JPH0860302A - 抗菌性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及び製造方法 - Google Patents
抗菌性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及び製造方法Info
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- JPH0860302A JPH0860302A JP21055794A JP21055794A JPH0860302A JP H0860302 A JPH0860302 A JP H0860302A JP 21055794 A JP21055794 A JP 21055794A JP 21055794 A JP21055794 A JP 21055794A JP H0860302 A JPH0860302 A JP H0860302A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 外観,加工性等を損なうことなく、抗菌性を
高めたオーステナイト系ステンレス鋼を得る。 【構成】 このオーステナイト系ステンレス鋼は、下地
鋼のCu含有量が5重量%以下であり、表層部のCu濃
度が0.1原子%以上になっている。表層部のCu濃度
は、貴の電位及び卑の電位を交互に繰り返す方形波電位
を印加する交番電解処理で高めることができる。 【効果】 表層部のCu濃度が高いため、鋼表面にある
水分でイオン化したCuが殺菌作用を呈する。
高めたオーステナイト系ステンレス鋼を得る。 【構成】 このオーステナイト系ステンレス鋼は、下地
鋼のCu含有量が5重量%以下であり、表層部のCu濃
度が0.1原子%以上になっている。表層部のCu濃度
は、貴の電位及び卑の電位を交互に繰り返す方形波電位
を印加する交番電解処理で高めることができる。 【効果】 表層部のCu濃度が高いため、鋼表面にある
水分でイオン化したCuが殺菌作用を呈する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性が高められたオ
ーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法に関す
る。
ーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】雑菌が繁殖し易い場所や雑菌の発生が好
ましくない場所に使用される硬質材料として、耐食性に
優れたオーステナイト系ステンレス鋼が使用されてい
る。しかし、雑菌の繁殖による汚染,悪臭,ぬめり等が
人体,動物,製品等に与える悪影響を懸念する傾向が強
くなってきている。特に清潔さが要求される厨房,医療
機関,多数の人が集まる建造物等では、雑菌に対して抵
抗力のある材料に対する要求が強い。この種の要求に答
えるため、抗菌剤を配合した樹脂をステンレス鋼の表面
に塗布積層する方法や、マトリックス中に抗菌剤成分を
含むめっきを施す方法等が特開平5−228202号公
報,特開平6−10191号公報等で紹介されている。
ましくない場所に使用される硬質材料として、耐食性に
優れたオーステナイト系ステンレス鋼が使用されてい
る。しかし、雑菌の繁殖による汚染,悪臭,ぬめり等が
人体,動物,製品等に与える悪影響を懸念する傾向が強
くなってきている。特に清潔さが要求される厨房,医療
機関,多数の人が集まる建造物等では、雑菌に対して抵
抗力のある材料に対する要求が強い。この種の要求に答
えるため、抗菌剤を配合した樹脂をステンレス鋼の表面
に塗布積層する方法や、マトリックス中に抗菌剤成分を
含むめっきを施す方法等が特開平5−228202号公
報,特開平6−10191号公報等で紹介されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗菌剤を配合した樹脂
をオーステナイト系ステンレス鋼の表面に塗布積層する
と、ステンレス鋼特有の金属光沢が失われ、商品価値を
下げる。しかも、抗菌性皮膜は、加工時や使用中に割
れ,欠損,摩耗等の損傷を受け、湿潤雰囲気に曝される
とき抗菌性成分が溶出し、外観が劣化するばかりでな
く、本来の抗菌作用が損なわれる。また、抗菌剤が枯渇
したとき、残った皮膜が却って雑菌の栄養分となり、雑
菌の繁殖を促進させる原因にもなる。抗菌剤成分を混入
した複合めっきを施したものでは、めっき層の密着性が
十分でなく、加工性を低下させる欠点がある。また、皮
膜の溶解,摩耗,欠損等に起因して外観が低下すると共
に、抗菌作用が低下する場合がある。
をオーステナイト系ステンレス鋼の表面に塗布積層する
と、ステンレス鋼特有の金属光沢が失われ、商品価値を
