JP4304446B2 - シュウ酸ジアルキルの製造法 - Google Patents

シュウ酸ジアルキルの製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP4304446B2
JP4304446B2 JP2003305916A JP2003305916A JP4304446B2 JP 4304446 B2 JP4304446 B2 JP 4304446B2 JP 2003305916 A JP2003305916 A JP 2003305916A JP 2003305916 A JP2003305916 A JP 2003305916A JP 4304446 B2 JP4304446 B2 JP 4304446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl nitrite
supplied
gas
alkanol
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003305916A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004107336A (ja
Inventor
良二 杉瀬
秀二 田中
宏文 井伊
一昭 三井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2003305916A priority Critical patent/JP4304446B2/ja
Publication of JP2004107336A publication Critical patent/JP2004107336A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4304446B2 publication Critical patent/JP4304446B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、一酸化炭素と亜硝酸アルキルを白金族金属触媒の存在下で反応させてシュウ酸ジアルキルを製造するシュウ酸ジアルキルの製造法において、亜硝酸アルキル源である窒素分の損失を抑えて効率的にシュウ酸ジアルキルを製造する方法に関する。
従来、次式のように、一酸化炭素と亜硝酸アルキルを白金族金属触媒の存在下で(好ましくは気相で)反応させてシュウ酸ジアルキルを生成させ、次いで、その反応で生成する一酸化窒素を酸素及びアルカノールと反応させて亜硝酸アルキルを生成させ(再生し)、その亜硝酸アルキルをシュウ酸ジアルキル生成反応で再使用しながら、連続的にシュウ酸ジアルキルを製造する方法が知られている。
2CO+2RONO→(COOR)+2NO (1)
2NO+2ROH+1/2O→2RONO+HO (2)
(式中、Rはアルキル基を表す。)
このように、亜硝酸アルキルを再生・再使用しながら連続的にシュウ酸ジアルキルを製造する方法は、例えば、特許文献1〜3などに開示されている。また、一酸化窒素と酸素とアルカノールから亜硝酸アルキルを製造する方法は、その他に、特許文献4及び5などに詳細に開示されている。
しかしながら、前記方法においては、シュウ酸ジアルキルを製造する際に、循環ガスのパージ等による亜硝酸アルキル及び一酸化窒素の損失が避けられず、また、一酸化窒素と酸素とアルカノールから亜硝酸アルキルを生成させる(再生する)際には、次式のように硝酸が副生して窒素分の更なる損失を招いていた。このため、反応系に亜硝酸アルキル源となる窒素分(一酸化窒素、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素等)を補給する必要があった。
2NO+O→2NO (3)
NO+NO→N (4)
+ROH→RONO+HNO (5)
HNO+ROH→RONO+HO (6)
+HO→2HNO (7)
2NO→N (8)
+HO→HNO+HNO (9)
(式中、Rはアルキル基を表す。)
このような窒素分の補給について、特許文献6では、一酸化炭素と亜硝酸メチルから炭酸ジメチルを連続的に製造する方法において、生成した一酸化窒素を酸素及びメタノールと反応させて亜硝酸メチルに再生する際、硝酸を窒素分として補給することが記載されている。しかしながら、この方法は、硝酸の熱分解により二酸化窒素などの窒素酸化物を発生させることを目的とするもので、分解反応が効率的ではなく、適用温度範囲も限られるものであった。この場合、硝酸と一酸化窒素とメタノールの接触も起り得るが、一酸化窒素と酸素とメタノールから亜硝酸メチルを生成させる反応系では、酸素の供給によりガス中の酸素及び二酸化窒素の濃度が高くなるため、硝酸と一酸化窒素とメタノールから亜硝酸メチルを効率よく生成させるのは非常に困難であることが、本発明者の検討の過程で判明した。
また、特許文献3では、亜硝酸アルキル再生用反応塔の塔底液(硝酸を含有する)を抜き出して該反応塔に冷却・循環しながら、一酸化窒素と酸素とアルカノールから亜硝酸アルキルを生成させて(再生して)シュウ酸ジアルキルを製造する方法が開示されていて、その際、硝酸と一酸化窒素とアルコールの接触も起っているが、、前記と同様に、酸素の供給によりガス中の酸素及び二酸化窒素の濃度が高くなっているため、硝酸と一酸化窒素とメタノールから亜硝酸メチルを効率よく生成させることは非常に困難であることが、本発明者の検討の過程で判明した。
一方、二酸化窒素を生成させる方法として、下記反応式(10)のように硝酸と一酸化窒素を反応させる方法が知られているが(非特許文献1)、この方法では最初に下記反応式(11)の反応が起る。
NO+2HNO→3NO+HO (10)
NO+HNO→NO+HNO (11)
しかし、反応(11)は平衡反応でその平衡が原系に大きく偏っているため、二酸化窒素及び亜硝酸を高濃度で生成させることが困難である。更に、平衡を生成系にずらそうとしても、二酸化窒素の水への溶解度が比較的大きく、しかも水溶液中では二酸化窒素と硝酸が平衡関係にあることから、二酸化窒素が高濃度になるほど或いは圧力が高くなるほど硝酸が生成し、結果として二酸化窒素を高濃度で生成させることが困難になるという問題がある。このように、この方法は、硝酸から二酸化窒素及び亜硝酸を生成させる方法として工業的に好適なものでないことが、本発明者の検討の過程でわかった。
更に、濃硝酸から一酸化窒素を製造する方法として、ビスマス、銅、鉛、水銀などの金属、又は、酸化鉄(II)、三酸化二砒素で還元する方法が知られているが(非特許文献2)、この方法は量論反応を利用するもので、上記金属や酸化物を大量に必要とすることから、工業的な方法としては好ましくなかった。
特公昭57−30095号公報 特公昭61−6057号公報 特開平11−246477号公報 特開平11−189570号公報、 特開平6−298706号公報 特開平6−25104号公報 CHEMISTRY LETTERS,1029(1976) 化学大辞典1縮刷版第32刷,665頁
