【発明の詳細な説明】
ホブの製造方法
技術分野
本発明は、フェースギアを加工するためのホブの製造方法に関し、該ホブは、
すくい面の研磨を通して再研磨され、前記ホブは、回転軸を有するディスク状部
材と、その外周面に多数のカッター歯列とを備え、該カッター歯列は、その外周
に亘って均等に分配され、且つ、その正面側においては前記すくい面によって、
外側では逃げ面によって各々連接され、前記すくい面近傍の逃げ面は、1または
それ以上の歯を具備し且つ本質的に前記ディスク状部材の外周に亘って螺旋状に
延びる歯形を形成し、該螺旋歯形の断面は、微小厚みを持つ仮想歯車から得られ
、その中心(歯形中心)は、工具の回転軸に直角な中心面内にあり、前記螺旋歯
形は、回転軸回りに前記ディスク状部材が一回転した時に、前記仮想歯車が、1
またはそれ以上の歯のピッチに亘って歯形中心回りに回転し、各歯列に対して、
前記歯形の断面をすくい面からカッター歯列の後方へ移動させるにつれて、中心
からホブの回転軸までの距離(B)が、小さくなる。
背景技術
斯かる方法は、WO 92/09395から知られる。この公知の方法では、
逃げ面は、研磨ディスクで加工され、この場合には、原則として、研磨ディスク
と逃げ面との間で点接触がある。これは、研磨ディスクが常に、先の尖った或い
は円形をした、逃げ面との接触面を有しており、逃げ面の形状と要求される精度
のために、この接触の領域が、例えば、0.2mm2ときわめて小さいことを意
味する。この先の尖った或いは円形の接触によって、逃げ面の加工は、ワークピ
ースと接触するようになるホブの逃げ面の全てのピニオンに対して実行される。
このことは、ホブの製造時間が極めて嵩み、従って高価となることを意味する。
発明の開示
本発明の目的は、フェースギアを加工するためのホブが、より早く、従ってよ
り安価に製作することができ、しかも、その逃げ面は、すくい面の研磨の後に得
られ、フェースギアの加工に使用される外形が、理論的に正しい外形から、(例
え、あったとしても)小さい誤差しか生じないような方法を提供することにある
。
この目的は、本発明により、背景技術で述べた方法において、ホブが、その逃
げ面を加工している間にその回
転軸回りに回転している間、回転軸に接近または離反するよう移動させられる外
形付けられた研磨ディスクを回転することによって加工され、且つ、その歯形中
心を通る回転軸回りに同様に回転させられるという事実を通じて、本発明により
達成される。
この場合における逃げ面は、その加工中に1のカッター歯の全ての歯の高さと
接触する外形研磨ディスクで加工され、その結果、同じ側を向く全ての歯のフラ
ンクが逃げ面に直角な同じ外形を有している。カッター歯の加工された逃げ面は
、一回でその歯の全ての高さを加工され、その結果、かなりの加工時間とコスト
の削減が達成される。この削減は、公知の方法による場合に要求される場合の0
.1未満の加工時間への削減とされることができる。
この加工時間の削減は、理論的に正しい工具の形状からの許容できないずれの
代償として得ることも可能である。この正しい工具形状は、とりわけ、すくい面
を研磨した後に得られる切れ歯の形状によって決定される。発生するずれが、要
求された品質基準に適合するフェースギアの製造上、許容には大きくなり過ぎる
可能性がある。
本発明のもう一つの目的は、これらの誤差の発生を回避することにある。これ
は、請求項3に係る発明によっ
て達成される。
切れ歯でのずれは、それらのずれが、他の原因で発生するずれよりも小さくな
るような、上記方法によって削減される。
本発明は、また、円筒状ピニオンと噛合し得るフェースギアを加工するための
ホブに関連し、該ホブは、特に、多数のカッター歯列を有し、該歯列の各々が、
螺旋外形を有しており、逃げ面の各側面が、螺旋外形に直角な各断面が同一に加
工されていることを特徴とする。
図面の簡単な説明
本発明は、図面に関し以下に説明される。
図1は、従来のホブを示す側面図である。
図2は、図1のホブの外周面を示す。
図3は、III−III線断面に沿うホブを示す。
図4は、外形を描かれた研磨ディスクでホブの逃げ面を加工している状態を示
す。
図5は、図4のV−V線断面図を示す。
