JPH1046006A - 高誘電性の硬化性エポキシ樹脂組成物およびその硬化剤化合物 - Google Patents

高誘電性の硬化性エポキシ樹脂組成物およびその硬化剤化合物

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JPH1046006A
JPH1046006A JP8204600A JP20460096A JPH1046006A JP H1046006 A JPH1046006 A JP H1046006A JP 8204600 A JP8204600 A JP 8204600A JP 20460096 A JP20460096 A JP 20460096A JP H1046006 A JPH1046006 A JP H1046006A
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compound
group
cyanoethyl
amine compound
epoxy resin
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JP8204600A
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Takashi Nishikawa
俊 西川
Shinji Bessho
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Sunstar Engineering Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高誘電率および優れたイオン導電
性に加えて、良好な耐極性溶剤性を有する硬化性エポキ
シ樹脂組成物およびその硬化剤化合物を提供する。 【解決手段】 本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤
として式: A−(B)c 〔式中、Aはアミン化合物からシアノエチル基導入に関
与する活性水素を除去した残基;Bは −R2′O−R1−(OCH2CH2CN)f2′,R1,fおよびcは明細書の記載と同意義であ
る〕で示される新規なシアノエチル化アミン化合物を用
いたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高誘電性の硬化性エ
ポキシ樹脂組成物およびその硬化剤化合物、更に詳しく
は、エポキシ樹脂の硬化剤として、シアノエチル基を導
入した新規なアミン化合物を用いたことにより、通常要
求される高誘電率および優れたイオン導電性に加えて、
特に極性溶剤に対する耐性を改善せしめた、主にリチウ
ムイオン二次電池の電極用バインダー樹脂として、並び
に有機分散型エレクトロルミネッセンス(EL)用のバ
インダー樹脂;コンデンサーの誘電体(誘電フィル
ム);ポリマーバッテリーやエレクトロクロミック素
子、電解コンデンサー、電気二重層コンデンサー、リチ
ウムイオン二次電池等に用いられる固体電解質として有
用な硬化性エポキシ樹脂組成物および上記新規なアミン
硬化剤化合物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】リチウム
イオン二次電池の電極用バインダー樹脂や上記固体電解
質等においては優れたイオン導電性が必要で、更にイオ
ン導電性に加え、電極用バインダー樹脂では、電解液の
主要成分である極性溶剤(炭酸エチレン、炭酸プロピレ
ンなど)に対する耐性や電極の集電、支持の金属面への
高い接着性が必要とされている。ところで、最も重要な
特性である良好なイオン導電性を得るポリマー材料とし
て、たとえば双極子能率の大きいシアノエチル基を有す
る高誘電率のシアノエチル化セルロース、シアノエチル
化ポリビニルアルコール、シアノエチル化プルラン(以
上、特開平4−363869号公報参照);部分シアノ
エチル化ポリヒドロキシル化合物のアクリレート/メタ
クリレート系ポリマー(特開平5−140234号公
報、特開平6−336506号公報、特願平6−280
337号参照);ポリオキシエチレン鎖を主体とするポ
リマーが検討されてきた。
【0003】しかし、これらの材料はイオン導電性には
効果を示すものの、上記電解液の極性溶剤に対する耐性
