従って長さが増加していることを特徴とする請求項１或 いは２に係る穿削工具。 ５．該クサビ（１５）が該周辺カートリッジ（６）の軸方向に長尺化した孔（ ２０）に延入したネジ（１９）によって固定確保されることを特徴とする先行請 求項の何れか１項に係る穿削工具。 ６．該クサビが該周辺カートリッジ（６）の半径方向内側における軸方向に対 して傾斜した当接滑面（１８）に乗置され、当該当接 滑面のクサビ角と該クサビを該クサビの該半径方向内側が該工具の軸線に実質的 に平行になるように調節することを特徴とする先行請求項の何れか１項に係る穿 削工具。 ７．１個或いは数個の支持パッド（２４）が該穿削穴で該ドリルを支持し且つ 案内するために該穿削工具の周囲に配置されていることを特徴とする先行請求項 の何れか１項に係る穿削工具。 ８．各支持パッドが実質的に平面視で方形である平行６面体の基本形を有し、 各長辺に翼形の派生物（２５）として当該派生物が該穿削工具に設けた支持パッ ド座（２７）における対応する膨らんだ部分（２８）に嵌合するように配設され ていることを特徴とする先行請求項の何れか１項に係る穿削工具。 ９．該周辺カートリッジ（６）の該半径方向内側はその底部において下に平坦 当接面（２９）として、当該当接面が該ドリルのカートリッジ座（３０）におけ る対応した面部に常に乗置するように配設されている斯ゝる平坦当接面を具備し ていることを特徴とする先行請求項の何れか１項に係る穿削工具。 １０．該周辺カートリッジ（６）の該半径方向外側は該穿削穴で該ドリルを支 持し且つ案内するために、支持機素（３１）を具備していることを特徴とする先 行請求項の何れか１項に係る穿削工具。