JPH1045679A - 炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置 - Google Patents

炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置

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JPH1045679A
JPH1045679A JP9097650A JP9765097A JPH1045679A JP H1045679 A JPH1045679 A JP H1045679A JP 9097650 A JP9097650 A JP 9097650A JP 9765097 A JP9765097 A JP 9765097A JP H1045679 A JPH1045679 A JP H1045679A
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acid diester
liquid
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応器から回収されるCO含有ガス中のCO2
を選択的に吸収除去して、COを反応系に循環して再利
用することができるような炭酸ジエステルの製造方法、
CO2除去方法、CO2吸収剤および炭酸ジエステル製造
装置。 【解決手段】 (1) アルコールと一酸化炭素(CO)と
酸素とを反応させた反応器から、COおよび反応で副生
する二酸化炭素(CO2)を含むガス(i)を抜き出し、
(2) 抜き出されたガス(i)を、アルコール含有液と接触
させてガス(i)中に含まれるCO2の少なくとも一部を吸
収除去し、(3) CO2の少なくとも一部が吸収除去され
たCO含有ガス(ii)を前記反応器に循環して反応に用い
ることを特徴としている。上記ガス(i)は気液分離させ
た後に、分離されたガスをアルコール含有液と接触させ
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、アルコールの酸化的カル
ボニル化反応による炭酸ジエステルの製造方法に関し、
さらに詳しくはアルコールと一酸化炭素と酸素とを反応
させて炭酸ジエステルを製造する際に、反応器から抜き
出される一酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を除去した
後に一酸化炭素含有ガスを反応器に循環して有効に利用
しうる炭酸ジエステルの製造方法および製造装置に関す
る。さらに炭酸ジエステルの製造における二酸化炭素
(CO2)含有ガスからのCO2の除去方法、CO2吸収
剤に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より炭酸ジエステルの合成方
法として、アルコール(ROH、式中Rはアルキル基、
シクロアルキル基またはアラルキル基である)と、一酸
化炭素と、酸素とを、触媒の存在下に反応させるアルコ
ールの酸化的カルボニル化反応が知られている。
【0003】2ROH + CO + 1/22
(RO)2CO + H2O このようなアルコールの酸化的カルボニル化反応では、
アルコールおよびCOの燃焼(完全酸化)により二酸化
炭素(CO2)も副生される。またアルコールの転化率
を上げるために過剰量のCOを反応系に供給しており、
この反応を工業的に行う際には未反応のCOを再使用す
ることが望ましい。
【0004】ところで上記反応を液相で行う場合には、
反応生成物(炭酸ジエステル)、アルコールおよび水は
実質的に反応液に回収され、COガスおよびCO2ガス
が反応器上部から抜き出される。
【0005】また上記反応を気相で行う場合には、反応
系から抜き出されるガスは、COガス、CO2ガス、反
応生成物(炭酸ジエステル)、アルコールおよび水など
を含んでおり、このガスを冷却して気液分離し、炭酸ジ
エステル、水およびアルコールを含む液相と、COガス
およびCO2ガスを含むガス相とに分離することができ
る。
【0006】上記のように反応器から回収されるガスあ
るいは気液分離工程を経て回収されるガスをそのまま循
環再使用しつづけると、COガスに同伴するCO2ガス
が反応系に蓄積して反応速度が低下する。このため所定
期間毎に反応器内の反応ガスをパージしてCO2の蓄積
を防がなければならないという問題点があった。
【0007】反応器から抜き出されたガスを処理して反
応器に循環させる方法も提案されており、たとえば特開
平6−1754号公報には、アルコールとCOとO2
を反応させて炭酸ジアルキルを製造するに際して、反応
器から抜き出されたガス中に存在するCOとO2を反応
器に循環するに際し、副生されたCO2を循環ガスから
排除すべき場合には、循環ガスの一部をCO2スクラバ
ーに通過させることが示されている。また特開平7−5
3475号公報には、反応器から抜き出したガス流から
水を蒸留除去して得られる(ジ)アルキルカーボネート
/アルカノール混合物を循環させることにより反応系の
水濃度を低下させるに際して、蒸留塔頂部から抜き出さ
れたCO/CO2混合ガスをスクラバーに通過させてN
aOHと接触させ、CO2をNaHCO3として除去した
後、ガスを反応器に循環する方法が提案されている。
【0008】しかしながら上記のようなCO2ガスをN
aOHなどの塩基性溶液で処理すると、ガス中に同伴す
