JP2007009314A - Cu含有オーステナイト系ステンレス鋼材 - Google Patents

Cu含有オーステナイト系ステンレス鋼材 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車給油系部材に適用した際に安定して優れた耐応力腐食割れ性と耐隙間腐食性を呈するステンレス鋼材を提供する。
【解決手段】Cu含有量が0.5〜3.0質量%であり、オージェ電子分光分析により測定される極表層のCu濃度が0.5原子%以下好ましくは0.1原子%以下であるオーステナイト系ステンレス鋼材。Cu以外の合金成分としては、質量%で、C:0.05%以下、Si:1.0〜4.0%、Mn:1.8%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Ni:6〜20%、Cr:16〜25%、N:0.10%以下、Mo:0.3〜3.0%が挙げられ、残部はFeおよび不可避的不純物とすることができる。極表層のCu濃度を低減するには流水洗浄または酸洗浄が効果的である。
【選択図】なし

Description

本発明は、Cuを含有するオーステナイト系ステンレス鋼材であって、特に燃料タンクなどの自動車給油系部材に適した特性を有するものに関する。
SUS304、SUS316に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性、加工性および溶接性に優れることから、厨房、各種の温水容器、建材など幅広い分野で使用されている。近年では、自動車の燃料タンクや給油管に代表される自動車給油系部材にオーステナイト系ステンレス鋼を適用しようという動きがある。これは、自動車の排ガス規制対応に伴う保証期間の長期化のため、従来材であるターンめっき鋼板やSn−Znめっき鋼板などでは耐久性が不足する場合が生じ、材料の見直しが必要になったことが大きな要因として挙げられる。自動車部材は樹脂化される場合も少なくないが、燃料タンクや給油管ではガソリン透過の問題があり、樹脂化は困難である。そこで、耐食性を有し、ガソリン透過のない材料としてステンレス鋼が有望となる。燃料タンクや給油管を作るためには厳しい絞り、張り出し加工に耐える必要があるので、加工性の面でフェライト系ステンレス鋼よりもオーステナイト系ステンレス鋼の方が有利となる。
ただし、オーステナイト系ステンレス鋼にも弱点がないわけではない。オーステナイト系ステンレス鋼は、わずかなCl-イオン存在下であっても比較的高温の環境では孔食や隙間腐食を起こしやすく、さらに加工部の残留応力により応力腐食割れを起こしやすいという欠点を有する。海岸近くを走行する自動車では部材に海塩粒子が付着しやすく、また自動車の床下に設置されることの多い給油系部材では冬季に道路凍結防止剤などの塩化物が付着しやすい。このような場合、塩化物が付着した状態で湿潤と乾燥を繰り返す環境(以下「塩乾湿繰り返し環境」という)に曝されることになる。また、これらの部材はエンジン排ガス部材からの熱や路面からの輻射熱により、50℃以上、あるいはさらに60℃以上の高温になることもある。しかも自動車給油系部材を車体に取り付けるためには、ボルトやワッシャ、あるいはゴム等の緩衝材などとの間に何らかの隙間構造ができることは避けられない。これは上記のような欠点をもつオーステナイト系ステンレス鋼にとって極めて過酷な環境である。したがって、オーステナイト系ステンレス鋼を自動車給油系部材に使用するには、塩乾湿繰り返し環境における耐隙間腐食性(特に隙間部での耐孔食性)と耐応力腐食割れ性を同時に顕著に改善した鋼種を適用しなければならない。