下げる。しかも、抗菌性皮膜は、加工時や使用中に割
れ,欠損,摩耗等の損傷を受け、湿潤雰囲気に曝される
とき抗菌性成分が溶出し、外観が劣化するばかりでな
く、本来の抗菌作用が損なわれる。また、抗菌剤が枯渇
したとき、残った皮膜が却って雑菌の栄養分となり、雑
菌の繁殖を促進させる原因にもなる。抗菌剤成分を混入
した複合めっきを施したものでは、めっき層の密着性が
十分でなく、加工性を低下させる欠点がある。また、皮
膜の溶解,摩耗,欠損等に起因して外観が低下すると共
に、抗菌作用が低下する場合がある。
【0004】しかも、何れの方法も抗菌剤を使用してい
ることから、溶出した抗菌剤が人体や環境に悪影響を及
ぼす虞れがある。そこで、抗菌剤成分を被覆する方法に
代え、ステンレス鋼自体に抗菌性を付与するとこが望ま
れている。本発明は、このような要求に応えるべく案出
されたものであり、表面層のCu濃度を高めることによ
り、オーステナイト系ステンレス鋼自体に抗菌性をもた
せ、ステンレス鋼特有の美麗な外観や加工性等の諸特性
を損なうことなく、長期にわたって優れた抗菌性を維持
し、しかも人体や環境に対して安全なオーステナイト系
ステンレス鋼を提供することを目的とする。
ることから、溶出した抗菌剤が人体や環境に悪影響を及
ぼす虞れがある。そこで、抗菌剤成分を被覆する方法に
代え、ステンレス鋼自体に抗菌性を付与するとこが望ま
れている。本発明は、このような要求に応えるべく案出
されたものであり、表面層のCu濃度を高めることによ
り、オーステナイト系ステンレス鋼自体に抗菌性をもた
せ、ステンレス鋼特有の美麗な外観や加工性等の諸特性
を損なうことなく、長期にわたって優れた抗菌性を維持
し、しかも人体や環境に対して安全なオーステナイト系
ステンレス鋼を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のオーステナイト
系ステンレス鋼は、その目的を達成するため、3.5重
量%以下のCuを含むステンレス鋼を下地とし、表面か
ら50Åまでの深さにある表層部のCu濃度が0.1原
子%以上であることを特徴とする。下地鋼としては、C
u含有量が0.01重量%以上であるものが好ましい。
表層部のCu濃度C1 は、必要とする抗菌性を得る上か
ら、下地鋼のCu含有量C2 を基準として次式(1)の
範囲に調整される。 C1 /C2 ≧0.2 ・・・・(1)
系ステンレス鋼は、その目的を達成するため、3.5重
量%以下のCuを含むステンレス鋼を下地とし、表面か
ら50Åまでの深さにある表層部のCu濃度が0.1原
子%以上であることを特徴とする。下地鋼としては、C
u含有量が0.01重量%以上であるものが好ましい。
表層部のCu濃度C1 は、必要とする抗菌性を得る上か
ら、下地鋼のCu含有量C2 を基準として次式(1)の
範囲に調整される。 C1 /C2 ≧0.2 ・・・・(1)
【0006】表層部のCu濃度は、Cuを含むオーステ
ナイト系ステンレス鋼を交番電解処理し、表層部のCu
濃度を0.1原子%以上に高めることにより調整され
る。すなわち、Crの不動態化電位より卑の電位範囲と
Feの自然電位からFeの不動態化完了電位までの貴の
電位範囲との間で振幅する方形波電位を3.5重量%以
下のCuを含むオーステナイト系ステンレス鋼に印加す
るとき、貴の電位で溶出したCuイオンが卑の電位で鋼
表面に析出し、表層部のCu濃度を上昇させる。このと
き、下地鋼のCu含有量を考慮して電解処理時間を設定
することにより、Cu濃度0.1原子%以上の表層部が
形成される。表層部のCu濃度は、X線光電子分光分析
装置を使用して測定することができる。たとえば、脱脂
後の清浄表面にMgkαX線を照射し、各ピークの面積
強度を測定し、相対感度指数を用いて算出される。
ナイト系ステンレス鋼を交番電解処理し、表層部のCu
濃度を0.1原子%以上に高めることにより調整され
る。すなわち、Crの不動態化電位より卑の電位範囲と
Feの自然電位からFeの不動態化完了電位までの貴の
電位範囲との間で振幅する方形波電位を3.5重量%以
下のCuを含むオーステナイト系ステンレス鋼に印加す
るとき、貴の電位で溶出したCuイオンが卑の電位で鋼
表面に析出し、表層部のCu濃度を上昇させる。このと
き、下地鋼のCu含有量を考慮して電解処理時間を設定
することにより、Cu濃度0.1原子%以上の表層部が
形成される。表層部のCu濃度は、X線光電子分光分析
装置を使用して測定することができる。たとえば、脱脂
後の清浄表面にMgkαX線を照射し、各ピークの面積
強度を測定し、相対感度指数を用いて算出される。
【0007】Cuは、非常に優れた抗菌性を呈すること
が知られている。Cuの抗菌性は、イオン化したCuが
