JPH1046227A - 金属スクラップの溶解方法および溶解炉 - Google Patents

金属スクラップの溶解方法および溶解炉

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JPH1046227A
JPH1046227A JP19776296A JP19776296A JPH1046227A JP H1046227 A JPH1046227 A JP H1046227A JP 19776296 A JP19776296 A JP 19776296A JP 19776296 A JP19776296 A JP 19776296A JP H1046227 A JPH1046227 A JP H1046227A
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metal
furnace
scrap
electrode
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JP19776296A
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Shinya Kitamura
信也 北村
Yoshihiro Hatsuta
好弘 八太
Kyoji Okumura
恭司 奥村
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Nippon Steel Corp
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】操業全体の電力効率および生産性を高めること
ができる金属スクラップの溶解。 【解決手段】炉底湯溜部9から金属溶湯を排出するため
の溶湯排出装置および前記湯溜部9の金属溶湯中に酸素
および/または炭材を吹込む炉底羽口を設けた溶解炉の
炉頂から電極2を挿入して、予め該溶解炉に入れ置いた
金属スクラップの積み山の中央部を通電加熱することに
より掘り下げてボーリングした後、前記電極2の下端お
よび/またはその側方に存在する未溶解の金属スクラッ
プ群10の頂部を前記湯溜部9の金属溶湯の浴面7より
上に位置させながら、かつ前記電極2の下端および/ま
たはその側方と前記スクラップ群10の頂部とが接触状
態を維持するように、炉頂から金属スクラップの追加装
入速度(トン/h)を、前記湯溜部9からの金属溶湯の
排出速度(トン/h)および前記電極2の高さのうちの
少なくとも一つと組み合わせ制御し、フラットバス化さ
せず通電加熱連続溶解。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属スクラップの溶
解方法およびそれを実施する溶解炉に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電気炉操業は以下の手順で行う。
まず操業の開始に当たって、電気炉内に必要に応じて予
熱した金属スクラップを装入して積み山状態にしてお
く。電気炉の頂部から電極を炉内に挿入・下降させなが
ら金属スクラップの積み山の中央部分に電極下端を接触
あるいは近づけて通電加熱して金属スクラップを溶解
し、スクラップの積み山の中央部分を局部的に掘り下げ
る、いわゆるボーリングを行う。ボーリング中は、金属
スクラップの溶解の進行に伴って、炉底部に金属溶湯が
溜まる。電極下端位置が所定の位置になるまで掘り下げ
た時点でボーリングを完了する。
【0003】さらに、通電加熱を継続すると、金属スク
ラップの積み山の一部が崩れたり溶解したりして、全体
が溶湯中に埋没して、いわゆるフラットバス状態にな
る。さらにフラットバスになった後も通電加熱を継続し
て溶湯浴中に埋没した未溶解の金属スクラップを全て溶
解する。続いて、電極を上方に引き抜いた後、溶解炉全
体を傾斜させ、溶解炉の下方の炉壁に設けた偏芯炉底出
湯孔から溶湯を炉外に排出する。これで1回のチャージ
操業を完了する。
【0004】ところで、ボーリング中は固体電極と固体
スクラップとの通電加熱溶解であるため、電力効率は非
常に高い(70〜80%)。しかしながら、フラットバ
ス状態になった後の電力効率は、金属溶湯浴面上のFe
Oによる電極の溶損防止のために電極下端と溶湯浴面と
の間を離すので極めて低くなってしまう(30%程
度)。電力効率の高いボーリング中に溶解する金属スク
ラップ量は、金属スクラップ全体量のうち極一部に過ぎ
ないので、操業全体の電力効率は低位にとどまっている
のが現状である。
【0005】また、原料の金属スクラップを予熱後、随
時溶解炉内に追加装入する設備を有する場合は、フラッ
