JPH1046011A - ポリエステル樹脂製自動車用ワイヤーハーネスコネクター - Google Patents

ポリエステル樹脂製自動車用ワイヤーハーネスコネクター

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JPH1046011A
JPH1046011A JP20800596A JP20800596A JPH1046011A JP H1046011 A JPH1046011 A JP H1046011A JP 20800596 A JP20800596 A JP 20800596A JP 20800596 A JP20800596 A JP 20800596A JP H1046011 A JPH1046011 A JP H1046011A
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Yasushi Komata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚さが0.35mm以下の薄肉部分を有するに
も拘らず、割れや欠けが少なく、耐衝撃性が良好で、し
かも製品に要求される諸特性、例えば、電極の保持力、
熱処理後および湿熱処理後の強度などにも優れた、自動
車用ワイヤーハーネスコネクターを提供すること。 【解決手段】 分子量が500〜3500のポリテトラ
メチレングリコールを共重合成分として3〜7重量%含
むPBT樹脂(A)100重量部に、ヒンダードフェノ
ール系化合物(B)0.05〜1重量部、および/また
は、チオフェノール系化合物(C)0.05〜1重量部
を添加して得られる樹脂組成物より構成されてなること
を特徴とする、厚さ0.35mm以下の薄肉部分を有する
ポリエステル樹脂製自動車用ワイヤーハーネスコネクタ
ーを要旨とする。 【効果】 上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル樹脂
製自動車用ワイヤーハーネコネクターに関する。さら詳
しくは、ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、「P
BT樹脂」と略記する)の組成物より構成され、自動車
用の電気・電子機器回路を接続するための部品であっ
て、肉厚が0.35mm以下の部分を有する自動車用ワイ
ヤーハーネスコネクターに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を射出成形して製造される
コネクターの中で、PBT樹脂製のものは耐熱性、耐薬
品性、寸法安定性などに優れるため、自動車用のワイヤ
ーハーネスコネクターとして利用されてきた。近年、自
動車の安全性、快適性、走行性能の向上のための機能付
加と、エレクトロニクス化の進行により、自動車1台に
搭載されるワイヤーハーネス用コネクターの数が増加し
ている。
【0003】一方、自動車の燃費の向上のためには、ワ
イヤーハーネス用コネクターの軽量化が重要な課題とな
っており、コネクターの小型化や多極化が求められてい
る。このため、コネクターの壁部の薄肉化が必要であ
り、成形時に良流動性を発揮するPBT樹脂組成物が求
められている。この良流動化を達成するために、従来
は、PBT樹脂組成物の基体樹脂となるPBT樹脂を低
粘度化することが行われていた。しかし、低粘度化した
PBT樹脂からなるPBT樹脂組成物は、より高粘度の
PBT樹脂組成物よりなるコネクターよりも脆く、割れ
や欠けが発生し易く、耐湿熱(高湿・高温)性も劣ると
いう欠点がある。
【0004】PBT樹脂製ワイヤーハーネスコネクター
の使用比率の増加に伴い、ワイヤーハーネスの組立や運
搬、または自動車への取り付け工程におけるコネクター
の割れや欠けが大きな問題となっている。特に冬季の低
温時における作業の場合や、コネクターに大きな衝撃が
加わった場合には、割れや欠けが発生し、ワイヤーハー
ネスコネクターの生産性を著しく低下させるという欠点
があった。このため、先述のPBT樹脂の低粘度化には
限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、コネクターの割
れや欠けを改善するために、PBT樹脂に各種のエラス
トマー成分を添加する方法が提案されている。この方法
では、エラストマー成分をPBT樹脂中に小粒子状に分
散させることにより、衝撃により生成したクラックの拡
大を阻止し、耐衝撃性を向上させるものであるため、エ
ラストマー成分をPBT樹脂中で微分散させることが必
須である。このため低粘度のPBT樹脂にエラストマー
成分を添加した場合には、エラストマー成分の分散が困
