JPH10502333A - バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチド - Google Patents
バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチドInfo
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Abstract
(57)【要約】
バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチド(VIP)リポソーム生成物を哺乳動物の標的組織に投与する方法を提供する。このVIPはリポソーム上及び内に発現される。さらにコレステロール、ホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロールを含むVIPリポソーム産生物を調製する方法を提供する。
Description
【発明の詳細な説明】
バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチド発明の背景 1.発明の分野
本発明は、血管作動性腸管ポリペプチド(以後「VIP」)を標的組織に送達
する方法、リポソーム(liposome)上および中でVIPが発現されるVIPリポ
ソーム産物、および生物学的有効性が向上し副作用が低下したVIPリポソーム
産物の製造方法に関する。2.関連技術の背景
VIPは、28アミノ酸の神経ペプチドであり、広範囲の生物学的作用を示し
、多くのシグナル変換経路を活性化することが知られている。エス・アイ・セイ
ド(Said,S.I.)(1984)Peptides 5,(増刊1)149−150、お
よびエス・ボールとエム・エバジ(Paul,S.and Ebadi,M.)(1993)Neuroc hem.Int.
23,197−214を参照。
πらせんとしてのシファー−エドムナソン(Schiffer-Edmunason)投影は、ら
せんの反対側の面への非極性および極性残基の分離を明らかにし、この両親媒性
はまた、VIPをひずんだαらせんのモデルと考えた時も明らかである。これは
、ジー・エフ・ムッソ、エス・パッチ、ティー・シー・リスカンプ、エス・プロ
ボウ、イー・ティー・カイザーおよびジー・ベリセレビ(Musso,G.F.,Patthi
,S.,Ryskamp,T.C.,Provow,S.,Kaiser,E.T.and Velicelebi,G.)(19
88)Biochemistry 27,8174−8181に報告されている。VIP類似
体のらせん形成傾向と生物学的活性の間の相関は、エム・ボダンズキー、エー・
ボダンズキー、ワイ・エス・クラウスナーおよびエス・アイ・セイド(Bodanszky
,M .Bodanszky.A.,Klausner,Y.S.and Said,S.l.)(1974)Bioorgan. Chem .
3,133−140に記載されている。純水中ではVIPのスペクトル特
性は、ランダムコイル(random coil)に一致する。しかし有機溶媒と陰イオン性
脂質は、分子中でらせん情報を誘導する。アール・エム・ロビンソン、イー・ダ
ブリュー・ドラケニー・ジュニアおよびダブリュー・エル・マチス(Robinson,
R.M.,Dlakeney,Jr.,E.W.and Mattice,W.L.)(1982)Biopolymers
21,1217−1228;エム・エム・ハメド、アール・エム・ロビンソン、
およびダブリュー・エル・マチス(Hamed,M.M,Robinson,R.M.and Mattice,
W.L.)(1983)Biopolymers 22,1003−1021;およびエム・ボ
ダンズキー、エー・ボダンズキー、ワイ・エス・クラウスナーおよびエス・アイ
・セイド(Bodanszky,M.,Bodanszky,A.,Klausner,Y.S.and Said,S.I.)
(1974)Bioorganic .Chem.3,133−140を参照。
両親媒性らせんを形成することができる短いペプチドは、脂質二重層に結合し
浸透することが知られている。イー・ティー・カイザーおよびエフ・ジェイ・ケ
ジー(Kaiser,E.T.and Kezdy,F.J.)(1987)Annu .Rev.Biophys.Bio physical Chem.
15,561−581;およびエム・エス・ピー・サンソム(S
ancom,M.S.P.)(1991)Prog .Biophys.Molec.Biol.55,139−
235を参照。例としては、(L−K−K−L−L−K−L−)2のようなモデ
ルペプチド(ダブリュー・エフ・デグラドおよびジェイ・ディー・リア(DeGrad
o,W.F.and Lear,J.D.)(1985)J .Am.Chem.Soc.107,7684
−7689に開示されている)と26残基のハチ毒ペプチドであるメリチン(me
littin)(シー・ワタタおよびケー・グオズジンスキー(Watata,C.and Gwozdz
inski,K.)(1992)Chem-Biol .Interactions 82:135−149に開
示されている)がある。
可能な結合機序には、極性アミノ酸とリン脂質の頭の基との静電気的相互作用
に介在される二重層の表面と平行のペプチドの配向、および部分的に疎水性作用
により安定化される、非極性二重層核へのペプチド凝集物の挿入がある。エム・
エス・ピー・サンソム(Sansom,M.S.P.)(1991)Prog .Biophys.Molec.Bio l.
55,139−235を参照。
VIPは相同ペプチドのファミリーに属し、この仲間には、ペプチドヒスチン
イソロイシン(PHI)、ペプチドヒスチジンメチオニン(PHM)、成長ホル
モン放出因子(GRF)、下垂体アデニラーゼシクラーゼ活性化ペプチド(PA
CAP)、セクレチンおよびグルカゴンがある。相同ペプチドのファミリーの配
列は、以下の通りである。VIP配列の部分は、保存塩基性残基と同様に、下線
で示してある。
VIPと同様に、これらのペプチドは脂質二重層に結合できる両親媒性らせんを
形成することができた。本発明において、モデルペプチドとしてVIPを使用し
て、このペプチドのファミリーの生物学的有効性は、脂質二重層中およびその上
での発現により上昇することを証明した。
VIPとGRFの生物学的作用は、細胞表面上で発現される蛋白受容体および
細胞内受容体により介在されると考えられている。我々は、カルモジュリン(ca
lmodulin)がVIPの細胞内受容体である可能性を示した。ポール(Paul)ら、
「血管作動性腸管ポリペプチド:カルモジュリンおよび触媒性抗体とのその相互
作用」、Neurochem .Int., Vol.23,No.3,pp.197−214;スタールウ
ッド(Stallwood)ら、「蛋白をカルモジュリンと結合させる膜結合性の血管作動
性腸管ポリペプチド結合性ペプチドの本体」、J .Biol.Chem.,Vol.267,(
1992),pp.19617−19621;スタールウッド(Stallwood)ら、「
カルモジュリンは神経ペプチド受容体か」、FASEB J.,Vol.7,(1993),p
.1054(抄録)。これらの文献の内容は、参考のため本明細書に引用される
。我々は、VIPのみまたはVIP−カルモジュリン混合物の送達は、ペプチド
の細胞表面結合の必要がなく、従ってペプチドの生物学的作用が向上すると考え
た。リポソームの脂質二重層は細胞の原形質膜と融合し、その内容物を細胞内コ
ンパーオメントに送達することが知られているため、リポソーム中および
上で発現されるペプチドの供給は細胞内送達を達成するであろう。
VIPの治療への応用を制限する大きな要因は、VIPは蛋白分解を受けやす
く多くのコンフォメーションをとることにより、標的組織での生物学的利用性が
