JP2604616B2 - 難燃性ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリアミド樹脂組成物

Info

Publication number
JP2604616B2
JP2604616B2 JP1349888A JP1349888A JP2604616B2 JP 2604616 B2 JP2604616 B2 JP 2604616B2 JP 1349888 A JP1349888 A JP 1349888A JP 1349888 A JP1349888 A JP 1349888A JP 2604616 B2 JP2604616 B2 JP 2604616B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unsaturated dicarboxylic
amount
copolymer
brominated polystyrene
dicarboxylic anhydride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1349888A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01198662A (ja
Inventor
順一 中橋
拓男 重冨
伸一 甲斐
Original Assignee
旭化成工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成工業株式会社 filed Critical 旭化成工業株式会社
Priority to JP1349888A priority Critical patent/JP2604616B2/ja
Publication of JPH01198662A publication Critical patent/JPH01198662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2604616B2 publication Critical patent/JP2604616B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は難燃性ポリアミド樹脂組成物に関し、高度な
難燃性が要求される電子・電気分野の部品に用いられる
ものである。
[従来の技術] 電子・電気分野においては火災防止の観点から高い難
燃性が要求される。ポリアミドは機械物性、特に強靭性
と、耐熱性に優れるため、この分野で賞用されている。
中でも6,6−ナイロンは最も多く使われている。
ポリアミドの難燃化技術の一つとしてハロゲン系難燃
剤を用いる方法がある。ポリアミドは一般に融点が高く
成形加工温度が高いため、用いる難燃剤も高い熱安定性
を必要とする。従来、ハロゲン系難燃剤の中で高い熱安
定性を示すものとしてヘキサクロロシクロペンタジエン
のシクロオクタジエン付加物が用いられてきているが、
このものでもまだ熱安定性は不十分であり、成形加工時
に変色したり、炭化するという問題があった。
最近、これより更に耐熱性を向上させたものとして高
分子量型ハロゲン系難燃剤が提案されてきている。この
中でポリアミド用には、臭素化ポリスチレン(特開昭51
−47034号公報,同昭51−47044号公報,USP−4137212号
公報)と臭素化ポリフェニレンオキシド(特公昭56−61
00号公報,同昭60−41093号公報)が適している。これ
らはいずれも高い熱安定性を有しているが、臭素化ポリ
スチレンの方が臭素化ポリフェニレンオキシドより、よ
り熱安定性が高い。
電子・電気分野の部品のコネクター等はハンダディッ
プされるため、材料は高融点のものが望ましく、6,6−
ナイロンやその付近以上の融点をもつものが賞用され
る。この程度の融点になると、臭素化ポリフェニレンオ
キシドではまだ熱安定性が十分でなく、成形加工時の変
色や炭化が避け得ず、この観点からは、臭素化ポリスチ
レンが最も優れている。
[本発明が解決しようとする課題] コネクター等においては、ウェルド部と強度は重要な
物性である。即ち、第1図に示すようにコネクターの雄
型1は金属製のピン2を有しており、予めピンを挿入し
たい位置に穴のあいた樹脂成形品3を成形し、ここにピ
ン圧入機で、ピンを圧入する方法でピン2はセットされ
る。この場合、成形品の穴の大きさはピンの太さより小
さく、ピンが挿入されるとき押し拡げられる。ところが
成形品の穴の周囲には必ずウェルド部が存在しているた
め、ウェルド部の強度が弱いとピン圧入時にここが割れ
る問題が発生する。
ポリアミドと臭素化ポリスチレンとの組成物は、その
ウェルド部の強度が不十分なため上述の割れの問題が発
生することが判明した。特に、成形品の肉厚が薄いと割
れの発生が多い。電子・電気分野の部品は軽薄化及び短
小化の傾向が増々強くなっているため、ウェルド部強度
のより強い難燃性組成物が切望されていた。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、この問題を解決すべく鋭意検討した結