細胞の呼吸,代謝酵素中のチオールと効率よく反応し、
チオールを不活化させることに起因するものと考えられ
ており、抗菌性シリカゲル,抗菌性ゼオライト等のCu
を担持した抗菌剤として使用されている。しかし、オー
ステナイト系ステンレス鋼自体に含まれているCuに関
しては、抗菌性の観点から検討されていない。本発明者
等は、このオーステナイト系ステンレス鋼自体に含まれ
ているCuにも抗菌性があることを見い出し、鋼表面の
Cu濃度を所定範囲に維持することによって鋼自体であ
っても優れた抗菌性が発現されることを確認した。
が知られている。Cuの抗菌性は、イオン化したCuが
細胞の呼吸,代謝酵素中のチオールと効率よく反応し、
チオールを不活化させることに起因するものと考えられ
ており、抗菌性シリカゲル,抗菌性ゼオライト等のCu
を担持した抗菌剤として使用されている。しかし、オー
ステナイト系ステンレス鋼自体に含まれているCuに関
しては、抗菌性の観点から検討されていない。本発明者
等は、このオーステナイト系ステンレス鋼自体に含まれ
ているCuにも抗菌性があることを見い出し、鋼表面の
Cu濃度を所定範囲に維持することによって鋼自体であ
っても優れた抗菌性が発現されることを確認した。
【0008】オーステナイト系ステンレス鋼に含まれて
いるCuが抗菌性を発現する機構は、次のように推察さ
れる。細菌が繁殖し易い湿潤環境下では、オーステナイ
ト系ステンレス鋼のCu含有量が少ない場合であって
も、鋼表面のCu濃度を増加させることにより、ステン
レス鋼表面にある僅かな水分で極微量のCuがイオン化
する。Cuは、抗菌効果が高いことから、極微量であっ
ても、鋼表面の近傍に存在する細菌細胞の呼吸や代謝酵
素と効率よく反応し、不活化する。その結果、細菌の繁
殖を抑え、殺菌する。鋼表面に接する雰囲気のpHや水
分中の塩濃度等の使用環境によってCuのイオン化反応
が影響され、結果としてCuの抗菌効果が変わる。しか
し、鋼表面から50Åまでの深さにある表層部のCu濃
度を0.1原子%以上にするとき、通常の環境で十分な
抗菌性を発現させることができる。
いるCuが抗菌性を発現する機構は、次のように推察さ
れる。細菌が繁殖し易い湿潤環境下では、オーステナイ
ト系ステンレス鋼のCu含有量が少ない場合であって
も、鋼表面のCu濃度を増加させることにより、ステン
レス鋼表面にある僅かな水分で極微量のCuがイオン化
する。Cuは、抗菌効果が高いことから、極微量であっ
ても、鋼表面の近傍に存在する細菌細胞の呼吸や代謝酵
素と効率よく反応し、不活化する。その結果、細菌の繁
殖を抑え、殺菌する。鋼表面に接する雰囲気のpHや水
分中の塩濃度等の使用環境によってCuのイオン化反応
が影響され、結果としてCuの抗菌効果が変わる。しか
し、鋼表面から50Åまでの深さにある表層部のCu濃
度を0.1原子%以上にするとき、通常の環境で十分な
抗菌性を発現させることができる。
【0009】Cuの抗菌効果は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼に含まれているCuが多量になるほど強力にな
る。抗菌性の観点からすると、Cu含有量が高いほど好
ましい。また、マルテンサイト相に過飽和状態でCuを
含ませ、その後の時効処理によってCuリッチの相を微
細分散析出させることにより、硬度の上昇にも有効に働
く。しかし、3.5重量%を超える多量のCuが含まれ
ると、ステンレス鋼の熱間加工性が阻害される。したが
って、下地鋼となるオーステナイト系ステンレス鋼のC
u含有量は、0.01〜3.5重量%に範囲にあること
が要求される。この範囲でCuを含むオーステナイト系
ステンレス鋼は、通常のCuを含んでいないものと外観
に変わりはない。しかも、鋼材自体に抗菌性を付与して
いることから、疵付き,摩耗等に対して抵抗力のある表
面をもち、高位に安定した抗菌性が長期間にわたって持
続される。更に、食器,容器等にも広く使用されている
ようにCuは通常の使用環境下では人体等に対し無害で
あることから、Cu添加したオーステナイト系ステンレ
ス鋼も人体や環境に対して悪影響を与えることはない。
ンレス鋼に含まれているCuが多量になるほど強力にな
る。抗菌性の観点からすると、Cu含有量が高いほど好
ましい。また、マルテンサイト相に過飽和状態でCuを
含ませ、その後の時効処理によってCuリッチの相を微
細分散析出させることにより、硬度の上昇にも有効に働
く。しかし、3.5重量%を超える多量のCuが含まれ
ると、ステンレス鋼の熱間加工性が阻害される。したが
って、下地鋼となるオーステナイト系ステンレス鋼のC
u含有量は、0.01〜3.5重量%に範囲にあること
が要求される。この範囲でCuを含むオーステナイト系