低下することである。発明の要約
本発明の目的は標的組織に、従来法の問題を克服する、VIP−GRFファミ
リーに属するペプチドの血管作動性腸管ポリペプチド(以後「VIP」)を送達
する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、VIPの有効性と持続時間を改良することである。
本発明はまた、VIPがリポソームの上および中で発現されるVIPリポソー
ム産物の生成工程、および標的組織に生物学的有効量のVIPリポソーム産物を
投与する工程を含んでなる、哺乳動物の標的組織の表面および細胞内コンパーオ
メントにVIPを送達する方法に関する。
本発明の別の実施態様は、コレステロール、ホスファチジルコリン、およびホ
スファチジルグリセロールよりなるVIPリポソーム産物に関する。
本発明のさらなる実施態様は、得られるリポソームは、VIPリポソーム産物
がコレステロール、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルグリセロールを
含んでなるリポソーム上および中で発現されるVIPを含む条件下で、VIPリ
ポソーム産物を生成する工程を含んでなる、生物学的有効性が向上し副作用が低
下したVIPリポソーム産物の製造方法に関する。「リポソームの上および中で
発現される」とは、以下の意味を有する。「上」とは、VIPが外部溶媒に暴露
され、例2で後述されるように脂質二重層の疎水性核中に挿入されて外表面に固
定されることを意味する。
「中」とは、リポソームの管腔スペース中およびリポソームの脂質二重層の管
腔内表面上の可溶性VIPを意味する。このリポソーム作成体中のすべての型の
VIPは、脂質分子と複合体を形成して、らせんコンフォメーションである可能
性がある。以下の説明および添付の請求の範囲を考慮することにより、本発明の
他の目的、および特徴は明らかになるであろう。図面の簡単な説明
図1は、従来のVIP溶液に比較した、リポソーム(VIPリポソーム産物)
上および中で発現されたVIPのトリプシンによる分解を例示する。
図2は、VIPリポソーム産物および従来のVIP溶液で処理したハムスター
の平均動脈血圧の低下を例示する。
図3は、VIPリポソーム産物と従来のVIP溶液の投与量を比較した、ハム
スターの平均動脈血圧の変化を例示する。
図4は、VIPのない溶液(黒丸)または過剰の非標識VIPの溶液(白丸)
中への希釈による、結合VIPのうちリポソーム上に結合した(tyr10−125
I)VIPの放出%の経時変化を例示する。
図5は、非標識VIPによる、リポソーム上の(tyr10−125I)VIPの
結合の競合的阻害を例示する。
図6は、非標識VIPを有することによる、リポソーム上の(tyr10−125
I)VIPの結合の競合的阻害を例示する。
図7は、リポソーム上の(tyr10−125I)VIPの結合のpH依存性を例示
する。
図8は、従来のVIP溶液に比較した、リポソーム上に結合したVIPの蛋白
加水分解による分解を例示する。好適な実施態様の詳細な説明
本発明の、VIPはリポソームの上および中で発現されるVIPリポソーム産
物の生成工程、および標的組織に生物学的有効量のVIPリポソーム産物を投与
する工程を含んでなる、哺乳動物の標的組織にVIPを送達する方法に関する。
生物学的有効量とは、ナノモル〜マイクロモル範囲ののVIP濃度を意味する。
VIPリポソーム産物は、静脈内、経口または経皮的に投与して、哺乳動物の
輸送系により標的組織にVIPリポソーム産物を送達するか、または標的組織に
直接VIPリポソーム産物を適用することができる。好ましくは、VIPリポソ
ーム産物は静脈内投与により送達される。
好ましくは、血管作動性腸管ポリペプチドは、コレステロール、ホスファチジ
ルコリン、およびホスファチジルグリセロールまたは他の適当な脂質(合成およ
び非合成脂質を含む)を含んでなるリポソームの上および中で発現される。
VIPとGRFの細胞内受容体であるカルモジュリンを、リポソーム内にペプ
チドと一緒に含有させることもできる。これにより標的組織の細胞内へのVIP
−カルモジュリンの送達が可能になり、こうしてペプチドの生物学的作用が向上
する。
血管作動性腸管ポリペプチドは例えば、HSDAVFTDNYTRLLRKQMAVKKYLNSILN-NH2
、その断片もしくは類似体、またはVIPと同族のペプチド(例えば、GRF、
PHI、PHM、PACAP、セクレチンおよびグルカゴン)でもよい。
脂質二重層の上および中で発現されるペプチドの供給は、ペプチドが細胞内コ
ンパーオメントに到達することを可能にし、こうして細胞表面受容体に結合する
必要をなくし、ペプチドの生物学的有効性と効力が向上する。
血管作動性腸管ポリペプチドは、リポソーム内でらせんコンフォメーションで
結合することができる。好ましくは血管作動性腸管ポリペプチドは、受容体反応
性コンフォメーションで結合しており、こうして血管作動性腸管ポリペプチドの
生物学的有効性が向上する。
VIPリポソーム産物は、従来のVIPと比較して有意に低い投与レベルで投
与されても、従来法で投与したVIPと同等の効力を示すことができる。一般に
VIPの生物学的有効量は、カプセル型のVIPの生物学的有効量より約50〜
75重量%少ない。VIPの生物学的有効濃度は、ナノモル〜マイクロモルの範
囲である。VIPに等モルのカルモジュリンを含めると、有効量は従来法で投与
したペプチドを用いる場合に必要な量の10%まで低下する。
従来法で投与したVIPの結果に一致するかまたはこれを越えるのに必要な生
物学的有効量を決定するために、VIPリポソーム産物を試験する必要がある。
例えば、従来の担体中のVIPの通常量が20mgである時、VIPリポソーム産
物は同じ効果を、約10mg〜約5mgで達成することができる。典型的には従来の
VIPの生物学的有効量は、ヒトで静脈内投与の場合1日に0.01〜50mgで
あり、腸溶コーティングカプセルの場合は0.1〜500mgである。
VIPリポソーム産物の効力はまた、従来のVIPより約50〜約100%長
く持続する。
カプセル化VIPは、従来のVIPより加水分解に対して有意に耐性があり、
これがカプセル化VIPの寿命の延長に寄与している。
VIPは、リポソーム内で可逆的に結合している。
本発明はまた、コレステロール、ホスファチジルコリン、およびホスファチジ
ルグリセロールを含んでなるVIPリポソーム産物に関する。
VIPはらせんコンフォメーションでリポソーム中または上に結合できる。好
ましくはVIPは、受容体反応性コンフォメーションで結合して、こうしてVI
Pの生物学的有効性が向上している。
さらなる実施態様は、コレステロール、ホスファチジルコリン、およびホスフ
ァチジルグリセロールを含んでなるVIPリポソーム産物を生成する工程を含ん
でなる、生物学的有効性が向上し副作用が低下したVIPの製造方法に関する。
好ましくは、VIPは受容体反応性コンフォメーションでリポソームの上また
は中に結合する。
別の実施態様は、コレステロール、ホスファチジルコリン、およびホスファチ
ジルグリセロールを含んでなるVIPリポソーム産物の有効量を哺乳動物に投与
することを含んでなる、哺乳動物の血圧を調節する方法に関する。
VIPリポソーム産物は、例えば腸管の運動性の異常、消化性潰瘍、喘息を含
む気管支痙攣、高血圧、インポテンツおよび虚血のような血管性症状、精神症状
および血液流の不足による禿頭の治療に使用できる。
本発明を以下の非限定例でさらに説明する。例1
本発明のリポソームからのVIP放出と、リポソームの上および中に結合した
VIPの分解を試験し、VIPの従来溶液と比較した。
次に本発明のVIPリポソーム産物の降圧作用を、ハムスターを用いて従来の
VIPと比較した。
トリエチルアミンホスフェート/アセトニトリルおよびトリフルオロ酢酸(T