トバス状態になった後、電極に直接当てないように金属
スクラップを溶湯浴面に上方から追加装入しているのが
現状である。このように、フラットバス状態で金属スク
ラップを追加装入する電気炉操業方法では、電力効率の
低いフラットバス状態のみが継続延長されることになっ
て、操業全体の電力効率および生産性が低いのが難点で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みて、操業全体の電力効率および生産性を高める
ことができる金属スクラップ溶解方法および同方法を実
施する溶解炉を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために、種々検討した結果、電気炉による金属
スクラップの溶解に当たって、従来法のごとく電力効率
の低いフラットバス状態にすることなく、金属スクラッ
プの溶解を継続すること、つまり、ボーリング中に電極
直下およびその側方に存在する金属スクラップ群の高さ
が金属溶湯浴面より低くなる前の電力効率の高い状態を
維持し続けることにより達成され得ることを確かめ、し
かして、この操業を実現するために最も好ましい要点
は、特に電極下端および/またはその側方を、該電極直
下において炉底湯溜部の金属溶湯浴面より上方に突出し
ている固体状の金属スクラップ群に常時直接接触させて
通電加熱する点にあることを知見した。
【0008】本発明はかかる知見に基づいて構成された
もので、その要旨とするところは下記のとおりである。 (1)炉底湯溜部から金属溶湯を排出するための溶湯排
出装置および前記炉底湯溜部の金属溶湯中に酸素および
/または炭材を吹き込むための炉底羽口を設けてなる溶
解炉の炉頂から電極を挿入して、予め該溶解炉内に入れ
置いた金属スクラップの積み山の中央部を通電加熱して
溶解することにより掘り下げてボーリングした後、前記
電極の下端および/またはその側方に存在する未だ固体
状の金属スクラップ群の頂部を前記炉底湯溜部の金属溶
湯浴面より上に位置させながら、かつ前記電極の下端お
よび/またはその側方と前記固体状の金属スクラップ群
の頂部とが接触状態を維持するように、炉頂からの金属
スクラップの追加装入速度(トン/h)を、前記炉底湯
溜部からの金属溶湯の排出速度(トン/h)および前記
電極の高さのうちの少なくとも一つと組み合わせて制御
しつつ、フラットバス化させることなく金属スクラップ
を通電加熱により連続的に溶解することを特徴とする金
属スクラップの溶解方法。
【0009】(2)ボーリング状態を維持するように溶
解炉内壁に沿って金属スクラップを追加装入して該金属
スクラップを電極を中心にした円環状に山積みすること
を特徴とする前項1記載の金属スクラップの溶解方法。 (3)炉底湯溜部の金属溶湯中に底吹羽口から酸素含有
ガスを吹き込んで酸化加熱しながら、金属溶湯中に羽口
から炭素含有物質を吹き込んで溶融金属浴面に存在する
溶融スラグ中に含有される酸化鉄を還元し、かつ金属溶
湯を攪拌しながら金属スクラップの加熱溶解を行うこと
を特徴とする前項1または2記載の金属スクラップの溶
解方法。
【0010】(4)上方から電極を挿入・下降させて炉
内に入れ置いた金属スクラップの山の中央部を通電加熱
により溶融して掘り下げ、ボーリングした後、さらに通
電加熱により溶解して金属溶湯を得るための金属スクラ
ップの溶解炉であって、金属スクラップを溶解炉の上方
から随時供給する装置、溶解炉底部に溜まる金属溶湯を
随時排出するための排出装置ならびに金属溶湯中に酸素
および/または炭材を吹き込むための底吹羽口を有する
ことを特徴とする前項1〜3のいずれかに記載の金属ス
クラップ溶解方法を実施するための金属スクラップ溶解
炉。
【0011】(5)溶解炉の高さHと該溶解炉の炉径D
との比が1.5以上であることを特徴とする前項4記載
の金属スクラップの溶解炉。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属スクラップ溶解工程は、ボーリング完了の
工程までは、従来の操業方法と同一である。すなわち、
まず操業の開始に当たって、電気炉内に必要に応じて予
熱した金属スクラップを装入して積み山状態にしてお
き、電気炉の頂部から電極を炉内に挿入・下降させなが
ら金属スクラップの積み山の中央部分に電極下端を接触
あるいは近づけて通電加熱して金属スクラップを溶解
し、スクラップの積み山の中央部分を局部的に掘り下げ
る、いわゆるボーリングを行う工程迄は、従来法と同じ
である。
【0013】本発明と従来法との相違点は、電力効率の
低いフラットバス状態にすることなく、金属スクラップ
の溶解を継続する点にある。つまり、ボーリング末期の
電極下方に存在する金属スクラップ群の高さが炉底湯溜
部の金属溶湯浴面より低くなる前の電力効率の高い状態
を維持し続けることを特徴とする。電極の側方にはボー
リングの結果、固体状の金属スクラップが存在し、電極
と接触していて電力効率は良好である。
【0014】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明
する。図1は本発明を実施するための電気炉の構造の一
例を示す概略説明図である。図において、1は炉体、2
は電極、3は酸素および/または炭材を溶湯中に吹き込
むための羽口、4は金属溶湯排出口、5は固体金属スク
ラップ群、6は金属溶湯、7は金属溶湯の浴面、8は取
鍋、9は炉底湯溜部、10は金属溶湯中に存在する未溶
解の金属スクラップ群、11はボーリング孔を示す。
【0015】本発明に従った操業を実現するために最も
好ましい要点は、電極2の下端面および/またはその側
方を、該電極直下にあって、炉底湯溜部の金属溶湯浴面
より上方に位置する未溶解の状態の固体状の金属スクラ
ップ群10の頂部に常時直接接触させて通電加熱する点
にある。具体的には、電極と固体金属スクラップのみと
を接触させ続ける点にある。電極には側面と下端面とが
あり、下端面のみを固体金属スクラップと接触させても
よいが、より好ましくは電極側面と固体金属スクラップ
とを接触させるのが有利である。
【0016】フラットバス状態になってしまうと、電極
を金属溶湯中に浸漬させられない(金属溶湯の浴面のF
eOにより炭素製電極は溶解する)ことから、浴面と電
極とを離して行うことになり、効率が落ちる。従って、
電極には金属溶湯を介せずして固体金属スクラップのみ
を直接接触させることを必須とするというのが本発明の
要点である。
【0017】まず、電極下端面と固体金属スクラップと
を直接に、すなわち溶湯を介することなく接触させ続け
るには、電極直下の固体金属スクラップ群の頂部高さ
を、金属溶湯浴面より上に維持するしかなく、そのため
には、電極直下に固体金属スクラップを逐次補充する必
要がある。次に、電極側面と固体金属スクラップとを溶
湯を介することなく、直接接触させ続けるには、電極側
方に固体金属スクラップを円環状に山積みするしかな
く、従って、電極の側方にかつ溶解炉内壁に沿って円環
状に固体金属スクラップを追加装入する必要がある。
【0018】固体金属スクラップとの直接接触は電極下
端面と側面のいずれか一方でも良いが、好ましくはこれ
らの両方に接触させるのが有利である。電極と固体金属
スクラップとのこのような状態を維持するには、電極2
の直下において、炉底湯溜部の金属溶湯中の固体金属ス
クラップ群10の頂部高さを、溶解によって得られる金
属溶湯6の浴面7より高く維持すれば良い。この方策と
しては2つあって、1つは、金属溶湯6の浴面7の高さ
の上昇を許容し、電極直下にのみ固体金属スクラップを
逐次補充して、固体金属スクラップ群10の高さと共に
電極2の下端面を浴面7以上に上昇させることであり、
他の1つは、金属溶湯6を逐次炉外に排出することによ
り金属溶湯浴面高さを一定に保持することである。
【0019】前者の場合は、固体金属スクラップ群5を
逐次崩して、電極2の直下に落とし込むか、あるいは金
属スクラップを電極2の側面とボーリング孔11の内面
との隙間に挿入して電極2の直下のみに金属スクラップ
を充填し、その高さを調節する。後者の場合は、溶解炉
の底部湯溜部9から逐次金属溶湯を排出すればよいの
で、工業的に容易である。
【0020】本発明の実施に当たっては、いずれの方式
でも良いが工業的には前記両者の併用が好ましい。金属
スクラップを溶解炉の上方から随時供給する手段は、投
入装置を溶解炉の直前に配設すればよく、投入装置の直
前に予熱装置を併置するのがエネルギーコストの点から
望ましい。さらに、投入口は、溶解炉内壁に沿って金属
スクラップを装入できるように、溶解炉の内壁に設ける
か、炉天井の内壁沿いに配設するのが良い。その理由
は、金属スクラップの積み山の上面のうち炉内壁に沿っ
た部分に追挿すれば、スクラップの自重で電極に向かっ
て崩れるからである。
【0021】また、電極周辺に金属スクラップを追加装
入するようにしても構わない。この場合、金属スクラッ
プは電極2の外周面に当たって、ボーリング孔11に落
下する。さらに、溶解炉には、底部湯溜部9に溜まる金
属溶湯6を随時排出するための排出装置4を設ける。こ
の排出装置4は溶解中の電極の最下限位置より下方の炉
側面あるいは炉底にあるのが好ましく、特に方式は問わ
ないが既存の高炉出銑口型式のもので良い。この排出装
置には、排出流量を制御できるように摺動式などの流量
調整弁を設けるのが操業上有利である。
【0022】かくして、電極直下あるいはその周辺にお
いて、未だ固体状の金属スクラップ群の頂部が通電加熱
・溶解により得られる前記湯溜部内の金属溶湯浴面より
高くかつ前記電極に接触状態になるように、炉頂からの
金属スクラップの装入および/または炉底湯溜部からの
金属溶湯の排出を随時行うことにより、連続的に金属ス
クラップを通電加熱により溶解することが極めて有利に
実施できる。
【0023】炉底羽口3を設ける目的の一つは、これを
通じて炉底湯溜部9の金属溶湯6中に酸素を吹込むため
である。かくして溶融金属温度は鉄を酸化する熱により
上昇し、その際溶融スラグ中の酸化鉄濃度は上昇して鉄
の歩留自体は悪化するが、この羽口から炭材を吹き込め
ば溶融金属上の溶融スラグ中の酸化鉄が還元されて、そ
の含有量の低減、即ち鉄歩留の回復・調整を図ることが
できる。
【0024】ボーリング状態の維持には、実験の結果、
溶解炉の高さHと該溶解炉の炉径Dとの比が1.5以上
であることが好ましいことが確かめられた。溶解炉の高
さHと該溶解炉の炉径Dとの比を前記のように1.5以
上にすることが好ましいとする根拠を説明する。まず、
金属スクラップの溶解速度(トン/h)を一定とした場
合、Dが大きいほど、溶解の進行に伴う溶湯浴面の上昇
速度(mm/h)を低く維持でき、そのため溶湯排出の
頻度を少なくできる。従って、極力Dは大きい方がよ
い。だからといって、Hが小さいと、溶湯浴面の上昇に
伴って、電極を上昇させる長さが不足する。
【0025】一方、金属スクラップの積み山を炉内に入
れ置き、ボーリング孔を形成し、そのボーリング孔中で
溶解する本発明の場合、溶解中に生成する高温ガスは金
属スクラップの積み山中を上昇して、該積み山に熱を与
えてこれを予熱する。この予熱の効果を最大限に利用す
るためには、Hは高い方がよい。以上の二点から、H/
Dの最適範囲を調査した結果、1.5倍以上にするのが
良いことが分かった。
【0026】この比が1.5より小さい場合は、円環状
のスクラップ山の幅が増えて、電極にかかる負荷が大き
くなり、電極の破損につながるおそれがある。金属スク
ラップの追加装入に当たっては、ボーリング状態を維持
するように溶解炉内壁に沿って金属スクラップを追加・
装入して円環状に積み山するとともに、炉底湯溜部に溜
まる金属溶湯を随時排出しながら、該金属スクラップの
円環状積み山の上端高さが、少なくとも得られる金属溶
湯浴面より上方に維持されるように留意する。かくし
て、電力効率の高いボーリング状態を維持できて生産性
を高位に維持できる。
【0027】本発明を鋼スクラップを溶解する場合につ
いて説明するが、本発明はその他の金属スクラップの溶
解にも適用できることは勿論である。
【0028】
【実施例】図1に示す溶解炉(H/D=1.8、H=3
600mm、D=2000mm)に鋼スクラップ5の積
み山を高さ2000mmに入れ置き、250mmφの電
極2を用いて鋼スクラップ5を通電加熱により溶解し
て、ボーリングを行い、深さ1500mmのボーリング
孔11を鋼スクラップの積み山に掘った。250mmφ
の電極でボーリングする際、経験的に500mmφ×1
500mmの円柱の体積に相当する鋼スクラップが溶解
する。鋼スクラップの積み山の嵩密度は0.5以下であ
るので、炉底湯溜部9に溜まる溶鉄浴6の深さは約50
mm以下である。従って、1500mmボーリングした
時点で、電極2の下端と溶鉄浴面7より突出した未溶解
の鋼スクラップ群10の頂部とは接触状態にある。
【0029】さらに通電加熱による鋼スクラップの溶解
を継続し、溶鉄量の増加に伴い溶鉄浴面7が上昇するの
で、浴面の上昇速度に応じて電極2を連続的に上昇させ
た。浴面7の上昇速度は溶解炉の壁面に埋め込んだ熱電
対列(図示せず)により検出した。電極2の下端は、通
電加熱の進行に伴って消耗するので、実質的には上昇さ
せなくても、電極下端が溶鉄浴面以下に、すなわち溶鉄
浴中に浸漬することはなかった。
【0030】また、電極2の側方と同電極の下端とに絶
えず未溶解の鋼スクラップを接触させるために、鋼スク
ラップを連続的に補充(追加装入)した。鋼スクラップ
を溶解炉上部の炉口から追加装入するにあたり、予熱炉
(図示せず)を用いて1000℃に予熱した鋼スクラッ
プを追加装入する口を、溶解炉の内壁に設けて該鋼スク
ラップを装入すると、既に炉内に存在する円環状の鋼ス
クラップの積み山上に積まれ、一部は電極2の周囲に移
動した。これにより常に鋼スクラップの積み山はボーリ
ング直後の状態に維持できた。
【0031】溶鉄の熱により加熱された高温のガスは、
