JPH101603A - 熱可塑性樹脂組成物及びicトレー - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びicトレー

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JPH101603A
JPH101603A JP8155240A JP15524096A JPH101603A JP H101603 A JPH101603 A JP H101603A JP 8155240 A JP8155240 A JP 8155240A JP 15524096 A JP15524096 A JP 15524096A JP H101603 A JPH101603 A JP H101603A
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JP
Japan
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resin composition
component
weight
thermoplastic resin
styrene
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JP8155240A
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Manabu Ishikawa
学 石川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ICトレーにおける静電気破壊を防止するた
め、表面固有抵抗が特定の範囲内にある熱可塑性樹脂組
成物及び、その熱可塑性樹脂組成物を用いて成形された
ICトレーを提供する。 【解決手段】 下記(a)〜(c)の成分を含有し、得
られた成形品の表面固有抵抗が、測定電圧10V〜50
0Vの範囲にて106 〜1011Ω/□である熱可塑性樹
脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物を用いたICトレ
ー。 (a):ポリフェニレンエーテル系樹脂及び/又はスチ
レン系樹脂 82〜97重量% (b):特定のアルケニル芳香族化合物単位を有する共
重合体 3〜18重量% (c):ジブチルテレフタレート吸油量が70ml/1
00g以上であるカーボンブラック (a)及び(b)
の合計量100重量部に対して2〜45重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物
及びICトレーに関する。詳しくは、本発明は、表面固
有抵抗が特定の範囲内にある熱可塑性樹脂組成物及び、
その熱可塑性樹脂組成物を用いて成形されたICトレー
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品を搬送するためのICトレー等
の包装資材には、電子部品の電気的特性に応じた導電性
が求められる。電子部品、特に高集積化の進んでいるI
C部品においては、導電性を表面固有抵抗で、106
1011Ω/□の範囲に制御する必要がある。何故なら、
106 Ω/□未満では、ICトレー等の包装資材に接触
しているIC部品のリード線に外部の静電気が伝わり、
IC部品のリード線間の集積回路がショートする静電気
破壊が発生し、1011Ω/□を越える場合には、包装資
材及びIC部品に発生した静電気により、静電気破壊が
発生する。特に、IC部品を直接載せるICトレーにお
いては、導電性の制御が必要である。
【0003】ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はス
チレン系樹脂と導電性カーボンブラック等からなる導電
性樹脂組成物は公知であり、電子部品を搬送するための
ICトレー等に使用されているが、表面固有抵抗が10
6 Ω/□未満の用途に使用されている材料が主であり、
10Vでの測定値は106 〜1011Ω/□の範囲である
が、500Vでの測定値はこの範囲外である106 Ω/
□未満であるなど、測定電圧による表面固有抵抗の変化
が大きいという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のIC
トレーにおける静電気破壊を防止するため、表面固有抵
抗が特定の範囲内にある熱可塑性樹脂組成物及び、その
熱可塑性樹脂組成物を用いて成形されたICトレーを提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリフェニレンエーテル
樹脂及び/又はスチレン系樹脂と導電性カーボンブラッ
ク等からなる導電性樹脂組成物に、特定の構成単位から
なる共重合体を配合することにより得られる熱可塑性樹
脂組成物の成形品の表面固有抵抗を特定の範囲内に制御
することができ、上記の課題を解決できることを見いだ
し本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、下記(a)〜(c)
の成分を含有し、得られた成形品の表面固有抵抗が、測
定電圧10V〜500Vの範囲にて106 〜1011Ω/
□である熱可塑性樹脂組成物に係るものである。 (a):ポリフェニレンエーテル系樹脂及び/又はスチ
レン系樹脂 82〜97重量% (b):下記化学式(1)で表される構成単位及び下記
化学式(2)で表される構成単位からなる共重合体 3
〜18重量% (式中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基またはハ
ロゲンである。) (c):ジブチルテレフタレート吸油量が70ml/1
00g以上であるカーボンブラック (a)及び(b)
の合計量100重量部に対して2〜45重量部
【0007】また、本発明のうち他の発明は、上記の熱
可塑性樹脂組成物を用いたICトレーに係るものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】成分(a)なるポリフェニレンエ
ーテルは公知の重合体であり、化学式(3)で表される
フェノール化合物の一種または二種以上を、酸化カップ
リング触媒を用い、酸素または酸素含有ガスで酸化重合
させて得られる重合体である。
【0009】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は水素、ハ
ロゲン原子、炭化水素基または置換炭化水素基から選ば
れたものであり、そのうち必ず1個は水素原子である)
【0010】化学式(3)におけるR5 、R6 、R7
8 およびR9 の具体例として、水素、塩素、臭素、フ
ッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−またはiso−プ
ロピル、pri−、sec−またはt−ブチル、クロロ
エチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジ
ル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカ
ルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、クロロフェ
ニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェ
ニル、アリルが挙げられる。
【0011】化学式(3)で表されるフェノール化合物
の具体例として、フェノール、o−、m−、またはp−
クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−または3,
5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフ
ェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ
エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノー
ル、2,3,5−、2,3,6−または2,4,6−ト
リメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノール
が挙げられる。
【0012】成分(a)なるポリフェニレンエーテルは
又、化学式(3)で表わされるフェノール化合物と、該
フェノール化合物以外のフェノール化合物、例えばビス
フェノール−A、テトラブロモビスフェノール−A、レ
ゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂のような多
価ヒドロキシ芳香族化合物との共重合体をも含む。
【0013】成分(a)なるポリフェニレンエーテルは
更に又、上記のポリフェニレンエーテルのみならず、こ
れらポリフェニレンエーテルにスチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン等のメチルスチレン、クロ
ルスチレン等のハロゲン化スチレンによって例示される
アルケニル芳香族系化合物をグラフト反応させて得られ
る重合体をも含む。
【0014】成分(a)なるポリフェニレンエーテルの
うち好ましいものとして、2,6−ジメチルフェノール
または2,6−ジフェニルフェノールの単独重合体、多
量部の2,6−ジメチルフェノールと少量部の3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6−トリ
メチルフェノールとの共重合体が例示される。
【0015】フェノール化合物の酸化重合の際に用いら
れる酸化カップリング触媒は特に限定されるものではな
く、重合能を有するいかなる触媒でも使用し得る。
【0016】成分(a)なるポリフェニレンエーテルの
好ましい分子量の範囲は、その尺度として25℃のクロ
ロホルムを用いて測定された極限粘度の値で示すと、
0.30〜0.75dl/gの範囲、好ましくは0.3
5〜0.55dl/gの範囲である。これより小さい極
限粘度のものを使用すると得られる熱可塑性樹脂組成物
の機械的強度が低く、又これより大きい極限粘度のもの
を使用すると得られる熱可塑性樹脂組成物の造粒性や加
工性が低下するので、それぞれ好ましくない。
【0017】成分(a)なるスチレン系樹脂とは、化学
式(4)で表わされるアルケニル芳香族化合物から誘導
された繰り返し単位を少なくとも25モル%以上有し、
且つ樹脂部分を51重量%以上含む単独重合体または共
重合体であり、該単独重合体または共重合体は当業者に
周知のものである。 (式中、R6 は水素、炭素数1〜6のアルキル基または
ハロゲン、Yは水素、ビニル、ハロゲン、アミノ基、水
酸基または炭素数1〜6のアルキル基であり、nは0又
は1〜5の整数である)
【0018】成分(a)なるスチレン系樹脂の具体的な
例として、例えばスチレン、クロロスチレン、α−メチ
ルスチレンのようなアルケニル芳香族化合物の単独重合
体なる樹脂;該アルケニル芳香族化合物と例えばアクリ
ロニトリル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸など
の共重合可能な化合物との共重合体であるスチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体なる樹
脂;上記アルケニル芳香族化合物の単独重合体やアルケ
ニル芳香族化合物と共重合可能な化合物との共重合体
を、天然ゴムまたは合成ゴム(例えばポリブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ウレタンゴ
ム、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン
−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム)で変性
した重合体なる樹脂;これら樹脂の混合物、が挙げられ
る。
【0019】成分(a)がポリフェニレンエーテルとス
チレン系樹脂との両者からなる場合、両者は良好な相溶
性を有するので、任意の配合割合をとり得る。
【0020】成分(b)なる共重合体は、化学式(1)
で表される構成単位及び化学式(2)で表される構成単
位からなる共重合体である。成分(b)なる共重合体を
構成する化学式(1)で表される構成単位として、例え
ばスチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレンのよ
うなアルケニル芳香族化合物の核水素添加物(以下、
「核水添物」とも言う)を挙げることができる。
【0021】成分(b)なる共重合体を構成する化学式
(2)で表される構成単位として、例えばインデンの核
水添物を挙げることができる。成分(b)なる共重合体
は化学式(1)と化学式(2)で表される構成単位の構
成比は重量比で6:4〜4:6、好ましくは5:5であ
る。成分(b)なる共重合体は化学式(1)と化学式
(2)で表される構成単位の未核水添物を原料として上
記の構成比で共重合された後、核水素添加を行い得られ
る共重合体である。
【0022】成分(b)なる共重合体の分子量は重量平
均分子量にて850以上、好ましくは950以上、さら
に好ましくは1200以上である。成分(b)なる共重
合体の核水素添加率(以下、「核水添率」とも言う)は
80%以上、好ましくは90%以上である。
【0023】成分(b)なる共重合体は、原料の不純物
や重合の際の未反応物等の低分子量物を真空蒸留等によ
り除去し精製を行い得られる共重合体である。精製の度
合いは、共重合体の軟化点温度で80℃以上、好ましく
は100℃以上、さらに好ましくは120℃以上であ
る。この条件以外の共重合体は、室温にて粘着性のある
高粘度な物質であり、他の成分との配合が困難であった
り、配合による改良効果が充分でない等の問題があり好
ましくなく、核水素添加を行っていない場合や核水添率
が80%以下の場合は共重合体およびこれを添加した熱
可塑性樹脂組成物に激しい臭気が有るため好ましくな
い。
【0024】成分(b)なる共重合体の製造方法は限定
されない。成分(b)なる共重合体は、例えばアクリロ
ニトリル、メタクリル酸メチル、無水マレイ酸などの共
重合可能な化合物を併用し得る。
【0025】成分(b)の配合割合は、3〜18重量
%、好ましくは、5〜15重量%である。成分(b)の
配合割合が3重量%未満の場合は得られる熱可塑性樹脂
組成物の導電性が充分でなく、18重量%を越える場合
は他の成分と充分に混練し得ない。
【0026】成分(c)なるカーボンブラックは、例え
ば着色用、ゴム補強用、導電性付与用等に用いられてい
るカーボンブラックであって、且つASTM D241
4に規定された方法で測定されたジブチルフタレート吸
油量(以下、「DBP吸油量」とも言う)が70ml/
100g以上のものである。好ましいカーボンブラック
の種類として、アセチレンガスを熱分解して得られるア
セチレンブラックや、原油を原料としファーネス式不完
全燃焼によって製造されるケッチェンブラック等を例示
し得る。
【0027】成分(c)の配合割合は2〜45重量部
(成分(a)と成分(b)との合計量100重量部あた
り)、好ましくは3〜42重量部である。成分(c)の
配合割合が2重量部未満の場合は得られる熱可塑性樹脂
組成物の導電性が充分でなく、45重量部を越える場合
は成分(c)を他の成分と充分に混練し得ない。
【0028】成分(d)なるゴム様物質とは、室温で弾
性体である天然および合成の重合体であり、本発明の熱
可塑性樹脂組成物の例えば耐衝撃強度を高めたい場合に
配合し得る。好ましい成分(d)として例えば、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体なるゴム、エチレン−α−
オレフィン−非共役ジエン共重合体なるゴム、ポリブタ
ジエンなるゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体なるゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体なるゴム、スチレン−ブタジエン共重合体なる
ゴム、部分水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重
合体なるゴム、部分水素添加スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体なるゴム、スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体なるゴム、スチレン−イソプレンス
チレンブロック共重合体なるゴム、部分水素添加スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体なるゴム、部分水素添
加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体な
るゴム、ポリウレタンゴム、スチレン−グラフト−エチ
レン−プロピレン−非共役ジエン共重合体なるゴム(エ
チレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体にスチレン
をグラフト反応させて得られるゴム。以下、「グラフ
ト」なる用語を同様の意味で使用する)、スチレン−グ
ラフト−エチレン−プロピレン共重合体なるゴム、スチ
レン/アクリロニトリル−グラフト−エチレン−α−オ
レフィン−非共役ジエン共重合体なるゴム、スチレン/
アクリロニトリル−グラフト−エチレン−α−オレフィ
ン共重合体なるゴム、スチレン/メチルメタクリレート
−グラフト−エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン
共重合体なるゴム、スチレン/メチルメタクリレート−
グラフト−エチレン−α−オレフィン共重合体なるゴ
ム、又はこれらゴムの混合物を例示し得る。また、上記
ゴム様物質をアクリル酸、無水マレイン酸等の酸基を有
する官能性単量体やビニルグリシジルエーテル等のエポ
キシ基を有する官能性単量体によって変性したゴム様物
質も、本発明に係る成分(d)に含むものとする。成分
(d)中の樹脂部分は一般に50重量%以下である。
【0029】成分(d)の配合割合は、成分(a)中に
0〜80重量%、好ましくは0〜75重量%である。成
分(d)の成分(a)中の配合割合が80重量%を越え
る場合は導電性が充分でなくなる。本発明の熱可塑性樹
脂組成物は、成分(a)〜(d)以外の種々の任意成分
を含み得る。これら任意成分を以下に例示する。
【0030】成分(e)ポリオレフィン 成分(e)なるポリオレフィンは、本発明の熱可塑性樹
脂組成物の例えば加工性を向上させたい場合に配合し得
るものである。成分(e)なるポリオレフィンとして例
えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メ
チルペンテン−1を例示し得る。これらのうち好ましい
成分(e)の例は、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度
ポリエチレンである。
【0031】成分(e)の配合割合は、成分(a)及び
成分(b)の合計量100重量部に対して0〜20重量
部、好ましくは0〜15重量部である。成分(e)の配
合割合が20重量部を越える場合は、成形品のゲート付
近における層剥離の問題が起こり好ましくない。
【0032】成分(f)非導電性無機フィラー 成分(f)なる非導電性無機フィラーは、本発明の熱可
塑性樹脂組成物の例えば剛性、耐熱性または寸法安定性
を向上させたい場合に配合し得るものである。成分
(f)として例えば、ガラス繊維、シリカ、炭酸カルシ
ウム、タルク、マイカ、クレー、カオリン、硫酸マグネ
シウム、ウォラストナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化アンチモン、アルミナのような無機充填剤を例示し得
る。
【0033】成分(f)の配合割合は、成分(a)10
0重量部に対して50重量部以下、好ましくは1〜45
重量部の範囲である。成分(f)の配合割合が50重量
部を越えると、他の成分と充分に混練し得ない。
【0034】成分(g)導電性無機フィラー 成分(g)るな導電性無機フィラーは、本発明の熱可塑
性樹脂組成物の例えば導電性を更に向上させたい場合
や、剛性を改良したい場合に配合し得るものである。成
分(g)として例えば、表面処理チタン酸カリウムウィ
スカー、カーボン繊維、ステンレス繊維、アルミニウム
フレーク、グラファイトを例示し得る。成分(g)とし
て一種以上のフィラーを配合してもよい。
【0035】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の任
意成分(e)〜(g)の他に、さらに慣用の添加剤、例
えば顔料、塗料、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、耐候
剤、耐光剤等を含有し得るし、また、上記成分(e)以
外の樹脂であるポリカーボネート、ナイロン等の熱可塑
性樹脂をも含有し得る。
【0036】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は
限定されない。例えば、使用する成分を公知の方法で配
合した後、配合物を押出機、ニーダー、ロールミキサー
又はバンバリーミキサー等の慣用の溶融混練装置で溶融
混練することによって、本発明の熱可塑性樹脂組成物を
製造し得る。なお、成分の配合順序は特に限定されな
い。本発明のICトレーの成形方法は限定されない。例
えば、該熱可塑性樹脂組成物を用いて、通常の成形法で
ある射出成形法やプレス成形法等によって所望のICト
レーに成形される。本発明の熱可塑性樹脂組成物の用途
はICトレーに限定されない。例えば、他の電子部品包
装資材、帯電防止性包装資材などにも利用可能である。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例と対比して
示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。成分として以下のものを使用した。
【0038】成分(a) ポリフェニレンエーテルとして、2,6−ジメチルフェ
ノールを単独重合させることによって得た、25℃のク
ロロホルムを用いて測定された極限粘度の値が0.41
dl/100gのもの(以下「PPE−1」とも言う)
および0.5dl/100gのもの(以下「PPE−
2」とも言う)を使用した。
【0039】スチレン系樹脂として、住友化学工業
(株)製のポリスチレンであるスミブライト(登録商
標)ST970(以下「GPPS」とも言う)および住
友化学工業(株)製のブタジエン補強ポリスチレンであ
るスミブライト(登録商標)M584(以下「HIP
S」とも言う)を使用した。
【0040】成分(b) 化学式(1)で表される構成単位がα−メチルスチレン
の核水添物であり、化学式(2)で表される構成単位が
インデンの核水添物であり、それぞれの配合比率が5:
5、分子量が重量平均分子量で1230、核水添率は9
0%以上、軟化点温度が125℃の共重合体である、荒
川化学工業株式会社製のアルコン(登録商標)のグレー
ドP125(以下「アルコン」とも言う)を使用した。
【0041】成分(c) 表1に符号CB−1〜CB−4で表したカーボンブラッ
クを使用した。
【0042】成分(d) 後記の参考例−1の通り製造されたスチレン−グラフト
−エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体なるゴ
ム(以下、「SEPR」ともいう)、及び参考例−2の
通り製造されたスチレン/メチルメタクリレート−グラ
フト−エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体な
るゴム(以下、「SMEPR」ともいう)を使用した。
【0043】成分(e) 住友化学工業(株)製の低密度ポリエチレンであるスミ
カセン(登録商標)F210−6(以下「PO」とも言
う)を使用した。
【0044】成分(f) 林化成(株)製のエンスタル5000Sなる商品名のタ
ルク(以下、単に「タルク」とも言う)、及びカナダマ
イカ社製のRepcoMica S−325なる商品名
のマイカ(以下、単に「マイカ」とも言う)を使用し
た。
【0045】参考例−1(SEPRの製造) 撹拌機を備えた5リットルのオートクレーブに、旭電化
工業(株)製の商品名がプルロニックF68なる分散剤
6gの水溶液2200mlと、住友化学工業(株)製の
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムである
エスプレン(登録商標)E502(プロピレンに由来す
る繰返し単位の含量44重量%、ヨウ素価8.5、12
0℃におけるムーニー粘度63)を3〜6mm角に切断
したもの300gとを仕込み、撹拌下に懸濁させた。
【0046】次いで、スチレン300g、t−ブチルパ
ーオキシピバレート9gおよびp−ベンゾキノン0.1
8gを添加後、直ちにオートクレーブを30℃の油浴に
入れ、1分間に約1℃の割合で110℃まで昇温し、1
10℃で30分間保持し、重合反応を行った。反応生成
物である粒状物を水洗浄した後95℃で真空乾燥し、S
EPRを得た。
【0047】参考例−2(SMEPRの製造) 撹拌機を備えた5リットルのオートクレーブに、旭電化
工業(株)製の商品名がプルロニックF68なる分散剤
6gの水溶液2200mlと、住友化学工業(株)製の
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムである
エスプレン(登録商標)E502を3〜6mm角に切断
したもの300gとを仕込み、撹拌下に懸濁させた。
【0048】次いで、スチレン101g、メチルメタク
リレート19g、t−ブチルパーオキシピバレート9g
およびp−ベンゾキノン0.18gを添加後、直ちにオ
ートクレーブを30℃の油浴に入れ、1分間に約1℃の
割合で110℃まで昇温し、110℃で30分間保持
し、重合反応を行った。反応生成物である粒状物を水洗
浄した後95℃で真空乾燥し、SMEPRを得た。
【0049】
【表1】
【0050】実施例1〜13、比較例1〜7 各実施例および比較例を表2〜表6に示すような組成
(配合割合は重量部)で混合し、東芝機械製 TEM5
0型二軸押出機にて、実施例1〜3、7〜9及び比較例
1〜7はシリンダー温度260℃、実施例4〜6、10
〜13はシリンダー温度300℃で押出し、水槽にて冷
却後ストランドカッターによりペレット化した。こうし
て得たペレットを80℃でそれぞれ3時間熱風乾燥した
後、東芝機械製射出成形機IS220EN型により実施
例1〜3、7〜9及び比較例1〜7についてはシリンダ
ー温度260℃、実施例4及び10はシリンダー温度3
00℃、実施例5、6、11〜13はシリンダー温度3
00℃にて、それぞれ金型温度80℃の条件で板厚3m
mの54mm×75mmの平板状の試験片を成形した。
こうして得た試験片を下記の方法によって測定を行いデ
ータを得た。測定結果を表3〜表6に示す。
【0051】実施例14、15、比較例8 該熱可塑性樹脂組成物を図1に示す形状のICトレーに
成形した場合の実施例及び比較例を表7に示す。実施例
14については上記の方法で製造された実施例1の熱可
塑性樹脂組成物のペレットを用い、実施例15には同じ
く実施例12のペレットを用い、比較例8については比
較例1のペレットを用いて以下の方法によりICトレー
に成形した。実施例14及び比較例8については、80
℃でそれぞれ3時間熱風乾燥した後、東芝機械製射出成
形機IS220EN型によりシリンダー温度280℃、
ICトレー金型温度80℃の条件でICトレーに成形し
た。実施例15については、100℃で3時間熱風乾燥
した後、東芝機械製射出成形機IS220EN型により
シリンダー温度330℃、ICトレー金型温度160℃
の条件でICトレーに成形した。こうして得たICトレ
ーを下記の方法によって測定を行いデータを得た。測定
結果を表7に示す。
【0052】本発明においては、電子部品の静電気破壊
を防止することが重要であり、そのためには表面固有抵
抗が106 〜1011Ω/□の範囲であり、測定電圧が変
化してもこの範囲であることが必要である。 (1)表面固有抵抗:単位 Ω/□(以下「SR」とも
言う) 54mm×75mmの平板状の試験片及び図1に示す形
状のICトレーを用い、KEITHLEY社製、651
7ELECTROMETERを用いて測定電圧10Vお
よび500Vで測定を行った。10Vでの測定値をSR
10V、500Vでの測定値をSR500Vとした。 (2)導電性 実用に供し得るSRは、10Vおよび500Vにて10
6 〜1011Ω/□の範囲であり、SR 10VとSR5
00Vがこの範囲である場合は○、この範囲でない場合
は×と評価した。 (3)混練状態 上記混練方法にて、均一かつ連続的に混練、造粒できる
場合を○、出来ない場合を×と評価した。 (4)層剥離 上記射出成形で得られた平板状の試験片に層剥離がない
ばあいは○、ある場合は×と評価した。
【0053】本発明によれば、ポリフェニレンエーテル
樹脂及び/又はスチレン系樹脂に導電性カーボンブラッ
クを配合した導電性の熱可塑性樹脂組成物に、化学式
(1)で表される構成単位及び化学式(2)で表される
構成単位からなる共重合体を配合することによって、該
組成物の表面固有抵抗を電子部品の静電気破壊の発生し
ない106 〜1011Ω/□の範囲に制御でき、測定電圧
が変化しても表面固有抵抗がこの範囲に制御されてい
る、従来の導電性樹脂組成物にない特性を持った熱可塑
性樹脂組成物を得ることができる。
【0054】比較例1及び2に示すように、化学式
(1)で表される構成単位及び化学式(2)で表される
構成単位からなる共重合体を配合しない場合及び配合量
が有効量以下の場合の該組成物の表面固有抵抗は静電気
破壊の発生しない範囲外であり、測定電圧による差も大
きく好ましくない。
【0055】比較例3〜7においては、有効量の化学式
(1)で表される構成単位及び化学式(2)で表される
構成単位からなる共重合体を含んでいるが、本発明の熱
可塑性樹脂組成物の要件を充足しない組成物であり、表
面抵固有抵抗の範囲や混練状態、層剥離の点で好ましく
ない。比較例8においては、本発明の熱可塑性樹脂組成
物の要件を充足しない組成物で成形されたICトレーの
表面抵固有抵抗は静電気破壊の発生しない範囲外であ
り、測定電圧による差も大きく好ましくない。
【0056】これに対して、本発明によれば、実施例か
らも明らかな通り、化学式(1)で表される構成単位及
び化学式(2)で表される構成単位からなる共重合体を
有効量配合し、適正な導電性カーボンブラックを配合す
ることにより、該組成物の成形品及び該組成物を用いて
成形されたICトレーの表面固有抵抗を電子部品の静電
気破壊の発生しない106 〜1011Ω/□の範囲に制御
でき、測定電圧が変化しても表面固有抵抗がこの範囲に
制御されている熱可塑性樹脂組成物を得ることができ
る。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、I
Cトレーにおける静電気破壊を防止するため、表面固有
抵抗が特定の範囲内にある熱可塑性樹脂組成物及び、そ
の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形されたICトレーを
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ICパッケージを載せるための凹みであるIC
搭載部を有するICトレーの外観を示す図の例である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)〜(c)の成分を含有し、得
    られた成形品の表面固有抵抗が、測定電圧10V〜50
    0Vの範囲にて106 〜1011Ω/□である熱可塑性樹
    脂組成物。 (a):ポリフェニレンエーテル系樹脂及び/又はスチ
    レン系樹脂 82〜97重量% (b):下記化学式(1)で表される構成単位及び下記
    化学式(2)で表される構成単位からなる共重合体 3
    〜18重量% (式中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基またはハ
    ロゲンである。) (c):ジブチルテレフタレート吸油量が70ml/1
    00g以上であるカーボンブラック (a)及び(b)
    の合計量100重量部に対して2〜45重量部
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(a)〜(c)に加え
    て、下記(d)を(a)中に0〜80重量%含有する請
    求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。 (d):室温で弾性体である天然及び合成の重合体であ
    るゴム様物質
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の熱可塑性樹脂組
    成物を用いたICトレー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256125A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Daicel Chem Ind Ltd 導電性樹脂組成物
KR100381972B1 (ko) * 2000-10-02 2003-05-01 한국지이플라스틱스 유한회사 반도체 칩 트레이용 폴리페닐렌옥사이드 또는폴리페닐렌에테르계 복합 수지 조성물
KR100646412B1 (ko) * 2004-12-21 2006-11-14 (주)켐텍솔루션 전기 전도성 폴리올레핀 수지 조성물 및 이를 채용한전자부품 포장용 용기, 시트
KR100855367B1 (ko) 2007-04-05 2008-09-04 (주)성호폴리텍 Ic 트레이용 개질 폴리페닐렌에테르와 그의 제조 방법,및 이를 기본재질로서 포함하는 ic 트레이

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