がほとんどなく(著しい場合は溶解する)(ポリマー間
を架橋すれば溶解は防止できるが、膨潤と軟化が著し
い)、使用不可能である。このため、フッ素樹脂(ポリ
テトラフルオロエチレンなど)やポリフッ化ビニリデン
等が使用されているがイオン導電性に問題、すなわち、
電池の内部抵抗が高く充放電時の発熱や高放電レートで
の放電時の効率低下(大電流で使用したとき、充電され
ている電力の取出し率が低下する)といった問題があ
る。
【0004】これらの問題は携帯型パソコン、携帯電
話、ビデオムービーといった比較的小電流下での使用で
は問題は少ないが、電気自動車用等の大電流が必要な用
途では大きな問題となる。このような問題解決のため、
硬化性で上記極性溶剤に耐性のあるエポキシ樹脂にシア
ノエチル基を導入して誘電率を付与した材料(特開平6
−131911号公報、特開平6−184130号公
報、特開平6−267329号公報参照)が検討され、
それなりの効果を上げている。なお、上記電解液の極性
溶剤による溶解や軟化はあってはならないが、機械的強
度低下の許容される範囲での僅かな膨潤はイオン導電性
が増大するので好ましい場合がある。しかし、従来使用
されているフッ素樹脂やポリフッ化ビニリデンは全く膨
潤せず、イオン導電性の面からは好ましくない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記硬化
性エポキシ系材料において、より高い誘電率およびより
優れたイオン導電性を付与すると共に、耐極性溶剤性に
も満足せしめるべき鋭意研究を進めたところ、エポキシ
樹脂の硬化剤として、特定手段でシアノエチル基を導入
したアミン化合物を用いることにより、所期目的が達成
されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)エポキシ樹脂
の硬化剤として、1分子中にアミノ基(−NH2)およ
び/またはイミノ基(−NH−)の活性水素を2個以上
有するアミン化合物の該アミノ基および/またはイミノ
基に対し、その活性水素(但し、全活性水素の内、少な
くとも1個の活性水素を除く)と(メタ)アクリロイル
基またはグリシジル基との反応を介してシアノエチル基
を導入したことからなるシアノエチル化アミン化合物を
用いたことを特徴とする高誘電性の硬化性エポキシ樹脂
組成物; (2)アミン化合物と式: R1−(OH)1+f (式中、R1は(1+f)価のポリヒドロキシル化合物
から全てのOH基を除去した残基;およびfは1以上の
整数である)のポリヒドロキシル化合物、(メタ)アク
リル酸またはエピクロルヒドリンおよびアクリロニトリ
ルとから製造され、かつ式: A−(B)c 〔式中、Aはアミン化合物からシアノエチル基導入に関
与する活性水素を除去した残基;Bは −R2′O−R1−(OCH2CH2CN)f (ここで、R2′は
【化6】 1およびfは前記と同意義である);およびcは1以
上の整数である〕で示されるシアノエチル化アミン化合
物;並びに (3)該シアノエチル化アミン化合物の製造法であっ
て、先ず、式: R1−(OH)1+f 〔I〕 (式中、R1およびfは前記と同意義である)の(1+
f)価のポリヒドロキシル化合物〔I〕1モルに、1モ
ルの(メタ)アクリル酸またはエピクロルヒドリンを反
応させた後、fモルのアクリロニトリルをマイケル付加
反応させるか、もしくはfモルのアクリロニトリルをマ
イケル付加反応させた後、1モルの(メタ)アクリル酸
またはエピクロルヒドリンを反応させることにより、
式: R2O−R1−(OCH2CH2CN)f 〔II〕 (式中、R2,R1およびfは前記と同意義である)のア
ミン反応性シアノエチル化合物〔II〕を得、次いで該ア
ミン反応性シアノエチル化合物〔II〕を、1分子中にア
ミノ基(−NH2)および/またはイミノ基(−NH
−)の活性水素を2個以上有するアミン化合物の該アミ
ノ基および/またはイミノ基に対し、その活性水素(但
し、全活性水素の内、少なくとも1個の活性水素を除
く)と反応させて、シアノエチル基を導入することによ
り、式: A−(B)c 〔III〕 (式中、A,Bおよびcは前記と同意義である)のシア
ノエチル化アミン化合物〔III〕を得ることを特徴とす
るシアノエチル化アミン化合物の製造法を提供するもの
である。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸
とはアクリル酸もしくはメタクリル酸を意味する。
【0007】本発明で用いるエポキシ樹脂としては、1
分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば
特に制限されるものでなく、たとえばビスフェノール
A、ビスフェノールF、レゾルシン、カテコール、ハイ
ドロキノン、ピロガロール等のフェノールやクレゾール
とホルムアルデヒドとの縮合物等のポリフェノールや多
価フェノールのグリシジルエーテル類;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、トリメチロールプロパンなどのポリヒドロ
キシル化合物のグリシジルエーテル類;エチレンジアミ
ン、1,3−プロパンジアミン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタンなどのアミン類のグリシジル化物;これら
のフェノール、ポリフェノール、ポリヒドロキシル化合
物、アミン類にエチレンオキサイドやプロピレンオキサ
イドを付加し、その末端OH基のグリシジルエーテル化
物等が挙げられる。
【0008】さらに、これらエポキシ樹脂を別の官能基
や原子団で修飾したものも包含されるが、中でも、式:
【化7】 (式中、Rは(m+n)価のポリヒドロキシル化合物か
ら全てのOH基を除去した残基;mは1または2;およ
びnは1以上の整数である)で示されるシアノエチル基
を導入したエポキシ化合物の使用が好ましく、さらに大
きなイオン導電性を付与することができる。なお、かか
るシアノエチル基を導入したエポキシ化合物は、後記実
施例2/(1)の方法で、あるいは特開平6−184130
号公報記載の方法に従って製造することができ、また出
発原料のポリヒドロキシル化合物の具体例については、
後述のシアノエチル化アミン化合物の製造で用いるポリ
ヒドロキシル化合物の中から選定すればよい。上記1分
子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物およびシア
ノエチル基を導入したエポキシ化合物の群から選ばれる
1種または2種以上の混合物を使用することができる。
【0009】本発明で硬化剤として用いる上記式〔II
I〕のシアノエチル化アミン化合物は新規化合物であっ
て、以下の手順に従って製造することができる。先ず、
上記式〔I〕の(1+f)価のポリヒドロキシル化合物
1モルに、1モルの(メタ)アクリル酸またはエピクロ
ルヒドリンを反応させた後、fモルのアクリロニトリル
をマイケル付加反応させるか、もしくはfモルのアクリ
ロニトリルをマイケル付加反応させた後、1モルの(メ
タ)アクリル酸またはエピクロルヒドリンを反応させる
ことにより、上記式〔II〕のアミン反応性シアノエチル
化合物を得、次いで該アミン反応性シアノエチル化合物
〔II〕を、1分子中にアミノ基(−NH2)および/ま
たはイミノ基(−NH−)の活性水素を2個以上有する
アミン化合物の該アミノ基および/またはイミノ基に対
し、その活性水素(但し、全活性水素の内、少なくとも
1個の活性水素を除く)と反応させて、シアノエチル基
を導入する。なお、かかる製造方法において、前記各々
の成分の反応割合を理論的な反応となるように記載して
いるが、実際の反応に際しては、(メタ)アクリル酸ま
たはエピクロルヒドリンを理論量よりも過剰に用いても
よい。又、マイケル付加反応ではアクリロニトリルを理
論量より過剰にすると、速やかに反応を進行させること
ができる。また、上記アミン化合物の活性水素(但し、
全活性水素の内、少なくとも1個の活性水素を除く)に
直接アクリロニトリルを反応させて、シアノエチル基を
導入する方法も採用することは可能である。
【0010】上記ポリヒドロキシル化合物〔I〕として
は、1分子中にOH基を2個以上有する化合物であれば
特に制限されるものでなく、たとえばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリト
ール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、ソ
ルビトール等の脂肪族低分子ポリヒドロキシル化合物;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシン、ハ
