JPH1045979A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH1045979A
JPH1045979A JP21008796A JP21008796A JPH1045979A JP H1045979 A JPH1045979 A JP H1045979A JP 21008796 A JP21008796 A JP 21008796A JP 21008796 A JP21008796 A JP 21008796A JP H1045979 A JPH1045979 A JP H1045979A
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JP
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styrene
resin composition
thermoplastic resin
rubber
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JP21008796A
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Manabu Ishikawa
学 石川
Takeshi Fujii
丈志 藤井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IC用トレー等の電子部品を搬送するための
包装資材において、電子部品の静電気破壊を防止するた
め、表面固有抵抗が特定の範囲に制御され、測定電圧が
変化しても表面固有抵抗がこの範囲に制御されている熱
可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 成分(a)ポリフェニレンエーテル及び
/又はスチレン系樹脂100重量部、成分(b)体積抵
抗率が10-1〜102 Ωcmである炭素繊維10〜32
重量部を配合し得られた熱可塑性樹脂組成物であって、
その表面固有抵抗が、測定電圧10〜500Vにて10
6 〜1011Ω/sqの範囲である熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物
に関する。詳しくは本発明は、炭素繊維の配合により導
電性が電子部品の静電気破壊を防止する電気的特性を有
し、且つ、成形品の導電性が静電気電圧が変化しても電
子部品の静電気破壊を防止する電気的特性を有する熱可
塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性樹脂組成物としては、変性PP
E、PES、PC、PPr、ABS等の樹脂に導電性カ
ーボンブラックや炭素繊維を配合し導電性を付与したも
のがIC用トレー等の電子部品を搬送するための包装資
材に使用されている。特にカーボンブラックの脱落によ
る電子部品の汚染が問題となる用途においては炭素繊維
を配合した導電性樹脂組成物が使用されている。電子部
品を搬送するための包装資材に適した導電性樹脂組成物
の電気的特性としては、電子部品の電気的特性に応じて
静電気破壊を防止する表面固有抵抗が求められる。特
に、集積回路を内蔵した電子部品における包装資材とし
ては表面固有抵抗が1011Ω/sqである炭素繊維を配
合した導電性樹脂組成物が広く使用されており、電子部
品の静電気破壊を防止する表面固有抵抗としては106
〜1011Ω/sqの範囲であることが求められている。
何故なら、106 Ω/sq未満ではトレー等の包装資材
に接触している電子部品に外部の静電気が伝わり集積回
路がショートする静電気破壊が発生し、1011Ω/sq
を越える場合には包装資材及び電子部品に発生した静電
気により静電気破壊が発生する為である。
【0003】しかしながら、集積回路を内蔵した電子部
品の集積回路の高集積化により、表面固有抵抗が1011
Ω/sqの包装資材においても、電子部品に外部の静電
気が伝わり集積回路がショートする静電気破壊が発生す
る場合がある。なぜならば、10Vや100Vの低電圧
での表面固有抵抗が1011Ω/sqであったとしても、
500Vの高電圧での表面固有抵抗は106 Ω/sq未
満であり、外部の静電気による静電気破壊を防止する電
気特性とは異なるという問題がある為である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の電子
部品における静電気破壊を防止するために、成形品の表
面固有抵抗が測定電圧の変化があっても、電子部品にお
ける静電気破壊を防止するために適した表面固有抵抗の
範囲内である、炭素繊維により導電性を付与された熱可
塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリフェニレンエーテル
樹脂及び/又はスチレン系樹脂に特定の炭素繊維を配合
することにより得られる熱可塑性樹脂組成物の表面固有
抵抗を特定の範囲内に制御することができ、上記の課題
を解決できることを見いだし本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、成分(a)ポリフェニ
レンエーテル及び/又はスチレン系樹脂100重量部、
成分(b)体積抵抗率が10-1〜102 Ωcmである炭
素繊維10〜32重量部を配合し得られた熱可塑性樹脂
組成物であって、その表面固有抵抗が、測定電圧10〜
500Vにて106 〜1011Ω/sqの範囲である熱可
塑性樹脂組成物に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】成分(a)なるポリフェニレンエ
ーテルは公知の重合体であり、化学式(1)で表される
フェノール化合物の一種または二種以上を、酸化カップ
リング触媒を用い、酸素または酸素含有ガスで酸化重合
させて得られる重合体である。
【0008】
【0009】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 は水素、ハロゲン原子、炭化水素基または置換炭化水
素基から選ばれたものであり、そのうち必ず1個は水素
原子である)
【0010】化学式(1)におけるR1 、R2 、R3
4 およびR5 の具体例として、水素、塩素、臭素、フ
ッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−またはiso−プ
ロピル、pri−、sec−またはt−ブチル、クロロ
エチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジ
ン、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカ
ルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、クロロフェ
ニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェ
ニル、アリルが挙げられる。
【0011】化学式(1)で表されるフェノール化合物
の具体例として、フェノール、o−、m−、またはp−
クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−または3,
5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフ
ェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ
エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノー
ル、2,3,5−、2,3,6−または2,4,6−ト
リメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノール
が挙げられる。
【0012】成分(a)なるポリフェニレンエーテルは
又、化学式(1)で表されるフェノール化合物と、該フ
ェノール化合物以外のフェノール化合物、例えばビスフ
ェノール−A、テトラブロモビスフェノール−A、レゾ
ルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂のような多価
ヒドロキシ芳香族化合物との共重合体をも含む。
【0013】成分(a)なるポリフェニレンエーテルは
更に又、上記のポリフェニレンエーテルのみならず、こ
れらポリフェニレンエーテルにスチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン等のメチルスチレン、クロ
ルスチレン等のハロゲン化スチレンによって例示される
アルケニル芳香族系化合物をグラフト反応させて得られ
る重合体をも含む。
【0014】成分(a)なるポリフェニレンエーテルの
うち好ましいものとして、2,6−ジメチルフェノール
または2,6−ジフェニルフェノールの単独重合体、多
量部の2,6−ジメチルフェノールと少量部の3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6−トリ
メチルフェノールとの共重合体が例示される。
【0015】フェノール化合物の酸化重合の際に用いら
れる酸化カップリング触媒は特に限定されるものではな
く、重合能を有するいかなる触媒でも使用し得る。
【0016】成分(a)なるポリフェニレンエーテルの
好ましい分子量の範囲は、その尺度として25℃のクロ
ロホルムを用いて測定された極限粘度の値で示すと、
0.30〜0.75dl/gの範囲、好ましくは0.3
5〜0.55dl/gの範囲である。これより小さい極
限粘度のものを使用すると得られる熱可塑性樹脂組成物
の機械的強度が低く、又これより大きい極限粘度のもの
を使用すると得られる熱可塑性樹脂組成物の造粒性や加
工性が低下するので、それぞれ好ましくない。
【0017】成分(a)なるスチレン系樹脂とは、化学
式(2)で表されるアルケニル芳香族化合物から誘導さ
れた繰り返し単位を少なくとも25モル%以上有し、且
つ樹脂部分を51重量%以上含む単独重合体または共重
合体であり、該単独重合体または共重合体は当業者に周
知のものである。
【0018】
【0019】(式中、R6 は水素、炭素数1〜6のアル
キル基またはハロゲン、Yは水素、ビニル、ハロゲン、
アミノ基、水酸基または炭素数1〜6のアルキル基であ
り、nは0又は1〜5の整数である)
【0020】成分(a)なるスチレン系樹脂の具体的な
例として、例えばスチレン、クロロスチレン、α−メチ
ルスチレンのようなアルケニル芳香族化合物の単独重合
体なる樹脂;該アルケニル芳香族化合物と例えばアクリ
ロニトリル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸など
の共重合可能な化合物との共重合体であるスチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体なる樹
脂;上記アルケニル芳香族化合物の単独重合体やアルケ
ニル芳香族化合物と共重合可能な化合物との共重合体
を、天然ゴムまたは合成ゴム(例えばポリブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ウレタンゴ
ム、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン
−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム)で変性
した重合体なる樹脂;これら樹脂の混合物、が挙げられ
る。
【0021】成分(a)がポリフェニレンエーテルとス
チレン系樹脂との両者からなる場合、両者は良好な相溶
性を有するので、任意の配合割合をとり得る。
【0022】成分(b)なる体積抵抗率が10-1〜10
2 Ωcm、好ましくは10-1〜10 1 Ωcmである炭素
繊維は、当製造業者に周知の方法で原料から繊維状に紡
糸され空気中にて予備焼成されたものを不活性雰囲気中
で1000℃以下、好ましくは650℃〜900℃の温
度で炭化焼成の後、所定の長さに切断したものを、JI
S K 1469−1966に規定された方法で体積抵
抗率の測定を行ったものである。
【0023】成分(b)なる炭素繊維の製造方法は限定
されない。又、表面処理や収束方法についても限定され
ない。
【0024】成分(b)の配合割合は成分(a)100
重量部に対し10〜32重量部、好ましくは12〜30
重量部である。成分(b)の配合割合が10重量部未満
の場合は得られる樹脂組成物の測定電圧10V〜500
Vでの表面固有抵抗が1011Ω/sq以上となり、32
重量部を越える場合は得られる樹脂組成物の測定電圧1
0V〜500Vでの表面固有抵抗が106 Ω/sq未満
となり、電子部品の静電気破壊を防止する表面固有抵抗
の範囲外になるため好ましくない。
【0025】炭素繊維の数平均繊維長は1.5mm以
上、好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以
上である。炭素繊維の数平均繊維長が1.5mm未満の
場合は、電子部品の静電気破壊を防止する表面固有抵抗
の範囲外になるため好ましくない。
【0026】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成分
(a)及び(b)以外の種々の任意成分を含み得る。こ
れら任意成分を以下に例示する。
【0027】成分(c)ゴム様物質 成分(c)なるゴム様物質とは、室温で弾性体である天
然および合成の重合体であり、本発明の熱可塑性樹脂組
成物の例えば耐衝撃強度を高めたい場合に配合し得る。
好ましい成分(c)として例えば、エチレン−α−オレ
フィン共重合体なるゴム、エチレン−α−オレフィン−
非共役ジエン共重合体なるゴム、ポリブタジエンなるゴ
ム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体なるゴム、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体なる
ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体なるゴム、部分水
素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体なるゴ
ム、部分水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体なるゴム、スチレン−イソプレンブロック
共重合体なるゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体なるゴム、部分水素添加スチレン−イソ
プレンブロック共重合体なるゴム、部分水素添加スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体なるゴム、
ポリウレタンゴム、スチレン−グラフト−エチレン−プ
ロピレン−非共役ジエン共重合体なるゴム(エチレン−
プロピレン−非共役ジエン共重合体にスチレンをグラフ
ト反応させて得られるゴム。以下、「グラフト」なる用
語を同様の意味で使用する)、スチレン−グラフト−エ
チレン−プロピレン共重合体なるゴム、スチレン/アク
リロニトリル−グラフト−エチレン−α−オレフィン−
非共役ジエン共重合体なるゴム、スチレン/アクリロニ
トリル−グラフト−エチレン−α−オレフィン共重合体
なるゴム、スチレン/メチルメタクリレート−グラフト
−エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体な
るゴム、スチレン/メチルメタクリレート−グラフト−
エチレン−α−オレフィン共重合体なるゴム、又はこれ
らゴムの混合物を例示し得る。
【0028】また、上記ゴム様物質をアクリル酸、無水
マレイン酸等の酸基を有する官能性単量体やビニルグリ
シジルエーテル等のエポキシ基を有する官能性単量体に
よって変性したゴム様物質も、本発明に係わる成分
(c)に含むものとする。成分(c)中の樹脂部分は一
般に50重量%以下である。
【0029】成分(c)の配合割合は、成分(a)中に
0〜80重量%、好ましくは0〜75重量%である。成
分(c)の成分(a)中の配合割合が80重量%を越え
る場合は導電性が充分でなくなる。
【0030】成分(d)ポリオレフィン 成分(d)なるポリオレフィンは、本発明の熱可塑性樹
脂組成物の例えば加工性や耐衝撃強度を高めたい場合に
配合し得るものである。成分(d)なるポリオレフィン
として例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
−4−メチルペンテン−1を例示し得る。これらのうち
好ましい成分(d)の例は、低密度ポリエチレンや直鎖
状低密度ポリエチレンである。成分(d)の配合割合
は、成分(a)中に0〜25重量%、好ましくは0〜2
0重量%である。成分(d)の成分(a)中の配合割合
が25重量%を越える場合は、成形品ののゲート付近に
おける層剥離の問題が起こり好ましくない。
【0031】成分(e)非導電性無機フィラー 成分(e)なる非導電性無機フィラーは、本発明の熱可
塑性樹脂組成物の例えば剛性、耐熱性または寸法安定性
を向上させたい場合に配合し得るものである。成分
(e)として例えば、ガラス繊維、シリカ、炭酸カルシ
ウム、タルク、マイカ、クレー、カオリン、硫酸マグネ
シウム、ウォラストナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化アンチモン、アルミナ、のような無機充填剤を例示し
得る。成分(e)の配合割合は、成分(a)100重量
部に対して50重量部以下である。成分(e)の配合割
合が50重量部を越えると、他の成分と充分に混練し得
なかったり、造粒が安定して行えない等の問題が起こり
好ましくない。
【0032】成分(f)導電性無機フィラー 成分(f)なる導電性無機フィラーは、本発明の熱可塑
性樹脂組成物の例えば剛性、耐熱性または寸法安定性を
向上させたい場合に配合し得るものである。成分(f)
として例えば、表面処理チタン酸カリウムウィスカー、
ステンレス繊維、ステンレス繊維、アルミニウムフレー
ク、グラファイト、カーボンブラックをを例示し得る。
成分(f)は本発明の熱可塑性樹脂組成物の特徴である
表面固有抵抗の範囲内となる量を配合してもよい。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の任
意成分の(c)〜(f)の他に、さらに慣用の添加剤、
例えば顔料、塗料、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、耐候
剤、耐光剤等を含有し得るし、また、上記成分(d)以
外の樹脂であるポリカーボネイト、ナイロン等の熱可塑
性樹脂をも含有し得る。
【0034】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は
限定されない。例えば、使用する成分を公知の方法で配
合した後、配合物を押出機、ニーダー、ロールミキサー
又はバンバリーミキサー等の慣用の溶融混練装置で溶融
混練することによって、本発明の熱可塑性樹脂組成物を
製造し得る。なお、成分の配合順序や溶融混練の順序等
は特に限定されない。
【0035】
【実施例】以下に、本発明に実施例を比較例と対比して
示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。成分として以下のものを使用した。
【0036】成分(a) ポリフェニレンエーテルとして、2,6−ジメチルフェ
ノールを単独重合させることによって得た、25℃のク
ロロホルムを用いて測定された極限粘度の値が0.41