本発明は、一酸化炭素と亜硝酸アルキルを白金族金属触媒の存在下で反応させてシュウ酸ジアルキルを製造するシュウ酸ジアルキルの製造法において、亜硝酸アルキル源となる窒素分の損失、特に一酸化窒素から亜硝酸アルキルを再生する際の硝酸の副生による窒素分の損失を抑制して、効率的にシュウ酸ジアルキルを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、(1)第1工程で、一酸化炭素と亜硝酸アルキルをシュウ酸ジアルキル製造用反応器へ供給して白金族金属触媒の存在下で反応させ、シュウ酸ジアルキルと一酸化窒素を生成させ、(2)第2工程で、第1工程の反応ガスをシュウ酸ジアルキル吸収装置へ供給してシュウ酸ジアルキル吸収用吸収液と接触させ、シュウ酸ジアルキルを含む凝縮液と一酸化窒素を含む非凝縮ガスを得て、(3)第3工程で、第2工程の非凝縮ガスと分子状酸素を亜硝酸アルキル再生用反応塔の下部に供給すると共に、アルカノールを亜硝酸アルキル再生用反応塔の上部に供給して該反応塔の上部から下部に流下させながら、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応させて亜硝酸アルキルを生成させ、そして、得られる亜硝酸アルキル含有ガスを第1工程に循環供給して前記反応を行わせ、(4)第4工程で、第2工程の凝縮液を蒸留してシュウ酸ジアルキルを得る、シュウ酸ジアルキルの製造法において、
(5)第3工程の亜硝酸アルキル再生用反応塔の底部から硝酸及びアルカノールを含有する塔底液を抜き出して硝酸変換用反応器に導入すると共に、該反応器に一酸化窒素を供給して、該反応器に導入した塔底液と該一酸化窒素を接触させて亜硝酸アルキルを生成させ、得られる亜硝酸アルキル含有ガスを前記亜硝酸アルキル再生用反応塔に供給することを特徴とするシュウ酸ジアルキルの製造法に関する。
本発明の好ましい態様としては、
第1に、硝酸変換用反応器に供給する一酸化窒素が、その中に分子状酸素が存在することにより生成する窒素酸化物を実質的に含有していない、前記のシュウ酸ジアルキルの製造法、
第2に、硝酸変換用反応器に供給する一酸化窒素として第2工程で得られる非凝縮ガスを用いる、前記いずれかのシュウ酸ジアルキルの製造法、
第3に、硝酸変換用反応器で得られる亜硝酸アルキル含有ガスを、亜硝酸アルキル再生用反応塔のアルカノールが流下している区域に供給するか、或いは、第2工程で得られる非凝縮ガスに混合して亜硝酸アルキル再生用反応塔の下部に供給する、前記いずれかのシュウ酸ジアルキルの製造法などがある。
本発明により、一酸化炭素と亜硝酸アルキルを白金族金属触媒の存在下で反応させてシュウ酸ジアルキルを製造するシュウ酸ジアルキルの製造法において、亜硝酸アルキル源となる窒素分の損失、特に一酸化窒素から亜硝酸アルキルを再生する際の硝酸の副生による窒素分の損失を抑制して(結果的に亜硝酸アルキルの生成割合を高めて)、シュウ酸ジアルキルを高空時収量及び高選択率で連続的に効率よく製造する方法を提供できる。
即ち、従来、亜硝酸アルキル再生用反応塔で一酸化窒素から亜硝酸アルキルを再生する際に相当量の硝酸が生成するため、窒素分のロスとなって亜硝酸アルキルの生成割合を低下させていたが、本発明によれば、この硝酸を効率よくしかも硝酸を変換するための高価な白金族金属触媒を用いることなく亜硝酸アルキルに変換してシュウ酸ジアルキルの製造に再利用することができるので、窒素分のロスを抑えた、非常に効率的なシュウ酸ジアルキルの製造プロセスを構成できるようになる。
また、本発明により、シュウ酸ジアルキルの製造において、窒素分のロスを抑えることができる(硝酸を亜硝酸アルキルに再生して再利用できる)と共に、窒素分の補給量も減少させることができ、更に、必要に応じて、循環ガスのパージ等による窒素分(亜硝酸アルキル、一酸化窒素)のロスを補う手段として、硝酸の補給という簡便な方法を用いることができるようになる。
最初に、本発明の特徴的部分を図面も参考にして説明する。図1は、本発明によりシュウ酸ジアルキルを製造するプロセスの一例を示す概略の図面である。
本発明は、概略、図1に示すように、一酸化炭素と亜硝酸アルキルを白金族金属触媒の存在下で反応させてシュウ酸ジアルキルを製造するシュウ酸ジアルキルの製造法において、その第3工程で、液状のアルカノールをアルカノール供給ライン19により亜硝酸アルキル再生用反応塔3(以下、再生塔3と略す)の上部に供給して再生塔3の上部から下部に流下させ、それと共に、シュウ酸ジアルキル吸収装置2(以下、吸収塔2と略す)からの非凝縮ガスを非凝縮ガス抜き出しライン15により、分子状酸素をO供給ライン16により、再生塔3の下部にそれぞれ供給しながら、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応(気液接触反応)させて亜硝酸アルキルを生成させる際、
得られる亜硝酸アルキル含有ガスを再生塔3の頂部からガス循環ライン22により抜き出すと共に、硝酸及びアルカノールを含有する塔底液を再生塔3の底部から塔底液抜き出しライン20により抜き出して、その塔底液(導出塔底液)の一部を硝酸変換用反応器4(以下、反応器4とも称する)に導入し、導入した塔底液(導入塔底液)中の硝酸を亜硝酸アルキルに変換して、得られる亜硝酸アルキル含有ガスを再生塔3に供給する(即ち、硝酸を亜硝酸アルキルとして回収する)ことを特徴とするものである。
即ち、本発明は、第3工程において再生塔3で前記のように亜硝酸アルキルを生成させる際、導出塔底液(その一部)を塔底液抜き出しライン20により反応器4に導入すると共に、一酸化窒素をNO供給ライン18により反応器4に供給して、該導入塔底液と該一酸化窒素を接触させて亜硝酸アルキルを生成させ(導入塔底液中の硝酸及びアルカノールを一酸化窒素と反応させて硝酸を亜硝酸アルキルに変換し)、得られる亜硝酸アルキル含有ガスを変換ガス抜き出しライン25により抜き出して再生塔3に供給するものである。
反応器4に供給する一酸化窒素は別途供給することもできるが、その中に分子状酸素が存在することにより生成する窒素酸化物を実質的に含有していないことが好ましく、再生塔3の下部に供給する非凝縮ガスを非凝縮ガス抜き出しライン15においてNO供給ライン17の連結部の上流からNO供給ライン18により抜き出して用いることが特に好ましい。また、反応器4で生成した亜硝酸アルキル(亜硝酸アルキル含有ガス)は、変換ガス抜き出しライン25により再生塔3でもそのアルカノールが流下している区域(特に再生塔3の中間部)に供給することが好ましい。反応器4に導入する一酸化窒素として非凝縮ガスを大量に用いる場合は、反応器4で生成した亜硝酸アルキルを、非凝縮ガス抜き出しライン15において、O供給ライン16の連結部であってNO供給ライン18の分岐部の下流(但し、NO供給ライン17の連結部の上流でも下流でもよい)の上流へ戻して非凝縮ガスに混合して再生塔3の下部に供給することが好ましい(図2)。