難で、充分な衝撃性改良の効果が得られないか、得られ
るPBT組成物の溶融粘度が上昇し、本発明が目的とす
るような0.35mm以下の薄肉部分を有するコネクター
の成形は困難であった。
【0006】本発明は、上記の従来技術の問題点を解消
し、0.35mm以下の薄肉部分を有するにも拘らず、割
れや欠けが少なく、耐衝撃性が良好で、しかも自動車用
ワイヤーハーネスコネクターに要求される諸特性、すな
わち、電極の保持力、熱処理後および湿熱処理後の強度
などにも優れた、自動車用ワイヤーハーネコネクターを
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を達成するための手段】本発明者らは、かかる状
況に鑑み、鋭意検討の結果、PBT樹脂に較べて弾性率
が低下するため、コネクターの電極の保持力(引き抜き
強度)などが低下し実用に耐えないと従来考えられてい
た、ポリテトラメチレングリコール(以下、「PTM
G」と略記する)共重合体に、特定の安定剤を組合わせ
ることにより上記の問題が解決できることを見出だし、
本発明を完成した。
【0008】すなわち、上記課題を解決するため、本発
明では、分子量500〜3500のポリテトラメチレン
グリコールを共重合成分として3〜7重量%含むポリブ
チレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に、ヒン
ダードフェノール系化合物(B)0.05〜1重量部、
および/または、チオフエノール系化合物(C)0.0
5〜1重量部を添加して得られる樹脂組成物から形成さ
れてなることを特徴とする、厚さ0.35mm以下の薄肉
部分を有するポリエステル樹脂製自動車用ワイヤーハー
ネスコネクターを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、ポリテトラメチレングリコール(PTM
G)を共重合成分として3〜7重量%含むポリブチレン
テレフタレート樹脂(A){以下、「成分(A)」と略
記する}を基体樹脂とする。「成分(A)」としては、
PTMGを共重合成分として7重量%よりも多く含む共
重合ポリブチレンテレフタレート樹脂にPBTホモポリ
マーを配合することにより、PTMGを共重合成分とし
て3〜7重量%の範囲になるようにブレンドした樹脂で
あってもよい。
【0010】PBTホモポリマー製のコネクターでは、
電極を引き抜く際に電極を所定位置に保持しているラン
スの一部が欠損するのに対し、PTMGの共重合体(以
下、「共重合PBT」と略記することがある)を基体樹
脂とした場合には、従来のエラストマーの添加の場合と
異なり、流動性を損なわずに、割れや欠けを防止でき、
特に、従来のPBTホモポリマー製コネクターの問題と
されていた低温での割れや欠けを、大幅に改良すること
ができる。
【0011】成分(A)のPTMGの共重合成分が3重
量%未満の場合は、割れや欠けの改良効果が不充分であ
り、また、PTMGの共重合成分が7重量%を越える場
合には、成分(A)の弾性率低下に伴いコネクターの強
度が低下し、小さな応力で壁面の変形が生じたり、ロッ
ク強度が低下するため実用上不適当である。成分(A)
のPTMGの共重合成分を、成分(A)の3〜7重量%
とした場合には、電極の保持力の低下がほとんど無く、
コネクターとしての実用強度も充分である。
【0012】成分(A)中のPTMGは、その分子量が
500〜3500の範囲で選ぶものとする。分子量がこ
の範囲外であると、コネクターの割れや欠けを防止する
という本発明の目的が達成されず、好ましくない。PT
MG分子量の特に好ましい範囲は、650〜2000で
ある。
【0013】成分(A)は、フェノールと1,1,2,
2−テトラクロロエタンとを重量比で1対1に混合した
混合溶液に1g/dlの濃度として溶解し、30℃の温
度で測定した固有粘度が、0.6〜1.4g/dlの範
囲のものが好ましい。固有粘度が0.6g/dl未満で
あると、コネクターに成形した場合に割れや欠けを起こ
し易く実用的使用に耐えず、また、固有粘度が1.4g
/dlを越えると、本発明の目的とする肉厚0.35mm
以下の薄肉部分を有するコネクターを成形することが困
難となる。成分(A)の固有粘度の特に好ましい範囲
は、0.7〜1.15g/dlのものである。
【0014】従来、共重合体PBTはPBTホモポリマ
ーに比べて、熱安定性が悪く、成形中に熱劣化、および
高温下での使用中に熱劣化が起こりやすいため、成形品
の強度が低下し易く、割れや欠けの少ないコネクターを
得るのは困難であった。この問題は、特に薄肉部分を有
するコネクターの成形のため、共重合PBTの分子量を
