JPH09131389A - 徐放性抗菌材料、抗菌液剤及び抗菌スプレー - Google Patents
徐放性抗菌材料、抗菌液剤及び抗菌スプレーInfo
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- JPH09131389A JPH09131389A JP7290805A JP29080595A JPH09131389A JP H09131389 A JPH09131389 A JP H09131389A JP 7290805 A JP7290805 A JP 7290805A JP 29080595 A JP29080595 A JP 29080595A JP H09131389 A JPH09131389 A JP H09131389A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】抗菌液剤を容易に調製し得る徐放性抗菌材料を
提供すること及び簡易に使用できるとともに持続性に優
れた抗菌液剤を提供することを主な目的とする。 【解決手段】1.シリカゲル担体に銀錯体を担持させ
た銀系抗菌剤、シリカゲル及び有機結合剤からなる
徐放性抗菌材料。 2.上記1項記載の徐放性抗菌材料を水−アルコール系
溶媒中に存在させることにより該材料中から溶出した銀
イオンが該溶媒中に存在している抗菌液剤。 3.スプレー容器中に、上記1項記載の徐放性抗菌材料
及び上記4項記載の抗菌液剤が存在することを特徴とす
る抗菌スプレー。
提供すること及び簡易に使用できるとともに持続性に優
れた抗菌液剤を提供することを主な目的とする。 【解決手段】1.シリカゲル担体に銀錯体を担持させ
た銀系抗菌剤、シリカゲル及び有機結合剤からなる
徐放性抗菌材料。 2.上記1項記載の徐放性抗菌材料を水−アルコール系
溶媒中に存在させることにより該材料中から溶出した銀
イオンが該溶媒中に存在している抗菌液剤。 3.スプレー容器中に、上記1項記載の徐放性抗菌材料
及び上記4項記載の抗菌液剤が存在することを特徴とす
る抗菌スプレー。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀系抗菌剤を利用
した徐放性抗菌材料、抗菌液剤及び抗菌スプレーに関す
る。
した徐放性抗菌材料、抗菌液剤及び抗菌スプレーに関す
る。
【0002】
【従来技術】病院内、公共施設、家庭内等には、大腸
菌、ブドウ球菌等をはじめ、さまざまな菌が存在してい
る。例えば、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球
菌)は、抗生物質メチシリンに対して耐性を有し、病院
内で抵抗力のない患者に感染すると敗血症等をひきおこ
すものである。その他にも院内感染等をひきおこす菌は
多く、これら菌による院内感染等を予防することは重要
な課題となっている。また、菌だけでなく、カビ、悪臭
等も大きな社会問題となっており、これらの予防につい
ても社会的な要請が大きい。
菌、ブドウ球菌等をはじめ、さまざまな菌が存在してい
る。例えば、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球
菌)は、抗生物質メチシリンに対して耐性を有し、病院
内で抵抗力のない患者に感染すると敗血症等をひきおこ
すものである。その他にも院内感染等をひきおこす菌は
多く、これら菌による院内感染等を予防することは重要
な課題となっている。また、菌だけでなく、カビ、悪臭
等も大きな社会問題となっており、これらの予防につい
ても社会的な要請が大きい。
【0003】これに関し、最近では各種の抗菌剤が開発
されているが、安全性等の点でとりわけ無機系抗菌剤が
注目されている。特に、シリカゲル担体に銀錯体(銀錯
塩)を担持させた銀系抗菌剤が、その抗菌性、安全性等
の点で注目されている。この抗菌剤は、担体中の銀錯体
から溶出した銀錯イオンにより抗菌性等を発揮するもの
である。
されているが、安全性等の点でとりわけ無機系抗菌剤が
注目されている。特に、シリカゲル担体に銀錯体(銀錯
塩)を担持させた銀系抗菌剤が、その抗菌性、安全性等
の点で注目されている。この抗菌剤は、担体中の銀錯体
から溶出した銀錯イオンにより抗菌性等を発揮するもの
である。
【0004】上記銀系抗菌剤は、これをそのまま樹脂に
混練したり、或いは塗料に分散させる等の方法により各
種の用途に使用されている。これらは製品中に当初から
抗菌剤を配合する方法であるが、抗菌剤が含まれていな
い製品或いは抗菌剤が含まれていてもさらに抗菌性を高
