JP3908867B2 - 抗菌性アルミニウム箔 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭内でキッチンホイル、ミニカップなどとして使用されている家庭用アルミニウム箔のアルミニウム合金として、少量のCuを配合し、アルミニウム合金自身に除菌効果を付与した抗菌性アルミニウム箔に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種扉、トイレの把手、スイッチなどの家具、人形、積み木、自動車などの玩具類、食器類、机、椅子、筆記具などの文房具、バスや電車の吊り皮、腰かけなどの交通機関の内部装備などに抗菌性を付与したものが多数見受けられるようになってきている。
これらのものに抗菌性を付与するためには、抗菌効果を持つ抗菌剤をそれらの表面にコーティングするかまたは製品の表面材に練り込んだりすることにより抗菌性を付与しているのが一般的である。
この抗菌剤としては、多くの種類の抗菌剤が使用されている。例えば無機系の抗菌剤としては、殺菌効果あるいは静菌効果を有する銀、銅、亜鉛などの金属をゼオライト、シリカゲルなどに吸着させて微粉末としたもの、酸化チタンに代表される光触媒作用を利用したものなどを挙げることができる。また有機系の抗菌剤としてはポピドンヨードや第4級アンモニウム塩などの除菌剤、ホルムアルデヒドなどの防腐剤(殺菌剤)などが挙げられ、これらの抗菌剤をコーティング、練り込みなどで処理されている。
【0003】
このような無機系、有機系の抗菌剤は、ともに製品の表面にコートするかあるいは製品の表面材に練り込むなどの2次的処理が必要であり、家庭用アルミニウム箔などの場合には、キッチンホイル、ミニカップのようにその表面が直接食品など、飲食により人体に取り込む物に接触するものであるので、上記のような抗菌剤の使用は困難である。
【0004】
一方、家庭用アルミニウム箔としては、ほとんどすべての家庭において使用されているといっても過言ではない。この家庭用アルミニウム箔としては通常厚さが40ミクロン以下、最も一般的に使用されているのは10〜20ミクロンのものが多く使用されている。
従来キッチンホイル、ミニカップなど家庭用箔は、この厚さが40ミクロン以下に圧延するため、圧延性、加工性も良く、材質的にも大量に生産されている1N30(工業用純アルミニウム)がほとんどであり、Cuなどの入ったアルミニウム合金は使用されていなかった。
Cuを合金成分として添加したアルミニウム合金はJIS規格に規定されているが、アルミニウムに合金成分としてCuを添加すると、アルミニウムは硬度を増し圧延性を低下させるので、40ミクロン以下の薄箔にはほとんど使用されていないのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、キッチンホイル、ミニカップなどの家庭用アルミニウム箔に対し、特別な抗菌剤を添加することなく、アルミニウム箔に抗菌性を付与したアルミニウム箔を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] 酸化膜厚さが70オングストローム以下である、JIS規格1100合金のうち、アルミニウム純度99.0%以上、合金成分としてCuを0.12〜0.2wt%を含有したアルミニウム合金の、厚さ10〜20ミクロンの抗菌性アルミニウム箔、を開発することにより上記の目的を達成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において使用するアルミニウムとしては、Cu成分として0.12〜0.2wt%含有するアルミニウム、好ましくはアルミニウム純度99.3%以上のアルミニウム地金にCuを0.12〜0.2wt%含有したアルミニウム合金が挙げられる。Cu含有量が0.12wt%未満においては抗菌効果がなく、また0.2wt%を越えて含有させると抗菌効果は若干向上するがその効果は小さく、耐食性も低下し、家庭用箔の主たる用途である食品の保存、特に酸性やアルカリ性の食品に対する抵抗性が低下する。また更に加工性の低下が大きく薄箔への圧延性が低下するのでこの範囲内に抑えるべきである。
【0008】
このようなCuを含むアルミニウム合金としてJIS規格に1100合金(Cu含有量0.05〜0.2wt%)があった。しかしこの合金からのアルミニウム箔は加工性が悪くなることを防止し、加工性を確保するためにそのCu含有量を0.10wt%未満程度に抑えた1100合金を使用しているものであり、Cu成分を高く含有する1100合金の30ミクロン以下の薄いアルミニウム箔はなかった。
確かにCu成分を0.12wt%以上含むアルミニウム箔はその加工性は悪いが、Cuを0.12wt%以上含むことによりアルミニウム箔表面の抗菌性が高くなり、一般家庭において食中毒などの原因となる大腸菌や黄色ブドウ球菌の生菌数を大きく減少させる効果がある。
このような抗菌性アルミニウム箔はこれまでまったくなく、食品に直接接触するキッチンホイルやミニカップなどに使用するアルミニウム箔としては極めて有用な性能である。
【0009】
アルミニウム箔としては、通常家庭用アルミニウム箔として使用されている厚さ加工性が低下して生産性が若干低下するが40ミクロン以下、好ましくは10〜20ミクロンのものがその用途から見て好ましい。
なおこの場合アルミニウム合金からのアルミニウム箔中のCu成分は、熱処理することにより表面に濃化し難い性質を有している。一方家庭用アルミニウム箔は圧延後十分な熱処理により軟質材化を図ることが多いが、熱処理することにより、アルミニウム箔表面に酸化膜が生成することが避けられない。
このアルミニウム箔表面の酸化膜は、Cuの抗菌効果(Cuイオンの溶出による抗菌効果と思われる。)を阻害するものと考えられ、70オングストローム以下、好ましくは60オングストローム以下に抑えておきたい。
【0010】
アルミニウム箔においては従来抗菌性をアルミニウム箔に付与するとの思想がなく、まったく新しい考えに基づき本発明はなされている。
本発明の抗菌性アルミニウム箔は家庭用のみならず、抗菌性を必要とする分野特に食品、医薬品など人体の飲食あるいは注射、点滴など、細菌、病原菌などに関係する分野の包装、容器などに使用されているアルミニウム箔に広く使用することができるものである。
【0011】
【実施例】
(実施例1〜4、比較例1〜2)
各種の濃度のCuを含むアルミニウム合金からなるアルミニウム箔を圧延し、表面を十分に洗浄し、次いで十分に滅菌処理した後、その表面に別々に大腸菌(接種直後:2.5×105 ケ)、黄色ブドウ球菌(接種直後1.7×105 ケ)を接種し、これを35℃。湿度90%以上、24時間保存後の試験菌中の生菌数を測定した。結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
(実施例5)
実施例1に使用した抗菌性アルミニウム箔を熱処理する時間を変更することにより、その表面に各種の厚みの酸化膜を有するアルミニウム箔を準備し、その抗菌効果を測定した。測定方法及び測定結果の評価基準は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】
本発明は、家庭内でキッチンホイル、ミニカップなどとして使用されている家庭用アルミニウム箔のアルミニウムとして、少量のCuを配合し、アルミニウム合金自身に除菌効果を付与した抗菌性アルミニウム箔である。
本発明の抗菌性アルミニウム箔は、キッチンホイル、ミニカップなどの家庭用アルミニウム箔に対し、特別な抗菌剤を添加することなく、アルミニウム箔に抗菌性を付与したアルミニウム箔であり、加熱や洗剤による洗浄などによってその抗菌性を損なわれることはないものである。
Claims (1)
- 酸化膜厚さが70オングストローム以下である、JIS規格1100合金のうち、アルミニウム純度99.0%以上、合金成分としてCuを0.12〜0.2wt%を含有したアルミニウム合金の、厚さ10〜20ミクロンの抗菌性アルミニウム箔。
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