イドロキノン、ピロガロール、ノボラックフェノール等
の多価フェノールやポリフェノール類;ブドウ糖、果
糖、ショ糖、ポリグリセリン、ポリオキシエチレングリ
コール、ポリオキシプロピレングリコール;低分子ポリ
ヒドロキシル化合物のエチレンオキサイドやプロピレン
オキサイド付加重合体;多塩基酸にポリヒドロキシル化
合物を過剰当量反応させた分子末端にOH基を有する化
合物;ポリビニルアルコール等が挙げられ、特に脂肪族
低分子ポリヒドロキシル化合物が好ましい。
【0011】上記アミン化合物としては、1分子中にア
ミノ基(−NH2)および/またはイミノ基(−NH
−)の活性水素を2個以上有する化合物であって、たと
えばエチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルア
ミン、イソブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエ
チルアミノプロピルアミン等の脂肪族モノアミン;エチ
レンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,6−ヘ
キサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタ
エチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の脂肪族ポ
リアミン;シクロヘキシルアミン、メンタンジアミン、
イソホロンジアミン等の脂環族モノ〜ポリアミン;ベン
ジルアミン、m−キシレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、o−トルイジン、4,4'−ジアミノジフェニル
メタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン等の芳香
族モノ〜ポリアミン;ポリオキシアルキレングリコール
の末端OH基をNH2基に転換したポリオキシアルキレ
ンのモノもしくはジアミン類;その他これらのアミン化
合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の
アルキレンオキサイド類を部分付加した化合物、これら
のアミン化合物を、アミノ基あるいはイミノ基と反応す
る基(エポキシ基、カルボキシル基、ビニル基など)を
有する化合物に過剰当量反応させた化合物が挙げられ、
特に脂肪族ポリアミンが好ましい。
【0012】上記(i)の(メタ)アクリル酸またはエ
ピクロルヒドリンの反応はそれぞれ、通常酸触媒(p−
トルエンスルホン酸、過塩素酸など)またはアルカリ触
媒(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)の存在
下、50〜150℃×4〜48時間または常温〜150
℃×4〜48時間の条件でエステル化(脱水反応)また
はグリシジルエーテル化(脱塩酸反応)させることによ
り行うことができる。上記(i)のアクリロニトリルの
マイケル付加反応は、通常前記酸触媒、アルカリ触媒、
第4級アンモニウム塩基等の存在下、20〜100℃×
1〜48時間の条件でシアノエチル化させることにより
行うことができる。上記(i)のアミン反応性シアノエ
チル化合物の反応は、通常、常温〜120℃×1〜48
時間の条件で行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る高誘電性の硬化性エ
ポキシ樹脂組成物は、上述のエポキシ樹脂に硬化剤とし
てシアノエチル化アミン化合物を、通常、エポキシ当量
とアミノ基および/またはイミノ基の活性水素数とから
計算される反応当量付近で配合することにより構成さ
れ、必要に応じて、通常のエポキシ樹脂に用いられる硬
化促進剤、触媒、その他希釈剤、充填材、可塑剤、着色
剤等を適量加えてもよい。上記シアノエチル化アミン化
合物の配合量は、上記反応当量のほぼ±10〜20%内
外で許容されることが多いが、この場合、かかる許容範
囲の上下限を逸脱すると、硬化が不完全となり、機械的
物性が発現しなくなったり、極性溶剤に対する耐性が悪
くなる傾向となる。かかる本発明組成物は通常、常温〜
150℃の温度で速やかに硬化し、電解液中の極性溶剤
に耐えるイオン導電体を形成しうる。
【0014】さらに本発明組成物の好適な具体的配合を