ステンレス鋼は、通常のCuを含んでいないものと外観
に変わりはない。しかも、鋼材自体に抗菌性を付与して
いることから、疵付き,摩耗等に対して抵抗力のある表
面をもち、高位に安定した抗菌性が長期間にわたって持
続される。更に、食器,容器等にも広く使用されている
ようにCuは通常の使用環境下では人体等に対し無害で
あることから、Cu添加したオーステナイト系ステンレ
ス鋼も人体や環境に対して悪影響を与えることはない。
【0010】Cu以外に含まれる合金元素としては、
0.015〜0.070重量%のC,0.5〜2.0重
量%のSi,0.5〜2.0重量%のMn,0.01重
量%以下のS,0.030重量%以下のP,15〜32
重量%のCr,7〜26重量%のNi等がある。また、
必要に応じ0.075〜0.35重量%のTi,0.0
09〜0.15重量%のN,0.1〜5.1重量%のM
oを1種又は2種以上を添加しても良い。オーステナイ
ト系ステンレス鋼を交番電解処理するとき、表層部のC
u濃度を高めることができる。交番電解処理では、たと
えばCu含有ステンレス鋼を酸性電解液に浸漬し、Cr
の不動態化電位より卑の電位範囲とFeの自然電位から
Feの不動態化完了電位までの貴の電位範囲との間で振
幅する方形波電位をステンレス鋼に印加する。
0.015〜0.070重量%のC,0.5〜2.0重
量%のSi,0.5〜2.0重量%のMn,0.01重
量%以下のS,0.030重量%以下のP,15〜32
重量%のCr,7〜26重量%のNi等がある。また、
必要に応じ0.075〜0.35重量%のTi,0.0
09〜0.15重量%のN,0.1〜5.1重量%のM
oを1種又は2種以上を添加しても良い。オーステナイ
ト系ステンレス鋼を交番電解処理するとき、表層部のC
u濃度を高めることができる。交番電解処理では、たと
えばCu含有ステンレス鋼を酸性電解液に浸漬し、Cr
の不動態化電位より卑の電位範囲とFeの自然電位から
Feの不動態化完了電位までの貴の電位範囲との間で振
幅する方形波電位をステンレス鋼に印加する。
【0011】貴の電位範囲における電解では、ステンレ
ス鋼に含まれている金属元素が溶出する。このとき、主
としてFe及びCrが活性溶解し、Niも自然電位以下
で活性溶解する。ステンレス鋼に含まれているCuは、
Fe,Cr,Ni等と同様に貴の電位範囲で溶解する
が、他の金属に比較して貴な金属であることから卑の電
位範囲になったとき優先的に析出する。この溶解・析出
が繰り返されることにより、ステンレス鋼表面のCu濃
度が上昇する。すなわち、鋼表面にCuが濃縮され、抗
菌性が高められる。このようにして表層部のCu濃度が
高められたオーステナイト系ステンレス鋼は、Cuの抗
菌作用を活用し、雑菌が繁殖し易い雰囲気、或いは雑菌
の発生が好ましくない雰囲気に曝される各種機器,用具
等として使用される。たとえば、包丁,替え刃等の刃
物、スプーン,ナイフ,フォーク等の洋食器、ガステー
ブル,シンク,ゴミ溜め,ボウル等の厨房用器具、メ
ス,ハサミ,滅菌装置,手洗器,バット等の医療用機械
器具、病院,手術室,無菌室の内壁材等の内装建材、便
座等のサニタリー用器具、パン,麺類を始めとする各種
食品の製造・運搬機器や機材、浴槽,自動洗濯機の洗濯
槽,貯水槽,貯湯槽,各種キャビネット,浄水器用容
器,ボールペン,筆記具のグリップ等の文房具,水道蛇
口,コップ,湯沸かしポット,水筒,ドアノブ,パイ
プ,コイン,時計,時計バンド,動物の飼育箱,孵卵
器,恒温槽等がある。
ス鋼に含まれている金属元素が溶出する。このとき、主
としてFe及びCrが活性溶解し、Niも自然電位以下
で活性溶解する。ステンレス鋼に含まれているCuは、
Fe,Cr,Ni等と同様に貴の電位範囲で溶解する
が、他の金属に比較して貴な金属であることから卑の電
位範囲になったとき優先的に析出する。この溶解・析出
が繰り返されることにより、ステンレス鋼表面のCu濃
度が上昇する。すなわち、鋼表面にCuが濃縮され、抗
菌性が高められる。このようにして表層部のCu濃度が
高められたオーステナイト系ステンレス鋼は、Cuの抗
菌作用を活用し、雑菌が繁殖し易い雰囲気、或いは雑菌
の発生が好ましくない雰囲気に曝される各種機器,用具
等として使用される。たとえば、包丁,替え刃等の刃
物、スプーン,ナイフ,フォーク等の洋食器、ガステー
ブル,シンク,ゴミ溜め,ボウル等の厨房用器具、メ
ス,ハサミ,滅菌装置,手洗器,バット等の医療用機械
器具、病院,手術室,無菌室の内壁材等の内装建材、便
座等のサニタリー用器具、パン,麺類を始めとする各種
食品の製造・運搬機器や機材、浴槽,自動洗濯機の洗濯
槽,貯水槽,貯湯槽,各種キャビネット,浄水器用容
器,ボールペン,筆記具のグリップ等の文房具,水道蛇