FA)/アセトニトリル溶媒系での調製C−18カラムによる連続的逆相HPL
Cにより精製した合成VIP(フロリダ大学、ゲインズビル(Gainsville))を
用いて、VIPリポソーム産物を作成した。精製したVIPのペプチド含量は8
2%であり、アミノ酸解析は全長VIPに一致した。
VIPの放射ヨード化と(tyr10−125I)VIPの精製は、エス・ポール
、ディー・ジェイ・ボレ、シー・エム・ビーチ、ディー・アール・ジョンソン、
エム・ジェイ・パウエル、およびアール・ジェイ・マッセイ(Paul,S.,Volle,
D.J.,Beach,C.M.,Johnson,D.R.,Powell,M.J.and Massey,R.J.)(
1989)Science244,1158−1162に記載されているように行なっ
た。
リポソームは、エフ・ゾカ・ジュニアおよびパパハジョポウロス(Szoka,Jr.,
F.and Papahadjopoulos)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75,pp.4194
−4198(1978)に開示されている方法を用いて、モル比1:4:5の卵
黄ホスファチジルコリン、卵黄ホスファチジルグリセロールおよびコレステロー
ル(シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.))の混合物から逆蒸発(reverseev
aporation)を行って調製した。3mM合成VIP、(tyr10−125I)VIP(約
100,000CPM)と3mM非標識VIPの混合物、または0.2nMの放射性
ペプチドのみを含有する3mlのジエチルエーテル中の各12mMのリン脂質とコレ
ステロール溶液を、1mlの50mMヘペス、pH7.3、と混合して、超音波処理し
た。ジエチルエーテルを真空下で蒸発させて、溶液中でリポソームを生成させた
。得られた懸濁物を10mlの50mMヘペスで希釈し、次に12,500×gで7
分間遠心分離した。上澄液を捨て、ペレットを0.15MのNaClを含有する
緩衝液で3回洗浄した。1μmのポリカーボネートフィルタ(ヌクレオポア(Nuc
leopore))を用いて、大きいリポソームを取った。この方法により、リポソー
ムの表面およびリポソーム内でのVIPの発現が可能になる。
リポソームのリン脂質含量は、エム・ケーツ(Kates,M.)、「脂質学の技術」
、pp.354−356,1972、エルセビア(Elsevier)、ニューヨーク、に
記載のバートレット(Bartlett)の修飾マイクロ測定法を用いて、無機リン酸の
比色定量法により測定した。
リポソーム中のVIP含量は、2つの方法で測定した。最初の方法では、3mM
の非標識VIPと混合した(tyr10−125I)VIP(0.2nM)を、リポソ
ーム中にカプセル化し、最終リポソーム懸濁物の一定分割量の(tyr10−125
I)VIP放射能を計測した(計数効率70%)。第2の方法では、非標識VI
Pを含有するリポソームをドデシル硫酸ナトリウム(1%w/v)で可溶化し、
抽出物を0.1%TFA水溶液で0.01%SDSに希釈し、Sep−Pak
C18カートリッジ(ウォーターズ(Waters))で抽出し、結合画分のVIP含
量を、ジェイ・チョウ・ポールとイー・コボタ(Paul,J.Chou and E.Kobota)
、Life Sci., 41,pp.2373−2380(1987)に記載のラジオイム
ノアッセイにより測定した。
リポソーム中で結合したVIPの分解を試験し、以下のように従来のVIP溶
液と比較した。
0.5%のウシ血清アルブミン(BSA、RIAグレード;シグマ(Sigma))
を含有する50mMのヘペス、pH7.3、中に溶解した、本発明のリポソーム中の
(tyr10−125I)VIP、17,700cpm/0.67μモルのリン脂質およ
び等量の(tyr10−125I)VIPを、ウシ膵臓(シグマ(Sigma))のトリプシ
ン30nMで23℃で処理した。トリトンX−100(シグマ(Sigma))を1%w
/vになるように加えてリポソームを可溶化した。界面活性剤濃度を緩衝液で0
.25%にした。
図1に示すように、カプセル化した(tyr10−125I)VIP(黒丸)とト
リプシンと23℃で60分間インキュベートしても、ほとんどまたは全くペプチ
ドの加水分解は起きなかった。これと比較して、図1に示すように対照(tyr10
−125I)VIPの80%溶液(白丸)は、トリプシンにより10分以内に消
化された。図1の値は、3重測定の平均±標準偏差である。
エス・ポール(S.Paul)ら、J.Biol.Chem.267,pp.13142−131
45(1992)に記載のように測定した時、pro−phe−arg−メチル
ウマリンアミドのトリプシン触媒加水分解速度は、空のリポソームの非存在下お
よび存在下で基本的に同じであった。従ってトリプシンによるカプセル化したV
IPの加水分解の低下は、リポソームの非特異的阻害作用によるものではなかっ
た。
加水分解によるペプチドの分解は、Science 244;1158−1162(1
989)、同上、に記載のように、(tyr10−125I)VIPのトリクロロ酢
酸可能性放射能を定量することにより測定した。
リポソームからのVIPの放出は、以下のように測定した。
0.02%NaN3を含有する50mMヘペス、pH7.3、中で4℃に維持した
(tyr10−125I)VIP(約20,000cpm)を含有するリポソームからのペ
プチドの放出は、懸濁物の一定分割量を12,4000×gで15分間遠心分離
し、上澄液の放射能を計測して測定した。
緩衝液中で4℃において14日間保存した後のリポソームからの(Typ10−125
I)VIPの漏出は利用できる放射能の<2%であって、無視できるもので
あった。顕微鏡検査は、この期間にわたるリポソームの分解を示さなかった。
本発明によるVIPリポソーム生成物の血圧低下効果を、雄ゴールデンシリア
ン種(Syrian)ハムスター(体重120〜130g)を使用し、下記のとおりに
して、慣用のVIPと比較した。
ハムスターは、先ずナトリウムペントバルビタール6mg/体重100gの静脈
投与により麻酔させることによって、準備した。次いで、気管支切開を施し、自
発呼吸を強めた。必要に応じて、2〜4mg/体重100g/時間で、追加の麻酔
剤を静脈投与した。血圧を追跡測定するために、大腿部動脈にカテーテルを挿入
した。大腿部静脈には薬物および蛍光トレーサー投与用のカテーテルを付けた。
動物は、実験期間中、加熱したパッド上に保持した。動脈血圧は、変圧器およ
びストライプ−チャート式記録計(モデル 7702B、Hewlett-Packard)を用
いて、連続的に記録した。ハムスターのチェックポーチの微小循環系は、内視鏡
および蛍光物質、イソチオシアネート−デキストリン(分子量=70RD;シグ
マ社)のポストキャピラリイ細静脈からのクリアランスを使用して、目で見える
ようにし、W.G.Mayhanおよび I.Rubinsteinにより J.Appl.Physiol.,75
,27〜33頁(1993)に記載されたとおりの測定を行なった。
各ハムスターには、0.15M塩化ナトリウム中に溶解したVIPまたはリポ
ソーム内に封入したVIP(1μmol VIP/0.12μmol リン脂質)を、増
加する濃度で、各1mlづつ、7分間かけて、静脈注入した。
対照ハムスターの体重(125±2g)と被験ハムスターの体重(124±1
g)とは、実質的に同一であった。
各濃度の当該ペプチドを投与する前、投与中および投与後の60分の時点で、
平均動脈血圧を記録した。
初期実験において、0.15M塩化ナトリウムまたは空のリポソームの注入は
、平均動脈血圧にいずれの有意の変化ももたらさないことが見出された(データ
は示されていない)。
チェックポーチ微小循環系の漏出部位の数を、W.G.Mayhanによる上記刊行物