特許文献1にはSiとCuを共に高めることにより耐応力腐食割れ性と耐隙間腐食性の両方を改善したオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。特許文献2にはやはりSiとCuを複合添加することにより耐応力腐食割れ性と耐孔食性を改善したオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。特許文献3には温水中での耐食性を向上させたCu含有オーステナイト系ステンレス鋼が記載されている。特許文献4には耐孔食性、耐隙間腐食性、耐応力腐食割れ性を改善した自動車の給油管および燃料タンク用のCu含有オーステナイト系ステンレス鋼が記載されている。
特開昭64−62443号公報 特開平2−190451号公報 特許第2668116号公報 特開2004−277767号公報
特許文献1〜3のオーステナイト系ステンレス鋼を用いると、自動車の床下で使用される部材(以下「自動車床下部材」という)においても良好な耐久性が確保できるものと期待された。ところが、発明者らの検討によれば、これらの鋼は自動車床下部材としては必ずしも安定して優れた耐久性を示さないことがわかった。そこでさらに詳細に調査を進めたところ、特許文献1〜3に開示のオーステナイト系ステンレス鋼は、温水用途においては優れた耐応力腐食性と耐局部腐食性を呈するものの、自動車床下部材では特に耐隙間腐食性が不十分となることがわかった。
特許文献4のオーステナイト系ステンレス鋼は自動車給油系部材を対象として開発されたものであることから、厳しい塩乾湿繰り返し環境において優れた耐久性を発揮するものと期待された。しかしながら、昨今では従来にも増して自動車部材の耐久性に対する要求が厳しくなっている。種々検討の結果、特許文献4の鋼では特に隙間部における耐孔食性の面で昨今の厳しい要求に十分対応できない場合があることが明らかになった。
このように、オーステナイト系ステンレス鋼材において今後の自動車給油系部材に望まれる優れた耐久性を安定して発揮させるに足る手法(解)は、依然として見出されていないのが現状である。本発明はこの問題に鑑み、自動車部材、特に自動車給油系部材などの床下部材に適用した際に安定して優れた耐応力腐食割れ性と耐隙間腐食性を呈するステンレス鋼材を開発し提供しようというものである。
従来より、オーステナイト系ステンレス鋼においてCuは耐応力腐食割れ性を改善する作用を呈することが知られている。しかし、Cu含有オーステナイト系ステンレス鋼では塩乾湿繰り返し環境下での局部腐食性、特に隙間部での耐孔食性(以下これを単に「耐隙間腐食性」という)が劣化することがあった。発明者らはその原因について詳細に検討したところ、ステンレス鋼材の表層部に存在するCuが耐隙間腐食性を大きく左右することを突き止めた。すなわち、極表層のCu濃度を低減すれば、たとえマトリクス中に多量のCuが含まれていても、耐隙間腐食性を顕著に改善することができるのである。これにより鋼中へのCu添加を躊躇する必要はなくなり、耐応力腐食割れ性も同時に改善できる。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち上記目的は、Cu含有量が0.5〜3.0質量%であり、オージェ電子分光分析により測定される極表層のCu濃度が0.5原子%以下であるオーステナイト系ステンレス鋼材によって達成される。
オージェ電子分光分析では、オージェ電子の性質により、金属試料の最表面から高々数nmの深さまでの極表層のみからの情報が得られる。測定方法としては、例えば試料面の法線に対して30°の方向から電子線(一次電子)を照射する方法が採用できる。一次電子のエネルギーは例えば10keVとすることができる。このような照射方法で数10μm角の領域を走査させて平均Cu濃度を求め、これを極表層のCu濃度とすることができる。Cuの原子%を算出するための測定対象元素は、Fe、Cu、Cr、Ni、Moとする。
オーステナイト系ステンレス鋼を構成するCu以外の合金成分としては、質量%で、C:0.05%以下、Si:1.0〜4.0%、Mn:1.8%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Ni:6〜20%、Cr:16〜25%、N:0.10%以下、Mo:0.3〜3.0%が挙げられる。さらにAl:0.2%以下、Nb:0.2%以下、Ti:0.2%以下、B:0.005%以下の1種または2種以上を含有してもよい。残部はFeおよび不可避的不純物とすることが好ましい。
