JPH10503922A - 組換えpgp3、調製方法、ならびに診断および治療における使用 - Google Patents

組換えpgp3、調製方法、ならびに診断および治療における使用

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JPH10503922A
JPH10503922A JP7526847A JP52684795A JPH10503922A JP H10503922 A JPH10503922 A JP H10503922A JP 7526847 A JP7526847 A JP 7526847A JP 52684795 A JP52684795 A JP 52684795A JP H10503922 A JPH10503922 A JP H10503922A
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Abstract

(57)【要約】 C.trachomatis、血清型D由来のプラスミドにコードされるタンパク質pgp3の新規な組換え体が、イオン交換クロマトグラフィーにより精製され、そしてELISA形式において臨床サンプルについて定量的イムノアッセイに適していることが示された。

Description

【発明の詳細な説明】 組換えpgp3、調製方法、ならびに診断および治療における使用 発明の分野 本発明は、Chlamydia trachomatis血清型D由来のプラスミドにコードされる タンパク質pgp3の組換え形態、およびそのイムノアッセイ、特に酵素連結合イム ノアッセイ(ELISA)のような定量的イムノアッセイにおけるその使用に関する。 本発明はまたpgp3の産生方法に関する。 発明の背景 クラミジアは、真核生物細胞の偏性細胞内寄生体であるグラム陰性細菌である 。これらは、基本小体(EB)として知られ、細胞外にある、感染性および代謝的に 実質的に不活性な形態と、網様小体(RB)と呼ばれる細胞内複製可能な形態とを示 す。 網様小体は、二分裂による増殖の後上記宿主細胞から放出され、そして新しい 細胞に感染する基本小体に転換する。感染細胞内の網様小体および基本小体の塊 は、光学顕微鏡により観察される特徴的な「封入体」を構成する。 Chlamydia trachomatis(C.trachomatisまたはCT)はヒトに対して病原性の細 菌種であり、そしてヒトの生殖器のおよび5億人に影響を与えている慢性病であ り盲目を引き起こし得るトラコーマの様々な炎症性病状を引き起こす性病性リン パ肉芽腫(VLG)の病因学的因子である。C.trachomatisにより引き起こされる尿 道炎および子宮頚炎は、初期に治療されなければ、不妊症および子宮外妊娠を引 き起こし得る、膣炎、卵管炎、および骨盤炎症のような慢性炎症に至り得る。さ らに、感染した母親から生まれた新生児は、出産時に肺および/または目の感染 症にかかり得る。 従って、C.trachomatis感染を検出する正確な診断アッセイ技術、および感染 防止および既存の感染症の処置において使用される免疫学的調製物の必要性が明 らかであり且つ満たされていない。 C.trachomatis(15、16)は、保存された7.5-kbプラスミド(pCT)(3)を宿し、 このプラスミドは、本質的にすべての株および単離体に見られるため、自然感染 中でポジティブの選択圧を受けていると考えられる。この遺伝的要素のC.trach omatis生理学において有し得る役割が推測の対象である。しかし、pCTに関連す る表現型の探索は、クラミジアの遺伝的形質転換手順がこれまで利用可能でない という事実により阻害されてきた。 プラスミドにコードされる産物の同定および特徴付けを特に目的とする。なぜ なら、他のいくつかの病原性細菌のプラスミドの場合のように、pCTがクラミジ ア病原性因子をコードし得るからである。複製起点が同定されており(28)、そし てpCT転写調節のいくつかの特徴が知られているが(20、21、5)、他のpCT特性の 大部分は、DNA配列決定データ(2、3、8、27)から推定された仮定にすぎない 。しかし、28-kDaの電気泳動バンドが、pCTオープンリーディングフレーム3(OR F3)との遺伝子融合により得られた39 kDaのキメラタンパク質に対して惹起され た抗体と、クラミジアタンパク質抽出物とのウェスタンブロット上で交差反応す ることが最近報告された(4)。本発明者らは、結果的に、C.trachomatis基本小 体(EB)の28-kDa成分をプラスミドにコードされるポリペプチドpgp3として同定し た。また本発明者らは、このタンパク質の精製された組換え形態を用いるイムノ アッセイを用いて、これがヒトのクラミジア感染において新規かつ潜在的に重要 である免疫源であることを示す。 SDS-アクリルアミドゲル上の電気泳動により精製された、先に記載された(4)3 9-kDa pgp3融合タンパク質を用い、ヒト血清用のELISAテストを開発しようとい う初期の試みは、一貫性のない不満足な結果をもたらした。問題のひとつは、何 人かの患者の血清では、E.coliからの少量の不純物との抗体反応が、変成され た融合タンパク質との反応よりも強力であったという観察であった。 このような状況は、異なる抗体からの信号が別々にモニターされ得るウェスタ ンブロッティング技術を用いることにより適切に解決され得るが、ELISAにおい ては深刻な問題となる。例えば、得られる39-kDa産物を用い、pgp3エピトープが 、クラミジアに感染した患者の血清中に存在するが健康なドナーからの対照血清 には存在しない抗体により、ウェスタンブロット上で認識され得ることが示され た。 本発明の目的は、多数の臨床サンプルから再現可能性があり且つ定量的なデー タを得るための、イムノブロッティング技術よりも適切な血清学的テストシステ ムを提供することにある。 本発明者らは、組換え抗体の質と、ELISAに用いるために適した試薬を生成す る精製手順との両方を改良することを試みた。 したがって、本発明は、C.trachomatisに感染した患者において、pgp3抗体の 存在を評価するために用いられ得るpgp3タンパク質の新規な組換え形態に基づく 酵素結合イムノアッセイに関する。 安定な28-kDaタンパク質としてr-pgp3を得た。r-pgp3は、pT7-7系により過剰 発現したときでさえも、そして精製手順全体を通じて、細菌細胞中で水可溶性の ままであった。誤って折り畳まれた組換えタンパク質は、代表的には、タンパク 質分解を受けるか、または凝集および沈降する傾向があるため(34)、上記の特性 は、r-pgp3(4つのシステイン残基を含む)がその天然の形態に近い構造で正しく 折り畳まれているということを示唆している。発明者らは、r-pgp3がまた、イム ノブロット分析では見落とされ得る、構成エピトープに対して惹起された抗体を 検出し得る抗原構造を保持していると確信する。 驚くべきことに、r-pgp3の大部分が、形質転換されたE.coli BL21細胞のペリ プラズムに見出された。ペリプラズム抽出物を用いる可能性は、その精製を簡素 化した。 発明の要旨 本発明の第1の局面によると、組換えChlamydia trachomatis pgp3タンパク質 、またはその誘導体またはフラグメントが提供される。 組換えpgp3タンパク質は、例えばpgp3-D(C.trachomatis血清型D由来の対立 遺伝子)またはpgp3-L2(C.trachomatis L2由来の対立遺伝子)を含む、約28kdの 分子量を有するpgp3タンパク質の対立遺伝子変異体の任意の組換え形態であり得 る。pgp3-DはC.trachomatisのトラコーマ変異体の始原型であり、そしてpgp3-L 2はC.trachomatisのリンパ肉芽腫変異体の始原型である。 pgp3の構成(conformation)は本質的な免疫学的特性の保持にとって重要である ということが確立されている。 好適には、本発明の第1の局面の組換えタンパク質は、実質的に、ヒト血清中 の抗体により認識され得る構成で存在する。このタンパク質は、pgp3の新規な組 換え形態であり、イムノアッセイ、特に酵素結合イムノアッセイで用いられたと きに好適な特性を有し、先の文献には記載されていない。 このタンパク質は、ネイティブなpgp3の構成を有するのであればpgp3の誘導体 であり得る。従って、このタンパク質は、完全なpgp3のフラグメント、または機 能的特性特に抗原としてのその免疫学的特性に実質的な影響を与えない様式で改 変されたその誘導体であり得る。 好適には、組換えタンパク質はネイティブなアミノ配列および実質的にネイテ ィブな構成を有する。 本発明の第2の局面によると、少なくとも1つの結合パートナーとして、必要 に応じて標識されるか又は固体支持体に結合された、本発明の第1の局面による 組換えタンパク質を含む、少なくとも1つの工程を含む免疫診断アッセイが提供 される。 免疫診断アッセイは、必順成分として診断抗原を用いるイムノアッセイの任意 の形態であり得る。 しかし好適には、免疫診断アッセイは、酵素結合固相イムノアッセイ(ELISA) である。 本発明の第3の局面によると、本発明の第2の局面によるアッセイを行うため の免疫診断キットが提供され、本発明の第1の局面による少なくとも1つの組換 えタンパク質を含む。 本発明の第4の局面によると、本発明の第1の局面による組換えタンパク質の 生産方法が提供され、この方法は、本発明の第1の局面による組換えタンパク質 をコードする組換えポリヌクレオチドを含むベクターで形質転換された宿主細胞 を培養する工程、および該組換えタンパク質を単離する工程を含む。 この宿主細胞は、組換えタンパク質を産生し得る任意の適切な宿主であり得る 。しかし、好適には宿主細胞は、細菌、適切にはE.coliである。 最も好適には、このタンパク質はE.coli発現系で過剰発現により産生される。 E.coli中での発現は、しばしば不自然な折り畳みをもたらし、そしてこれはネ イティブでない構成をもたらすことが見出された。このような発現は、注意深く 制御された精製技術を必要とし、ネイティブなタンパク質を回収するための変性 および再生をしばしば必要とする。 本発明者らは、驚くべきことに、pgp3の場合、このタンパク質が、E.coliに よってネイティブな形態で産生され、これにより生産コストを増加させるだけで なく、強力な変成剤などの精製で用いられる試薬の不適切な除去の可能性を伴う 品質管理の問題を生ずるような手順の必要性を除くことを見出した。 特に適切な発現系は、必要に応じてE.coliBL21株中に存在するプラスミド発現 ベクターpT7-7である。この系では、ORF3の発現は、IPTGで誘導可能なプロモー ターの制御下にあり、そして非改変pgp3アミノ酸配列を生成する。 好適には、このタンパク質は、非変性条件の下で宿主細胞抽出物から精製され る。 好適には、この精製は、例えばピペラジン-HCl緩衝剤中のNaCl溶出グラジエン トを用いて、モノ−Qプレパックカラム(Pharmacia)上のイオン交換カラムクロ マトグラフィーの工程を包含する。 宿主細胞からの抽出は、細胞溶解のような任意の公知の非変性技術を採用し得 るが、好適には、例えばポリミキシンBを用いて得られるペリプラズム抽出を使 用する。 本発明者らは、驚くべきことに、E.coliにおいてpgp3タンパク質がペリプラズ ム中で生産され、精製を大幅に容易にすることを見出した。 本発明者が現在有している実験証拠から、pgp3はクラミジア感染の病原性因子 であることを確信する。 本発明の第4の局面はまた、特定の記載で広義に定義されるかあるいは特定し て開示される本発明の方法により生産される、組換えpgp3タンパク質が提供され る。 本発明の第5の局面によると、本発明者らは、本発明の第1の局面による組換 えタンパク質と薬学的に受容可能なキャリアとを含むワクチンまたは治療用組成 物を提供する。 本発明の第6の局面によると、本発明者らは、本発明の第1の局面による組換 えタンパク質と薬学的キャリアとを含むワクチンまたは治療用組成物を提供する 。 本発明の第7の局面によると、本発明者らは、ヒトまたは動物の体を処置する 方法であって、本発明の第6の局面による有効な量のワクチンまたは治療用組成 物を投与することにより、C.trachomatisによる感染を防止するまたはそのよう な感染を処置する工程を包含する方法を提供する。 本発明の第8の局面によると、本発明者らは、C.trachomatis感染に対するワ クチン投与またはそのような感染を処置する薬剤の製造に用いられる請求項1ま たは2の組換えタンパク質を提供する。 定義 本発明の実施は、特に明示しない限り、分子生物学、微生物学、組換えDNA、 および免疫学の、当業者の通常の知識の範囲内である、従来の技術を用いる。こ のような技術は、文献に十分に説明されている。例えば、Sambrookら、MOLECULA R CLONING; A LABORATORY MANUAL、第2版(1989); DNA CLONING、第I巻および第 II巻(D.N GLOVER編、1985); OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS(M.J.Gait編、1984); NUCLEIC ACID HYBRIDIZATION(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編、1984); TRAN SCRIPTION AND TRANSLATION(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編、1984); ANIMA L CELL CULTURE(R.I.Freshney編、1986); IMMOBILIZED CELLS AND ENZYMES(IR L Press,1986); B.Perbal,A PRACTICAL GUIDE TO MOLECULAR CLONING(1984); METHODS IN ENZYMODLODGY(Academic Press,Inc.)のシリーズ; GENE TRANSFER VECTORS FOR MAMMALIAN CELLS(J.H.MillerおよびM.P.Calos編、1987,Cold Spring Harbor Laboratory),Methods in Enzymology第154巻および第155巻(そ れぞれ、WuおよびGrossman、およびWu編)、MayerおよびWalker編(1987), IMMUNO CHEMICAL METHODS IN CELL AND MOLECULAR BIOLOGY(Academic Press,London), Scopes,(1987),PROTEIN PURIFICATION: PRINCIPLES AND PRACTICE、第2版、( Springer-Verlag,N.Y.)、およびHANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY、第I- IV巻(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編、1986)。 この明細書中では、ヌクレオチドおよびアミノ酸の標準的な省略形を用いる。 本明細書中で引用するすべての刊行物、特許、および特許出願は、本明細書に参 考として援用する。 本発明で用いられ得るタンパク質の例は、タンパク質の天然のアミノ酸配列か ら少数のアミノ酸改変体を有するポリペプチドを含む。特に、保存的アミノ酸置 換が意図される。保存的置換とは、それらの側鎖関連しているアミノ酸のファミ リー内で起こる置換である。遺伝子的にコードされるアミノ酸は、一般に4つの ファミリーに分けられる:(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基 性=リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシ ン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン ;そして(4)非荷電極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、セ リン、トレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシ ンは、まとめて芳香族アミノ酸として分類されることもある。