に記載のとおりにして、この実験期間全体にわたり、各分毎に測定した。このデ
ータを平均値±SEMで表わす。非対称観測に対するスチューデンツ t−テス
トを使用して、血管活性腸内ペプチド(vasoactive intestinal peptide)に対す
る応答を比較した。<0.05のp値は有意であると見做した。
利用できるペプチド8.9%を含有するリポソーム内の3mM無標識VIP(こ
れは、0.008mol VIP/mol リン脂質の封入に相当する)およびトレーサ
ー(Tyr10−125I)VIPの溶液から調製された封入VIPを、放射性ペプ
チドの取り込みに基づいて測定した。この測定は、リポソームを塩類溶液で反復
洗浄して、遊離のペプチドを除去し、次いでガンマカウンターで放射能を測定す
ることによって行なった。無放射能の封入VIPのラジオイムノアッセイによる
測定量は、実質的に同一の数値をもたらした。
血圧に対する効果は、塩類溶液に溶解したVIPまたはリポソーム内に封入し
たVIPの注入後の経過時間の関数として、平均動脈血圧(MAP)の減少の程
度を測定することによって決定した。ハムスターは、溶解したVIPまたは空の
リポソームの注入期間中、検知できる有害な影響を示さなかった。さらにまた、
これらのハムスターのチェックポーチ微小循環系に、漏出しやすい部位の形成は
見られなかった。
図2には、リポソーム内に封入されたVIP(0.008ペプチド/リン脂質m
ol)または塩類溶液に溶解されたVIPの投与期間中おび投与後の経過時間の関
数として、MAPの減少が示されている。投与量レベルは、封入VIPの場合お
よび0.15M NaCl(塩類)溶液中VIPの場合に、1.0nmolであった
。ペプチド注入時間は7分間であった(中黒棒印)。塩類溶液中のVIPで処置
した動物に係るMAP値(中白円形印)またはリポソーム内のVIPで処置した
動物に係るMAP値(中黒円形印)は、93.0mmHgおよび93.4mmHgであっ
たる。このデータは各群の5匹のハムスターの平均値(±SEM)である。図2
に
おいて、(*)は、非対称観測の場合の片側t−検定による、相当する時点にお
ける塩類溶液中VIPに対するp<0.05を示す。
図2に示されているように、MAPの有意の減少が5分の時点で見出され(p
<0.05、片側t−検定)、最大有意減少は3分〜7分の間の別の時点で見い
出された(p<0.1)。MAPの最大減少の程度は、約3.5倍大きく、血圧
低下効果の持続時間は、塩類溶液中VIPの場合よりもさらに延長されていた。
1nmol/ハムスターの投与量において、塩類溶液に溶解したVIPは弱く、かつ
また一時的なMAP減少を誘発させたのみであった。このことは、図2に示され
ている。
図2は、VIPの効果が、充分に可逆性であることを示しており、これは動脈
血圧値が注入前の基礎値に戻ることにより証明されている(塩類溶液中に溶解し
たVIPの場合は9分;VIPリポソーム生成物の場合は、16分)。
図3には、麻酔したハムスターにおける平均動脈血圧(MAP)に対するVI
Pリポソーム生成物(0.008mol ペプチド/mol リン脂質:中黒棒印)が0
.15M NaClに溶解したVIP(中白棒印)と比較して示されている。こ
れらの数値は平均値±SEM(n=5)である。塩類溶液中VIPに対する*p
>0.05。
上記データは、塩類溶液中のVIPまたはリポソーム封入VIPの血圧低下効
果が濃度依存性であることを示している。これらのデータはまた、リポソーム内
VIP 0.5nmolまたは1nmolの注入後のMAPの減少が、等量の塩類溶液中
の対照VIPに比較して有意に大きいことを示している(p<0.05)。
3nmol VIPでは、対照の数値とペプチドリポソーム生成物との間の差違は
有意ではなかった。これは、この投与量では飽和ペプチド濃度が生じるからであ
る。
この例は、VIPの血圧低下効果がリポソーム上のおよびリポソーム内のペプ
チドの存在によって、有意に増大されることを示している。これは、対照VIP
溶液と比較して、VIPリポソーム生成物を用いて見い出された、血圧低下効果
の期間延長およびこの効果の程度の増大の両方によって証明されている。空のリ
ポソームの投与は、平均動脈血圧に対して有意の効果を有していなかった。空の
リポソームまたはVIPリポソーム生成物の投与後の微小血管損傷は見られなか
った。さらにまた、VIP単独またはVIPリポソーム生成物の血圧低下効果は
充分に可逆性であった。総合して、これらのデータは、非特異性組織損傷がリポ
ソーム内またはリポソーム上に含有されているVIPの際立った血圧低下効果に
関与する因子ではないことを示している。
VIPリポソーム生成物の減少したトリプシン溶解性は、VIPの分解減少が
ハムスターにおける血圧低下効果の持続時間の増加を強めることを示している。
VIPの両親媒性特性の観点から、本出願人は、脂質がVIPに結合し、そして
レセプター反応性形態を安定化させることによって、その生物学的効力が増大さ
れるものと信じる。これは、Y.Noda らにより FASE B.Journal 7,1053
(1993)に記載されているように、VIPがタンパク質を含有していない二
層系を透過するという発見および R.M.Robinson らにより Bipolymers,21,
1217〜1228頁(1982)に記載されたサーキュラージクロイズム(ci
rcular dichroism)研究により検出されたペプチドにおけるラセンの形成がアニ
オン脂質様のホスファチジル グリセロールにより誘発されるという発見により
支持されている。このVIP類縁体のラセン形成傾向とそれらの生物学的効力と
の相関関係は、G.F.Musso らにより Biochemistry,27,8174〜8181
(1988)に記載されている。
例2
脂質二層結合およびVIPによる透過の証明
本発明によるリポソームからのVIP放出およびリポソーム結合したVIPの
分解を試験し、慣用のVIP溶液と比較した。
一層状リン脂質リポソームを、卵黄から精製したホスファチジルグリセロール
(PG)およびホスファチジルコリン(PC)(シグマ社)を使用して生成させ
た。シグマにより測定されたこのリン脂質の脂肪酸組成は次のとおりであった:
(PC,C16:0)、(35%:C18:0:12%;C18:1,31%;
C18:2,14%);(PG,C16:0,30%;C18:0,13%;C
18:1,30%;C18:2,16%)。
この一層状リポソームは、クロロホルムに溶解したPG/PC/CH(コレス
テロール)(モル比=1:4:5)またはPC/CH(1:1)の混合物から、
SzoKa,Jr.,F.および Papahadzopoulosにより Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,
75,4194〜4198(1978)に記載されているように、逆相蒸発によ
って調製した。
上記脂質溶液を、回転蒸発器を用いて乾燥させ、次いでジエチルエーテル3ml
に溶解した。リン脂質およびコレステロール(CH)の濃度はそれぞれ、12mM
であった。次いで50mM HEPES(pH7.3)1mlを、この懸濁液に添加し
、この懸濁液を超音波処理浴(Branson)を用いて氷中で2分間、超音波処理した
。
この懸濁液を、20〜25℃で減圧の下に20分間蒸発させ、50mM HEP
ES(pH7.3)10mlで稀釈した。この懸濁液を次いで、12,500×gで
7分間遠心分離し、この上清をすて、リポソーム含有ペレットをHEPES緩衝
液(pH7.3)中に再懸濁した。
この懸濁したリポソームを、0.02%ナトリウムアジド含有緩衝液中で4℃
において保存し、調製して10日以内に使用した。顕微鏡検査は、この期間にわ
たり、リポソームが凝集または崩壊しないことを示した。