下げて流動性の改良を試みた場合や、成形温度を上げて
共重合PBTの流動性を増そうとした場合に顕著であっ
た。本発明では、ヒンダードフェノール系化合物(B)
{成分(B)とも言う}、および/または、チオフエノ
ール系化合物(C){成分(C)とも言う}を配合する
ことにより、この問題を解決し、0.35mm以下、好ま
しくは0.32mm以下の薄肉部分を有しながら、割れや
欠けの少ないワイヤーハーネス用コネクターが得られる
ようになった。
【0015】ヒンダードフェノール系化合物(B){成
分(B)}としては、トリエチレングリコール[3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブロピオネート]、1,6−へキサンジオールービ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
エニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン
−3(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシ
フエニル)プロピル]メタン、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシペンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)イソシアヌレー
ト、トリス3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシペ
ンジル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0016】これらは単独でも、2種類以上の混合物で
あってもよい。なかでも好適なモノは、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンおよびペンタエ
リスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート]であ
る。
【0017】ヒンダードフエノール系化合物(B){成
分(B)}の添加量は、成分(A)に対し0.05〜1
重量%の範囲で選ぶものとする。添加量がこれより少な
いと所期の熱安定性か得られず、これより多く添加して
も熱安定性は向上しない。ヒンダードフエノール系化合
物(B)の特に好ましい添加量は、0.1〜0.5重量
%の範囲である。
【0018】チオエーテル系化合物(C){成分
(C)}としては、ジラウリルチオジプロピオネート、
ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオ
ジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネー
ト、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル
チオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラ
キス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリ
スリトール−テトラキス(3−オクタデシルチオプロピ
オネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−
ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトー
ル−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)
などが挙げられる。
【0019】これらは単独でも、2種類以上の混合物で
あってもよい。なかでも好適なものは、ペンタエリスリ
トール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ドデシ
ルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テト
ラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペン
タエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプ
ロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス
(3−ステアリルチオプロピオネート)などの分子量1
000以上のチオエーテル化合物である。
【0020】チオエーテル系化合物(C){成分
(C)}の添加量は、成分(A)に対し0.05〜1重