このうち特に、オーステナイト系ステンレス鋼中のCu含有量(「鋼中Cu含有量」という)とオージェ電子分光分析により測定される極表層のCu濃度(「極表層Cu濃度」という)の関係において、以下の組み合わせのものが提供される。
i) 鋼中Cu含有量:0.5〜1.89質量%未満、極表層Cu濃度:0.5原子%以下。
ii) 鋼中Cu含有量:1.89〜3.0質量%(好ましくは1.89〜2.5質量%)、極表層Cu濃度:0.5原子%以下。
iii) 鋼中Cu含有量:0.5〜2.5質量%(好ましくは0.5〜2.0質量%、さらに好ましくは0.5〜1.89質量%未満)、極表層Cu濃度:0.1原子%以下。
上記ii)は、鋼中Cu含有量が比較的高いにもかかわらず極表層Cu濃度を0.5原子%以下に低減したもの、iii)は、鋼中Cu含有量が比較的低いものにおいて極表層Cu濃度を0.1原子%以下にまで低減したものである。ii)およびiii)は、同レベルのCuを含有する通常のステンレス鋼材との対比において、塩乾湿繰り返し環境下での耐隙間腐食性の改善効果が特に大きいものである。中でもiii)は、極めて優れた耐隙間腐食性を呈する。これらii)およびiii)のものは、例えば流水または濃度1%以下の硫酸水溶液で表面を洗浄することにより実現できる。すなわち、ii)、iii)においては、流水または硫酸水溶液により洗浄された表面をもつものが好適な対象となる。
本発明では特に、上記のような構成を有する自動車給油系部材用オーステナイト系ステンレス鋼材が提供される。
本発明によれば、塩乾湿繰り返し環境下で安定して優れた耐応力腐食割れ性と耐隙間腐食性を呈するステンレス鋼材が提供可能になった。これはオーステナイト系鋼種であるから、燃料タンクや給油管への厳しい加工にも適応できる。また、樹脂成形品のようなガソリン透過の問題もない。従って本発明は、耐久性への要求が厳しくなりつつある自動車給油系部材に好適な材料を提供するものである。
前述のようにCuはオーステナイト系ステンレス鋼において耐応力腐食割れ性を改善することが知られている。すなわち、オーステナイト系ステンレス鋼中のCuは食孔や隙間腐食部に比較的均一に析出し、当該部位での電位を応力腐食割れ発生電位まで到達させない作用を有すると考えられている。しかしその一方で、Cuは塩乾湿繰り返し環境下では、オーステナイト系ステンレス鋼の耐隙間腐食性を害することが明らかになった。
発明者らはさらに詳細な調査を行った結果、ステンレス鋼の極表層にCuが酸化物として存在することにより、本来の不動態皮膜の耐食性を損なうこと、および、Cuが腐食により溶解した後、腐食部近傍に存在するCuイオンが腐食部に対してカソード反応として作用して、腐食を促進させることを知見した。この耐食性低下作用はステンレス鋼のバルク中のCu含有量よりも、極表層のCu濃度に強く依存することがわかった。そして、耐食性低下作用を左右する極表層のCu濃度としてオージェ電子分光分析により測定される表層Cu濃度の値を適用することにより、耐隙間腐食性との相関を適切に評価できることが確認された。種々検討の結果、オージェ電子分光分析により測定される極表層のCu濃度(本明細書で「極表層Cu濃度」と呼んでいる)が0.5原子%以下に低減されると、塩乾湿繰り返し環境下での耐隙間腐食性は急激に改善されることがわかった。特に、極表層Cu濃度が0.1原子%以下にまで低減されているものでは、極めて良好な耐食性が得られる。
