JP3945724B2 - 炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置 - Google Patents

炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3945724B2
JP3945724B2 JP09765097A JP9765097A JP3945724B2 JP 3945724 B2 JP3945724 B2 JP 3945724B2 JP 09765097 A JP09765097 A JP 09765097A JP 9765097 A JP9765097 A JP 9765097A JP 3945724 B2 JP3945724 B2 JP 3945724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
gas
carbonic acid
acid diester
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09765097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1045679A (ja
Inventor
憲 二 森
山 武 志 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Corp
Original Assignee
JGC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JGC Corp filed Critical JGC Corp
Priority to JP09765097A priority Critical patent/JP3945724B2/ja
Publication of JPH1045679A publication Critical patent/JPH1045679A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3945724B2 publication Critical patent/JP3945724B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/151Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions, e.g. CO2

Landscapes

  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、アルコールの酸化的カルボニル化反応による炭酸ジエステルの製造方法に関し、さらに詳しくはアルコールと一酸化炭素と酸素とを反応させて炭酸ジエステルを製造する際に、反応器から抜き出される一酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を除去した後に一酸化炭素含有ガスを反応器に循環して有効に利用しうる炭酸ジエステルの製造方法および製造装置に関する。さらに炭酸ジエステルの製造における二酸化炭素(CO2)含有ガスからのCO2の除去方法、CO2吸収剤に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来より炭酸ジエステルの合成方法として、アルコール(ROH、式中Rはアルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基である)と、一酸化炭素と、酸素とを、触媒の存在下に反応させるアルコールの酸化的カルボニル化反応が知られている。
【0003】
2ROH + CO + 1/22 → (RO)2CO + H2
このようなアルコールの酸化的カルボニル化反応では、アルコールおよびCOの燃焼(完全酸化)により二酸化炭素(CO2)も副生される。またアルコールの転化率を上げるために過剰量のCOを反応系に供給しており、この反応を工業的に行う際には未反応のCOを再使用することが望ましい。
【0004】
ところで上記反応を液相で行う場合には、反応生成物(炭酸ジエステル)、アルコールおよび水は実質的に反応液に回収され、COガスおよびCO2ガスが反応器上部から抜き出される。
【0005】
また上記反応を気相で行う場合には、反応系から抜き出されるガスは、COガス、CO2ガス、反応生成物(炭酸ジエステル)、アルコールおよび水などを含んでおり、このガスを冷却して気液分離し、炭酸ジエステル、水およびアルコールを含む液相と、COガスおよびCO2ガスを含むガス相とに分離することができる。
【0006】
上記のように反応器から回収されるガスあるいは気液分離工程を経て回収されるガスをそのまま循環再使用しつづけると、COガスに同伴するCO2ガスが反応系に蓄積して反応速度が低下する。このため所定期間毎に反応器内の反応ガスをパージしてCO2の蓄積を防がなければならないという問題点があった。
【0007】
反応器から抜き出されたガスを処理して反応器に循環させる方法も提案されており、たとえば特開平6−1754号公報には、アルコールとCOとO2とを反応させて炭酸ジアルキルを製造するに際して、反応器から抜き出されたガス中に存在するCOとO2を反応器に循環するに際し、副生されたCO2を循環ガスから排除すべき場合には、循環ガスの一部をCO2スクラバーに通過させることが示されている。また特開平7−53475号公報には、反応器から抜き出したガス流から水を蒸留除去して得られる(ジ)アルキルカーボネート/アルカノール混合物を循環させることにより反応系の水濃度を低下させるに際して、蒸留塔頂部から抜き出されたCO/CO2混合ガスをスクラバーに通過させてNaOHと接触させ、CO2をNaHCO3として除去した後、ガスを反応器に循環する方法が提案されている。
【0008】
しかしながら上記のようなCO2ガスをNaOHなどの塩基性溶液で処理すると、ガス中に同伴するアルコールや炭酸ジエステルの回収が困難なばかりでなく、該ガス中に含有される炭酸ジエステルはアルコールとCO2に加水分解されやすく、また生成するNaHCO3の処理も必要になる。
【0009】