るアルコールや炭酸ジエステルの回収が困難なばかりで
なく、該ガス中に含有される炭酸ジエステルはアルコー
ルとCO2に加水分解されやすく、また生成するNaH
CO3の処理も必要になる。
【0009】なお特開平7−145109号公報には、
DMC(炭酸ジメチル)製造において、反応生成物中に
含まれる触媒に由来するHClおよび銅塩を除去する方
法として、反応器から抜き出されるガス−蒸気流の温度
とほぼ同温度で合成プロセス流体(水/メタノール/D
MC混合液)と接触させる方法が提案されている。この
方法では、ガス−蒸気流と合成プロセスの流体との接触
は、120〜150℃程度の温度で、反応器からのガス
−蒸気流が実質的に凝縮しないような条件下で行われて
おり、このような条件下では、ガス−蒸気流中に含まれ
るCO2は合成プロセス流体には吸収されにくい。
【0010】なおCO2の一般的な吸収法としては、ア
ミン吸収法と熱炭酸カリウム法が知られているが、この
ような塩基性溶液を用いると、回収ガス中に含まれる炭
酸ジエステルおよびアルコールを回収することは困難で
あり、また炭酸ジエステルの加水分解が起こるおそれが
大きい。さらにCO2の吸収法としては、ポリグリコー
ルのジメチルエーテルを吸収液とする方法(SELECSOL
法)も知られているが、このような吸収液を用いると、
蒸留塔を必要としたり操作も繁雑となり、炭酸ジエステ
ルの製造方法においては必ずしも適した方法とは言いが
たい。
【0011】このように炭酸ジエステルの製造方法にお
いては、従来より反応系から回収されるCOおよびCO
2を含有するガスから、CO2を効率的に除去してCOを
循環再利用する方法の出現が望まれていた。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、アルコールと一酸化炭素と酸
素とを反応させて炭酸ジエステルを製造する際に、反応
器から回収されるCO含有ガス中のCO2を選択的に吸
収除去して、CO含有ガスを反応系に循環して再利用す
ることができるような炭酸ジエステルの製造方法および
製造装置を提供することを目的としている。さらに炭酸
ジエステルの製造における二酸化炭素(CO2)含有ガ
スからのCO2の除去方法、CO2吸収剤をも提供するこ
とを目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法
は、アルコールの酸化的カルボニル化反応により炭酸ジ
エステルを製造するに際して、(1) アルコールと一酸化
炭素(CO)と酸素とを反応させた反応器から、COお
よび反応で副生する二酸化炭素(CO2)を含むガス(i)
を抜き出し、(2) 抜き出されたガス(i)を、アルコール
含有液と接触させてガス(i)中に含まれるCO2の少なく
とも一部を吸収除去し、(3) CO2の少なくとも一部が
吸収除去されたCO含有ガス(ii)を前記反応器に循環し
て反応に用いることを特徴としている。
【0014】ガス(i)は気液分離させた後に、分離され
たガスをアルコール含有液と接触させることが好まし
い。ガス(i)と接触させたアルコール含有液を加熱およ
び/または減圧してCO2を放散した後、CO2吸収用の
アルコール含有液として用いることができる。
【0015】また本発明では、炭酸ジエステルの製造に
おいて、二酸化炭素(CO2)を含むガスを、CO2がア
ルコール含有液に吸収されうる条件下で、アルコール含
有液と接触させることからなるCO2含有ガスからのC
2除去方法も提供される。
【0016】上記アルコール含有液は、炭酸ジエステル
を含んでいてもよい。本発明では、アルコールからなる
炭酸ジエステル製造に用いるCO2吸収剤も提供され
る。このアルコールからなるCO2吸収剤は、炭酸ジエ
ステルを含んでいてもよい。
【0017】本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、
(a) アルコールと一酸化炭素と酸素とを反応させる炭酸
ジエステル合成反応器と、(b) 前記炭酸ジエステル合成
反応器からガス(i)を抜き出すガス抜き出し経路と、(c)
前記ガス抜き出し経路に接続され、吸収液であるアル
コール含有液と、反応器から抜き出されたガス(i)とを
接触させ、ガス(i)中に含まれるCO2の少なくとも一部
を吸収除去するCO2吸収塔と、(d) CO2吸収塔からC
2の少なくとも一部が吸収除去されたガス(ii)を、炭
酸ジエステル合成反応器に循環させるガス循環経路と、
を含むことを特徴としている。
【0018】上記において、(j)前記炭酸ジエステル合
成反応器から、CO2吸収塔に接続されたガス抜き出し
経路(b) の途中に、ガス(i)から炭酸ジエステルを含ん
だ液を分離する気液分離器を備えていることが好まし
い。
【0019】本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、
通常上記に加えて、(e)前記CO2吸収塔で吸収されたC
2を含んだアルコール含有液を回収するアルコール含
有液回収経路と、(f)前記アルコール含有液回収経路に
接続され、CO2を含んだアルコール含有液からCO2
放散するCO2放散装置と、(g)前記CO2放散装置でC
2が除去されたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環
するためのアルコール含有液循環経路と、を備えてい
る。
【0020】また本発明に係る炭酸ジエステル製造装置