極表層Cu濃度は、鋼中Cu含有量の影響を受け、鋼中Cu含有量が高いものほど極表層Cu濃度も高くなる傾向がある。本発明では耐応力腐食割れ性を確保するために、少なくとも0.5質量%のCuを含有させる必要がある。Cu含有量が0.5〜1.89質量%未満の範囲では、通常の冷延→焼鈍→酸洗の工程で製造したオーステナイト系ステンレス鋼板において、極表層Cu濃度を0.5原子%以下に低減することが可能である。鋼中Cu含有量が1.89質量%以上になると、通常の製造工程をそのまま利用して極表層Cu濃度を0.5原子%以下に低減することは難しいが、この場合でも、後述のような洗浄処理を施すことによって極表層Cu濃度を0.5原子%以下に低減できる。ただし、鋼中Cu含有量が3.0質量%を超えると洗浄処理によっても極表層Cu濃度を0.5原子%以下に低減することは困難である。鋼中Cu含有量は2.5質量%以下の範囲にすることがより好ましい。
一方、極表層Cu濃度を0.1原子%以下にまで低減するには、鋼中Cu含有量はできるだけ低いことが有利であるが、種々検討の結果、鋼中Cu含有量が概ね2.5質量%以下の範囲であれば、洗浄処理によって極表層Cu濃度を0.1原子%以下にすることができる。この場合、より好ましい鋼中Cu含有量範囲は0.5〜2.0質量%であり、0.5〜1.89質量%未満とすることが一層好ましい。
Cu以外の合金成分については以下のとおりである。
Cは、強力なオーステナイト安定化元素であり、耐応力腐食割れ性や耐隙間腐食性には大きな影響を与えないが、溶接部での粒界腐食感受性を高めることから、C含有量は0.08質量%以下とすることが望ましい。0.06質量%以下とすることがより好ましく、0.05質量%以下が一層好ましい。
Siは、Cuの存在のもとで耐応力腐食割れ性を高める作用を有するので本発明では重要な添加元素である。また、Siは耐応力腐食割れ性を損なうことなくMoの耐隙間腐食性改善効果を支援する極めて有用な元素である。さらに耐孔食性を向上させる効果も有する。これらの効果を十分に得るには1.0質量%以上のSi含有量を確保することが望ましい。しかしSiは強力なフェライト生成元素であるから、Niの使用量をできるだけ最小限にとどめるために、4.0質量%以下の含有量とすることが好ましい。
Mnは、腐食の起点となりやすい硫化物を形成し、耐隙間腐食性や耐孔食性を損ねるのでその含有量は少ない方が良い。本発明では、特に低Mn化を意図しない通常の製鋼工程で混入し得る1.8質量%程度までのMn含有を許容できる。Mnを低減するには配合原料のコスト増大を伴うが、耐隙間腐食性を改善するために高価なMoを多量に添加すると一層のコスト増加を招くことにもなるので、特に耐隙間腐食性が要求される場合にはMn含有量を0.5質量%以下に制限することが望ましい。
Pは、本発明ではとくに低減する必要はないが、耐応力腐食割れ性には有害な元素であることから、0.045質量%以下とすることが望ましい。
Sは、鋼中のMnと硫化物を形成し、耐隙間腐食性や耐孔食性に有害であるため、できる限り低い方が良く、0.005質量%以下とすることが望ましい。
Niは、オーステナイト相を保持するための主要な元素であるが、多すぎるとコスト的に不利となる。本発明ではNi含有量を6〜20質量%の範囲とすることが望ましい。この範囲においてNiは耐応力腐食割れ性にはあまり影響しないが、耐隙間腐食性の改善には効果があるので、とくに高い耐隙間腐食性が要求される用途では10質量%以上のNi含有量を確保するのがよい。より好ましいNi含有量は10〜18質量%であり、12〜16質量%が一層好ましい。
Crは、耐食性を付与するうえで必要不可欠の元素である。自動車給油系部材の用途では、16質量%以上のCr含有量を確保することが望ましい。Cr含有量の増加に伴って耐食性も向上する傾向を示すが、多量のCr含有はオーステナイト相を保持するために必要なNi等の添加量を増大させ、また製造性や加工性を損なうので、Cr含有量は25質量%以下の範囲とすることが望ましい。より好ましいCr含有量は17〜22質量%であり、16〜20質量%が一層好ましい。
Nは、孔食と耐隙間腐食を防止するには有効であるが、耐応力腐食割れ性にはマイナスに作用する。またN含有量が多いと加工性が低下する。本発明ではN含有量は0.10質量%以下に抑えることが望ましく、0.10質量%未満、あるいは更に0.04質量%以下に制限することが一層望ましい。
