JPH1047841A - 冷蔵庫扉の把手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品加工工場等で使用されるような比較的大
型の冷蔵庫扉に使用される金属製把手は従来抗菌化する
ことができなかった。通常、肉類、魚類等を取り扱う食
品工場では、食品衛生法の衛生規範により食品中毒防止
の観点から、生菌数等についての規制があるが、交差汚
染により作業者の手により把手が菌で汚染され、しばら
く放置すると悪臭を放つ場合がある。本発明では食品加
工室の冷蔵庫における扉の金属製把手の握り部分を抗菌
化することにより、交差汚染を防止し、また把手からの
悪臭を防止し得る冷蔵庫扉の把手を提供することを目的
とするものである。 【解決手段】 本発明の冷蔵庫扉の把手は、食品加工室
内の金属製冷蔵庫扉の把手表面に、無機抗菌剤を混入し
た常温ないし２００℃で硬化する無機塗料を焼き付け塗
装したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は通常、肉類、魚類等
をパックに袋詰めする場合に使用されるような食品室に
おいて使用されるような比較的大型の冷蔵庫の扉の把手
に関するものでありる。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】一般に、冷蔵庫の把手
は金属製と樹脂製とで形成される。しかし、上述したよ
うに食品加工工場等で使用されるような比較的大型の冷
蔵庫扉は開閉が頻繁に行なわれるのみならず、扉重量も
重いため強度の面から、その把手は樹脂製のものでなく
金属製のものが使用される。樹脂製の把手は抗菌剤を練
り込んだ樹脂を用いることにより簡単に抗菌化すること
ができるが、金属製の把手は従来抗菌化することができ
なかった。通常、肉類、魚類等を取り扱う食品工場で
は、食品衛生法の衛生規範により食品中毒防止の観点か
ら、生菌数等についての規制があり、そのため食品の取
り扱う従業者は加工室に入る前に手指の洗浄殺菌を行な
っている。従って以後の動作においては菌の移植の恐れ
のある汚物には触れないようにする必要があるのだが、
実際には冷蔵庫の開閉のたびに把手を握っており、その
把手に菌が付着しておれば、交差汚染により作業者の手
が菌で汚染されることになってしまう。また、把手を握
ることにより食品の栄養分が作業者の手から把手に付着
し、しばらく放置すると悪臭を放つ場合がある。

【０００３】本発明は、上記した従来の問題点を解消す
るものであり、食品加工室の冷蔵庫における扉の金属製
把手の握り部分を抗菌化することにより、交差汚染を防
止し、また把手からの悪臭を防止し得る冷蔵庫扉の把手
を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本発明の冷蔵庫扉の把
手は、金属製冷蔵庫扉の把手表面に、無機抗菌剤を混入
した常温ないし２００℃で硬化する無機塗料を焼き付け
塗装したことを特徴とする。

【０００５】

【発明の実施の態用】本発明において、上述したような
冷蔵庫用扉の把手には、各種アルミニウム合金、ステン
レス、スチール、黄銅等が適宜選択使用できる。アルミ
ニウム合金としては押出材等の展伸材でもあるいはダイ
カスト等の鋳造材のどちらでもよい。本発明ではこれら
金属製把手の握り部分の表面に無機抗菌剤を混入させた
無機塗料を焼き付け塗装したものである。

【０００６】抗菌剤には、通常無機の抗菌剤と有機の抗
菌剤がある。有機抗菌剤には塩化ベンザルコニウムや有
機シリコン系第４級アンモニウム等が挙げられ、また無
機抗菌剤には、銀イオンをゼオライトに吸着させたも
の、酸化チタン、亜鉛粉末等が挙げられる。しかし、抗
菌剤に抗菌および消臭の両方の機能を保有させるために
は無機系の抗菌剤が好ましい。

【０００７】これら無機抗菌剤を混入させる塗料として
は、有機系（アクリル、ポリエステル等）塗料と無機系
塗料とがあるが、有機系塗料に上述のような無機抗菌剤
を混入させると、塗料が無機抗菌剤によって侵されて劣
化してしまい、効果の持続性が乏しくなる。無機系の塗
料としては通常、シリコン系、アルミナ系等のものが挙
げられるが、これら通常の無機系塗料の焼き付け温度は
１０００℃程度と高く、素材である金属製把手の材質に
より焼き付け時に把手が溶融する恐れがあるため、常温
ないし２００℃程度の比較的低温で硬化するタイプの無
機塗料、例えばシリコン樹脂とアルミナとの混合物等を
用いることが好ましい。焼き付け厚さは２〜３０μｍと
する。なお、無機系の塗料を用いる場合、汚れ落ちが良
いという利点も有する。これら無機系の塗料中に混入す
る無機系の抗菌剤の割合は、０．１〜１ｗｔ％とするこ
とが好ましい。

【０００８】

【実施例】素材としてアルミニウム合金板（Ａ３００４
−Ｈ２４）表面に、銀イオンをゼオライトに吸着させた
無機抗菌剤を０．３ｗｔ％添加したシリコン樹脂／アル
ミナ系無機塗料を１０μｍ厚塗布し、１２０℃×１Ｈｒ
で焼き付け塗装した。その表面に黄色ブドウ球菌または
大腸菌（ＭＲＳＡ）の菌液を滴下し、その上にポリエチ
レンフィルムをかぶせ、３５℃で４時間ないし２４時間
保存後の生菌数を測定した。なお、菌液調整溶液とし
て、黄色ブドウ球菌用には１／５００濃度の０．２％肉
エキス加普通ブイヨンを、またＭＲＳＡ用には１／２０
０濃度の０．２％肉エキス加普通ブイヨンを用いた。ま
た、比較例としてはプラスチックシャーレ内にて同様の
菌を滴下した試験を実施した。それらの結果を表１に示
す。

【０００９】

【表１】

【００１０】

【発明の効果】以上のような本発明によれば、商業ベー
スで加工流通する食品関係の加工室等で使用する冷蔵庫
の金属製把手に良好な抗菌性の塗装が施され、しかも悪
臭も防止でき、食品衛生法上からもその規制を十分に満
たすことができる把手が得られる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷蔵庫扉の把手において、金属製把手表
   面に無機抗菌剤を混入した常温ないし２００℃で硬化す
   る無機塗料を焼き付け塗装したことを特徴とする冷蔵庫
   扉の把手。