JPH05306365A - リサイクル性が改良された樹脂組成物 - Google Patents

リサイクル性が改良された樹脂組成物

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JPH05306365A
JPH05306365A JP4111267A JP11126792A JPH05306365A JP H05306365 A JPH05306365 A JP H05306365A JP 4111267 A JP4111267 A JP 4111267A JP 11126792 A JP11126792 A JP 11126792A JP H05306365 A JPH05306365 A JP H05306365A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リサイクル性が改良されたポリフェニレンエ
ーテル/ポリアミド樹脂組成物を提供する 。 【構成】 a)ポリフェニレンエーテル、b)ポリアミ
ドおよびd)アルカリ土金属酸化物からなることを特徴
とするリサイクル性が改良された樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形前後の溶融流動性
の変化が少なく、リサイクルに好適なポリフェニレンエ
ーテル(PPE)とポリアミド(PA)からなる樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PPE樹脂は機械的性質、耐熱性、寸法
安定性などの諸特性に優れた熱可塑性樹脂である。しか
し、PPE樹脂単独では衝撃特性、耐溶剤性が著しく悪
く、また、その溶融粘度が高いため加工性が悪い。一
方、PA樹脂は、優れた機械特性、耐溶剤性、加工性な
どに特長を持つ熱可塑性樹脂であるが、耐衝撃性、耐熱
性などが不良で、さらに吸水性が大きいことにより寸法
安定性が著しく悪く、また吸水による機械的特性の低下
も激しい。これらの樹脂の欠点をおぎなうため両者をブ
レンドする提案がなされている。
【0003】しかし、単純なブレンドのみでは、双方の
持っている良好な機械特性が失われる。そこで、PPE
樹脂とPA樹脂のブレンド時に、種々の相溶化剤を添加
して、分散性を改良し、機械的性質の向上を達成する工
夫がなされている。こうした手法は、特公昭60−11
966、特公昭61−10494、特開昭59−664
52、特開昭56−49753などに開示されている。
こうして得られたPPE/PA系樹脂組成物は、機械的
特性、耐熱性、耐溶剤性、加工性、寸法安定性、吸湿特
性に優れた材料として、電気・電子分野、自動車分野に
適用されつつある。近年、産業活動による自然環境破壊
が注目されるようになり省資源が重要な問題となってき
ている。樹脂の分野でも、リサイクルによる再利用が積
極的に進められている。
【0004】しかしながら、上記のPPE/PA系樹脂
組成物等では、例えば射出成形によるリサイクルを行っ
た場合、樹脂の劣化により流動性が著しく上昇したり、
また、タルク等を配合した系では、逆に流動性が低下す
る現象がみられる。従って、非リサイクル樹脂にリサイ
クル樹脂を混合しながら成形した場合その混合比率が変
わることによって、成形しようとしている樹脂の溶融粘
度が著しく変化する。混合比率が変わる毎に成形条件を
調整しなければ、収縮の大きい成形品や、周囲にバリが
発生した成形不良品ができるため、品質管理上著しい問
題を生じることになる。このため、リサイクルを行って
も溶融流動性の変化が少ない樹脂が要求されるようにな
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
前後の溶融粘度の変化が少なく、リサイクルに好適な、
良好な形状及び外観を有するPPE/ナイロン系樹脂組
成物を得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記のよ
うな事情に鑑み鋭意検討した結果、PPE/PA系樹脂
組成物にアルカリ土金属酸化物を添加することにより、
リサイクルや射出成形機内での長時間の滞留によって
も、溶融流動性があまり変化せず、良好な外観を有する
成形品が安定的に得られることを見いだし本発明に至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、 a)ポリフェニレンエーテル 5〜95重量部、 b)ポリアミド 95〜5重量部、 c)〔a)+b)〕100重量部に対し、0〜30重量
部の相溶性改良剤、 d)〔a)+b)〕100重量部に対し、アルカリ土金
属酸化物0.001〜10重量部、 e)〔a)+b)〕100重量部に対し、ゴム様物質0