なお特開平7−145109号公報には、DMC(炭酸ジメチル)製造において、反応生成物中に含まれる触媒に由来するHClおよび銅塩を除去する方法として、反応器から抜き出されるガス−蒸気流の温度とほぼ同温度で合成プロセス流体(水/メタノール/DMC混合液)と接触させる方法が提案されている。この方法では、ガス−蒸気流と合成プロセスの流体との接触は、120〜150℃程度の温度で、反応器からのガス−蒸気流が実質的に凝縮しないような条件下で行われており、このような条件下では、ガス−蒸気流中に含まれるCO2は合成プロセス流体には吸収されにくい。
【0010】
なおCO2の一般的な吸収法としては、アミン吸収法と熱炭酸カリウム法が知られているが、このような塩基性溶液を用いると、回収ガス中に含まれる炭酸ジエステルおよびアルコールを回収することは困難であり、また炭酸ジエステルの加水分解が起こるおそれが大きい。さらにCO2の吸収法としては、ポリグリコールのジメチルエーテルを吸収液とする方法(SELECSOL法)も知られているが、このような吸収液を用いると、蒸留塔を必要としたり操作も繁雑となり、炭酸ジエステルの製造方法においては必ずしも適した方法とは言いがたい。
【0011】
このように炭酸ジエステルの製造方法においては、従来より反応系から回収されるCOおよびCO2を含有するガスから、CO2を効率的に除去してCOを循環再利用する方法の出現が望まれていた。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、アルコールと一酸化炭素と酸素とを反応させて炭酸ジエステルを製造する際に、反応器から回収されるCO含有ガス中のCO2を選択的に吸収除去して、CO含有ガスを反応系に循環して再利用することができるような炭酸ジエステルの製造方法および製造装置を提供することを目的としている。さらに炭酸ジエステルの製造における二酸化炭素(CO2)含有ガスからのCO2の除去方法、CO2吸収剤をも提供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】
本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法は、アルコールの酸化的カルボニル化反応により炭酸ジエステルを製造するに際して、(1) 炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類から選ばれるアルコールと一酸化炭素(CO)と酸素とを反応させた反応器から、COおよび反応で副生する二酸化炭素(CO2)を含むガス(i)を抜き出し、(2) 抜き出されたガス(i)を、反応で用いたアルコールと同じアルコールを含むアルコール含有液と接触させてガス(i)中に含まれるCO2の少なくとも一部を吸収除去し、(3) CO2の少なくとも一部が吸収除去されたCO含有ガス(ii)を前記反応器に循環して反応に用いることを特徴としている。
【0014】
ガス(i)は気液分離させた後に、分離されたガスをアルコール含有液と接触させることが好ましい。
ガス(i)と接触させたアルコール含有液を加熱および/または減圧してCO2を放散した後、CO2吸収用のアルコール含有液として用いることができる。
【0015】
また本発明では、炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類から選ばれるアルコールの酸化的カルボニル化反応による炭酸ジエステルの製造において、アルコールの酸化的カルボニル化反応で副生した二酸化炭素(CO2)を含むガスを、CO2がアルコール含有液に吸収されうる条件下で、反応で用いたアルコールと同じアルコールを含むアルコール含有液と接触させることからなるCO2含有ガスからのCO2除去方法も提供される。
【0016】
上記アルコール含有液は、炭酸ジエステルを含んでいてもよい。本発明では、炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類から選ばれるアルコールの酸化的カルボニル化反応による炭酸ジエステルの製造において、反応で副生する二酸化炭素(CO 2 )を含むガスからCO 2 を吸収する、アルコールからなる炭酸ジエステル製造に用いるCO2吸収剤であって、反応で用いたアルコールと同じアルコールを含むアルコール含有液であることを特徴とするCO2吸収剤も提供される。このアルコールからなるCO2吸収剤は、炭酸ジエステルを含んでいてもよい。
【0017】
本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、(a) 炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類から選ばれるアルコールと一酸化炭素と酸素とを反応させる炭酸ジエステル合成反応器と、(b) 前記炭酸ジエステル合成反応器からガス(i)を抜き出すガス抜き出し経路と、(c) 前記ガス抜き出し経路に接続され、反応で用いたアルコールと同じアルコールを含む吸収液であるアルコール含有液と、反応器から抜き出されたガス(i)とを接触させ、ガス(i)中に含まれるCO2の少なくとも一部を吸収除去するCO2吸収塔と、(d) CO2吸収塔からCO2の少なくとも一部が吸収除去されたガス(ii)を、炭酸ジエステル合成反応器に循環させるガス循環経路と、を含むことを特徴としている。
【0018】
上記において、(j)前記炭酸ジエステル合成反応器から、CO2吸収塔に接続されたガス抜き出し経路(b) の途中に、ガス(i)から炭酸ジエステルを含んだ液を分離する気液分離器を備えていることが好ましい。
【0019】
本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、通常上記に加えて、
(e)前記CO2吸収塔で吸収されたCO2を含んだアルコール含有液を回収するアルコール含有液回収経路と、
(f)前記アルコール含有液回収経路に接続され、CO2を含んだアルコール含有液からCO2を放散するCO2放散装置と、
(g)前記CO2放散装置でCO2が除去されたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含有液循環経路と、を備えている。
【0020】
また本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、上記(a)〜(g)に加えて、
(h)前記CO2放散装置でCO2が除去されたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含有液循環経路から分岐して、アルコール含有液の一部を炭酸ジエステル精製系に導入するためのアルコール含有液導入経路と、
(j)前記のような気液分離器と、