めようとする場合には、簡易な方法で抗菌剤(抗菌性)
を付与する方法が必要となる。これに関し、例えば、上
記の銀系抗菌剤を水に分散させたものをスプレー液とし
て用いることも考えられる。
混練したり、或いは塗料に分散させる等の方法により各
種の用途に使用されている。これらは製品中に当初から
抗菌剤を配合する方法であるが、抗菌剤が含まれていな
い製品或いは抗菌剤が含まれていてもさらに抗菌性を高
めようとする場合には、簡易な方法で抗菌剤(抗菌性)
を付与する方法が必要となる。これに関し、例えば、上
記の銀系抗菌剤を水に分散させたものをスプレー液とし
て用いることも考えられる。
【0005】しかしながら、分散液をスプレー液とした
場合は、次のような問題が生じる。抗菌剤を水に分散さ
せると、抗菌剤中の銀錯イオンが一度に溶出し、その溶
出した銀錯イオンは経時的に活性が低下したり、他の化
合物に変化してしまう結果、その初期しか抗菌性を発揮
できなくなる。
場合は、次のような問題が生じる。抗菌剤を水に分散さ
せると、抗菌剤中の銀錯イオンが一度に溶出し、その溶
出した銀錯イオンは経時的に活性が低下したり、他の化
合物に変化してしまう結果、その初期しか抗菌性を発揮
できなくなる。
【0006】また、スプレー液中には、銀錯イオンだけ
でなく、抗菌剤粉体も一緒に存在することとなるが、ス
プレー噴霧により対象物に上記粉体が付着しても容易に
脱落してしまう。一方、脱落しなくても溶出した銀錯体
(銀)が対象物上で変色・変質してしまい、抗菌性が得
られないだけでなく、対象物の外観等を損なうことにな
る。また、付着した粉体粒子により対象物表面に微細な
キズをつけることもある。
でなく、抗菌剤粉体も一緒に存在することとなるが、ス
プレー噴霧により対象物に上記粉体が付着しても容易に
脱落してしまう。一方、脱落しなくても溶出した銀錯体
(銀)が対象物上で変色・変質してしまい、抗菌性が得
られないだけでなく、対象物の外観等を損なうことにな
る。また、付着した粉体粒子により対象物表面に微細な
キズをつけることもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、抗
菌液剤を容易に調製し得る徐放性抗菌材料を提供するこ
と、及び簡易に使用できるとともに持続性に優れた抗菌
液剤を提供することを主な目的とする。
菌液剤を容易に調製し得る徐放性抗菌材料を提供するこ
と、及び簡易に使用できるとともに持続性に優れた抗菌
液剤を提供することを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、銀系抗菌剤を特定の組
成に配合して成型体とした場合には、実質的に銀錯イオ
ンのみを溶出できることを見出し、さらに特定の溶媒を
用いる場合には上記溶出量を自由に制御できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、銀系抗菌剤を特定の組
成に配合して成型体とした場合には、実質的に銀錯イオ
ンのみを溶出できることを見出し、さらに特定の溶媒を
用いる場合には上記溶出量を自由に制御できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記の徐放性抗菌材料、
抗菌液剤及び抗菌スプレーに係るものである。
抗菌液剤及び抗菌スプレーに係るものである。
【0010】1.シリカゲル担体に銀錯体を担持させ
た銀系抗菌剤、シリカゲル及び有機結合剤からなる
徐放性抗菌材料。
た銀系抗菌剤、シリカゲル及び有機結合剤からなる
徐放性抗菌材料。
【0011】2.上記1項記載の徐放性抗菌材料を水−
アルコール系溶媒中に存在させることにより該材料中か
ら溶出した銀イオンが該溶媒中に存在している抗菌液
剤。
アルコール系溶媒中に存在させることにより該材料中か
ら溶出した銀イオンが該溶媒中に存在している抗菌液
剤。
【0012】3.スプレー容器中に、上記1項記載の徐
放性抗菌材料及び上記4項記載の抗菌液剤が存在するこ
とを特徴とする抗菌スプレー。
放性抗菌材料及び上記4項記載の抗菌液剤が存在するこ
とを特徴とする抗菌スプレー。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態と
ともに詳細に説明する。
ともに詳細に説明する。
【0014】まず、本発明の徐放性抗菌材料は、シリ
カゲル担体に銀錯体を担持させた銀系抗菌剤、シリカ
ゲル及び有機結合剤からなるものである。
カゲル担体に銀錯体を担持させた銀系抗菌剤、シリカ
ゲル及び有機結合剤からなるものである。