例えば、ロイシン をイソロイシンまたはバリンで、アスパラギン酸をグルタミン酸で、トレオニン をセリンで単離置換すること、またはあるアミノ酸を構造的に関連したアミノ酸 で同様の保存的置換することは、生物学的活性に大きな影響を与えないというこ とは当然予測可能である。このタンパク質と実質的に同一のアミノ酸配列を有す るが、少数のアミノ酸が置換されており、機能面に実質的に影響を与えないポリ ペプチド分子は、このタンパク質の定義の範囲内である。 天然の供給源からのタンパク質を単離および精製することによってではなく、 組換えDNA技術により、タンパク質を生産することの重要な利点は、天然の供給 源からのタンパク質を単離するために必要とされ得るよりも少ない出発物質を用 いることにより、同等量のタンパク質が生産され得ることである。組換え技術に よってタンパク質を生産することはまた、タンパク質が、通常細胞内に存在する いくつかの分子が存在しない場合に単離されることを可能にする。実際、ヒトタ ンパク質不純物の痕跡が皆無のタンパク質組成物が容易に生産され得る。なぜな ら、組換え非ヒト宿主により生産されるヒトタンパク質のみが、問題の組換えタ ンパク質だからである。ヒトに対して病原性である、天然の供給源からの潜在的 なウイルス因子およびウイルス成分もまた回避される。 本明細書で用いられる用語「組換えポリヌクレオチド」は、ゲノム、cDNA、半 合成、または合成起源のポリヌクレオチドを意図する。これらのポリヌクレオチ ドは、その起源または操作のために、(1)天然の状態で会合しているポリヌクレ オチドの全体とも一部分とも会合しないか、(2)天然の状態で連結するポリヌク レオチド以外のポリヌクレオチドと連結するか、あるいは(3)天然には存在しな いかである。 本明細書で用いられる用語「ポリヌクレオチド」は、任意の長さのヌクレオチ ドのポリマー形態を意味し、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド のいずれかである。この用語は、分子の主要構造のみを意味する。従って、この 用語は二本鎖または一本鎖DNAまたはRNAを含む。この用語はまた、公知のタイプ の改変、例えば、当該分野で公知の標識、メチル化、「キャップ」、天然に存在 するヌクレオチドの1以上をアナログで置換すること、例えば、未荷電連結(例 えば、ホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメー ト等)および荷電連結(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等) を含むようなヌクレオチド間の改変、例えばタンパク質(例えばヌクレアーゼ、 トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジン等)のようなペンダント 部分を含むヌクレオチド間の改変、挿入剤(例えばアクリジン、プソラレン等)を 含むようなヌクレオチド間の改変、キレート剤(例えば金属、放射性金属、ホウ 素、酸化的金属等)を含むようなヌクレオチド間の改変、アルキル化剤を含むヌ クレオチド間の改変、改変された連結(例えばαアノマー核酸等)を含むヌクレオ チド間の改変、およびポリヌクレオチドの改変されない形態をも含む。 用語「レプリコン」は、任意の遺伝要素、例えば、細胞内でポリヌクレオチド 複製の自律性ユニットとして挙動する、すなわち、それ自体の制御下で複製可能 な、プラスミド、染色体、ウイルス、コスミド等である。これは、選択マーカー を含み得る。 用語「ベクター」は、別のポリヌクレオチドセグメントが連結されて、連結さ れたセグメントの複製および/または発現を引き起こし得るレプリコンである。 用語「制御配列」は、コード配列が連結されてこのコード配列の発現を実現す るために必要なポリヌクレオチド配列である。このような制御配列の性質は宿主 生物体によって異なる。原核生物においてはこのような制御配列は一般にプロモ ーター、リボソーム結合部位、および転写終止配列を含む。真核生物においては 一般にこのような制御配列はプロモーターおよび転写終止配列を含む。用語「制 御配列」は、その存在が発現に必要なすべての成分を少なくとも含むことを意図 し、そしてその存在が有利である他の成分、例えば、リーダー配列および融合パ ートナー配列をも含み得る。 「作動可能に連結された」は、このように記載された成分が、それらの意図さ れた様式で機能することを可能にする関係にある並置状態を意味する。コード配 列に「作動可能に連結された」制御配列は、コード配列の発現が制御配列と適合 する条件下で達成されるように連結されている。 「オープンリーディングフレーム」(ORF)は、ポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド配列の領域である。この領域はコード配列の一部分または全コード 配列を表し得る。 「コード配列」は、適切な調節配列の制御下に置かれた場合、通常、mRNAを介 してポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。コード配列の境界 は、5'-末端における翻訳開始コドンおよび3'-末端における翻訳終止コドンによ って決定される。コード配列はcDNAおよび組換えポリヌクレオチド配列を含み得 るが、これに限定されるものではない。 「PCR」は、Saikiら、Nature 324:163(1986)、およびScharfら、Science(198 6)233:1076-1078、および米国特許第4,683,195号、および米国特許第4,683,202 号に記載されているポリメラーゼ連鎖反応の技術を意味する。本明細書で用いら れる場合、xが同一の様式でyと連結しない場合xはyとは異種である。すなわ ち、天然の状態でxはyとは連結しないか、あるいは、天然の状態で見出される のと同一の様式でxはyと連結しない。 「ホモロジー」は、xとyとの間の類似性の度合いを意味する。一つの形態か ら他の形態までの配列間の対応は、当該分野で公知の技術により決定され得る。 例えば、それらはポリヌクレオチドの配列情報を直接比較することにより決定さ れ得る。あるいは、ホモロジーは相同領域間の安定したデュプレックス(例えば S1消化に先だって用いられるようなデュプレックス)を形成する条件下でポリヌ クレオチドのハイブリダイゼーションを行い、次いで一本鎖特異的ヌクレアーゼ (単数または複数)で消化し、次いで消化されたフラグメントのサイズを決定す ることにより決定され得る。 本明細書で用いられる用語「ポリペプチド」は、アミノ酸のポリマーを意味し 、生産物の特定の長さを意味するわけではない。したがって、ペプチド、オリゴ ペプチド、およびタンパク質がポリペプチドの定義の範囲内に含まれる。この用 語は、ポリペプチドの発現後の改変、例えばグリコシル化、アセチル化、ホスホ リル化等を意味するわけでもなく、または排除するわけでもない。この定義内に 含まれるのは、例えば、アミノ酸の1以上のアナログを含むポリペプチド(例え ば、非天然アミノ酸等を含む)、置換連結されたポリペプチド、および当該分野 で公知の他の改変であり、天然に存在するものと天然に存在しないものとの両方 が含まれる。 指定された核酸配列に「由来する」ポリペプチドまたはアミノ酸配列は、配列 内にコードされたポリペプチドのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有するポ リペプチドまたはその一部分を意味する。この場合、一部分とは、少なくとも3 〜5のアミノ酸、より好適には少なくとも8〜10のアミノ酸、さらに好適には少 なくとも11〜15のアミノ酸からなるか、あるいは、配列内にコード化されたポリ ペプチドを用いて免疫学的に同定可能であるかである。この用語はまた、指定さ れた核酸配列から発現したポリペプチドをも含む。 タンパク質に特異的なモノクローナルまたはポリクローナル抗体を生産するた めに、このタンパク質が用いられ得る。これらの抗体を生産する方法は当該分野 で公知である。 「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞培養」および他のこの ような用語は、例えば、組換えベクターまたは他の導入DNA用の受容体として用 いられ得るまたは用いられてきた微生物、昆虫細胞、および哺乳類細胞を意味し 、形質転換された元の細胞の子孫を含む。自然の、偶発的な、または意図的な変 異に起因して、単一の親細胞の子孫が、形態あるいはゲノムまたは全DNA補足物 において必ずしも元の親と完全に同一ではあり得ないことが理解される。哺乳類 宿主細胞の例は、チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞およびサルの腎臓(CO S)細胞を含む。 特に、本明細書で用いられる「細胞株」は、インビトロ連続または延長された 増殖および分割が可能な細胞の集団を意味する。細胞株は単一の先祖細胞由来の クローン性集団であることが多い。さらに当該分野では、このようなクローン性 集団の保存または継代中に、核型に自発的または誘発された変化が起こり得るこ とが知られている。したがって、言及される細胞株由来の細胞は、祖先細胞また は培養と全く同一ではあり得ず、そして言及される細胞株はそのような様々な変 異体を含む。用語「細胞株」はまた、不死化細胞を含む。好適には、細胞株は非 ハイブリッド細胞株または2つの細胞のタイプによって生じるハイブリドーマを 含む。 本明細書で用いられる用語「微生物」は、細菌および菌類のような、原核生物 および真核生物の微生物種を含む。菌類には酵母菌および糸状菌類が含まれる。 本明細書で用いられる「形質転換」は、宿主細胞に外因性ポリヌクレオチドを 挿入することを意味する。挿入に用いられる方法にはいずれでもよく、例えば、 直接取り込み、形質導入、f交配、またはエレクトロポーレーションである。外 因性ポリヌクレオチドは、非組み込みベクター、例えばプラスミドとして維持さ れ得るか、あるいは、宿主ゲノム中に組み込まれ得る。 「ゲノム」は、ベクター中にクローン化された制限フラグメント由来のDNA分 子の集合またはライブラリーを意味する。これは、生物体の遺伝物質のすべてま たは一部分を含み得る。 「cDNA」は、mRNAの相補鎖にハイブリダイズするmRNA配列の相補配列を意味す る。 「精製された」および「単離された」は、ポリペプチドまたはヌクレオチド配 列に関する場合は、示された分子が、同一タイプの他の生物学的高分子が実質的 に存在しない状態であることを意味する。本明細書で用いられる用語「精製され た」は、同一タイプの生物学的高分子が、好適には少なくとも75重量%、より好 適には少なくとも85重量%、さらにより好適には少なくとも95重量%、そして最 も好適には少なくとも98重量%存在することを意味する(しかし、水、緩衝剤、 および他の小さな分子、特に1000未満の分子量を有する分子は存在し得る)。 発現系 一旦、適切なコード配列が単離されると、種々の異なる発現系(例えば、哺乳 動物細胞、バキュロウィルス、細菌、および酵母を用いて使用される発現系)に おいて発現され得る。 i.哺乳動物系 哺乳動物発現系は、当該技術分野で公知である。哺乳動物プロモーターは、哺 乳動物RNAポリメラーゼを連結し得、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子) のmRNAへの下流(3')転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは 転写開始領域(通常、コード配列の5'末端の近傍に配置される)、およびTATAボ ックス(通常、転写開始部位の25〜30塩基対(bp)上流に位置する)を有し得る 。TATAボックスは、RNAポリメラーゼIIに作用して正しい部位でRNA合成を開始す ると考えられている。哺乳動物プロモーターはまた、上流のプロモーターエレメ ント(通常、TATAボックスの上流100〜200bp以内に位置する)を含有する。上流 プロモーターエレメントは転写を開始する速度を決定し、そしてどちらかの方向 で作用し得る[Sambrookら、(1989)「哺乳動物細胞におけるクローン化遺伝子の 発現」Molecular Cloning :A Laboratory Manual、第2版]。 哺乳動物ウィルス遺伝子は、しばしば高発現し、そして広範な宿主範囲を有す る;従って、哺乳動物ウィルス遺伝子をコードする配列は、有用なプロモーター 配列を特に提供する。例えば、SV40初期プロモーター、マウス乳腫瘍ウィルスLT Rプロモーター、アデノウィルス主要後期プロモーター(AdMLP)、および単純ヘ ルペスウィルスプロモーターが挙げられる。さらに、非ウィルス性遺伝子(例え ば、マウスメタロチオネイン(metallotheionein)遺伝子)由来の配列もまた、有 用なプロモーター配列を提供する。発現は、プロモーターに依存して、構成的で あり得るか、または調節され得る(誘導性)かのいずれかである。ホルモン応答 性細胞において発現はグルココルチコイドを用いて誘導され得る。 増強エレメント(エンハンサー)の存在は、上記のプロモーターエレメントと 組み合わせて、通常発現レベルを増加する。エンハンサーは、同種または異種プ ロモーターに連結した場合、正常なRNA開始部位での合成開始を伴って、転写を1 000倍まで刺激し得る調節DNA配列である。エンハンサーはまた、正常な方向また はフリップされた(flipped)方向のいずれかで転写開始部位から上流または下流 に置かれるか、またはプロモーターから1000ヌクレオチドより遠離に置かれる場 合、活性である[Maniatisら(1987)Science 236:1237;Albertsら(1987)Molecu lar Biology of the Cell 、第2版]。ウィルス由来の増強エレメントは特に有 用である。なぜなら、ウィルス由来の増強エレメントは、通常、より広範な宿主 範囲を有するからである。例えば、SV40初期遺伝子エンハンサー[Dijkemaら(19 85)EMBO J. :761]およびラウス肉腫ウィルスの長末端反復(LTR)由来のエン ハンサー/プロモーター[Gormanら、(1982b)Proc .Natl.Acad.Sci.79:67 77]およびヒトサイトメガロウィルス由来のエンハンサー/プロモーター[Bosh artら、(1985)Cell 41:521]が挙げられる。さらに、いくつかのエンハンサ ーは調節可能であり、そして誘導剤(例えば、ホルモンまたは金属イオン)の存 在下でのみ活性になる[Sassone-CorsiおよびBorelli(1986)Trends Genet. :215;Maniatisら、(1987)Science 236:1237]。 DNA分子は、哺乳動物細胞の細胞内に発現し得る。プロモーター配列は、DNA分 子と直接連結し得る。この場合、組換えタンパク質のN末端の最初のアミノ酸は 常にメチオニンであり、メチオニンはATG開始コドンによりコードされている。 所望であれば、N末端を、臭化シアンとともにインビトロでインキュベーション することによりタンパク質から切断し得る。 あるいは、外来タンパク質はまた、キメラDNA分子を作製することにより、細 胞から増殖培地中に分泌され得る。キメラDNA分子は、哺乳動物細胞において外 来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列のフラグメントを含有する融合タン パク質をコードする。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断 され得るリーダーフラグメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング 部位が存在する。リーダー配列フラグメントは、通常、細胞からタンパク質の分 泌を導く疎水性アミノ酸を含有するシグナルペプチドをコードする。アデノウィ ルスの3部分からなる(triparite)リーダー配列は、哺乳動物細胞における外来 タンパク質の分泌を提供するリーダー配列の一例である。 