Moは、耐隙間腐食性や耐孔食性の改善に極めて有効な元素であり、その作用を十分引き出すには0.3質量%以上のMo含有量を確保することが望ましい。しかし、Moは耐応力腐食割れ性を損なう。前述のようにCu、Si、あるいはさらに後述のAlを適量添加することにより耐応力腐食割れ性レベルを高めることができるので、Mo含有量は3.0質量%程度まで許容することができる。ただし、多量のMo添加はコスト増や加工性低下を招くのでMo含有量は0.3〜1.5質量%とすることがより好ましく、0.3〜1.2質量%、あるいはさらに0.3〜1.0質量%未満とすることが一層好ましい。
Alは、CuとSiとの共存のもとで、耐応力腐食割れ性を著しく向上させる作用を有し、特に応力腐食割れ発生の限界温度を上昇させる。また耐隙間腐食性においては侵食深さを改善し、隙間腐食による侵食深さは浅くなる。これらの作用を十分に得るためには0.03質量%以上のAl含有が望まれる。しかし添加量が増えると熱間加工性や加工性が劣化するので、Alを添加する場合は0.2質量%以下の範囲で行うことが望ましい。
Nbは、鋼中のCと結合してクロム炭化物の生成を抑制すること、および粒界を強化することで応力腐食割れ感受性を低減する作用を有する。その作用を十分得るには0.1質量%以上のNb含有が望ましい。しかし、過剰の添加は製造性を損なうので、Nbを添加する場合は0.2質量%以下の範囲で行うことが望ましい。
Tiは、Nbと同じように鋼中のCと結合してクロム炭化物の生成を抑制することで耐孔食性を向上させることから、腐食割れ感受性を低減する作用を有する。その作用を十分得るには0.1質量%以上のTi含有が望ましい。しかし、過剰の添加は製造性を損なうので、Tiを添加する場合は0.2質量%以下の範囲で行うことが望ましい。
Bは、熱間加工性を向上させるのに有効であり、その効果は概ね0.001質量%以上のB含有により発揮される。しかし、過剰添加は鋼中のCrと硼化物を形成することで耐食性を低下させる可能性があり好ましくない。Bを添加する場合は0.005質量%以下の範囲で行うことが望ましい。
これら以外にもV、Zr、Ca、Mg、Co、REM(希土類元素)などは、溶製中に原料であるスクラップ中より含まれることもあるが、とりたてて多量に含まれる場合を除き、耐隙間腐食性や耐応力腐食割れ性には悪影響を及ぼさない。
本発明の鋼材は、以上のように成分調整されたオーステナイト系ステンレス鋼を通常の手法で溶製し、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍、酸洗等の一般的なプロセスを経て製造することができる。ただし、極表層Cu濃度を低減するためには、表面を洗浄処理することが極めて有効である。すなわち、水道水や、比較的薄い酸で表面を洗浄することにより、極表層のCu濃度を大幅に低減することが可能であることがわかった。このような洗浄が効果的であるのは、ステンレス鋼の極表層に存在するCuは比較的にイオン化しやすい状態になっているためであると考えられる。
洗浄液として水道水を使用する場合は、流水を鋼材表面に当てるようにすることが望ましい。単純浸漬では十分な洗浄効果が得られないので、「流水洗浄」を行うことが好ましい。例えば、鋼材表面上を流速0.05〜1m/sec程度の水が流れる状態で1〜24h程度保持する方法や、同様の流速で流れる水流中に鋼材を同様の時間浸漬する方法などが有効である。水道水の温度は常温で構わない。
洗浄液として酸を使用する場合は、単純浸漬でも効果が得られる。酸としては硝酸などの酸化性の酸よりも硫酸などの非酸化性の酸の方が良い。酸の濃度が高いとステンレス鋼を腐食させる可能性があるので、酸濃度1%以下の希釈液を用いることが望ましい。液温は常温でも構わないが、より高めた方が効果的であり、例えば40〜80℃の液中に5〜120min程度浸漬する方法が採用できる。