電極周囲の鋼スクラップの積み山中を、下から上に抜け
るので、積み山の鋼スクラップの予熱に使用でき、鋼ス
クラップの予熱温度を1200〜1300℃に維持し
た。溶鉄浴面7が急激に上昇すると、電極2が溶鉄6中
に浸漬して電力効率が低下するので、溶解炉の湯溜部6
の側壁に溶鉄を排出するための出湯孔4を配設した。こ
の出湯孔は連続出湯できる高炉の出湯孔と同一口構造と
し、取鍋8を出湯孔4の直下に置いて溶鉄を受けた。
【0032】溶鉄の温度を1500℃に維持し、かつ溶
鉄を0.5wt%低炭素含有量に維持するために、溶解
炉のガス吹き込み用の底吹羽口から純酸素ガスを20N
3/hで溶鉄浴中に吹き込み、溶鉄を酸化する発熱反
応の熱で、溶鉄浴温度を1500℃に維持できた。ま
た、酸素と共に炭材を溶鉄中に吹き込むことにより、ス
ラグ中のFeOを還元した。
【0033】
【発明の効果】本発明に従って、鋼スクラップを溶解す
ることにより、常に電極直下には、未溶解の鋼スクラッ
プが接触状態で存在するため、電力効率を80%に維持
でき、しかも連続出湯が可能となったので、出湯待ち時
間が不要になり、生産性が従来の3倍になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する溶解炉の概略縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1:炉体 2:電極 3:酸素及び/又は炭材を溶湯中に吹き込むための羽口 4:金属溶湯排出口 5:固体金属スクラップ群 6:金属溶湯 7:金属溶湯の浴面 8:取鍋 9:炉底湯溜部 10:未溶解の金属スクラップ群 11:ボーリング孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉底湯溜部から金属溶湯を排出するため
    の溶湯排出装置および前記炉底湯溜部の金属溶湯中に酸
    素および/または炭材を吹き込むための炉底羽口を設け
    てなる溶解炉の炉頂から電極を挿入して、予め該溶解炉
    内に入れ置いた金属スクラップの積み山の中央部を通電
    加熱して溶解することにより掘り下げてボーリングした
    後、前記電極の下端および/またはその側方に存在する
    未だ固体状の金属スクラップ群の頂部を前記炉底湯溜部
    の金属溶湯浴面より上に位置させながら、かつ前記電極
    の下端および/またはその側方と前記固体状の金属スク
    ラップ群の頂部とが接触状態を維持するように、炉頂か
    らの金属スクラップの追加装入速度(トン/h)を、前
    記炉底湯溜部からの金属溶湯の排出速度(トン/h)お
    よび前記電極の高さのうちの少なくとも一つと組み合わ
    せて制御しつつ、フラットバス化させることなく金属ス
    クラップを通電加熱により連続的に溶解することを特徴
    とする金属スクラップの溶解方法。
  2. 【請求項2】 ボーリング状態を維持するように溶解炉
    内壁に沿って金属スクラップを追加装入して該金属スク
    ラップを電極を中心にした円環状に山積みすることを特
    徴とする請求項1記載の金属スクラップの溶解方法。
  3. 【請求項3】 炉底湯溜部の金属溶湯中に底吹羽口から
    酸素含有ガスを吹き込んで酸化加熱しながら、金属溶湯
    中に羽口から炭素含有物質を吹き込んで溶融金属浴面に
    存在する溶融スラグ中に含有される酸化鉄を還元し、か
    つ金属溶湯を攪拌しながら金属スクラップの加熱溶解を
    行うことを特徴とする請求項1または2記載の金属スク
    ラップの溶解方法。
  4. 【請求項4】 上方から電極を挿入・下降させて炉内に
    入れ置いた金属スクラップの山の中央部を通電加熱によ
    り溶融して掘り下げ、ボーリングした後、さらに通電加
    熱により溶解して金属溶湯を得るための金属スクラップ
    の溶解炉であって、金属スクラップを溶解炉の上方から
    随時供給する装置、溶解炉底部に溜まる金属溶湯を随時
    排出するための排出装置ならびに金属溶湯中に酸素およ
    び/または炭材を吹き込むための底吹羽口を有すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属スク
    ラップ溶解方法を実施するための金属スクラップ溶解
    炉。
  5. 【請求項5】 溶解炉の高さHと該溶解炉の炉径Dとの
    比が1.5以上であることを特徴とする請求項4記載の
    金属スクラップの溶解炉。
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