【0015】上記の銀系抗菌剤は、上記の構成のもので
あれば公知のものを使用することができる。例えば、銀
をチオスルファト銀錯塩([AgX(S2O3)]ー)化
し、これをシリカゲル粒子担体に担持させ、その表面を
ゾルーゲル法による反応性有機系ケイ素化合物の加水分
解によって、その表面の少なくとも一部をシリカ等によ
り被覆したもの等が挙げられる。このような銀系抗菌剤
は、例えば「アメニトップ(登録商標)(松下電器産業
(株)製)」として市販されているものを用いることが
できる。上記錯塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩
等が例示される。
あれば公知のものを使用することができる。例えば、銀
をチオスルファト銀錯塩([AgX(S2O3)]ー)化
し、これをシリカゲル粒子担体に担持させ、その表面を
ゾルーゲル法による反応性有機系ケイ素化合物の加水分
解によって、その表面の少なくとも一部をシリカ等によ
り被覆したもの等が挙げられる。このような銀系抗菌剤
は、例えば「アメニトップ(登録商標)(松下電器産業
(株)製)」として市販されているものを用いることが
できる。上記錯塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩
等が例示される。
【0016】このような銀系抗菌剤は、大腸菌、黄色ブ
ドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRS
A)、その他ウィルス、カビ等に有効である一方、人体
に対する安全性に加え、耐候性(耐紫外線)等にも優れ
るものである。また、透明性に優れるほか、広範囲での
粒径制御(通常1〜100μm)が可能である。
ドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRS
A)、その他ウィルス、カビ等に有効である一方、人体
に対する安全性に加え、耐候性(耐紫外線)等にも優れ
るものである。また、透明性に優れるほか、広範囲での
粒径制御(通常1〜100μm)が可能である。
【0017】シリカゲルは、公知のものが使用でき、乾
燥剤として市販されているものと同様のものを用いるこ
とができる。また、例えばケイ酸ナトリウム水溶液から
得られたもの、有機系ケイ素化合物からゾルーゲル法に
より得られたもの等、いずれの製法によるものも使用で
きる。
燥剤として市販されているものと同様のものを用いるこ
とができる。また、例えばケイ酸ナトリウム水溶液から
得られたもの、有機系ケイ素化合物からゾルーゲル法に
より得られたもの等、いずれの製法によるものも使用で
きる。
【0018】有機結合剤としては、公知のものが使用で
き、樹脂系のもの等を用いることができる。例えば、ポ
リエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体等を用いる
ことができる。これらも市販のものを用いることができ
る。
き、樹脂系のもの等を用いることができる。例えば、ポ
リエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体等を用いる
ことができる。これらも市販のものを用いることができ
る。
【0019】これら3成分の配合割合は、製品の用途、
用いる樹脂の種類、抗菌剤の性状等により適宜定めるこ
とができるが、通常は抗菌剤10〜80重量%程度、シ
リカゲル80〜10重量%程度及び有機結合剤10重量
%以下程度とすれば良い。
用いる樹脂の種類、抗菌剤の性状等により適宜定めるこ
とができるが、通常は抗菌剤10〜80重量%程度、シ
リカゲル80〜10重量%程度及び有機結合剤10重量
%以下程度とすれば良い。
【0020】本発明の徐放性抗菌材料は、例えば、これ
らの成分を均一に混合し、得られた混合粉末を適当な形
状に成型したり、或いは造粒等をすれば得られる。その
形態は、特に制限されず、例えば錠剤、顆粒状、板状等
の各種形態とすることができる。なお、これらの製法も
公知の方法が採用できる。例えば、錠剤とする場合は、
公知の打錠方法で製造することができ、打錠圧も材料の
組成等に応じて適宜設定すれば良い。
らの成分を均一に混合し、得られた混合粉末を適当な形
状に成型したり、或いは造粒等をすれば得られる。その
形態は、特に制限されず、例えば錠剤、顆粒状、板状等
の各種形態とすることができる。なお、これらの製法も
公知の方法が採用できる。例えば、錠剤とする場合は、
公知の打錠方法で製造することができ、打錠圧も材料の
組成等に応じて適宜設定すれば良い。