このリポソームのリン脂質含有量を、Kates,M.により Techniques in Lipid
ology,354〜356頁(1972年)(Elsevier,New York)に記載された
バートレット(Bartlett)の修正微量分析法を用いる無機ホスフェート(P)の
比色測定によって測定した。このリポソーム濃度はP.単位で表わす。
50mM HEPES(pH7.3)中の等量の1%アンモニウムモリブデート(
重量/容量)によって、リポソームを媒色着色させた後に、ホルムバール塗布し
たグリッド上で電子顕微鏡(Philips 410 LS)により観察した結果、リポ
ソームの90%以上が200nm〜1000nm径で見出された。Johnson,S.M.,Ba
ngham,A.D.,Hill,M.W.および Korn,E.D.による Biochem.Biphys.Acta
,233,820〜826参照。
合成VIP(HSDAVFTDNYTRLLRKQMAVKKYLNSILN-NH2:ペプチド含有量:81%
、Bachem)に、クロラミン−Tを用いて、129Iの標識を付けた。この(Tyr1 0
−125I)VIPは、逆相高圧液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)により
分離し、例1に記載のN−末端ラジオセークエンシングにより同定した。このペ
プチドの比放射能は2000Ci/molであった。
フロリダ大学(Gainesville)で合成され、C−18カラム上の調製RP−HP
LCにより精製された未標識のVIPを、若干の例で使用した。この調製物のペ
プチド含有量は83%であり、その純度はネブラスカ大学の Protein Structure
Core Facilityにおけるアミノ酸分析および自動N−末端配列決定により確認し
た。
ペプチドは水溶液中でリポソーム表面に結合することができる。例1と同様の
有機溶媒中において、このペプチドはリポソームの脂質膜の中および膜の上に現
われる。
このリポソームをペレット化した(12,000×g、10分間;Beckman Mi
crofuge〔商品名〕)。その上清を吸引し、リポソーム−結合した放射能を70
%効率で測定した(Beckman モデル 5500 ガンマカウンター)、上清中の
リポソームの損失は最少であった。これは反応混合物中に存在する無機ホスフェ
ートの90%以上がペレットに回収されるからである。
このリポソームを、23℃で10分間、20%アセトニトリル(最終濃度)に
より可溶化し、CF蛍光を測定した(λem520nm、λex490nm;Perkin-Elm
er LS50蛍光測定計)。対照実験において、20%アセトニトリルの存在ま
たは不存在の下に、既知濃度のCFと混合したリポソーム(2.3mM P)の蛍
光強度が実質的に同一であることが見出された。
リポソーム結合したVIPおよび遊離(Tyr10−125I)VIPの加水分解
に対する耐性を、ここに50mM HEPES(pH7.3)中のトリプシン(シグ
マ社)を添加することによって試験した。リポソームを遠心分離して、放出され
た放射能を分離し、20%アセトニトリル中に溶解させた。キャリヤとして、B
SAを0.1%(重量/容量)の量で加え、次いでTCA−不溶性放射能(未分
解VIP)をPaul,S.,Volle,D.J.,Beach,C.M.,Johnson,D.R.,Powell,
M.J.および Massey,R.J.による Science,244,1158〜1162(1
989)に従い測定した。
この方法により測定されたVIPの加水分解レベルは、Paul,S.,Mei,S.,M
ody,B.,Eklund,S.H.,Beach,C.M.,Massey,R.J.および Hamel,F.によ
り J.Biol.Chem.,266,14128〜16134(1991)に報告されて
いるように、RP−HPLC(γ>0.9)による反応混合物の分離によって見
出されたレベルと相関関係を有していた。pro−phe−arg−MCA(Pe
ptides International)の加水分解は、クマリン脱離性基の蛍光として測定した
(λem460nm、λex370nm)。
この結合性に係るデータは、平行インキュベーションで測定された反応管によ
るペプチド吸着に関して補正した。
解離及び飽和データは Kinetic及び Enzfitter(Elsevier Biosoft)によって
分析した。
カルボキシフルオレセイン(CF;100nM;Eastman Kodak)の結合は、VI
Pで用いたのと同じ実験条件で測定した。
ESRは次のようにした得た。5−ドキシルステアリン酸(5−DS)又は1
6−ドキシルステアリン酸(16−DS)(Sigma)をリン脂質のエーテル溶液中
に含有させてスピンラベル濃度0.2nM(スピン/リン脂質モル比:1.60)
とした以外は、前記と同様にして脂質リポソームを調製した。ラベル化リポソー
ムは洗浄し、0.2ml 50mM HEPES、pH7.3、0.5%BSA(w/
v)中でVIPとともに23℃で60分間インキュベートした。インキュベーシ
ョン後、ラベル化リポソームを12,000rpm で15分間遠心分離し、得られ
るペレットを50mM HEPES、pH7.3の100μl 中に再懸濁した。
JES−FEIXG ESR スペクトロメーター(JOEL,Tokyo)を用いて、
9.0060GHz マイクロ波数、100kHz 変調周波で0.2mT変調幅、応答時
間0.3又は1.0秒、掃引時間10mT/2分、マイクロ波電力8mWの機器パラ
メーターで、27±0.5℃で、Hiramatsu,K.と Mori,A.(1993)Neur
ochem.Res.18,313−316に記載されたようにして、電子スピン共鳴(
ESR)スペクトルを記録した。極性関連オーダーパラメータSを、Hubbel.W
.L.と McConnel,N.M.(1971)J.Am.Chem.Soc.93,314−3
26に記載の方法に従って微小解裂パターンから、回転相関時間に対応するモー
ションパラメーターと5−DSスペクトルから、及び Eletr,S.とInesi,G.(
1972)Biochem.Biophys.Acta.290,178−185に従
い16−DSスペクトルから計算した。
VIPのリポソームへの結合は次のようにして測定した。ユニラメラ脂質リポ
ソームを逆相蒸発により調製し、前記したようして放射ラベル化VIPの結合に
ついてアッセイした。BSAをアッセイ希釈液中に含有させて、脂質リポソーム
及び反応チューブのポリプロピレン表面に非特異的ポリペプチド結合部位を飽和
させた。
前もって形成されたリポイドリポソームの上昇濃度(2.5−45.6mMP1
)は、入手可能ペプチド(0.42nM)56.6%まで(Tyr10-125I)VI
Pの上昇結合を示した。結果は表1に示した。
VIPについて用いたと同じ条件で、リポソームは極めて少量のカルボキシフ
ルオレセインを取り込んだ。カルボキシフルオレセインは、脂質リポソームの完
全性を調べるためにしばしば用いられる小極性分子(376ダルトン)である。
これに対して、VIPとCFとの存在下で形成されたリポソームは、VIPよ
りもいくらか高い濃度のCFを含んでいた。後者の値は、リポソーム内へのVI
PとCFのカプセル内への取り込みを示している。これとともに、VIPとリポ
ソームとの観察された結合は、リポソームの破壊と再シール化による包み込みを
示すものではないことを、データは示している。
表中の値は平均値±s.d.である。プローブ結合は、100nM非ラベル化ペ
プチドと混合した100nM CF又は0.2nM(Tyr10-125I)VIPと前も
って形成されたリポソーム(2.3mM P1)についての結合である。カプセル内
への取り込みは、2.5μM非ラベル化VIPと混合した2.5μM CF又は1
.