(k)該気液分離器で分離された炭酸ジエステルを含んだ液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経路と、
(m)前記アルコール含有液と炭酸ジエステルを含んだ液から水とアルコールとを分離して、炭酸ジエステルを精製する炭酸ジエステル精製系と、
を備えていることが好ましい。
【0021】
また本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、上記(a)〜(g)に加えて、
(h)上記アルコール含有液導入経路と、
(n)前記炭酸ジエステル合成反応器で生成された炭酸ジエステルを含んだ反応液を炭酸ジエステル精製系に導入するための反応液導入経路と、
(m)上記炭酸ジエステル精製系と、
を備えていることが好ましく、さらにこの炭酸ジエステル製造装置は、
(j)上記のような気液分離器と、
(k)該気液分離器で分離された炭酸ジエステルを含んだ液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経路と、を備えていることが好ましい。
【0022】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法、CO2除去方法、CO2吸収剤および製造装置について、アルコールと一酸化炭素と酸素との反応を例に図を参照しながら具体的に説明する。
【0023】
(1) アルコールと一酸化炭素と酸素との反応
本発明では、アルコールの酸化的カルボニル化反応による炭酸ジエステルの合成は、図1に示すような反応器1に、アルコール、一酸化炭素(CO)および酸素を導入して触媒の存在下で反応させることにより行われる。
【0024】
2ROH + CO + 1/22 → (RO)2CO + H2
反応は、気相反応または液相反応のいずれの形態でも行うことができる。反応器の形式も適宜に選択採用することができ、たとえば気相反応の場合には、固定層あるいは流動層などを用いることができ、液相反応の場合には、通気撹拌槽、気泡塔などを用いることができる。
【0025】
反応器1は、水などを冷却媒体とする冷却器1fを備えていてもよい。
またこの反応を行なうに際しては、反応系に不活性ガスたとえば窒素、水素などが存在していてもよい。
【0026】
ライン1aから反応器に供されるアルコール(ROH)としては、炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類などが挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどの1価アルコールが例示される。
【0027】
これらのうち、特にメタノール、エタノールなどが好ましく、これらを組合わせて用いてもよい。
【0028】
なお図1においては、上記ROHとしてメタノール(MeOH)を用いて炭酸ジメチル(DMC)を合成する場合について説明するが、本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法はなんらこの図に限定されるものではない。
ライン1bからは酸素が供給され、ライン1cからは一酸化炭素が供給される。
【0029】
反応条件は、気相反応または液相反応かにより適宜選定すればよい。
たとえば反応を気相で行なう場合には、反応温度は、70〜350℃、好ましくは80〜250℃であり、反応圧力は、常圧ないし35kg/cm2G、好ましくは2〜20kg/cm2Gであることが望ましい。
【0030】
酸素は、アルコール1モルに対して、好ましくは0.01〜0.3モル、さらに好ましくは0.05〜0.2モルの量である。一酸化炭素は、アルコール1モルに対して、0.2〜100モルが好ましく、さらにアルコールの転化率を高めるために化学量論量よりも過剰に用いることが好ましく、また循環ガスの供給動力の面からは、0.5〜10モルの量で供給されることが望ましい。
【0031】
また反応を液相で行なう場合には、反応温度は、80〜200℃、好ましくは100〜150℃であり、反応圧力は、5〜50kg/cm2G、好ましくは10〜30kg/cm2Gであることが望ましい。酸素及び一酸化炭素の供給量は上記条件を採用することが望ましい。
【0032】
触媒としては、上記反応により炭酸ジエステルを合成できるものであればよく、たとえばハロゲン化銅などの銅系触媒、塩化パラジウムなどのパラジウム系触媒、さらにハロゲン化銅とフェニル基またはアルキル基を有する第三級有機リン化合物とから製造される触媒、ハロゲン化銅とアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物とから製造される触媒などが挙げられる。これらは反応形式に応じてそのままで、あるいは活性炭、酸化チタン、酸化ニオブ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミナなどの適当な担体に担持した形態で用いることができる。
【0033】
(2) CO 2 の吸収除去
上記の反応器1のライン1dから抜き出されるガス(i)を吸収塔2に導いてアルコール含有液と接触させて、ガス(i)中に含まれるCO2を選択的に吸収除去する。
【0034】
この反応器から抜き出されたガス(i)は、通常目的生成物である炭酸ジエステル(DMC)、反応により生成する水、未反応アルコール(MeOH)、未反応CO、副生CO2などを含んでいる。
【0035】
本発明では、図1に示すように反応器から抜き出されるガス(i)をそのまま吸収塔2に導いてアルコール含有液と接触させてもよく、また図2に示すようにガス(i)を気液分離器6で気液分離し、分離されたガスをライン6aから吸収塔2に導いてアルコール含有液と接触させてもよい。
【0036】
より具体的にはたとえば図1に示すように炭酸ジエステル、水、アルコールなどの大部分が、反応器のライン1eから液相として抜き出される場合には、反応器ライン1dから抜き出されるガス(i)を直接吸収塔2に導いてアルコール含有液と接触させることができる。この際にもガス(i)を一旦気液分離器6(図示せず)に導いて気液分離して、ガス(i)中に含まれる炭酸ジエステル、水、アルコールなどを除去した後、ガスをアルコール含有液と接触させてもよい。
【0037】
また図2に示すように反応生成物を反応器ライン1dからガス流として抜き出す場合には、冷却器7を介して、ガス(i)を気液分離器6に導いて気液分離し、分離されたガスをライン6aから吸収塔2に導くことが好ましい。
このようにガス(i)を予め気液分離することにより吸収塔2の負荷が軽減される。
【0038】
気液分離器6において、ガス(i)の気液分離は、高圧、低温下で行うことが望ましいが、経済性の面からは圧縮機あるいは冷凍器を必要としないような高圧、低温下で行うことが好ましい。具体的に圧力は、前述の反応圧力と同等範囲であればよく、通常、反応器と同程度の圧力で行われる。温度は、40℃以下であることが好ましい。このような気液分離器6としては、具体的にはフラッシュドラムなどが挙げられ、たとえばライン1dから抜き出されたガス(i)を冷却器7によって冷却して、フラッシュドラム6などで気液分離することができる。
【0039】
ガス(i)を冷却するに際しては、後述する吸収塔の出口ガス(ii)を用いることも有効的である。例えば、冷却器7にて冷却した後のガス(i)と吸収塔の出口ガス(ii)との間で熱交換を行なってガス(i)の温度を下げるようにしてもよい。
【0040】
また気液分離器6として、前述の特開平7−53475号公報に記載のように蒸留塔を用いて、反応器1から抜き出されるガスからCOおよびCO2を主体とするガスを得ることもできる。
【0041】
気液分離器6により分離された液体は、主に炭酸ジエステル、アルコールおよび水を含有しており、ライン6bを介して後述するような炭酸ジエステル精製系5に導いて、炭酸ジエステルおよびアルコールを回収することが好ましい。
【0042】
ライン6aから抜き出される分離ガス中には、主にCO、CO2が含まれており、さらにDMC、MeOH、水なども少量含まれている。
【0043】
吸収塔2において、アルコール含有液としては、反応に用いられるアルコールと同じアルコールが用いられることが好ましく、アルコール含有液はアルコール以外にも炭酸ジエステル、水、他の反応生成物を含んでいてもよい。たとえば反応器のライン1e(図1参照)から抜き出される反応液(触媒含有液の場合は触媒を分離除去して得られる液)、あるいは気液分離器のライン6b(図2参照)から抜き出される反応液を用いることができる。
【0044】
アルコール含有液のアルコール濃度は、特に制限されないが、通常20〜100重量%であることが好ましい。
【0045】
ガス(i)と、アルコール含有液との接触は、CO2がアルコール含有液に吸収されうる条件下に行われればよく、特に制限はない。例えば大気圧以上、好ましくは5気圧以上の圧力下で行うことができる。さらに反応器圧力と同程度の圧力で行うことが操作性の面から好ましい。温度は30℃以下、好ましくは0℃以下で、かつ経済性の観点からは−30℃以上の条件下で行うことが望ましい。
【0046】
このようにガス(i) を低温のアルコール含有液と接触させることにより、ガス中のCO2は選択的に吸収され、吸収塔出口2aからCO2の少なくとも一部が吸収除去された循環ガス(ii)が得られる。
【0047】
この吸収塔2においては、副反応で生成する量に見合う程度のCO2を吸収除去すればよく、得られる循環ガス(ii)中にCO2がある程度残存していても問題はない。
【0048】
具体的には、循環ガス(ii)中に含まれるCO2と、アルコール含有液中に吸収除去されるCO2との量比は、0.1〜20:1好ましくは2〜10:1程度であればよい。
【0049】
このように循環ガス中のCO2濃度(分圧)をある程度上げることにより、アルコール含有液へのCO2の吸収を容易にすることもできる。
吸収塔2のライン2bからから抜き出されるアルコール含有液は、アルコール、CO2とともに主に炭酸ジエステル、水などを含有している。
【0050】
本発明では、CO2の吸収液としてアルコール含有液を用いているので、吸収された反応生成物DMCがアルコール含有液中で加水分解されることがなく、ガス(i) 中に含まれる炭酸ジエステル、アルコールを有効的にアルコール含有液中に溶解することができる。
【0051】
(3) COの循環再使用
本発明においては、上記のように吸収塔2においてCO2の少なくとも一部が吸収除去された循環ガス(ii)は、主にCOを含んでおり、ライン2aから反応器1に導入して、一酸化炭素源として使用する。
【0052】
(4) CO 2 放散
本発明では、上記のように吸収塔2から抜き出されたアルコール含有液からCO2を放散させる工程を加えることが好ましい。
【0053】
具体的には、ライン2bから抜き出したアルコール含有液を放散装置4に導き、加熱および/または減圧してライン4aからCO2を放散させ、ライン4bからアルコール含有液を吸収塔2に循環して用いることができる。
【0054】
放散装置4としては、放散塔あるいはフラッシュドラムなどを使用できる。
図では放散装置4の底部の液循環ラインに加熱器を設けた例を示しているが、放散装置としてフラッシュドラムを用いる場合には加熱器を設けなくてもよい。
【0055】
アルコール含有液からのCO2の放散は、吸収塔の操作圧力よりも低い圧力、好ましくは大気圧下で行われる。温度は放散塔の場合は放散塔塔底温度としてアルコール含有液の沸点近傍の温度で行なうことが好ましい。フラッシュドラムを用いる場合はアルコール含有液の融点以上の温度で行えばよい。
【0056】
(5) 炭酸ジエステルの精製
また上記(4) においてライン4bから吸収塔2に循環させるアルコール含有液は、主にMeOH、DMC、水などを含んでおり、このアルコール含有液の一部を、ライン4cを介して炭酸ジエステルの精製系5に導入し、該アルコール含有液中に含まれるDMC(炭酸ジエステル)およびMeOH(アルコール)を分離回収することが好ましい。
【0057】
さらに図2に示すように、この精製系5には、気液分離器6のライン6bから、主にMeOH、DMC、水などを含む液を導いて、該液中に含まれるDMCおよびMeOHを分離回収する。
【0058】
また図1に示すように、反応器1の下部からライン1eを介して、主にMeOH、DMC、水などを含む反応液を精製系5に導いて、該反応液中に含まれるDMCおよびMeOHを分離回収する。
【0059】
このように精製系5で分離されたMeOHは、通常反応器1に循環させる。
炭酸ジエステルの精製法としては通常の方法が用いられ、たとえば蒸留法などによりアルコール含有液あるいは反応液中に含まれる炭酸ジエステル、アルコール、水を分離することができる。
【0060】
アルコール含有液には、炭酸ジエステルなどが蓄積してくるが、本発明では、吸収塔2において、反応原料と同じアルコールをアルコール含有液として用いれば、CO2が放散除去された後のアルコール含有液を炭酸ジエステルの精製工程に導入することによって、反応器から抜き出されたガス(i)中に含まれる炭酸ジエステルを効率的に回収することができる。