通常、哺乳動物細胞により認識される転写停止配列およびポリアデニル化配列 は、翻訳停止コドンに対して3'に位置する調節領域であり、従って、プロモータ ーエレメントとともに、コード配列と隣接する。成熟mRNAの3'末端は、部位特異 的な転写後の切断およびポリアデニル化により形成される[Birnstielら(1985)C ell 41 :349;ProudfootおよびWhitelaw(1988)「真核RNAの停止および 3'末端プ ロセシング」。Transcription and splicing(B.D.HamesおよびD.M.Glover編 );Proudfoot(1989)Trends Biochem .Sci.14:105]。これらの配列は、DNA によりコードされるポリペプチドへ翻訳され得るmRNAの転写を管理する。転写停 止/ポリアデニル化シグナルの例として、SV40由来のシグナルが挙げられる[Sa mbrookら(1989)「培養哺乳動物細胞におけるクローン化遺伝子の発現」Molecula r Cloning :A Laboratory Manual ]。 イントロン(介在配列とも呼ばれる)が存在する場合、いくつかの遺伝子は、 さらに効率よく発現され得る。しかし、いくつかのcDNAは、スプライシングシグ ナル(スプライスドナーおよびアクセプター部位とも呼ばれる)を欠損するベク ターから効率的に発現している[例えば、GothingおよびSambrook(1981)Natur e 293 :620を参照のこと]。イントロンは、スプライスドナーおよびアクセプタ ー部位を含有するコード配列内に介在する非コード配列である。一次転写物のポ リアデニル化の後、イントロンは、「スプライシング」と呼ばれるプロセスによ り除去される[Nevins(1983)Annu .Rev.Biochem.52:441;Green(1986)An nu .Rev.Genet.20 :671;Padgettら(1986)Annu .Rev.Biochem.55:1119; KrainerおよびManiatis(1988)「RNAスプライシング」Transcription and spli cing (B.D.HamesおよびD.M.Glover編)]。 通常、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、および転写停止配列を含有す る上記の成分は、発現構築物中に一緒に入れられる。エンハンサー、機能的なス プライスドナーおよびアクセプター部位を有するイントロン、およびリーダー配 列もまた、所望であれば、発現構築物中に含まれ得る。発現構築物は、宿主(例 えば、哺乳動物細胞または細菌)において安定に維持され得る染色体外のエレメ ント(例えば、プラスミド)のようなレプリコン中にしばしば維持される。哺乳 動物の複製系は、複製するためにトランス作用性因子を必要とする動物ウィルス 由来の複製系を含有する。例えば、SV40[Gluzman(1981)Cell 23:175]また はポリオーマウィルスのようなパポーバウィルスの複製系を含有するプラスミド は、適切なウィルス性T抗原の存在において著しく高いコピー数に複製する。哺 乳動物レプリコンの別の例は、ウシパピローマウィルスおよびエプスタイン−バ ールウィルス由来のレプリコンが挙げられる。さらに、レプリコンは2つの複製 系を有し得る。従って、そのようなレプリコンは、例えば、哺乳動物において発 現のために、そして原核生物宿主においてクローン化および増幅のために維持さ れ得る。このような哺乳動物−細菌シャトルベクターの例は、pMT2[Kaufmanら( 1989)Mol .Cell.Biol.9:946]およびpHEBO[Shimizuら(1986)Mol .Cell. Biol .6 :1074]が挙げられる。 使用する形質転換手順は、形質転換する宿主に依存する。異種のポリヌクレオ チドを哺乳動物細胞へ導入するための方法は、当該技術分野において公知であり 、そしてデキストラン介在性トランスフェクション、リン酸カルシウム沈澱、ポ リブレン介在性トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレー ション、リポソーム中でのポリヌクレオチドのカプセル化、および核へのDNAの 直接マイクロ注入が挙げられる。 発現用宿主として入手可能な哺乳動物細胞株は、当該技術分野において公知で あり、そしてアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から入手可能な 多くの不死化細胞株が挙げられ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeL a細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞 ガン腫細胞(例えば、Hep G2)、および多くの他の細胞株が挙げられるが、これ らには限定されない。 ii.バキュロウィルス系 タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、適切な昆虫発現ベクター中 に挿入され得、そしてこのベクター内の制御エレメントに作動可能に連結される 。ベクター構築は、当該技術分野で公知である技術を用いる。一般的に、発現系 の成分は、バキュロウィルスゲノムのフラグメント、および異種遺伝子または発 現させる遺伝子を挿入するための都合の良い制限部位の両方を含有するトランス ファーベクター(通常、細菌プラスミド);トランスファーベクターにおいてバ キュロウィルス特異的フラグメントに相同な配列を有する野生型バキュロウィル ス (これは異種遺伝子のバキュロウィルスゲノムへの相同組換えを可能にする); および適切な昆虫宿主細胞および増殖培地を含有する。 タンパク質をコードするDNA配列をトランスファーベクター中に挿入した後 、ベクターおよびウィルスゲノムを組換え可能にする昆虫宿主細胞中に、ベクタ ーおよび野生型ウィルスゲノムをトランスフェクトする。パッケージされれた組 換えウィルスを発現させ、そして組換えプラークを同定して精製する。バキュロ ウィルス/昆虫細胞発現系に対する材料および方法は、市販され、キット形態で inter alia、Invitrogen、San Diego CA(「MaxBac」キット)から入手可能であ る。これらの技術は、一般的に当業者に公知であり、SummersおよびSmith、Texa s Agricultural Experiment Station Bulletin 第1555号 (1987)(これ以降、「S ummersおよびSmith」)に十分に記載されている。 タンパク質をコードするDNA配列をバキュロウィルスゲノム中に挿入する前に 、上記の成分(プロモーター、リーダー(所望すれば)、目的のコード配列、お よび転写停止配列を含有する)を、通常、転移可能な(transplacement)中間構築 物(トランスファーベクター)中で組み立てる。この構築物は、単一の遺伝子お よび作動可能に連結した制御エレメントを含有し得る;複数の遺伝子で、それぞ れがその支配される作動可能に連結された制御エレメントの自分自身の組み合わ せを有する;または同じ組み合わせの制御エレメントにより制御される複数の遺 伝子を含み得る。転移可能な中間構築物は、しばしば、細菌のような宿主におい て安定な維持が可能な染色体外エレメント(例えば、プラスミド)のようなレプ リコン中に維持される。レプリコンは複製系を有し、従って、クローン化および 増幅のための適切な宿主において維持することが可能になる。 現在、最も一般的に使用される、外来遺伝子をAcNPVに導入するためのトラン スファーベクターは、pAc373である。当業者に公知である他の多くのベクターも また、設計されている。これらは、例えば、pVL985(これはポリヘドリン開始コ ドンがATGからATTに改変され、そしてBamHIクローン化部位がこのATTから32塩基 対下流に挿入されている;LuckowおよびSummers、Virology(1989)17:31を参 照のこと)を含む。 プラスミドはまた、通常、ポリヘドリンポリアデニル化シグナル(Millerら (1988)Ann .Rev.Microbiol.42:177)、およびE.coliにおける選択および増 殖のための原核生物のアンピシリン抵抗性(amp)遺伝子および複製起点を有す る。 バキュロウィルストランスファーベクターは、通常、バキュロウィルスプロモ ーターを含む。バキュロウィルスプロモーターは、バキュロウィルスRNAポリメ ラーゼを結合し得、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流方 向(5'から3')の転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、コ ード配列の5'末端の近傍に、通常、配置される転写開始領域を有する。この転写 開始領域は、通常RNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含む。バキュ ロウィルストランスファーベクターもまた、エンハンサーと呼ばれる第2のドメ インを有し得、エンハンサーは、存在すれば、通常、構造遺伝子の遠方にある。 発現は、調節的にされ得るか、または構成的であり得るかのいずれかである。 ウィルスの感染周期において、後期で多量に転写される構造遺伝子は、特に有 用なプロモーター配列を提供する。実施例は、ウィルスのポリヘドリンタンパク 質をコードする遺伝子由来の配列を含む、Friesenら、(1986)「バキュロウィ ルス遺伝子発現の調節」The Molecular Biology of Baculoviruses(Walter Doe rfler編;欧州特許公開第127 839号および第155 476号;およびp10タンパク質を コードする遺伝子、Vlakら、(1988)、J .Gen.Virol69:765。 適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌される昆虫タンパク質または分 泌されるバキュロウィルスタンパク質の遺伝子(例えば、バキュロウィルスのポ リヘドリン遺伝子)に由来し得る(Carbonellら(1988)Gene73:409)。あるい は、哺乳動物細胞の翻訳後修飾(例えば、シグナルペプチド切断、タンパク質分 解的切断、およびリン酸化)のためのシグナルは、昆虫細胞により認識されるよ うであり、そして分泌および核蓄積に必要なシグナルもまた、非脊椎動物細胞と 脊椎動物細胞との間で保存されているようであるので、ヒトα−インターフェロ ン(Maedaら、(1985)、Nature 315:592);ヒトガストリン放出ペプチド(Leba cq-Verheydenら、(1988)、Molec .Cell.Biol. :3129);ヒトIL-2(Smithら 、(1985)、Proc .Nat'l.Acad.Sci.USA82:8404);マウスIL-3(Miyajima ら、(1987)Gene 58:273)およびヒトグルコセレブロシダーゼ(Martinら、(1 988)DNA:99)をコードする遺伝子由来のリーダーのような非昆虫起源のリ ーダーもまた、昆虫における分泌を提供するために使用され得る。 組換えポリペプチドまたは組換えポリプロテインは細胞内で発現され得るが、 あるいは、適当な調節配列を用いて発現する場合、それは分泌され得る。非融合 の外来タンパク質の良好な細胞内発現は、通常、ATG開始シグナル前の適切な翻 訳開始シグナルを含有する短いリーダー配列を理想的に有する異種遺伝子を必要 とする。所望であれば、N末端でメチオニンを、臭化シアンとともにインビトロ でインキュベーションすることにより、成熟タンパク質から切断し得る。 あるいは、自然に分泌されない組換えポリプロテインまたは組換えタンパク質 は、昆虫において外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列フラグメントを 含む融合タンパク質をコードするキメラなDNA分子を作製することにより昆虫細 胞から分泌され得る。このリーダー配列フラグメントは、通常、タンパク質の小 胞体への移動を導く疎水性アミノ酸を含むシグナルペプチドをコードする。 タンパク質の発現産物前駆体をコードするDNA配列および/または遺伝子の挿 入後、昆虫細胞宿主を、トランスファーベクターの異種DNAおよび野生型バキュ ロウィルスのゲノムDNAとを用いて同時形質転換する−−通常、同時トランスフ ェクションによる。構築物のプロモーターおよび転写停止配列は、通常、バキュ ロウィルスゲノムの2〜5kbの区域を含む。バキュロウィルスにおいて所望の部 位に異種DNAを導入するための方法は、当該技術分野において公知である。(Sum mersおよびSmith 上記;Juら、(1987);Smithら、Mol .Cell.Biol.(1983): 2156;およびLuckowおよびSummers(1989)を参照のこと)。例えば、挿入は、相 同2重交差組換えによる、ポリヘドリン遺伝子のような遺伝子への挿入であり得 る;挿入はまた、所望のバキュロウィルス遺伝子への遺伝子操作された制限酵素 部位への挿入であり得る。Millarら、(1989)、Bioessays :91。DNA配列を発 現ベクター中のポリヘドリン遺伝子の代わりにクローン化した場合、そのDNA配 列は、ポリヘドリン特異的配列により5'と3'の両方に隣接し、そしてポリヘドリ ンプロモーターの下流に位置する。 新たに形成されたバキュロウィルス発現ベクターは、続いて、感染性組換えバ キュロウィルスにパッケージされる。相同組み換えが低頻度(約1%〜約5%の 間)で生じる;従って、同時トランスフェクション後に産生される大多数のウィ ルスは、依然として野生型ウィルスである。従って、組換えウィルスを同定する ための方法が必要である。発現系の利点は、組換えウィルスを識別し得る可視的 なスクリーニングである。天然ウィルスにより産生されるポリヘドリンタンパク 質は、ウィルス感染後、後期で感染細胞の核内において非常に高レベルで産生さ れる。蓄積したポリヘドリンタンパク質は、埋め込まれた粒子もまた含有する閉 塞体(occlusion body)を形成する。この閉塞体(15μmまでの大きさ)は、高い 屈折性があり、光学顕微鏡下で容易に視認できる明るく、輝いた外観を呈する。 組換えウィルスで感染させた細胞は閉塞体を有しない。組換えウィルスを野生型 ウィルスから識別するために、トランスフェクション上清が、当業者に公知の技 術により昆虫細胞の単層上でプラーク(plaque)される。すなわち、光学顕微鏡下 で、閉塞体の存在(野生型ウィルスを示す)または非存在(組換えウィルスを示 す)について、プラークをスクリーニングする。「Current Protocols in Micro biology」第2巻(Ausubelら編)の16.8(増刊10版、1990);SummersおよびSmi th、上記;Millerら(1989)。 組換えバキュロウィルス発現ベクターを開発して、いくつかの昆虫細胞に感染 させた。例えば、inter aliaAedes aegyptiAutographa californicaBomby x moriDrosophia melanogasterSpodoptera frugiperda、およびTrichoplusi a niに対して、組換えバキュロウィルスが開発されている(PCT出願番号 WO 89/ 046699;Carbonellら、(1985)J .Virol56:153;Wright(1986)Nature 321 :718;Smithら、(1983)Mol .Cell.Biol:2156;および一般的な参照と して、Fraserら、(1989)In Vitro Cell .Dev.Biol25:225)。 細胞および細胞培養培地は、バキュロウィルス/発現系で異種ポリペプチドの 直接発現および融合発現の両方について市販されている;細胞培養技術は、一般 的に当業者に公知である。例えば、SummersおよびSmith 上記を参照のこと。 次いで改変された昆虫細胞を適切な栄養物培地中で増殖させ得、この培地は、 改変された昆虫宿主中において存在するプラスミド(1つまたは複数)の安定な 維持を可能にする。