【0021】本発明の抗菌液剤は、上記徐放性抗菌材料
を水−アルコール系溶媒中に存在させることにより該材
料中から溶出した銀錯イオンが該溶媒中に存在している
ものである。
を水−アルコール系溶媒中に存在させることにより該材
料中から溶出した銀錯イオンが該溶媒中に存在している
ものである。
【0022】水−アルコール系溶媒中のアルコールとし
ては、エタノールのほか、メタノール、イソプロピルア
ルコール等も用いることができる。特に、エタノール、
イソプロピルアルコール等を用いると、その殺菌効果も
同時に得られる。また、上記溶媒中には、本発明の効果
を損なわない範囲内で、香料等の各種添加剤を配合する
こともできる。
ては、エタノールのほか、メタノール、イソプロピルア
ルコール等も用いることができる。特に、エタノール、
イソプロピルアルコール等を用いると、その殺菌効果も
同時に得られる。また、上記溶媒中には、本発明の効果
を損なわない範囲内で、香料等の各種添加剤を配合する
こともできる。
【0023】上記徐放性抗菌材料を水−アルコール系溶
媒中に存在させることにより、銀錯イオンの溶出量を一
定に制御でき、本発明抗菌液剤における抗菌性を持続さ
せることができる。この場合、アルコールの濃度を高め
るほど溶出量を低くすることができる。従って、アルコ
ール濃度は、通常は5〜50重量%程度、好ましくは1
0〜30重量%の範囲内とすれば良いが、製品の用途、
上記徐放性抗菌材料の使用量・組成等に応じて変更で
き、上記範囲外で設定しても良い。
媒中に存在させることにより、銀錯イオンの溶出量を一
定に制御でき、本発明抗菌液剤における抗菌性を持続さ
せることができる。この場合、アルコールの濃度を高め
るほど溶出量を低くすることができる。従って、アルコ
ール濃度は、通常は5〜50重量%程度、好ましくは1
0〜30重量%の範囲内とすれば良いが、製品の用途、
上記徐放性抗菌材料の使用量・組成等に応じて変更で
き、上記範囲外で設定しても良い。
【0024】また、抗菌液剤中の溶媒中に存在する銀錯
イオン量は、一般にその濃度を高めるほど抗菌性は高く
なるが、通常10〜50ppm程度、好ましくは20〜
30ppm程度とすれば良い。
イオン量は、一般にその濃度を高めるほど抗菌性は高く
なるが、通常10〜50ppm程度、好ましくは20〜
30ppm程度とすれば良い。
【0025】上記徐放性抗菌材料を水−アルコール系溶
媒中に添加すると、まもなくこの抗菌材料中から実質的
に銀錯イオンのみが溶出しはじめ、ほぼ一定の溶出量が
保たれる。従って、例えばスプレー容器中に本発明の徐
放性抗菌材料と水−アルコール系溶媒を存在させると、
スプレー容器中に上記抗菌材料と上記抗菌液剤が存在す
る抗菌スプレーを得ることができる。徐放性抗菌材料を
存在させることにより、該材料中の銀錯イオン溶出量を
一定に制御できるので、常に抗菌作用のある抗菌液剤を
スプレーすることができる。なお、スプレー装置は、公
知のものを用いることができる。
媒中に添加すると、まもなくこの抗菌材料中から実質的
に銀錯イオンのみが溶出しはじめ、ほぼ一定の溶出量が
保たれる。従って、例えばスプレー容器中に本発明の徐
放性抗菌材料と水−アルコール系溶媒を存在させると、
スプレー容器中に上記抗菌材料と上記抗菌液剤が存在す
る抗菌スプレーを得ることができる。徐放性抗菌材料を
存在させることにより、該材料中の銀錯イオン溶出量を
一定に制御できるので、常に抗菌作用のある抗菌液剤を
スプレーすることができる。なお、スプレー装置は、公
知のものを用いることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明の徐放性抗菌材料は、シリカゲル
担体に銀錯体を担持させた銀系抗菌剤に、シリカゲル及
び有機結合剤を配合させているので、これを溶媒中に存
在させた場合には、実質的に銀系抗菌剤の中の銀錯イオ
ンのみを溶出させることができるので、特に抗菌液剤を
調製するのに好適である。
担体に銀錯体を担持させた銀系抗菌剤に、シリカゲル及
び有機結合剤を配合させているので、これを溶媒中に存
在させた場合には、実質的に銀系抗菌剤の中の銀錯イオ
ンのみを溶出させることができるので、特に抗菌液剤を
調製するのに好適である。
【0027】本発明の抗菌液剤は、水ーアルコール系の
溶媒中に上記抗菌材料を存在させることにより、銀錯イ
オン溶出量が一定に保たれる結果、液状で常に有効な抗
菌性を維持することができる。また、アルコールとして
エタノール等を使用すれば、それによる殺菌効果も得る
ことができる。