【0061】
CO 2 除去方法
本発明では、炭酸ジエステルの製造において、上記(2) CO2の吸収除去で示したようなCO2含有ガスからのCO2除去方法も提供され、具体的に、二酸化炭素(CO2)を含むガスを、CO2がアルコール含有液に吸収されうる条件下で、アルコール含有液と接触させることからなるCO2含有ガスからのCO2除去方法も提供される。
このアルコール含有液は、上記したように炭酸ジエステルや水などを含んでいてもよい。
【0062】
CO 2 吸収剤
また本発明では、アルコールからなる炭酸ジエステル製造に用いるCO2吸収剤も提供される。
【0063】
具体的には上記(2) CO2の吸収除去で用いられたようなアルコール含有液が挙げられ、前述の炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類などよりなるものが挙げられる。これらのうちでも、メタノール、エタノールが好ましく用いられる。
【0064】
また、炭酸ジエステル(RO)2COを構成する炭化水素基Rが、アルコール(ROH)の炭化水素基Rと同じアルコールを用いることが好ましい。
このCO2吸収剤は、CO2吸収効率の点から液状で使用することが好ましい。CO2吸収剤は、アルコール以外にも炭酸ジエステルを含んでいるアルコール含有液であってもよく、さらに水などの物質を含んでいてもよい。CO2吸収剤のアルコール濃度は、特に制限されないが、通常、20〜100重量%の範囲で好ましく用いられる。
【0065】
CO2吸収剤とCO2を含有するガスとの接触は、CO2が吸収される条件で行われる。例えば、大気圧以上、好ましくは5気圧以上の圧力下で行うことができる。炭酸ジエステル製造においては、特に炭酸ジエステル合成反応器での圧力と同程度の圧力とすることが操作性の面から好ましい。接触温度は、30℃以下、好ましくは0℃以下で、かつ経済性の観点からは−30℃以上の条件下で行うことが望ましい。
【0066】
CO2吸収剤の再生方法としては特に限定されないが、加熱および/または減圧により脱気する方法を挙げることができる。
本発明に係るCO2吸収剤は、アルコールからなり、炭酸ジエステル製造時に用いられる。
【0067】
炭酸ジエステル製造装置
本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、上記のような炭酸ジエステルの製造方法を実施しうる装置であって、図1に示すように
(a) アルコールと一酸化炭素と酸素とを反応させる炭酸ジエステル合成反応器1と、
(b) 前記炭酸ジエステル合成反応器からガス(i)を抜き出すガス抜き出し経路1dと、
(c) 前記ガス抜き出し経路1dに接続され、吸収液であるアルコール含有液と反応器から抜き出されたガス(i)とを接触させ、ガス(i)中に含まれるCO2の少なくとも一部を吸収除去するCO2吸収塔2と、
(d) CO2吸収塔2からCO2の少なくとも一部が吸収除去されたガス(ii)を、炭酸ジエステル合成反応器に循環させるガス循環経路2aと、を含むことを特徴としている。
【0068】
上記のような本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、図2に示すように、通常、(j)前記炭酸ジエステル合成反応器1から、CO2吸収塔2に接続されたガス抜き出し経路1dの途中に、ガス(i)から炭酸ジエステルを含んだ液を分離する気液分離器6を備えることができる。
【0069】
本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、上記(a)〜(d)に加えて、通常、
(e)前記CO2吸収塔2で吸収されたCO2を含んだアルコール含有液を回収するアルコール含有液回収経路2bと、
(f)前記アルコール含有液回収経路2bに接続され、CO2を含んだアルコール含有液からCO2を放散するCO2放散装置4と、
(g)前記CO2放散装置4でCO2が除去されたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含有液循環経路4bと、を備えることができる。
【0070】
また本発明に係る炭酸ジエステル製造装置は、図2に示すように上記(a)〜(g)に加えて、
(h)前記CO2放散装置4でCO2が除去されたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含有液循環経路4bから分岐して、アルコール含有液の一部を炭酸ジエステル精製系5に導入するためのアルコール含有液導入経路4cと、
(j)上記のような気液分離器6と、
(k)前記気液分離器6で分離された炭酸ジエステルを含んだ液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経路6bと、
(m)前記アルコール含有液と炭酸ジエステルを含んだ液から水とアルコールとを分離して、炭酸ジエステルを精製する炭酸ジエステル精製系5と、
を備えていることが好ましい。
【0071】
また本発明では、前記(a)〜(g)に加えて、前記のような(h)アルコール含有液循環経路4bから分岐して、アルコール含有液の一部を炭酸ジエステル精製系5に導入するためのアルコール含有液導入経路4cと、
(n)前記炭酸ジエステル合成反応器1で生成された炭酸ジエステルを含んだ反応液を炭酸ジエステル精製系に導入するための反応液導入経路1eと、
前記のような(m)炭酸ジエステル精製系5と、
を備えた炭酸ジエステル製造装置も好ましい。
【0072】
このような炭酸ジエステル製造装置は、図2に示すような、
(j)炭酸ジエステル合成反応器1から、CO2吸収塔2に接続されたガス抜き出し経路1dの途中に、ガス(i)から炭酸ジエステルを含んだ液を分離する気液分離器6を備えていることが好ましく、
(k)この気液分離器6で分離された炭酸ジエステルを含んだ液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経路6bと、を備えていることが好ましい。
【0073】
【発明の効果】
本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法によれば、アルコールと一酸化炭素と酸素とを反応させて炭酸ジエステルを製造する際に、反応器から抜き出される一酸化炭素含有ガスを反応器に循環して有効に利用することができる。また本発明に係る炭酸ジエステル製造装置によれば、上記のような炭酸ジエステルの製造方法を効率よく行うことができる。さらに本発明に係る二酸化炭素(CO2)の除去方法及びCO2吸収剤によれば炭酸ジエステルの製造におけるCO2含有ガスからCO2を有効的に除去することができる。