発現産物遺伝子が誘導制御下にある場合、宿主は高密度に増 殖し得、発現を誘導し得る。あるいは、発現が構成的である場合、産物を培地中 に連続的に発現し、そして栄養物培地は、問題の産物を取り除き、そして減少し た栄養素を増加しながら、連続的に循環させなければならない。クロマトグラフ ィー(例えば、HPLC、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマト グラフィーなど);電気泳動;密度勾配遠心分離;溶媒抽出のような技術により 、産物を精製し得る。適切に、産物を、必要に応じてさらに精製して、培地中に 共に分泌される、または昆虫細胞の溶解による任意の昆虫のタンパク質を実質的 に除去し、宿主残骸(例えば、タンパク質、脂質および多糖類)が少なくとも実 質的に存在しない産物を提供する。 タンパク質発現を得るために、形質転換に由来する組換え宿主細胞を、組換え タンパク質をコードする配列の発現を可能にする条件下でインキュベートする。 これらの条件は、選択された宿主細胞に依存して変化し得る。しかし、この条件 は、当該技術分野において公知であることに基づき、当業者にとっては容易に確 立し得る。 iii.細菌系 細菌発現技術は、当該技術分野において公知である。細菌プロモーターは、細 菌RNAポリメラーゼと結合し得、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)をmRN Aへの下流(3'')転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、コ ーディング配列の5'末端の近傍に、通常、配置される転写開始領域を有する。こ の転写開始領域は通常、mRNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含有す る。細菌プロモーターはまた、オペレーターと呼ばれる第2のドメインを有し、 オペレーターは、RNA合成を開始する、隣接のRNAポリメラーゼ結合部位と重複し 得る。オペレーターは、負に調節される(誘導的)転写を可能にする。なぜなら 、遺伝子リプレッサータンパク質がオペレーターと結合し得、従って特定の遺伝 子の転写を阻害し得るからである。構成的発現が、負の調節エレメント(例えば 、オペレーター)の非存在下で生じ得る。さらに、正の調節が、遺伝子活性化タ ンパク質結合配列により達成され得る。この配列は、通常、存在するとすれば、 RNAポリメラーゼ結合配列に対する近傍(5')にある。遺伝子活性化タンパク質 の例として、カタボライト活性化タンパク質(CAP)があり、これは、大腸菌(E .c oli)においてlacオペロンの転写の開始を補助する[Raibaudら(1984)Annu .R ev.Genet. 18:173]。従って、調節された発現は、正または負のいずれかであ り得、それ故、転写を増強し得るか、または減少し得るかのいずれかである。 代謝経路の酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する 。例えば、ガラクトース、ラクトース(lac)[Changら(1977)Nature 198:10 56]、およびマルトースのような糖代謝酵素由来のプロモーターが挙げられる。 別の例として、トリプトファン(trp)ような生合成に由来するプロモーター配 列が挙げられる[Goeddelら(1980)Nuc .Acids Res. :4057;Yelvertonら( 1981)Nucl .Acids Res. :731;米国特許第4,738,921号;欧州特許公開第036 776号および同第121 775号]。g-ラクタマーゼ(bla)プロモーター系[Weissm ann(1981)「インターフェロンおよび他の誤り物(mistakes)のクローン化 Inte rferon (I.Gresser編)]、バクテリオファージλPLプロモーター系[Shima takeら(1981)Nature 292:128]およびT5プロモーター系[米国特許第4,689,4 06号]もまた、有用なプロモーター配列を提供する。 さらに、天然に存在しない合成プロモーターもまた、細菌プロモーターとして 機能する。例えば、ある細菌プロモーターまたはバクテリオファージのプロモー ターの転写活性化配列を、別の細菌プロモーターまたはバクテリオファージプロ モーターのオペロン配列と連結し得、合成ハイブリッドプロモーターを作製する [米国特許第4,551,433号]。例えば、tacプロモーターは、trpプロモーター配 列とlacオペロン配列の両方からなるハイブリッドtrp-lacプロモーターであり、 lacリプレッサーにより調節される[Amannら(1983)Gene 25:167;de Boerら( 1983)Proc .Natl.Acad.Sci. 80:21]。さらに、細菌プロモーターは、細菌RN Aポリメラーゼと結合する能力、および転写を開始する能力を有する非細菌起源 の天然に存在するプロモーターを含有し得る。非細菌起源の天然に存在するプロ モーターはまた、原核生物においていくつかの遺伝子の高レベルの発現を生成す るために、適合可能なRNAポリメラーゼと組み合わせ得る。バクテリオファージT 7 RNAポリメラーゼ/プロモーター系は、組み合わせたプロモーター系の一例で ある[Studierら(1986)J .Mol.Biol. 189:113;Taborら(1985)Proc .Natl .Acad.Sci. 82:1074]。さらに、ハイブリッドプロモーターはまた、バク テリオファージプロモーターおよびE.coliオペレーター領域からなり得る[欧州 特許公開第267 851号]。 プロモーター配列を機能することに加えて、効率的なリボゾーム結合部位もま た、原核生物で外来遺伝子を発現するために有用である。E.coliにおいて、リボ ソーム結合部位は、Shine-Dalgarno(SD)配列と呼ばれ、そして開始コドン(AT G)および開始コドンの3〜11ヌクレオチド上流に位置する3〜9ヌクレオチド の長さの配列を含む[Shineら(1975)Nature 254:34]。SD配列は、SD配列とE .coliの16S rRNAの3'末端との間の塩基対形成によりmRNAのリボゾームへの結合 を促進すると考えられている[Steitzら(1979)「メッセンジャーRNAにおける 遺伝子シグナルおよびヌクレオチド配列」Biological Regulation and Developm ent: Gene Expression (R.F.Goldberger編)]。真核生物の遺伝子および原核 生物の遺伝子を弱いリボゾーム結合部位で発現させること[Sambrookら(1989) 「大腸菌におけるクローン化遺伝子の発現」Molecular Cloning :A Laboratory Manual ]。 DNA分子は細胞内で発現し得る。プロモーター配列はDNA分子と直接結合し得る 。この場合、N末端での最初のアミノ酸は、常に、メチオニンであり、このメチ オニンはATG開始コドンによりコードされている。所望であれば、このN末端で のメチオニンは、臭化シアンを用いるインビトロインキュベーションにより、ま たは細菌のメチオニンN−末端ペプチダーゼ(欧州特許公開第219 237号)を用 いるインビボインキュベーションまたはインビトロインキュベーションのいずれ かにより、タンパク質から切断され得る。 融合タンパク質は直接発現の代替を提供する。通常、内在性の細菌タンパク質 、または他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列を、異種コー ド配列の5'端に融合する。発現に際して、この構築物は2つのアミノ酸配列の融 合体を提供する。例えば、バクテリオファージλ細胞遺伝子を、外来遺伝子の5' 末端に連結し、細菌において発現させ得る。得られる融合タンパク質は、好まし くは、プロセシング酵素(ファクターXa)に対する部位を有し、そしてバクテリ オファージタンパク質を外来遺伝子から切断する[Nagaiら(1984)Nature 309 :810]。融合タンパク質はまた、lacZ[Jiaら(1987)Gene 60:197]遺伝子、 trp E[Allenら(1987)J.Biotechnol.5:93;Makoffら(1989)J .Gen.Microbi ol. 135:11]遺伝子、およびChey[欧州特許公開第324 647号]遺伝子由来の配 列から作製し得る。2つのアミノ酸配列の接合部でのDNA配列は、切断部位をコ ードし得るか、またはコードし得ない。別の例として、ユビキチン融合タンパク 質がある。このような融合タンパク質を、融合タンパク質からユビキチンを切断 するためにプロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテア ーゼ)に対する部位を、好ましくは有するユビキチン領域を用いて作製する。こ の方法により、天然の外来タンパク質を単離し得る[Millerら(1989)Bio/Tech nology :698]。 あるいは、外来タンパク質はまた、細菌において外来タンパク質の分泌を提供 するシグナルペプチド配列フラグメントを含む融合タンパク質をコードするキメ ラDNA分子を作製することにより、細胞から分泌され得る[米国特許第4,336,336 号]。シグナル配列フラグメントは通常、細胞からタンパク質の分泌を導く疎水 性アミノ酸を含有するシグナルペプチドをコードする。タンパク質は、増殖培地 中にに分泌される(グラム陽性細菌)か、または細胞の内膜と外膜との間に位置 するペリプラズマ空間中に分泌される(グラム陰性細菌)かのいずれかである。 好ましくは、プロセシング部位が存在する。これにより、シグナルペプチドフラ グメントと異種遺伝子との間でインビボまたはインビトロのいずれかで切断され 得る。 最適なシグナル配列をコードするDNAは、E.coliの外膜タンパク質遺伝子(omp A)[Masuiら(1983)Experimental Manipulation of Gene Expression;Ghraye bら(1984)EMBO J. :2437]およびE.coliのアルカリホスファターゼシグナ ル配列(phoA)[Okaら(1985)Proc .Natl.Acad.Sci. 82:7212]のような分 泌される細菌タンパク質の遺伝子に由来し得る。別の例として、種々のBacillus 菌株由来のα−アミラーゼ遺伝子のシグナル配列もまた使用し得、B.subtillis からの異種タンパク質を分泌し得る[Palvaら(1982)Proc .Natl.Acad.Sci U SA 79:5582;欧州特許公開第244 042号]。 通常、細菌により認識される転写停止配列は、翻訳停止コドンに対して3'に位 置する調節領域であり、従ってプロモーター配列とともにコード配列に隣接する 。 これらの配列は、DNAによりコードされるポリペプチドへ翻訳し得るmRNAの転写 を導く。転写停止配列は、しばしば、転写の停止を補助するステムループ構造を 形成し得る約50ヌクレオチドのDNA配列を含有する。例えば、E.coliのtrp遺伝子 ならびに他の生合成遺伝子のような強力なプロモーターを有する遺伝子由来の転 写停止配列が挙げられる。 通常、上記の成分(プロモーター、(所望であれば)シグナル配列、目的のコー ド配列、および転写終止配列を含む)は、発現構築物に組み立てられる。発現構 築物は、しばしば、レプリコン、例えば、宿主(例えば、細菌)中で安定に維持し 得る染色体外エレメント(例えば、プラスミド)中で維持される。このレプリコン は複製系を有し、従って、これが、発現、またはクローン化および増幅のいずれ かのために、原核生物宿主中で維持されることが可能になる。さらに、レプリコ ンは、高コピー数プラスミドまたは低コピー数プラスミドのいずれかであり得る 。高コピー数プラスミドは、一般に、約5〜約200、通常は、約10〜約150の範囲 のコピー数を有する。高コピー数プラスミドを有する宿主は、好ましくは少なく とも約10、より好ましくは少なくとも約20のプラスミドを含む。高コピー数ベク ターまたは低コピー数ベクターのいずれかを、このベクターおよび外来タンパク 質の宿主に対する効果に依存して選択し得る。 あるいは、発現構築物は、組み込みベクターを用いて、細菌ゲノム中に組み込 まれ得る。組み込みベクターは、通常、このベクターの組み込みを可能にする、 細菌の染色体に相同な少なくとも1つの配列を有する。組み込みは、ベクターと 細菌染色体との相同DNA間の組換えの結果であるように見える。例えば、種々の 桿菌(Bacillus)株由来DNAを用いて構築された組み込みベクターは、桿菌の染色 体に組み込まれる(欧州特許公開第127,328号)。組み込みベクターはまた、バク テリオファージまたはトランスポゾン配列を含み得る。 通常、染色体外および組み込み発現構築物は選択マーカーを有し、形質転換さ れた細菌株の選択を可能にし得る。選択マーカーは細菌宿主中で発現し得、そし て細菌を薬物(例えば、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシ ン、カナマイシン(ネオマイシン)、およびテトラサイクリン)に対して耐性にす る遺伝子を含み得る[Daviesら(1978)Annu .Rev.Microbiol. 32: 469]。選択マ ーカーはまた、生合成遺伝子、例えば、ヒスチジン、トリプトファン、およびロ イシン生合成経路における生合成遺伝子を包含する。 あるいは、いくつかの上記成分は、形質転換ベクターに組み立てられ得る。形 質転換ベクターは、通常、上記のように、レプリコン中に維持されるか、または 組み込みベクター中に展開されるかのいずれかである選択マーカーを含む。 発現および形質転換ベクター(染色体外レプリコンまたは組み込みベクターの いずれか)は、多くの細菌への形質転換のために開発されてきた。例えば、発現 ベクターは、とりわけ、以下の細菌のために開発されてきた:Bacillus subtili s[Palvaら(1982)Proc .Natl.Acad.Sci.USA 79: 5582;欧州特許公開第036 25 9号および第063 953号;PCT公開第WO84/04541号]、Escherichia coli[Shimatake ら(1981)Nature 292: 128;Amannら(1985)Gene 40: 183;Studierら(1986)J. Mo l .Biol189: 113;欧州特許公開第036 776号、第136 829号および第136 907号 ]、Streptococcus cremoris[Powellら(1988)Appl .Environ.Microbiol. 54: 65 5]、Streptococcus lividans[Powellら(1988)Appl .Environ.Microbiol. 54: 6 55]、Streptomyces lividans[米国特許第4,745,056号]。 外因性DNAを細菌宿主中に導入する方法は、当該分野において周知であり、そ して通常、CaCl2で処理された細菌の形質転換または他の薬剤(例えば、二価カチ オンおよびDMSO)で処理された細菌の形質転換のいずれかを含む。DNAはまた、エ レクトロポレーションにより細菌細胞中に導入され得る。形質転換手順は、通常 、形質転換される細菌種により変化する。例えば、Bacillusについては、Masson ら(1989)FEMS Microbiol .Lett. 60: 273;Palvaら(1982)Proc .Natl.Acad.Sc i.USA 79: 5582;欧州特許公開第036 259号および第063 953号;PCT公開第WO84 /04541号を、Campylobacterについては、Millerら(1988)Proc .Natl.Acad.Sci . 85: 856;Wangら(1990)J .Bacteriol. 