口,コップ,湯沸かしポット,水筒,ドアノブ,パイ
プ,コイン,時計,時計バンド,動物の飼育箱,孵卵
器,恒温槽等がある。
【0012】
実施例1:C:0.017重量%,Si:1.44重量
%,S:0.006重量%,P:0.029重量%,C
r:16.24重量%及びNi:18.88重量%を含
む基本組成において、表1に示すようにCu含有量を
0.70〜2.00重量%の範囲で調整したものを溶製
した。得られたステンレス鋼板の表面元素濃度をXPS
で測定した。測定結果を、表1に示す。各ステンレス鋼
から切り出された試験片について、次のように抗菌性を
調査した。Escherichia coli IFO
3301(大腸菌)及びStaphylococcu
s aureus IFO 12732(黄色ブドウ球
菌)それぞれについて普通ブイヨン培地で35℃,16
〜20時間振盪培養し、培養液を用意した。培養液を滅
菌リン酸緩衝液で20,000倍に希釈することによ
り、菌液を調製した。
%,S:0.006重量%,P:0.029重量%,C
r:16.24重量%及びNi:18.88重量%を含
む基本組成において、表1に示すようにCu含有量を
0.70〜2.00重量%の範囲で調整したものを溶製
した。得られたステンレス鋼板の表面元素濃度をXPS
で測定した。測定結果を、表1に示す。各ステンレス鋼
から切り出された試験片について、次のように抗菌性を
調査した。Escherichia coli IFO
3301(大腸菌)及びStaphylococcu
s aureus IFO 12732(黄色ブドウ球
菌)それぞれについて普通ブイヨン培地で35℃,16
〜20時間振盪培養し、培養液を用意した。培養液を滅
菌リン酸緩衝液で20,000倍に希釈することによ
り、菌液を調製した。
【0013】菌液を試験片の表面に1ml滴下し、25
℃で24時間保存した。保存後、試験片をSCDLP培
地で洗い出し、得られた液について標準寒天培地を用い
た混釈平板培養法(35℃,2日間培養)により生菌数
を測定した。この試験方法によるとき、初期の生菌数よ
り24時間後の生菌数が減少しているほど、抗菌性の強
い材料であるといえる。また、試験に異常がないことを
確認するため、参照としてシャーレに菌液を直接滴下
し、同様に菌数を測定した。参照の生菌数に大きな増減
がないとき、試験結果が信頼性の高いものと評価され
る。
℃で24時間保存した。保存後、試験片をSCDLP培
地で洗い出し、得られた液について標準寒天培地を用い
た混釈平板培養法(35℃,2日間培養)により生菌数
を測定した。この試験方法によるとき、初期の生菌数よ
り24時間後の生菌数が減少しているほど、抗菌性の強
い材料であるといえる。また、試験に異常がないことを
確認するため、参照としてシャーレに菌液を直接滴下
し、同様に菌数を測定した。参照の生菌数に大きな増減
がないとき、試験結果が信頼性の高いものと評価され
る。
【0014】
【表1】
【0015】試験結果を示す表1から明らかなように、
表層部のCu濃度が0.1原子%以上と高くなっている
試験番号1〜5では、何れの試験片も24時間後の生菌
数が少なく、良好な抗菌性を呈していることが判る。こ
れに対し、表層部のCu濃度が0.1原子%に満たない
試験番号6,7では、24時間後にも多量の大腸菌及び
黄色ブドウ球菌が生存していた。
表層部のCu濃度が0.1原子%以上と高くなっている
試験番号1〜5では、何れの試験片も24時間後の生菌
数が少なく、良好な抗菌性を呈していることが判る。こ
れに対し、表層部のCu濃度が0.1原子%に満たない
試験番号6,7では、24時間後にも多量の大腸菌及び
黄色ブドウ球菌が生存していた。
【0016】実施例2:Cu含有量0.20重量%のオ
ーステナイト系ステンレス鋼及びCuを含まないステン
レス鋼SUS403を100mm×100mmのサイズ
に切り出し、試験片を作成した。試験片の表面をジクロ
ルメタンの液及び蒸気で脱脂した後、25℃に保持した
0.5lmol/m3 の硫酸液を電解浴として交番電解
処理した。交番電解処理では、表2に示す貴の電位EH
での電解時間tH 及び卑の電位EL での電解時間tL を
何れも0.1秒に設定した方形波電位を印加した。
ーステナイト系ステンレス鋼及びCuを含まないステン
レス鋼SUS403を100mm×100mmのサイズ
に切り出し、試験片を作成した。試験片の表面をジクロ
ルメタンの液及び蒸気で脱脂した後、25℃に保持した
0.5lmol/m3 の硫酸液を電解浴として交番電解
処理した。交番電解処理では、表2に示す貴の電位EH
での電解時間tH 及び卑の電位EL での電解時間tL を
何れも0.1秒に設定した方形波電位を印加した。
【0017】
【表2】
【0018】交番電解処理後の各試験片について、実施