示すと、たとえばリチウムイオン二次電池の電極用バイ
ンダー樹脂として実際に用いる場合、正極においては活
物質として通常、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチ
ウム、ニッケル酸リチウムといったリチウム化合物が用
いられるため、これらの活物質粒子および必要に応じて
塗布を行い易くするための溶剤、流動性調整材、塗布膜
均一化のための造膜性向上剤、活物質粒子間の導電性を
より向上させるためのアセチレンブラック、黒鉛等が配
合され、通常正極用のアルミニウム箔に塗布、次いで上
述の温度で硬化に付される。また、負極では活物質とし
て通常、カーボン粉、グラファイト類が多用されるた
め、これらの活物質および必要に応じて正極の場合に用
いられる各種の添加物質を配合せしめ、負極用の銅箔に
同様に塗布、次いで硬化に付される。
【0015】一方、リチウムイオン二次電池用の固体電
解質は、シート状の電池として開発が進められており、
液体電解質と比べセパレーター不要で安全性が高く、か
つ積層構造とすることが容易で、高電圧の積層電池が簡
単に作れるといった利点がある。かかる固体電解質に本
発明組成物を適用するには、過塩素酸リチウム、四フッ
化ホウ酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチ
ウム等のリチウム塩が配合され、必要に応じて炭酸エチ
レン、炭酸プロピレン等の極性溶剤を添加して、硬化さ
れるが、本発明組成物はこれら極性溶剤を含んだまま固
体乃至ゲル状半固体とすることも可能であり、リチウム
イオン二次電池の固体電解質用としても極めて好適であ
る。
【0016】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。 実施例1 シアノエチル化アミン化合物の製造:− (1)アミン反応性シアノエチル化合物 ペンタエリスリトール68.08g(0.5モル)に、
2.5%水酸化ナトリウム水溶液204gおよび塩化メ
チレン136mlを加え、四ツ口フラスコ中で35〜40
℃にて撹拌しながら還流する。これにアクリロニトリル
84.9g(1.6モル)を4時間かけて滴下後、さらに
同温度で3時間撹拌、反応させる。反応後、静置すれば
反応液が二層に別れるので(上層:水層、下層:塩化メ
チレン層)、水層を除去し、塩化メチレン層についてア
ルカリ性が消失するまで十分に水洗を行った後、回転ポ
ンプで脱水、次いで塩化メチレンの減圧留去を行い、ト
リシアノエチル化ペンタエリスリトールを得る。次い
で、このトリシアノエチル化ペンタエリスリトール59
g(0.2モル)にメタクリル酸52g(0.6モル)、
p−トルエンスルホン酸3.2gおよび重合禁止剤とし
てハイドロキノン0.03gとベンゼン200gとを加
え、還流下生成水を除去しながら8時間反応を行った
後、過剰のメタクリル酸を水洗除去して、式:
【化8】 のトリシアノエチル化ペンタエリスリトールメタクリレ
ートを得る。
【0017】(2)シアノエチル化アミン化合物 テトラエチレンペンタミン37.8g(0.2モル)を三
ツ口フラスコに取り、窒素ガスをパージしつつ撹拌しな
がら、室温下、上記(1)のトリシアノエチル化ペンタ
エリスリトールメタクリレート145.4g(0.4モ
ル)を徐々に加えて反応させる。最初の反応は少し発熱
を伴うので必要があれば冷却下で行う。発熱が停止して
から徐々に温度を70℃まで上げて、そのまま窒素ガス
のパージを続けながら6時間反応させて、目的とするシ
アノエチル化アミン化合物(シアノエチル化テトラメチ
レンペンタアミン)を得る。該目的化合物は、淡黄色の
粘稠な液体で、赤外吸収スペクトルにより二重結合の非
存在を確認した。
【0018】実施例2 エチレンジアミン60g(1モル)とイソプロピルアル
コール60gの混合液を四ツ口フラスコに取り、水冷撹
拌下、窒素ガスを導入しながら、アミン反応性シアノエ
チル化合物として実施例1/(1)のトリシアノエチル
化ペンタエリスリトールメタクリレート364g(1モ
ル)を徐々に加える。3時間そのまま撹拌後、温度を6
0℃まで上げ、さらに4時間反応させて淡黄色の低粘度
の生成物を得た後、イソプロピルアルコールを減圧留去
して、目的とする淡黄色の粘稠液状のシアノエチル化ア