溶媒中に上記抗菌材料を存在させることにより、銀錯イ
オン溶出量が一定に保たれる結果、液状で常に有効な抗
菌性を維持することができる。また、アルコールとして
エタノール等を使用すれば、それによる殺菌効果も得る
ことができる。
【0028】例えば、スプレー容器中に、上記の徐放性
抗菌材料及び抗菌液剤を存在させれば、抗菌スプレーと
することができる。本発明抗菌スプレーは、抗菌したい
部分(電話、鞄、ドアノブ、手摺り、便座、机等)に噴
霧するだけで、その部分における大腸菌等の増殖を抑制
することでき、実質的に対象物の材質等に関係なく手軽
に抗菌効果を得ることができる。
抗菌材料及び抗菌液剤を存在させれば、抗菌スプレーと
することができる。本発明抗菌スプレーは、抗菌したい
部分(電話、鞄、ドアノブ、手摺り、便座、机等)に噴
霧するだけで、その部分における大腸菌等の増殖を抑制
することでき、実質的に対象物の材質等に関係なく手軽
に抗菌効果を得ることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示して、本発明をより詳細に
説明する。
説明する。
【0030】実施例1 銀系抗菌剤を用いて徐放性抗菌材料(錠剤)を製造し
た。
た。
【0031】銀系抗菌剤(「アメニトップ」松下電器産
業(株)製)20重量%、ポリエチレン微粒子10重量
%及びシリカゲル70重量%からなる混合物を打錠して
錠剤(0.25g/1個)を製造した。なお、この錠剤
1個中の銀含有量は、1.75mgであった。錠剤の大
きさは、直径8mm、厚さ5.0mmであった。
業(株)製)20重量%、ポリエチレン微粒子10重量
%及びシリカゲル70重量%からなる混合物を打錠して
錠剤(0.25g/1個)を製造した。なお、この錠剤
1個中の銀含有量は、1.75mgであった。錠剤の大
きさは、直径8mm、厚さ5.0mmであった。
【0032】実施例2 実施例1で得られた錠剤の溶出試験を行った。
【0033】イオン交換水(No.1)、10%エタノ
ールー水混合溶媒(No.2)、25%エタノールー水
混合溶媒(No.3)、50%エタノールー水混合溶媒
(No.4)15mlをそれぞれスプレーボトルに入
れ、さらに各ボトルに上記錠剤1個を入れ、溶出速度を
測定した。なお、銀錯イオンの溶出量の測定方法は、原
子吸光法により行った。その結果を図1に示す。また、
各試料の測定値の上限及び下限を表1に示す。
ールー水混合溶媒(No.2)、25%エタノールー水
混合溶媒(No.3)、50%エタノールー水混合溶媒
(No.4)15mlをそれぞれスプレーボトルに入
れ、さらに各ボトルに上記錠剤1個を入れ、溶出速度を
測定した。なお、銀錯イオンの溶出量の測定方法は、原
子吸光法により行った。その結果を図1に示す。また、
各試料の測定値の上限及び下限を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1及び図1の結果から、本発明の錠剤か
ら得られた抗菌液剤は、水ーアルコール溶媒中で銀錯イ
オンの溶出量が一定に制御されていることがわかる。
ら得られた抗菌液剤は、水ーアルコール溶媒中で銀錯イ
オンの溶出量が一定に制御されていることがわかる。
【0036】実施例3 本発明の抗菌液剤の抗菌性について調べた。
【0037】実施例2の抗菌液剤(No.1〜4)を調
製し、7日経過後、これらをPPシート上にスプレーを
用いて1回噴霧し、乾燥後の抗菌性について滴下法にて
評価した。その結果を表2に示す。
製し、7日経過後、これらをPPシート上にスプレーを
用いて1回噴霧し、乾燥後の抗菌性について滴下法にて
評価した。その結果を表2に示す。
【0038】なお、滴下法は、表2の初期菌数の菌液
0.2mlをシャーレに格納したサンプル上に滴下し
て、温度37℃・湿度90%RH以上にて18時間放置
した後に菌液を回収し、さらにこの菌液を寒天培地に混
釈して培養し、形成されたコロニーの数を計数して1m
l当たりに生存している菌数を求めることにより行っ
た。なお、表2中、CFUは、colony formation unit
を示す。
0.2mlをシャーレに格納したサンプル上に滴下し
て、温度37℃・湿度90%RH以上にて18時間放置
した後に菌液を回収し、さらにこの菌液を寒天培地に混
釈して培養し、形成されたコロニーの数を計数して1m
l当たりに生存している菌数を求めることにより行っ
た。なお、表2中、CFUは、colony formation unit
を示す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例4 本発明の抗菌液剤の抗菌性について調べた。抗菌液剤と