は、上記(a)〜(g)に加えて、(h)前記CO2放散装置でC
2が除去されたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環
するためのアルコール含有液循環経路から分岐して、ア
ルコール含有液の一部を炭酸ジエステル精製系に導入す
るためのアルコール含有液導入経路と、(j)前記のよう
な気液分離器と、(k)該気液分離器で分離された炭酸ジ
エステルを含んだ液を、炭酸ジエステル精製系に導入す
る反応液導入経路と、(m)前記アルコール含有液と炭酸
ジエステルを含んだ液から水とアルコールとを分離し
て、炭酸ジエステルを精製する炭酸ジエステル精製系
と、を備えていることが好ましい。
【0021】また本発明に係る炭酸ジエステル製造装置
は、上記(a)〜(g)に加えて、(h)上記アルコール含有液
導入経路と、(n)前記炭酸ジエステル合成反応器で生成
された炭酸ジエステルを含んだ反応液を炭酸ジエステル
精製系に導入するための反応液導入経路と、(m)上記炭
酸ジエステル精製系と、を備えていることが好ましく、
さらにこの炭酸ジエステル製造装置は、(j)上記のよう
な気液分離器と、(k)該気液分離器で分離された炭酸ジ
エステルを含んだ液を、炭酸ジエステル精製系に導入す
る反応液導入経路と、を備えていることが好ましい。
【0022】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る炭酸ジエステ
ルの製造方法、CO2除去方法、CO2吸収剤および製造
装置について、アルコールと一酸化炭素と酸素との反応
を例に図を参照しながら具体的に説明する。
【0023】(1) アルコールと一酸化炭素と酸素との反
本発明では、アルコールの酸化的カルボニル化反応によ
る炭酸ジエステルの合成は、図1に示すような反応器1
に、アルコール、一酸化炭素(CO)および酸素を導入
して触媒の存在下で反応させることにより行われる。
【0024】2ROH + CO + 1/22
(RO)2CO + H2O 反応は、気相反応または液相反応のいずれの形態でも行
うことができる。反応器の形式も適宜に選択採用するこ
とができ、たとえば気相反応の場合には、固定層あるい
は流動層などを用いることができ、液相反応の場合に
は、通気撹拌槽、気泡塔などを用いることができる。
【0025】反応器1は、水などを冷却媒体とする冷却
器1fを備えていてもよい。またこの反応を行なうに際
しては、反応系に不活性ガスたとえば窒素、水素などが
存在していてもよい。
【0026】ライン1aから反応器に供されるアルコー
ル(ROH)としては、炭素数1〜7の脂肪族アルコー
ル、脂環族アルコールおよびフェノール類などが挙げら
れる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シク
ロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノー
ル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどの1
価アルコールが例示される。
【0027】これらのうち、特にメタノール、エタノー
ルなどが好ましく、これらを組合わせて用いてもよい。
【0028】なお図1においては、上記ROHとしてメ
タノール(MeOH)を用いて炭酸ジメチル(DMC)
を合成する場合について説明するが、本発明に係る炭酸
ジエステルの製造方法はなんらこの図に限定されるもの
ではない。ライン1bからは酸素が供給され、ライン1
cからは一酸化炭素が供給される。
【0029】反応条件は、気相反応または液相反応かに
より適宜選定すればよい。たとえば反応を気相で行なう
場合には、反応温度は、70〜350℃、好ましくは8
0〜250℃であり、反応圧力は、常圧ないし35kg/
cm2G、好ましくは2〜20kg/cm2Gであることが望ま
しい。
【0030】酸素は、アルコール1モルに対して、好ま
しくは0.01〜0.3モル、さらに好ましくは0.05
〜0.2モルの量である。一酸化炭素は、アルコール1
モルに対して、0.2〜100モルが好ましく、さらに
アルコールの転化率を高めるために化学量論量よりも過
剰に用いることが好ましく、また循環ガスの供給動力の
面からは、0.5〜10モルの量で供給されることが望
ましい。
【0031】また反応を液相で行なう場合には、反応温
度は、80〜200℃、好ましくは100〜150℃で
あり、反応圧力は、5〜50kg/cm2G、好ましくは1
0〜30kg/cm2Gであることが望ましい。酸素及び一
酸化炭素の供給量は上記条件を採用することが望まし
い。
【0032】触媒としては、上記反応により炭酸ジエス
テルを合成できるものであればよく、たとえばハロゲン
化銅などの銅系触媒、塩化パラジウムなどのパラジウム
系触媒、さらにハロゲン化銅とフェニル基またはアルキ
ル基を有する第三級有機リン化合物とから製造される触
媒、ハロゲン化銅とアルカリ金属水酸化物またはアルカ
リ土類金属水酸化物とから製造される触媒などが挙げら
れる。これらは反応形式に応じてそのままで、あるいは
活性炭、酸化チタン、酸化ニオブ、シリカ、酸化ジルコ
ニウム、酸化マグネシウム、アルミナなどの適当な担体
に担持した形態で用いることができる。
【0033】(2) CO2の吸収除去 上記の反応器1のライン1dから抜き出されるガス(i)
を吸収塔2に導いてアルコール含有液と接触させて、ガ
ス(i)中に含まれるCO2を選択的に吸収除去する。
【0034】この反応器から抜き出されたガス(i)は、
通常目的生成物である炭酸ジエステル(DMC)、反応
により生成する水、未反応アルコール(MeOH)、未
反応CO、副生CO2などを含んでいる。
【0035】本発明では、図1に示すように反応器から
抜き出されるガス(i)をそのまま吸収塔2に導いてアル
コール含有液と接触させてもよく、また図2に示すよう
にガス(i)を気液分離器6で気液分離し、分離されたガ
スをライン6aから吸収塔2に導いてアルコール含有液
と接触させてもよい。
【0036】より具体的にはたとえば図1に示すように
炭酸ジエステル、水、アルコールなどの大部分が、反応
器のライン1eから液相として抜き出される場合には、
反応器ライン1dから抜き出されるガス(i)を直接吸収
塔2に導いてアルコール含有液と接触させることができ
る。この際にもガス(i)を一旦気液分離器6(図示せ
ず)に導いて気液分離して、ガス(i)中に含まれる炭酸
ジエステル、水、アルコールなどを除去した後、ガスを
アルコール含有液と接触させてもよい。
【0037】また図2に示すように反応生成物を反応器
ライン1dからガス流として抜き出す場合には、冷却器
7を介して、ガス(i)を気液分離器6に導いて気液分離
し、分離されたガスをライン6aから吸収塔2に導くこ
とが好ましい。このようにガス(i)を予め気液分離する
ことにより吸収塔2の負荷が軽減される。
【0038】気液分離器6において、ガス(i)の気液分
離は、高圧、低温下で行うことが望ましいが、経済性の
面からは圧縮機あるいは冷凍器を必要としないような高
圧、低温下で行うことが好ましい。具体的に圧力は、前
述の反応圧力と同等範囲であればよく、通常、反応器と
同程度の圧力で行われる。温度は、40℃以下であるこ
とが好ましい。このような気液分離器6としては、具体
的にはフラッシュドラムなどが挙げられ、たとえばライ
ン1dから抜き出されたガス(i)を冷却器7によって冷
却して、フラッシュドラム6などで気液分離することが
できる。
【0039】ガス(i)を冷却するに際しては、後述する
吸収塔の出口ガス(ii)を用いることも有効的である。例
えば、冷却器7にて冷却した後のガス(i)と吸収塔の出
口ガス(ii)との間で熱交換を行なってガス(i)の温度を
下げるようにしてもよい。
【0040】また気液分離器6として、前述の特開平7
−53475号公報に記載のように蒸留塔を用いて、反
応器1から抜き出されるガスからCOおよびCO2を主
体とするガスを得ることもできる。
【0041】気液分離器6により分離された液体は、主
に炭酸ジエステル、アルコールおよび水を含有してお
り、ライン6bを介して後述するような炭酸ジエステル
精製系5に導いて、炭酸ジエステルおよびアルコールを
回収することが好ましい。
【0042】ライン6aから抜き出される分離ガス中に
は、主にCO、CO2が含まれており、さらにDMC、
MeOH、水なども少量含まれている。
【0043】吸収塔2において、アルコール含有液とし
ては、反応に用いられるアルコールと同じアルコールが
用いられることが好ましく、アルコール含有液はアルコ
ール以外にも炭酸ジエステル、水、他の反応生成物を含
んでいてもよい。たとえば反応器のライン1e(図1参
照)から抜き出される反応液(触媒含有液の場合は触媒
を分離除去して得られる液)、あるいは気液分離器のラ
イン6b(図2参照)から抜き出される反応液を用いる
ことができる。
【0044】アルコール含有液のアルコール濃度は、特
に制限されないが、通常20〜100重量%であること
が好ましい。
【0045】ガス(i)と、アルコール含有液との接触
は、CO2がアルコール含有液に吸収されうる条件下に
行われればよく、特に制限はない。例えば大気圧以上、
好ましくは5気圧以上の圧力下で行うことができる。さ
らに反応器圧力と同程度の圧力で行うことが操作性の面
から好ましい。温度は30℃以下、好ましくは0℃以下
で、かつ経済性の観点からは−30℃以上の条件下で行
うことが望ましい。
【0046】このようにガス(i) を低温のアルコール含
有液と接触させることにより、ガス中のCO2は選択的
に吸収され、吸収塔出口2aからCO2の少なくとも一
部が吸収除去された循環ガス(ii)が得られる。
【0047】この吸収塔2においては、副反応で生成す
る量に見合う程度のCO2を吸収除去すればよく、得ら
れる循環ガス(ii)中にCO2がある程度残存していても
問題はない。
【0048】具体的には、循環ガス(ii)中に含まれるC
2と、アルコール含有液中に吸収除去されるCO2との
量比は、0.1〜20:1好ましくは2〜10:1程度
であればよい。
【0049】このように循環ガス中のCO2濃度(分
圧)をある程度上げることにより、アルコール含有液へ
のCO2の吸収を容易にすることもできる。吸収塔2の
ライン2bからから抜き出されるアルコール含有液は、
アルコール、CO2とともに主に炭酸ジエステル、水な
どを含有している。
【0050】本発明では、CO2の吸収液としてアルコ
ール含有液を用いているので、吸収された反応生成物D
MCがアルコール含有液中で加水分解されることがな
く、ガス(i) 中に含まれる炭酸ジエステル、アルコール
を有効的にアルコール含有液中に溶解することができ
る。
【0051】(3) COの循環再使用 本発明においては、上記のように吸収塔2においてCO
2の少なくとも一部が吸収除去された循環ガス(ii)は、
主にCOを含んでおり、ライン2aから反応器1に導入
して、一酸化炭素源として使用する。
【0052】(4) CO2放散 本発明では、上記のように吸収塔2から抜き出されたア
ルコール含有液からCO2を放散させる工程を加えるこ
とが好ましい。
【0053】具体的には、ライン2bから抜き出したア
ルコール含有液を放散装置4に導き、加熱および/また
は減圧してライン4aからCO2を放散させ、ライン4
bからアルコール含有液を吸収塔2に循環して用いるこ
とができる。
【0054】放散装置4としては、放散塔あるいはフラ
ッシュドラムなどを使用できる。図では放散装置4の底
部の液循環ラインに加熱器を設けた例を示しているが、
放散装置としてフラッシュドラムを用いる場合には加熱
器を設けなくてもよい。
【0055】アルコール含有液からのCO2の放散は、
吸収塔の操作圧力よりも低い圧力、好ましくは大気圧下
で行われる。温度は放散塔の場合は放散塔塔底温度とし
てアルコール含有液の沸点近傍の温度で行なうことが好
ましい。フラッシュドラムを用いる場合はアルコール含
有液の融点以上の温度で行えばよい。
【0056】(5) 炭酸ジエステルの精製 また上記(4) においてライン4bから吸収塔2に循環さ
せるアルコール含有液は、主にMeOH、DMC、水な
どを含んでおり、このアルコール含有液の一部を、ライ
ン4cを介して炭酸ジエステルの精製系5に導入し、該
アルコール含有液中に含まれるDMC(炭酸ジエステ
ル)およびMeOH(アルコール)を分離回収すること
が好ましい。
【0057】さらに図2に示すように、この精製系5に
は、気液分離器6のライン6bから、主にMeOH、D
MC、水などを含む液を導いて、該液中に含まれるDM
CおよびMeOHを分離回収する。
【0058】また図1に示すように、反応器1の下部か
らライン1eを介して、主にMeOH、DMC、水など
を含む反応液を精製系5に導いて、該反応液中に含まれ
るDMCおよびMeOHを分離回収する。
【0059】このように精製系5で分離されたMeOH
は、通常反応器1に循環させる。炭酸ジエステルの精製
法としては通常の方法が用いられ、たとえば蒸留法など
によりアルコール含有液あるいは反応液中に含まれる炭
酸ジエステル、アルコール、水を分離することができ
る。
【0060】アルコール含有液には、炭酸ジエステルな
どが蓄積してくるが、本発明では、吸収塔2において、
反応原料と同じアルコールをアルコール含有液として用
いれば、CO2が放散除去された後のアルコール含有液
を炭酸ジエステルの精製工程に導入することによって、
反応器から抜き出されたガス(i)中に含まれる炭酸ジエ
ステルを効率的に回収することができる。
【0061】CO2除去方法 本発明では、炭酸ジエステルの製造において、上記(2)
CO2の吸収除去で示したようなCO2含有ガスからのC
2除去方法も提供され、具体的に、二酸化炭素(C
2)を含むガスを、CO2がアルコール含有液に吸収さ
れうる条件下で、アルコール含有液と接触させることか
らなるCO2含有ガスからのCO2除去方法も提供され
る。このアルコール含有液は、上記したように炭酸ジエ
ステルや水などを含んでいてもよい。
【0062】CO2吸収剤 また本発明では、アルコールからなる炭酸ジエステル製
造に用いるCO2吸収剤も提供される。
【0063】具体的には上記(2) CO2の吸収除去で用
いられたようなアルコール含有液が挙げられ、前述の炭
素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよ
びフェノール類などよりなるものが挙げられる。これら
のうちでも、メタノール、エタノールが好ましく用いら
れる。
【0064】また、炭酸ジエステル(RO)2COを構
成する炭化水素基Rが、アルコール(ROH)の炭化水
素基Rと同じアルコールを用いることが好ましい。この
CO2吸収剤は、CO2吸収効率の点から液状で使用する
ことが好ましい。CO2吸収剤は、アルコール以外にも
炭酸ジエステルを含んでいるアルコール含有液であって
もよく、さらに水などの物質を含んでいてもよい。CO
2吸収剤のアルコール濃度は、特に制限されないが、通
常、20〜100重量%の範囲で好ましく用いられる。
【0065】CO2吸収剤とCO2を含有するガスとの接
触は、CO2が吸収される条件で行われる。例えば、大
気圧以上、好ましくは5気圧以上の圧力下で行うことが
できる。炭酸ジエステル製造においては、特に炭酸ジエ
ステル合成反応器での圧力と同程度の圧力とすることが
操作性の面から好ましい。接触温度は、30℃以下、好
ましくは0℃以下で、かつ経済性の観点からは−30℃
以上の条件下で行うことが望ましい。
【0066】CO2吸収剤の再生方法としては特に限定
されないが、加熱および/または減圧により脱気する方
法を挙げることができる。本発明に係るCO2吸収剤
は、アルコールからなり、炭酸ジエステル製造時に用い
られる。
【0067】炭酸ジエステル製造装置 本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、上記のような
炭酸ジエステルの製造方法を実施しうる装置であって、
図1に示すように(a) アルコールと一酸化炭素と酸素と
を反応させる炭酸ジエステル合成反応器1と、(b) 前記
炭酸ジエステル合成反応器からガス(i)を抜き出すガス
抜き出し経路1dと、(c) 前記ガス抜き出し経路1dに
接続され、吸収液であるアルコール含有液と反応器から
抜き出されたガス(i)とを接触させ、ガス(i)中に含まれ
るCO2の少なくとも一部を吸収除去するCO2吸収塔2
と、(d) CO2吸収塔2からCO2の少なくとも一部が吸
収除去されたガス(ii)を、炭酸ジエステル合成反応器に
循環させるガス循環経路2aと、を含むことを特徴とし
ている。
【0068】上記のような本発明に係る炭酸ジエステル
製造装置は、図2に示すように、通常、(j)前記炭酸ジ
エステル合成反応器1から、CO2吸収塔2に接続され
たガス抜き出し経路1dの途中に、ガス(i)から炭酸ジ
エステルを含んだ液を分離する気液分離器6を備えるこ
とができる。
【0069】本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、
上記(a)〜(d)に加えて、通常、(e)前記CO2吸収塔2で
吸収されたCO2を含んだアルコール含有液を回収する
アルコール含有液回収経路2bと、(f)前記アルコール
含有液回収経路2bに接続され、CO2を含んだアルコ
ール含有液からCO2を放散するCO2放散装置4と、
(g)前記CO2放散装置4でCO2が除去されたアルコー
ル含有液をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含
有液循環経路4bと、を備えることができる。
【0070】また本発明に係る炭酸ジエステル製造装置
は、図2に示すように上記(a)〜(g)に加えて、(h)前記
CO2放散装置4でCO2が除去されたアルコール含有液
をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含有液循環
経路4bから分岐して、アルコール含有液の一部を炭酸
ジエステル精製系5に導入するためのアルコール含有液
導入経路4cと、(j)上記のような気液分離器6と、(k)
前記気液分離器6で分離された炭酸ジエステルを含んだ
液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経路
6bと、(m)前記アルコール含有液と炭酸ジエステルを
含んだ液から水とアルコールとを分離して、炭酸ジエス
テルを精製する炭酸ジエステル精製系5と、を備えてい
ることが好ましい。
【0071】また本発明では、前記(a)〜(g)に加えて、
前記のような(h)アルコール含有液循環経路4bから分
岐して、アルコール含有液の一部を炭酸ジエステル精製
系5に導入するためのアルコール含有液導入経路4c
と、(n)前記炭酸ジエステル合成反応器1で生成された
炭酸ジエステルを含んだ反応液を炭酸ジエステル精製系
に導入するための反応液導入経路1eと、前記のような
(m)炭酸ジエステル精製系5と、を備えた炭酸ジエステ
ル製造装置も好ましい。
【0072】このような炭酸ジエステル製造装置は、図
2に示すような、(j)炭酸ジエステル合成反応器1か
ら、CO2吸収塔2に接続されたガス抜き出し経路1d
の途中に、ガス(i)から炭酸ジエステルを含んだ液を分
離する気液分離器6を備えていることが好ましく、(k)
この気液分離器6で分離された炭酸ジエステルを含んだ
液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経路
6bと、を備えていることが好ましい。
【0073】
【発明の効果】本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法
によれば、アルコールと一酸化炭素と酸素とを反応させ
て炭酸ジエステルを製造する際に、反応器から抜き出さ
れる一酸化炭素含有ガスを反応器に循環して有効に利用
することができる。また本発明に係る炭酸ジエステル製
造装置によれば、上記のような炭酸ジエステルの製造方
法を効率よく行うことができる。さらに本発明に係る二
酸化炭素(CO2)の除去方法及びCO2吸収剤によれば
炭酸ジエステルの製造におけるCO2含有ガスからCO2
を有効的に除去することができる。
【0074】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお実施例1、2および比較例1で使用した触媒は次の
ように調製した。
【0075】〔触媒調製〕蒸留水100リットルに塩化
第二銅2水和物37kgを加え、塩化第二銅溶液を得た。
蒸留水100リットルに水酸化ナトリウム13kgを加
え、水酸化ナトリウム水溶液を得た。
【0076】活性炭100kgに前記調製した塩化第二銅
溶液を50リットル含浸させた後、不活性ガス(窒素ガ
ス)を流通させながら100℃で3時間乾燥した。冷却
後塩化第二銅を担持した活性炭に対して水酸化ナトリウ
ム水溶液を40リットル含浸させた後、不活性ガスを流
通させながら100℃で3時間乾燥して触媒A(Cu:
6重量%含有、OH/Cuモル比=1.2)を得た。な
おCu含有量は式1により示される。
【0077】
【数1】
【0078】
【実施例1】図2に示すプロセスにしたがって、DMC
(炭酸ジメチル)を製造した。内径100mm、触媒静止
層高1500mmの流動層反応器1に、ライン1cからC
Oを6.6kg/hの量で、ライン1bからO2を0.6kg
/hの量で、ライン1aから気化させたメタノールを
3.9kg/hの量で供給して触媒の存在下で反応させ
た。
【0079】反応圧は9気圧で行なった。反応温度は、
反応器内に設置したコイル1f(内径4mm)に冷却水を
流して、150℃に制御した。反応器出口ライン1dか
ら抜きだしたガス(i) は、冷却器7において30℃に冷
却した後反応圧下でフラッシュドラム6に供給して、気
液分離した。フラッシュドラム6で分離された気体はラ
イン6aから吸収塔2に導き、一方液体はライン6bか
ら精製系5に送った。
【0080】吸収塔2、放散装置4として、どちらも内
径80mm、充填層高1500mmの充填塔を用いた。吸収
塔2では、約9気圧下で−20℃の冷メタノールでCO
2を吸収し、放散装置4では大気圧に減圧して塔底温度
70℃に加熱してCO2を放出した。
【0081】次いで、吸収塔2の出口2aガス(ii)を加
圧して反応器1に循環するとともにCOとO2の供給量
を、それぞれ0.8kg/h、0.5kg/hに減じた。この
まま20時間反応を継続させ、吸収液(アルコール含有
液)中のDMCの濃度が10重量%になったところで、
吸収液をライン4cから1時間当たり220gに相当す
る量だけ間欠的に抜き出して精製系5に送り、同じ量の
メタノールを補給した。
【0082】各部の組成がほぼ一定になったときの反応
器出口1dガス、フラッシュドラム出口6aガス、フラ
ッシュドラム出口6b液体、吸収塔出口2aガス、放散
装置出口ガス4aの流量と組成を表1に示す。組成単位
は重量%である。
【0083】
【表1】
【0084】
【比較例1】実施例1と同じ反応器を用いて、9気圧、
150℃でDMC合成反応を行った。実施例1と同様に
CO 6.6kg/h、O2 0.6kg/h、メタノール3.
9kg/hを供給して反応を開始した。反応器出口ガスを
30℃に冷却して反応圧下でフラッシュドラムに供給し
て気液を分離し、分離した液体を精製系に送るととも
に、分離した気体を加圧してそのまま反応器に循環し、
反応器に供給するCO、O2をそれぞれ0.8kg/h、
0.5kg/hに減じた。
【0085】循環ガスを経時的に分析していたところ、
ガス中のCO2の濃度が増加してきたために、10時間
後から、フラッシュドラム分離ガスのうち1.2kg/h
を系外に放出した。このガス中に含まれているCO2
250g/hで、反応で生成するCO2とほぼ等しい量
である。
【0086】この放出ガス中には、21g/hのメタノ
ール、15g/hのDMCが含まれていた。実施例1と
比較例1とからも明らかなように、本発明においては、
反応器から抜き出されたガスからCO2を有効的に除去
できるとともに、CO、メタノールおよびDMCの系外
への放出は著しく低減されるので、COの循環使用が十
分に行なわれ、効率よく炭酸ジエステルを製造すること
ができる。
【0087】
【実施例2】実施例1と同じ流動層反応器1に、CO
5.6kg/h、O2 0.5kg/h、気化させたエタノー
ル4.6kg/hを供給した。
【0088】反応圧は9気圧で行なった。反応温度は、
反応器内に設置したコイル1f(内径4mm)に冷却水を
流して、150℃に制御した。反応器出口ライン1dか
ら抜きだしたガス(i) は、冷却器7において30℃に冷
却した後反応圧下でフラッシュドラム6に供給して、気
液分離した。フラッシュドラム6で分離された気体はラ
イン6aから吸収塔2に導き、一方液体はライン6bか
ら精製系5に送った。
【0089】吸収塔2、放散装置4として、どちらも内
径80mm、充填層高1500mmの充填塔を用いた。吸収
塔2では、約9気圧下で−15℃の冷エタノールでCO
2を吸収し、放散装置4では大気圧に減圧して塔底温度
82℃に加熱してCO2を放出した。
【0090】次いで、吸収塔2の出口2aガス(ii)を加
圧して反応器1に循環するとともにCOとO2の供給量
を、それぞれ0.6kg/h、0.4kg/hに減じた。この
まま20時間反応を継続させ、吸収液中の炭酸ジエチル
(DEC)の濃度が10重量%になったところで、吸収
液をライン4cから1時間当たり90gに相当する量だ
け間欠的に抜き出して精製系5に送り、同じ量のエタノ
ールを補給した。
【0091】各部の組成がほぼ一定になったときの反応
器出口1dガス、フラッシュドラム出口6aガス、フラ
ッシュドラム出口6b液体、吸収塔出口2aガス、放散
塔出口ガス4aの流量と組成を表2に示す。組成単位は
重量%である。
【0092】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法およ
び炭酸ジエステル製造装置の態様例を示す。
【図2】 本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法およ
び炭酸ジエステル製造装置の好ましい態様例を示す。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコールの酸化的カルボニル化反応によ
    り炭酸ジエステルを製造するに際して、 (1) アルコールと一酸化炭素(CO)と酸素とを反応さ
    せた反応器から、COおよび反応で副生する二酸化炭素
    (CO2)を含むガス(i)を抜き出し、 (2) 抜き出されたガス(i)を、アルコール含有液と接触
    させてガス(i)中に含まれるCO2の少なくとも一部を吸
    収除去し、 (3) CO2の少なくとも一部が吸収除去されたCO含有
    ガス(ii)を前記反応器に循環して反応に用いることを特
    徴とする炭酸ジエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】上記工程(2) において、 ガス(i)を気液分離させた後に、分離されたガスをアル
    コール含有液と接触させることを特徴とする請求項1に
    記載の炭酸ジエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】ガス(i)と接触させたアルコール含有液を
    加熱および/または減圧してCO2を放散した後、CO2
    吸収用のアルコール含有液として用いることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の炭酸ジエステルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】炭酸ジエステルの製造において、 二酸化炭素(CO2)を含むガスを、CO2がアルコール
    含有液に吸収されうる条件下で、アルコール含有液と接
    触させることからなるCO2含有ガスからのCO2除去方
    法。
  5. 【請求項5】アルコールからなる炭酸ジエステル製造に
    用いるCO2吸収剤。
  6. 【請求項6】前記アルコールからなるCO2吸収剤が、
    炭酸ジエステルを含むことを特徴とする請求項5に記載
    のCO2吸収剤。
  7. 【請求項7】(a) アルコールと一酸化炭素と酸素とを反
    応させる炭酸ジエステル合成反応器と、 (b) 前記炭酸ジエステル合成反応器からガス(i)を抜き
    出すガス抜き出し経路と、 (c) 前記ガス抜き出し経路に接続され、吸収液であるア
    ルコール含有液と反応器から抜き出されたガス(i)とを
    接触させ、ガス(i)中に含まれるCO2の少なくとも一部
    を吸収除去するCO2吸収塔と、 (d) CO2吸収塔からCO2の少なくとも一部が吸収除去
    されたガス(ii)を、炭酸ジエステル合成反応器に循環さ
    せるガス循環経路と、を含むことを特徴とする炭酸ジエ
    ステル製造装置。
  8. 【請求項8】(j)前記炭酸ジエステル合成反応器から、
    CO2吸収塔に接続されたガス抜き出し経路(b) の途中
    に、ガス(i)から炭酸ジエステルを含んだ液を分離する
    気液分離器を備えてなることを特徴とする請求項7に記
    載の炭酸ジエステル製造装置。
  9. 【請求項9】(e)前記CO2吸収塔で吸収されたCO2
    含んだアルコール含有液を回収するアルコール含有液回
    収経路と、 (f)前記アルコール含有液回収経路に接続され、CO2
    含んだアルコール含有液からCO2を放散するCO2放散
    装置と、 (g)前記CO2放散装置でCO2が除去されたアルコール
    含有液をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含有
    液循環経路と、を備えることを特徴とする請求項7に記
    載の炭酸ジエステル製造装置。
  10. 【請求項10】(h)前記CO2放散装置でCO2が除去さ
    れたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環するための
    アルコール含有液循環経路から分岐して、アルコール含
    有液の一部を炭酸ジエステル精製系に導入するためのア
    ルコール含有液導入経路と、 (j)前記炭酸ジエステル合成反応器とCO2吸収塔との間
    のガス抜き出し経路途中に、ガス(i)から炭酸ジエステ
    ルを含んだ液を分離する気液分離器と、 (k)前記気液分離器で分離された炭酸ジエステルを含ん
    だ液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経
    路と、 (m)アルコール含有液と炭酸ジエステルを含んだ液とか
    ら水とアルコールとを分離して、炭酸ジエステルを精製
    する炭酸ジエステル精製系と、を備えることを特徴とす
    る請求項9に記載の炭酸ジエステル製造装置。
  11. 【請求項11】(h)前記CO2放散装置でCO2が除去さ
    れたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環するための
    アルコール含有液循環経路から分岐して、アルコール含
    有液の一部を炭酸ジエステル精製系に導入するためのア
    ルコール含有液導入経路と、 (n)前記炭酸ジエステル合成反応器で生成された炭酸ジ
    エステルを含んだ反応液を炭酸ジエステル精製系に導入
    するための反応液導入経路と、 (m)アルコール含有液と炭酸ジエステルを含んだ液とか
    ら水とアルコールとを分離して、炭酸ジエステルを精製
    する炭酸ジエステル精製系と、を備えることを特徴とす
    る請求項9に記載の炭酸ジエステル製造装置。
  12. 【請求項12】(j)前記炭酸ジエステル合成反応器とC
    2吸収塔との間のガス抜き出し経路途中に、ガス(i)か
    ら炭酸ジエステルを含んだ液を分離する気液分離器と、 (k)前記気液分離器で分離された炭酸ジエステルを含ん
    だ液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経
    路と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の炭
    酸ジエステル製造装置。
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