ミン化合物を得る。該目的化合物について、赤外吸収ス
ペクトルにより二重結合の非存在を確認した。
【0019】実施例3 実施例2において、イソホロンジアミン170g(1モ
ル)とトリシアノエチル化ペンタエリスリトールメタク
リレートを反応させる以外は、同様にしてシアノエチル
化アミン化合物を得る。
【0020】実施例4〜6および比較例1 (1)シアノエチル基を導入したエポキシ化合物の製
造:−四ツ口フラスコにグリセリン92.1g(1モ
ル)およびNaOH 1.32gを仕込み、65℃で加熱
撹拌する。次にエピクロルヒドリン185.2g(2モ
ル)を滴下する。滴下終了後、90℃まで加熱する(5
時間)。その後、室温で一夜撹拌し、再度120〜13
0℃まで加熱、撹拌する(2〜3時間)。室温まで放冷
し、トルエン約100mlを加え、冷却下KOHパウダー
24.7g(0.44モル)を加える。30℃まで加温
し、アクリロニトリル106.1g(2モル,過剰量)
を滴下し、一夜撹拌し、塩化メチレンで抽出、水洗後、
硫酸マグネシウムを加えて乾燥、回転ポンプにてトルエ
ンを留去して、目的とする式:
【化9】 のシアノエチル化エポキシ化合物を得る。該目的化合物
は、無色透明な粘稠液で、赤外吸収スペクトルによりシ
アノ基とエポキシ基の吸収を確認した。
【0021】(2)高誘電性の硬化性エポキシ樹脂組成
物の調製:−下記表1に示す配合量(g)の各成分を秤
り取り、よく混合後、予め調整しておいたLiBF4の1
0%(樹脂分に対し1phr)エチレングリコールモノエ
チルエーテル溶液1.92gを加え、さらによく混合し
て、エポキシ樹脂組成物を調製する。
【表1】 表1中、 注1:シェル化学社製のビスフェノールA−エピクロル
ヒドリン型液状エポキシ樹脂、「エピコート828」、
エポキシ当量192
【0022】(3)誘電率および導電率の測定並びに耐
極性溶剤性試験 上記(2)で調製した各エポキシ樹脂組成物を直ちに、
600mm×100mm×1mmのアルミニウム板上に100
ミクロンのバーコーターで均一に塗布し、120℃の熱
風オーブンで60分間乾燥硬化せしめ、上部電極として
アルミニウムを蒸着し、20℃でLCZメーターを用い
1KHzの誘電率および導電率を測定した。耐極性溶剤
性は、上記硬化後の試験片を炭酸プロピレン中に常温で
24時間浸漬して膨潤度合を観察した。
【0023】これらの結果を下記表2に示す。なお、比
較例2として、市販のポリフッ化ビニリデンの溶液(溶
剤:N−メチルピロリドン)で樹脂分に対し同量1%の
LiBF4を配合したものについての結果を併記する。
【表2】
【0024】
【発明の効果】上記実施例4〜6の結果からも、本発明
のエポキシ樹脂組成物は、高誘電率および優れたイオン
導電性を示すと共に、極性溶剤に対しても十分に耐えう
ることが認められる。しかも、硬化剤として用いるシア
ノエチル化アミン化合物でのシアノエチル基の導入量が
イオン導電性と共に極性溶剤による膨潤度合を調節する
ことができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂の硬化剤として、 1分子中にアミノ基(−NH2)および/またはイミノ
    基(−NH−)の活性水素を2個以上有するアミン化合
    物の該アミノ基および/またはイミノ基に対し、その活
    性水素(但し、全活性水素の内、少なくとも1個の活性
    水素を除く)と(メタ)アクリロイル基またはグリシジ
    ル基との反応を介してシアノエチル基を導入したことか
    らなるシアノエチル化アミン化合物を用いたことを特徴
    とする高誘電性の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が、1分子中に2個以上の
    エポキシ基を有する化合物およびシアノエチル基を導入
    したエポキシ化合物の群から選ばれる1種または2種以
    上の混合物である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 シアノエチル基を導入したエポキシ化合
    物が、式: 【化1】 (式中、Rは(m+n)価のポリヒドロキシル化合物か
    ら全てのOH基を除去した残基;mは1または2;およ
    びnは1以上の整数である)で示される請求項2に記載
    のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 シアノエチル化アミン化合物が、アミン
    化合物と式: R1−(OH)1+f (式中、R1は(1+f)価のポリヒドロキシル化合物
    から全てのOH基を除去した残基;およびfは1以上の
    整数である)のポリヒドロキシル化合物、(メタ)アク
    リル酸またはエピクロルヒドリンおよびアクリロニトリ
    ルとから製造され、かつ式: A−(B)c 〔式中、Aはアミン化合物からシアノエチル基導入に関
    与する活性水素を除去した残基;Bは −R2′O−R1−(OCH2CH2CN)f (ここで、R2′は 【化2】 1およびfは前記と同意義である);およびcは1以
    上の整数である〕で示される請求項1乃至3のいずれか
    1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 アミン化合物と式: R1−(OH)1+f (式中、R1は(1+f)価のポリヒドロキシル化合物
    から全てのOH基を除去した残基;およびfは1以上の
    整数である)のポリヒドロキシル化合物、(メタ)アク
    リル酸またはエピクロルヒドリンおよびアクリロニトリ
    ルとから製造され、かつ式: A−(B)c 〔式中、Aはアミン化合物からシアノエチル基導入に関
    与する活性水素を除去した残基;Bは −R2′O−R1−(OCH2CH2CN) (ここで、R′は 【化3】 1およびfは前記と同意義である);およびcは1以
    上の整数である〕で示されるシアノエチル化アミン化合
    物。
  6. 【請求項6】 アミン化合物が脂肪族ポリアミンである
    請求項5に記載のシアノエチル化アミン化合物。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のシアノエチル化アミン
    化合物の製造法であって、先ず、式: R1−(OH)1+f (式中、R1は(1+f)価のポリヒドロキシル化合物
    から全てのOH基を除去した残基;およびfは1以上の
    整数である)の(1+f)価のポリヒドロキシル化合物
    1モルに、1モルの(メタ)アクリル酸またはエピクロ
    ルヒドリンを反応させた後、fモルのアクリロニトリル
    をマイケル付加反応させるか、もしくはfモルのアクリ
    ロニトリルをマイケル付加反応させた後、1モルの(メ
    タ)アクリル酸またはエピクロルヒドリンを反応させる
    ことにより、式: R2O−R1−(OCH2CH2CN)f (式中、R2は 【化4】 1およびfは前記と同意義である)のアミン反応性シ
    アノエチル化合物を得、次いで該アミン反応性シアノエ
    チル化合物を、1分子中にアミノ基(−NH2)および
    /またはイミノ基(−NH−)の活性水素を2個以上有
    するアミン化合物の該アミノ基および/またはイミノ基
    に対し、その活性水素(但し、全活性水素の内、少なく
    とも1個の活性水素を除く)と反応させて、シアノエチ
    ル基を導入することにより、式: A−(B)c 〔式中、Aはアミン化合物からシアノエチル基導入に関
    与する活性水素を除去した残基;Bは −R2′O−R1−(OCH2CH2CN)f (ここで、R2′は 【化5】 1およびfは前記と同意義である);およびcは1以
    上の整数である〕のシアノエチル化アミン化合物を得る
    ことを特徴とするシアノエチル化アミン化合物の製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1293549A1 (en) * 2000-06-20 2003-03-19 SANYO CHEMICAL INDUSTRIES, Ltd. Adhesive for resin roll assembly and resin roll
JP2012224851A (ja) * 2011-04-05 2012-11-15 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 2−シアノエチル基含有有機化合物の製造方法

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