量%の範囲で選ぶものとする。添加量がこれより少ない
と所期の熱安定性が得られず、これより多く添加しても
熱安定性は向上しない。チオエーテル系化合物(C)の
特に好ましい添加量は、0.1〜0.5重量%である。
【0021】成分(A)の溶融熱安定性を向上させるに
はヒンダードフェノール系化合物(B){成分(B)}
の添加のみで可能である。しかし、成分(A)は酸化雰
囲気下で加熱された場合には、淡赤色〜褐色に着色する
場合がある。チオエーテル系化合物(C){成分
(C)}を併用することにより、成分(A)のこのよう
な着色を防止するとともに、成分(A)の熱安定性をさ
らに向上させることができるので、好ましい。一方、チ
オフェノール系化合物(C){成分(C)}のみの添加
では、本発明の目的とする充分な熱安定性は得られな
い。
【0022】成分(A)に、ヒンダードフェノール系化
合物(B){成分(B)}、および/または、チオエー
テル系化合物(C){成分(C)}とを添加するには、
(1)成分(A)の重縮合中に添加する方法、(2)成分
(A)の重縮合重縮合完了後の溶融状態にある間に添加
する方法、(3)ペレット状の成分(A)に、添加し溶融
混練する方法などが挙げられ、いずれの方法によっても
よい。
【0023】成分(A)の製造工程中の少なくとも重縮
合が終了する前、次亜燐酸アルカリ金属塩を添加するこ
とにより、成分(A)の熱安定性と耐湿熱性とを改善で
きる。これにより、コネクターの割れや欠けを低減でき
るとともに、高温高湿下での耐久性を改善することがで
きる。次亜燐酸アルカリ金属塩としては、次亜燐酸ナト
リウム、次亜燐酸カリウム、次亜燐酸リチウムなどが挙
げられ、特に次亜燐酸ナトリウムが望ましい。
【0024】成分(A)に対する次亜燐酸アルカリ金属
塩の添加量は、1〜1000ppmの範囲とするのが好
ましい。1ppm未満では添加の効果が充分得られず、
また、1000ppmより多く添加しても、効果が変わ
らずかえって重縮合反応を阻害するので好ましくない。
次亜燐酸アルカリ金属塩の好ましい添加量は、3〜20
0ppmの範囲であり、特に好ましいのは5〜80pp
mの範囲である。
【0025】本発明の自動車用ハーネスコネクター製造
用の樹脂には、上に説明した通りであるが、基体樹脂に
は自動車用ハーネスコネクターの特性を損なわない種類
の各種樹脂添加剤を、特性を損なわない範囲で配合する
ことができる。配合することができる樹脂添加剤として
は、着色剤、帯電防止剤、結晶核剤、可塑剤、滑剤、離
型剤、充填剤、繊維状補強剤、充填財、難燃剤、難燃助
剤、熱安定剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0026】上記自動車用ワイヤーハーネスコネクター
製造用の樹脂組成物から、目的の自動車用ハーネスコネ
クターを製造するには、射出成形法によるのが一般的で
ある。射出成形法によるときは、寸法の安定した同一形
状の製品を多量に製造することができ、工業的に有利で
ある。
【0027】自動車用ワイヤーハーネスコネクターは、
複数本の電極の付いた電線をコネクターに挿入する機能
を果す。挿入されたコネクターは、オス、メス一対で使
用される。図1は本発明に係るコネクターの一例の斜視
図であり、図2はコネクターに電極を挿入した際の部分
拡大断面図である。図において、1は係止板、2はロッ
ク部、3は極間0.35mmの薄肉部分、4は電極、6は
ランス、7はコネクター本体の外壁、8はコネクター本
体の中間壁、9は電極挿入口である。電極5は、図1の
電極挿入口9の上側から挿入される。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明の主旨に反しない限りに、本発明は以下
の記載例に限定されるものではない。なお、以下に記載
の例において、基体樹脂の固有粘度、樹脂組成物の成形
性、成形品の各種特性は、以下に記載の方法で測定した
ものである。
【0029】(1) 固有粘度:フェノ一ルと1,1,2,
2−デトラクロロエタンとを重量比で1対1の割合で混
合した混合液に、1g/dlの濃度に溶解しウベローデ
粘度計を使用して、30℃の温度で測定した。 (2) 成形性:図1に示した形状の成形品(コネクター)
を、FUNAC50B型射出成形機に装着した金型を用
いて成形した。成形条件は下記の通りとした。 シリンダー温度…225℃、金型温度…50℃、射出圧
力…850Kg/cm 2、射出速度…120mm/秒、射出時
間…6.0秒、冷却時間…7.0秒。 得られた成形品について、充填不足(シヨート)および
バリの有無を目視で観察し、下記のように判定した。充
填不足は、主にコネクターの極間の薄肉部分(厚さ0.