例1と同様な条件下で抗菌性試験を行った。試験結果を
示す表3にみられるように、表層部のCu濃度を0.1
原子%以上に高めた試験番号9〜13の試験片では、何
れも良好な抗菌性を示した。これに対し、Cuを含まな
い下地鋼を使用した試験番号14,15、Crの不動態
化電位より低い卑の電位EL 又はFeの不動態化完了電
位より高い貴の電位EH で交番電解した試験番号16,
17の試験片では、交番電解処理後に表層部のCu濃縮
が検出されず、良好な抗菌性が得られなかった。また、
低い卑の電位EL で交番電解処理を施した試験番号18
の試験片では、表層部に濃縮されるCrの濃度が低い値
を示した。
例1と同様な条件下で抗菌性試験を行った。試験結果を
示す表3にみられるように、表層部のCu濃度を0.1
原子%以上に高めた試験番号9〜13の試験片では、何
れも良好な抗菌性を示した。これに対し、Cuを含まな
い下地鋼を使用した試験番号14,15、Crの不動態
化電位より低い卑の電位EL 又はFeの不動態化完了電
位より高い貴の電位EH で交番電解した試験番号16,
17の試験片では、交番電解処理後に表層部のCu濃縮
が検出されず、良好な抗菌性が得られなかった。また、
低い卑の電位EL で交番電解処理を施した試験番号18
の試験片では、表層部に濃縮されるCrの濃度が低い値
を示した。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のオース
テナイト系ステンレス鋼は、表層部のCu濃度を0.1
原子%以上とすることにより、外観,加工性等の本来要
求される特性を損なうことなく、長期にわたって高位に
安定した抗菌性を維持する。また、Cuの析出硬化を利
用して表面の硬質化を図ることもできる。このようにし
て抗菌性が高められたステンレス鋼は、衛生面を重視し
た各種機械器具,用品,建材等として広範な分野で使用
される。
テナイト系ステンレス鋼は、表層部のCu濃度を0.1
原子%以上とすることにより、外観,加工性等の本来要
求される特性を損なうことなく、長期にわたって高位に
安定した抗菌性を維持する。また、Cuの析出硬化を利
用して表面の硬質化を図ることもできる。このようにし
て抗菌性が高められたステンレス鋼は、衛生面を重視し
た各種機械器具,用品,建材等として広範な分野で使用
される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】Cuの抗菌効果は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼に含まれているCuが多量になるほど強力にな
る。抗菌性の観点からすると、Cu含有量が高いほど好
ましい。しかし、3.5重量%を超える多量のCuが含
まれると、ステンレス鋼の熱間加工性が阻害される。し
たがって、下地鋼となるオーステナイト系ステンレス鋼
のCu含有量は、0.01〜3.5重量%に範囲にある
ことが要求される。この範囲でCuを含むオーステナイ
ト系ステンレス鋼は、通常のCuを含んでいないものと
外観に変わりはない。しかも、鋼材自体に抗菌性を付与
していることから、疵付き,摩耗等に対して抵抗力のあ
る表面をもち、高位に安定した抗菌性が長期間にわたっ
て持続される。更に、食器,容器等にも広く使用されて
いるようにCuは通常の使用環境下では人体等に対し無
害であることから、Cu添加したオーステナイト系ステ
ンレス鋼も人体や環境に対して悪影響を与えることはな
い。
ンレス鋼に含まれているCuが多量になるほど強力にな
る。抗菌性の観点からすると、Cu含有量が高いほど好
ましい。しかし、3.5重量%を超える多量のCuが含
まれると、ステンレス鋼の熱間加工性が阻害される。し
たがって、下地鋼となるオーステナイト系ステンレス鋼
のCu含有量は、0.01〜3.5重量%に範囲にある
ことが要求される。この範囲でCuを含むオーステナイ
ト系ステンレス鋼は、通常のCuを含んでいないものと
外観に変わりはない。しかも、鋼材自体に抗菌性を付与
していることから、疵付き,摩耗等に対して抵抗力のあ
る表面をもち、高位に安定した抗菌性が長期間にわたっ
て持続される。更に、食器,容器等にも広く使用されて
いるようにCuは通常の使用環境下では人体等に対し無
害であることから、Cu添加したオーステナイト系ステ
ンレス鋼も人体や環境に対して悪影響を与えることはな
い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【実施例】 実施例1:C:0.017重量%,Si:1.44重量
%,S:0.006重量%,P:0.029重量%,C
r:16.24重量%及びNi:7.5重量%を含む基
本組成において、表1に示すようにCu含有量を0.7