7nM(Tyr10-125I)VIPを含む脂質溶液(2.6mM P1)からリポソーム
を形成することによって行った。フリーのプローブは、0.5%BSAを含む5
0mM HEPS、pH7.3で3回洗浄することによって除去した。CF値はリポ
ソームを溶解化させた後に蛍光定量法により測定し、VIP値はリポソーム関連
放射活性を測定することによって決定した。
最短時点(30分)の検査で、過剰の非ラベル化VIP(2mM)の存在下での
(Tyr10-125I)VIP−リポソーム複合体のインキュベーションにより最初
のリポソーム結合ペプチドの約90%が放出され安定状態が達成され、このこと
はペプチドは不可逆的に脂質二重層内に隔離されないことを示している。外因性
の非ラベル化ペプチドの非存在下では、リポーソーム結合ペプチドの約50%の
ゆっくりした遊離が図4に示したように24時間にわたって観察された。
脂質リポソームによるVIP結合の可逆性は次のようにして測定した。リポソ
ーム(3.3nM O)を(Tyr10-125)VIP(0.11nM)でラベル化し、
洗浄してフリーのペプチドを除去し、次いで各種の時間で20℃で、2mM非ラベ
ル化VIPの存在下(黒丸印)または非存在下(白丸印)で0.2mlバッファー
中でインキュベートした。残ったリポソーム関連放射活性を測定し、最初の結合
ペプチド(35,410CPM)の%として表わした。
図5に示したように、(Tyr10-125I)VIPのリポソームへの分配は、非
ラベル化VIP(IC50 560μM;)の上昇濃度によって競争的に阻害さ
れた。結合ペプチド対入手可能なペプチドのプロットは、飽和等温式に典型的な
直角双曲線の式〔y=(Bmax・X)/(1/k+y)、ここでX及びYは、結
合ペプチド及び入手可能なペプチドをそれぞれ示す〕に適用することができる。
図5は、リポソーム(2.4mM P)による(Tyr10-125I)VIPの非ラ
ベル化VIP(10nM−1mM)による競争的抑制の結果を説明している。データ
は、入手可能な放射ラベル化ペプチドの%として表わした平均値±s.dを示し
ている。
図6は図5(実線)のデータから構成した飽和等温線を示す。点線は非飽和反
応において期待される結合のレベルを示す。
放射線標識されたペプチドの使用による入為結果の可能性を除外するために行
った対照実験では、脂質リポソーム(2mM P)を非標識VIP(0.2mM)に
結合させ、リポソームを1%SDSで可溶化させ、C−18カートリッジで抽出
して、Paul,S.,Volle,D.J.,Beach,C.M.,Johnson,D.R.,Powell,M.J.
及び Massey,R.J.(1989)Science 244,118−1162にした
がって、C−18カラムでRP−HPLCにより分析した。信頼すべきVIPの
特徴的な保持時間を示すペプチドピークが観察された。このピークで回収された
ペプチドの量は、214nmの吸収によって評価すると、放射線標識されたVIP
−結合実験から予想された値の76%であった。
PC/CH及びPG/PC/CHからそれぞれ調製された電気的に中性及び陰
性のリポソームによるVIP(100nM)の結合を比較した。各々の場合におい
てペプチド結合のレベルはリポソームの増加する濃度の範囲内で上昇した。結合
したVIPの%±s.d./μmol Pの値は、PG/PC/CHリポソーム、2
6.2+3.4;PC/CHリポソーム、12.6±1.5であった。リン脂質
の脂肪酸組成におけるわずかな差は干渉因子ではないものとして、このデータは
、酸性脂質ヘッドグループとVIP(これはlysとarg残基に富む塩基性(b
asic)ペプチドである)との間の静電気相互作用の安定化機能と一致している。D
emel,R.A.及び DeKruyff,B.(1986)Biochim .Biophys.Acta 457
,109−132)に報告されているように、この研究で使用された温度で二重
膜流動性を減少させることが期待される試薬であるコレステロールを包含してい
ることは、リポソームによるVIPの結合には影響を与えなかった(PC/PG
/CH及びPC/PGリポソームにより結合したVIP/μモルP、それぞれ2
6.2%及び24.9%)。
カプセル化したVIPに対する溶媒効果は以下のように測定した。特に、脂質
リポソーム(2.1mM P)による(Tyr10-125)VIP(0.14nM)のpH
−依存性結合は、Ellis,K.J.及びMorrison,J.F.(1982)Meth.Enzymol.