して実施例2のNo.3を用いた。
して実施例2のNo.3を用いた。
【0041】評価方法は、浸漬法の場合、表3中の初期
濃度の菌液1mlを、ポリエチレン袋に入れた各サンプ
ルに含浸させてシールし、温度37℃・湿度90%RH
以上にて18時間放置した後に菌液を回収し、さらにこ
の菌液を寒天培地に混釈して培養し、形成されたコロニ
ーの数を計数して1ml当たりに生存している菌数を求
めることにより行った。なお、滴下法は、実施例3と同
様の方法にて行った。
濃度の菌液1mlを、ポリエチレン袋に入れた各サンプ
ルに含浸させてシールし、温度37℃・湿度90%RH
以上にて18時間放置した後に菌液を回収し、さらにこ
の菌液を寒天培地に混釈して培養し、形成されたコロニ
ーの数を計数して1ml当たりに生存している菌数を求
めることにより行った。なお、滴下法は、実施例3と同
様の方法にて行った。
【0042】
【表3】
【0043】表2及び表3の結果より、本発明の抗菌液
剤は、一定の溶出量を維持する限り、大腸菌(E.col
i)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)等に優れた抗菌作用
を示すことがわかる。
剤は、一定の溶出量を維持する限り、大腸菌(E.col
i)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)等に優れた抗菌作用
を示すことがわかる。
【図1】実施例2の各スプレー液における溶出量を示す
グラフである。
グラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】シリカゲル担体に銀錯体を担持させた銀
系抗菌剤、シリカゲル及び有機結合剤からなる徐放
性抗菌材料。 - 【請求項2】銀錯体が、チオスルファト銀錯塩である請
求項1記載の徐放性抗菌材料。 - 【請求項3】銀系抗菌剤の表面の少なくとも一部が、ケ
イ素化合物によりコーティングされている請求項1記載
の徐放性抗菌材料。 - 【請求項4】請求項1記載の徐放性抗菌材料を水−アル
コール系溶媒中に存在させることにより該材料中から溶
出した銀錯イオンが該溶媒中に存在している抗菌液剤。 - 【請求項5】アルコールが、メタノールである請求項4
記載の抗菌液剤。 - 【請求項6】スプレー容器中に、請求項1記載の徐放性
抗菌材料及び請求項4記載の抗菌液剤が存在することを
特徴とする抗菌スプレー。 - 【請求項7】水ーアルコール系溶媒中におけるアルコー
ル濃度が5〜50重量%である請求項6記載の抗菌スプ
レー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29080595A JP3460008B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 徐放性抗菌材料、抗菌液剤及び抗菌スプレー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29080595A JP3460008B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 徐放性抗菌材料、抗菌液剤及び抗菌スプレー |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000351522A Division JP2001181118A (ja) | 2000-11-17 | 2000-11-17 | 徐放性抗菌材料、抗菌液剤及び抗菌スプレー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09131389A true JPH09131389A (ja) | 1997-05-20 |
JP3460008B2 JP3460008B2 (ja) | 2003-10-27 |
Family
ID=17760723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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1995
- 1995-11-09 JP JP29080595A patent/JP3460008B2/ja not_active Expired - Fee Related
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