0〜2.00重量%の範囲で調整したものを溶製した。
得られたステンレス鋼板の表面元素濃度をXPSで測定
した。測定結果を、表1に示す。各ステンレス鋼から切
り出された試験片について、次のように抗菌性を調査し
た。Escherichia coli IFO 33
01(大腸菌)及びStaphylococcus a
ureus IFO 12732(黄色ブドウ球菌)そ
れぞれについて普通ブイヨン培地で35℃,16〜20
時間振盪培養し、培養液を用意した。培養液を滅菌リン
酸緩衝液で20,000倍に希釈することにより、菌液
を調製した。
%,S:0.006重量%,P:0.029重量%,C
r:16.24重量%及びNi:7.5重量%を含む基
本組成において、表1に示すようにCu含有量を0.7
0〜2.00重量%の範囲で調整したものを溶製した。
得られたステンレス鋼板の表面元素濃度をXPSで測定
した。測定結果を、表1に示す。各ステンレス鋼から切
り出された試験片について、次のように抗菌性を調査し
た。Escherichia coli IFO 33
01(大腸菌)及びStaphylococcus a
ureus IFO 12732(黄色ブドウ球菌)そ
れぞれについて普通ブイヨン培地で35℃,16〜20
時間振盪培養し、培養液を用意した。培養液を滅菌リン
酸緩衝液で20,000倍に希釈することにより、菌液
を調製した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】交番電解処理後の各試験片について、実施
例1と同様な条件下で抗菌性試験を行った。試験結果を
示す表3にみられるように、表層部のCu涜度を0.1
原子%以上に高めた試験番号9〜13の試験片では、何
れも良好な抗菌性を示した。これに対し、Cuを含まな
い下地鋼を使用した試験番号14,15、Crの不動態
化電位より低い卑の電位EL又はFeの不動態化完了電
位より高い貴の電位EHで交番電解した試験番号16,
17の試験片では、交番電解処理後に表層部のCu濃縮
が検出されず、良好な抗菌性が得られなかった。また、
低い卑の電位ELで交番電解処理を施した試験番号18
の試験片では、表層部に濃縮されるCuの濃度が低い値
を示した。
例1と同様な条件下で抗菌性試験を行った。試験結果を
示す表3にみられるように、表層部のCu涜度を0.1
原子%以上に高めた試験番号9〜13の試験片では、何
れも良好な抗菌性を示した。これに対し、Cuを含まな
い下地鋼を使用した試験番号14,15、Crの不動態
化電位より低い卑の電位EL又はFeの不動態化完了電
位より高い貴の電位EHで交番電解した試験番号16,
17の試験片では、交番電解処理後に表層部のCu濃縮
が検出されず、良好な抗菌性が得られなかった。また、
低い卑の電位ELで交番電解処理を施した試験番号18
の試験片では、表層部に濃縮されるCuの濃度が低い値
を示した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のオース
テナイト系ステンレス鋼は、表層部のCu濃度を0.1
原子%以上とすることにより、外観,加工性等の本来要
求される特性を損なうことなく、長期にわたって高位に
安定した抗菌性を維持する。このようにして抗菌性が高
められたステンレス鋼は、衛生面を重視した各種機械器
具,用品,建材等として広範な分野で使用される。
テナイト系ステンレス鋼は、表層部のCu濃度を0.1
原子%以上とすることにより、外観,加工性等の本来要
求される特性を損なうことなく、長期にわたって高位に
安定した抗菌性を維持する。このようにして抗菌性が高
められたステンレス鋼は、衛生面を重視した各種機械器
具,用品,建材等として広範な分野で使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 博光 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社鉄鋼研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 Cu:0.01〜3.5重量%を含むス
テンレス鋼を下地とし、表面から50Åまでの深さにあ
る表層部のCu濃度が0.1原子%以上で、該表層部の
Cu濃度C1 と下地鋼のCu含有量C2 との間に式C1
/C2 ≧0.2の関係が成立している抗菌性を有するオ
ーステナイト系ステンレス鋼。 - 【請求項2】 Crの不動態化電位より卑の電位範囲と
Feの自然電位からFeの不動態化完了電位までの貴の
電位範囲との間で振幅する方形波電位を5重量%以下の
Cuを含むオーステナイト系ステンレス鋼に印加し、表
層部のCu濃度を0.1原子%以上に高める交番電解処