以下、本発明を図面も参考にしながら更に詳しく説明する。
本発明の第1工程は、一酸化炭素と亜硝酸アルキルをシュウ酸ジアルキル製造用反応器1(以下、主反応器1とも称する)に供給して白金族金属触媒の存在下で反応(気相接触反応)させ、シュウ酸ジアルキルと一酸化窒素を生成させる工程である(以下、この反応を主反応とも称する)。このとき、主反応器1には、単管式又は多管式の熱交換器型反応器が有効である。
前記亜硝酸アルキルとしては、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−プロピル、亜硝酸i−プロピル等の炭素数1〜3の亜硝酸アルキルが好ましく挙げられるが、その中でも亜硝酸メチルが特に好ましい。また、一酸化炭素は純ガスであっても窒素等の不活性ガスで希釈されていてもよい。
第1工程において、触媒としては、白金族金属触媒、即ち、白金族金属が担体に担持された固体触媒が用いられる(特許文献1など)。その場合、白金族金属の担持量は担体に対して0.01〜10重量%、更には0.2〜2重量%程度であることが好ましい。担体としては、活性炭、アルミナ(α−アルミナ等)、シリカ、珪藻土、軽石、ゼオライト、モレキュラーシーブ等の不活性担体が挙げられる。前記白金族金属としては、パラジウムが特に好ましい。
前記固体触媒は、例えば、白金族金属化合物(特にパラジウム化合物)を公知の方法(含浸法、蒸発乾固法など)により担体に担持させ、次いで、その白金族金属化合物を還元性物質(ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ギ酸ソーダ、水素、一酸化炭素等)で白金族金属(特にパラジウム金属)に還元することにより調製できる。白金族金属への還元は、反応前に主反応器1内で一酸化炭素を用いて行うこともできる。なお、白金族金属触媒には、必要に応じて他の金属又はその化合物を助触媒成分として含有させることができる。
前記パラジウム化合物はパラジウム金属に還元されるものであれば特に制限されるものではない。例えば、パラジウム化合物として、パラジウムの無機酸塩(硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、リン酸パラジウム等)、パラジウムのハロゲン化物(塩化パラジウム、臭化パラジウム等)、パラジウムの有機酸塩(酢酸パラジウム、シュウ酸パラジウム、安息香酸パラジウム等)、パラジウムの各種錯体を用いることができる。
第1工程の反応は、例えば、図1に示すように一酸化炭素と亜硝酸アルキルを含有する原料ガスを原料ガス供給ライン11により主反応器1の上部に導入して白金族金属触媒と気相で接触させる方法によって行われる(特許文献2など)。連続反応の場合は、ガス循環ライン22により、再生塔3から抜き出される亜硝酸アルキル含有ガス(循環ガス)が原料ガスとして循環供給され、反応による消費や循環ガスのパージによる損失を補う程度の一酸化炭素が原料ガス供給ライン11により供給される。
前記原料ガス中の一酸化炭素濃度は1〜50容量%の範囲であることが好ましく、亜硝酸アルキル濃度は1〜35容量%、更には2〜20容量%、特に3〜15容量%の範囲であることが好ましい。原料ガスの残部には、窒素や炭酸ガス等の不活性ガスが含まれるが、その他に少量の一酸化窒素やアルカノール(蒸気)が含まれていても差し支えない。
第1工程において、反応温度は50〜200℃、更には80〜150℃の範囲であることが好ましく、圧力は常圧から10kg/cmG(約1MPaG)、更には常圧から5kg/cmG(約0.5MPaG)、特に2〜5kg/cmG(約0.2〜約0.5MPaG)の範囲であることが好ましい。また、原料ガスと白金族金属触媒との接触時間は0.2〜10秒、更には0.2〜5秒程度であることが好ましい。
本発明の第2工程は、第1工程の反応ガス(主反応ガス;シュウ酸ジアルキルと一酸化窒素を含有する)を吸収塔2に供給してシュウ酸ジアルキル吸収用吸収液(以下、吸収液と略す)と接触させ、シュウ酸ジアルキルを含む凝縮液と一酸化窒素を含む非凝縮ガスを得る工程である。即ち、第2工程では、第1工程の反応ガス(主反応ガス)を主反応器1の下部から主反応ガス抜き出しライン12により抜き出して吸収塔2の下部に供給すると共に、吸収液を吸収液供給ライン13により吸収塔2の上部に供給して吸収塔2の上部から下部に流下させながら、主反応ガスと吸収液を気液接触させることにより、主反応ガス中のシュウ酸ジアルキルを吸収液に凝縮・溶解させてシュウ酸ジアルキルを含む凝縮液と一酸化窒素を含む非凝縮ガスを得るものである。そして、凝縮液は吸収塔2の底部から凝縮液抜き出しライン14により、非凝縮ガスは吸収塔2の頂部から非凝縮ガス抜き出しライン15によりそれぞれ抜き出される。
前記吸収液としては、メタノール、エタノール等の炭素数1〜3のアルカノールが好ましく挙げられるが、中でも前記亜硝酸アルキルと同一のアルキル基を有するアルカノール(特にメタノール)が好ましい。吸収塔は気液接触が可能なものであればよく、例えば、シーブトレイ、泡鐘トレイ、バルブトレイ等の棚段式、或いは、ポールリング、ラシッヒリング等の充填材が充填されている充填塔式である吸収塔であればよい。
吸収塔2において、操作温度はシュウ酸ジアルキルが凝縮する温度以下であることが好ましく、例えば、目的物がシュウ酸ジメチルの場合、0〜80℃、更には20〜60℃の範囲であることが好ましい。また、操作圧力は、常圧から10kg/cmG(約1MPaG)、更には常圧から5kg/cmG(約0.5MPaG)、特に2〜5kg/cmG(約0.2〜約0.5MPaG)の範囲であることが好ましい。吸収液の供給量は、主反応ガス中のシュウ酸ジアルキル100重量部に対して1〜100重量部、更には2〜20重量部程度であることが好ましく、その供給時の温度は0〜50℃程度であることが好ましい。
本発明の第3工程は、再生塔3に、第2工程の非凝縮ガス(一酸化窒素を含む)と分子状酸素を供給すると共にアルカノールを供給して、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応(気液接触反応)させて亜硝酸アルキルを生成させる(一酸化窒素を亜硝酸アルキルに再生する)工程である(以下、この反応を再生反応、その生成物を再生亜硝酸アルキルとも称する)。
即ち、第3工程では、第2工程の非凝縮ガス(一酸化窒素を含む)が、O供給ライン16により供給される分子状酸素と共に、非凝縮ガス抜き出しライン15により再生塔3の下部(下部域3Bと底部の間であって塔底液の上方;以下同様)に供給され、それと共に、液状のアルカノールがアルカノール供給ライン19により再生塔3の上部(上部域3Aと頂部の間;以下同様)に供給され、そして、非凝縮ガスと分子状酸素の混合ガスと、再生塔3の上部から下部に流下する液状のアルカノールとの気液接触(一酸化窒素及び酸素とアルカノールの反応;前記反応式参照)により亜硝酸アルキルが生成して(再生されて)、得られる亜硝酸アルキル含有ガス(再生亜硝酸アルキル含有ガス)が循環ガスとしてガス循環ライン22により再生塔3の頂部から抜き出されて第1工程(主反応器1)に原料ガスとして循環供給される。