3mm)で起こった。 ○:良品、△:一部に充填不足有り、×:充填不足が著
しい。
【0030】(3) 電極引き抜き強度:図1に示した成形
品に図2に示すように電線付の電極を挿入し、インスト
ロン万能試験機の引っ張り治具のチヤックに、電極本体
とリード線とを取り付けて、200mm/分の速度で引っ
張り、電極を引き抜くのに要する引っ張り強度を測定し
た。実用的には、4.5Kgf以上の電極引き抜き強度
が必要である。 (4) 係止板挿入力:図1に示したのコネクターの係止板
1をインストロン万能試験機で5mm/分の速度で圧縮
し、はめ込みに必要な強度を測定した。実用的には、
1.5Kgf以上の係止板挿入力が必要である。
【0031】(5) 割れ・欠け:図1に示した成形品20
0個をポリエチレン製の袋に入れ、この袋を1.5mの
高さから鉄板上に落下させた。落下後のコネクターを袋
から取り出して目視観察し、割れや欠けの生じたものの
数を数え、割れや欠けの発生率(%)を算出した。 *室温試験:上記の落下試験を23℃の温度条件下で行
った。実用的には、割れ・欠けの発生率が1.0%以下
であることが必要である。 *低温試験:ポリエチレン袋に入れた成形品を、−20
℃の温度条件下に1時間放置した後に取り出し、直ちに
上記の落下試験を行った。実用的には、割れ・欠けの発
生率が10%以下であることが必要である。
【0032】*耐湿熱性試験:図1に示した成形品を温
度80℃、湿度95%の雰囲気下で250時間放置した
後、温度23℃、湿度50%で24時間放置し、上記の
落下試験を行った。実用的には、割れ・欠けの発生率が
10%以下であることが必要である。 *耐熱試験:図1に示した成形品を150℃で250時
間放置した後、23℃湿度50%で24時間放置し、上
記の落下試験を行った。実用的には、割れ・欠けの発生
率が10%以下であることが必要である。
【0033】[実施例1]分子量1000のPTMGを
10重量%共重合し、固有粘度1.15dl/gの共重
合PBTを50重量%、固有粘度0.95dl/gのP
BTホモポリマー49.2重量%、ペンタエリスルチル
−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェル)ブロピオネート]0.3重量%、ペン
タエリスルトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプ
ロピオネート)0.3重量%、パラフィンワックス0.
3重量%をそれぞれ秤量し、ブレンダーで均一に混合し
た混合物とした。得られた混合物を、2軸混練押出機に
よって混練してペレット化した。
【0034】得られたペレットを使用して、成形性、射
出成形機によって成形した図1に示した形状の成形品
(コネクター)成形品について、電極引き抜き強度、係
止板挿入力、割れ・欠けなどにつき、上記の方法で評価
試験を行った。その結果を、表−1に示す。
【0035】[実施例2]実施例1に記載の例におい
て、PBTホモポリマーを、PBTホモポリマー製造工
程において減圧下で重縮合する前のオリゴマーに、次亜
リン酸ナトリウム・1水塩を生成するポリマーに対して
50ppm添加した後、所定の固有粘度に達するまで重
縮合を進めたPBT樹脂に代えた外は、同例におけると
同様の方法でペレツトを得た。得られたペレットについ
て、実施例1に記載の方法で各種評価試験を行った。そ
の結果を、表−1に示す。
【0036】[実施例3]実施例2に記載の例におい
て、共重合PBTを、分子量1000のPTMGを10
重量%共重合した固有粘度1.15dl/gの共重合P
BT70重量%に代え、PBTホモポリマーを、固有粘
度0.95dl/gのPBTホモポリマー29.2重量
%に代えた外は、同例におけると同様の方法でペレット
を得た。得られたペレットについて、実施例1に記載の
方法で各種評価試験を行った。その結果を、表−1に示
す。
【0037】[実施例4]実施例2に記載の例におい
て、分子量1000のPTMGを10重量%共重合した
固有粘度1.15dl/gの共重合PBT30重量%
と、固有粘度0.95dl/gのPBTホモポリマー6
9.2重量%を使用した外は、実施例2と同様の方法で
ペレツトを得た。得られたペレットについて、実施例1
に記載の方法で各種評価試験を行った。その結果を、表
−1に示す。
【0038】[実施例5]分子量1000のPTMGを
