JPH11217648A - 抗菌性に優れたAl合金器具類 - Google Patents
抗菌性に優れたAl合金器具類Info
- Publication number
- JPH11217648A JPH11217648A JP11289498A JP11289498A JPH11217648A JP H11217648 A JPH11217648 A JP H11217648A JP 11289498 A JP11289498 A JP 11289498A JP 11289498 A JP11289498 A JP 11289498A JP H11217648 A JPH11217648 A JP H11217648A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【目的】Alの軽量性および加工性を維持しつつ、なお
かつ抗菌性を付与したAl合金を素材として加工するこ
とで、衛生面に優れた建築用金物、サニタリー用品、食
品および薬品用容器、器具類を提供する。 【構成】0.5mass%以上のCuまたはAgを含有
し、かつCuまたはAgが濃化した第2相が0.2体積
%以上存在するAl合金からなる建築用金物、サニタリ
ー用品、食品および薬品用容器、器具類とする。
かつ抗菌性を付与したAl合金を素材として加工するこ
とで、衛生面に優れた建築用金物、サニタリー用品、食
品および薬品用容器、器具類を提供する。 【構成】0.5mass%以上のCuまたはAgを含有
し、かつCuまたはAgが濃化した第2相が0.2体積
%以上存在するAl合金からなる建築用金物、サニタリ
ー用品、食品および薬品用容器、器具類とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生活環境、保存およ
び運搬において抗菌等の衛生環境が必要となる建築用金
物、サニタリー用品、食品および薬品用容器、器具類に
関する。
び運搬において抗菌等の衛生環境が必要となる建築用金
物、サニタリー用品、食品および薬品用容器、器具類に
関する。
【0002】
【従来の技術】AlやAl合金は軽量で加工性に優れる
ことから、窓枠等の建築金物、配膳車等の保存運搬容
器、洗面台等のサニタリー製品および鍋類等の器具類に
多く使用されてきた。しかし、Al自身は抗菌性を発揮
せず、なおかつAl及びAl合金の表面が酸化物で覆わ
れることから、抗菌性を有するAgやCuのような元素
を添加しても十分な抗菌性を発揮しなかった。
ことから、窓枠等の建築金物、配膳車等の保存運搬容
器、洗面台等のサニタリー製品および鍋類等の器具類に
多く使用されてきた。しかし、Al自身は抗菌性を発揮
せず、なおかつAl及びAl合金の表面が酸化物で覆わ
れることから、抗菌性を有するAgやCuのような元素
を添加しても十分な抗菌性を発揮しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はAl
の軽量性および加工性を維持しつつ、なおかつ抗菌性を
付与したAl合金を素材として加工することで、衛生面
に優れた建築用金物、サニタリー用品、食品および薬品
用容器、器具類を提供することを目的とする。
の軽量性および加工性を維持しつつ、なおかつ抗菌性を
付与したAl合金を素材として加工することで、衛生面
に優れた建築用金物、サニタリー用品、食品および薬品
用容器、器具類を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、0.5mas
s%以上のCuまたはAgを含有し、かつCuまたはA
gが濃化した第2相が0.2体積%以上存在するAl合
金からなる建築用金物、サニタリー用品、食品および薬
品用容器、器具類である。CuまたはAgの添加上限
は、特に規制するものではないが、添加によるコスト上
昇及び比重増加の観点から、20mass%以内とする
ことが望ましい。
s%以上のCuまたはAgを含有し、かつCuまたはA
gが濃化した第2相が0.2体積%以上存在するAl合
金からなる建築用金物、サニタリー用品、食品および薬
品用容器、器具類である。CuまたはAgの添加上限
は、特に規制するものではないが、添加によるコスト上