理することを特徴とする抗菌性を有するオーステナイト
系ステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21055794A JPH0860302A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 抗菌性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及び製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21055794A JPH0860302A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 抗菌性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及び製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0860302A true JPH0860302A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=16591298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21055794A Pending JPH0860302A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 抗菌性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及び製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0860302A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000202939A (ja) * | 1999-01-14 | 2000-07-25 | Kawasaki Steel Corp | 抗菌性積層体 |
JP2007009314A (ja) * | 2005-07-04 | 2007-01-18 | Nisshin Steel Co Ltd | Cu含有オーステナイト系ステンレス鋼材 |
KR20180073984A (ko) * | 2016-12-23 | 2018-07-03 | 주식회사 포스코 | 항균성을 갖는 오스테나이트계 스테인레스강의 표면개질 방법 |
WO2020251103A1 (ko) * | 2019-06-14 | 2020-12-17 | 주식회사 포스코 | 전기전도성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법 |
-
1994
- 1994-08-11 JP JP21055794A patent/JPH0860302A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000202939A (ja) * | 1999-01-14 | 2000-07-25 | Kawasaki Steel Corp | 抗菌性積層体 |
JP2007009314A (ja) * | 2005-07-04 | 2007-01-18 | Nisshin Steel Co Ltd | Cu含有オーステナイト系ステンレス鋼材 |
KR20180073984A (ko) * | 2016-12-23 | 2018-07-03 | 주식회사 포스코 | 항균성을 갖는 오스테나이트계 스테인레스강의 표면개질 방법 |
WO2020251103A1 (ko) * | 2019-06-14 | 2020-12-17 | 주식회사 포스코 | 전기전도성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법 |
US12049688B2 (en) | 2019-06-14 | 2024-07-30 | Posco Co., Ltd | Austenitic stainless steel having excellent electrical conductivity, and method for manufacturing same |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040330 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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