なお、本発明の鋼材は、カチオン電着塗装、ジンクリッチ塗装、エポキシ系塗装、その他の焼付け型の防食塗装などを施して使用することもできる。
表1の組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼を真空溶解炉により溶製し、熱間圧延、焼鈍、冷間圧延を経て板厚0.8mmの鋼板とし、焼鈍および酸洗を行って、酸洗肌をもつ冷延焼鈍鋼板を得た。最終的な酸洗は一般的なステンレス鋼板製造ラインで実施されている範囲の条件(20%硫酸、60℃、10sec浸漬)とした。
Figure 2007009314
これらの鋼板の表面について、走査型オージェ電子分光分析装置(AES)を用いて分析を行い、極表層Cu濃度を求めた。分析条件は以下のとおりである。
〔オージェ電子分光分析条件〕
・分析装置: Perkin-Elmer社製、走査型オージェ電子分光分析装置、PHI650
・一次電子エネルギー、電流: 10keV、約140nA
・一次電子入射角: 試料法線に対して30°
・分析領域: 約45μm×60μm
・原子%を算出するための測定対象元素:Fe、Cu、Cr、Ni、Mo
また、上記各鋼板から30mm×30mmの大片と15mm×15mmの小片を切り出し、同種鋼板の大片と小片どうしを用いて、大片表面の中央に小片を重ねてスポット溶接で接合することにより、溶接隙間を有する試験片を作製した。スポット溶接条件はR60電極を用い、加圧力3.5kN、電流6.0kAとした。この試験片にはスポット溶接ナゲット近傍に溶接残留応力が生じており、耐応力腐食割れ性の評価ができる。また、大片と小片の重なり部には隙間が形成されており、耐隙間腐食性が評価できる。各試験片をn=3で塩乾湿複合サイクル試験装置内に小片側が上面となるように水平に設置し、「塩水噴霧(5%NaCl、15min)→乾燥(60℃、35%RH、60min)→湿潤(60℃、80%RH、180min)」を1サイクルとする塩乾湿複合サイクル試験(加速試験)を300サイクル実施した。
塩乾湿複合サイクル試験を終了した試験片から大片と小片を機械的に分離し、大片および小片のナゲット部近傍の断面を光学顕微鏡で観察して応力腐食割れの発生有無を調べた。
また、大片、小片とも、隙間部における浸食深さを光学顕微鏡による焦点深度法により測定し、n=3の全ての大片と小片についてそれぞれ10点の孔食における平均値を求め、その平均値のうち最も大きい値を「隙間内浸食深さ」として採用した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2007009314
表2から判るように、極表層Cu濃度が0.5原子%以下である本発明例の鋼材は、隙間内の浸食深さが安定して0.05mm以下に抑えられていた。また、応力腐食割れも認められなかった。これらは自動車給油系部材に要求される優れた耐久性を備えた材料であると評価される。これに対し、極表層Cu濃度が0.5原子%を上回る比較例の鋼材では、隙間内浸食深さが0.05mmを大きく超えていた。特に注目すべきは、極表層Cu濃度0.5原子%の前後で、隙間内浸食深さが劇的に変化することである。つまり、極表層Cu濃度の0.5原子%という値は、塩乾湿繰り返し環境におけるオーステナイト系ステンレス鋼の耐隙間腐食性を大幅に改善するための臨界値であるということができる。
表1に示した鋼A、B、H、Jについて、洗浄による耐隙間腐食性改善効果を調べた。実施例1で作製した冷延焼鈍鋼板(酸洗仕上げ)の表面を流水洗浄、または酸洗浄したサンプルを用意した。これらについて実施例1と同様に走査型オージェ電子分光分析装置にて極表層Cu濃度を求めた。また、実施例1と同様の塩乾湿複合サイクル試験を実施して、耐応力腐食割れ性および耐隙間腐食性を調べた。
流水洗浄は、鋼板表面(大片および小片の隙間を形成する面)の上を20℃の水道水が流速0.1m/secで流れる状態を作り、この状態で5時間保持する方法で行った。酸洗浄は、60℃の0.5%硫酸水溶液中に鋼板を30min浸漬する方法で行った。