【0074】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお実施例1、2および比較例1で使用した触媒は次のように調製した。
【0075】
〔触媒調製〕
蒸留水100リットルに塩化第二銅2水和物37kgを加え、塩化第二銅溶液を得た。蒸留水100リットルに水酸化ナトリウム13kgを加え、水酸化ナトリウム水溶液を得た。
【0076】
活性炭100kgに前記調製した塩化第二銅溶液を50リットル含浸させた後、不活性ガス(窒素ガス)を流通させながら100℃で3時間乾燥した。冷却後塩化第二銅を担持した活性炭に対して水酸化ナトリウム水溶液を40リットル含浸させた後、不活性ガスを流通させながら100℃で3時間乾燥して触媒A(Cu:6重量%含有、OH/Cuモル比=1.2)を得た。なおCu含有量は式1により示される。
【0077】
【数1】
Figure 0003945724
【0078】
【実施例1】
図2に示すプロセスにしたがって、DMC(炭酸ジメチル)を製造した。
内径100mm、触媒静止層高1500mmの流動層反応器1に、ライン1cからCOを6.6kg/hの量で、ライン1bからO2を0.6kg/hの量で、ライン1aから気化させたメタノールを3.9kg/hの量で供給して触媒の存在下で反応させた。
【0079】
反応圧は9気圧で行なった。反応温度は、反応器内に設置したコイル1f(内径4mm)に冷却水を流して、150℃に制御した。
反応器出口ライン1dから抜きだしたガス(i) は、冷却器7において30℃に冷却した後反応圧下でフラッシュドラム6に供給して、気液分離した。フラッシュドラム6で分離された気体はライン6aから吸収塔2に導き、一方液体はライン6bから精製系5に送った。
【0080】
吸収塔2、放散装置4として、どちらも内径80mm、充填層高1500mmの充填塔を用いた。吸収塔2では、約9気圧下で−20℃の冷メタノールでCO2を吸収し、放散装置4では大気圧に減圧して塔底温度70℃に加熱してCO2を放出した。
【0081】
次いで、吸収塔2の出口2aガス(ii)を加圧して反応器1に循環するとともにCOとO2の供給量を、それぞれ0.8kg/h、0.5kg/hに減じた。このまま20時間反応を継続させ、吸収液(アルコール含有液)中のDMCの濃度が10重量%になったところで、吸収液をライン4cから1時間当たり220gに相当する量だけ間欠的に抜き出して精製系5に送り、同じ量のメタノールを補給した。
【0082】
各部の組成がほぼ一定になったときの反応器出口1dガス、フラッシュドラム出口6aガス、フラッシュドラム出口6b液体、吸収塔出口2aガス、放散装置出口ガス4aの流量と組成を表1に示す。組成単位は重量%である。
【0083】
【表1】
Figure 0003945724
【0084】
【比較例1】
実施例1と同じ反応器を用いて、9気圧、150℃でDMC合成反応を行った。実施例1と同様にCO 6.6kg/h、O2 0.6kg/h、メタノール3.9kg/hを供給して反応を開始した。反応器出口ガスを30℃に冷却して反応圧下でフラッシュドラムに供給して気液を分離し、分離した液体を精製系に送るとともに、分離した気体を加圧してそのまま反応器に循環し、反応器に供給するCO、O2をそれぞれ0.8kg/h、0.5kg/hに減じた。
【0085】
循環ガスを経時的に分析していたところ、ガス中のCO2の濃度が増加してきたために、10時間後から、フラッシュドラム分離ガスのうち1.2kg/hを系外に放出した。このガス中に含まれているCO2は250g/hで、反応で生成するCO2とほぼ等しい量である。
【0086】
この放出ガス中には、21g/hのメタノール、15g/hのDMCが含まれていた。
実施例1と比較例1とからも明らかなように、本発明においては、反応器から抜き出されたガスからCO2を有効的に除去できるとともに、CO、メタノールおよびDMCの系外への放出は著しく低減されるので、COの循環使用が十分に行なわれ、効率よく炭酸ジエステルを製造することができる。
【0087】
【実施例2】
実施例1と同じ流動層反応器1に、CO 5.6kg/h、O2 0.5kg/h、気化させたエタノール4.6kg/hを供給した。
【0088】
反応圧は9気圧で行なった。反応温度は、反応器内に設置したコイル1f(内径4mm)に冷却水を流して、150℃に制御した。
反応器出口ライン1dから抜きだしたガス(i) は、冷却器7において30℃に冷却した後反応圧下でフラッシュドラム6に供給して、気液分離した。フラッシュドラム6で分離された気体はライン6aから吸収塔2に導き、一方液体はライン6bから精製系5に送った。
【0089】
吸収塔2、放散装置4として、どちらも内径80mm、充填層高1500mmの充填塔を用いた。吸収塔2では、約9気圧下で−15℃の冷エタノールでCO2を吸収し、放散装置4では大気圧に減圧して塔底温度82℃に加熱してCO2を放出した。
【0090】
次いで、吸収塔2の出口2aガス(ii)を加圧して反応器1に循環するとともにCOとO2の供給量を、それぞれ0.6kg/h、0.4kg/hに減じた。このまま20時間反応を継続させ、吸収液中の炭酸ジエチル(DEC)の濃度が10重量%になったところで、吸収液をライン4cから1時間当たり90gに相当する量だけ間欠的に抜き出して精製系5に送り、同じ量のエタノールを補給した。
【0091】
各部の組成がほぼ一定になったときの反応器出口1dガス、フラッシュドラム出口6aガス、フラッシュドラム出口6b液体、吸収塔出口2aガス、放散塔出口ガス4aの流量と組成を表2に示す。組成単位は重量%である。
【0092】
【表2】
Figure 0003945724

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法および炭酸ジエステル製造装置の態様例を示す。
【図2】 本発明に係る炭酸ジエステルの製造方法および炭酸ジエステル製造装置の好ましい態様例を示す。

Claims (12)

  1. アルコールの酸化的カルボニル化反応により炭酸ジエステルを製造するに際して、
