JP4304446B2 - シュウ酸ジアルキルの製造法 - Google Patents
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2NO+2ROH+1/2O2→2RONO+H2O (2)
(式中、Rはアルキル基を表す。)
NO+NO2→N2O3 (4)
N2O3+ROH→RONO+HNO2 (5)
HNO2+ROH→RONO+H2O (6)
N2O3+H2O→2HNO3 (7)
2NO2→N2O4 (8)
N2O4+H2O→HNO2+HNO3 (9)
(式中、Rはアルキル基を表す。)
NO+2HNO3→3NO2+H2O (10)
NO+HNO3→NO2+HNO2 (11)
第1に、硝酸変換用反応器に供給する一酸化窒素が、その中に分子状酸素が存在することにより生成する窒素酸化物を実質的に含有していない、前記のシュウ酸ジアルキルの製造法、
第2に、硝酸変換用反応器に供給する一酸化窒素として第2工程で得られる非凝縮ガスを用いる、前記いずれかのシュウ酸ジアルキルの製造法、
第3に、硝酸変換用反応器で得られる亜硝酸アルキル含有ガスを、亜硝酸アルキル再生用反応塔のアルカノールが流下している区域に供給するか、或いは、第2工程で得られる非凝縮ガスに混合して亜硝酸アルキル再生用反応塔の下部に供給する、前記いずれかのシュウ酸ジアルキルの製造法などがある。
本発明は、概略、図1に示すように、一酸化炭素と亜硝酸アルキルを白金族金属触媒の存在下で反応させてシュウ酸ジアルキルを製造するシュウ酸ジアルキルの製造法において、その第3工程で、液状のアルカノールをアルカノール供給ライン19により亜硝酸アルキル再生用反応塔3(以下、再生塔3と略す)の上部に供給して再生塔3の上部から下部に流下させ、それと共に、シュウ酸ジアルキル吸収装置2(以下、吸収塔2と略す)からの非凝縮ガスを非凝縮ガス抜き出しライン15により、分子状酸素をO2供給ライン16により、再生塔3の下部にそれぞれ供給しながら、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応(気液接触反応)させて亜硝酸アルキルを生成させる際、
本発明の第1工程は、一酸化炭素と亜硝酸アルキルをシュウ酸ジアルキル製造用反応器1(以下、主反応器1とも称する)に供給して白金族金属触媒の存在下で反応(気相接触反応)させ、シュウ酸ジアルキルと一酸化窒素を生成させる工程である(以下、この反応を主反応とも称する)。このとき、主反応器1には、単管式又は多管式の熱交換器型反応器が有効である。
〔第1工程〕
内径36.7mmのチューブ6本よりなるステンレス製多管式反応器1(主反応器1)のチューブ内にパラジウムをα−アルミナに5重量%担持した、直径5mm、高さ3mmのペレット状の固体触媒3.3L(リットル)を充填した。
この反応器の上部から、ガス圧縮循環器(図示せず)により、一酸化炭素と後述の再生塔導出ガス(再生塔3から抜き出される再生亜硝酸アルキル含有ガス)との混合ガス(圧力:3.5kg/cm2G、組成:一酸化炭素18.6容量%、亜硝酸メチル8.5容量%、一酸化窒素5.7容量%、メタノール6.5容量%、二酸化炭素3.0容量%、窒素57.7容量%)を予め熱交換器(図示せず)で約90℃に加熱した後、15.6Nm3/hrの流量で触媒層に供給し、反応器のシェル側に熱水を通すことにより触媒層の温度を105〜120℃に保持して、一酸化炭素と亜硝酸メチルを反応させた。
主反応器1の触媒層を通過した反応ガス(全量)を、内径158mm、高さ1400mmのラシヒリングを充填した気液接触型吸収塔2の下部から導入すると共に、吸収塔2の塔頂部からメタノールを0.15L/hrの流量で供給して、両者を約35℃で向流接触させた。そして、吸収塔2の塔底部から凝縮液(組成:シュウ酸ジメチル91.2重量%、炭酸ジメチル2.0重量%、ギ酸メチル0.1重量%、メタノール6.7重量%)を1.74kg/hrの流量で抜き出すと共に、吸収塔2の塔頂から非凝縮ガス(組成:一酸化炭素15.2容量%、亜硝酸メチル4.7容量%、一酸化窒素10.1容量%、メタノール6.8容量%、二酸化炭素3.2容量%、窒素60.1容量%)を15.0Nm3/hrの流量で抜き出した。
内径158mm、高さ1400mm(塔頂の50mm下より10mmラシヒリング充填層800mmと、更にこの充填層の30mm下から10mmラシヒリング充填層400mmを有す)の充填塔(再生塔)3に、第2工程で得られた非凝縮ガスを非凝縮ガス抜き出しライン15により15.0Nm3/hr(圧力3.1kg/cm2G)の流量で供給すると共に、O2供給ライン16により分子状酸素を0.15Nm3/hrの流量で供給し、更に、NOx供給ライン17により一酸化窒素26.8容量%を含む窒素ガスを0.1Nm3/hrの流量で非凝縮ガス抜き出しライン15を通して供給した。また、再生塔3の塔頂部のアルカノール供給ライン19からは20℃のメタノール液を1.44L/hrの流量で供給した。このとき、再生塔3の圧力は塔頂部で2.9kg/cm2Gとなるように調整した。なお、再生塔3の底部から塔底液を塔底液抜き出しライン20により抜き出して、塔底液循環ライン21及び付属の循環用ポンプ(図示せず)により冷却器5を経由して360L/hrの流量で再生塔3の中間部に循環供給した。
この比較例では、硝酸が、再生塔3に供給された一酸化窒素1モルに対して0.009モル(消費された一酸化窒素に対して2.2モル%)生成していた。
第2工程の吸収塔2から抜き出された凝縮液を1.74kg/hrの流量で、内径50mm、高さ3mの蒸留塔(充填塔;図示せず)に導入し、塔頂温度を64.5℃、塔底温度166℃として蒸留操作を行なって、塔底部から純度99.8重量%のシュウ酸ジメチルを1.57kg/hrの流量で得た。蒸留塔の塔頂からは、メタノール82.2重量%、炭酸ジメチル17.7重量%、ギ酸メチル0.1重量%からなる留出液を0.17リットル/hrの流量で得た。
第3工程に次の硝酸変換工程を設けたほかは、比較例1と同様にしてシュウ酸ジメチルの製造を行なった。
〔硝酸変換工程〕
攪拌機、ガス供給ノズル、液供給ノズル、ガス抜き出しノズル、液抜き出しノズル(焼結金属フィルター付き)を備えた内容積5LのSUS製オートクレーブ(反応器4)に前記の再生塔塔底液(導出塔底液)を0.63L/hrの流量で連続的に導入した。導入量が3Lになったところで攪拌と昇温を開始し、更に第2工程で得られた非凝縮ガスをNO供給ライン18により0.9Nm3/hrの流量で吹き込んだ。
NOx供給ライン17及び非凝縮ライン15を通して再生塔3に供給している一酸化窒素を含む窒素ガスの量は0.06Nm3/hrで、再生塔導出ガス(循環ガス)の組成は、一酸化炭素15.2容量%、亜硝酸メチル8.9容量%、一酸化窒素5.9容量%、メタノール6.8容量%、二酸化炭素3.2容量%、窒素60.1容量%であった。また、硝酸変換工程の反応器4からの抜き出し液0.58L/hrの組成は、水49.70重量%、メタノール48.51重量%、硝酸1.60重量%、亜硝酸メチル0.20重量%であった。なお、反応器4での硝酸の転化率は約80%であった。
また、第4工程で得られるシュウ酸ジメチルは純度及び量とも比較例1と同じで、蒸留塔の頂部から抜き出される低沸物(メタノール、炭酸ジメチル、ギ酸メチル)の組成と量も比較例1と同じであった。
非凝縮ライン15を通して再生塔3に供給している一酸化窒素を含む窒素ガスを、一酸化窒素を含まない窒素ガスに代え、反応器4に硝酸供給ライン(図示せず)により60重量%硝酸を0.04kg/hrの流量で更に供給したほかは、実施例1と同様にしてシュウ酸ジメチルの製造を行なった。その結果、各部の組成及び量は実施例1と全く同じで、第4工程で得られるシュウ酸ジメチルの純度及び量も同じであった。なお、硝酸の転化率は、導入した再生塔塔底液(導入塔底液)中の硝酸と硝酸供給ラインにより供給した硝酸の合計に対して68%であった。
2:シュウ酸ジアルキル吸収装置(吸収塔)
3:亜硝酸アルキル再生用反応塔(再生塔)
3A:上部域
3B:下部域
4:硝酸変換用反応器
5:冷却器
11:原料ガス供給ライン
12:主反応ガス抜き出しライン
13:吸収液供給ライン
14:凝縮液抜き出しライン
15:非凝縮抜き出しライン
16:O2供給ライン
17:NOx供給ライン
18:NO供給ライン
19:アルカノール供給ライン
20:塔底液抜き出しライン
21:塔底液循環ライン
22:ガス循環ライン
23:パージライン
24:廃液抜き出しライン
25:変換ガス抜き出しライン
Claims (5)
- (1)第1工程で、一酸化炭素と亜硝酸アルキルをシュウ酸ジアルキル製造用反応器へ供給して白金族金属触媒の存在下で反応させ、シュウ酸ジアルキルと一酸化窒素を生成させ、(2)第2工程で、第1工程の反応ガスをシュウ酸ジアルキル吸収装置へ供給してシュウ酸ジアルキル吸収用吸収液と接触させ、シュウ酸ジアルキルを含む凝縮液と一酸化窒素を含む非凝縮ガスを得て、(3)第3工程で、第2工程の非凝縮ガスと分子状酸素を亜硝酸アルキル再生用反応塔の下部に供給すると共に、アルカノールを亜硝酸アルキル再生用反応塔の上部に供給して該反応塔の上部から下部に流下させながら、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応させて亜硝酸アルキルを生成させ、そして、得られる亜硝酸アルキル含有ガスを第1工程に循環供給して前記反応を行わせ、(4)第4工程で、第2工程の凝縮液を蒸留してシュウ酸ジアルキルを得る、シュウ酸ジアルキルの製造法において、
(5)第3工程の亜硝酸アルキル再生用反応塔の底部から硝酸及びアルカノールを含有する塔底液を抜き出して硝酸変換用反応器に導入すると共に、該反応器に一酸化窒素を供給して、該反応器に導入した塔底液と該一酸化窒素を接触させて亜硝酸アルキルを生成させ、得られる亜硝酸アルキル含有ガスを前記亜硝酸アルキル再生用反応塔に供給することを特徴とするシュウ酸ジアルキルの製造法。 - 硝酸変換用反応器に供給する一酸化窒素として第2工程で得られる非凝縮ガスを用いる、請求項1に記載のシュウ酸ジアルキルの製造法。
- 硝酸変換用反応器で得られる亜硝酸アルキル含有ガスを、亜硝酸アルキル再生用反応塔のアルカノールが流下している区域に供給する、請求項1又は2に記載のシュウ酸ジアルキルの製造法。
- 硝酸変換用反応器で得られる亜硝酸アルキル含有ガスを、第2工程で得られる非凝縮ガスに混合して亜硝酸アルキル再生用反応塔の下部に供給する、請求項1又は2に記載のシュウ酸ジアルキルの製造法。
- 第3工程で、亜硝酸アルキル再生用反応塔の底部から抜き出した塔底液を冷却器に導いて冷却すると共に、冷却した塔底液を該反応塔の中間部に循環供給する塔底液循環操作を、(a)塔底液の循環供給量を該反応塔へのアルカノール供給量の50〜300重量倍とし、(b)該反応塔へのアルカノール供給量と該反応塔の中間部に循環供給される塔底液中のアルカノール量との合計を該反応塔への窒素酸化物供給量の20〜150倍モルとし、(c)塔底液のアルカノール濃度を15〜60重量%とする条件下で行いながら、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応させる、請求項1に記載のシュウ酸ジアルキルの製造法。
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