このとき、分子状酸素は、別途、再生塔3の下部に直接供給することもできる。また、必要に応じて、パージライン23からの循環ガスのパージ等による窒素分(亜硝酸アルキル、一酸化窒素等)のロスを補うため、窒素酸化物(一酸化窒素、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素等)を、NO供給ライン17により、非凝縮ガス抜き出しライン15(NO供給ライン18の分岐部の下流であって好ましくはO供給ライン16の連結部の上流)に補給してもよく、再生塔3の下部に直接補給してもよい。
再生塔3の上部に供給されるアルカノールとしては、メタノール、エタノール等の炭素数1〜3のアルカノールが好ましく挙げられるが、中でも第1工程で用いる亜硝酸アルキルと同一のアルキル基を有するアルカノール(特にメタノール)が好ましい。分子状酸素は、純ガスであっても窒素等の不活性ガスで希釈されていてもよく、空気として供給されてもよい。
第3工程において、再生反応は、再生塔3から抜き出されるガス(再生亜硝酸アルキル含有ガス)中の一酸化窒素の濃度が2〜7容量%の範囲になるように制御される。即ち、分子状酸素は、非凝縮ガス中の一酸化窒素1モルに対して0.08〜0.2モルの範囲で供給することが好ましく、アルカノールは、−15〜50℃、更には−10〜30℃で(必要に応じて冷却して)、再生塔3に供給される非凝縮ガス中の一酸化窒素1モルに対して0.2〜3モル、更には0.3〜2モルの範囲で供給することが更に好ましい。但し、この場合の一酸化窒素は、分子状酸素混合前の非凝縮ガス中に含まれる一酸化窒素の量を意味する。
また、第3工程において、反応温度は、そのときの圧力におけるアルカノールの沸点以下(特に0℃からアルカノールの沸点まで;例えば、メタノールであれば、0〜80℃、更には5〜80℃、特に10〜80℃)であることが好ましく、反応圧力は、常圧から10kg/cmG(約1MPaG)、更には常圧から6kg/cmG(約0.6MPaG)、特に2〜6kg/cmG(約0.2〜約0.6MPaG)の範囲であることが好ましい。気液接触時間は0.5〜20秒程度であることが好ましい。
そして、第3工程においては、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応させる際、再生塔3の塔底液をポンプ等の液輸送手段(図示せず)を介して塔底液抜き出しライン20により抜き出し、「その塔底液(導出塔底液)の大部分を塔底液抜き出しライン20の途中から分岐する塔底液循環ライン21により取り出して冷却器5に導いて冷却すると共に、冷却した塔底液(冷却塔底液)を再生塔3の中間部(上部域3Aと下部域3Bの間であって好ましくは後述の変換ガス抜き出しライン25の連結部より下方)に循環供給して再生塔3の中間部から下部に流下させる」塔底液循環操作を下記の条件下で行うことが更に好ましい。この塔底液循環操作は、再生塔3へ非凝縮ガスと分子状酸素とアルカノールを供給して再生反応を行わせる操作と同時かつ連続的に行うことが好ましい。
この塔底液循環操作では、(a)塔底液の循環供給量(即ち、再生塔3の中間部への冷却塔底液の供給量)を、再生塔3へのアルカノール供給量の50〜300重量倍、更には60〜180重量倍、特に70〜160重量倍とすると共に、(b)再生塔3へのアルカノール供給量と再生塔3の中間部に循環供給される塔底液(即ち、冷却塔底液)中のアルカノール量との合計を、再生塔3への窒素酸化物供給量の20〜150倍モル、更には30〜120倍モルとし、(c)更に、塔底液中のアルカノール濃度を15〜60重量%、更には20〜55重量%とすることが好ましい。また、塔底液循環操作では、導出塔底液を、0〜60℃程度の温度範囲であって、再生塔3の底部における塔底液の温度より1〜20℃(特に2〜10℃)低い温度に冷却することが好ましい。本発明では、特に(a)〜(c)の条件下で塔底液循環操作を行うことにより、再生塔3の下部域で生じる反応熱を効果的に除去できると共に副生する硝酸も低レベルに抑えることができ、前記気液接触反応を効率よく行うことができる。
前記の再生塔3へのアルカノールの供給量は、外部から再生塔3に新たに供給される液状及び蒸気状(及び/又はミスト状)のアルカノールの全量であり、例えば、図1では、アルカノール供給ライン19により再生塔3に供給される液状のアルカノールと、非凝縮ガス抜き出しライン15により再生塔3に供給される非凝縮ガスに含まれる蒸気状(及び/又はミスト状)のアルカノールの合計量である。塔底液循環ライン21により再生塔の中間部に循環供給される循環塔底液(冷却塔底液)中の液状のアルカノールと、変換ガス抜き出しライン25により再生塔3又は非凝縮ガス抜き出しライン15に供給される変換亜硝酸アルキル含有ガス(後述)に同伴する蒸気状(及び/又はミスト状)のアルカノールは、この再生塔3へのアルカノール供給量に含まれない。但し、硝酸変換用反応器4(後述)に供給される一酸化窒素に蒸気状(及び/又はミスト状)のアルカノールが同伴する場合は、その同伴分のアルカノールは再生塔3へのアルカノール供給量に含まれる。
また、前記の再生塔3への窒素酸化物供給量は、外部から再生塔3に新たに供給される窒素酸化物の全量であり、非凝縮ガス抜き出しライン15により供給される非凝縮ガス中の一酸化窒素、該一酸化窒素とO供給ライン16により供給される分子状酸素とから生成する窒素酸化物、NO供給ライン17により補給される窒素酸化物、更に変換ガス抜き出しライン25により反応器4から再生塔3に導入される変換亜硝酸アルキル含有ガス中の一酸化窒素が含まれる。
再生塔3は、再生反応で生成する水を除去するためなどの吸収を行うことができる上部域3Aと、再生反応を行うことができる下部域3Bを有しているものであればよいが、上部域3Aと下部域3Bは適当な間隔(即ち、中間部)をおいて前記のように再生塔塔底液を冷却・循環して中間部に導入できるように設置されていることが好ましい。上部域3Aは、アルカノールを流下させることができると共にそのアルカノールにより上昇流中の水分を吸収できる機能を有していれば、どのような形式のものであってもよい。例えば、シーブトレイ、バルブトレイ等の棚段を複数有する多段蒸留塔形式の構造、或いは、ラシッヒリング、ポールリング等の充填材が充填されている充填塔形式の構造を有していてもよい。また、前記下部域3Bは、再生反応を効果的に行うことができる機能を有していれば、どのような形式のものであってもよく、例えば、上部域3Aと同様の多段蒸留塔形式或いは充填塔形式の構造を有していればよい。
再生塔3としては、例えば、図1及び2に示すように、再生塔3の上部域3Aが多段蒸留塔形式又は充填塔形式の構造を有し、下部域3Bが充填塔形式の構造を有していて、更に上部域3Aと下部域3Bが適当な間隔をおいて(即ち、中間部を設けて)一体に連続して接続している構造のものが好ましく挙げられる。