dl/100gのもの(以下「PPE−1」とも言う)
および0.46dl/100gのもの(以下「PPE−
2」とも言う)、0.51dl/100gのもの(以下
「PPE−3」とも言う)を使用した。スチレン系樹脂
として、住友化学工業(株)製のポリスチレンであるス
ミブライト(登録商標)ST970K(以下「GPP
S」とも言う)および住友化学工業(株)製のブタジエ
ン補強ポリスチレンであるスミブライト(登録商標)M
584(以下「HIPS」とも言う)を使用した。
【0037】成分(b) 表1に符号CF−1〜CF−12で表した炭素繊維を使
用した。炭素繊維は、ピッチ系原料から繊維状に紡糸さ
れたもの及びアクリル繊維を空気中で250℃の予備焼
成を行い、不活性雰囲気中で温度を変えて炭化焼成を行
った後、所定の長さに切断したものを JIS K 1
469−1966に規定された方法で体積抵抗率を測定
したものをである。
【0038】成分(c) 後記の参考例−1の通り製造されたスチレン−グラフト
−エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体なるゴ
ム(以下「SEPR」とも言う)および参考例−2の通
り製造されたスチレン/メチルメタクリレート−グラフ
ト−エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体なる
ゴム(以下「SMEPR」とも言う)を使用した。
【0039】成分(d) 住友化学工業(株)製の低密度ポリエチレンであるエク
セレン(登録商標)VL100(以下「PO」とも言
う)を使用した。
【0040】成分(e) 林化成(株)製のエンスタル5000Sなる商品名のタ
ルク(以下、単に「タルク」とも言う)を使用した。
【0041】参考例−1(SEPRの製造) 成分(c)であるスチレン−グラフト−エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエン共重合体なるゴムを以下の通り製
造した。撹拌機を備えた5リットルのオートクレーブ
に、旭電化工業(株)製の商品名がプルロニックF68
なる分散剤6gの水溶液2200mlと、住友化学工業
(株)製のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
ゴムであるエスプレン(登録商標)E502(プロピレ
ンに由来する繰返し単位の含量44重量%、ヨウ素価
8.5、120℃におけるムーニー粘度63)を3〜6
mm角に切断したもの300gとを仕込み、撹拌下に懸
濁させた。次いで、スチレン300g、t−ブチルパー
オキシピバレート9gおよびp−ベンゾキノン0.18
gを添加後、直ちにオートクレーブを30℃の油浴に入
れ、1分間に約1℃の割合で110℃まで昇温し、11
0℃で30分間保持し、重合反応を行った。反応生成物
である粒状物を水洗浄した後95℃で真空乾燥し、SE
PRを得た。
【0042】参考例−2(SMEPRの製造) 成分(c)であるスチレン/メチルメタクリレート−グ
ラフト−エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体
なるゴムを以下の通り製造した。撹拌機を備えた5リッ
トルのオートクレーブに、旭電化工業(株)製の商品名
がプルロニックF68なる分散剤6gの水溶液2200
mlと、住友化学工業(株)製のエチレン−プロピレン
−非共役ジエン共重合ゴムであるエスプレン(登録商
標)E502を3〜6mm角に切断したもの300gと
を仕込み、撹拌下に懸濁させた。次いで、スチレン10
1g、メチルメタクリレート19g、t−ブチルパーオ
キシピバレート9gおよびp−ベンゾキノン0.18g
を添加後、直ちにオートクレーブを30℃の油浴に入
れ、1分間に約1℃の割合で110℃まで昇温し、11
0℃で30分間保持し、重合反応を行った。反応生成物
である粒状物を水洗浄した後95℃で真空乾燥し、SM
EPRを得た。
【0043】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 繊維 繊維径 繊維長 炭化焼成温度 体積抵抗率 (μm)(mm) (℃) (Ωcm) CF−1 ピッチ系繊維 12 0.5 1000 3×10-2 CF−2 ピッチ系繊維 12 3.0 1000 2×10-2 CF−3 ピッチ系繊維 12 0.5 800 4×10-1 CF−4 ピッチ系繊維 12 2.0 800 3×10-1 CF−5 ピッチ系繊維 12 3.0 800 3×10-1 CF−6 ピッチ系繊維 12 10 800 2×10-1 CF−7 ピッチ系繊維 12 3.0 700 1×100 CF−8 ピッチ系繊維 12 3.0 600 2×103 CF−9 アクリル繊維 12 6.0 1000 3×10-3 CF−10 アクリル繊維 12 6.0 800 7×10-1 CF−11 アクリル繊維 12 6.0 700 9×100 CF−12 アクリル繊維 12 6.0 600 1×103 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0044】実施例1〜17、比較例1〜17 各実施例および比較例を表2〜表8に示すような組成
(配合割合は重量部)で混合し、東芝機械製 TEM5
0型二軸押出機にて、実施例13〜15及び比較例13
〜15はシリンダー温度240℃、それ以外はのものは
シリンダー温度280℃で押出し、水槽にて冷却後スト
ランドカッターによりペレット化した。こうして得たペ
レットを実施例13〜15及び比較例13〜15は80
℃、それ以外のものは130℃でそれぞれ4時間熱風乾
燥した後、東芝機械製射出成形機IS220EN型によ
り実施例13〜15及び比較例13〜15についてはシ
リンダー温度260℃、それ以外のものは300℃でそ
れぞれ金型温度80℃の条件で54mm×75mmの平
板状の試験片を成形した。こうして得た試験片を下記の
方法によって測定を行いデータを得た。測定結果を表2
〜表8に示す。
【0045】本発明においては、前記の電子部品におけ
る静電気破壊を防止するために、表面固有抵抗が測定電
圧の変化があっても、電子部品における静電気破壊を防
止するために適した表面固有抵抗の範囲内であることが
重要であり、そのためには、測定電圧が10V〜500
Vの範囲での表面固有抵抗が106 〜1011Ω/sqの
範囲であることが必要である。
【0046】(1)表面固有抵抗:単位 Ω/sq 射出成形で得られた54mm×75mmの平板状の試験
片を用い、KEITHLEY社製、6517ELECT
ROMETERを用いて測定電圧10Vおよび500V
で表面固有抵抗(以下「SR」とも言う)を測定した。
10VでのSR測定値をSR10V、500VでのSR
測定値をSR500Vとした。
【0047】(2)導電性 実用に供し得るSRは、10Vおよび500Vにて10
6 〜1011Ω/sqの範囲であり、SR10VとSR5
00Vがこの範囲である場合は○、この範囲でない場合
は×と評価した。
【0048】(3)層剥離 上記射出成形で得られた平板状の試験片に層剥離がない
ばあいは○、ある場合は×と評価した。本発明によれ
ば、ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はスチレン系
樹脂に特定の炭素繊維を配合することにより、該組成物
の表面固有抵抗を電子部品の静電気破壊の発生しない1
6 〜1011Ω/sqの範囲に制御でき、測定電圧が変
化しても表面固有抵抗がこの範囲に制御されており、従
来の炭素繊維を配合した導電性樹脂組成物にない特性を
持った熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0049】比較例1〜6に示すように、特定の炭素繊
維を配合しない場合の該組成物の表面固有抵抗は、静電
気破壊の発生しない範囲外であったり、測定電圧によっ
ては範囲外となるため好ましくない。比較例7〜10に
おいては、特定の炭素繊維を含んでいるが配合量が有効
量以下の場合や有効量以上の場合であり、該組成物の表
面固有抵抗は、静電気破壊の発生しない範囲外であり好
ましくない。比較例11及び12は、炭素繊維の繊維長
が短い場合であり、炭素繊維の配合量が有効量であって
も、該組成物の表面固有抵抗は、静電気破壊の発生しな
い範囲外であり好ましくない。比較例13〜17は、任
意成分を配合した場合であり、特定の炭素繊維を含んで
いなかったり、本発明の熱可塑性樹脂組成物の要件を充
足しない組成物であり、表面抵抗の範囲や層剥離の点で
好ましくない。これに対して、本発明によれば、実施例
からも明らかなように、特定の炭素繊維を有効量配合す
ることにより、該組成物の表面固有抵抗は、電子部品の
静電気破壊の発生しない106 〜1011Ω/sqの範囲
に制御され、測定電圧が変化しても表面固有抵抗がこの
範囲に制御されている熱可塑性樹脂組成物を得ることが
できる。
【0050】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 PPE−2 50 50 50 50 50 50 HIPS 50 50 50 50 50 50 CF−2 8 12 0 0 0 0 CF−8 0 0 34 0 0 0 CF−9 0 0 0 8 10 0 CF−12 0 0 0 0 0 34 R10V >1011 6 ×107 >1011 >1011 <106 >1011 R500V >1011 <106 >1011 >1011 <106 >1011 導電性 × × × × × × 層剥離 ○ ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0051】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例7 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例8 PPE−2 50 50 50 50 50 50 HIPS 50 50 50 50 50 50 CF−5 8 12 0 30 0 34 CF−10 0 0 12 0 30 0 SR10V >1011 1×1011 8×1010 8×106 4×106 <106 SR500V >1011 3×1010 3×1010 3×106 2×106 <106 導電性 × ○ ○ ○ ○ × 層剥離 ○ ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0052】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例9 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 比較例10 PPE−2 50 50 50 50 50 50 HIPS 50 50 50 50 50 50 CF−7 8 12 0 30 0 34 CF−11 0 0 12 0 30 0 SR10V >1011 3×1011 3×1011 9×107 9×106 2×106 SR500V >1011 6×1010 4×1010 5×107 3×106 <106 導電性 × ○ ○ ○ ○ × 層剥離 ○ ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0053】
【表5】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例11 比較例12 実施例9 実施例10 PPE−2 50 50 50 50 HIPS 50 50 50 50 CF−1 30 0 0 0 CF−3 0 30 0 0 CF−4 0 0 30 0 CF−6 0 0 0 30 SR10V >1011 >1011 8×106 6×106 SR500V >1011 >1011 5×106 3×106 導電性 × × ○ ○ 層剥離 ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例14 比較例13 比較例14 実施例15 比較例15 PPE−3 30 10 0 0 0 GPPS 5 5 60 60 48 CF−2 0 0 20 0 0 CF−5 20 20 0 20 20 SEPR 0 0 22 22 22 SMEPR 65 85 0 0 0 PO 0 0 18 18 30 SR10V 6×109 >1011 <106 4×109 6×109 SR500V 4×107 >1011 <106 4×107 7×107 導電性 ○ × × ○ ○ 層剥離 ○ ○ ○ ○ × −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0056】
【表8】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例16 実施例16 比較例17 実施例17 PPE−3 70 70 70 70 GPPS 18 18 18 18 CF−2 22 0 0 0 CF−5 0 22 0 0 CF−9 0 0 14 0 CF−10 0 0 0 22 SEPR 12 12 12 12 タルク 20 20 20 20 SR10V <106 3×109 <106 1×109 SR500V <106 2×107 <106 8×106 導電性 × ○ × ○ 層剥離 ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0057】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、I
C用トレー等の電子部品を搬送するための包装資材にお
いて、電子部品の静電気破壊を防止するため、表面固有
抵抗が特定の範囲に制御され、測定電圧が変化しても表
面固有抵抗がこの範囲に制御されている熱可塑性樹脂組
成物を提供することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(a)ポリフェニレンエーテル及び
    /又はスチレン系樹脂100重量部、成分(b)体積抵
    抗率が10-1〜102 Ωcmである炭素繊維10〜32
    重量部を配合し得られた熱可塑性樹脂組成物であって、
    その表面固有抵抗が、測定電圧10〜500Vにて10
    6 〜1011Ω/sqの範囲である熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(b)の炭素繊維の数平均繊維長が
    1.5mm以上である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
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