    (1) 炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類から選ばれるアルコールと一酸化炭素(CO)と酸素とを反応させた反応器から、COおよび反応で副生する二酸化炭素(CO2)を含むガス(i)を抜き出し、
    (2) 抜き出されたガス(i)を、反応で用いたアルコールと同じアルコールを含むアルコール含有液と接触させてガス(i)中に含まれるCO2の少なくとも一部を吸収除去し、
    (3) CO2の少なくとも一部が吸収除去されたCO含有ガス(ii)を前記反応器に循環して反応に用いることを特徴とする炭酸ジエステルの製造方法。
  2. 上記工程(2) において、
    ガス(i)を気液分離させた後に、分離されたガスをアルコール含有液と接触させることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ジエステルの製造方法。
  3. ガス(i)と接触させたアルコール含有液を加熱および/または減圧してCO2を放散した後、CO2吸収用のアルコール含有液として用いることを特徴とする請求項1または2に記載の炭酸ジエステルの製造方法。
  4. 炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類から選ばれるアルコールの酸化的カルボニル化反応による炭酸ジエステルの製造において、アルコールの酸化的カルボニル化反応で副生した二酸化炭素(CO2)を含むガスを、CO2がアルコール含有液に吸収されうる条件下で、反応で用いたアルコールと同じアルコールを含むアルコール含有液と接触させることからなるCO2含有ガスからのCO2除去方法。
  5. 炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類から選ばれるアルコールの酸化的カルボニル化反応による炭酸ジエステルの製造において、反応で副生する二酸化炭素(CO 2 )を含むガスからCO 2 を吸収する、アルコールからなる炭酸ジエステル製造に用いるCO2吸収剤であって、
    反応で用いたアルコールと同じアルコールを含むアルコール含有液であることを特徴と
    するCO2吸収剤。
  6. 前記アルコールからなるCO2吸収剤が、炭酸ジエステルを含むことを特徴とする請求項5に記載のCO2吸収剤。
  7. (a) 炭素数1〜7の脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよびフェノール類から選ばれるアルコールと一酸化炭素と酸素とを反応させる炭酸ジエステル合成反応器と、
    (b) 前記炭酸ジエステル合成反応器からガス(i)を抜き出すガス抜き出し経路と、
    (c) 前記ガス抜き出し経路に接続され、反応で用いたアルコールと同じアルコールを含む吸収液であるアルコール含有液と反応器から抜き出されたガス(i)とを接触させ、ガス(i)中に含まれるCO2の少なくとも一部を吸収除去するCO2吸収塔と、
    (d) CO2吸収塔からCO2の少なくとも一部が吸収除去されたガス(ii)を、炭酸ジエステル合成反応器に循環させるガス循環経路と、
    を含むことを特徴とする炭酸ジエステル製造装置。
  8. (j)前記炭酸ジエステル合成反応器から、CO2吸収塔に接続されたガス抜き出し経路(b) の途中に、ガス(i)から炭酸ジエステルを含んだ液を分離する気液分離器を備えてなることを特徴とする請求項7に記載の炭酸ジエステル製造装置。
  9. (e)前記CO2吸収塔で吸収されたCO2を含んだアルコール含有液を回収するアルコール含有液回収経路と、
    (f)前記アルコール含有液回収経路に接続され、CO2を含んだアルコール含有液からCO2を放散するCO2放散装置と、
    (g)前記CO2放散装置でCO2が除去されたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含有液循環経路と、
    を備えることを特徴とする請求項7に記載の炭酸ジエステル製造装置。
  10. (h)前記CO2放散装置でCO2が除去されたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含有液循環経路から分岐して、アルコール含有液の一部を炭酸ジエステル精製系に導入するためのアルコール含有液導入経路と、
    (j)前記炭酸ジエステル合成反応器とCO2吸収塔との間のガス抜き出し経路途中に、ガス(i)から炭酸ジエステルを含んだ液を分離する気液分離器と、
    (k)前記気液分離器で分離された炭酸ジエステルを含んだ液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経路と、
    (m)アルコール含有液と炭酸ジエステルを含んだ液とから水とアルコールとを分離して、炭酸ジエステルを精製する炭酸ジエステル精製系と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の炭酸ジエステル製造装置。
  11. (h)前記CO2放散装置でCO2が除去されたアルコール含有液をCO2吸収塔に循環するためのアルコール含有液循環経路から分岐して、アルコール含有液の一部を炭酸ジエステル精製系に導入するためのアルコール含有液導入経路と、
    (n)前記炭酸ジエステル合成反応器で生成された炭酸ジエステルを含んだ反応液を炭酸ジエステル精製系に導入するための反応液導入経路と、
    (m)アルコール含有液と炭酸ジエステルを含んだ液とから水とアルコールとを分離して、炭酸ジエステルを精製する炭酸ジエステル精製系と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の炭酸ジエステル製造装置。
  12. (j)前記炭酸ジエステル合成反応器とCO2吸収塔との間のガス抜き出し経路途中に、ガス(i)から炭酸ジエステルを含んだ液を分離する気液分離器と、
    (k)前記気液分離器で分離された炭酸ジエステルを含んだ液を、炭酸ジエステル精製系に導入する反応液導入経路と、
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の炭酸ジエステル製造装置。
JP09765097A 1996-04-17 1997-04-15 炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置 Expired - Fee Related JP3945724B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09765097A JP3945724B2 (ja) 1996-04-17 1997-04-15 炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9556896 1996-04-17