図6は、図4の概略図である。
図7は、ホブと研磨ディスクとが相対移動する状態を示す。
発明を実施するための最良の形態
図において同一部分は、できるだけ同一符号が付され
ている。
図1,2及び3は、フェースギア7を加工し得るホブ1を示している。この場
合、ホブ1は、多数のカッター歯列8を備え、その歯列の各々が、すくい面3と
逃げ面2とを有している。2つのカッター歯列8の間には、深い谷11が存在す
る。ホブ1は、加工の際には、回転軸4回りに回転し、且つフェースギア7に沿
って移動する。カッター歯9の切れ刃10の形状は、小歯車6から得られ、該カ
ッター歯の形状及び数は、ホブ1によって加工されるべきフェースギアに噛合す
る実際に使用する小歯車と一致する。小歯車6は、中心点5を有し、該中心点は
、回転軸4に対して垂直な中心面17内に有り、中心点5から回転軸4までの距
離(b)は、すくい面3に始まって、ホブ1の回転の方向に向かって、各々のカッ
ター歯列8について徐々に小さくなっている。ホブ1が回転軸4回りに一回転し
た時、各カッター歯9は、中心点5の回りに角φだけ回転する。この角φは、3
60°を小歯車6の歯の数で割った角度の1倍又は2倍以上の角度に等しい。こ
の回転は、1条ホブまたは多条ホブを形成し、そこでは、カッター歯9は、いわ
ば、ホブの外周面に亘って進み角γを持つ螺旋状に配置される。
高精度のフェースギアを作成するのためには、ホブの
切れ刃が、極めて正確である必要がある。このことは、すくい面3が、ホブ1の
外周面全体に亘って正確に分配されなければならないことを意味する。これは、
円筒状インボリュート歯車の加工に使用される鋭利加工用ホブに用いる方法と同
様の方法で、前記目的のために設計された研磨盤で行なわれる。すくい面3は、
一般的には、前記螺旋方向に直角な面として設計され、該面は、幾分螺旋状とな
っている。しかしながらすくい面は、平らな面とすることも可能である。
切れ刃10の精度は、複雑な形状をした逃げ面2が加工される精度によって大
部分決定される。ホブの材料は、硬質化されているので、これら逃げ面は、一般
的に研磨されており、しかもその研磨ディスクには、ならいディスクとして公知
の手段にて、例えば、立方晶窒化ホウ素(CBN)の砥粒や、ダイヤモンド等の耐磨
耗性砥粒が用いられている。多くはドレッシング(dressing)によって
寸法決めされるセラミック研磨砥石も、使用され得る。
図4及び5は、カッター歯列8の逃げ面2の本発明による加工を示している。
示されたカッター歯列8は、ホブ1の一部分であり、これは、図1〜3に示され
たホブに相当し、例えば符号9や符号30で示した、深い谷1
1によって画成されている2つの隣り合うカッター歯列8のような、多数のカッ
ター歯列を備えている。ホブ1は、外周面15と、図1の回転軸4に相当する回
転軸16に垂直な面内にある半径(r)とを有する。
ホブ1の切れ刃10は、小歯車6から得られる歯形を有し、該ホブによって形
成されるフェースギアと噛合することができる。これらの切れ刃10は、逃げ面
2とすくい面3との交線として生じ、逃げ面2とすくい面3とは、例えば研磨等
によってそれらの形状が得られる。
逃げ面2からホブ1の回転軸16までの距離は、すくい面3からの距離が増す
につれて減少する。このことは、フェースギアがホブの切れ刃19と接触した後
、加工されるべきフェースギアと逃げ面2とが再び接触しないようにすることを
保証している。この距離の減少は、種々の方法で達成され得るが、逃げ面2及び
外径との間には、常に角βがあり、該角βは、すくい面3の全幅に亘って同じ値
を持つ一方、この角βは、カッター歯列8の長さ全体に亘って変化し得る。しか
しながら、最もよく用いる実施態様は、この角βが、カッター歯列8の長さ全体
に亘っても一定であり、その結果、逃げ面2は、回転軸16に直角な螺旋状とな
る。
前記角βは、逃げ面2とフェースギアの全ての長さに
亘って、即ちフェースギアの全ての圧力角において、製造されるべきフェースギ
アとの間に十分な隙間を許容するのに十分に大きくなければならない。ここで決
定的なファクターは、前記ホブで作られたフェースギアの最小の圧力角である。
もし、前記最小の圧力角が、例えば、10度であるなら、ワークピースと工具と
の間の十分な隙間を得るためには、12度以上の逃げ角βが必要となる。
カッター歯列8は、研磨ディスク12によって平面18内で加工され、加工外
形面13の位置に耐磨耗性砥粒を備えている。研磨ディスク12は、回転軸20
(図4には示されていない。)を有し、該軸上には、加工外形面13の中心を通
る平面内に中心点21がある。
角βは、前記ホブがその回転軸回りにAの方向に回転している時に、研磨ディ
スク12の中心点21をB方向に回転軸16に向けて移動させることによって、
逃げ面2内に得られる。ホブ1が一定の速度で回転している時、このB方向への
移動は、角βがホブの全幅に亘って一つの加工面18内に常に一つの値を持つよ
うに、一つの加工面18内にある全ての歯9に対して等しい大きいさでなければ
ならない。実際には、このことは、カッター歯列8の加工の際に、回転軸16に
向かう移動を、各カッ
ター歯列8に対して、すなわち各深い谷11を経る毎に、常に同一性をもって行
うことにより達成される。従って、第2の及びそれに続くカッター歯列8の歯を
加工するとき、前記移動は、常に方向Bにおいて同一であり、角βは各加工面1
8内で同じ値を持つ。
加工面18内には、螺旋外形の断面の中心点5が有り、該加工面18に対して
垂直に、中心点5を通る回転軸22がある。回転軸16の回りに回っているホブ
1が研磨ディスク12で加工されている間、研磨ディスク12は、回転軸16に
向けてB方向へ移動する一方、研磨ディスク12は回転軸22の回りに同時に回
転しており、その結果、歯9は、螺旋方向に加工される。
研磨ディスク12の研磨外形面13の中心点21は、加工面18から距離(a
)の位置にある。この距離(a)は、回転軸22の回りに研磨ディスク12が回
転している間に変化する。
図5は、図4のV−V線断面図において、研磨ディスク12によって逃げ面2
を加工している状態を示している。この図から分かるように、示された断面にお
いて、この断面は、すくい面3の断面とほぼ一致し、カッター歯列8は、図3に
示された小歯車6の形状と一致する形状を有し、ホブによって加工されたフェー
スギアと噛合
することができる。前記小歯車の中心点5及び歯9が図示されており、ホブ1の
外周面15の形状は、小歯車6の外周面の形状と一致する。
図4及び図5には、研磨ディスク12は、2つの加工位置、即ち、中心面17
内に位置する歯9を加工している状態と、最も側方に位置する歯を加工している
状態(実際には、この歯は、通常加工されない。なぜなら、この歯は、通常、加
工されるべきフェースギアと噛合しないからである。)とが示されている。
もし、V−V線断面を、一つのカッター歯列8上、及び種々のカッター歯列上
の種々の位置について見れば、歯9は、中心点5回りに回転し、該中心点5は、
該断面の連続位置でホブの回転軸16に対して接近又は離反する。中心点5回り
の回転を通じて、歯9は、進み角γを持ったリードが得られ、回転軸16の方へ
の移動を通じて、逃げ角βが得られる。逃げ面2の加工及び回転軸16回りの回
転の間、研磨ディスク12は、研磨ディスクとホブとの間の接触面が回転軸16
に対して接近及び離反し、且つ、ホブの回転軸16に接近又は離反する中心点5
回りに回転するように、移動する。研磨ディスク12が、ほぼ中心面17に位置
するとき、研磨ディスク12は、ほぼ、ホブの歯9の進み角γの方向を向いて位
置
され、研磨ディスク12の回転軸20が、垂直面19内にあるように移動する。
該垂直面19は、加工面18の位置で逃げ面2に対して垂直になっている。
もし、研磨ディスク12が、例えば、図5に示されるようにカッター歯9を加
工している位置にあると、研磨ディスク12の回転軸20は、加工面18とほぼ
角βをなす。
カッター歯列8の全長に亘ってV−V断面の各々において、良好で精度の高い
歯車を製造するために、カッター歯列8のすくい面3及び逃げ面2の交線は、前
記フェースギアと噛合する小歯車の外形(歯形)と一致しなければならない。し
かしながら、前記逃げ面は、このV−V線断面の平面内で加工されないが、逃げ
面2に直角であって、研磨ディスク12の回転軸20を通過する接触面19内で
加工される。その結果として、研磨ディスク12の外形面13の理論的に正しい