87,406−427に開示されているように、一定のイオン強度のバッファー
(25mMエタノールアミン、25mMトリス、50MMモルホリンエタンスルホン酸
)中でいくつかのpH値で検定した。結果を表7に示す。この表は結合が極端なpH
値では低く、最適の結合が中性に近いpH(pH6−8)で観察されたことを示し
ている。データは代表的な実験からの平均値±s.dである。
(Tyr10-125I)VIP−リポソーム複合体を25mM EDTA、1mM H
Cl又は1M NaClで処理しても、表2に示すように、結合ペプチドの放出
はほとんど又は全く起こらなかった。アルカリ性pH(1mM NaOII)では、
わずかではあるが有意の割合(16)の結合放射能が再現性良く放出された。リ
ポソームをSDSで溶解すると上澄液にほとんど完全なペプチドの放出が起こっ
た。これは、おそらくは混合デタージェント−脂質ミセルへのペプチドの取り込
みを反映している。
脂質リポソーム(4mM P)を(Tyr10-125I)VIP(1nM)に結合させ
、十分に洗浄して未結合放射能を除去し、次いで1mlの示された溶液で10分間
、2回処理した(23℃)。放出された放射能は遠心処理により得られたプール
した上澄液中で測定した。値は初期リポソーム結合放射能(76,300CPM
)の%であり、50mM HEPES、pH7.3で行われた対照インキュベーショ
ンにおけるペプチド放出(4.2±3.4%)に関して補正した。
VIPリポソーム生成物の分解を測定した。トリプシン濃度を増加させるにし
たがい、45分のインキュベーション後、遊離(Tyr10-125I)VIPの加水
分解が上昇すること(利用可能なペプチドの80%まで)は表8に示すように明
らかであった。リポソーム結合(Tyr10-125I)VIPの場合には、放射能の
ほとんどは、1nM、5nM及び26nMトリプシンで処理したリポソームと会合して
いた(それぞれ初期放射能の82、83及び73%)。遊離のペプチドに比較し
て、TCA可溶性だったのは、トリプシン処理後に回収したリポソーム会合放射
能のより少ない方の部分であり、このことはタンパク質分解への感受性が低下し
ていることを示唆している。酵素活性の非特異的な阻害を試験するために、塩基
性(basic)ペプチドのメチルクマリンアミド(MCA)共役体(pro−phe
−arg−MCA)(15μM)をリポソーム(1mM p)の非存在下及び存在下
で30分間トリプシン(10nM)でインキュベートし、次いで遠心処理によりリ
ポソームを除去した。リポソームの存在下及び非存在下で蛍光強度の観察された
増加は同様であった(それぞれ、868FU及び885FU)。
図8は遊離VIP(黒円)に比較してリポソーム結合VIP(白抜円)のタン
パク質分解性の加水分解が減少していることを示す。リポソーム(4.2mM P
)を(Tyr10-125I)VIP(0.37nM)で標識し、バッファーで洗浄して
遊離のペプチドを除去し、さまざまな濃度のトリプシンで50mM HEPES、
pH7.3中、45分間処理した。放出された放射能は遠心処理と上澄液の吸引に
より除去した。リポソームをアセトニトリル(30%)で可溶化した。TCAを
10%に、BASを0.1%になるように加え、酸可溶性の放射能を測定して加
水分解の程度を決定した。データは初期リポソーム会合ペプチド(28,290
CPM)の%として表現された平均値±s.dであり、トリプシンの非存在下で
観察されたTCA可溶性放射能に関して補正した。
二重層流動性に対するVIPの効果を測定した。まず、5−DSおよび16−
DS標識脂質リポソームのESRスペクトルを得た。これらのスピン標識は通常
脂質二層の表面(5−DS)および中心部(16−DS)の近くの流動性を測定
するために用いられる(たとえば、117.22)。
VIP/脂質モル比が増大すると、段々にモーションパラメーター(motion p
arameter)τ0の値が減少することが表3に示すように16−DS標識リポソーム
を用いて明らかになった。
反対に、5−DSプローブを用いて計算したオーダーパラメーター(order pa
rameter)SはVIPにさらすことにより増大する傾向がある。その効果は500
μM VIPの濃度で統計的な有為差を示す。このデータは二層の疎水性中心部に
おける著しいVIP誘導による流動性の増大と二層表面の近くの流動性におけ
る比較的小さいが有為な減少を示唆する。
PC/PG/CHリポソームの濃度は2.8mM P、(5−DS)および3.
7mM P、(16−DS)であった。5−DSおよび16−DS標識リポソーム
それぞれのSおよびτ0の値は3回(5−DS)または4回(16−DS)の実
験からの平均値±SDである。対照値(ペプチド無しのリポソーム)に対する *
P<0.05はANOVAにより計算。
この例から得られる一般的な結論はVIPがモデル脂質二層の疎水性中心部に
結合し、浸入することができるということである。その結合は中性pHで飽和かつ
可逆性でありうる。結合等温線から誘導される分配常数の名目上の値(1.4×
10-3M-1)は他の両親媒性ペプチド、メリチン(melittin)について報告され
た値(Beschiaschvili,G.および Seeling,J.Biochemistry 29,52−58
)と同じ範囲内にある。飽和VIP濃度におけるみかけの結合能は1モルVIP
/12.5モル リン脂質である。
負に荷電したリポソームを含むPGによる観察されたVIP結合において多分
静電的な相互反応が役割をはたしている。何となれば、VIPは塩基性ペプチド
であるから。しかし、いくつか研究報告によれば、静電的な結合だけで観察され
た相互反応を説明することはできない。何となれば、(a)Mosior,M.およびMa
Laughlin,S.(1992)Biochemistry 31,1767−1773に報告さ
れているように、他のいくつかの塩基性ペプチドが負に荷電したリポソームによ
ってのみ結合されるという観察と対照的に、中性のリポソームもまたVIP結合
活性を示す。(b)PG/PC/CHリポソームに結合したVIPは酸、アルカ
リおよび高イオン強度溶媒により極微に放出されるかあるいは全く放出されない
。(c)負に荷電したリポソームによるVIP結合の至適pHは、Bergers,J.J.
,Vingerhoeds,M.H.,van Bloois,L.,Herron,J.N.,Janssen,L.H.M.,
Fischer,M.J.E.および Crommelin,D.J.A.(1993)Biochemistry
32,4641−4649に開示されているように、類似のリポソームによるリ
ゾチームのような塩基性タンパク質の結合についてみられた最適なアルカリpHと
は違い、中性範囲に存在する。および(d)VIPによる処理は、脂質リポソー
ムに取り込まれたイントロキシド スピン(introxide spin)−標識ステアリン
酸プローブの可動性における有為な変化を引きおこした。
これらの研究報告は、VIPのリン脂質頂部グループへの静電的な結合と二層
への同ペプチドの疎水性領域の侵入との組合せの仮説と一致している。
二層における種々の深さでの流動性の評価は脂肪酸プローブのカルボキシル基
からの種々の距離においたスピン標識の動きを測定することにより得ることがで
きる(たとえば、本研究で用いた5−DSおよび16−DS)。膜によるポリペ
プチドの結合は二層における種々の深さでの流動性に対する類似のもしくは逆の
定性的な効果へ導く。Boggs,J.M.(1983),Membrane Fluidity in Biol
ogy(Aloia,R.C.ed.)第II巻、89−130頁、Academic Press,N.Y.参照
。この例において、VIPとリポソームの結合は5−DSのオーダーパラメータ
ーSにおける小さいが有為な増大、および16−DSのモーションパラメーター
τ0における著しい減少をもたらし、二層の表面の近くの減少した流動性および
その中心部における増大した流動性を示している。
Boggs,J.M.,Wood,D.D.および Moscarello,M.A.(1981)Biochem
istry 20,1065−1073に記載されているように、ミエリン塩基性タ
ンパク質は、二層中心部と表面における流動性特性に同様の効果を生じると以前
は記載されていた。VIPにさらした後5−DS可動性の減少はリン脂質頂部グ
ループにおける静電的な結合から引き出されうる。ミエリン塩基性タンパク質に
ついて提案された機作と類似して、VIPの疎水性領域の二層への侵入は
二層の中心部において、その表面に比べて、より大きな容量の増大を生ぜしめ、
16−DSプローブに対する可動性の増大(減少したτ0)を説明する。
VIPの脂質結合性はその知られている構造特性からみて全く予期せざるもの
である。π−ヘリックス(4.4残基/ターン)またはねじれα−ヘリックス(
ジー・エフ、ムッソ、エス・パッチィ、ティー・シー・リスカンプ、エス・プラ
バウ、イー・ティー・カイザーおよびジー・ベリセレビの Biochemistry 27,
8174−8181,1988)としてモデル化されているように、VIPのカ
チオン性および無極の残基がヘリックスの反対面に分離する。α−ヘリックス状
のランフィフィリック(lamphiphilic)ペプチドが脂質二重層を結合することは
周知である。サンソムの Prog.Biophys.Molec.Biol.,55,139−235
,1991)に報告されるように、例えば、実験条件により、リンメチやアラメ
チシンは脂質二重層の表面に沿って結合するかあるいは二重層スパン集合体を形
成成する。同様に、α−ヘリックスの歪みにより無極および極性残基を分離させ
るペプチドは、カール、フリッペン−アンデルセン、ウマおよびバララムの(Pro
c. Ntl.Acad.Sci.U.S.A.,85,299−303,1988)に報告される
ように、脂質二重層を結合することは知られている。VIPの場合、ロビンソン
、ドレイクニーおよびマチスの Biopolymers,21,1217−1228,19
82;ヘームト、ロビンソンおよびマチスの Biopolymers,22,1003−1
021,1983;およびエム・ボダンスキー、エイ・ボダンスキー、クラウス
ナーおよびセイドの Bioorganic Chem.3,133−140,1974に報告さ
れるように、中心のセグメントスパン残基12〜21は無極性のものに点在する
カチオン性残基を含み、また膜結合活性をもつペプチド凝集体を生成する上で重
要である。VIPにおけるトリプシン感受性結合のすべてはこの領域(R12−L13
,R14−K15,K15−Q16K20−K21,K2−Y22)に位置する。リポゾーム
関連VIPのトリプシン分解の減少が観察されることは、このセグメントが脂質
二重層に埋没することと一致する。
VIPの生物学的作用はかなり様々であり、このニューロペプチドはセイドの
Peptides 5,149−150,1984およびポールとエバディのNeurochem
.Int.23,197−214,1993(補遣1)に報告されるように、無関
係
のシグナル形質導入系を活性化することは明らかである。VIPはシプナス伝達
、平滑筋トーン、トランスメンブラン水やイオンフラックス、神経内分泌および
T−とB−リンパ球免疫活性の公知のモジュレータである。VIP−脂質二重層
反応が重要であるいくつかの方法がある。
VIPのメカニズムあるいは除去や不活性に関する一定の証拠がない場合、タ
ンパク分解はペプチドの生物効果の終了によることは通常想像された。この例で
は、この系の飽和性の限界内で、大きな割合の放射能ラベルしたVIP(60%
まで)は脂質リポソームにより結合していることが分かった。膜に分配すること
は細胞外液の可溶性ペプチドの利用性を支配する因子であることを指摘している
。
第2に、VIPを脂質粒子あるいは可溶性脂質により結合することにより、ペ
プチドを加水分解するのを安定化させ、別々のターゲット細胞に分配することが
できる。
第3に、VIPを脂質二重層を分配すると、ペプチドを特定のコンホメーショ
ンに限定するから、膜リセプターとの相互反応を修飾する。
最後に、ニューロン貯蔵リポソーム内および神経末端からの放出部位でVIP
が局部濃縮されると、二重層の流動性の変化を経て十分に膜機能を直接モジュレ
ートすることができる。
例3
VIPやカルモジュリンのリポソーム含有混合物を例1に記載のように調製し
た。表4に記載の成分混合物の高血圧活性の測定は上記した方法で同じように行
なった。以下に示す動脈血圧の読みは、成分混合物の注入開始後5分で計った。
本発明を最も実際的でかつ望ましい態様であると現在考えられる点を考慮して
記載したが、本発明は開示される態様に限定されるべきではなく、反対に、添付
請求の範囲の精神と範囲内で包含される各種の変形や均等な変更をカバーするも
のである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 38/00 ACJ A61K 37/02 ACD
ACL ACJ
ADD ACL
AGZ ADD
47/42 AGZ
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
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,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M
W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,
VN
(72)発明者 ルビンシュタイン,イスラエル
アメリカ合衆国 60035 イリノイ州ハイ
ランド パーク,レキシントン ストリー
ト 2999
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチドを標的組織に運ぶ方法 であって、下記のステップを含む方法; 前記バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチド(VIP)がリポソー ム上及び内に発現されるような条件下において、前記バソアクティブ・インテス ティナル・ポリペプチドリポソーム生成物を形成するステップ、及び 前記VIPリポソーム生成物の生物学的有効量を前記標的組織に投与するステ ップ。 2.前記の形成するステップが、さらに、コレステロール、ホスファチジルコ リン及びホスファチジルグリセロールを含むリポソーム内及び上の前記バソアク ティブ・インテスティナル・ポリペプチドをカプセル化することを含む請求の範 囲第1項記載の方法。 3.前記の形成するステップが、さらに、前記バソアクティブ・インテスティ ナル・ポリペプチドをレセプター応答性コンフォメーションで結合し、それによ って前記バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチドの生物学的活性を増 強することを含む請求の範囲第2項記載の方法。 4.前記の形成するステップが、さらに、前記バソアクティブ・インテスティ ナル・ポリペプチドを前記リポソームにおいてらせんコンフォメーションで結合 することを含む請求の範囲第2項記載の方法。 5.前記生物学的有効量が、前記バソアクティブ・インテスティナル・ポリペ プチドのカプセル形態における治療上有効量よりも約10−20重量%少ない量 である請求の範囲第2項記載の方法。 6.VIPリポソーム生成物が高血圧の治療のために静脈内に投与される請求 の範囲第2項記載の方法。 7.前記の投与するステップが、VIPリポソーム生成物と共に生物学的有効 量のカルモジュリンを投与することを含む請求の範囲第1項記載の方法。 8.前記の投与するステップが、リポソーム内及び上で発現された、あらかじ め形成されたVIP−カルモジュリン混合物を用いて行われる請求の範囲第7項 記載の方法。 9.コレステロール、ホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール を含むリポソーム内にカプセル化されたバソアクティブ・インテスティナル・ポ リペプチドリポソーム生成物。 10.前記バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチドは前記リポソーム にレセプター応答性コンフォメーションで結合し、それによって前記バソアクテ ィブ・インテスティナル・ポリペプチドの生物学的活性が増強されている請求の 範囲第9項記載のバソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチド。 11.前記バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチドは前記リポソーム においてらせんコンフォメーションで結合する請求の範囲第9項記載のバソアク ティブ・インテスティナル・ポリペプチド。 12.生物学的に有効量のVIPリポソーム生成物とカルモジュリンとの混合物 を含むバソアクティブ組成物。 13.VIPとカルモジュリンとの混合物とがリポソーム内及び上に発現された ものである請求の範囲第12項記載のバソアクティブ組成物。 14.生物学的活性が増強され、副作用が軽減されたバソアクティブ・インテス ティナル・ポリペプチドを製造する方法であって、下記のステップを含む方法; リポソーム中に前記バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチドをカプ セル化するステップ。 15.前記のカプセル化するステップが、さらに、コレステロール、ホスファチ ジルコリン及びホスファチジルグリセロールを含むリポソーム中にバソアクティ ブ・インテスティナル・ポリペプチドをカプセル化することを含む請求の範囲第 14項記載の方法。 16.前記のカプセル化するステップが、さらに、前記バソアクティブ・インテ スティナル・ポリペプチドをレセプター応答性コンフォメーションで結合するこ とを含む請求の範囲第15項記載の方法。 17.前記のカプセル化するステップが、さらに、前記バソアクティブ・インテ スティナル・ポリペプチドを前記リポソームにおいてらせんコンフォメーション で結合することを含む請求の範囲第16項記載の方法。 18.哺乳動物の血圧をコントロールする方法であって、下記のステップを含む 方法; 前記哺乳動物に請求の範囲第9項に記載のVIPリポソーム生成物又は請求の 範囲第12項に記載の組成物を有効量投与するステップ。
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