昇及び比重増加の観点から、20mass%以内とする
ことが望ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】Al合金中にAgまたはCuを主
体とする第2相が0.2体積%以上存在するAl合金を
用いた器具類は、AgまたはCuを主体とする第2相が
表面にも分散露出しているため、この部分ではAlの酸
化皮膜が生成しにくく、AgやCuがイオンとなって溶
出しやすいため、各種菌類に対して抗菌効果を発揮す
る。また、AgまたはCuを主体とする第2相中のAg
およびCu濃度が高いほど、イオンとしての溶出が容易
になる。この抗菌性を有するAl合金をそのまま用いて
器具類に加工してもよいが、このAl合金と普通鋼また
はステンレス鋼とのクラッドや、このAl合金を用いて
普通鋼やステンレス鋼の表面にめっきを施した板を用い
た器具類も良好な抗菌作用を示す。
体とする第2相が0.2体積%以上存在するAl合金を
用いた器具類は、AgまたはCuを主体とする第2相が
表面にも分散露出しているため、この部分ではAlの酸
化皮膜が生成しにくく、AgやCuがイオンとなって溶
出しやすいため、各種菌類に対して抗菌効果を発揮す
る。また、AgまたはCuを主体とする第2相中のAg
およびCu濃度が高いほど、イオンとしての溶出が容易
になる。この抗菌性を有するAl合金をそのまま用いて
器具類に加工してもよいが、このAl合金と普通鋼また
はステンレス鋼とのクラッドや、このAl合金を用いて
普通鋼やステンレス鋼の表面にめっきを施した板を用い
た器具類も良好な抗菌作用を示す。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を記す。 [実施例1]表1には本発明に用いたAl合金の成分例
を示す。合金は、溶製後に熱延、冷延及び熱処理等を施
し、比較例C,D及びEはそのまま角バットに加工し、
抗菌試験に供した。一方、発明例A及びBは350℃で
時効処理を施し、AgまたはCuを主体とする第2相を
0.2体積%以上析出させた後、角バットに加工した。
なお、この第2相としてはAl−Ag合金の場合はδ
相、Al−Cu合金の場合はθ相等も含まれる。抗菌試
験は、一定量の黄色ブドウ球菌液を角バット加工品に滴
下し、試験開始時生菌数と24時間後生菌数をカウント
した。抗菌効果の指標としては、以下の減菌率の式1に
おいて、90%未満の値のものを×、90以上99%未
満のものを○、99%以上のものを◎として評価した。 減菌率(%)={(試験開始時生菌数)―(24時間後生菌数)}/ (試験開始 時生菌数)×100 (1)
を示す。合金は、溶製後に熱延、冷延及び熱処理等を施
し、比較例C,D及びEはそのまま角バットに加工し、
抗菌試験に供した。一方、発明例A及びBは350℃で
時効処理を施し、AgまたはCuを主体とする第2相を
0.2体積%以上析出させた後、角バットに加工した。
なお、この第2相としてはAl−Ag合金の場合はδ
相、Al−Cu合金の場合はθ相等も含まれる。抗菌試
験は、一定量の黄色ブドウ球菌液を角バット加工品に滴
下し、試験開始時生菌数と24時間後生菌数をカウント
した。抗菌効果の指標としては、以下の減菌率の式1に
おいて、90%未満の値のものを×、90以上99%未
満のものを○、99%以上のものを◎として評価した。 減菌率(%)={(試験開始時生菌数)―(24時間後生菌数)}/ (試験開始 時生菌数)×100 (1)
【0007】
【表1】
【0008】AgまたはCuを1mass%以上含有
し、かつAgまたはCuを主体とする第2相0.2体積
%以上析出させたAおよびBの加工品は抗菌性が優れる
事がわかる。一方、AgまたはCuを添加していないC
では抗菌性が発揮されず、また、CuまたはAgを0.
5mass%以上添加してもCuまたはAgを主体とし
た第2相が0.2体積%以上析出していないDおよびE
は抗菌性が劣る事がわかる。
し、かつAgまたはCuを主体とする第2相0.2体積
%以上析出させたAおよびBの加工品は抗菌性が優れる
事がわかる。一方、AgまたはCuを添加していないC
では抗菌性が発揮されず、また、CuまたはAgを0.
5mass%以上添加してもCuまたはAgを主体とし
た第2相が0.2体積%以上析出していないDおよびE
は抗菌性が劣る事がわかる。
【0009】[実施例2]図1は本発明に係る窓枠であ
り、窓外枠(1)および窓枠(2)にAgまたはCuを
主体とする第2相を0.2体積%以上析出させたAl合
金を使用しているものである。このような構成にするこ
とにより、良好な抗菌性を有することを確認している。
り、窓外枠(1)および窓枠(2)にAgまたはCuを
主体とする第2相を0.2体積%以上析出させたAl合
金を使用しているものである。このような構成にするこ
とにより、良好な抗菌性を有することを確認している。
【0010】[実施例3]図2は本発明に係る配膳台車
であり、台車本体(4)および棚板(5)、取手(6)
にAgまたはCuを主体とする第2相を0.2体積%以
上析出させたAl合金を使用するものである。このよう
な構成にすることにより、良好な抗菌性を有することを
確認している。
であり、台車本体(4)および棚板(5)、取手(6)
にAgまたはCuを主体とする第2相を0.2体積%以
上析出させたAl合金を使用するものである。このよう
な構成にすることにより、良好な抗菌性を有することを
確認している。
【0011】前記の角バット、窓枠および配膳台車のみ
ならず、窓枠、内外壁材、トイレブース用品、洗面台、
厨房機器、食器、事務用品、運搬機器、自動車、船舶、
航空機、電車、ロッカー類、装飾品、器物等のAl製品
で人体が直接接触する製品あるいは生活環境で抗菌性が
必要となる加工品に適用できる。
ならず、窓枠、内外壁材、トイレブース用品、洗面台、
厨房機器、食器、事務用品、運搬機器、自動車、船舶、
航空機、電車、ロッカー類、装飾品、器物等のAl製品
で人体が直接接触する製品あるいは生活環境で抗菌性が
必要となる加工品に適用できる。
【0012】
【発明の効果】本発明により、これまでのAl製品と同
様の用途において、各種菌類に対して優れた抗菌効果を
発現できることから、高い衛生環境を提供できる。
様の用途において、各種菌類に対して優れた抗菌効果を
発現できることから、高い衛生環境を提供できる。
【図1】本発明に係る窓枠である。
【図2】本発明に係る配膳台車である。
1 抗菌Al製窓外枠 2 抗菌Al製窓枠 3 ガラス 4 抗菌Al製配膳台車 5 抗菌Al製棚板 6 抗菌Al製取っ手 7 キャスター
Claims (4)
- 【請求項1】 0.5mass%以上のCuを含有し、
かつCuが濃化した第2相が0.2体積%以上存在する
Al合金からなる建築用金物、サニタリー用品、食品お
よび薬品用容器、器具類。 - 【請求項2】 0.5mass%以上のAgを含有し、
かつCuが濃化した第2相が0.2体積%以上存在する
Al合金からなる建築用金物、サニタリー用品、食品お
よび薬品用容器、器具類。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のAl合金と普
通鋼またはステンレス鋼をクラッドとし、これらのクラ
ッド材からなる建築用金物、サニタリー用品、食品およ
び薬品用容器、器具類。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載のAl合金を表
面に鍍金した表面処理鋼板からなる建築用金物、サニタ
リー用品、食品および薬品用容器、器具類。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11289498A JPH11217648A (ja) | 1998-01-29 | 1998-04-09 | 抗菌性に優れたAl合金器具類 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP51698 | 1998-01-29 | ||
JP11289498A JPH11217648A (ja) | 1998-01-29 | 1998-04-09 | 抗菌性に優れたAl合金器具類 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11217648A true JPH11217648A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=14598179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11289498A Withdrawn JPH11217648A (ja) | 1998-01-29 | 1998-04-09 | 抗菌性に優れたAl合金器具類 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11217648A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007070714A (ja) * | 2005-09-09 | 2007-03-22 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 抗菌性アルミニウム展伸材及びその製造方法 |
JP2016069697A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 東洋アルミニウム株式会社 | 加熱調理器具用アルミニウム合金部材 |
-
1998
- 1998-04-09 JP JP11289498A patent/JPH11217648A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007070714A (ja) * | 2005-09-09 | 2007-03-22 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 抗菌性アルミニウム展伸材及びその製造方法 |
JP2016069697A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 東洋アルミニウム株式会社 | 加熱調理器具用アルミニウム合金部材 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050405 |