形状は、逃げ面2が加工される箇所で変化し、しかも理論的に別個の研磨ディス
クが常に必要とされるということである。
現実に満足のいく方法は、歯溝30がホブ1の中心面17に配置されたとき、
研磨外形30が理論的に正しい状態で歯みぞ30を形成する位置に関して、研磨
外形面13の形状が計算される場合であることが分かった。進
み角γが、その計算である役割を果たすという事実によって、ここでは研磨外形
の形状は、歯みぞの左側と右側において相違する。
そのような計算は、公知の理論データを用いて公知のコンピュータ技術によっ
て実行され得る。これらの計算は、円筒状インボリュート歯車のホブのための研
磨ディスクの計算と対比することができる。
図6は、図5に対応する断面図を示し、そのような断面内で、可能な限り多数
のというような任意の数のカッター歯9の左フランクを示す。製造されるべき歯
車の最小の圧力角αmin は、ホブとフェースギアとの間の接触のための接触線2
3を付与し、製造されるべきフェースギアの最大圧力角αmax は、ホブとフェー
スギアとの間の接触のための接触線24を付与する。破線は、製造されるべきフ
ェースギアの歯の最大高さ25を示している。ハッチングは、ホブの左フランク
の実作用領域26を示している。2重線は、左フランクの作用部分27を示す一
方、細線は、非作用部分28を示している。
逃げ面2を加工している間、フランクの作用部分27のための歯形は、理論的
に正しい形状からのずれを最小にする必要がある。もし、研磨ディスク12が、
小歯車6から得られる外形の中心点5に一致する回転軸22
(図4参照)回りに回転させられれば、歯は、正しい外形に研磨される。しかし
ながら、上述した理由のために、ずれは、中心面17内に無い歯に対して起きる
。
実際には、回転軸22回りの回転を付加したもう一つの移動を研磨ディスクに
与えることによって、ほんのわずかのずれでフランクの実作用部分を加工するこ
とができることが分かった。最も多いケースでは、ホブの回転軸16に平行な移
動が、満足いくものであることが分かった。その移動は、光学的手法で計算され
、ほとんどの場合、各歯の加工のための修正は、カッター歯列の全長に亘って一
定に維持することができ、切れ歯の精度は、きわめて高い。
もし、修正が適正に為されたなら、上述した方法の結果として生じる最大のず
れは、3mmの係数値(Modulus value)を持つホブの場合に、3マイクロメート
ル(μm)以下である。
図7は、ホブがその回転軸16回りに回転している状態で、逃げ面2を加工す
る間に、回転軸20回りに回転する研磨ディスク12が為す種々の動きと共にホ
ブの断面を示している。カッター歯列8を加工し、その回転軸16回りにホブ1
が回転している間、研磨ディスク12は、ホブ1の回転軸16の方へ、間欠的な
移動Bをなし、
次のカッター歯列への搬送の間、深い谷11を通り過ぎて、研磨ディスク12は
、常にBとは反対の方向にあるスタート地点に戻る。加えて、カッター歯列8を
加工している間、加工面18の位置で小歯車の中心点5回りに矢印Cの方向に研
磨ディスク12が回転し、その結果として、進み角γは、その外周面に形成され
る。この進み角γの結果として、研磨ディスク12もまた、加工面18内にあり
且つ中心面17に平行な軸31回りの回転を通してこの角γに配置される。前記
作用フランクを上述のずれに対して修正するために、さらなる修正が、方向Dに
おいて為されなければならない。研磨ディスクの位置についての他の修正は、必
要に応じて為され得る。
作用フランク1の更なる修正は、研磨ディスク12に小さな振動移動(例えば
作用フランク27の中心点回りの)を行わせることによって起こすこともできる
。研磨ディスクの送り移動は、ゆっくりで且つ振幅が非常に小さいため、その特
性や研磨工程のスピードは、あまり影響しない。もし必要なら、加工外形面13
の形状は、この振動に適合される。振動移動のサイズと振動位置は、すべての研
磨位置で同じである。ただし、変化させることも可能である。
一般的に、前に述べた実施形態は、平歯車と噛合し得
るフェースギアのためのホブを加工するのに必要とはされないだろう。小歯車が
螺旋歯を持つフェースギアと噛合するような場合には、逃げ面2の曲率は、より
大きくなり、研磨ディスク12の移動は、より複雑になるだろう。しかしながら
、このことは、ホブ1の加工時間に何ら影響を与えず、その結果、ホブのコスト
にもそれほど影響しない。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年7月10日
【補正内容】
明細書
ホブの製造方法
技術分野
本発明は、フェースギアを加工するためのホブの製造方法に関し、該ホブは、
すくい面の研磨を通して再研磨され、前記ホブは、回転軸を有するディスク状部
材と、その外周面に多数のカッター歯列とを備え、該カッター歯列は、その外周
に亘って均等に分配され、且つ、その正面側においては前記すくい面によって、
外側ではは逃げ面によって各々連接され、前記すくい面近傍の逃げ面は、1また
はそれ以上の歯を具備し且つ本質的に前記ディスク状部材の外周に亘って螺旋状
に延びる歯形を形成し、該螺旋歯形の断面は、微小厚みを持つ仮想歯車から得ら
れ、その中心(歯形中心)は、工具の回転軸に直角な中心面内にあり、前記螺旋
歯形は、回転軸回りに前記ディスク状部材が一回転した時に、前記仮想歯車が、
1またはそれ以上の歯のピッチに亘って歯形中心回りに回転し、各歯列に対して
、前記歯形の断面をすくい面からカッター歯列の後方へ移動させるにつれて、中
心位置からホブの回転軸までの距離(B)が、小さくなる。
背景技術
斯かる方法は、WO 92/09395から知られる。この公知の方法では、
逃げ面は、研磨ディスクで加工され、この場合には、原則として、研磨ディスク
と逃げ面との間で点接触がある。これは、研磨ディスクが常に、先の尖った或い
は円形をした、逃げ面との接触面を有しており、逃げ面の形状と要求される精度
のために、この接触の領域が、例えば、0.2mm2ときわめて小さいことを意
味する。この先の尖った或いは円形の接触によって、逃げ面の加工は、ワークピ
ースと接触するようになるホブの逃げ面の全てのピニオンに対して実行される。
このことは、ホブの製造時間が極めて嵩み、従って高価となることを意味する。
請求の範囲
1.フェースギア(7)を加工するためのホブの製造方法であって、該ホブは、
すくい面(3)の研磨を通して再研磨可能であり、前記ホブ(1)は、回転軸(
4;16)を有するディスク状部材と、その外周面に多数のカッター歯列とを備
え、該カッター歯列は、その外周に亘って均等に分配され、且つ、その正面側に
おいてはすくい面(3)によって、外側では逃げ面(2)によって各々連接され
、前記すくい面(3)近傍の逃げ面(2)は、1またはそれ以上の歯(9)を具
備し且つ本質的に前記ディスク状部材の外周に亘って螺旋状に延びる歯形を形成
し、該螺旋歯形の断面は、微小厚みを持つ仮想歯車(6)から得られ、その中心
点(歯形中心)(5)は、工具の回転軸に直角な中心面(17)内にあり、前記
螺旋歯形は、回転軸(4;16)回りに前記ディスク状部材が一回転した時に、
前記仮想歯車(6)が、1またはそれ以上の歯のピッチに亘って歯形中心(5)
回りに回転し、各歯列(8)は、前記歯形の断面をすくい面(3)からカッター
歯列の後方へ移動させるにつれて、中心位置(5)からホブの回転軸(4;16
)までの距離(B)が小さく
なる、前記ホブの製造方法において、
逃げ面(2)は、逃げ面(2)を加工している間にホブ(1)が回転軸(4
;16)回りに回転する一方で回転軸(4;16)に対して接近または離反し、
且つ、それと同時に歯形中心(5)を通る回転軸(22)回りに回転させられる
回転ならい研磨ディスク(12)によって加工されることを特徴とするフェース
ギア(7)を加工するためのホブの製造方法
2.別の研磨外形面(13)の1の側面に面する逃げ面(2)の全てのフランク
(10)に対する方が、他の側面に面する全てのフランク(10)に対するより
も、使用されることを特徴とする請求項1に記載のホブの製造方法。
3.請求項1又は2に記載のホブの製造方法において、研磨ディスク(12)は
、研磨外形面(13)を具有し、(訳注;以下の部分は、特許法184条の5第
1項の規定による書面に添付の翻訳文に記載の請求項3の第3行以下に続く。)