果、ポリアミド(I),臭素化ポリスチレン(II)およ
び芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無水
物の共重合体(III)を含む組成物であって、共重合体
(III)がα,β不飽和ジカルボン酸無水物成分の量と
して、(I),(II)および(III)の総計に対し0.06
〜0.75wt%となるように配合されている難燃性ポリアミ
ド樹脂組成物が、高度な難燃性を有し、成形加工時の熱
安定性も高くかつウェルド部強度が高くピン圧入時の割
れがないことを見出し、本発明に到達した。
本発明を更に詳細に説明する。
本発明でいうポリアミド(I)とはアミド結合を有す
る線状ポリマーであり、有機ジアミンと有機ジカルボン
酸とから重縮合して得られるもの、アミノカプロン酸を
重縮合して得られるもの、ラクタムを開環重合して得ら
れるものがある。有機ジアミンの例としては、テトラメ
チレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン,メタキシリ
レンジアミン等が挙げられ、有機ジカルボン酸としては
アジピン酸,セバシン酸,ドデカン二酸,テレフタル
酸,イソフタル酸等が挙げられる。アミノカプロン酸と
してはε−カプロン酸および11−アミノウンデカン酸、
ラクタムとしてはε−カプロラクタム,ε−ラウロラク
タム等が挙げられる。ポリアミドはこれらの共重合体で
あっても良いし、ポリマーブレンドであっても良い。こ
れらのポリアミドのうち、6,6−ナイロン及び6,6−ナイ
ロンを主成分とするポリアミドが特に耐ハンダディップ
性,機械物性の点で好ましい。例えば6,6−ナイロンと
6−ナイロンの共重合体,6,6−ナイロンと6−ナイロン
のブレンド等が挙げられる。
ポリアミドの配合量は、ポリアミド,臭素化ポリスチ
レンおよび芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボ
ン酸無水物の共重合体の総計に対し50〜84wt%が好まし
い。50wt%以下では、ポリアミドとしての良好な機械物
性が得られなくなる。84wt%以上になると、良好な難燃
特性が得られなくなる。更に好ましくは60〜80wt%であ
る。
本発明でいう臭素化ポリスチレン(II)は、例えばポ
リスチレンのベンゼン核を臭素化することで得られる。
分子量は高い方が熱安定性の面で好ましい。臭素化ポリ
スチレンの配合量はポリアミド,臭素化ポリスチレン及
び芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無水
物との共重合体の合計100wt%に対し、臭素量として14
〜20wt%である。臭素量として14wt%満たないと難燃助
剤の量を多くしても十分な難燃性が発現せず、20wt%存
在すれば既に十分な難燃性が付与され、それ以上多く配
合しても無駄なばかりでなく組成物のウェルド部物性低
下につながる。
臭素化ポリスチレン中の臭素含有量は55〜75wt%が好
ましい。臭素含有量が55wt%以下になると、前記の臭素
量を満足させるための臭素化ポリスチレンの配合量が増
加し、ウェルド部物性の低下につながる。臭素化ポリス
チレンの配合量としては、ポリアミド,臭素化ポリスチ
レン及び芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン
酸無水物の共重合体の合計の15wt%以上35wt%以下が好
ましい。
芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無水
物の共重合体(III)における芳香族ビニル化合物は、
例えば一般式 で表わされる化合物である。上式においてR1およびR2
水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、kは1〜5
の整数である。具体的にはスチレン,α−メチルスチレ
ン,p−メチルスチレン等があり、スチレンが好ましい。
α,β不飽和ジカルボン酸無水物は、例えば一般式 で表わされる化合物である。上式においてR3およびR4
水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。具体的には
無水マレイン酸,メチル無水マレイン酸等があり、無水
マレイン酸が好ましい。
芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無水
物との共重合体の芳香族ビニル化合物成分,α,β不飽
和ジカルボン酸無水物成分の割合は芳香族ビニル化合物
成分が50〜99wt%,α,β不飽和ジカルボン酸無水物成
分が1〜50wt%,好ましくはα,β不飽和ジカルボン酸
無水物成分が7〜18wt%である。芳香族ビニル化合物成
分が少なすぎるとα,β不飽和ジカルボン酸無水物によ
るナイロンの劣化を誘発し易くなり、芳香族ビニル化合
物成分が多くα,β不飽和ジカルボン酸無水物成分が少
なすぎると当該共重合体を多く配合する必要が出るた
め、組成物機械物性,難燃性の点で好ましくない。当該
共重合体の配合量はポリアミド,臭素化ポリスチレン及
び芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無水
物の共重合体の合計100wt%に対し、0.4〜7wt%が好ま
しく、特にα,β不飽和ジカルボン酸無水物の量として
0.06〜0.75wt%になるように配合する。その理由は以下
の通りである。
当該共重合体はおそらく芳香族ビニル化合物成分が臭
素化ポリスチレンと親和し、α,β不飽和ジカルボン酸
無水物部分がポリアミドと親和ないし反応することによ
り、ポリアミドマトリックス中に臭素化ポリスチレンが
分散するのを助け、微分散せしめていると考えられる。
芳香族ビニル化合物成分が臭素化ポリスチレンと親和し
結合力をもつためには、ある程度芳香族ビニル化合物成
分の鎖の長さは必要であろう。しかし、これは厳密では
ない。一方、α,β不飽和ジカルボン酸無水物とポリア
ミドとの親和力ないし反応性は強力であり、α,β不飽
和ジカルボン酸無水物は、該共重合体の1分子中1個以
上存在すれば効果を発揮するであろうかわりに、多すぎ
るα,β不飽和ジカルボン酸無水物は、ポリアミドに対
し非常に悪い。該共重合体の配合量はこのようなことか
らα,β不飽和ジカルボン酸無水物の量で決めるのが良
い。芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無
水物との共重合体の配合がα,β不飽和ジカルボン酸無
水物の量として0.06wt%に満たないとウェルド部強度の
改善効果が不十分であり、且つ、難燃性も低下する。0.
75wt%を越えると押出加工時にストランドが切れたり、
機械物性が低下したり、変色を起こす結果となる。α,
β不飽和ジカルボン酸無水物が多すぎると難燃性もまた
低下する。
本発明組成物は難燃助剤として金属酸化物を有するこ
とができる。三酸化アンチモン,五酸化アンチモン,ア
ンチモン酸ソーダ,酸化亜鉛,酸化鉄,酸化スズ,酸化
カルシウム,酸化銅,酸化チタン,酸化アルミニウム等
が挙げられる。また、ホウ酸亜鉛も有効な難燃助剤とし
て知られている。これらのうち、三酸化アンチモンが難
燃助剤として最も有効である。これらの配合量は、ポリ
アミド,臭素化ポリスチレン及び芳香族ビニル化合物と
α,β不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体の合計10
0重量部に対し0〜15重量部であり、好ましくは5重量
部以下である。
特に高度な難燃性、たとえば厚さ0.8mmにおいて米国
のUL規制のV−O規格に合格するためには難燃助剤が必
要である。しかし、一方ではこれら難燃助剤は、臭素化
ポリスチレンと同じ或いはよりひどくウェルド部強度や
引張強度を低下させる。従って、難燃助剤の量は必要最
少限にとどめるべきである。
本発明組組成物は、このような高度な難燃性を要求さ
れる場面において、従来組成物が必要とした難燃助剤の
量よりはるかに少ない難燃助剤の量で高度な難燃性を発
現でき、このことも、ウェルド部強度の向上に大きく寄
与している。このことに、少し詳しく触れる。
従来の組成物、即ちポリアミド,臭素化ポリスチレン
及び難燃助剤の系では、例えば、6,6−ナイロン,臭素
化ポリスチレン及び三酸化アンチモンの系で前記の高度
な難燃性を得るためには、臭素化ポリスチレンは、臭素
の量として19wt%程度,三酸化アンチモンは8〜9wt%
程度必要であった。ところが、本発明の組成物に三酸化
アンチモンを加えた系では、臭素化ポリスチレンは、臭
素の量として18wt%程度,三酸化アンチモンは3wt%で
よい。即ち、臭素化ポリスチレンの量は同程度必要だ
が、三酸化アンチモンの量は大巾に減少せしめることが
できる。この原因は、従来の系と比べ、本発明の系では
ポリアミドマトリックス中に臭素化ポリスチレンが微分
散し、難燃効果が高まったこと及び芳香族ビニル化合物
とα,β不飽和ジカルボン酸無水物の共重合体が滴下防
止剤として働き、炎をもった溶融樹脂が滴下して脱脂綿
に着火する現象がない(UL規制のV−O基準にある)こ
とが挙げられる。従って本発明組成物で、前記の高度な
難燃性を得るためには三酸化アンチモンを、ポリアミ
ド,臭素化ポリスチレン及び芳香族ビニル化合物とα,
β不飽和ジカルボン酸無水物の共重合体の合計100重量
部に対し2.0〜5重量部加えることが好ましい。
本発明組成物は、また、ガラス繊維,金属繊維,無機
繊維,有機繊維,無機充填材等を含むこともできる。前
述のように電子・電気分野の部品は軽薄化及び短小化の
傾向が増々強く、このためガラス繊維で強化されたもの
はよく用いられる。これらの配合量は、ポリアミド,臭
素化ポリスチレン及び芳香族ビニル化合物とα,β不飽
和ジカルボン酸無水物の共重合体と必要に応じ難燃助剤
を合計したもの100重量部に対し5〜100重量部である。
本発明組成物は、もちろん周知のポリアミド用添加
剤,スチレン系樹脂用添加剤を含ませ得る。熱安定剤と
して、銅化合物,ハロゲン化アルカリ金属,ヒンダード
フェノール化合物,ヒンダードアミン系化合物等、滑剤
又は離型剤として、ステアリン酸金属塩,モンタン酸金
属塩,エチレンビスステアリルアミド,メチレンビスス
テアリルアミド,モンタン酸エステル,ポリエチレング
リコール,ミネラルオイル等,着色剤(染料,顔料),
可塑剤,紫外線吸収剤,帯電防止剤,強靭化剤等が挙げ
られる。
本発明組成物の製造に当たっては、各成分を良く混練
することが重要である。できれば、良混練タイプの2軸
押出機を用いることが好ましい。例えば、ウェルナーフ
ライデラー社のZSK,池貝鉄工社のPCM等である。ガラス
繊維や、無機充填剤は、サイドフィード方式が良い。さ
もないとこれらの表面処理剤がα,β不飽和ジカルボン
酸無水物と反応し好ましくない結果となる場合がある。
[発明の効果] 本発明組成物は、高度な難燃性を有し、成形加工時の
熱安定性も良好で変色がなく、かつウェルド部強度が高
いものであり、電子・電気分野の部品用材料として非常
に有用である。
以下、実施例により、本発明の効果をより具体的に明
らかにする。
[実施例] 実施例及び比較例に用いた原料、試験片作製法及び試
験法 (1)原料 ポリアミド Ny66:6,6−ナイロン(数平均分子量約17000) 臭素化ポリスチレン BrPS:臭素含有量68wt%の臭素化ポリスチレン(フェロ
コーポレーション製、パイロチェック68PB) 金属酸化物 Sb2O3:三酸化アンチモン(日本精鉱社製PATOX−C) ガラス繊維 GF:ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製MA−416) 芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無水
物の共重合体 SMAC−1:スチレンが91wt%,無水マレイン酸が9wt%の
スチレンと無水マレイン酸との共重合体(積水化成品工
業社製ダイラーク232) SMAC−2:スチレンが85wt%,無水マレインが15wt%のス
チレンと無水マレイン酸の共重合体(積水化成品工業社
製ダイラーク332) スチレンとメタアクリル酸の共重合体 SMC:スチレンが92wt%,メタアクリル酸が8wt%の共重
合体 (2)試験片作製方法 原料を必要量タンブラー型ブレンダーにてブレンド
し、これを押出機に溶融混練し、ストランドとし水冷後
カッターでペレット成型した。押出機は70mmφのスクリ
ュー径を有する石中鉄工社製単軸押出機,44mmφのスク
リュー径を有する日本製鋼所製二軸押出機TEX44(異方
向回転)及び45mmφのスクリュー径を有する池貝鉄工社
製PCM45(同方向回転)を用いて行なった。二軸押出機
の場合、ガラス繊維のみサイドフィード方式とした。
このようにして得られた組成物ペレットを射出成形機
(日本製鋼社製N−70B II)で成形して試験片を作製し
た。
(3)試験方法 ウェルド部薄肉引張特性 第2図に示す、長さ127mm(図中,a)、巾12.7mm(図
中,b)、厚み0.8mmの形状を有し、両端から溶融樹脂が
流れ込み中央部にウェルド部4が形成されるような金型
を用いて成形片を作った。この成形片をASTM−D−638
の引張試験法に沿って引張試験し、引張強度と引張伸度
を測定した。なお、図中、5はスプルー,6はランナー,7
は試験片を示す。
ウェルド部ピン圧入テスト 第3図−(a)に示すような試験片のウェルド部が現
れるピン穴に第3図−(b)に示すような方法でテーパ
ーが2/10の金属製ピンを圧入する。圧入速度は50mm/min
である。この時ピンにかかる応力と、圧入した圧入距離
を計測し記録する。最後、ウェルド部が破壊し、応力が
ゼロとなって終了する。この間の最大応力をピン圧入強
度とし、ピンに応力がかかり始めてから、ウェルド部破
壊により、ピンにかかる応力がゼロになった時点までの
ピンの移動距離をピン圧入歪として評価した。なお、第
3図−(a)中の数値は寸法(単位:mm)を示す。
ノーマル部引張特性 ASTM−D−638に従って行なった。
燃焼性 UL−94規格V−O評価方法に従い、10本の試験片に各
2回、20回接炎し、この時の燃焼時間の平均及び最大、
滴下物により脱脂綿に着火した試験片本数を評価した。
実施例1〜5及び比較例1 調合した組成及び評価結果を表1に示す。
実施例1と比較例1から、芳香族ビニル化合物とα,
β不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体を添加すると
ウェルド部物性が向上することが認められる。
各実施例はいずれも本発明の目的を達成しえるもので
あるが詳細に検討すれば、実施例2と実施例1から、単
軸押出機より二軸押出機の方がウェルド部物性が高く、
十分な混練を行うことが好ましいことが判る。実施例2
と実施例3から金属酸化物を減量することがウェルド部
物性向上に寄与すること、換言すれば本発明は金属酸化
物の低減化が図れることが判る。実施例4,5及び3か
ら、二軸押出機でも同方向回転タイプの方が異方向回転
タイプよりウェルド部物性,燃焼性に高い効果を示すこ
とが判る。
実施例6〜10及び比較例2〜4 調合した組成及び評価結果を表2に示す。
比較例2の芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカル
ボン酸無水物の共重合体を全く配合しない場合には、金
属酸化物の配合量を少なくし、二軸押出機で良く混練す
ることでウェルド部物性はある程度改善されるものの未
だ不十分である。また、薄肉成形片の表面が白く相剥離
する現象が見られ、更に、燃焼試験において脱脂綿の着
火があった。
これに対し実施例6〜10の芳香族ビニル化合物とα,
β不飽和ジカルボン酸無水物の共重合体の配合量がα,
β不飽和ジカルボン酸無水物の量として、ポリアミド,
臭素化ポリスチレン及び芳香族ビニル化合物とα,β不
飽和ジカルボン酸無水物の共重合体の合計100wt%に対
し、0.06〜0.75wt%となるような場合においては、良好
なウェルド部物性,燃焼性,押出安定性を有し、総合的
に優れた性能を発揮することが判る。
なお、比較例3,4のように芳香族ビニル化合物とα,
β不飽和ジカルボン酸無水物の共重合体を大量に配合し
た場合には、押出安定性が極めて悪くなり、ウェルド部
物性,引張物性ともに著しく低下することが判る。
実施例11〜13 調合した組成及び評価結果を表3に示す。
実施例11〜13から、芳香族ビニル化合物とα,β不飽
和ジカルボン酸無水物の共重合体で、実施例6〜10で用
いたものと共重合比の異なるものを用いても同様に良い
結果が得られ、α,β不飽和ジカルボン酸無水物の量と
して同レベルの量配合したものは同じような物性を有す
ることが判る。
実施例14〜31並びに比較例5,6 調合した組成及び評価結果を表4に示す。更に、臭素
化ポリスチレン量をパラメータとし横軸をSb2O3配合
量、縦軸を平均燃焼時間としたグラフを第4図に示す。
また、ウェルド部のピン圧入歪とSb2O3配合量との関係
を第5図に示す。ウェルド部ピン圧入歪はSb2O3配合量
を増すと低下する。BrPSが少ないと相対的にウェルド部
ピン圧入歪は高くなるが、Sb2O3を5wt%配合すると低下
する。
実施例14〜31並びに比較例5,6から、臭素の量として
ポリアミド,臭素化ポリスチレン及び芳香族ビニル化合
物とα,β不飽和ジカルボン酸無水物の共重合体の合計
100wt%に対し、14〜20wt%となる量の臭素化ポリスチ
レンを配合したものは良好な難燃性を示し、臭素化ポリ
スチレンを配合しないものは難燃レベルが低く、臭素化
ポリスチレンおよび/又は金属酸化物が増すに伴いウェ
ルド部強度が低下する傾向にあることが判る。
比較例7,8 芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無水
物の共重合体に替えて、スチレンとメタアクリル酸の共
重合体を用いた。その結果を表5に示す。共重合成分と
してメタアクリル酸を用いるとウェルド部物性の改善効
果がみられなかった。
実施例32,33及び比較例9 ガラス繊維を含まない系での例を表6に示す。この系
でもSMACが入ることにより、ウェルド部物性が向上し、
難燃性も向上することが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は難燃性樹脂組成物の応用例の一つであるコネク
ターの概略図、第2図は実施例におけるウェルド部物性
をみるための成形片を作る金型の概略図、第3図はピン
圧入テストの試験片およびテスト方法を示した説明図、
第4図は実施例中の樹脂組成物の難燃性と三酸化アンチ
モンの量との関係をグラフ化した図、第5図はウェルド
部ピン圧入歪と三酸化アンチモン量との関係をグラフ化
した図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド(I),臭素化ポリスチレン
    (II)および芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカル
    ボン酸無水物の共重合体(III)を含む組成物であっ
    て、共重合体(III)がα,β不飽和ジカルボン酸無水
    物成分の量として、(I),(II)および(III)の総
    計に対し0.06〜0.75wt%となるように配合されている難
    燃性ポリアミド樹脂組成物。
JP1349888A 1987-01-27 1988-01-26 難燃性ポリアミド樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2604616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1349888A JP2604616B2 (ja) 1987-01-27 1988-01-26 難燃性ポリアミド樹脂組成物

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1518287 1987-01-27
JP62-264005 1987-10-21
JP62-15182 1987-10-21
JP26400587 1987-10-21
JP1349888A JP2604616B2 (ja) 1987-01-27 1988-01-26 難燃性ポリアミド樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01198662A JPH01198662A (ja) 1989-08-10
JP2604616B2 true JP2604616B2 (ja) 1997-04-30

Family

ID=27280277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1349888A Expired - Lifetime JP2604616B2 (ja) 1987-01-27 1988-01-26 難燃性ポリアミド樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2604616B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5436745B2 (ja) * 2006-04-25 2014-03-05 旭化成ケミカルズ株式会社 難燃性ポリアミド樹脂組成物
JP5372453B2 (ja) * 2008-10-02 2013-12-18 ユニチカ株式会社 環境配慮型熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01198662A (ja) 1989-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6608123B2 (en) Flame-retardant polyamide molding compositions
US5543452A (en) Flame-resistant polyamide resin compositions and flame retardants therefor
EP3589696B1 (de) Flammgeschuetzte polyamide mit pvp
EP0276988B1 (en) Flame-resistant polyamide resin composition
EP0448221B1 (en) Flame-retardant nylon resin composition
JP3523312B2 (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
JP2604616B2 (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
EP0333457B1 (en) Flame-resistant polyamide resin compositions
JP3341974B2 (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
EP0929600B1 (en) Color stable flame retarded polyamide resin
US4337179A (en) Polyamide composition
US6288145B1 (en) High-melting polyamide resin compositions and molded articles thereof
KR100481327B1 (ko) 방염성 폴리아미드조성물
JPH11241019A (ja) 難燃性樹脂組成物
CA2278018C (en) High-melting polyamide resin compositions and molded articles thereof
JP3910671B2 (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
EP0734413B1 (en) Flame resistant aromatic polyamide resin composition
JPH1072550A (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物及びそれよりなる表面実装用部品
WO1995016737A1 (en) Flame resistant aromatic polyamide resin composition
JPH0218448A (ja) 樹脂組成物
JPH03168246A (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
JPH0726005B2 (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物
JPH04180966A (ja) ポリテトラメチレンアジパミド組成物
JPH0742406B2 (ja) 難燃ポリアミド樹脂組成物
JPH06184430A (ja) 高性能難燃性ポリアミド樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term