〜100重量部、および f)〔a)+b)〕100重量部に対し、無機質充填材
0〜200重量部、 からなることを特徴とするリサイクル性が改良された樹
脂組成物に関するものである。
【0008】本発明で用いられるa)ポリフェニレンエ
ーテルとは、一般式化1(式中、R 1 、R2 、R3 、R
4 、およびR5 は水素、ハロゲン原子、炭化水素基もし
くは置換炭化水素基から選ばれたものであり、そのう
ち、必ず1個は水素原子である。)で示されるフェノー
ル化合物の一種または二種以上を酸化カップリング触媒
を用い、酸素または酸素含有ガスで酸化重合せしめて得
られる重合体である。
【0009】
【化1】
【0010】上記一般式化1に於けるR1 、R2
3 、R4 およびR5 の具体例としては、水素、塩素、
臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−またはi
so−プロピル、pri−、sec−またはt−ブチ
ル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチ
ル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、
メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、
クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、
エチルフェニル、アリルなどが挙げられる。
【0011】上記一般式化1の具体例としては、フェノ
ール、o−,m−,またはp−クレゾール、2,6−、
2,5−、2,4−または3,5−ジメチルフェノー
ル、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジ
フェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2
−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−、2,
3,6−または2,4,6−トリメチルフェノール、3
−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモール、2−
メチル−6−アリルフェノールなどが挙げられる。さら
に、上記一般式化1以外のフェノール化合物、例えば、
ビスフェノール−A、テトラブロモビスフェノール−
A、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂のよ
うな多価ヒドロキシ芳香族化合物と、上記一般式化1と
の共重合もよい。
【0012】これらの化合物の中で好ましいものとして
は、2,6−ジメチルフェノールまたは2,6−ジフェ
ニルフェノールの単独重合体および大量部の2,6−キ
シレノールと小量部の3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノールまたは2,3,6−トリメチルフェノールの共重
合体が挙げられる。フェノール化合物を酸化重合せしめ
る際に用いられる酸化カップリング触媒は、特に限定さ
れるものではなく、重合能を有する如何なる触媒でも使
用しえる。
【0013】さらに、本発明におけるa)ポリフェニレ
ンエーテルは、前述のポリフェニレンエーテルに、スチ
レン系重合体が混合されたもの、あるいは、他の重合体
がグラフトしているるものもふくまれる。上記スチレン
系樹脂とは、具体的にはスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン等から選ばれた一種または複数
種の重合単位からなる重合体であり、具体的にはポリス
チレン、ゴム補強ポリスチレン、ポリα−メチレルスチ
レン、ポリp−メチルスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体等が挙げられる。
【0014】スチレン系樹脂の混合量あるいはグラフト
量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して、
500重量部以下が望ましい。スチレン系樹脂の混合あ
るいは、グラフト量が500重量部より大きくなると、
該熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が著しく低下し好ましく
ない。
【0015】本発明で用いられるb)ポリアミドは、ラ
クタムあるいはアミノカルボン酸の重合およびジアミン
とジカルボン酸の重縮合によって得られるホモポリアミ
ドおよびコポリアミド等から選ばれた1種または2種以
上のポリアミドまたはその混合物である。具体的には、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン64、ナイロン1
0、ナイロン11、ナイロン12、メタキシリレンジア
ミンとアジピン酸の共重合体であるナイロンMXD6、
ナイロン66/6共重合体、パラアミノメチル安息香酸
とε−カプロラクタムとの共重合ポリアミド(ナイロン
AHBA/6)、2,2,4−/2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主成分と
するポリアミド(ナイロンTHDT、THDT/6
I)、等があげられるが、これらに限定されない。
【0016】本発明におけるa)ポリフェニレンエーテ
ルとb)ポリアミドの配合比は、ポリフェニレンエーテ
ル5から95重量部に対し、ポリアミド95〜5重量部
の範囲である。好ましくは、ポリフェニレンエーテル2
0から80重量部に対し、ポリアミド80〜20重量部
の範囲である。
【0017】本発明で用いられるc)相溶性改良剤は、
元来a)ポリフェニレンエーテルと、b)ポリアミドの
親和性が悪いため、同時に溶融混練してもPPE粒子が
約10ミクロン以上の粒子径でしか分散せず、極めて低
い機械的物性しか示さないという欠点を改良するために
配合するもので、次のA)〜F)からなる群から選ばれ
る一種またはそれ以上の化合物が例示される。
【0018】A)分子内に、ア)炭素−炭素二重結合ま
たは、炭素−炭素三重結合および、イ)カルボキシル
基、酸無水物基、アミノ基、酸アミド基、イミド基、エ
ポキシ基、カルボン酸エステル基、イソシアネート基、
メチロール基、オキサゾリン環を有する基もしくは水酸
基を同時に有する化合物。(具体例としては、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマール酸、不飽和アミン、グリ
シジルメタクリレート等がありこれらの化合物の詳細
は、特開昭56−26913号、特開昭56−4975
3号公報等に記載されている。)
【0019】B)式 (R1 O)m R(COOR2 n (CONR
3 4 s 〔ここで、R:直鎖または分岐脂肪族炭化水素で炭素数
2〜20で好ましくは2〜10、R1 :水素、アルキ
ル基、アリール基、アシル基、またはカルボニルジオキ
シ基で特に好ましくは水素、R2 :水素、アルキル基、
またはアリール基で炭素数1〜20、好ましくは1〜1
0、R3 及びR4 :水素、アルキル基、またはアリール
基で炭素数1〜10、好ましくは1〜6、さらに好まし
くは1〜4、m=1、n+s:2以上の整数、好ましく
は2または3、n:0以上の整数、s:0以上の整数、
(R1 O)はカルボニル基のα位またはβ位に位置し、
少なくとも2つのカルボニル基の間には、2〜6個の炭
素が存在する。〕によって表わされる飽和脂肪族ポリカ
ルボン酸およびその誘導体化合物。(具体的には、飽和
脂肪族ポリカルボン酸のエステル化合物、アミド化合
物、無水物、水加物及び塩などを示す。飽和脂肪族ポリ
カルボン酸として、クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸
等である。これらの化合物の詳細は、特表昭61−50
2195号公報に記載されている。)
【0020】C)式 (I)−Z−(II) [式中、(I)は、少なくとも式:(X−CO)−(式
中Xは、F、Cl、B、I、OH、OR、または−O−
CO−Rで、RはH、アルキル基またはアリール基であ
る)の基、(II)は少なくともカルボン酸、酸無水物
基、酸アミド基、イミド基、カルボン酸エステル基、ア
ミノ基またはヒドロキシル基であり、(I)及び(II)
の基は、2価炭化水素である結合Zを介して共有結合し
ている。]で表わされる化合物。(具体的には、クロロ
ホルミルこはく酸無水物、クロロエタノイルこはく酸無
水物、トリメリット酸無水物酸クロライド、トリメリッ
ト酸無水物酢酸無水物、テレフタル酸酸クロライド等が
あげられる。)
【0021】D)分子構造中に、ア)酸素の架橋を介し
て炭素原子に結合された少なくとも1つのケイ素原子、
及びイ)少なくともエチレン性炭素−炭素二重結合もし
くは炭素−炭素三重結合及び/またはアミノ基及びメル
カプト基から選ばれる官能基、の両方を有し、前期官能
基がケイ素原子に結合されていない、シラン化合物
【0022】E)酸化ポリオレフィンワックス。 F)ビニル芳香族化合物の単位及びα、β−不飽和ジカ
ルボン酸もしくはジカルボン酸無水物の単位を有する共
重合体、またはビニル芳香族化合物の単位及びα、β−
不飽和ジカルボン酸のイミド化合物の単位を有する共重
合体。
【0023】しかし、本発明における相溶性改良剤は、
ここに例示した化合物に限定されず、PPEとナイロン
の相溶性を改良する目的で使用される化合物であればよ
く、単独または複数の相溶性改良剤を同時に使用しても
よい。該相溶性改良剤c)の配合量は、a)ポリフェニ
レンエーテルとb)ポリアミドの合計量〔a)+b)〕
100重量部に対し、0から30重量部で、30重量部
を越えると耐熱性の低下や分解などによる著しい強度低
下などが起こるため好ましくない。好ましい配合量は、
0.05重量部から25重量部である。また、この相溶
性改良剤を配合するとき、有機パーオキサイド等のラジ
カル開始剤を併用してもよい。
【0024】本発明で用いるd)アルカリ土金属酸化物
とは、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ラジウ
ム等の酸化物であるが、上記酸化物は、単独で用いても
よく、二種以上の混合物として用いてもよい。これらの
アルカリ土金属酸化物は、水と容易に反応して水酸化物
を作り、該水酸化物は、比較的高温でも安定である。
【0025】本発明において使用されるアルカリ土金属
酸化物d)の量は、〔a)+b)〕100重量部に対し
0.001から10重量部である。0.001重量部未
満では、改良効果が少なく10重量部を越える場合、組
成物の物性の低下が大きいため好ましくない。さらに好
ましくは、0.01〜5重量部、最も好ましくは0.1
〜3重量部の範囲である。
【0026】本発明におけるe)ゴム様物質は室温で弾
性体である天然及び合成の重合体材料を含み、衝撃特性
を改良するためにPPE/PA系樹脂組成物に使用され
るゴム様樹脂であればなんでもよい。特に好ましいゴム
としては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、ポ
リブタジエン、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、部分水添スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレ
ン−イソプレンブロックコポリマー、部分水添スチレン
−イソプレンブロックコポリマー、ポリウレタンゴム、
スチレングラフト−エチレン−プロピレン−非共役ジエ
ンゴム、スチレン−グラフト−エチレン−プロピレンゴ
ム、スチレン/アクリロニトリル−グラフト−エチレン
−プロピレン−非共役ジエンゴム、スチレン/アクリロ
ニトリル−グラフト−エチレン−プロピレンゴム等、あ
るいはこれらの混合物が用いられる。また、他の酸もし
くはエポキシなどをふくむ官能性単量体により変性した
変性ゴムを用いてもよい。
【0027】該ゴム様物質e)の配合量は、〔a)+
b)〕100重量部に対し、0〜100重量部である。
該ゴム様物質の配合量が100重量部を越えると、該樹
脂組成物の剛性の低下が著しく好ましくない。
【0028】本発明において、該樹脂組成物に配合され
るf)充填剤は、一般に剛性の改良や硬度の改良等を目
的に配合される。適当な充填剤として、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸、
含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム、マイ
カ、鉱物繊維、ゾノトライト、チタン酸カリウム・ウイ
スカ、マグネシウムオキシサルフェート、ガラスバル
ン、ガラス繊維、ガラスビーズ、カーボン繊維、ステン
レス繊維等の無機繊維、アラミド繊維、カーボンブラッ
ク等があるが、これらの充填剤を一種以上配合すること
が可能である。また、配合する充填剤は、これらに限定
されない。
【0029】これらの充填剤f)の配合量は、〔a)+
b)〕100重量部に対し、0〜200重量部である。
充填剤の配合量が200重量部を越えると、該組成物の
耐衝撃性が著しく低下したり、成形加工時の流動性が著
しく低下するため好ましくない。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記a)
〜f)成分を公知の方法で配合し、溶融混練して得られ
るがその際の配合混練順序は任意であり、各成分の組合
せを別々に混練したのち各組あわせをすべて配合して混
練してもよいし、一つの押し出し機において複数のフィ
ード口をもうけシリンダーに沿って一種以上の各成分を
順次フィードしてもよい。なお、本発明の組成物にさら
に慣用の添加剤たとえば難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、
耐候剤等を添加してもよい。特にポリフェニレンエーテ
ルまたはナイロンの添加剤として公知の物を使用した場
合さらにこのましい効果が得られる。