10重量%共重合した固有粘度1.15dl/gの共重
合PBT50重量%と、固有粘度0.95dl/gのP
BTホモポリマー49.4重量%、ペンタエリスルチル
ーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]0.3重量%、パ
ラフィンワックス0.3重量%をそれぞれ秤量し、ブレ
ンダーで均一に混合した混合物とした。得られた混合物
を、2軸混練押出機によって混練してペレット化した。
得られたペレットについて、実施例1に記載の方法で各
種評価試験を行った。その結果を、表−1に示す。
【0039】[比較例1]固有粘度1.10dl/gの
PBTホモポリマ−99.4重量%と、ペンタエリスル
チル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.3重量
%、ペンタエリスルトール−テトラキス−(3−ラウリ
ルチオプロピオネート)0.2重量%、パラフィンワツ
クス0.3重量%をそれぞれ秤量し、ブレンダーで均一
に混合した混合物とした。得られた混合物を、2軸混練
押出機によって混練してペレット化した。得られたペレ
ットについて、実施例1に記載の方法で各種評価試験を
行った。その結果を、表−1に示す。
【0040】[比較例2]比較例1に記載の例におい
て、基体樹脂を、分子量1000のPTMGを3重量%
共重合した固有粘度1.00dl/gの共重合PBT5
0重量%と、固有粘度0.95dl/gのPBTホモポ
リマー49.2重量%よりなるものに代えた外は、同例
におけると同様の方法でペレットを得た。得られたペレ
ットについて、実施例1に記載の方法で各種評価試験を
行った。その結果を、表−1に示す。
【0041】[比較例3]比較例1に記載の例におい
て、基体樹脂を、分子量1000のPTMGを10重量
%共重合した固有粘度1.15dl/gの共重合PBT
99.2重量%に代えて外は、同例におけると同様の方
法でペレットを得た。得られたペレットについて、実施
例1に記載の方法で各種評価試験を行った。その結果
を、表−1に示す。
【0042】[比較例4]分子量1000のPTMGを
10重量%共重合した固有粘度1.15dl/gの共重
合PBT50重量%と、固有粘度0.95dl/gのP
BTホモポリマー49.2重量%、パラフィンワックス
0.3重量%をそれぞれ秤量し、ブレンダーで均一に混
合した混合物とした。得られた混合物を、2軸混練押出
機によって混練してペレット化した。得られたペレット
について、実施例1に記載の方法で各種評価試験を行っ
た。その結果を、表−1に示す。
【0043】[比較例5]固有粘度1.20dl/gの
PBTホモポリマー99.4重量%、ペンタエリスルチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフエニル)プロピオネート]0.3重量%、
ペンタエリスルトール−テトラキス−(3−ラウリルチ
オプロピオネート)0.2重量%、パラフィンワツクス
0.3重量%をそれぞれ秤量し、ブレンダーで均一に混
合した混合物とした。得られた混合物を、2軸混練押出
機によって混練してペレット化した。得られたペレット
について、実施例1に記載の方法で各種評価試験を行っ
た。その結果を、表−1に示す。
【0044】[比較例6]固有粘度1.10dl/gの
PBTホモポリマ−94.4重量%、コアシエル型アク
リルゴム5重量%、ペンタエリスルチル−テトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]0.3重量%、ペンタエリスル
トール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)0.2重量%、パラフィンワックス0.3重量%を
それぞれ秤量し、ブレンダーで均一に混合した混合物と
した。得られた混合物を、2軸混練押出機によって混練
してペレット化した。得られたペレットについて、実施
例1に記載の方法で各種評価試験を行った。その結果
を、表−1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表−1より、次のことが明かである。 (1)本発明に係る自動車用ワイヤーハーネスコネクター
製造用の組成物は、成形性に優れている。 (2)本発明に係る自動車用ワイヤーハーネスコネクター
は、電極引き抜き強度が実用的強度としての最低値4.
5Kgf以上の値であり、電極の保持力の問題が解消で
きる。 (3)本発明に係る自動車用ワイヤーハーネスコネクター
は、係止板挿入力が実用的強度としての最低値1.5K
gf以上の値であり、電極の保持力の問題が解消でき
る。
【0047】(4)本発明に係る自動車用ワイヤーハーネ
スコネクターは、室温、低温、湿熱(高温・高湿)条件
下に曝したあと、高温条件下に曝したあとにおいても、
割れ・欠けの発生率が低い。 (5)これに対して、基体樹脂がPBTホモポリマーのみ
の場合は、成分(B)と成分(C)の双方を配合して
も、割れ・欠けの発生率が高く実用的ではない(比較例
1参照)。 (6)基体樹脂のPBTホモポリマーにワックスを添加し
た場合(比較例5参照)、アクリルゴムを添加した場合
(比較例6参照)は、成形性が悪く、厚さ0.35mm以
下の肉薄部分を有する成形品の成形には適さない。
【0048】(7)基体樹脂中の共重合PBTの割合が
1.5重量%と少ない場合は、コネクターの割れ・欠け
の発生率が高く実用的ではない(比較例2参照)。 (8)基体樹脂中の共重合PBTの割合が10重量%と多
い場合は、コネクターの割れ・欠けの発生率は低いが、
係止板挿入力が実用的強度としての最低値1.5Kgf
に達成ず、実用的ではない(比較例3参照)。 (9)基体樹脂中の共重合PBTの割合が5重量%と本発
明で必須とする範囲にあっても、成分(B)および/ま
たは成分(C)を含まない製品は、割れ・欠けの発生率
が高く実用的ではない(比較例4参照)。
【0049】
【発明の効果】本発明は、次の様な特別に有利な効果を
奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る自動車用ワイヤーハーネスコネクター
製造用の組成物は、成形性に優れており、厚さ0.35
mm以下の肉薄部分を有する製品でも製造できる。 2.本発明に係るポリエステル樹脂製のワイヤーハーネ
スコネクターは、電極引き抜き強度、係止板挿入力など
が、実用的強度としての最低値以上であり、強度に優れ
ている。 3.本発明に係るポリエステル樹脂製のワイヤーハーネ
スコネクターは、室温、低温条件下での割れ・欠けの発
生率が低い。従って、冬季における低温時での作業の場
合にコネクターに大きな衝撃が加わった場合には、割れ
や欠けが発生し難く、ワイヤーハーネスコネクターの生
産性を向上させることができる。 4.さらに、湿熱(高温・高湿)条件下に曝したあと、
高温条件下に曝したあとにおいても、割れ・欠けの発生
率が低いので、自動車のエンジンルームの高温・高湿下
で衝撃を受けても、割れや欠けが生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコネクターの一例の斜視図であ
る。
【図2】 図1のコネクターに電極を挿入した際の部分
拡大断面図である。
【符号の説明】
1…係止板 2…ロック部 3…極間の0.35mmの薄肉部分 4…電線 5…電極 6…ランス 7…コネクター本体の外壁 8…コネクター本体の中間壁 9…電極挿入口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量500〜3500のポリテトラメ
    チレングリコールを共重合成分として3〜7重量%含む
    ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部
    に、ヒンダードフェノ一ル系化合物(B)0.05〜1
    重量部、および/または、チオフエノ一ル系化合物
    (C)0.05〜1重量部を添加して得られる樹脂組成
    物から形成されてなることを特徴とする、厚さ0.35
    mm以下の薄肉部分を有するポリエステル樹脂製自動車用
    ワイヤーハーネスコネクター。
  2. 【請求項2】 成分(A)が、製造する工程中の少なく
    とも重縮合が終了する前に1〜1000ppmの次亜燐
    酸アルカリ金属塩を添加して製造されたポリテトラメチ
    レンダリコール共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂
    である、請求項1記載のポリエステル樹脂製自動車用ワ
    イヤーハーネスコネクター。
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