JP8-95568 1996-04-17
JP09765097A JP3945724B2 (ja) 1996-04-17 1997-04-15 炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1045679A JPH1045679A (ja) 1998-02-17
JP3945724B2 true JP3945724B2 (ja) 2007-07-18

Family

ID=26436775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09765097A Expired - Fee Related JP3945724B2 (ja) 1996-04-17 1997-04-15 炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3945724B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1567717B2 (de) * 1966-12-16 1975-09-04 Metallgesellschaft Ag, 6000 Frankfurt Verfahren zur Auswaschung von Kohlendioxid aus wasserstoffhaltigen Synthesegasen
AU506199B2 (en) * 1975-06-26 1979-12-20 Exxon Research And Engineering Company Absorbtion of co2 from gaseous feeds
JPH01304184A (ja) * 1988-06-02 1989-12-07 Mitsubishi Gas Chem Co Inc メタン含有ガスの製造法
DE4138755A1 (de) * 1991-11-26 1993-05-27 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von dialkylcarbonaten
DE4203796A1 (de) * 1992-02-10 1993-08-12 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von dialkylcarbonaten
DE4325651A1 (de) * 1993-07-30 1995-02-02 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Dialkylcarbonaten
DE4344159A1 (de) * 1993-12-23 1995-06-29 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Dimethylcarbonat
IT1269884B (it) * 1994-06-03 1997-04-15 Enichem Sintesi Metodo per la rimozione dei contaminanti acidi e salini dalla fase condensata dell'effluente di reazione in un processo per la sintesi di dimetilcarbonato

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1045679A (ja) 1998-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1125915B1 (en) Process for simultaneous production of ethylene glycol and carbonate ester
KR930010407B1 (ko) 디메틸 카보네이트 연속 제조방법
JPH05194452A (ja) エチレンオキシドの製造方法
JPH0698262B2 (ja) 酸性ガス吸収剤組成物
JPH10279516A (ja) 酢酸の製造法
EP0742198B1 (en) Process for continuously producing dimethyl carbonate
KR100278887B1 (ko) 알킬 니트라이트의 제조 방법
US5780663A (en) Process for producing carbonic acid diester
JPS5913741A (ja) 高純度エチレングリコ−ルの製造法
JP2002525346A (ja) 化学反応からの望ましくない水の単離および除去の方法
JP3945724B2 (ja) 炭酸ジエステルの製造方法、co2除去方法、co2吸収剤および炭酸ジエステル製造装置
JP4304446B2 (ja) シュウ酸ジアルキルの製造法
US5559255A (en) Method of recovering ethylene oxide
EP0655433B1 (en) Process for continuously producing dimethyl carbonate
JP2003327562A (ja) 亜硝酸アルキルの製法
JP2004323371A (ja) 炭酸ジアルキルの製造方法
JP2937292B2 (ja) 炭酸ジメチルの連続製造方法
JP2004002336A (ja) 亜硝酸エステルの製法
JP5264083B2 (ja) メタノール合成用触媒及び当該触媒の製造方法、並びにメタノールの製造方法
JP3860631B2 (ja) エチレングリコールの製造方法
JP4028029B2 (ja) 炭酸ジエステルの製造方法および炭酸ジエステル製造用装置
JP3541720B2 (ja) 亜硝酸メチルの回収方法
JPH08127573A (ja) 酸化エチレンの回収方法
JP3750376B2 (ja) エチレングリコールの製造方法
JP3206340B2 (ja) 炭酸ジメチルの連続的製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees