JPH1044701A - ポリオレフィン樹脂組成物製ホイールキャップ及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物製ホイールキャップ及びその製造方法

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JPH1044701A
JPH1044701A JP22044396A JP22044396A JPH1044701A JP H1044701 A JPH1044701 A JP H1044701A JP 22044396 A JP22044396 A JP 22044396A JP 22044396 A JP22044396 A JP 22044396A JP H1044701 A JPH1044701 A JP H1044701A
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真 平井
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邦夫 岩浪
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正夫 境沢
Shintaro Kikuchi
慎太郎 菊地
Yuji Fujita
祐二 藤田
Yasuhide Narita
康秀 成田
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Tokai Rika Co Ltd
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Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 十分な強度、耐衝撃性、耐熱性及び剛性を有
するとともに、成形不良がなく、優れた塗装性を有する
ポリオレフィン樹脂組成物製のホイールキャップを提供
する。 【解決手段】 アイソタクチックペンタッド分率が97%
以上であるプロピレンホモポリマー70〜90重量%とプロ
ピレン/エチレンの重量比が25/75〜75/25であるプロ
ピレン−エチレンランダム共重合部分30〜10重量%とを
含有する結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体
40〜90重量部と、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴ
ム0〜20重量部と、結晶性プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体に0.3 〜5重量%の不飽和カルボン酸グラフ
トした変性ポリプロピレン1〜10重量部と、平均粒径が
10μm以下のタルク0〜34重量部と、平均繊維径が6〜
11μmのガラス繊維1〜35重量部とからなるポリオレフ
ィン樹脂組成物を射出成形してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリオレフィン樹脂
組成物からなるホイールキャップ及びその製造方法に関
し、特に良好な強度、耐衝撃性、耐熱性、剛性等の機械
的特性を有するとともに、ソリ、ヒケ、フローマーク等
の成形不良がなく、塗装性に優れたホイールキャップ及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来自
動車のホイールキャップは鉄板のプレス成形により形成
されていたが、軽量化及び意匠性の改善のために、最近
ではプラスチック製のものが使用されるようになってき
た。プラスチック製ホイールキャップの材質としては、
耐熱性に優れたナイロンやポリフェニレンオキサイド
(PPO)等が使用されているが、最近低コスト化の観
点からポリプロピレン等のポリオレフィンの強化樹脂組
成物が使用されるようになり、種々の提案がなされてい
る。
【0003】例えば実公平5-20561 号は、ポリプロピレ
ン系樹脂と、有機シラン系化合物により表面処理された
ガラス繊維とからなるホイールキャップを開示してい
る。ポリプロピレン系樹脂にはタルク等の副成分が含ま
れていても良く、また無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ンが含まれていても良い。
【0004】また特公平6-45734 号は、ポリプロピレン
と、カルボキシル基を導入したポリプロピレンと、シラ
ン処理したガラス繊維と、硫化亜鉛及びカーボンブラッ
クからなる二成分系顔料と、ポリエチレンワックスとを
含有する繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物から射出成
形により形成したホイールキャップを開示している。さ
らに特公平6-74365 号は、ホイールキャップ用樹脂とし
て、 3〜12重量%のエチレン成分を含有するとともに、
20〜100 g/10分のメルトフローレートを有する結晶性エ
チレン−プロピレンブロック共重合体(重量平均分子量
が1,000 〜50,000の低分子量成分は0.3 〜3.5 重量
%。)45〜83重量%と、不飽和カルボン酸又はその誘導
体で変性されたポリプロピレン樹脂2〜20重量%と、ガ
ラス繊維15〜35重量%とを含有することを特徴とするガ
ラス繊維強化樹脂組成物を開示している。
【0005】しかしながら、上記ホイールキャップ用ポ
リプロピレン樹脂組成物の場合、低コスト化の目的は達
成されたものの、いずれもポリプロピレン樹脂の結晶化
度が十分でないために、得られるホイールキャップ成形
体は十分な強度、耐衝撃性、耐熱性及び剛性を有さない
という問題がある。またホイールキャップ成形の際のゲ
ートの位置や種類、あるいはホイールキャップの意匠面
及び裏面の形状に工夫をしなければ、樹脂成分の改善だ
けでは、ソリ、ヒケ、フローマーク等の成形不良の問題
を完全に克服できないことが分かった。
【0006】したがって、本発明の目的は、十分な強
度、耐衝撃性、耐熱性及び剛性を有するとともに、ソ
リ、ヒケ、フローマーク等の成形不良がなく、優れた塗
装性を有するポリオレフィン樹脂組成物製のホイールキ
ャップ及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、高結晶性プロピレン−エチレン
ブロック共重合体に、エチレン・α−オレフィン共重合
体ゴム、変性ポリプロピレン樹脂、タルク及びガラス繊
維を配合してなる樹脂組成物を特殊な射出成形条件で成
形することにより、優れた強度、耐衝撃性、耐熱性及び
剛性を有するとともに、ソリ、ヒケ、フローマーク等の
成形不良がなく、塗装性に優れたポリオレフィン樹脂組
成物製のホイールキャップが得られることを発見し、本
発明に想到した。
【0008】すなわち本発明のホイールキャップは、
(a) (i) 13C−NMRにより求めたアイソタクチックペ
ンタッド分率が97%以上であるプロピレンホモポリマー
部分70〜90重量%と、(ii)プロピレン/エチレンの重量
比が25/75〜75/25であるプロピレン−エチレンランダ
ム共重合部分30〜10重量%とを含有する結晶性プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体40〜90重量部と、(b) エ
チレン・α−オレフィン共重合体ゴム0〜20重量部と、
(c) 前記(a) と同じ結晶性プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体に0.3 〜5重量%の不飽和カルボン酸又はそ
の無水物をグラフトした変性ポリプロピレン1〜10重量
部と、(d) 平均粒径が10μm以下のタルク0〜34重量部
と、(e) 平均繊維径が6〜11μmのガラス繊維1〜35重
量部とからなるポリオレフィン樹脂組成物を射出成形し
てなることを特徴とする。
【0009】また、上記ホイールキャップを製造する本
発明の方法は、ホットランナー金型を使用し、前記金型
のキャビティーに開口するゲートをホイールキャップ裏
面の中心点から半径70mm以内に位置するように設定し、
前記ポリオレフィン樹脂組成物を前記金型キャビティー
内に注入することにより賦型することを特徴とする。開
閉機構で分けたゲートの種類としては、温度制御式のゲ
ート、あるいはスプリング式又は機械開閉式のバルブゲ
ートが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [1] ポリオレフィン樹脂組成物の各成分及び配合割合 [A] 成分 本発明で使用するポリオレフィン樹脂組成物は、高結晶
性プロピレン−エチレンブロック共重合体と、エチレン
・α−オレフィン共重合体ゴムと、変性ポリプロピレン
樹脂と、タルクと、ガラス繊維とを含有する。
【0011】(a) 結晶性プロピレン−エチレンブロック
共重合体 (1) 構造 結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体は、基本
的に(i) プロピレンホモポリマー部分70〜90重量%と、
(ii)プロピレン−エチレンランダム共重合部分30〜10重
量%とからなり、その他にエチレンホモポリマー部分を
若干含有しても良い。なお、それぞれの部分は単独のポ
リマーとして存在していても、あるいはそれぞれが結合
した状態にあっても良い。また上記各部分は基本的には
プロピレン及び/又はエチレンとからなるものである
が、他のα−オレフィンやジエン系モノマー等を少量含
有していてもよい。
【0012】(イ) プロピレンホモポリマー部分 プロピレンホモポリマー部分は、13C−NMRにより求
めたアイソタクチックペンタッド分率が97%以上である
ことを特徴とする。ここでアイソタクチックペンタッド
分率は、Macromolecules、6 、925(1973) に記載の方
法、すなわち13C−NMRスペクトルを使用して測定さ
れる。これにより5個連続したプロピレン単量体連鎖の
中心にあるプロピレン単量体に関して、メソ結合の分率
が求められ、アイソタクチックペンタッド分率(IP
F)が得られる。ただし、ピークの帰属は、Macromolec
ules、8 、687(1975) に記載の方法により行う。具体的
には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸
収ピーク中のmmmmピークの強度分率をもってアイソ
タクチックペンタッド分率とする。
【0013】プロピレンホモポリマー部分のIPFが97
%未満になると、結晶性プロピレン−エチレンブロック
共重合体の強度、耐衝撃性、耐熱性及び剛性等の機械的
特性が低下し、得られるホイールキャップ成形体の耐熱
性、剛性等が低くなる。
【0014】プロピレンホモポリマー部分は、ASTM D-1
238 (230 ℃、荷重2.16kg)に従って測定したメルトフ
ローレート(MFR)が10〜100g/10 分、好ましくは20
〜60g/10分である。MFRが10g/10分未満では成形性が
低く、一方100 g/10分を超えると耐衝撃性が低下する。
【0015】(ロ) プロピレン−エチレンランダム共重合
部分 プロピレン−エチレンランダム共重合部分は、プロピレ
ン/エチレンの重量比が25/75〜75/25であることを特
徴とする。プロピレン/エチレンの重量比が25/75未満
では結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の延
性及び耐衝撃性が低く、一方プロピレン/エチレンの重
量比が75/25を超えると結晶性プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体の弾性率が低下する。好ましいプロピレ
ン/エチレンの重量比は35/65〜65/35である。
【0016】またプロピレン−エチレンランダム共重合
部分の極限粘度[η]は2〜5dl/g、好ましくは3〜5
dl/gである。極限粘度[η]が2dl/g未満の場合には、
耐衝撃性の改善効果が十分でなく、一方5dl/gを超える
と、ゲル成分の増加により成形性が低下し、成形品の外
観が不良となる。
【0017】(ハ) 割合 上記各部分の割合については、プロピレンホモポリマー
部分が70〜90重量%であり、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合部分が10〜30重量%である。また結晶性ホモ
ポリエチレン部分を含有するとしても、その含有量は3
重量%以下である。プロピレンホモポリマー部分が70重
量%未満では(プロピレン−エチレンランダム共重合部
分が30重量%を超えると)、結晶性プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体の剛性が低い。一方プロピレンホモ
ポリマー部分が90重量%を超えると(プロピレン−エチ
レンランダム共重合部分が10重量%未満であると)、耐
衝撃性が低下する。
【0018】(2) 物性 本発明に用いる結晶性プロピレン−エチレンブロック共
重合体のメルトフローレート(MFR、230 ℃、荷重2.
16kgで測定) は、成形性及び耐衝撃性、耐熱性の観点か
ら、20g/10分以上が好ましく、20〜50g/10分がより好ま
しい。
【0019】(3) 製法 プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法とし
ては、プロピレンホモポリマー部分及びプロピレン−エ
チレンランダム共重合部分の機械的ブレンド法又はリア
クターブレンド法等がある。機械的ブレンド法の場合、
プロピレンホモポリマー部分及びプロピレン−エチレン
ランダム共重合部分を別個に調製した後でスーパーミキ
サー等により均一にブレンドする。リアクターブレンド
法の場合、プロピレンホモポリマー部分を調製後同一の
リアクター内で連続的にプロピレン−エチレンランダム
共重合部分を調製するので、多段重合法とも呼ばれる。
多段重合法ではプロピレンホモポリマー部分及びプロピ
レン−エチレンランダム共重合部分は実質的に均一にブ
レンドされた状態になっている。
【0020】そこで以下多段重合法について詳細に説明
する。 (イ) プロピレンホモポリマー部分の生成 1.予備重合 (i) 予備重合触媒 予備重合触媒は、オレフィンを(A) マグネシウム、チタ
ン、ハロゲン及び第一の電子供与性化合物を必須成分と
する固体成分、(B) 有機アルミニウム化合物、(C) 有機
ケイ素化合物、及び(D) 必要に応じて第二の電子供与性
化合物と接触させることにより調製する。オレフィンと
しては、プロピレンの他、エチレン、1-ブテン、1-へキ
セン、4-メチル-1- ぺンテン等が挙げられる。予備重合
触媒の上記各成分の詳細は以下の通りである。
【0021】(A) 固体成分 固体成分(以下、成分(A) という。)は、マグネシウ
ム、チタン、ハロゲン及び第一の電子供与性化合物を必
須成分とし、通常マグネシウム化合物、チタン化合
物及び第一の電子供与性化合物(前記各化合物がハロ
ゲンを有しない化合物の場合は、さらにハロゲン含有
化合物)を接触させることにより調製することができ
る。
【0022】マグネシウム化合物 マグネシウム化合物は、一般式MgR1 2 で表される。
ただしR1 及びR2 は同一又は異なる炭化水素基、OR
3 基(R3 は炭化水素基)又はハロゲン原子を示す。具
体的には、R1 及びR2 の炭化水素基としては、炭素数
1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アラルキル基が挙げられ、R3 基としては、炭素数1〜
12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基が挙げられ、ハロゲン原子としては、塩素、臭
素、ヨウ素、フッ素等が挙げられる。
【0023】これらの化合物の具体例は、MgMe2 、Mg
(i-Pr)2 、MgBu2 、MgOct 2 、MgPh2 、MgcyHe2 、Mg
(OEt)2 、Mg(OHe)2 、Mg(OPh)2 、EtMgCl、He
MgCl、i-BuMgCl、PhMgCl、EtOMgCl、PhOMgCl、EtOMg
Br、EtOMgI、MgCl2 、MgBr2、MgI2 (ただし、Me:
メチル、Et:エチル、Pr:プロピル、Bu:ブチル、He:
ヘキシル、Ph:フェニル、cyHe:シクロヘキシル。)等
である。
【0024】上記マグネシウム化合物は、成分(A) を調
製する際に、金属マグネシウム又はその他のマグネシウ
ム化合物から調製することもできる。その一例として、
金属マグネシウム、ハロゲン化炭化水素及び一般式: X1 n M(OR4 m-n (ただしX1 は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜
20個の炭化水素基であり、Mはホウ素、炭素、アルミニ
ウム、ケイ素又はリン原子であり、R4 は炭素数1〜20
個の炭化水素基であり、mはMの原子価であり、m>n
≧0である。)のアルコキシ基含有化合物を接触させる
方法が挙げられる。
【0025】アルコキシ基含有化合物の一般式中のX1
及びR4 の炭化水素基としては、メチル(Me)、エチル
(Et)、プロピル(Pr)、i-プロピル(i-Pr)、ブチル
(Bu)、i-ブチル(i-Bu)、ヘキシル(He)、オクチル
(Oct )等のアルキル基、シクロヘキシル(cyHe)、メ
チルシクロヘキシル等のシクロアルキル基、アリル、プ
ロペニル、ブテニル等のアルケニル基、フェニル(P
h)、トリル、キシリル等のアリール基、フェネチル、3
-フェニルプロピル等のアラルキル基等が挙げられる。
これらの中で、特に炭素数1〜10個のアルキル基が好ま
しい。
【0026】アルコキシ基含有化合物の具体例として
は、Mが炭素の場合には、C(OEt) 4 、C(OP
r)4 、C(OBu)4 、HC(OMe)3 、HC(OEt)
3 、HC(OBu)3 、HC(OPh)3 、MeC(OE
t)3 、 PhC(OEt)3 、CH2 ClC(OEt)3 、Cl
C(OMe)3 、ClC(Oi-Bu)3 、BrC(OEt)3 等が
挙げられ、Mがケイ素の場合には、Si(OEt)4 、Si
(OHe)4 、HSi(OEt)3 、HSi(OPh)3 、MeSi
(OBu)3 、PhSi(OEt)3 、CHCl2 Si(OEt)3
が挙げられ、Mがホウ素の場合には、B(OEt)3 、B
(OBu)3 等が挙げられ、Mがアルミニウムの場合に
は、Al(OMe)3 、Al(OEt)3 等が挙げられ、Mがリ
ンの場合には、P(OMe)3 、P(OEt)3 等が挙げら
れる。
【0027】また、マグネシウム化合物としては、一般
式: MgR1 2 ・p(M’R5 q ) で表される周期表第II族または第III a族金属(M’)
の有機化合物との錯体も使用できる。金属M’はアルミ
ニウム、亜鉛、カルシウム等であり、R5 は炭素数1〜
12個のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基
である。またqは金属M’の原子価を示し、pは0.1 〜
10の数を示す。M’R5 q で表される化合物の具体例と
しては、AlMe3 、AlEt3 、Al(i-Bu)3 、AlPh3 、ZnMe
2 、ZnEt2、ZnBu2 、ZnPh2 、CaEt2 等が挙げられる。
【0028】チタン化合物 チタン化合物としては、2価、3価及び4価のチタン化
合物を使用できる。例えば、三塩化チタン、四塩化チタ
ン、四臭化チタン、トリクロロエトキシチタン、トリク
ロロブトキシチタン、ジクロロジエトキシチタン、ジク
ロロジブトキシチタン、ジクロロジフェノキシチタン等
が挙げられる。これらの中で、特に四塩化チタンが好ま
しい。
【0029】第一の電子供与性化合物 第一の電子供与性化合物としては、カルボン酸類、カル
ボン酸無水物類、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハ
ロゲン化物類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、
アミン類、アミド類、ニトリル類、アルデヒド類、アル
コレート類、有機基と炭素または酸素を介して結合した
リン、ヒ素又はアンチモンの化合物、ホスホアミド類、
チオエーテル類、チオエステル類、炭酸エステル類等が
挙げられる。これらのうちカルボン酸類、カルボン酸無
水物類、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハロゲン化
物類、アルコール類、エーテル類が好ましい。
【0030】カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸等の脂肪族モノカ
ルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン
酸等の脂肪族ジカルボン酸、酒石酸等の脂肪族オキシカ
ルボン酸、シクロヘキセンモノカルボン酸、シス-1,2-
シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式カルボン酸、安
息香酸、トルイル酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル
酸、ナフタル酸、トリメリット酸等の芳香族多価カルボ
ン酸等が挙げられる。カルボン酸無水物は上記カルボン
酸類の無水物である。
【0031】カルボン酸エステルとしては、上記のカル
ボン酸類のモノ又は多価エステルを使用することがで
き、その具体例として、ギ酸ブチル、酢酸エチル、ピバ
リン酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メ
チル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、p−トルイル
酸メチル、p−アニス酸エチル、ケイ皮酸エチル、フタ
ル酸モノメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブ
チル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジフェニル、テレフ
タル酸ジエチル等が挙げられる。
【0032】カルボン酸ハロゲン化物としては、上記の
カルボン酸類の酸ハロゲン化物を使用することができ、
その具体例として、酢酸クロライド、酢酸ブロマイド、
プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、酪酸ブロマ
イド、アクリル酸クロライド、アクリル酸ブロマイド、
メタクリル酸クロライド、メタクリル酸ブロマイド、ク
ロトン酸クロライド、マロン酸クロライド、マロン酸ブ
ロマイド、コハク酸クロライド、コハク酸ブロマイド、
アジピン酸クロライド、アジビン酸ブロマイド、マレイ
ン酸クロライド、マレイン酸ブロマイド、酒石酸クロラ
イド、酒石酸ブロマイド等が挙げられる。またアジピン
酸モノメチルクロライド、マレイン酸モノエチルクロラ
イドのようなジカルボン酸のモノアルキルハロゲン化物
も使用できる。
【0033】アルコール類は一般式R6 OHで表され
る。ここでR6 は炭素数1〜12個のアルキル基、アルケ
ニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基
である。具体例としては、メタノール、プロパノール、
イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロ
ヘキサノール、フェノール等が挙げられる。
【0034】エーテル類は一般式R7 OR8 で表わされ
る。ここでR7 及びR8 は炭素数1〜12個のアルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又は
アラルキル基であり、同じでも異ってもよい。具体例と
しては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジイソアミルエーテル、ジ-2- エチルヘキシルエーテ
ル、ジアリルエーテル等が挙げられる。
【0035】ハロゲン含有化合物 ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン化炭化水素、ハ
ロゲン含有アルコール、水素−ケイ素結合を有するハロ
ゲン化ケイ素化合物、周期表第III a族、IVa族、Va
族元素のハロゲン化物(以下、金属ハライドという。)
等を挙げることができる。
【0036】ハロゲン化炭化水素としては、炭素数1〜
12個の飽和又は不飽和の脂肪族、脂環式及び芳香族炭化
水素のモノ及びポリハロゲン置換体が挙げられる。それ
ら化合物の具体的な例は、脂肪族化合物では、メチルク
ロライド、メチレンクロライド、クロロホルム、ヨード
ホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、ペンタク
ロロエタン、へキサクロロエタン、へキサクロロプロピ
レン等が挙げられ、脂環式化合物では、クロロシクロプ
ロパン、へキサクロロシクロペンタジエン等が挙げら
れ、芳香族化合物では、クロロベンゼン、p-ジクロロベ
ンゼン、へキサクロロベンゼン、へキサブロモベンゼン
等が挙げられる。これらの化合物は一種又は二種以上用
いてもよい。
【0037】ハロゲン含有アルコールとしては、一分子
中に1個以上の水酸基を有するモノ又は多価アルコール
中の、水酸基以外の任意の1個以上の水素がハロゲン原
子で置換された化合物である。ハロゲン原子としては、
塩素、臭素、ヨウ素、フッ素原子が挙げられるが、特に
塩素原子が好ましい。これらの化合物を例示すると、2-
クロロエタノール、1-クロロ-2- プロパノール、5-クロ
ロ-1- ペンタノール、3-クロロ-1,2- プロパンジオー
ル、2-クロロシクロヘキサノール、2-ブロモエタノー
ル、1-ブロモ-2- ブタノール、2-ブロモ-p- クレゾー
ル、1-ブロモ-2- ナフトール等が挙げられる。
【0038】Si−H結合を有するハロゲン化ケイ素化合
物としては、HSiCl3 、H2 SiCl2、H3 SiCl、H(C
2 5 )SiCl2 、H(t-C4 9 )SiCl2 、H(C6
5 )SiCl2 、H(CH3 2 SiCl、H(i-C3 7 2
SiCl等が挙げられる。
【0039】金属ハライドとしては、B、Al、Ga、In、
Ti、Si、Ge、Snの塩化物、フッ素化物、臭化物、ヨウ化
物が挙げられ、特に、BCl3 、BBr3 、BI3 、AlC
l3 、AlBr3 、GaCl3 、GaBr3 、InCl3 、TiCl3 、SiCl
4 、SnCl4 等が好適である。
【0040】マグネシウム化合物、チタン化合物、
第一の電子供与性化合物、更に必要に応じてハロゲ
ン含有化合物を、不活性媒体の存在下又は不存在下で混
合攪拌するか、機械的に共粉砕することにより、40〜15
0 ℃で接触させる。不活性媒体としては、へキサン、へ
プタン、オクタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が使用でき
る。
【0041】具体的には、成分(A) は、金属マグネシ
ウム、ハロゲン化炭化水素及び一般式: X1 n M(O
4 m-n の化合物(前記のアルコキシ基含有化合物と
同じでよい。)を接触させることにより得られるマグネ
シウム含有固体をハロゲン含有アルコールと接触させ、
次いで電子供与性化合物及びチタン化合物と接触させる
方法(特開昭63-264607 号)、マグネシウムジアルコ
キシドと水素−ケイ素結合を有するハロゲン化ケイ素化
合物を接触させた後、ハロゲン化チタン化合物を接触さ
せ、次いで電子供与性化合物と接触させ(必要に応じて
更にハロゲン化チタン化合物と接触させる)る方法(特
開昭62-146904 号)、マグネシウムジアルコキシドと
水素−ケイ素結合を有するハロゲン化ケイ素化合物を接
触させた後、電子供与性化合物と接触させ、次いでチタ
ン化合物と接触させる方法(特開昭58-198503 号)等に
より調製できるが、特にの方法が好ましい。成分(A)
は必要に応じて前記の不活性媒体で洗浄してもよい。
【0042】(B) 有機アルミニウム化合物 有機アルミニウム化合物としては、一般式: R9 r AlX2 3-r (ただし、R9 はアルキル基またはアリール基、X2
ハロゲン原子、アルコキシ基又は水素原子を示し、rは
1〜3の任意の数である。)で示されるものが好まし
く、炭素数は1〜18個が好ましく、2〜6個がより好ま
しい。
【0043】具体的には、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド等のジ
アルキルアルミニウムモノハライド、メチルアルミニ
ウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド等
のモノアルキルアルミニウムジハライド、エチルアル
ミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムセ
スキハライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジ
エチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキルアルミ
ニウムモノアルコキシド、ジメチルアルミニウムハイ
ドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のジア
ルキルアルミニウムハイドライドが挙げられる。これら
の中で、特にトリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム等が好ましい。
【0044】また、酸素原子や窒素原子を介して2個以
上のアルミニウムが結合した有機アルニウム化合物も使
用可能である。このような化合物としては、例えば
【化1】 等を例示できる。
【0045】(C) 有機ケイ素化合物 有機ケイ素化合物は下記一般式:
【化2】 (但し、R10は環内にエーテル結合又はチオエーテル結
合を含有する環状置換基、環内エーテル結合含有環状置
換基を有するオキシ基、環内ケトン結合含有環状置換
基、窒素原子含有複素環式置換基、ケイ素原子含有複素
環式置換基、又はラクトン骨格構造を有する置換基であ
り、R11は炭素数1〜10個の炭化水素基、R13O−、R
14 3Si- 又はR15 3SiO−であり(ただし、R13は炭素
数3〜10個の炭化水素基であり、R14及びR15はそれぞ
れ炭素数1〜10の炭化水素基であり、同一でも異なって
いてもよい。)、R12はメチル基又はエチル基であり、
xは1又は2であり、yは0又は1であり、zは2又は
3であり、x+y+z=4である。)により表される。
【0046】R10の具体例としては、以下のものが挙げ
られる(夫々のR10基をRA、RB・・・等で示
す。)。
【化3】
【0047】前記一般式におけるR11、R13、R14及び
15の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロア
ルカジエニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げら
れる。アルキル基としては、エチル、i-プロピル、s-ブ
チル、t-ブチル等が挙げられ、アルケニル基としては、
ビニル、アリル、プロペニル、1-へキセニル等が挙げら
れ、シクロアルキル基としては、シクロペンチル、メチ
ルシクロヘキシル基等が挙げられ、シクロアルケニル基
としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等が挙
げられ、シクロアルカジエニル基としては、シクロペン
タジエニル、メチルシクロペンタジエニル基等が挙げら
れ、アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル
基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル、フ
ェネチル基等が挙げられる。
【0048】成分(C) の具体例として、[RA]2 Si(OM
e)2 、[RB](i-Pr)Si(OMe)2 、[RC](t-Bu)Si
(OMe)2 、[RC](Me3 SiO)Si(OMe)2 、[RA](i-
Pr)Si(OEt)2 、[RA]Si(OMe)3 、[RD]Si(OMe)
3 、[RB]Si(OEt)3 、[RE] MeSi (OMe)2 、[RF]
(i-PrO)Si(OMe)2 、[RG](i-Pr)Si(OEt)2
[RH]Si (OMe)3 等が挙げられる(ただし、[RA]、[R
B]・・は一般式(II)におけるR10の符号に相当)。
【0049】(D) 第二の電子供与性化合物 第二の電子供与性化合物(成分(D) )としては、有機ケ
イ素化合物(成分(C)と同一のものを除く。)や、窒
素、イオウ、酸素、リン等のへテロ原子を含む電子供与
性化合物が使用可能であるが、有機ケイ素化合物が好ま
しい。成分(D) は、有機アルミニウム化合物を予備重合
触媒と組合せる際に添加しても、あるいは予め有機アル
ミニウム化合物と接触させた上で添加してもよい。
【0050】有機ケイ素化合物としては、合計4個のア
ルコキシ基(一部がアルキル基又はアリール基で置換さ
れていてもよい。)がケイ素原子に結合したものが好ま
しい。これらのアルキル基及びアルコキシ基は鎖状でも
環状でもよい。アルキル基又はアリール基はハロゲン元
素で置換されていてもよい。有機ケイ素化合物の具体例
としては、テトラメトキシシラン、テトライソブトキシ
シラン、テトラフェノキシシラン、テトラベンジルオキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルト
リフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリ
ルトリメトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラ
ン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジエトキシ
シラン等が挙げられる。
【0051】またヘテロ原子含有電子供与性化合物の具
体例としては、窒素原子を含む化合物として、2,2,6,
6-テトラメチルピペリジン、2,6-ジエチルピペリジン、
2,6-ジイソブチル-4- メチルピペリジン、3-メチルピリ
ジン、2,6-ジイソブチルピリジン、2,5-ジメチルピペリ
ジン、イミダゾール、安息香酸アミド、アセトニトリ
ル、アニリン、トルイジン、トリエチルアミン等が挙げ
られ、イオウ原子を含む化合物として、チオフェノー
ル、チオフェン、2-チオフェンカルボン酸エチル、メチ
ルメルカプタン等が挙げられ、酸素原子を含む化合物
として、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフ
ラン、2,2,5,5-テトラエチルテトラヒドロフラン等が挙
げられ、リン原子を含む化合物として、トリフェニル
ホスフィン、トリフェニルホスファイト等が挙げられ
る。
【0052】(ii)予備重合条件 有機アルミニウム化合物(成分(B) )及び有機ケイ素化
合物(成分(C) )の存在下で、固体成分(成分(A) )を
オレフィンと接触させることにより、オレフィンを予備
重合する。その際、成分(B) 及び成分(C) とともに必要
に応じて第二の電子供与性化合物(成分(D) )を加える
のが好ましい。予備重合は、不活性媒体(マグネシウム
含有固体の調製時に使用するものと同じで良い。)の存
在下で、通常100 ℃以下の温度、好ましくは−30℃〜+
30℃、更に好ましくは−20℃〜+15℃の温度で行う。重
合方式としては、バッチ式、連続式のいずれでもよく、
また二段以上の多段で行ってもよい。多段で行う場合、
重合条件を各段階毎に変えてもよい。
【0053】成分(B) は、予備重合系での濃度が10〜50
0 ミリモル/リットル、好ましくは30〜200 ミリモル/
リットルになるように用い、また成分(A) 中のチタン1
グラム原子当り1〜50,000モル、好ましくは2〜1,000
モルとなるように用いる。成分(C) は、予備重合系での
濃度が5〜1,000 ミリモル/リットル、好ましくは10〜
200 ミリモル/リットルになるように用いる。また必要
に応じて用いる成分(D) は、予備重合系での濃度が1〜
100 ミリモル/リットル、好ましくは5〜50ミリモル/
リットルになるように用いる。予備重合により成分(A)
中にオレフィンポリマーが取り込まれるが、そのポリマ
ー量を成分(A) 1g当り0.1 〜200 g、特に0.5 〜50g
とするのが好ましい。上記のようにして調製された触媒
成分は、触媒成分の保存劣化を防止するために洗浄する
のが好ましい。触媒成分はできるだけ低温で保存するの
が好ましく、−50℃〜+30℃、特に−20℃〜+5℃の温
度範囲が好ましい。
【0054】2.本重合 上記のようにして得られた予備重合触媒に、有機金属化
合物及び必要に応じて電子供与性化合物を組み合せて本
重合用触媒とし、プロピレンの単独重合を行うことによ
り、プロピレンホモポリマー部分を得る。
【0055】有機金属化合物としては、周期表第I族乃
至第III 族金属の有機化合物が挙げられる。リチウム、
マグネシウム、亜鉛又はアルミニウムの有機化合物が好
ましく、特に有機アルミニウム化合物が好ましい。有機
アルミニウム化合物は予備重合触媒調製時の成分(B) と
同じでよい。アルミニウム以外の金属の有機化合物とし
ては、ジエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロ
ライド、ジエチル亜鉛等が挙げられる。また、アルミニ
ウムと他の金属との有機化合物としては、LiAl(C2
54 等が挙げられる。
【0056】予備重合触媒及び有機金属化合物と必要に
応じて組合わせる電子供与性化合物は、前記電子供与性
化合物又は前記成分(C,D) と同じでよい。電子供与性
化合物は、有機金属化合物を予備重合触媒と組合わせる
際に添加してもよく、また予め有機金属化合物と接触さ
せた上で添加してもよい。
【0057】予備重合触媒に対する有機金属化合物の使
用量は、該触媒成分中のチタン1グラム原子当り、通常
1〜2,000 グラムモル、特に20〜500 グラムモルが好ま
しい。また電子供与性化合物を用いる場合、電子供与性
化合物1モル当たり、有機金属化合物の量(アルミニウ
ムとして)0.1 〜40グラム原子、好ましくは1〜25グラ
ム原子となるように、有機金属化合物と電子供与性化合
物の比率を選ぶ。
【0058】プロピレン重合反応は、気相、液相のいず
れでもよく、液相で重合させる場合は、ノルマルブタ
ン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、へ
キサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の不活性炭化水素中又は液状モノマー中で行うこと
ができる。重合温度は、通常−80℃〜+150 ℃、特に40
℃〜120 ℃の温度範囲である。重合圧力は1〜60気圧で
よい。重合体の分子量調節は、水素等の分子量調節剤に
より行う。重合反応は、通常の条件で連続又はバッチ式
で行う。
【0059】(ロ) プロピレン−エチレンランダム共重合
部分の生成 プロピレンホモポリマー部分を生成した後、前記触媒の
存在下で、(エチレン+プロピレン)に切替えてプロピ
レン−エチレンランダム共重合部分を生成する。プロピ
レン−エチレンランダム共重合反応における重合条件
は、上述のプロピレンホモポリマー部分の重合条件の範
囲から適宜選択することができる。なお、プロピレン−
エチレンランダム共重合部分のエチレン含有量は、反応
混合物をサンプリングし、NMRスペクトルを測定する
ことにより求める。
【0060】(b) エチレン・α−オレフィン共重合体ゴ
ム 本発明ではホイールキャップの耐衝撃性及び塗装性の改
善のために、ポリオレフィン樹脂組成物中に、エチレン
・α−オレフィン共重合体ゴムを配合する。エチレン・
α−オレフィン共重合体ゴムは、エチレンとエチレン以
外のα−オレフィンとの共重合体ゴムであり、例えばエ
チレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、及びこれ
にジエン化合物を共重合したエチレン−プロピレン−ジ
エン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブテン共重
合体ゴム(EBR)等が挙げられる。これらのエチレン
・α−オレフィン共重合体ゴムは単独で使用しても、2
種以上併用してもよい。
【0061】具体的には、エチレン−プロピレン共重合
体ゴム(EPR)は、エチレン含有量が50〜90モル%で
あり、プロピレン含有量が50〜10モル%であるのが好ま
しい。より好ましくはエチレン含有量が70〜80モル%で
あり、プロピレン含有量が30〜20モル%である。なおエ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)
の場合、ジエン化合物としては、エチリデンノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等が挙げ
られる。エチレン−プロピレン共重合体ゴム(エチレン
−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを含む)のMFRは
0.2 〜30g/10分が好ましく、0.5 〜20g/10分がより好ま
しい。
【0062】またエチレン−ブテン共重合体ゴム(EB
R)は、エチレンの含有量が50〜90モル%、好ましくは
70〜85モル%であり、ブテン-1の含有量が50〜10モル
%、好ましくは30〜15モル%である。より好ましくはエ
チレンの含有量が75〜85モル%であり、ブテン-1の含有
量が25〜15モル%である。エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム(EBR)のMFRは0.2 〜30g/10分が好ましく、1
〜20g/10分がより好ましい。このようなEBRにはエチ
レン及びブテン-1以外にヘキセン-1、オクテン-1等の他
のα−オレフィンやエチリデンノルボルネン、ジシクロ
ペンタジエン等のジエン化合物等を少量配合していても
よい。
【0063】(c) 変性ポリプロピレン樹脂 本発明ではホイールキャップの塗装性の改善及びフィラ
ー界面の接着性の改善のために、ポリオレフィン樹脂組
成物中に、不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト
した変性ポリプロピレンを配合する。変性すべきポリプ
ロピレンは上記結晶性プロピレン−エチレンブロック共
重合体と同じである。また不飽和カルボン酸又はその無
水物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のモ
ノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の
ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のジ
カルボン酸無水物等を使用することができる。
【0064】変性ポリプロピレン中の不飽和カルボン酸
又はその無水物の含有量(変性率)は0.3 〜5重量%で
あるのが好ましく、0.5 〜3重量%であるのがより好ま
しい。不飽和カルボン酸又はその無水物の含有量が0.3
重量%未満ではフィラー界面の改善効果が十分でなく、
一方5重量%を超えると得られるポリオレフィン樹脂組
成物の機械的強度が低下する。
【0065】変性ポリプロピレンの製造は溶融混練法で
行うのが好ましい。この場合、結晶性プロピレン−エチ
レンブロック共重合体、不飽和カルボン酸又はその無水
物及び触媒を押出機や二軸混練機等に投入し、180 〜23
0 ℃の温度に加熱して、溶融しながら混練する。触媒と
しては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化
ジ-t- ブチル、過酸化ジクミル、ペルオキシ安息香酸、
ペルオキシ酢酸、t-ブチルペルオキシピバレート、2,5-
ジメチル-2,5- ジ-t- ブチルペルオキシヘキシン等の過
酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合
物等の通常のラジカル重合用触媒を用いることがでる。
【0066】(d) タルク 本発明に用いるタルクは10μm以下の平均粒径を有す
る。タルクの平均粒径が10μmを超えると、機械的特性
の改善効果が乏しく、耐衝撃性等が低下する。好ましい
タルクの平均粒径は0.5 〜5μmである。
【0067】機械的強度、耐熱性及び耐候性の向上の観
点から、オルガノポリシロキサン(ポリジメチルシロキ
サン等)のようなシリコーン又はその変性物による表面
処理を施したタルクを用いるのが好ましい。変性シリコ
ーンは、オルガノポリシロキサン等にシラザン化合物を
付加させたものである。シラザン化合物としては、シラ
ザン、ジシラザン、トリシラザン、ヘキサシクロシラザ
ン等が挙げられる。シリコーン又は変性シリコーンによ
るタルクの表面処理は、タルク100 重量部に対して、シ
リコーン又は変性シリコーン0.1 〜5重量部、特に0.2
〜1重量部を配合し、ヘンシェルミキサー等により機械
的に混合することによって行うことができる。
【0068】(e) ガラス繊維 本発明に使用するガラス繊維は6〜11μmの平均繊維径
を有する。ガラス繊維の平均繊維径が小さくなるほど、
ガラス繊維強化樹脂組成物の耐衝撃性、耐熱性及び引張
強度等の機械的特性が向上するが、平均繊維径が6μm
未満になるとガラス繊維の分散が困難になる。また平均
繊維径が11μmを超えると、機械的特性の向上効果が低
下するだけでなく、成形体の表面性が劣化する。好まし
い平均繊維径は8〜10μmである。またガラス繊維のア
スペクト比は100 〜500 であるのが好ましい。ガラス繊
維の形態としては、チョップドストランド及びロービン
グのいずれでも良いが、分散性の観点からチョップトス
トランドが好ましい。
【0069】マトリックス樹脂との接着性を向上させる
ために、ガラス繊維を界面改質剤及び収束剤で処理す
る。界面改質剤としては、シラン系、チタネート系、ア
ルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系、ボラン系等
のカップリング剤が挙げられるが、シラン系カップリン
グ剤が好ましい。また収束剤としては、ウレタン系、ア
クリル系、エポキシ系、オレフィン系及びこれらの混合
物等が挙げられるが、ウレタン系及びアクリル系が好ま
しい。
【0070】[B] 配合割合 ポリオレフィン樹脂組成物中の各成分の配合割合は、結
晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体が40〜90重
量部、好ましくは50〜80重量部であり、エチレン・α−
オレフィン共重合体ゴムが0〜20重量部、好ましくは5
〜20重量部であり、変性ポリプロピレンが1〜10重量
部、好ましくは2〜8重量部であり、タルクが0〜34重
量部、好ましくは5〜30重量部であり、ガラス繊維が1
〜35重量部、好ましくは3〜25重量部である。
【0071】結晶性プロピレン−エチレンブロック共重
合体の配合量が40重量部未満では、ポリオレフィン樹脂
組成物の強度、耐衝撃性、耐熱性等の機械的特性が低
く、一方90重量部を超えると剛性、耐熱性等が低下す
る。
【0072】エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムの
配合量が20重量部を超えると強度、耐熱性、剛性等の機
械的特性が低下する。エチレン・α−オレフィン共重合
体ゴムの配合量の下限は限定されず、0重量部(含有し
ない)の場合でも良いが、5重量部以上添加されている
と、ポリオレフィン樹脂組成物の耐衝撃性及び塗装性が
良好となる。
【0073】変性ポリプロピレンの配合量が1重量部未
満では、フィラー界面の改善効果が十分でなく、機械的
強度の向上が見られない。また10重量部を超えると、ポ
リオレフィン樹脂組成物の強度、耐衝撃性、耐熱性、剛
性等の機械的特性が低下する。
【0074】タルクの配合量が34重量部を超えると耐衝
撃性が低下する。タルクの配合量の下限は限定されず、
0重量部(含有しない)の場合でも良いが、5重量部未
満であると剛性及び耐熱性の改善効果が不十分である。
【0075】ガラス繊維の配合量が1重量部未満である
と、強度、耐衝撃性及び剛性の改善効果が不十分であ
り、また34重量部を超えると成形体の表面性が低下す
る。
【0076】[C] その他の成分 本発明のホイールキャップ用ポリオレフィン樹脂組成物
には、改質を目的として、他の添加剤(例えば熱安定
剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止
剤、離型剤、発泡剤、色剤、顔料等)を添加することが
できる。
【0077】[2] 射出成形 [A] ホットランナー金型 上記組成のポリオレフィン樹脂組成物を使用して、ソ
リ、ヒケ、フローマーク等の成形不良がないホイールキ
ャップを射出成形するためには、射出成形用金型として
ホットランナー金型を使用する必要がある。ホットラン
ナー金型とは、金型のスプルー及びランナーの部分を加
熱し、その中にある成形材料を常に溶融状態に保持する
ようにした射出成形金型であり、成形品だけを冷却して
取り出すことができる機構になっている。
【0078】ホットランナーのゲートシステムには、大
別するとゲートシールをバルブで行う方式と、熱バラン
スでゲート部分を溶融するか半溶融状態としてゲートカ
ットする方式とがある。さらにバルブゲートには、スプ
リング式のものと機械的開閉式のものとがあり、また熱
バランスによるシールを利用したゲートには、ホットエ
ッジシール方式、温度制御方式等がある。本発明のホイ
ールキャップの射出成形に適したゲートシールの方式
は、温度制御方式(電磁誘導、直接通電等の加熱方式は
問わない。)、スプリング式及び機械的開閉式のバルブ
ゲート方式等である。特に機械的開閉式バルブゲート方
式が好ましい。
【0079】[B] ゲート位置 射出成形用金型のゲート位置は、ホイールキャップ裏面
の中央部近傍に位置するように設定する。ここで、ホイ
ールキャップ裏面の中央部近傍とは、図1(a)を参照す
ると、ホイールキャップ10の中心点Cから半径rが70mm
以内の範囲をいう。ゲート11の位置がホイールキャップ
10の裏面の中央部近傍にないと、ゲート11の下流及び/
又は周囲にフローマークが生じるおそれがある。なお意
匠面に別部品のマーク、センターキャップ等を組付け
て、ゲート跡を隠すことが可能な形状の場合には、ホイ
ールキャップ表面側(意匠面側)の同様位置にゲートを
設けることにより上記と同じ効果を得ることができる。
【0080】[C] 射出成形条件 ゲートを経てキャビティー内に射出するポリオレフィン
樹脂組成物の温度は170 〜 280℃とするのが好ましい。
射出温度が170 ℃未満であると樹脂流れの不良のために
フローマーク等が生じやすい。また射出温度が280 ℃を
超えるとポリオレフィン樹脂組成物の劣化が生じるおそ
れがある。好ましい射出温度は190 〜260 ℃である。な
お、射出圧力としては400 〜1000kgf/cm2 程度が好まし
い。射出成形用金型の材質としては、一般に使用されて
いるプラスチック金型用鋼材で良い。しかし、ホイール
キャップ裏面のリブ構造付近にベリリウム銅合金(高伝
導度合金BeAll )を使用するのが好ましい。これによ
り、成形品のヒケの抑制、そり及び歪みの低減等の外観
品質を向上や、離型性の向上等とともに、成形時の冷却
時間の短縮による生産性の向上及びコストの削減を達成
することができる。
【0081】[3] ホイールキャップの形状 図1(a) 及び(b) に例示するように、本発明のホイール
キャップ10は裏面10bの中央部近傍にゲート跡11を有す
るとともに、裏面10bに連続的又は断続的なリブ12を有
する。リブ12はホイールキャップの係止部(爪部)13の
一部として形成されることもあれば、爪部13の補強のた
めに設けられることもある。なおリブ12は円環状等種々
の形状でよく、少なくとも1つあれば良い。またリブ12
の位置に関しては、外周近くに設けるのが好ましい。
【0082】図1(c) に示すように、リブ12の厚さt
(リブ根元12aで測定)とホイールキャップ10本体の厚
さTとの比(t/T)は0.4 以下であるのが好ましい。
t/Tが0.4 を超えるとヒケが発生しやすい。より好ま
しいt/Tは0.3 以下である。なお、ホイールキャップ
本体の厚さTは一般に2〜3mm程度であるのが好まし
く、リブ12の抜き勾配は0.5 °以上であるのが好まし
い。
【0083】ホイールキャップ10の表面(意匠面)10a
に凹部14を設ける場合、図1(d) に示すように、その深
さDは2mm以下であるのが好ましい。凹部14の深さDが
2mmを超えると、やはり樹脂の流れが阻害されて、表面
にフローマーク、ヘアライン等が生じる。また外観品質
を向上するために、さらに凹部14の角取り半径(角部の
曲率半径)Rは1mm以上であるのが好ましい。凹部14の
抜き勾配(意匠面の法線と凹部側面とがなす角)は2°
以上であるのが好ましく、5°以上であるのがより好ま
しい。
【0084】[4] 塗装 [A] 前処理 上記ポリオレフィン樹脂組成物からなるホイールキャッ
プは、プライマー処理をしなくても良好な塗膜密着性を
発揮するので、ホイールキャップの製造コストは低減で
きる。しかし、塗膜密着性をいっそう改善するために
は、キシレン、イソプロピルアルコール等の有機溶剤に
よる前処理、又はプラズマ放電処理、コロナ放電処理、
純水処理等をするのが好ましい。なお、プライマー処理
は必須ではないが、プライマー処理をすると塗膜密着性
は一層向上する。
【0085】[B] 塗料 本発明のホイールキャップに塗布する塗料としては、塩
素化ポリオレフィンを含有するアクリルウレタン系の二
液型塗料を使用するのが好ましい。好ましい例として、
5〜50重量%、さらに好ましくは10〜20重量%の塩素化
ポリオレフィンを含むアクリルポリオールを主成分と
し、これに硬化剤としてイソシアネート化合物を所定の
割合で配合した二液型塗料が挙げられる。塩素化ポリオ
レフィンを含有することにより、ポリオレフィン樹脂組
成物との親和性が向上し、密着性に優れた塗膜を得るこ
とができる。なお、塩素化ポリオレフィンの含有量が上
記上限値を超えると、塗膜の光沢が失われる。
【0086】
【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではな
い。
【0087】合成例1 結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(BPP
1)の合成 (1) プロピレンホモポリマー部分の生成成分(A) の調製 還流冷却器を具備した1リットルの反応容器に、窒素ガ
ス雰囲気下、チップ状の金属マグネシウム(純度99.5
%)8.3 g及びn-ヘキサン250 mlを入れ、68℃で1時間
攪拌後金属マグネシウムを取り出し、65℃で減圧乾燥し
て、予備活性化した金属マグネシウムを得た。
【0088】予備活性化した金属マグネシウムに、n-ブ
チルエーテル140 ml及びn-ブチルマグネシウムクロライ
ドのn-ブチルエーテル溶液(1.75モル/リットル)を0.
5 ml加え、得られた懸濁液を55℃に保ち、さらにn-ブチ
ルエーテル50mlにn-ブチルクロライド38.5mlを溶解した
溶液を50分間かけて滴下した。撹拌しながら70℃で4時
間反応を行った後、反応液を25℃に保持した。
【0089】反応液にHC(OC2 5 3 55.7mlを1
時間かけて滴下し、60℃に15分間保持して反応させた。
得られた固体をそれぞれ300 mlのn-ヘキサンで6回洗浄
し、室温で1時間減圧乾燥し、マグネシウム19.0%及び
塩素28.9%を含むマグネシウム含有固体31.6gを得た。
【0090】還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを具備
した300 mlの反応容器に、窒素ガス雰囲気下でマグネシ
ウム含有固体6.3 g及びn-ヘプタン50mlを入れて懸濁液
とし、室温で攪拌しながら2,2,2-トリクロロエタノール
20ml(0.02ミリモル)とn-ヘプタン11mlの混合溶液を滴
下ロートから30分間かけて滴下し、さらに80℃で1時間
攪拌した。得られた固体をろ別し、室温のn-ヘキサン各
100 mlで4回洗浄し、さらにトルエン各100 mlで2回洗
浄して固体成分を得た。
【0091】上記の固体成分にトルエン40mlを加え、さ
らに四塩化チタン/トルエンの体積比が3/2になるよ
うに四塩化チタンを加えて90℃に昇温した。撹拌しなが
らフタル酸ジn-ブチル2mlとトルエン5mlの混合溶液を
滴下した後、120 ℃で2時間攪拌した。得られた固体状
物質を90℃でろ別し、トルエン各100 mlで2回、90℃で
洗浄した。さらに新たに四塩化チタン/トルエンの体積
比が3/2になるように四塩化チタンを加え、120 ℃で
2時間攪拌し、室温でそれぞれ100 mlのn-ヘキサンで7
回洗浄して成分(A) 5.5 gを得た。
【0092】予備重合 攪拌機を具備した500 mlの反応器に、窒素ガス雰囲気下
上記成分(A) 3.5 g及びn-ヘプタン300 mlを入れ、攪拌
しながら5℃に冷却した。次にトリエチルアルミニウム
(TEAL)のn-ヘプタン溶液(2.0 モル/リットル)及び
2,3,4-トリメチル-3- アザシクロペンチルトリメトキシ
シランを、反応系におけるTEAL及び2,3,4-トリメチル-3
- アザシクロペンチルトリメトキシシランの濃度がそれ
ぞれ100ミリモル/リットル及び10ミリモル/リットル
となるように添加し、5分間攪拌した。
【0093】系内を減圧した後、プロピレンガスを連続
的に導入し、プロピレンを2.2 時間重合させた。重合終
了後、気相のプロピレンを窒素ガスでパージし、各100
mlのn-ヘキサンで3回、室温で固相部を洗浄した。さら
に固相部を室温で1時間減圧乾燥して、予備重合触媒を
調製した。予備重合触媒中のマグネシウム量を測定した
結果、予備重合量は成分(A) 1g当たり3.1 gであっ
た。
【0094】本重合 窒素ガス雰囲気下でTEALのn-ヘプタン溶液(0.3 モル/
リットル)4mlとt-ブトキシシクロペンチルジメトキシ
シランのn-ヘプタン溶液(0.08モル/リットル)3mlを
混合し、5分間保持した後で、攪拌機を設けた5リット
ルのステンレス製オートクレーブに入れた。得られた予
備重合触媒22.5mgを反応系に装入した後、分子量制御剤
として水素ガス18リットル(常温・常圧)及び液体プロ
ピレン3.0 リットルを圧入した後、反応系を70℃に昇温
し、1時間プロピレンの重合を行った。重合終了後、容
器内圧力が0.2 kgf/cm2 Gになるまで未反応のプロピレ
ンと水素ガスをパージした。
【0095】(2) プロピレン−エチレンランダム共重合
部分の生成 容器内に水素ガスを0.2 リットル導入した後で、プロピ
レンとエチレンとのモル比が1.03の混合ガスを供給し
て、容器内圧力を6.0 kgf/cm2 Gに保ち、1.5 時間プロ
ピレンとエチレンとの共重合を行った。未反応ガスをパ
ージし、白色粉末状のプロピレン−エチレンブロック共
重合体(BPP1)840 gを得た。製造条件を表1に示す。
【0096】得られた結晶性プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(BPP1)を分析した結果、プロピレンホモ
ポリマー部分は87.0重量%であり、プロピレン−エチレ
ンランダム共重合部分は13.0重量%であった。プロピレ
ンホモポリマー部分のアイソタクチックペンタッド分率
13C−NMR法により測定した結果、97.5%であるこ
とが分かった。またプロピレンホモポリマー部分のメル
トフローレート(MFR、230 ℃、荷重2.16kg)を測定
した結果、50g/10分であった。一方、プロピレン−エチ
レンランダム共重合部分については、プロピレン/エチ
レンの重量比は60/40であり、極限粘度[η](135 ℃
のデカリン中で測定)は3dl/gであった。さらにプロピ
レン−エチレンブロック共重合体(BPP1)全体のMFR
は25g/10分であった。上記測定結果を表2に示す。
【0097】合成例2 予備重合せずに直ちに、表1に示す条件以外合成例1と
同じ条件で第一段及び第二段の重合を行い、プロピレン
−エチレンブロック共重合体(BPP2)を得た。
【0098】得られたプロピレン−エチレンブロック共
重合体(BPP2)のMFR、プロピレンホモポリマー部分
及びプロピレン−エチレンランダム共重合部分の含有割
合、プロピレンホモポリマー部分のIPF及びMFR、
並びにプロピレン−エチレンランダム共重合部分のプロ
ピレン/エチレン重量比及び極限粘度[η]を合成例1
と同様に測定した。結果を表2に示す。
【0099】表1重合条件 BPP1 BPP2 第一段(プロピレンの単独重合) 液体プロピレン(リットル) 3.0 3.0 水素ガス量(リットル) 18 12.5 第二段(プロピレン/エチレンの共重合) C3 /C2 (1) 1.03 0.84 水素ガス量(リットル) 0.2 0.3 容器内圧力(kgf/cm2 G) 6.0 6.1 重合時間(h) 1.5 1.5 注(1) プロピレンとエチレンとのモル比。
【0100】 注:(1) アイソタクチックペンタッド分率。 (2) プロピレン/エチレン重量比。
【0101】実施例1〜4及び比較例1〜3 1.原料 (a) 結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体 BPP1:合成例1で製造 BPP2:合成例2で製造
【0102】(b) エチレン・α−オレフィン共重合体ゴ
ム EPR:エチレン・プロピレン共重合体ゴム(MFR=
3.2 g/10分、EP02P日本合成ゴム(株)製) EBR:エチレン・ブテン共重合体ゴム(MFR=6.0
g/10分、EBM2041P日本合成ゴム(株)製)
【0103】(c) 変性ポリプロピレン樹脂 CMPP:無水マレイン酸のグラフトにより変性されたプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体BPP1(変性率=0.5
重量%)
【0104】(d) タルク タルク1:平均粒径=4.2 μm(表面処理なし) タルク2:平均粒径=12.0μm(表面処理なし)
【0105】(e) ガラス繊維 GF1:平均繊維径=9μm(表面処理剤:アミノシラ
ン/ウレタン系) GF2:平均繊維径=14μm(表面処理剤:アミノシラ
ン/ウレタン系)
【0106】2.混練及び射出成形方法 上記原料を表3に示す割合で配合し、スーパーミキサー
を用いてドライブレンドした後、二軸押出機(池貝
(株)製、PCM-45)で200 ℃、200 rpm で溶融混練し
た。得られたポリオレフィン樹脂組成物のペレットを樹
脂温度210 ℃、射出圧力900 kgf/cm2 及び金型温度60℃
で射出成形して、試験片を得た。
【0107】3.物性測定 各試験片について以下の機械的特性を測定した。測定結
果をMFR(230 ℃、荷重2.16kg)とともに表3に示
す。
【0108】曲げ弾性率(kgf/cm2 ):JIS K7203 に
より110mm ×10mm×4mm の試験片を用いて、23℃で測
定した。
【0109】アイゾット衝撃強度(kgf ・ cm/cm ):
JIS K7110 より80mm×10mm×4mmのノッチ付き試験片を
用いて、23℃で測定した。
【0110】熱変形温度(HDT):JIS K7207 によ
り120mm ×12.7mm×4mmの試験片を用いて、23℃及び4.
6kgf/cm 2 荷重下で測定した。
【0111】 表3 実施例No. 組成(重量%) BPP1 62 60 55 75 EPR 15 15 5 − EBR − − 5 − CMPP 3 5 5 5 タルク1 10 − 25 − GF1 10 20 5 20 特性 MFR(g/10分) 10 5 12 7 曲げ弾性率(kgf/cm2 ) 22000 27000 25000 36000 熱変形温度(℃) 140 150 130 150 アイゾット衝撃強度(1) 20 30 12 15 備考 注:(1) 単位:kgf ・ cm/cm。
【0112】 表3(続き) 比較例No. 組成(重量%) BPP1 − 60 45 BPP2 62 − − EPR 15 15 10 EBR − − 10 CMPP 3 5 5 タルク1 10 − − タルク2 − − 25 GF1 10 − 5 GF2 − 20 − 特性 MFR(g/10分) 10 7 10 曲げ弾性率(kgf/cm2 ) 19000 24000 20500 熱変形温度(℃) 130 140 120 アイゾット衝撃強度(1) 20 25 11 備考 剛性、 剛性、 剛性、 耐熱性 耐熱性 耐熱性 不足 不足* 不足 注:(1) 単位:kgf ・ cm/cm。 * ガラス繊維の配合量の割りには剛性及び耐熱性が不十分である。
【0113】表3から明らかなように、実施例1〜4の
ポリオレフィン樹脂組成物は、良好な剛性を有するとと
もに、耐衝撃性、耐熱性等に優れている。
【0114】実施例5、6及び比較例4、5 実施例1のポリオレフィン樹脂組成物をホットランナー
金型により射出成形して、図1に示すホイールキャップ
(半径R196 mm、及び厚さT2〜3mm)を得た。リブ12
の種々の厚さt(リブ根元12aで測定)における成形不
良の有無を観察した。結果を表4に示す。
【0115】 表4 実施例No. 比較例No. 項目 本体(1) の厚さT(mm) 2.0 3.0 2.0 2.0 リブの厚さt(mm) 0.8 0.9 1.0 1.6 リブ/本体比(t/T)(2) 0.4 0.3 0.5 0.8 ヒケ ○ ◎ △ × 評価 ヒケは殆ど ヒケは全く ヒケは若干 ヒケは非常に 目立たない。目立たない。目立ち実用 目立つ。 上問題とな る。 注:(1) ホイールキャップ本体。 (2) リブの厚さとホイールキャップ本体の厚さとの比。
【0116】表4の結果から明らかなように、リブの厚
さとホイールキャップ本体の厚さとの比(t/T)が0.
4 以下であると、成形されたホイールキャップ表面の外
観が良好である。
【0117】実施例7及び比較例6〜8 実施例1のポリオレフィン樹脂組成物をホットランナー
金型により射出成形して、図1に示すホイールキャップ
(半径R196 mm、及び厚さT3mm)を得る際に、意匠面
凹部の形状を変えて、成形不良の有無を観察した。結果
を表5に示す。
【0118】 表5 実施例No 比較例No. 項目 本体(1) の厚さT(mm) 3.0 3.0 3.0 3.0 凹部(2) の深さD(mm) 1.5 3.0 2.0 2.0 意匠凹部のR(mm)(3) 1.0 1.0 0.2 1.0 凹部(2) の抜き勾配(°) 5.0 5.0 5.0 0.8 外観(4) ◎ × △ △ 評価 成形不良が 凹状意匠の 凹状意匠の 凹状意匠の なく、優れ 下流にフロ 下流にフロ 周囲にこす た外観を示 ーマークが ーマークが れ傷が生じ す。 生成。 若干生成。 た。 注:(1) ホイールキャップ本体。 (2) ホイールキャップの意匠面10aの凹部14。 (3) ホイールキャップの意匠面凹部14の曲率半径。 (4) ホイールキャップの意匠面10aの外観。
【0119】表5の結果から明らかなように、凹部14の
深さDが2mm以下の場合に、成形不良がないホイールキ
ャップが得られる。また意匠面凹部14の曲率半径が1mm
未満であると、凹部14の深さDが2mmでもフローマーク
が若干生成されることが分かる(比較例7)。さらに凹
部14の抜き勾配が2°未満であると、成形不良が生じる
ことが分かる(比較例8)。
【0120】実施例8〜10及び比較例9、10 実施例1のポリオレフィン樹脂組成物をホットランナー
金型により射出成形して、図1に示すホイールキャップ
(半径R196 mm、及び厚さT3mm)を得る際に、ホット
ランナー金型のゲートの種類及び位置を変えて、成形不
良の有無を観察した。結果を表6に示す。
【0121】 表6 実施例No. 項目 10 ゲートの位置 裏面中心点 裏面中心点 裏面中心点から 50mmずれた1点 ゲートの種類 機械開閉式 スプリング式 直接通電加熱式 バルブゲート ゲート(1) ゲート(2) 外観(3) ◎ ○ ○ 備考 成形不良がな 成形条件の設定 成形条件の設定 く、優れた外 に熟練を要する に熟練を要する 観を示した。 が、ゲートシー が、ゲートシー 成形条件が幅 ル性が良好であ ル性が良好であ 広く、サイク り、成形不良が り、成形不良が ル時間が短い。 発生しにくい。 発生しにくい。 注:(1) プラゲート。 (2) サモコンゲート。 (3) ホイールキャップの意匠面の外観。
【0122】 表6(続き) 比較例No. 項目 10 ゲートの位置 外周上の3点 裏面中心点 ゲートの種類 オープンゲート コールドゲート 外観(1) △ × 備考 成形条件の設定 ゲート周辺の外 に熟練を要し、 観品質が劣り、 ウェルドライン、 ゲートの後加工 ゲートバランス に手間がかかる。 の不備による不 良が発生しやす い。 注:(1) ホイールキャップの意匠面の外観。
【0123】表6の結果から明らかなように、ゲートを
ホイールキャップ裏面の中央又はその近傍に設けない
と、良好な外観を有するホイールキャップが得られない
(比較例9)。またコールドゲートの場合には、たとえ
ホイールキャップ裏面の中央又はその近傍にゲートを設
けても、成形不良や変形が生じることが分かる(比較例
10)。
【0124】実施例11、12及び比較例11、12 実施例8のホイールキャップ用金型を用いて、実施例1
のポリオレフィン樹脂組成物を射出成形して得た成形品
に対して、前処理なしの場合(実施例11及び比較例11)
及び前処理としてイソプロピルアルコール(IPA)洗
浄を行った場合(実施例12、比較例12)について、それ
ぞれ下記の塗料を使用して塗膜密着性を評価した。結果
を表7に示す。 1.アクリル/ウレタン系二液型塗料の組成 下記A液及びB液からなる自動車外装用二液型塗料。 A液:20重量%の塩素化ポリオレフィンを含有するアク
リルポリオールをベースとする。 B液:イソシアネート化合物をベースとする。官能基の
当モル比で表したA液/B液の配合比は、1/1.2 。 2.アクリル/メラミン系塗料。自動車外装用メラミン
樹脂硬化型アクリル樹脂。 3.ポリエステル/メラミン系塗料。自動車外装用メラ
ミン樹脂硬化型ポリエステル樹脂。
【0125】 表7 実施例No. 比較例No. 項目 11 12 11 12 前処理 なし IPA洗浄 なし IPA洗浄 塗料の種類(1) Acr/Ure Acr/Ure Acr/Mel PET/Mel 塗装外観 ◎ ◎ ○ ○ 塗膜密着性 100/100 100/100 96/100 30/100 評価 塗装品質、密 塗装品質、密 塗膜密着性が 塗膜密着性が 着性ともに良 着性ともに良 僅かに劣った。著しく劣った。 好。 好。 注:(1) Acr/Ure:アクリル/ウレタン系二液型塗料。 Acr/Mel:アクリル/メラミン系塗料。 PET/Mel:ポリエステル/メラミン系塗料。
【0126】表7の結果から明らかなように、前処理の
有無にかかわらず、アクリル/ウレタン系二液型塗料の
場合には、本発明のホイールキャップは良好な塗膜密着
性を示す。これに対して、メラミン樹脂含有塗料の場合
には、前処理しても良好な塗膜密着性が得られない。
【0127】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明のホイー
ルキャップは、結晶性プロピレン−エチレンブロック共
重合体と、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムと、
変性ポリプロピレン樹脂と、タルクと、ガラス繊維とか
らなるポリオレフィン樹脂組成物をホットランナー金型
により特殊な条件で射出成形してなるので、良好な強
度、耐衝撃性、耐熱性、剛性等を有するとともに、ソ
リ、ヒケ、フローマーク等の成形不良がなく、かつ塗膜
密着性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるホイールキャップを
示し、(a) はその縦断面図であり、(b) はその背面図で
あり、(c) はその要部横断面図であり、(d) はその要部
横断面図である。
【符号の説明】
10・・・・ホイールキャップ 10a・・・意匠面(表面) 10b・・・裏面 11・・・・ゲート跡 12・・・・リブ 13・・・・係止部(爪部) 14・・・・凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:00 (72)発明者 菊地 慎太郎 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−1 (72)発明者 藤田 祐二 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−1 (72)発明者 成田 康秀 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) (i) 13C−NMRにより求めたアイ
    ソタクチックペンタッド分率が97%以上であるプロピレ
    ンホモポリマー部分70〜90重量%と、(ii)プロピレン/
    エチレンの重量比が25/75〜75/25であるプロピレン−
    エチレンランダム共重合部分30〜10重量%とを含有する
    結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体40〜90重
    量部と、(b) エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム0
    〜20重量部と、(c) 前記(a) と同じ結晶性プロピレン−
    エチレンブロック共重合体に0.3 〜5重量%の不飽和カ
    ルボン酸又はその無水物をグラフトした変性ポリプロピ
    レン1〜10重量部と、(d) 平均粒径が10μm以下のタル
    ク0〜34重量部と、(e) 平均繊維径が6〜11μmのガラ
    ス繊維1〜35重量部とからなるポリオレフィン樹脂組成
    物を射出成形してなることを特徴とするホイールキャッ
    プ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のホイールキャップにお
    いて、ホイールキャップ裏面の中央部近傍にゲート跡が
    位置することを特徴とするホイールキャップ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のホイールキャッ
    プにおいて、裏面に少なくとも1つのリブを有し、前記
    リブの厚さtとホイールキャップ本体の厚さTとの比
    (t/T)が0.4 以下であることを特徴とするホイール
    キャップ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のホイー
    ルキャップにおいて、表の意匠面における凹部の深さが
    2mm以下であり、角取り半径が1mm以上であり、かつ意
    匠面の法線と凹部側面とがなす角が2°以上であること
    を特徴とするホイールキャップ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のホイー
    ルキャップの製造方法において、ホットランナー金型を
    使用し、前記金型のキャビティーに開口するゲートをホ
    イールキャップ裏面の中心点から半径70mm以内に位置す
    るように設定し、前記ポリオレフィン樹脂組成物を前記
    金型キャビティー内に注入することにより賦型すること
    を特徴とするホイールキャップの製造方法。
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