172: 949を、Escherichiaについては、 Cohenら(1973)Proc .Natl.Acad.Sci. 69: 2110;Dowerら(1988)Nucleic Acids Res. 16: 6127;Kushner(1978)「ColE1誘導プラスミドによるEscherichia coli の形質転換のための改良方法」Genetic Engineering: Proceedings of the Inte rnational Symposium on Genetic Engineering (H.W.BoyerおよびS.Nicosia編) ;Mandelら(1970)J .Mol.Biol. 53: 159;Taketo(1988)Biochim .Biophys. Acta 949: 318を、LactobacillusについてChassyら(1987)FEMS Microbiol .Let t. 44: 173を、Pseudomonasについては、Fiedlerら(1988)Anal .Biochem. 170: 38を、Staphylococcusについては、Augustinら(1990)FEMS Microbiol .Lett. 66 : 203を、Streptococcusについては、Baranyら(1980)J .Bacteriol. 144: 698; Harlander(1987)「エレクトロポレーションによるStreptococcus lactisの形質 転換」Streptococcal Genetics(J.FerrettiおよびR.Curtiss III編);Perryら (1981)Infec .Immun. 32: 1295;Powellら(1988)Appl .Environ.Microbiol. 54 : 655;Somkutiら(1987)Proc .4th Evr.Cong.Biotechnology 1: 412を参照。 iv.酵母発現 酵母発現系もまた当業者に公知である。酵母プロモーターは、酵母RNAポリメ ラーゼと結合し、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流(3')転 写を開始し得る、任意のDNA配列である。プロモーターは、コード配列の5'末端 部の近位に通常置かれる転写開始領域を有する。この転写開始領域は、通常、RN Aポリメラーゼ結合部位(「TATAボックス」)および転写開始部位を含む。酵母プロ モーターはまた、上流活性配列(UAS)と呼ばれる第2のドメインを有し得る。こ れは、存在する場合、通常、構造遺伝子の遠位にある。UASは、調節された(誘導 可能な)発現を可能にする。構成性発現はUASの非存在下で生じる。調節された発 現は、陽性または陰性のいずれかであり得、このことによって転写を増強または 減弱させ得る。 酵母は活性な代謝経路を有する発酵生物であり、従って、代謝経路における酵 素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例として、ア ルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(欧州特許公開第284 044号)、エノラーゼ、グル コキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、グリセルアルデヒト-3-リン 酸デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナー ゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、およびピルビン酸キナーゼ(PyK)(欧州特 許公開第329 203号)が挙げられる。酵母PHO5遺伝子(酸性ホスファターゼをコー ドする)もまた有用なプロモーター配列を提供する[Myanoharaら(1983)Proc .Na tl .Acad.Sci.USA 80: 1]。 さらに、自然界には生じない合成プロモーターもまた、酵母プロモーターとし て機能する。例えば、ある酵母プロモーターのUAS配列は、別の酵母プロモータ ーの転写活性領域と結合されて、合成ハイブリッドプロモーターを作製し得る。 このようなハイブリッドプロモーターの例には、GAP転写活性領域に連結されたA DH調節配列(米国特許第4,876,197号および第4,880,734号)が含まれる。ハイブリ ッドプロモーターの他の例には、解糖酵素遺伝子(例えば、GAPまたはPyK)の転写 活性領域と組み合わされた、ADH2GAL4GAL10、またはPHO5のいずれかの遺伝 子の調節配列からなるプロモーター(欧州特許公開第164 556号)が含まれる。さ らに、酵母プロモーターは、酵母RNAポリメラーゼと結合し、そして転写を開始 する能力を有する、非酵母起源の、天然に生じるプロモーターを含み得る。この ようなプロモーターの例には、とりわけ、Cohenら(1980)Proc .Natl.Acad.Sci .USA 77: 1078;Henikoffら(1981)Nature 283: 835;Hollenbergら(1981)Curr .Topics Micorobiol.Immunol. 96: 119;Hollenbergら(1979)「酵母Saccharom yces cerevisiaeにおける細菌の抗生物質耐性遺伝子の発現」Plasmids of Medic al ,Environmental and Commercial Importance (K.N.TimmisおよびA.Puhler編 );Mercerau-Puigalonら(1980)Gene 11: 163;Panthierら(1980)Curr .Genet. 2 :109が含まれる。 DNA分子は酵母で細胞内に発現され得る。プロモーター配列はDNA分子と直接連 結され得る。この場合、組換えタンパク質のN末端の1番目のアミノ酸は、常に 、メチオニンであり、これはATG開始コドンによってコードされる。所望の場合 、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベーションによっ て、このタンパク質から切断され得る。 融合タンパク質は、酵母発現系、ならびに哺乳動物、バキュロウイルス、およ び細菌の発現系の代替物を提供する。通常、外因性酵母タンパク質または他の安 定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列は、異種性のコード配列の5' 末端部に融合される。発現の際に、この構築物は、この2つのアミノ酸配列の融 合物を提供する。例えば、酵母またはヒトのスーパーオキシドジスムターゼ(SOD )遺伝子は、外来遺伝子の5'末端で連結され得、そして酵母において発現し得る 。 この2つのアミノ酸配列の接合部のDNA配列は、切断可能部位をコードし得るか 、またはコードし得ない。例えば、欧州特許公開第196 056号を参照。別の例は ユビキチン融合タンパク質である。この融合タンパク質はユビキチン領域を用い て作製される。ユビキチン領域は、好ましくは、ユビキチンを外来タンパク質か ら切断するプロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテア ーゼ)のための部位を保持する。従って、この方法により、ネイティブな外来タ ンパク質が単離され得る(例えば、PCT公開第WO88/024066号を参照)。 あるいは、外来タンパク質はまた、キメラDNA分子を作製することによって、 細胞から成長培地に分泌され得る。このキメラDNA分子は、酵母における外来タ ンパク質の分泌を提供するリーダー配列フラグメントを含む融合タンパク質をコ ードする。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断され得る、 リーダーフラグメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部位が存 在する。リーダー配列フラグメントは、通常、シグナルペプチドをコードする。 このシグナルペプチドは、細胞からのタンパク質の分泌を導く疎水性アミノ酸を 含む。 適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌される酵母タンパク質の遺伝子 、例えば、酵母インベルターゼ遺伝子(欧州特許公開第012 837号;特開昭62-960 86号公報)およびAファクター遺伝子(米国特許第4,588,684号)に由来し得る。あ るいは、非酵母起源のリーダー、例えば、インターフェロンリーダーが存在する 。これもまた、酵母における分泌を提供する(欧州特許公開第060 057号)。 好ましいクラスの分泌リーダーは、酵母αファクター遺伝子のフラグメントを 使用する分泌リーダーである。このフラグメントは、「pre」シグナル配列およ び「pro」領域を両方とも含む。使用され得るタイプのαファクターフラグメン トは、完全長pre-pro αファクターリーダー(約83アミノ酸残基)および切型αフ ァクターリーダー(通常、約25〜約50のアミノ酸残基)を含む(米国特許第4,546,0 83号および第4,870,008号;欧州特許公開第324 274号)。分泌を提供する、αフ ァクターリーダーフラグメントを使用する別のリーダーには、第1の酵母のプレ 配列および第2の酵母αファクター由来のpro領域で作製されるハイブリッドα ファクターリーダーが含まれる(例えば、PCT公開第WO89/02463号を参照)。 通常、酵母により認識される転写終止配列は、翻訳停止コドンの3'側に位置す る調節領域であり、従って、プロモーターと共にコード配列に隣接する。これら の配列は、DNAによってコードされるポリペプチドに翻訳され得るmRNAの転写を 導く。転写終止配列および他の酵母認識終止配列の例は、例えば、解糖酵素をコ ードするものである。 通常、上記の成分(プロモーター、(所望であれば)リーダー、目的のコード配 列、および転写終止配列を含む)は、発現構築物に組み立てられる。発現構築物 は、しばしば、レプリコン、例えば、宿主(例えば、酵母または細菌)中で安定に 維持し得る染色体外エレメント(例えば、プラスミド)中で維持される。このレプ リコンは2つの複製系を有し、従って、これが、例えば、酵母において発現のた め、および原核生物においてクローン化および増幅のために、維持されることが 可能になる。このような酵母−細菌シャトルベクターの例には、YEp24[Botstein ら(1979)Gene 8: 17-24]、pCl/1[Brakeら(1984)Proc .Natl.Acad.Sci.USA 81 : 4642-4646]、およびYRp17[Stinchcombら(1982)J .Mol.Biol. 158: 157]が含 まれる。さらに、レプリコンは、高コピー数プラスミドまたは低コピー数プラス ミドのいずれかであり得る。高コピー数プラスミドは、一般に、約5〜約200、 通常は、約10〜約150の範囲のコピー数を有する。高コピー数プラスミドを有す る宿主は、好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約20(のプラ スミド)を含む。高コピー数ベクターまたは低コピー数ベクターのいずれか(ente r)を、このベクターおよび外来タンパク質の宿主に対する効果に依存して選択し 得る。例えば、Brakeら、前記を参照。 あるいは、発現構築物は、組み込みベクターを用いて、酵母ゲノム中に組み込 まれ得る。組み込みベクターは、通常、このベクターの組み込みを可能にする、 酵母の染色体に相同な少なくとも1つの配列を有し、そして好ましくは、発現構 築物に隣接する2つの相同な配列を有する。組み込みは、ベクターと酵母染色体 との相同DNA間の組換えの結果であるように見える[Orr-Weaverら(1983)Methods in Enzymol. 101: 228-245]。組み込みベクターは、このベクターの含有物(incl usion)に対して適切な相同配列を選択することによって、酵母中の特定の座(loc us)に方向づけられ得る。Orr-Weaverら、前記を参照。1またはそれ以上の発現 構築物が組み込まれ、おそらくは、産生される組換えタンパク質のレベルに影響 を与え得る[Rineら(1983)Proc .Natl.Acad.Sci.USA 80: 6750]。このベクタ ーに含まれる染色体配列は、ベクターの単一セグメント(これは、ベクター全体 の組み込みを生じさせる)、または染色体の近接セグメントに相同でかつベクタ ーの発現構築物に隣接する2つのセグメント(これは、発現構築物のみの安定な 組み込みを生じさせ得る)のいずれかとして存在し得る。 通常、染色体外および組み込み発現構築物は選択マーカーを有して、形質転換 された酵母株の選択を可能にし得る。選択マーカーは、酵母宿主中で発現し得る 生合成遺伝子、例えば、ADE2HIS4LEU2TRP1、およびALG7、ならびに、G418 耐性遺伝子(これらは、酵母細胞において、それぞれツニカマイシンおよびG418 に対する耐性を与える)を包含する。さらに、適切な選択マーカーはまた、酵母 に、金属のような毒性化合物の存在下で生育する能力を提供し得る。例えば、CU P1 の存在により、酵母は、銅イオンの存在下での生育が可能になる[Buttら(1987 )Microbiol .Rev. 51: 351]。 あるいは、いくつかの上記成分は、形質転換ベクターに組み立てられ得る。形 質転換ベクターは、通常、上記のように、レプリコン中に維持されるか、または 組み込みベクター中に展開されるかのいずれかである選択マーカーを含む。 発現および形質転換ベクター(染色体外レプリコンまたは組み込みベクターの いずれか)は、多くの酵母への形質転換のために開発されてきた。例えば、発現 ベクターは、とりわけ、以下の酵母のために開発されてきた:Candida albicans [Kurtzら(1986)Mol .Cell.Biol. 6: 142]、Candida maltosa[Kunzeら(1985)J. Basic Microbiol. 25: 141]、Hansenula polymorpha[Gleesonら(1986)J .Gen. M icrobiol. 132: 3459;Roggenkampら(1986)Mol .Gen.Genet. 202: 302]、Kluyv eromyces fragilis[Dasら(1984)J .Bacteriol. 158: 1165]、Kluyveromyces lac tis[De Louvencourtら(1983)J .Bacteriol. 154: 737;Van den Bergら(1990)Bi o/Technology 8: 135]、Pichia guillerimondii[Kunzeら(1985)J .Basic Microb iol. 25: 141]、Pichia pastoris[Creggら(1985)Mol .Cell.Biol. 5: 3376;米 国特許第4,837,148号および第4,929,555号]、Saccharomyces cerevisiae[Hinnen ら(1978)Proc .Natl.Acad.Sci.USA 75: 1929;Itoら(1983)J .Bac teriol. 153: 163]、Schizosaccharomyces pombe[BeachおよびNurse(1981)Natur e 300: 706]、およびYarrowia lipolytica[Davidowら(1985)Curr .Genet. 10: 3 80471;Gaillardinら(1985)Curr .Genet. 10: 49]。 外因性DNAを酵母宿主中に導入する方法は、当該分野において周知であり、そ して通常、アルカリ性カチオンで処理された、スフェロプラストの形質転換また はインタクトな酵母細胞の形質転換のいずれかを含む。形質転換手順は、通常、 形質転換される酵母種により変化する。例えば、Candidaについては、Kurtzら(1 986)Mol .Cell.Biol. 6: 142;Kunzeら(1985)J .Basic Microbiol. 25: 141を 、Hansenulaについては、Gleesonら(1986)J .Gen.Microbiol. 132: 3459;Rogg enkampら(1986)Mol .Gen.Genet. 202: 302を、Kluyveromycesについては、Das ら(1984)J .Bacteriol. 158: 1165;De Louvencourtら(1983)J .Bacteriol. 