【0031】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳しく説明す
るが、これは単なる例示であり、本発明はこれに限定さ
れるものではない。各実施例および比較例は、まずポリ
フェニレンエーテルと相溶性改良剤、ゴム及び場合によ
ってはラジカル発生剤を東芝機械製TEM50二軸混練
機の第一フィード口に投入し260℃のシリンダー温度
にて溶融混練した後さらに第一フィード口とダイスの間
に設けた第二フィード口より残りの成分を投入しもう一
度溶融混練した。さらにダイスより押し出した溶融樹脂
を水槽にて冷却後ストランドカッターによりペレット化
した。こうして得たペレットを120℃2時間熱風乾燥
した後、住友重機械製住友ネスタール射出成形機サイキ
ャップ110/50によりシリンダー温度290℃、射
出圧力1200kg/cm2 、金型温度80℃の条件で
テストピースを成形した。こうして得たペレット及びテ
ストピースを下記の方法によって試験し、各データを得
た。
【0032】(メルトインデクス:MI)各樹脂組成物
の成形前のペレット及び、同一のペレットを使用して射
出成形した成形品をニッパーにて約5mm角にしたペレ
ットを140度摂氏で4時間真空乾燥後280度摂氏に
て10kg荷重でのメルトインデクスを求めた。 (成形品外観)射出成形にて得た3.2mmtのアイゾ
ット試験用テストピースの成形品表面を目視により観察
した。
【0033】実施例および比較例の各組成物を得るに当
たり次に示す原料を準備した。 (ポリフェニレンエーテル:PPE)本実施例では、
2,6−ジメチルフェノールを単独重合することによっ
て得られた、クロロホルム溶液(濃度:0.5g/d
l)、30℃で測定した対数粘度が0.46であるポリ
フェニレンエーテルを使用した。 (ポリアミド:PA)数平均分子量12500のナイロ
ン6。 (ゴム様物質)シェル化学社製スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体カリフレックス TR110
1。 (相溶性改良剤)無水マレイン酸(MAH)。 (ラジカル開始剤:PO)ジクミルパーオキサイド。 (アルカリ土金属酸化物)酸化カルシウム(CaO)、
酸化マグネシウム(MgO)。 (無機充填剤) マイカ:クラライトマイカ400w(クラレ社製)。 タルク:ミクロンホワイト#5000(林化成社製)。
【0034】実施例1〜4及び比較例1 配合組成及びその性能の測定結果を表1に示す。
【0035】実施例5〜8及び比較例2〜3 表2に従いフィラー強化系サンプルの造粒を行い、得ら
れた試料の性能を表2に示す。
【0036】これら実施例、比較例から明きらかなよう
に、本発明による樹脂組成物は、成形前後の溶融粘度の
変化が少なく、したがって、リサイクルに好適であるこ
とがわかる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、発明によれば、ポリ
フェニレンエーテル/ポリアミド系樹脂組成物にアルカ
リ土金属酸化物を配合することにより、射出成形前後の
樹脂組成物の溶融流動性の変化が著しく少なくなり、リ
サイクル成形性が良好な樹脂組成物を提供することがで
きる。また、充填材配合系では、射出性形品の表面にシ
ルバーといわれる不良現象が発生しやすいが、アルカリ
土金属酸化物の配合によりシルバーの発生がなくなり成
形品の品質向上に非常に有効であることが明かである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)ポリフェニレンエーテル 5〜95重
    量部、 b)ポリアミド 95〜5重量部、 c)〔a)+b)〕100重量部に対し、0〜30重量
    部の相溶性改良剤、 d)〔a)+b)〕100重量部に対し、アルカリ土金
    属酸化物0.001〜10重量部、 e)〔a)+b)〕100重量部に対し、ゴム様物質0
    〜100重量部、および f)〔a)+b)〕100重量部に対し、無機質充填材
    0〜200重量部、 からなることを特徴とするリサイクル性が改良された樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】d)アルカリ土金属酸化物が、酸化カルシ
    ウムおよび/または酸化マグネシウムである請求項1記
    載の樹脂組成物。
JP04111267A 1992-04-30 1992-04-30 リサイクル性が改良された樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3111625B2 (ja)

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