試験結果を表3に示す。
Figure 2007009314
表3中、「未処理」と記載した欄は、実施例1の結果を併記したものである。表3からわかるように、鋼Aおよび鋼Bはそれぞれ鋼中Cu含有量が1.23質量%および1.87質量%と比較的低いタイプのものであり、流水洗浄、酸洗浄とも、洗浄後の極表層Cu濃度を0.1原子%以下にまで低減することができた。これにより隙間内浸食深さは0.01mm未満になり、極めて優れた耐隙間腐食性改善効果が得られることが確認された。鋼Hは鋼中Cu含有量が3.0質量%を超えて高いものであり、流水洗浄、酸洗浄のいずれによっても極表層Cu濃度を0.5原子%以下に低減することはできず、結果的に耐隙間腐食性は十分改善されなかった。鋼Jは鋼中Cu含有量が2.62質量%と比較的高いタイプのものであるが、流水洗浄によって洗浄後の極表層Cu濃度を余裕を持って0.5原子%以下に低減することができた。その結果、耐隙間腐食性は顕著に改善された。

Claims (8)

  1. Cu含有量が0.5〜3.0質量%であり、オージェ電子分光分析により測定される極表層のCu濃度が0.5原子%以下であるオーステナイト系ステンレス鋼材。
  2. 質量%で、C:0.05%以下、Si:1.0〜4.0%、Mn:1.8%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Ni:6〜20%、Cr:16〜25%、Cu:0.5〜1.89%未満、N:0.10%以下、Mo:0.3〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、オージェ電子分光分析により測定される極表層のCu濃度が0.5原子%以下であるオーステナイト系ステンレス鋼材。
  3. 質量%で、C:0.05%以下、Si:1.0〜4.0%、Mn:1.8%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Ni:6〜20%、Cr:16〜25%、Cu:1.89〜3.0%、N:0.10%以下、Mo:0.3〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、オージェ電子分光分析により測定される極表層のCu濃度が0.5原子%以下であるオーステナイト系ステンレス鋼材。
  4. 質量%で、C:0.05%以下、Si:1.0〜4.0%、Mn:1.8%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Ni:6〜20%、Cr:16〜25%、Cu:0.5〜2.5%、N:0.10%以下、Mo:0.3〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、オージェ電子分光分析により測定される極表層のCu濃度が0.1原子%以下であるオーステナイト系ステンレス鋼材。
  5. 鋼材のCu含有量が0.5〜2.0%である請求項4に記載のオーステナイト系ステンレス鋼材。
  6. 流水または硫酸水溶液により洗浄された表面をもつ請求項3、4または5に記載のオーステナイト系ステンレス鋼材。
  7. さらにAl:0.2%以下、Nb:0.2%以下、Ti:0.2%以下、B:0.005%以下の1種または2種以上を含む組成を有する請求項2〜6に記載のオーステナイト系ステンレス鋼材。
  8. 当該鋼材は自動車給油系部材用である請求項1〜7に記載のオーステナイト系ステンレス鋼材。
JP2005195532A 2005-07-04 2005-07-04 自動車給油系部材用オーステナイト系ステンレス鋼材および製造法 Expired - Fee Related JP4836505B2 (ja)

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