再生塔3には、例えば、図1及び2に示すように、吸収塔2から非凝縮ガスを供給するための非凝縮ガス抜き出しライン15が下部(下部域3Bと底部の間であって塔底液の上方)に、アルカノールを供給するためのアルカノール供給ライン19が上部(上部域3Aと頂部の間)に、そして、再生亜硝酸アルキル含有ガスを抜き出して主反応器1に供給するためのガス循環ライン22が頂部に、それぞれ連結されている。ガス循環ライン22には、循環ガスの一部をパージするためのガスパージライン23が更に連結されていることが好ましい。なお、非凝縮ガス抜き出しライン15では、非凝縮ガスを抜き出して反応器4に供給するNO供給ライン18が分岐していて、その下流には分子状酸素を供給するためのO供給ライン16が連結されていることが好ましく、その連結部とNO供給ラインの分岐部の間には窒素酸化物を補給するためのNO供給ライン17が更に連結されていてもよい。
また、再生塔3の底部には、例えば、図1及び2に示すように、塔底液を抜き出して反応器4に導入するための塔底液抜き出しライン20が連結されている。そして、再生塔3の中間部(特に変換ガス抜き出しライン25の連結部より下方)には、塔底液抜き出しライン20の途中から分岐して塔底液を再生塔3に循環供給するための塔底液循環ライン21が連結されていることが好ましい。この塔底液抜き出しライン20には、循環ポンプ等の液輸送手段が塔底液循環ライン21の分岐部と再生塔3の間に設置されていて(図示せず)、塔底液循環ライン21には、冷却器5が設置されていることが好ましい。
更に、再生塔3(中でもそのアルカノールが流下している区域、特にその中間部)には、反応器4から変換亜硝酸アルキル含有ガス(後述)を抜き出して再生塔3に供給する変換ガス抜き出しライン25が連結されている。但し、変換ガス抜き出しライン25は、前記のように、反応器4から非凝縮ガス抜き出しライン15(好ましくはO供給ライン16の連結部とNO供給ライン18の分岐部の間;但し、NO供給ライン17の連結部の上流でも下流でもよい)に連結されていてもよい(図2)。
本発明の第4工程は、第2工程の凝縮液(シュウ酸ジアルキルを含む)を吸収塔2から凝縮液抜き出しライン14により抜き出し、蒸留装置(図示せず)で蒸留してシュウ酸ジアルキルを得るものである。この蒸留は、通常の方法、例えば、通常の蒸留塔を用いて、吸収液のアルカノールや副生物の炭酸ジアルキルを塔頂から留出させ、目的のシュウ酸ジアルキルを塔中段又は塔底から抜き出す方法により行うことができる。
本発明は、第1〜第4工程によってシュウ酸ジアルキルを製造する際、前記のように、硝酸及びアルカノールを含有する塔底液を再生塔3の底部から塔底液抜き出しライン20により抜き出して、その塔底液(導出塔底液)の一部を硝酸変換用反応器4に導入すると共に、一酸化窒素をNO供給ライン18により該反応器4に供給して、導入した塔底液(導入塔底液)と一酸化窒素を接触させて第3工程の再生反応で副生した硝酸を亜硝酸アルキルに変換し(即ち、硝酸を一酸化窒素及びアルカノールと反応させて亜硝酸アルキルを生成させ;以下、この反応を変換反応、生成する亜硝酸アルキルを変換亜硝酸アルキルとも称する)、得られる亜硝酸アルキル含有ガス(変換亜硝酸アルキル含有ガス)を変換ガス抜き出しライン25により反応器4から抜き出して再生塔3に供給することを特徴とするものである。
このとき、導出塔底液の反応器4への導入量(導入塔底液の量)は、再生塔3の塔底液のレベルが一定又は一定範囲となるように、そして、再生塔3の塔底液循環操作を前記条件下で行うことができる範囲に調節することが好ましい。また、導入塔底液において、アルカノールの濃度は、再生塔3の塔底液のアルカノール濃度が塔底液循環操作において好ましくは前記のように制御されることから、15〜60重量%、更には20〜55重量%であることが好ましい。硝酸の濃度は、変換反応自体からは特に制限されない(例えば、60重量%以下であればよい)が、塔底液循環操作などにより再生塔3で効率よく亜硝酸アルキルを生成させることが好ましいので、20重量%以下、更には1〜20重量%、特に2〜15重量%程度であることが好ましい。その他、塔底液には、前記再生反応で副生する水や少量の亜硝酸アルキルも含有されている。
変換反応で用いる一酸化窒素はそのままでも或いは不活性ガス(窒素等)で希釈して供給するものであってもよく、反応に関与しない成分を含んでいてもよいが、その中に分子状酸素が存在することにより生成する窒素酸化物を実質的に含有していないことが好ましく、例えば、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、及び、分子状酸素を実質的に含有していないことが好ましい。該一酸化窒素は系外から別途供給してもよいが、再生塔3の下部に供給される非凝縮ガスを非凝縮ガス抜き出しライン15(特にO供給ライン16の連結部の上流;NO供給ライン17が該ライン16の連結部の上流に連結している場合は該ライン17の連結部の上流)からNO供給ライン18により抜き出して用いることが特に好ましい。
変換反応において、一酸化窒素の供給量は、導入塔底液中の硝酸1モルに対して等モル以上であればよいが、再生塔3の下部に供給される非凝縮ガスを一酸化窒素として反応器4に大量に導入する場合には、更に、再生塔3における再生反応、反応器4における変換反応、及び、主反応器1での主反応を妨げない範囲内に制御することが好ましい。一酸化窒素の供給量は、導入塔底液中の硝酸1モルに対して1〜50モル、更には1.5〜20モル、特に2〜10モルであることが好ましい。
変換反応において、反応温度は10〜200℃、更には20〜100℃であることが好ましい。反応圧力は常圧から200kg/cmG(約20MPaG)、更には常圧から30kg/cmG(約3MPaG)、特に2〜10kg/cmG(約0.2〜約1MPaG)であることが好ましい。変換反応は液相で行われ、バッチ式でも連続式でも可能である。
変換反応は、例えば、塔底液抜き出しライン20より再生塔3の塔底液を連続的に抜き出して、その一部を連続的又は間欠的に反応器4に導入し、液中に一酸化窒素を流通させながら常圧又は加圧下でその溶液を攪拌するか、或いは、一酸化窒素を反応器4に導入して加圧下でその溶液を攪拌することにより行われる。このとき、一酸化窒素にはその中に分子状酸素が存在することにより生成する窒素酸化物が実質的に含まれていないことが好ましく、反応器4への導入塔底液にも窒素酸化物が実質的に含まれていないことが更に好ましい。この反応系には、窒素酸化物が実質的に供給されないことが特に好ましい。
また、変換反応では、8族金属(白金族金属を除く)又は1B金属の硝酸塩を触媒として存在させてもよい。該8族金属の硝酸塩としては、硝酸第二鉄、硝酸ニッケル、硝酸コバルトが好ましく挙げられ、1B金属の硝酸塩としては、硝酸第二銅が好ましく挙げられる。これら触媒は、導入塔底液に対して、金属換算で20重量%以下、更には10重量%以下で存在させればよい。