154 : 1165;Van den Bergら(1990)Bio/Technology 8: 135]を、Pichiaについては、 Creggら(1985)Mol .Cell.Biol. 5: 3376;Kunzeら(1985)J .Basic Microbiol. 25 : 141;米国特許第4,837,148号および第4,929,555号を、Saccharomycesについ ては、Hinnenら(1978)Proc .Natl.Acad.Sci.USA 75: 1929;Itoら(1983)J .B acteriol. 153: 163を、Schizosaccharomycesについては、BeachおよびNurse(19 81)Nature 300: 706を、およびYarrowiaについては、Davidowら(1985)Curr .Gen et. 10: 380471;Gaillardinら(1985)Curr .Genet. 10: 49を参照。核酸アッセイ DNAの正鎖またはその相補体、およびcDNAにハイブリダイズする、約8個また はそれ以上のヌクレオチドのポリヌクレオチドプローブが調製され得る。これら のポリヌクレオチドは、ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドの検出、単離 および/または標識のためのプローブとして、および/または標的化される配列の 転写および/または複製のためのプライマーとして働く。各プローブは、標的ヌ クレオチド配列に相補的なヌクレオチドを含むターゲッティングポリヌクレオチ ド配列を含む;この配列は、十分な長さおよび配列との相補性を有し、意図する 目的に十分な安定性を有する二重鎖を形成する。例えば、目的が、固定化による 標的配列を含む分析物の単離の場合、プローブは、十分な長さおよび標的化され る配列との相補性を有し、単離条件下で固体表面に分析物を固定化するに十分な 二重鎖安定性を与えるポリヌクレオチド領域を含む。また、例えば、ポリヌクレ オチドプローブが、標的化される配列の転写および/または複製のためのプライ マーとして働く予定である場合、プローブは、十分な長さおよび標的配列との相 補性を有し複製を可能にするポリヌクレオチド領域を含む。また、例えば、ポリ ヌクレオチドプローブが、標識プローブとして使用される予定の場合、またはマ ルチマーに結合する予定の場合、ターゲッティングポリヌクレオチド領域は、十 分な長さおよび相補性を有し、標識プローブおよび/またはマルチマーとの安定 なハイブリッド二重鎖構造を形成し、二重鎖の検出を可能にする。プローブは、 標的化される配列に相補的な、最小で約4個の連続するヌクレオチドを含み得る ;通常、このオリゴマーは、標的化される配列に相補的な、最小で約8個の連続 するヌクレオチドを含み、好ましくは、標的化される配列に相補的な、最小で約 14個の連続するヌクレオチド、を含む。 しかし、プローブは、標的化される配列と相補的な配列のみからなる必要はな い。それらは、追加的なヌクレオチド配列または他の部分を含み得る。例えば、 プローブがPCRによる配列の増幅のためのプライマーとして使用される予定の場 合、それらは、二重鎖において、増幅された配列のクローン化を容易にする制限 酵素部位を形成する配列を含み得る。また、例えば、プローブが、ハイブリダイ ゼーションアッセイにおける「捕捉プローブ」として使用される予定の場合、それ らは、上記のように、「結合パートナー」に結合する。このプローブの調製は、当 該分野において公知の手段により、例えば、切除、転写または化学合成を含む方 法によることを包含する。免疫診断アッセイ 抗原は、イムノアッセイにおいて使用されて抗体レベルを検出し得(あるいは 、逆に、抗体は、抗原レベルを検出するために使用され得る)、そして疾患との 相関が作成され得る。十分に規定された組換え抗原に基づくイムノアッセイが、 今日使用されている侵襲的診断法に代えるために開発され得る。生物学的サンプ ル (例えば、血液または血清サンプルを含む)内のタンパク質に対する抗体が検出さ れ得る。イムノアッセイの設計は多数のバリエーションがあり、そして種々のこ れらのものは、当該分野において公知である。イムノアッセイのプロトコルは、 例えば、競合、または直接反応、またはサンドイッチタイプアッセイに基づき得 る。プロトコルはまた、例えば、固体支持体を使用し得るか、あるいは免疫沈降 により得る。ほとんどのアッセイは、標識された抗体またはポリペプチドの使用 を包含する;標識は、例えば、蛍光分子、化学発光分子、放射活性分子、または 染料分子であり得る。プローブからのシグナルを増幅するアッセイもまた公知で ある;この例には、ビオチンおよびアビジンを利用するアッセイ、および酵素標 識および仲介イムノアッセイ(例えば、ELISAアッセイ)がある。 免疫診断に適切でかつ適切な標識された試薬を含むキットは、適切な材料(本 発明の組成物を含む)を、適切な容器に、アッセイの実行に必要な残りの試薬お よび材料(例えば、適切な緩衝液、塩溶液など)および適切なアッセイ使用説明書 のセットとともに、パッケージすることによって構成される。 ワクチン ワクチンは、予防的(感染の予防)かまたは治療的(感染後の疾患の処置)かのい ずれかであり得る。 このようなワクチンは、1またはそれ以上の抗原を、通常は、「薬学的に受容 可能なキャリアー」と共に含む。薬学的に受容可能なキャリアーには、それ自身 が、この組成物を投与される個体に有害な抗体の産生を誘導しない任意のキャリ アーが含まれる。適切なキャリアーは、代表的には、大きく、ゆっくりと代謝さ れる高分子、例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマ ーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝集体(例えば、油滴またはリポソーム) 、および不活化ウイルス粒子である。このようなキャリアーは当業者に周知であ る。さらに、これらのキャリアーは免疫刺激剤(「アジュバント」)として機能し得 る。さらに、抗原は、細菌トキソイド、例えば、ジフテリア、破傷風、コレラ、H .pyrori などの病原体に由来するトキソイドに結合され得る。 この組成物の効果を増強するに好ましいアジュバントは、(1)アルミニウム塩 (alum)、例えば水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムな ど;(2)水中油滴型エマルジョン処方物(他の特定の免疫刺激剤、例えば、ムラ ミルペプチド(下記参照)または細菌細胞壁成分を含むかまたは含まない)、例え ば、(a)MF59(PCT公開第WO90/14837号)、マイクロフリューイダイザー(microflu idizer)、例えば、Model 110Yマイクロフリューイダイザー(Microfluidics,New ton,MA)を使用して、サブミクロン粒子中に処方した5%スクアレン、0.5%Twe en 80、および0.5%Span 85(必要に応じて、種々の量のMTP-PE(下記参照)を含む が、必要ではない)を含む、(b)SAF、サブミクロンエマルジョン中にマイクロフ リューイダイズ(microfluidize)されたかまたはボルテックスされより大きな粒 子サイズのエマルジョンを生成したかのいずれかの10%スクアレン、0.4%Tween 80、5%プルロニックブロック型ポリマー(pluronic-blocked polymer)L121、 およびthr-MDP(下記参照)を含む、および(c)RibiTMアジュバントシステム(RAS ;Ribi Immunochem,Hamilton,MT)、2%スクアレン、0.2%Tween 80、および 、モノリン脂質A(monophosphorylipid A:MPL)、トレハロースジミコール酸(TD M)、および細胞壁骨格(CWS)からなる群からの1またはそれ以上の細菌細胞壁成 分、好ましくは、MPL+CWS(DetoxTM)を含む;(3)サポニンアジュバント、例え ば、StimulonTM(Cambridge Bioscience,Worcester,MA)が使用され得、あるい はこれから作製された粒子、例えば、ISCOM(免疫刺激複合体);(4)完全フロイ ントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(5)サイト カイン、例えば、インターロイキン(IL-1、IL-2など)、マクロファージ−コロニ ー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)など;および(6)免疫刺激剤として作用 してこの組成物の効果を増強する他の物質を包含するが、これらに限定されない 。AlumおよびMF59が好ましい。 上記のように、ムラミルペプチドには、N-アセチル-ムラミル-L-スレオニル-D -イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソグル タミン(nor-MDP)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラ ニン-2-(1'-2'-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)- エチルアミン(MTP-PE)などが含まれるが、これらに限定されない。 免疫原性組成物(例えば、抗原、薬学的に受容可能なキャリアー、およびアジ ュバント)は、代表的には、希釈剤、例えば、水、生理食塩水、グリセロール、 エタノールなどを含む。さらに、補助物質、例えば、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝化 物質なども、このようなビヒクル中に存在し得る。 代表的には、免疫原性組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとして注射 剤として調製される;注射前の液体ビヒクルにおける溶液または懸濁液に適切な 固体形態もまた調製され得る。調製物はまた、薬学的に受容可能なキャリアーの 下で、上記のように、増強されたアジュバント効果のために乳化され得るかまた はリポソーム中にカプセル化され得る。 ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫学的に効果的な量の抗原性 ポリペプチド、および必要に応じて任意の他の上記成分を含む。「免疫学的に効 果的な量」とは、個体へのその量の投与(単回用量で、または一連投与の一部分 として)が、処置または予防に効果的であることを意味する。この量は、処置さ れる個体の健康状態および身体的状態、処置される個体の分類学上のグループ( 例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系の抗体を合成する能力、所 望する保護の程度、ワクチンの処方、処置医の医学的状況の評価、および他の関 連する因子に依存して変化する。この量は、ルーチンの試行により決定され得る 、比較的広い範囲であることが期待される。 免疫原性組成物は、従来通り、非経口的に、例えば、注射(皮下または筋肉内) により投与される。他の投与様式に適切な別の処方物は、経口処方物および肺処 方物、坐剤、および経皮外用剤を含む。投薬処置は、単回投与スケジュールまた は多回投与スケジュールであり得る。ワクチンは、他の免疫調節剤とともに投与 され得る。 図面の簡単な説明 図1Aは、25,000と40,000との間のMrおよび4と5との間のpI値(非線形pH勾配) を有するChlamydial EBタンパク質を示す銀染色したゲルの一部分を示す。EB。 矢印は、N末端アミノ酸配列決定のために溶出したスポットを示す。 図1Bは、pgp3特異的ウサギ血清で展開させた、左に示したマップ領域のイムノ ブロットの一部分を示す。 図2は、E.coli BL21(DE3)における発現に続くSDS-PAGEおよびr-pgp3の精製の 後のCoomassie Blue染色したゲルを示す。レーンA:サイズマーカー。レーンB 、C:Polymyxin B処理および遠心分離後のpgp3発現E.coli細胞のペレット(B) および上清(C)画分。レーンD、E:ピペラジンHCl緩衝液(pH5.4)に対する透析 および遠心分離後のペリプラズム画分(レーンCと同様)のペレット(D)および上 清(E)サンプル。レーンF:イオン交換クロマトグラフィー後にプールしたピー ク画分。 図3は、精製r-pgp3を用いたヒト血清のイムノブロット解析を示す。代表的な 陽性結果および陰性結果(AおよびC)を示す。E.coli粗抽出物を用いたイムノブ ロットも示す(BおよびD):これらは、E.coli抗原に対する反応性の変化するパ ターンを与え、患者の同定のために使用され、そして陰性サンプルに対する陽性 コントロールとして使用された。ブロットAおよびB:卵管炎を罹患し、そして C.trachomatisについてMIF陽性であった患者の血清。この血清のELISA応答は、 図4Cに示されている(中間の応答を有する曲線)。ブロットCおよびD:C.tracho matisについてMIF陰性であった健常な血液提供者の血清。この血清は、本研究に おいて、ELISA陰性コントロールとして使用された。 図4(i)は、本発明のプラスチック結合組換えpgp3タンパク質と種々のヒト血清 との間の反応を示すグラフである。血清C、Aおよび3は、卵管炎を有する女性 由来であった。血清Bは、単離物陽性のクラミジア尿道炎を有する男性由来であ り、そして血清13は、健常な血液提供者由来であった。 図4(ii)は、代表的な陽性および陰性のpgp3-ELISA結果を示す。OD読み取り値( 各点は、2連(duplicate)のサンプルの平均値である)の、血清の2倍希釈(1/100 から開始)に対する半対数プロット。A:10人の健常な血液提供者の血清。これ らは、3種すべての精製クラミジアEBを用いて陰性のMIF結果を与え、そしてイ ムノブロットにおいてr-pgp3と反応しなかった。上方の曲線(黒塗り四角)は、同 じマイクロタイタープレート上でアッセイされた陽性コントロール血清(イムノ ブロット陽性、MIF陽性)によって得られた。B:C.pneumoniae感染を有する患 者からの10の血清(MIF>512)。上方の曲線(白抜き四角)は、陽性コントロールで ある。これらの結果は、パネルAにおける健常な被験体で得られた結果に匹敵す る。C:検査した46の卵管炎患者の血清のうちの10から得られた陽性のpgp3-ELI SA結果;陽性および陰性コントロール血清が含まれる(それぞれ一番上の曲線お よび一番下の曲線)。D:検査した40人の男性尿道炎患者の血清のうちの7つか ら得られた、5つの陰性結果(OD<0.25を有する曲線)、および2つの陽性pgp3-E LISA結果(黒塗り菱形および三角)。陽性コントロール(黒塗り四角)および陰性コ ントロール(白抜き三角)も示される。 図5は、ヒト血清における抗pgp3 IgGの保持率(prevalence)および抗EB表面Ig G(MIF)の保持率との比較を示す。パネル上:40の男性尿道炎患者(NGU)血清のグ ループを用いて得られた結果。パネル中:46の卵管炎患者血清を用いて得られた 結果。便宜上、より一般的な用語PID(骨盤炎症性疾患の略号)を表において使用 した。パネル下:すべての結果の要約。10人のC.pneumoniae陽性血清からの結果 、50の健常な血液提供者血清からの結果、および生殖管感染の種々の症状を有す るまたは続発性の不妊症の女性からの24の血清のグループを用いて得られた結果 を含む。 実施態様の詳細な説明 本明細書中で示される実施例は、当業者に対するさらなるガイドとして提供さ れ、そしていかなる方法でも本発明を限定するものとして解釈されない。E.coli における組換えpgp3の産生 ORF3 DNA(参考文献3に従う、塩基対4054から塩基対5013までのpCTセグメント )は、鋳型として10ngのプラスミドpUC8-pCTD(3)、および各20pmolの以下のプラ イマーを使用してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(22)によって得た: Taq DNAポリメラーゼおよびGeneAmpキット(Perkin-Elmer)は、製造業者の推奨 に従って使用された。プライマーは、増幅されたDNAフラグメントを発現プラス ミドベクターpT7-7(29、30、35)の対応する部位において方向づける(orient)た めに、それらの5'末端部にNdeIおよびPstI制限部位を有する(上記配列の下の例 の特性)ように設計された。PCR産物は、Centriconカートリッジを使用して精製 され、NdeI/PstIエンドヌクレアーゼ(Boehringer)を用いて切断され、そしてpT7 -7に連結した。リガーゼ反応混合物を使用してE.coli株DH5(7)を形質転換した 。この株は、100μg/mlのアンピシリンを含有するLB寒天(23)上にプレートされ た。コロニーを、(32Pで末端部標識された(23))ORF3特異的合成オリゴヌクレオ チドを用いるハイブリダイゼーションによって、ORF3挿入物の存在についてスク リーニングした。次いで、陽性コロニー由来のDNAを使用して、E.coli BL21(DE3 )コンピテント細胞(29、30)を形質転換した。これを、まずアンピシリン−LB寒 天プレート(23)上で、次いで組換えタンパク質を発現する能力によって、選択し た。 陽性コロニー由来の細菌を、100μg/mlアンピシリンを含有する10mlのLB培地 で一晩増殖させた。一晩の培養物を、アンピシリンを含まない新鮮なLB培地で希 釈し(1:200)、そして37℃でO.D.590=0.6まで増殖させた。pT7-7/BL21(DE3)系に おける発現はIPTG誘導可能プロモーターの制御下にあるので、ORF3発現を、0.4m M IPTGを培地に添加し、さらに2.5時間激しく振盪させながらインキュベートす ることにより達成した。遠心分離により回収した細菌細胞を、1mg/mlのポリミ キシンBスルフェート(Sigma Chemicals)を含有する、最初の容積の1/20の25% スクロース、50mM Tris-HCl,pH8中に再懸濁し(18)、そして室温で2時間イン キュベートした。遠心分離(Eppendorf遠心分離器で10分間)後、ほとんどのr-pgp 3を、上清(ペリプラズム画分)中に見出した。細菌細胞の完全性を、細胞質βガ ラクトシダーゼ活性(14)がペレット中にすべて残っていることを確認することに よってチェックした。 r-pgp3を、Laemmli(12)に従って、12.5%ポリアクリルアミド、1%SDSゲル(S DS-PAGE)を用いるポリアクリルアミドゲル電気泳動によって検出した。ゲルを、 10%(v/v)酢酸、30%(v/v)メタノール中のクマシーブリリアントブルー(0.05%w /v)を用いて染色した。イムノブロット分析(31)を、pgp3特異的ウサギ血清を用 いて、記載(3)されるように実施した。ある発現コンピテントE.coliクローンを 、最終的に、さらなる研究のために選択した。このクローンに含まれる組換えpT 7-7構築物を、ジデオキシターミネーター法(25)およびSequenaseキット(US Bioc hemicals)を使用して、ORF3 DNA挿入物全体を配列決定することによりチェック し た。この挿入物は、ORF3について最初に記載された配列と同一であった。組換えpgp3の精製 粗製ペリプラズム画分を、上記のように、40mlまたは200mlの細菌培養物から 得、そして30mMピペラジン-HCl(pH5.4)に対して透析した。このことは、大量の タンパク質沈澱を引き起こしたが、r-pgp3は溶液中に残した。さらなる精製を、 同じピペラジン-HCl緩衝液中でのmono-Q充填済カラム(Pharmacia)によるイオン 交換クロマトグラフィーによって得た。選択的溶出を、NaCl濃度勾配0〜1Mを 用いて得た。FPLC装置(Pharmacia)を使用した。代表的なランにおいて、4mgの 総タンパク質を載せ、そして1mlの画分を回収し、そして上記のように、SDS-PA GE、続くクマシーブルー染色およびイムノブロット分析によって分析した。精製 pgp3を含むピーク画分をプールし、そして滅菌PBS(10mMリン酸ナトリウム(pH7.4 )、15mMNaCl)に対して透析した。pgp3の純度を、総タンパク質測定(Biorad Prot ein Assay)および、タンパク質スタンダード(増量の適定ウシ血清アルブミン溶 液)を共に用いるPAGE、続くクマシーブルー染色およびUltroscan XLデンシトメ ータ(LKB)を使用する光デンシトメトリー測定によって、>90%と推定した。EB タンパク質の2次元電気泳動分析 C.trachomatis L2/343/Buの基本小体(elementary body:EB)の大規模な調製物 を、記載された方法(1)に従って、ローリングボトル(rolling bottle)における Vero細胞培養物から得た。EBを、2サイクルの密度勾配遠心分離によって精製し (1)、そして後の電気泳動分析のために−20℃で保存した。 2次元ゲル電気泳動を、本質的には、Hochstrasserら(1988)およびHughesら(1 992)により記載されたように、イモビリン(immobiline)/ポリアクリルアミドシ ステムを使用して実施した。総EBタンパク質の約45μg(分析用ラン)または1mg( 分取用ラン)を各ランのために使用した。EBを、低速遠心分離によりペレット化 し、そして8M尿素、4%CHAPS(3-[(3コラミドプロピル)ジメチルアンモニウム] -1-プロパンスルホネート)、40mM Tris塩基、65mMジチオエリトリトール(DTE)お よび微量のブロモフェノールブルー中に再懸濁した。第1次元は、pH値3〜10の 範囲の非線形pH勾配を提供されたイモビリンストリップ(IPG strips、Pharmacia )で実行した。電圧を、最初の3時間の間に300Vから3500Vまで線形的に上昇させ 、次いで5000Vで22時間安定させた(合計の電圧×時間は110kVh)。電気泳動の後 、IPGストリップを、12分間6M尿素、30%グリセロール、2%SDS、0.05M Tris. HCl(pH6.8)、2%DTEに対して、続いて5分間同じ尿素/SDS/Tris緩衝溶液(しか し、2%DTEを2.5%ヨードアセトアミドに換えた)中で平衡化した。第2次元は 、9〜16%ポリアクリルアミド線形勾配ゲル(18cm×20cm×1.5mm)で、40mA/ゲル の定電流にて、染料の先端(front)がゲルの下端(bottom)に達するまで約5時間 実施した。分析ゲルを、記載(9、17)のように、アンモニア性硝酸銀(ammoniaca l silver nitrate)を用いて染色した。 pH勾配をカルバミル化クレアチンキナーゼ(CPKスタンダード、B.D.H.)モニタ ーし、そしてEBタンパク質の内部参照スポットに従って、非線形酸性末端部で修 正した。このスポットは、公知のクラミジアタンパク質に特異的なモノクローナ ル抗体(G.ChristiansenおよびS.Birkelundからの寄贈)を用いてイムノブロッ トすることによって同定された。ネイティブな28kDaクラミジア抗原のN末端配列決定 N末端1次構造決定のために、タンパク質スポットを、Matsudaira(1987)に従 って、ゲルからポリビニリデンジフルオライドメンブレン(BioRad PVDFメンブレ ン20×20cm、0.2ミクロン孔サイズ)に電気溶出した。ブロットを、50%メタノー ル水溶液中0.1%(w/v)のクマシーブリリアントブルーR250を用いて5分間染色し 、そして40%メタノール、10%酢酸中で脱染した。メンブレンを37℃で乾燥させ (24)、さらなる分析のために−20℃で保存した。主要なpgp3タンパク質スポット を含むメンブレン領域を5つの一致する(identical)ブロットから切り出し、そ してプールされた材料を、フェニルチオヒダントイン−アミノ酸分析機model 12 0Aおよびcontrol/Data Module model 900A(Applied Biosystems Inc.)とオンラ イン接続した自動Protein/Peptide Sequencer(mod 470; Applied Biosystems In c.)を使用してEdman分解にかけた。酵素結合イムノアッセイ 精製したpgp3抗原を使用して、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)テストを組 み立てた。200ngのタンパク質を、100μlのコーティング緩衝液(PBS(pH8.0)、0. 005% Tween 20、0.02% NaN3)中で、まず2時間37℃で、次いで一晩4℃で、Ma xisorpマイクロタイタープレート(NUNC)のプラスチックウェルに吸着させた。コ ーティング緩衝液での洗浄後、ウェルを200μlの2.7%ポリビニルピロリドンで 2時間飽和させ、そして再び洗浄した。100μlの血清サンプル(必要に応じて、 コーティング緩衝液に希釈)を個々のウェルに加え、そして2時間37℃でインキ ュベートした。洗浄を繰り返した後、結合した血清−抗体を、コーティング緩衝 液に1:5000に希釈した、アルカリホスファターゼで標識した抗ウサギまたは抗ヒ トIgG抗体(Cappel)と37℃で2時間インキュベーションすることによって検出し た。酵素活性の比色検出のために、ELISA SubstrateおよびBuffer(Sclavo Diagn ostics srl)を製造業者により推奨される通り使用した。通常1時間の発色後、M ultiscan MCCデンシトメータ(Titertek)を用いて光学密度を読み取った。ミクロ免疫蛍光法 C.trachomatis L2/434/Buおよび血清型D Go/86株、C.psittaci 6BCおよびA22 、およびC.pneumoniae IOL-207のスクロース勾配精製したEBを用いて、血清の2 倍希釈液を単一抗原ミクロ免疫蛍光法(MIF)(33)により力価測定した。UV顕微鏡( Zeiss)を用いる検出のために、フルオレセイン結合ウサギ抗ヒトIgG(Dako)を用 いた。抗C.trachomatis応答と抗C.pneumoniae応答とを識別する市販の入手可能 なキット(Immunocomb,PBS Orgenics,Israel)を用いて、C.trachomatisとC.pne umoniae抗体との間の可能な交差反応が疑われる血清を再アッセイした。この場 合、製造業者の推奨に従い、単希釈(1:200)読取りにより力価を推定した。臨床サンプル 卵管炎の疑いで腹腔鏡検査を受けた患者由来の血清を、Centre Hospitalo-Uni versitaire,University of Picardie,Amiens,Franceで採取した。他の血清を 、 に通う女性から得た。第3のグループの血清を、Biobanque de Picardie,Amien sのコレクションから選択した;これらは、健常な血清陰性の被験体由来の血清 、 血清を包含した。上記の全ての血清を、200マイクロリットル樹脂ストロー中に アリコートし、そしてBiobanque de Picardieで−80℃で保管した。健常血液ド ナーの血清およびSt Orsola Hospital,BolognaのSTD診察科に通う患者由来の男 性尿道炎血清は、Institute of Microbiology,Bologna University,Bologna, Italyにより採取された。男性尿道炎患者について、先に記載したように(19)、 淋菌感染の排除、および尿道綿棒からのC.trachomatisの単離(患者の50%におい て陽性)を行った。天然pgp3の同定 C.trachomatis L2/434/Buの微小体をVero細胞培養中で増殖させ、そして2サ イクルの密度勾配遠心分離により精製した。この調製物のアリコート(分析行程 および調製行程について、それぞれ45μgまたは1mgの総タンパク質)を、尿素/C HAPS/Tris/DTE溶液中に溶解し、そしてIPGイモビリンストリップでの電気泳動に より電荷-分画した。等電平衡に達した後、IPGストリップを新たな緩衝液で平衡 化し、緩衝化した2.5%ヨードアセトアミドで処理し、そしてサイズによるタン パク質分離のために、18×20cmポリアクリルアミドゲルに載せた。同一の条件下 で2つのゲルを調製した(最初の負荷は0.05mgの総EBタンパク質):第1のゲルは 銀染色し、そして第2のゲルはセルロースニトレート膜上にエレクトロブロッテ ィングし、そしてpgp3特異的ウサギ血清でプローブした。銀染色したゲルは、10 kDa〜150kDaおよびpI=3.5〜9の範囲に500より多くの異なるスポットのパター ンを示した。EBタンパク質マップのイムノブロット分析は、2つのスポットのみ が抗pgp3血清により認識されたことを示した:Mr=28,000およびpI=4.6に対応 する座標を有する大きなスポット、および同様のMrであるが、マップの酸性側に 移動した小さなスポットである(図1B)。この小さなスポットはさらに調査しな かった。しかし、大きなタンパク質種に加えて、同じ分子量、減少した強度、お よび増加した負の電荷を有する1以上のサテライトスポット(「電荷トレイン(ch arge trains)」)の存在は、2次元電気泳動マップにおいてしばしば観察される 典型的なパターンである。これらのパターンは、通常、対応する負に帯電した酸 性残基を生み出すAsn残基またはGln残基の進行性脱アミド化により示される。免 疫ブロットを銀染色ゲルと合わせることにより、免疫反応性28kDaタンパク質を マップ上で同定した(図1A)。 さらなる分析のためにこのタンパク質を精製するために、5mgの総EBタンパク 質を、5つの同一のゲルでの2次元電気泳動により分離し(1mgの総タンパク質/ ゲル)、そしてポリビニリデン膜上にエレクトロブロッティングした。次いで、 これらをクマシーブルーで軽く染色し、そして各ブロット上の大きな28kDaの免 疫反応性タンパク質スポットを銀染色タンパク質マップとのパターン比較により 位置決定し、そして注意深く切除した。6つのスポット由来のタンパク質をアミ ノ酸配列分析のためにプールした。このタンパク質の最初の10個のN末端残基は 、明確に以下の配列に同定され得た:Gly-Asn-Ser-Gly-Phe-Leu-Leu-Tyr-Asn。 この配列は、ORF3(2,3)から以前に推定された配列と同一であり、ORF3の最初の ATGコドンの翻訳から推定されるが、EBから精製されるタンパク質には存在しな い最初のMet残基は除く。E.coli におけるORF3の発現および組換えpgp3の精製 ORF3 DNAをプラスミドベクターpT7-7にクローン化し、そして培地へのIPTGの 添加により間接的に活性化され得るT7バクテリオファージプロモーターの制御 下で、E.coi BL21細胞中で発現させた。選択されたE.coli BL21クローン由来の 抽出物は、PAGE分析により、多量の組換えpgp3(r-pgp3)を産生することが示され た。ポリミキシンBを用いる細菌の制御された処理(参考文献18;図2:Bおよ びC)または浸透圧ショック(参考文献6;データは示さず)のいずれかにより得 られるペリプラズム画分中に大部分のr-pgp3が存在することもまた観察された。 ペリプラズム抽出物は、タンパク質の複雑さが減少しているため、ポリミキシン 処理したBL21細胞の遠心分離により得られる上清(図2C)を、さらなるr-pgp3精 製のための出発物質として使用した。予備試験は、モノ-Qカラム(Pharmacia)で のイオン交換クロマトグラフィーが効果的な精製手順であり得ることを示した。 mono-Qカラムに負荷する前に、細菌抽出物をpH5.4のピペラジン-HCl緩衝液に対 して透析した。透析の間にいくつかのタンパク質種が沈殿を形成し、これを遠心 分離により除去したが、r-pgp3は溶液中に残留した(図2:DおよびE)。透析し た抽出物のクロマトグラフィーを、同じpH5.4のピペラジン-HCl緩衝液中で行い 、そしてNaCl濃度勾配を用いて溶出した。PAGE、クマシーブルー染色およびホト デンシトメトリー(photodensitometry)により判定して、ほとんどのr-pgp3を、 主要ピークで90%を超える純度で回収した(図2F)。80kDa〜90kDa領域のいくつ かの小さなバンドをr-pgp3と同時精製した。ウエスタンブロットおよびELISAの データが、これらの混入物がヒト血清のアッセイにおけるなんらの検知し得るバ ックグランドを生み出さないことを示したため、さらなる精製を試みなかった。ELISA による抗pgp3抗体の特異的検出 最初に、精製r-pgp3を、そのNUNCマイクロタイタープレートのウェルへの結合 能力について試験した。PBS-0.05% Tween中での簡単なインキュベーションで十 分であることが見出された。最初に、39kDa融合タンパク質、または本明細書で 記載される28kDa r-pgp3のいずれかに対して惹起されるウサギ血清を用いて、ア ッセイを組み立てた。各ウェル中の種々の量(500ng〜50ng)の精製抗原を、抗pgp 3ウサギ血清に対して試験し、そして最終的に200ng/ウェルの量を標準アッセイ 条件として選択した。正常なヒト血清成分が抗pgp3抗体の検出を妨げ得るか否か を試験するために、MIFにより抗クラミジア抗体(IgG)の存在/非存在について、 および精製r-pgp3調製物を用いるイムノブロット分析により抗pgp3 IgGについて 、以前に分析された選択グループのヒト血清を用いてpgp3-ELISAを試験した。実験1 第1の実験において、21個のヒト血清のパネルを用いて臨床サンプルを用いる ELISA性能を試験した。全ての血清は、C.psittaciおよびC.pneumoniaeに対して 陰性のMIF応答を示した。精製L2-血清型EBを用いて、C.trachomatis抗体につい て試験すると、15個の血清はMIF陰性として記録され、そして6つは陽性であり 、 力価は1:32と1:256との間を包含した。これらの血清をまた、ウエスタンブ ロットで精製pgp3調製物と反応するその能力について試験した:全てのMIF陰性 血清は陰性の結果を示したが、MIF陽性血清は、種々の程度で28kDaバンドのみと 反応した。 血清の2倍連続希釈液を、2連のサンプルにして、pgp3-ELISAを用いて試験し た。30分後、1時間後および冷気(−20℃)中での一晩(O/N)保存後、OD読取りを 行った。全ての15個の陰性血清は一定して低いOD読取り値(0.1未満)を示したが 、6つの陽性血清は明らかにより高いOD読取り値を示した。この値はサンプル中 の血清濃度に比例して減少した。試験した限り、陽性血清の[OD対希釈]曲線は、 MIF力価と相関した。 200倍〜6800倍希釈での種々のヒト血清とプラスチック結合組換えpgp3タンパ ク質との反応の結果を、図4(i)にグラフで表す。 ODは2連のサンプルから得られた平均値である。血清のC.trachomatis MIF力 価(上段〜下段)は、1:256;1:128;1:128;1:132;0であった。血清C 、血清Aおよび血清3は卵管炎の女性由来であった;血清Bは、単離-陽性のク ラミジア性尿道炎の男性由来であった;血清13は健常な血液ドナー由来であった 。実験2 第2の実験において、64を超える力価でC.trachomatis EBに対するMIF陽性応 答(CT-MIF陽性)を示す10個のヒト血清、および50個の健常血液ドナーの血清、CT -MIF陰性血清のパネルを評価した。全てのCT-MIF陽性血清は、イムノブロットで r-pgp3バンドとのみ反応したが、全てのCT-MIF陰性血清はまた、pgp3についてイ ムノブロット陰性であった。次いで、これらの血清を、NUNCマイクロタイタープ レートに結合したr-pgp3に対するELISAにより評価した。各血清の2倍連続希釈 液を、3連のサンプルにして試験した。1時間の発色後にOD読取りを行った。す べてのMIFおよびイムノブロット陰性血清は一定して低いOD読取り値(0.1未満、 図4(ii)Aを参照のこと)を示したが、MIFおよびイムノブロット陽性血清は多様 であるが、しかし一定してより高いOD読取り値を示した(この値はサンプルにお ける血清希釈に比例して減少した)。文献に報告されるC.pneumoniaeに対する抗 体の高い保持率(prevalence)を考慮して、本発明者らはまた、pgp3-ELISAにより 、C.trachomatisについてMIF陰性であるが、C.pneumoniaeに対する抗体の高いMI F力価(512を超える)を有する、呼吸性の症状を有する患者由来の10個の血清グル ープを試験した。これらの血清は、健常な血液ドナーのコントロール血清を用い て得られるのと同様のpgp3-ELISA応答を示した(図4(ii)B)。pgp3とC.pneumoni ae感染に対する応答において生じる抗体との間の交差反応は起こりそうにないと 、本発明者らは結論する。患者血清のpgp3-ELISAスクリーニング C.trachomatis感染に対する免疫応答が生じたか、または生じつつある個体に おける抗pgp3抗体の保持率を評価するために、本発明者らは泌尿生殖管系炎症症 状の患者の3グループを研究した:腹腔鏡で確認した卵管炎の46名の女性患者; しばしばC.trachomatis感染に関連する種々の状態の24名の患者(生殖管下部炎症 、続発性不妊症);非淋菌性尿道炎(NGU)の男性の40名の患者である。 最初に、C.trachomatis、およびC.pneumoniaeの精製EBを用いるMIFにより分離 源(origin)の病院で熟練した職員によって全ての血清を評価した。pgp3-ELISA試 験後、MIFにより、40名の患者を再評価した。Biobanque研究所に入院している70 名の女性の血清もまた、市販の入手可能な確認試験で評価した。この確認試験は C.trachomatis応答とC.pneumoniae応答とを効率的に識別する(Orfilaら、未公表 結果)。 異なるクラミジア種における免疫優勢のEB表面成分(例えば、LPS)との交差反 応の可能性を考慮して(11)、C.trachomatis EBと陽性のMIF反応を示すが、C.pne umoniae EBに対してもまた同等またはそれより高い力価を有する血清を確認試験 により記録した:すなわち、Immunocomb試験によりC.pneumoniae抗体については 陽性であるが、C.trachomatisについては陰性であることが示されたこのグルー プの血清は、本研究において、偽陽性CT-MIF結果を示すと考えられた。 上記の全ての血清を、PBS中の6段階の2倍希釈液(1:100〜1:3,200)の2 連のセットでのpgp3-ELISAにより分析した。一般に、ほとんどの有益な(すなわ ち、サンプルと陰性コントロールとの間の最大の差異を示す)サンプル希釈は、 1:100〜1:400であった。片対数プロットの用量/応答曲線を用いて個々のサ ンプルを評価した。結果を、各実験において導入した陽性コントロール血清およ び陰性コントロール血清から得られた結果と比較した。本質的に、ELSA読取り値 が、いくつかの適合する希釈値について、陰性の対照血清の読取り値より一定し て高い場合、血清を抗pgp3陽性として記録した。陰性コントロールより一定して 2倍〜3倍低いOD値を生じる血清を陰性と見なした。 代表的な結果を表4(ii)Cおよび表4(ii)Dに示す。CT-MIFおよびpgp3-ELISA スコアの要約を図5および表Iに示す。 表1 ヒト血清の種々のグループにおけるpgp3-ELISA陽性結果の保持率。図5と同じく 、PIDは卵管炎患者をいう。CPn:Chlamydia pneumoniae。 pgp3特異的ELISAの利用可能性により、泌尿生殖器系の感染症状を有する患者 における体液性抗pgp3反応の保持率の評価が可能になった。合計130個のヒト血 清をpgp3-ELISAにより検査した:これら全てについて、クラミジア表面抗原に対 する体液性応答の存在または非存在をMIFにより評価した。検査した全ての血清 の81.5%について、MIFとpgp3-ELISAは、それぞれの抗原に対する陽性または陰 性の応答の検出において一致した(図5、最下段パネル)。 検査した110個のSTD患者の血清のうち、68個はCT-MIF陽性であって、42個はCT -MIF陰性であった;これらのうちで、第1のグループの81%、および第2のグル ープの26%はまたpgp3-ELISA陽性であった。これらの全体の結果は、C.trachoma tis表面抗原に対する免疫応答が生じつつあるほとんどの患者はまた、pgp3に対 する抗体を生じることを示す(p<0.0005)。 病理学的状態(NGUおよび卵管炎)が比較的良く定義されたSTD患者の2つのグル ープを評価する場合、その結果はいくつかの興味深い変動を示す。40名の男性NG U患者(陽性CT-MIF保持率は32.5%)は、全体で32.5%の抗pgp3保持率を示すが、 これはCT-MIF陽性のサブグループにおいては76.9%になる。CT-MIFおよび抗pgp3 ELISAは、85%の患者において、陽性または陰性の応答を示すことにおいて一致 する(20個の単離陽性サンプルについては75%、そして20個の単離陰性サンプル については95%)。NGUグループにおける抗pgp3抗体の存在とMIFの陽性度との間 の統計学的相関もまた有意である(p<0.0005)。これらの患者について、尿管綿 棒からの生存クラミジアの細胞培養単離もまた行った。そして、13名のELISA陽 性のNGU患者のうち、11名(84.6%)はまた培養陽性でもあった(p=0.007)が、27 名のELISA陰性患者のうち、9名(33.3%)は培養陽性であり、そして18名(66.6% )は培養陰性であったことに留意することは興味深い。46名の卵管炎患者のグル ープ(陽性CT-MIFの保持率は67.4%)は71.7%の抗pgp3抗体の保持率を示すが、こ れはCT-MIF陽性のサブグループにおいては80.6%になる。このグループの血清に ついて、陽性の応答または陰性の応答を示すことにおけるCT-MIFと抗pgp3 ELI SAとの間の一致は、残りの血清についてより低く(69.6%のサンプル)、そして抗 pgp3抗体の存在はMIFの陽性度と良く相関しなかった(p=0.115)。 42名のCT-MIF陰性STD患者の11名(26%)は、pgp3-ELISA試験について陽性であ った:これらのうち、8名(53.3%)は卵管炎グループに属し、そして3名(11.1 %)はNGUグループに属した。いくつかの場合、抗pgp3抗体に対する抗EB表面抗体 のレベルおよび持続性の差異により、このような抗体パターンを示し得る。ある いは、pgp3-ELISAが、クラミジア以外の微生物による感染または自己免疫のよう な他の病理学的状態により生じる抗体との交差反応を検出し得る。特異的な交差 反応により陽性のpgp3-ELISA結果を得る可能性を、より大きくそして良く定義さ れた集団でのさらなる研究において評価する必要がある;しかし、動物予備免疫 血清を用いて得られた結果(示さず)および60名のCT-MIF陰性ヒト血清(健常、ま たは非STD患者グループ)を用いて得られる結果は、正常な血清成分の非特異的結 合によるpgp3-ELISA偽陽性の結果は起こりそうにないことを示す。なぜなら、こ れらの血清はいずれも陽性応答を生じなかったからである。 対照的に、CT-MIF陽性であった68名のSTD患者血清のうち13個(19%)は、抗pgp 3 IgGの検出可能なレベルを示さなかった。このグループは、既に抗EB表面応答 を生じたが、まだpgp3に対する顕著な応答を生じない、最近初めて感染した患者 を含み得る。事実、正式な管理を受けたボランティア由来であり、そして最近の 感染後に確実に採取された2つの血清がこのグループに属する。別の可能性は、 クラミジア感染に対するその免疫応答のある特性のために、いくらかの患者は抗 pgp3応答を全く生じ得ないことである。 本明細書に示される血清学的検査の目的は、C.trachomatis関連疾患の患者の 血清がpgp3を認識することを示すことである;しかし、さらなる疫学的研究によ り、このような抗体パターンの頻度および重要性がより十分に評価され得る。ま た、クラミジア感染の確立された動物モデルを有用に用いて抗pgp3および抗EB表 面抗体の出現の相対的なタイミングを評価し得る。 クラミジア細胞におけるpgp3の機能と役割および生活環は依然として不明であ る;しかし、クラミジアにより誘導される疾患は、この感染に対する宿主の免疫 応答により大きく決定されると考えられるため、本明細書で報告されるデータは 、 pgp3は、泌尿生殖器系のクラミジア感染の病原性について潜在的に重要であるい くつかの分子の1つであることを示す。 本発明を例示としてのみ上記に記載し、そして本発明の思想および範囲内で変 更が可能であることはいうまでもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 G01N 33/569 H G01N 33/569 G01N 33/531 A // G01N 33/531 A61K 37/02 (C12N 15/09 C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.天然pgp3と同一の免疫学的特性を有する、Chlamydia trachomatis pgp3タン パク質、またはその誘導体。 2.前記免疫学的特性が抗原性を包含する、請求項1に記載のタンパク質誘導体 。 3.天然pgp3において存在する1つ以上の立体配座的エピトープを有する、Chla mydia trachomtis pgp3タンパク質、またはその誘導体またはフラグメント。 4.以下のプロセスを包含するプロセスにより得られ得るタンパク質: −前記請求項のいずれかに記載のタンパク質をコードするベクターで細菌細胞を 形質転換する工程; −該タンパク質を発現する条件下で該細胞の培養する工程; −得られた該細胞のペリプラズマ画分を単離する工程; −ピペラジン-HCl緩衝液、pH 5.4に対して該画分を透析する工程; −該透析溶液をイオン交換カラムにロードする工程; −該カラムをNaCL勾配で溶出する工程; −pgp3含有画分を集める工程; −生理学的緩衝溶液にpgp3を逆透析する工程。 5.必要に応じて、標識されるか、または固体支持体に結合される、前記請求項 のいずれかに記載の組換えタンパク質を、少なくとも1つの結合パートナーとし て含有する少なくとも1つの工程を包含する免疫診断アッセイ。 6.前記アッセイがELISAである、請求項5に記載の免疫診断アッセイ。 7.請求項1から4のいずれかに記載の少なくとも1つのタンパク質を含有する 、請求項5または6に記載のアッセイを実施するための免疫診断キット。 8.請求項1から4のいずれかに記載のタンパク質をコードするポリヌクレオチ ドを含有するベクター。 9.IPTG誘導性発現制御下で、任意のChlamydia trachomatisの血清変異体のORF 3D遺伝子を含有する、請求項8に記載のベクター。 10.請求項8または9に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。 11.前記の宿主細胞がE.coliである、請求項10に記載の宿主細胞。 12.請求項10または11に記載の宿主細胞を培養する工程、およびタンパク 質を単離する工程を包含する、請求項1から4のいずれかに記載のタンパク質の 生産のための方法。 13.前記単離が非変性条件下で1つ以上の精製工程を包含する、請求項12に 記載の方法。 14.前記単離がイオン交換クロマトグラフィーの工程を包含する、請求項12 または13に記載の方法。 15.前記単離がペリプラズマ抽出物を調製する工程を包含する、請求項12か ら14のいずれかに記載の方法。 16.請求項1または4のいずれかに記載のタンパク質および薬学的キャリアを 含有するワクチンまたは治療組成物。 17.Chlamydia trachomatisによる感染を予防するためか、またはこのような 感染を処置するために請求項16に記載の有効量のワクチンまたは治療組成物を 投与する工程を包含するヒトまたは動物体の処置方法。 18.Chlamydia trachomatis感染に対してワクチン注射するためか、またはこ のような感染を処置するための薬剤の製造において使用される、請求項1から4 のいずれかに記載の組換えタンパク質。
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