なお、反応器4は前記変換反応を行うことができるものであれば制限されず、攪拌槽形式のものや多段塔形式のもの(充填塔、シーブトレイ塔など)が使用でき、複数でもよく多槽式のものであってもよい。変換反応が一酸化窒素との気液接触反応になるため、攪拌槽形式の反応器を用いる場合は、高攪拌及び高ガス分散が可能な羽根形状及び回転装置などを有する気液接触効率の高い攪拌装置を用いることが好ましく、多段塔形式の反応器では、気液接触効率のよい充填材を用いることが好ましい。そして、反応器4には、前記のように、NO供給ライン18、塔底液抜き出しライン20、変換ガス抜き出しライン25が連結され、更に廃液抜き出しライン24が底部に連結されていることが好ましい。
変換反応により生成した亜硝酸アルキル(変換亜硝酸アルキル)は、一酸化窒素に同伴させて(変換亜硝酸アルキル含有ガスとして)、変換ガス抜き出しライン25により再生塔3に供給される。このとき、反応器4に一酸化窒素として前記非凝縮ガスを大量に導入しない場合は、再生塔3のアルカノールが流下している区域、中でも再生塔3の中間部、特に該中間部であって塔底液循環ライン21の連結部(再生塔3の中間部に位置する)より上方に変換亜硝酸アルキル含有ガスを供給することが好ましい(図1)。また、反応器4に一酸化窒素として前記非凝縮ガスを大量に導入する場合は、変換亜硝酸アルキル含有ガスを非凝縮ガス抜き出しライン15(特にNO供給ライン18の分岐部の下流であってO供給ライン16の連結部の上流;但し、NO供給ライン17の連結部の前方でも後方でもよい)へ戻して非凝縮ガスに混合して再生塔3の下部に供給することが好ましい(図2)。変換反応後、その反応液は廃液抜き出しライン24により反応器4の底部から抜き出される。
なお、反応器4では、前記の循環ガスのパージ等による窒素分(亜硝酸アルキル、一酸化窒素)のロスを補うための窒素酸化物の補給に代えて、その補給分に相当する量の硝酸(好ましくは硝酸水溶液)を硝酸供給ライン(図示せず)により別途供給して、導入塔底液中の硝酸と共に同様の条件で変換反応させることができる。この結果、再生塔3で副生する硝酸を亜硝酸アルキルとして効率よく変換及び回収してシュウ酸ジアルキルの製造に再利用することができるだけでなく、塔底液のパージによる窒素成分(硝酸)のロスや循環ガスのパージによる窒素分(亜硝酸アルキル、一酸化窒素)のロスを補う手段として反応器4における硝酸の補給という簡便な方法を用いることができるようになり、窒素分の補給量も減少させることができる。
次に、図1に例示する製造プロセスによって本発明を実施した実施例などを挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、硝酸はイオンクロマトグラフィーにより、水分はカールフィッシャー水分計により、その他はガスクロマトグラフィーによりそれぞれ分析した。Pd/Cはパラジウム金属(Pd)が活性炭(C)に担持された固体触媒を意味する。
〔比較例1〕
〔第1工程〕
内径36.7mmのチューブ6本よりなるステンレス製多管式反応器1(主反応器1)のチューブ内にパラジウムをα−アルミナに5重量%担持した、直径5mm、高さ3mmのペレット状の固体触媒3.3L(リットル)を充填した。
この反応器の上部から、ガス圧縮循環器(図示せず)により、一酸化炭素と後述の再生塔導出ガス(再生塔3から抜き出される再生亜硝酸アルキル含有ガス)との混合ガス(圧力:3.5kg/cmG、組成:一酸化炭素18.6容量%、亜硝酸メチル8.5容量%、一酸化窒素5.7容量%、メタノール6.5容量%、二酸化炭素3.0容量%、窒素57.7容量%)を予め熱交換器(図示せず)で約90℃に加熱した後、15.6Nm/hrの流量で触媒層に供給し、反応器のシェル側に熱水を通すことにより触媒層の温度を105〜120℃に保持して、一酸化炭素と亜硝酸メチルを反応させた。
〔第2工程〕
主反応器1の触媒層を通過した反応ガス(全量)を、内径158mm、高さ1400mmのラシヒリングを充填した気液接触型吸収塔2の下部から導入すると共に、吸収塔2の塔頂部からメタノールを0.15L/hrの流量で供給して、両者を約35℃で向流接触させた。そして、吸収塔2の塔底部から凝縮液(組成:シュウ酸ジメチル91.2重量%、炭酸ジメチル2.0重量%、ギ酸メチル0.1重量%、メタノール6.7重量%)を1.74kg/hrの流量で抜き出すと共に、吸収塔2の塔頂から非凝縮ガス(組成:一酸化炭素15.2容量%、亜硝酸メチル4.7容量%、一酸化窒素10.1容量%、メタノール6.8容量%、二酸化炭素3.2容量%、窒素60.1容量%)を15.0Nm/hrの流量で抜き出した。
〔第3工程〕
内径158mm、高さ1400mm(塔頂の50mm下より10mmラシヒリング充填層800mmと、更にこの充填層の30mm下から10mmラシヒリング充填層400mmを有す)の充填塔(再生塔)3に、第2工程で得られた非凝縮ガスを非凝縮ガス抜き出しライン15により15.0Nm/hr(圧力3.1kg/cmG)の流量で供給すると共に、O供給ライン16により分子状酸素を0.15Nm/hrの流量で供給し、更に、NO供給ライン17により一酸化窒素26.8容量%を含む窒素ガスを0.1Nm/hrの流量で非凝縮ガス抜き出しライン15を通して供給した。また、再生塔3の塔頂部のアルカノール供給ライン19からは20℃のメタノール液を1.44L/hrの流量で供給した。このとき、再生塔3の圧力は塔頂部で2.9kg/cmGとなるように調整した。なお、再生塔3の底部から塔底液を塔底液抜き出しライン20により抜き出して、塔底液循環ライン21及び付属の循環用ポンプ(図示せず)により冷却器5を経由して360L/hrの流量で再生塔3の中間部に循環供給した。
再生塔3の状態が安定した時点で各部の組成を測定したところ、再生塔3の塔頂部のガス循環しライン22から、再生塔導出ガス(循環ガス)が15.1Nm/hrの流量で得られた。このようにして得られる再生塔導出ガスは、一酸化炭素15.2容量%、亜硝酸メチル8.8容量%、一酸化窒素5.9容量%、メタノール6.8容量%、二酸化炭素3.1容量%、窒素60.1容量%の組成であった。また、この導出ガス中の水分は0.05容量%以下であった。このガスは、一部(0.09Nm/hr)をパージして残りをガス圧縮循環機で3.5kg/cmGまで昇圧し、更に一酸化炭素を0.62Nm/hrの流量で加えて第1工程の主反応器1に供給した。一方、再生塔3の塔底液の組成は、メタノール51.1重量%、水41.5重量%、硝酸7.0重量%、亜硝酸メチル0.4重量%であり、循環用ポンプの吐出口からその一部を0.63L/hrの流量で抜き出した。
この比較例では、硝酸が、再生塔3に供給された一酸化窒素1モルに対して0.009モル(消費された一酸化窒素に対して2.2モル%)生成していた。
〔第4工程〕
第2工程の吸収塔2から抜き出された凝縮液を1.74kg/hrの流量で、内径50mm、高さ3mの蒸留塔(充填塔;図示せず)に導入し、塔頂温度を64.5℃、塔底温度166℃として蒸留操作を行なって、塔底部から純度99.8重量%のシュウ酸ジメチルを1.57kg/hrの流量で得た。蒸留塔の塔頂からは、メタノール82.2重量%、炭酸ジメチル17.7重量%、ギ酸メチル0.1重量%からなる留出液を0.17リットル/hrの流量で得た。
〔実施例1〕
第3工程に次の硝酸変換工程を設けたほかは、比較例1と同様にしてシュウ酸ジメチルの製造を行なった。
〔硝酸変換工程〕
攪拌機、ガス供給ノズル、液供給ノズル、ガス抜き出しノズル、液抜き出しノズル(焼結金属フィルター付き)を備えた内容積5LのSUS製オートクレーブ(反応器4)に前記の再生塔塔底液(導出塔底液)を0.63L/hrの流量で連続的に導入した。導入量が3Lになったところで攪拌と昇温を開始し、更に第2工程で得られた非凝縮ガスをNO供給ライン18により0.9Nm/hrの流量で吹き込んだ。
反応器4の温度を80℃になるように制御し、次いで、導入した再生塔塔底液(導入塔底液)の量が3.5Lになったところで、液面を一定に保つように反応器4から連続で液を抜き出すと共に、反応器内の圧力が6.0kg/cmGになるように出ガス量を調整しながら、変換ガス抜き出しライン25により再生塔3の中間部に反応器4の出ガス(変換亜硝酸アルキル含有ガス)を供給した。そして、主反応器1、吸収塔2、再生塔3、反応器4の操作を連続的に行いながら、第1工程の主反応器1へ供給されるガス中の亜硝酸メチルと一酸化窒素の合計が比較例1におけると同じになるように、NO供給ライン17及び非凝縮ライン15を通して再生塔3に供給している一酸化窒素を含む窒素ガスの量を調節した。
連続操作開始から全体が安定した状態(開始から15時間後)で、各部の供給量と組成は以下のようであった。
NO供給ライン17及び非凝縮ライン15を通して再生塔3に供給している一酸化窒素を含む窒素ガスの量は0.06Nm/hrで、再生塔導出ガス(循環ガス)の組成は、一酸化炭素15.2容量%、亜硝酸メチル8.9容量%、一酸化窒素5.9容量%、メタノール6.8容量%、二酸化炭素3.2容量%、窒素60.1容量%であった。また、硝酸変換工程の反応器4からの抜き出し液0.58L/hrの組成は、水49.70重量%、メタノール48.51重量%、硝酸1.60重量%、亜硝酸メチル0.20重量%であった。なお、反応器4での硝酸の転化率は約80%であった。
また、第4工程で得られるシュウ酸ジメチルは純度及び量とも比較例1と同じで、蒸留塔の頂部から抜き出される低沸物(メタノール、炭酸ジメチル、ギ酸メチル)の組成と量も比較例1と同じであった。
〔実施例2〕
非凝縮ライン15を通して再生塔3に供給している一酸化窒素を含む窒素ガスを、一酸化窒素を含まない窒素ガスに代え、反応器4に硝酸供給ライン(図示せず)により60重量%硝酸を0.04kg/hrの流量で更に供給したほかは、実施例1と同様にしてシュウ酸ジメチルの製造を行なった。その結果、各部の組成及び量は実施例1と全く同じで、第4工程で得られるシュウ酸ジメチルの純度及び量も同じであった。なお、硝酸の転化率は、導入した再生塔塔底液(導入塔底液)中の硝酸と硝酸供給ラインにより供給した硝酸の合計に対して68%であった。
シュウ酸ジアルキルは、シュウ酸、オキサミド、エチレングリコール等、各種化学品の製造に有用な化合物である。
シュウ酸ジアルキル製造プロセスの一例を示す概略の図面である。 シュウ酸ジアルキル製造プロセスの亜硝酸アルキル再生用反応器(再生塔)と硝酸変換用反応器を含む工程の一例を示す概略の図面である。
符号の説明
1:シュウ酸ジアルキル製造用反応器(主反応器)
2:シュウ酸ジアルキル吸収装置(吸収塔)
3:亜硝酸アルキル再生用反応塔(再生塔)
3A:上部域
3B:下部域
4:硝酸変換用反応器
5:冷却器
11:原料ガス供給ライン
12:主反応ガス抜き出しライン
13:吸収液供給ライン
14:凝縮液抜き出しライン
15:非凝縮抜き出しライン
16:O供給ライン
17:NO供給ライン
18:NO供給ライン
19:アルカノール供給ライン
20:塔底液抜き出しライン
21:塔底液循環ライン
22:ガス循環ライン
23:パージライン
24:廃液抜き出しライン
25:変換ガス抜き出しライン

Claims (5)

  1. (1)第1工程で、一酸化炭素と亜硝酸アルキルをシュウ酸ジアルキル製造用反応器へ供給して白金族金属触媒の存在下で反応させ、シュウ酸ジアルキルと一酸化窒素を生成させ、(2)第2工程で、第1工程の反応ガスをシュウ酸ジアルキル吸収装置へ供給してシュウ酸ジアルキル吸収用吸収液と接触させ、シュウ酸ジアルキルを含む凝縮液と一酸化窒素を含む非凝縮ガスを得て、(3)第3工程で、第2工程の非凝縮ガスと分子状酸素を亜硝酸アルキル再生用反応塔の下部に供給すると共に、アルカノールを亜硝酸アルキル再生用反応塔の上部に供給して該反応塔の上部から下部に流下させながら、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応させて亜硝酸アルキルを生成させ、そして、得られる亜硝酸アルキル含有ガスを第1工程に循環供給して前記反応を行わせ、(4)第4工程で、第2工程の凝縮液を蒸留してシュウ酸ジアルキルを得る、シュウ酸ジアルキルの製造法において、
    (5)第3工程の亜硝酸アルキル再生用反応塔の底部から硝酸及びアルカノールを含有する塔底液を抜き出して硝酸変換用反応器に導入すると共に、該反応器に一酸化窒素を供給して、該反応器に導入した塔底液と該一酸化窒素を接触させて亜硝酸アルキルを生成させ、得られる亜硝酸アルキル含有ガスを前記亜硝酸アルキル再生用反応塔に供給することを特徴とするシュウ酸ジアルキルの製造法。
  2. 硝酸変換用反応器に供給する一酸化窒素として第2工程で得られる非凝縮ガスを用いる、請求項1記載のシュウ酸ジアルキルの製造法。
  3. 硝酸変換用反応器で得られる亜硝酸アルキル含有ガスを、亜硝酸アルキル再生用反応塔のアルカノールが流下している区域に供給する、請求項1又は2に記載のシュウ酸ジアルキルの製造法。
  4. 硝酸変換用反応器で得られる亜硝酸アルキル含有ガスを、第2工程で得られる非凝縮ガスに混合して亜硝酸アルキル再生用反応塔の下部に供給する、請求項1又は2に記載のシュウ酸ジアルキルの製造法。
  5. 第3工程で、亜硝酸アルキル再生用反応塔の底部から抜き出した塔底液を冷却器に導いて冷却すると共に、冷却した塔底液を該反応塔の中間部に循環供給する塔底液循環操作を、(a)塔底液の循環供給量を該反応塔へのアルカノール供給量の50〜300重量倍とし、(b)該反応塔へのアルカノール供給量と該反応塔の中間部に循環供給される塔底液中のアルカノール量との合計を該反応塔への窒素酸化物供給量の20〜150倍モルとし、(c)塔底液のアルカノール濃度を15〜60重量%とする条件下で行いながら、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応させる、請求項1記載のシュウ酸ジアルキルの製造法。
JP2003305916A 2002-08-30 2003-08-29 シュウ酸ジアルキルの製造法 Expired - Fee Related JP4304446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003305916A JP4304446B2 (ja) 2002-08-30 2003-08-29 シュウ酸ジアルキルの製造法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002252992 2002-08-30
JP2003305916A JP4304446B2 (ja) 2002-08-30 2003-08-29 シュウ酸ジアルキルの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004107336A JP2004107336A (ja) 2004-04-08
JP4304446B2 true JP4304446B2 (ja) 2009-07-29

Family

ID=32301326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003305916A Expired - Fee Related JP4304446B2 (ja) 2002-08-30 2003-08-29 シュウ酸ジアルキルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4304446B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102219680B (zh) * 2010-04-15 2013-09-18 中国石油化工股份有限公司 由co气相法制备草酸酯的方法
US8722918B2 (en) * 2010-04-15 2014-05-13 China Petroleum & Chemical Corporation Process for producing Cl-C4 alkyl nitrite
KR20140139594A (ko) * 2012-04-02 2014-12-05 우베 고산 가부시키가이샤 아질산 에스테르의 제조 방법, 및 옥살산 디알킬 및 탄산 디알킬의 제조 방법
CN102964247B (zh) * 2012-12-11 2014-08-13 西南化工研究设计院有限公司 一种co气相偶联合成草酸酯的方法
JP6048135B2 (ja) * 2012-12-28 2016-12-21 宇部興産株式会社 シュウ酸ジアルキルの製造方法
JP6102334B2 (ja) * 2013-02-25 2017-03-29 宇部興産株式会社 炭酸ジアルキル及びシュウ酸ジアルキルの製造方法、並びに製造装置
US9776950B2 (en) 2014-07-04 2017-10-03 Ube Industries, Ltd. Ester production method and ester production device
CN106984294B (zh) * 2016-12-05 2018-04-10 武汉聚川科技有限公司 一种氧化羰化法合成工艺、其废液处理催化剂及其制备方法
CN111909000B (zh) * 2019-05-07 2022-12-16 上海浦景化工技术股份有限公司 一种煤制乙二醇氮氧化物补充系统及其方法
CN112759518B (zh) * 2019-10-21 2023-04-07 中国石油化工股份有限公司 一种合成气制乙二醇过程中副产硝酸的处理方法与系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004107336A (ja) 2004-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
SA99200007B1 (ar) طريقة لإنتاج أحادي إيثيلين جليكول monoethylene glycol
JPH05194452A (ja) エチレンオキシドの製造方法
JP4214858B2 (ja) シュウ酸ジアルキルの製法
JP4304446B2 (ja) シュウ酸ジアルキルの製造法
EP0046598B1 (en) Process for continuously preparing a diester of oxalic acid
JP5814269B2 (ja) アリルアルコールの製造方法
US5631396A (en) Process for continuously producing dimethyl carbonate
JP4134761B2 (ja) 亜硝酸アルキルの製法
US9518036B2 (en) Method for producing ethylene oxide
KR100278887B1 (ko) 알킬 니트라이트의 제조 방법
JP4175166B2 (ja) 炭酸ジアルキルの製造方法
JP4134777B2 (ja) 亜硝酸エステルの製法
JP4306320B2 (ja) 炭酸ジアルキルの製造法
JP6048135B2 (ja) シュウ酸ジアルキルの製造方法
JP2013063965A (ja) シュウ酸ジアルキル又は/及び炭酸ジアルキルの製造方法並びにそれらの製造装置
EP2493840B1 (en) Process for producing allyl acetate
US5534648A (en) Process for continuously producing dimethyl carbonate
JP2937292B2 (ja) 炭酸ジメチルの連続製造方法
JP3780742B2 (ja) 炭酸ジアルキルの製法
JPH11315053A (ja) 亜硝酸メチルの回収方法
JP3750376B2 (ja) エチレングリコールの製造方法
JP3206338B2 (ja) 炭酸ジメチルの連続的製造法
JPH11246477A (ja) シュウ酸アルキルエステルの製法
JPH1045679A (ja) 炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20090203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090401

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4304446

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140515

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees