JPH08165387A - ガラス繊維強化樹脂組成物 - Google Patents

ガラス繊維強化樹脂組成物

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JPH08165387A
JPH08165387A JP33353094A JP33353094A JPH08165387A JP H08165387 A JPH08165387 A JP H08165387A JP 33353094 A JP33353094 A JP 33353094A JP 33353094 A JP33353094 A JP 33353094A JP H08165387 A JPH08165387 A JP H08165387A
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JP
Japan
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glass fiber
reinforced resin
resin composition
acid
compound
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JP33353094A
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English (en)
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Masao Sakaizawa
正夫 境澤
Kazuhiro Maekawa
和弘 前川
Akira Kobayashi
明 小林
Yukihiko Yagi
幸彦 八木
Toshikazu Honda
俊和 本田
Tadashi Sezume
忠司 瀬詰
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、剛性及び耐衝撃性に優れたガラス繊
維強化樹脂組成物を提供する。 【構成】 (a) 示差走査熱量(DSC)測定(昇温速
度:10℃/分)における融点(Tm )が166℃以上
であり、融解熱量(△Hm )が118J/g以上である
高結晶性ポリプロピレンと、(b) 平均繊維径が3〜11
μmの範囲であるガラス繊維と、(c) 変性ポリオレフィ
ンとからなり、ASTM D−790に従って室温で測
定した曲げ弾性率(FM、単位:kgf/cm2 )が次
式(I) : FM≧212170×ρ−172870 ・・・・(I) (0.915≦ρ≦1.50)を満たし、かつASTM
D−638に従って室温で測定した引張強度(TS、
単位:kgf/cm2 )が次式(II)又は(III): TS≧3250×ρ−2400 ・・・・(II) (0.915≦ρ≦1.14) TS≧670×ρ+540 ・・・・(III ) (1.14<ρ≦1.50)を満たすことを特徴とする
ガラス繊維強化樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の内外装部品、
家電製品用部品、事務機器用部品等に使用するのに好適
な耐熱性、剛性及び耐衝撃性に優れたガラス繊維強化樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする問題点】ポリ
プロピレン樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性及び電気的
性質に優れており、さらには剛性、引張強度、透明性、
加工性に優れているため、従来より射出成形、シート成
形、ブロー成形等の成形法に広く使用されている。しか
しながら、ポリプロピレン樹脂組成物を自動車の内外装
部品、家電製品用部品、事務機器用部品等の工業部材と
して用いた場合は、耐熱性、剛性及び耐衝撃性が未だ十
分ではなかった。従来、これらの工業部材として金属、
ガラス繊維強化ナイロン等が使用されているが、金属は
比重が大きいため製品が重くなり、またガラス繊維強化
ナイロンはコスト高となるという問題がある。
【0003】耐熱性、剛性及び耐衝撃性等の機械物性に
優れたポリプロピレン樹脂組成物としては、ガラス繊維
を添加するガラス繊維強化樹脂組成物がよく知られてい
る。このようなガラス繊維強化樹脂組成物は、主として
ポリプロピレン、変性ポリプロピレン及びガラス繊維か
らなり、必要に応じて顔料や耐熱安定剤、耐光安定剤、
金属不活性化剤、滑剤等の添加剤が加えられている。し
かしながら、これらの変性ポリプロピレンの酸グラフト
率は0.2%以下であり、またガラス繊維の径が13μ
m前後と大きく、かつその表面処理が不十分であるた
め、成形品の表面平滑性が悪いという問題がある。さら
に、ガラス繊維の配合量を多くすることにより耐熱性、
剛性及び耐衝撃性等の機械的物性を向上することができ
るが、成形品の表面平滑性が悪くなるとともに、コスト
やリサイクル性の点で不利となる。例えば、ガラス繊維
を添加したポリプロピレン樹脂組成物を再混練して、成
形したポリプロピレン樹脂組成物中のガラス繊維は、そ
の製造過程において折れやすく、十分な機械強度が得ら
れない。
【0004】以上のように、耐熱性、剛性及び耐衝撃
性、さらには表面平滑性及びリサイクル性をバランス良
く備えたポリプロピレン樹脂組成物は、いまだに得られ
ていないのが現状である。この問題を解決すれば、ポリ
プロピレン系樹脂材料の使用範囲が広がり、一つの材料
でカバーできる部品が増え、コスト面でも有利に展開で
きることが期待される。
【0005】従って、本発明の目的は、自動車の内外装
部品、家電製品用部品、事務機器用部品等に使用するの
に好適な耐熱性、剛性及び耐衝撃性に優れたガラス繊維
強化樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討
した結果、特定の性質を有する高結晶性ポリプロピレン
重合体に特定の化合物を特定の範囲で配合することによ
り、上記問題点を解決することができること見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明のガラス繊
維強化樹脂組成物は、(a) 示差走査熱量(DSC)測定
(昇温速度:10℃/分)における融点(Tm )が16
6℃以上であり、融解熱量(△Hm )が118J/g以
上である高結晶性ポリプロピレンと、(b)平均繊維径が
3〜11μmの範囲であるガラス繊維と、(c) 変性ポリ
オレフィンからなり、ASTM D−790に従って室
温で測定した曲げ弾性率(FM、単位:kgf/c
2 )が次式(I) : FM≧212170×ρ−172870 ・・・・(I) (但し、ρはASTM D−792に従って室温で測定
したガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、0.91
5≦ρ≦1.50である。)を満たし、かつASTM
D−638に従って室温で測定した引張強度(TS、単
位:kgf/cm2 )が次式(II)又は(III ): TS≧3250×ρ−2400 ・・・・(II) (但し、ρはガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、
0.915≦ρ≦1.14である。) TS≧670×ρ+540 ・・・・(III ) (但し、ρはASTM D−792に従って室温で測定
したガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、1.14
<ρ≦1.50である。)を満たすことを特徴とする。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。 [1] ガラス繊維強化樹脂組成物の各成分 (a) 高結晶性ポリプロピレン (1) 物性 本発明で用いるプロピレン重合体は、DSC測定(昇温
速度:10℃/分)における融点(Tm )が166℃以
上、融解熱量(△Hm )が118J/g以上の高結晶性
ポリプロピレンであり、ホモポリマー又はブロック共重
合体のいずれでもよい。また高結晶性ポリプロピレン
は、ASTM D−1238(230℃、荷重2.16
kg)に従って測定したメルトフローレート(MFR)
は、0.01〜150g/10分であるのが好ましく、
1〜100g/10分であるのがより好ましい。
【0008】(2) 製法 高結晶性ポリプロピレンは、前記物性を満たせばその製
造方法は特に限定されないが、以下の方法で製造するこ
とが好ましい。
【0009】(i) 重合触媒 (A) マグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与性化
合物を必須成分とする固体成分を、(B) 有機アルミニウ
ム化合物、(C) 一般式(IV)で示される有機ケイ素化合
物及び(D) 必要に応じて電子供与性化合物の存在下で、
(E) オレフィンと接触させることにより、オレフィンを
予備重合させて、触媒成分(以下「予備重合触媒成分」
という)を調製し、これに有機金属化合物及び必要に応
じて電子供与性化合物を組み合せて、プロピレンの重合
用触媒とする。
【0010】ここで、成分(C) の有機ケイ素化合物の一
般式(IV)は以下の通りである。
【化1】 (但し、R1 は環内にエーテル結合又はチオエーテル結
合を含有する環状置換基、環内エーテル結合含有環状置
換基を有するオキシ基、環内ケトン結合含有環状置換
基、窒素原子含有複素環式置換基、ケイ素原子含有複素
環式置換基、又はラクトン骨格構造を有する置換基であ
り、R2 は炭素数1〜10個の炭化水素基、R4 O−、
5 3 Si−又はR6 3 SiO−であり(ただし、R4
は炭素数3〜10個の炭化水素基であり、R5 及びR6
はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基であり、同一で
も異なっていてもよい。)、R3 はメチル基又はエチル
基であり、xは1又は2であり、yは0又は1であり、
zは2又は3であり、x+y+z=4である。)
【0011】(A) 固体成分 固体成分(以下、成分(A) という)は、マグネシウム、
チタン、ハロゲン及び電子供与性化合物を必須成分と
し、通常マグネシウム化合物、チタン化合物及び電子供
与性化合物(前記各化合物がハロゲンを有しない化合物
の場合は、さらにハロゲン含有化合物)を接触させるこ
とにより調製することができる。
【0012】(イ)マグネシウム化合物 マグネシウム化合物は、一般式MgR7 8 で表され
る。式において、R7 及びR8 は同一か異なる炭化水素
基、OR’基(R’は炭化水素基)又はハロゲン原子を
示す。より詳細には、R7 及びR8 の炭化水素として
は、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基が挙げられ、OR’基として
は、R’が炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基が挙げられ、ハロゲン
原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等が挙げら
れる。
【0013】これらの化合物の具体例を下記に示す(た
だし、Me:メチル、Et:エチル、Pr:プロピル、
Bu:ブチル、He:ヘキシル、Oct:オクチル、P
h:フェニル、cyHe:シクロヘキシル。以下同
じ。)。MgMe2 、Mg(i−Pr)2 、MgB
2 、MgOct2 、MgEtBu、MgPh2 、Mg
cyHe2 、Mg(OEt)2 、Mg(OHe)2 、M
g(OOct)2 、Mg(OPh)2 、EtMgCl、
HeMgCl、i−BuMgCl、PhMgCl、Ph
CH2 MgCl、BuMgBr、BuMgI、EtOM
gCl、PhOMgCl、EtOMgBr、EtOMg
I、MgCl2 、MgBr2 、MgI2
【0014】上記マグネシウム化合物は、成分(A) を調
製する際に、金属マグネシウム又はその他のマグネシウ
ム化合物から調製することもできる。その一例として、
金属マグネシウム、ハロゲン化炭化水素及び一般式: Xn M(OR)m-n (式において、Xは水素原子、ハロゲン原子又は炭素数
1〜20個の炭化水素基であり、Mはホウ素、炭素、ア
ルミニウム、ケイ素又はリン原子であり、Rは炭素数1
〜20個の炭化水素基であり、mはMの原子価であり、
m>n≧0である。)のアルコキシ基含有化合物を接触
させる方法が挙げられる。
【0015】アルコキシ基含有化合物の一般式中のX及
びRの炭化水素としては、メチル(Me)、エチル(E
t)、プロピル(Pr)、i−プロピル(i−Pr)、
ブチル(Bu)、i−ブチル(i−Bu)、ヘキシル
(He)、オクチル(Oct)等のアルキル基、シクロ
ヘキシル(cyHe)、メチルシクロヘキシル等のシク
ロアルキル基、アリル、プロペニル、ブテニル等のアル
ケニル基、フェニル(Ph)、トリル、キシリル基等の
アリール基、フェネチル、3−フェニルプロピル等のア
ラルキル等が挙げられる。これらの中で、特に炭素数1
〜10個のアルキル基等が望ましい。
【0016】アルコキシ基含有化合物の具体例として
は、Mが炭素の場合には、C(OEt)4 、C(OP
r)4 、C(OBu)4 、C(OOct)4 、HC(O
Me)3、HC(OBu)3 、HC(OPh)3 、Me
C(OEt)3 、 EtC(OMe)3 、PhC(OE
t)3 、CH2 ClC(OEt)3 、MeCHBrC
(OEt)3 、ClC(OMe)3 、ClC(Oi−B
u)3 、BrC(OEt)3、MeCH(OEt)2
CH2 (OMe)2 、CH2 ClCH(OEt)2 、C
HCl2 CH(OEt)2 、CCl3 CH(OE
t)2 、CH2 BrCH(OEt)2 、PhCH(OE
t)2 等が挙げられ、Mがケイ素の場合には、Si(O
Et)4 、Si(OHe)4 、HSi(OEt)3 、H
Si(OPh)3 、MeSi(OBu)3 、PhSi
(OEt)3 、CHCl2 Si(OEt)3 、BrSi
(OEt)3 、ClSi(OBu)3 、CHCl2 Si
H(OEt)2 、CCl3 SiH(OEt)2 、Me3
SiOEt2 等が挙げられ、また、Mがホウ素の場合に
は、B(OEt)3 、B(OBu)3 、B(OH
e)3 、B(OPh)3 等が挙げられ、またMがアルミ
ニウムの場合には、Al(OMe)3 、Al(OEt)
3 、Al(OHe)3 、Al(OPh)3 等が挙げら
れ、さらに、Mがリンの場合には、P(OMe)3 、P
(OEt)3 、P(OHe)3 、P(OPh)3 等が挙
げられる。
【0017】また、マグネシウム化合物としては、一般
式: MgR7 8 ・n(M’R9 m ) で表される周期表第II族または第III a族金属(M’)
の有機化合物との錯体も使用できる。金属M’はアルミ
ニウム、亜鉛、カルシウム等であり、R9 は炭素数1〜
12個のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル
基である。またmは金属M’の原子価を示し、nは0.
1〜10の数を示す。M’R9 m で表される化合物の具
体例としては、AlMe3 、AlEt3 、Al(i−B
u)3 、AlPh3 、ZnMe2 、ZnEt2 、ZnB
2 、ZnPh2 、CaEt2 、CaPh2 等が挙げら
れる。
【0018】(ロ)チタン化合物 チタン化合物は、二価、三価及び四価のチタン化合物で
あり、三塩化チタン、四塩化チタン、四臭化チタン、ト
リクロロエトキシチタン、トリクロロブトキシチタン、
ジクロロジエトキシチタン、ジクロロジブトキシチタ
ン、ジクロロジフェノキシチタン、クロロトリエトキシ
チタン、クロロトリブトキシチタン、テトラブトキシチ
タン等を挙げることができる。これらの中で、四塩化チ
タン、トリクロロエトキシチタン、ジクロロジブトキシ
チタン、ジクロロジフェノキシチタン等の四価のチタン
ハロゲン化物が望ましく、特に四塩化チタンが望まし
い。
【0019】(ハ)電子供与性化合物 電子供与性化合物としては、カルボン酸類、カルボン酸
無水物類、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハロゲン
化物類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アミン
類、アミド類、ニトリル類、アルデヒド類、アルコレー
ト類、有機基と炭素または酸素を介して結合したリン、
ヒ素又はアンチモンの化合物、ホスホアミド類、チオエ
ーテル類、チオエステル類、炭酸エステル類等が挙げら
れる。これらのうちカルボン酸類、カルボン酸無水物
類、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハロゲン化物
類、アルコール類、エーテル類が好ましい。
【0020】カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン
酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸、酒石酸等の脂肪族オキシカルボン酸、シクロ
ヘキセンモノカルボン酸、シス−1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂環式カルボン酸、安息香酸、トル
イル酸、アニス酸、ケイ皮酸等の芳香族モノカルボン
酸、フタル酸、ナフタル酸、トリメリト酸、トリメシン
酸、メリト酸等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられ
る。カルボン酸無水物としては、上記のカルボン酸類の
酸無水物を使用することができる。
【0021】カルボン酸エステルとしては、上記のカル
ボン酸類のモノ又は多価エステルを使用することがで
き、その具体例として、ギ酸ブチル、酢酸エチル、ピバ
リン酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メ
チル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジブチル、アジピン
酸ジイソブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジイ
ソブチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジイソブチル、シク
ロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香
酸エチル、p−トルイル酸メチル、p−アニス酸エチ
ル、ケイ皮酸エチル、フタル酸モノメチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジアリル、フ
タル酸ジフェニル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル
酸ジブチル、ナフタル酸ジエチル、ナフタル酸ジブチ
ル、トリメリト酸トリエチル等が挙げられる。
【0022】カルボン酸ハロゲン化物としては、上記の
カルボン酸類の酸ハロゲン化物を使用することができ、
その具体例として、酢酸クロリド、酢酸ブロミド、酢酸
アイオダイド、プロピオン酸クロリド、酪酸クロリド、
酪酸ブロミド、酪酸アイオダイド、アクリル酸クロリ
ド、アクリル酸ブロミド、アクリル酸アイオダイド、メ
タクリル酸クロリド、メタクリル酸ブロミド、メタクリ
ル酸アイオダイド、クロトン酸クロリド、マロン酸クロ
リド、マロン酸ブロミド、コハク酸クロリド、コハク酸
ブロミド、アジピン酸クロリド、アジビン酸ブロミド、
マレイン酸クロリド、マレイン酸ブロミド、酒石酸クロ
リド、酒石酸ブロミド、シクロヘキサンカルボン酸クロ
リド、シクロヘキサンカルボン酸ブロミド、シス−4−
メチルシクロヘキセンカルボン酸クロリド、シス−4−
メチルシクロヘキセンカルボン酸ブロミド、塩化ベンゾ
イル、臭化ベンゾイル、p−トルイル酸クロリド、p−
トルイル酸ブロミド、p−アニス酸ブロミド、p−アニ
ス酸クロリド、ケイ皮酸ブロミド、フタル酸ジクロリ
ド、フタル酸ジブロミド、ナフタル酸ジクロリド等が挙
げられる。また、アジピン酸モノメチルクロリド、マレ
イン酸モノエチルクロリド、フタル酸ブチルクロリドの
ようなジカルボン酸のモノアルキルハロゲン化物も使用
できる。
【0023】アルコール類は、一般式R10OHで表され
る。一般式においてR10は炭素数1〜12個のアルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基である。具体例としては、メタノール、プロ
パノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、アリル
アルコール、フェノール、クレゾール、エチルフェノー
ル、n−オクチルフェノール基等が挙げられる。
【0024】エーテル類は、一般式R11OR12で表わさ
れる。一般式においてR11、R12は炭素数1〜12個の
アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリー
ル基又はアラルキル基であり、同じでも異ってもよい。
具体例としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、ジイソアミルエーテル、ジ−2−エチルヘキシ
ルエーテル、ジアリルエーテル、ブチルアリルエーテ
ル、ジフェニルエーテル、アニソール基等が挙げられ
る。
【0025】(ニ)ハロゲン含有化合物 ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン化炭化水素、ハ
ロゲン含有アルコール、水素−ケイ素結合を有するハロ
ゲン化ケイ素化合物、周期表第III a族、IVa族、Va
族元素のハロゲン化物(以下、金属ハライドという。)
等を挙げることができる。
【0026】ハロゲン化炭化水素としては、炭素数1〜
12個の飽和又は不飽和の脂肪族、脂環式及ひ芳香族炭
化水素のモノ及びポリハロゲン置換体が挙げられる。そ
れらの化合物の具体的な例は、脂肪族化合物では、メチ
ルクロライド、メチレンクロライド、クロロホルム、ヨ
ードホルム、四塩化炭素、四ヨウ化炭素、エチルブロミ
ド、2−ジクロロエタン、1,2−ジヨードエタン、メ
チルクロロホルム、1,1,2−トリブロモエチレン、
1,1,2,2−テトラクロロエチレン、ペンタクロロ
エタン、へキサクロロエタン、へキサクロロプロピレ
ン、デカブロモブタン、塩素化パラフィン等が挙げら
れ、脂環式化合物では、クロロシクロプロパン、へキサ
クロロシクロペンタジエン、へキサクロロシクロヘキサ
ン等が挙げられ、芳香族化合物では、クロロベンゼン、
p−ジクロロベンゼン、へキサクロロベンゼン、へキサ
ブロモベンゼン、ベンゾトリクロライド、p−クロロベ
ンゾトリクロライド等が挙げられる。これらの化合物
は、一種又は二種以上用いてもよい。
【0027】ハロゲン含有アルコールとしては、一分子
中に一個又は二個以上の水酸基を有するもの又は多価ア
ルコール中の、水酸基以外の任意の一個又は二個以上の
水素原子がハロゲン原子で置換された化合物である。ハ
ロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素原子
が挙げられるが、特に、塩素原子が望ましい。これらの
化合物を例示すると、2−クロロエタノール、1−クロ
ロ−2−プロパノール、5−クロロ−1−ペンタノー
ル、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、2−クロ
ロシクロヘキサノール、4−クロロベンズヒドロール、
クロロベンジルアルコール、4−クロロカテコール、4
−クロロ−クレゾール、クロロハイドロキノン、クロロ
フェノール、6−クロロチモール、4−クロロレゾルシ
ン、2−ブロモエタノール、1−ブロモ−2−ブタノー
ル、2−ブロモ−p−クレゾール、1−ブロモ−2−ナ
フトール、フルオロフェノール、p−イオドフェノー
ル、2,2−ジクロロエタノール、1,3−ジクロロ−
2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノー
ル、2,4−ジブロモフェノール、2,2,2−トリク
ロロエタノール、2,3,4−トリクロロフェノール、
2,4,6−トリブロモフェノール、2,3,5−トリ
ブロモ−2−ヒドロキシトルエン、2,2,2−トリフ
ルオロエタノール、2,4,6−トリイオドフェノー
ル、2,4,3,6−テトラフルオロフェノール、テト
ラクロロビスフェノールA、2,2,3,3−テトラフ
ルオロ−1−プロパノール、テトラフルオロレゾルシン
等が挙げられる。
【0028】水素─ケイ素結合を有するハロゲン化ケイ
素化合物としては、HSiCl3 、H2 SiCl2 、H
3 SiCl、H(C2 5 )SiCl2 、H(t−C4
9)SiCl2 、H(C6 5 )SiCl2 、H(C
3 2 SiCl、H(i−C3 7 2 SiCl、H
2 (C2 5 )SiCl、H2 (n−C4 9 )SiC
l、H2 (C6 4 CH3 )SiCl、H(C6 5
2 SiCl等が挙げられる。
【0029】金属ハライドとしては、B、Al、Ga、
In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、B
iの塩化物、フッ素化物、臭化物、ヨウ化物が挙げら
れ、特BCl3 、BBr3 、BI3 、AlCl3 、Al
Br3 、GaCl3 、GaBr3 、InCl3 、TlC
3 、SiCl4 、SnCl4 、SbCl5 、SbF5
等が好適である。
【0030】(イ)マグネシウム化合物、(ロ)チタン
化合物、(ハ)電子供与性化合物、更に必要に応じて
(ニ)ハロゲン含有化合物を、不活性媒体の存在下又は
不存在下で混合攪絆するか、機械的に共粉砕することに
より、接触することができる。接触は40〜150℃の
加熱下で行うことができる。不活性媒体としては、へキ
サン、へプタン、オクタン等の飽和脂肪族炭化水素、シ
クロペンタン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
が使用できる。
【0031】本発明における成分(A) は、特開昭63−
264607号、同58−198503号、同62−1
46904号等に開示されているように、金属マグネ
シウム、ハロゲン化炭化水素及び一般式 Xn M(O
R)m-n の化合物(前記のアルコキシ基含有化合物と同
じ)を接触させることにより得られるマグネシウム含有
固体をハロゲン含有アルコールと接触させ、次いで電子
供与性化合物及びチタン化合物と接触させる方法(特開
昭63−264607号公報)、マグネシウムジアル
コキシドと水素─ケイ素結合を有するハロゲン化ケイ素
化合物を接触させた後、ハロゲン化チタン化合物を接触
させ、次いで電子供与性化合物と接触させ(必要に応じ
て更にハロゲン化チタン化合物と接触させる)る方法
(特開昭62−146904号公報)、マグネシウム
ジアルコキシドと水素一ケイ素結合を有するハロゲン化
ケイ素化合物を接触させた後、電子供与性化合物と接触
させ、次いでチタン化合物と接触させる方法(特開昭5
8−198503号公報)等により調製できるが、特に
の方法が最も望ましい。
【0032】上記のようにして成分(A) は調製される
が、成分(A) は必要に応じて前記の不活性媒体で洗浄し
てもよく、更に乾燥してもよい。
【0033】(B) 有機アルミニウム化合物 有機アルミニウム化合物(以下、成分(B) という。)の
具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプ
ロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミウム、トリヘキシルアルミウム等が挙げ
られる。
【0034】(C) 有機ケイ素化合物 本発明の触媒の成分である有機ケイ素化合物(以下、成
分(C) という。)は、前記一般式(IV)で表わされる。
該式において、R1 は環内にエーテル若しくはチオエー
テル結合含有環状置換基、環内エーテル結合含有環状置
換基のオキシ基、環内ケトン結合含有環状置換基、窒素
原子含有複素環式置換基、ケイ素原子含有複素環式置換
基、ラクトン骨格構造を有する置換基であり、R2 は炭
素数1〜10個の炭化水素基、R4 O−、R5 3 Si−
若しくはR6 3 SiO−であり(ただし、R4 は炭素数
3〜10個の炭化水素基であり、R5 及びR6 はそれぞ
れ炭素数1〜10個の炭化水素基である。)、R3 はメ
チル基若しくはエチル基であり、xは1若しくは2であ
り、yは0若しくは1であり、zは2若しくは3であ
り、x+y+z=4である。R1 の具体例を以下に挙げ
る(夫々のR1 基をRA、RB・・・等で示す)。
【化2】
【0035】成分(C) の前記一般式におけるR2
4 、R5 及ひR6 中の炭化水素基としては、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニ
ル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキ
ル基等が挙げられる。アルキル基としては、エチル、i
−プロピル、s−ブチル、t −ブチル、アミル、2−エ
チルヘキシル、デシル基等が挙げられ、アルケニル基と
しては、ビニル、アリル、プロペニル、1−へキセニ
ル、1−オクテニル、1−メチル−1−ペンチニル基等
が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロペンチ
ル、メチルシクロヘキシル基等が挙げられ、シクロアル
ケニル基としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニ
ル等が挙げられ、シクロアルカジエニル基としては、シ
クロペンタジエニル、メチルシクロペンタジエニル基等
が挙げられ、アリール基としては、フェニル、トリル、
キシリル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベン
ジル、フェネチル、1−フェニルプロピル基等が挙げら
れる。
【0036】成分(C) を以下に例示するが、〔RA〕、
〔RB〕・・・等の符号は、成分(C) の一般式(IV)に
おけるR1 の前記の符号に相当する。〔RA〕2 Si
(OMe)2 、〔RB〕(i−Pr)Si(OM
e)2 、〔RC〕(t−Bu)Si(OMe)2 、〔R
C〕(Me3 SiO)Si(OMe)2 、〔RA〕(i
−Pr)Si(OEt)2 、〔RA〕Si(OM
e)3 、〔RD〕Si(OMe)3 、〔RB〕Si(O
Et)3 、〔RE〕MeSi(OMe)2 、〔RF〕
(i−PrO)Si(OMe)2 、〔RG〕(i−P
r)Si(OEt)2 、〔RH〕Si(OMe)3
〔RI〕Si(OEt)3 、〔RJ〕Si(OSiM
e)(OMe)2 、〔RK〕Si(OEt)3 、〔R
L〕Si(OEt)3 、〔RM〕Si(OEt)3
〔RN〕Si(OEt)3
【0037】(D) 電子供与性化合物 成分(D) としては、有機ケイ素化合物からなる電子供与
性化合物や、窒素、イオウ、酸素、リン等のへテロ原子
含む電子供与性化合物が使用可能であるが、有機ケイ素
化合物が好ましい。有機ケイ素化合物としては、アルコ
キシ基(一部がアルキル基又はアリール基で置換されて
いてもよい)が合計4個ケイ素原子に結合したものが好
ましい。これらのアルキル基及びアルコキシ基は鎖状で
も環状でもよい。また、アルキル基又はアリール基はハ
ロゲン元素で置換されていてもよい。
【0038】このような有機ケイ素化合物(成分(D) )
の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトライソ
ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベン
ジルオキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、
ブチルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、アリルトリメトキシシラン、ジメチルジイソプロポ
キシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジ
エトキシシラン、ジエチルジイソブトキシシラン、ジエ
チルジフェノキシシラン、ジブチルジイソプロポキシシ
ラン、ジブチルジブトキシシラン、ジブチルジフェノキ
シラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、ジベン
ジルジエトキシシラン、ジビニルジフェノキシシラン、
ジアリルジプロポキシシラン、ジフェニルジアリルオキ
シシラン、クロロフェニルジエトキシシラン等が挙げら
れる。
【0039】ヘテロ原子を含む電子供与性化合物の具体
例としては、窒素原子を含む化合物として、2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、2,6−ジエチルピ
ペリジン、2,6−ジイソブチル−4−メチルピペリジ
ン、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン、3−メ
チルピリジン、2,6−ジイソブチルピリジン、2,5
−ジメチルピペリジン、ニコチン酸アミド、イミダゾー
ル、安息香酸アミド、ニコチン酸メチル、2−メチルピ
ロール、トルイル酸アミド、ベンゾニトリル、アセトニ
トリル、アニリン、トルイジン、トリエチルアミン、テ
トラメチレンジアミン、トリブチルアミン等が挙げら
れ、イオウ原子を含む化合物として、チオフェノール、
チオフェン、2−チオフェンカルボン酸エチル、メチル
メルカプタン、イソプロピルメルカプタン、ジエチルチ
オエーテル、ジフェニルチオエーテル、ベンゼンスルフ
ォン酸メチル、メチルサルファイト等が挙げられ、酸素
原子を含む化合物として、テトラヒドロフラン、2−メ
チルテトラヒドロフラン、2,2,5,5−テトラエチ
ルテトラヒドロフラン、2,2,6,6−テトラメチル
テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、
ジフェニルエーテル、アニソール、アセトフェノン、ア
セトン、o−トリル−t−ブチルケトン、2−フラル酸
エチル等が挙げられ、リン原子を含む化合物として、ト
リフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイト、ジ
エチルホスフェート等が挙げられる。
【0040】これらの電子供与性化合物は二種以上用い
てもよい。また、これらの電子供与性化合物は、有機ア
ルミニウム化合物を触媒成分と組合せて用いる際に添加
してもよく、また予め有機アルミニウム化合物と接触さ
せた上で添加してもよい。
【0041】(E) オレフィン オレフィンとしては、エチレンの他、プロピレン、1−
ブテン、1−へキセン、4−メチルー1 ぺンテン等のα
−オレフィンを使用することができる。
【0042】(ii)予備重合 有機アルミニウム化合物(成分(B) )及び有機ケイ素化
合物(成分(C) )の存在下で、固体成分(成分(A) )を
オレフィン(成分(E) )と接触させることにより、オレ
フィンが予備重合される。また、必要に応じて電子供与
性化合物(成分(D) )を成分(B) 及び成分(C) ととも
に、予備重合時に加えるのが好ましい。予備重合は、前
記の不活性媒体の存在下で行うのが望ましい。予備重合
は、通常100℃以下の温度、望ましくは−30℃〜+
30℃、更に望ましくは−20℃〜+15℃の温度で行
う。重合方式としては、バッチ式、連続式のいずれでも
よく、又二段以上の多段で行ってもよい。多段で行う場
合、重合条件をそれぞれ変え得ることは当然である。
【0043】成分(B) は、予備重合系での濃度が10〜
500ミリモル/リットル、望ましくは30〜200ミ
リモル/リットルになるように用い、また、成分(A) 中
のチタン1グラム原子当り、1〜50000モル、望ま
しくは2〜1000モルとなるように用いる。成分(C)
は、予備重合系での濃度が5〜1000ミリモル/リッ
トル、望ましくは10〜200ミリモル/リットルにな
るように用いる。予備重合により成分(A) 中にオレフィ
ンポリマーが取り込まれるが、そのポリマー量を成分
(A) 1g当り0.1〜200g、特に0.5〜50gと
するのが望ましい。上記のようにして調製された本発明
の触媒成分は、前記の不活性媒体で希釈あるいは洗浄す
ることができるが、触媒成分の保存劣化を防止する観点
からは、特に洗浄するのが望ましい。洗浄後、必要に応
じて乾燥してもよい。又、触媒成分を保存する場合は、
出来るだけ低温で保存するのが望ましく、−50℃〜+
30℃、特に−20℃〜+5℃の温度範囲が推奨され
る。
【0044】(iii) 本重合 上記のようにして得られた予備触媒成分に、有機金属化
合物、及び必要に応じて電子供与性化合物を組み合せ
て、プロピレンの単独重合又は他のモノオレフィンとの
共重合などの本重合を行うことにより、特定値以上の融
点(Tm )及び融解熱量(△Hm )を示す高結晶性ポリ
プロピレンを得ることができる。
【0045】本重合で用い得る有機金属化合物は、周期
表第I族ないし第III 族金属の有機化合物である。該有
機金属化合物としては、リチウム、マグネシウム、カル
シウム、亜鉛又はアルミニウムの有機化合物が使用で
き、特に有機アルミニウム化合物が好適である。有機ア
ルミニウム化合物としては、一般式: R13 nAlX’3-n (ただし、R13はアルキル基またはアリール基、X’は
ハロゲン原子、アルコキシ基又は水素原子を示し、nは
1≦n≦3の範囲の任意の数である。)で示されるもの
が好ましく、例えばトリアルキルアルミニウム、ジアル
キルアミニウムモノハライド、モノアルキルアルミニウ
ムジハライド、ジアルキルアルミニウムモノアルコキン
ド及びアルキルアルミニウムモノハイドライド等のアル
キルアルミニウム化合物、又はその混合物若しくは錯化
合物が特に好ましい。このような有機アルミニウム化合
物の炭素数は1〜18個が好ましく、2〜6個がより好
ましい。
【0046】具体的には、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等
のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムク
ロライド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルア
ルミニウムアイオダイド等のジアルキルアルミニウムモ
ノハライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチル
アルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオ
ライド等のモノアルキルアルミニウムジハライド、メチ
ルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジイソブチルアル
ミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムモノア
ルコキシド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエ
チルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウ
ムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライ
ドが挙げられる。これらの中で、トリアルキルアルミニ
ウムが好ましく、特にトリエチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウムが好ましい。
【0047】また、酸素原子や窒素原子を介して2個以
上のアルミニウムが結合した有機アルニウム化合物も使
用可能である。このような化合物としては、例えば
【化3】 等を例示できる。
【0048】アルミニウム以外の金属の有機化合物とし
ては、ジエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロ
ライド、ジエチル亜鉛等が挙げられる。また、アルミニ
ウムと他の金属との有機化合物としては、LiAl(C
2 54 、LiAl(C7154 等が挙げられる。
【0049】予備触媒成分に対する有機金属化合物の使
用量は、該触媒成分中のチタン1グラム原子当り、通常
1〜2000グラムモル、特に20〜500グラムモル
が望ましい。また電子供与性化合物を用いる場合、電子
供与性化合物1モル当たり、有機金属化合物の量(アル
ミニウムとして)0.1〜40グラム原子、好ましくは
1〜25グラム原子となるように、有機金属化合物と電
子供与性化合物の比率を選ぶ。
【0050】プロピレン重合反応は、気相、液相のいず
れでもよく、液相で重合させる場合は、ノルマルブタ
ン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、へ
キサン、へプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素中及び液状
モノマー中で行うことができる。重合温度は、通常−8
0℃〜+150℃、特に40℃〜120℃の温度範囲で
ある。重合圧力は、例えば1〜60気圧でよい。また得
られる重合体の分子量の調節は、水素若しくは他の公知
の分子量調節剤を存在させることにより行う。重合反応
は、連続又はバッチ式反応で行い、その条件は通常用い
る条件でよい。又、重合反応は一段で行ってもよく、二
段で行ってもよい。
【0051】(b) ガラス繊維 本発明のガラス繊維強化樹脂組成物に用いるガラス繊維
は、電子顕微鏡により測定した平均繊維径が3〜11μ
mである。平均繊維長については、0.2mm以上のも
のが好ましいく、ガラス繊維の平均繊維径が小さいほど
ガラス繊維強化樹脂組成物は耐衝撃性、耐熱性及び引張
強度等の機械的物性に優れる。特にガラス繊維強化樹脂
組成物の比重が1.14を越える場合には、平均繊維径
が3〜8μmのものが好ましい。また成形品の表面平滑
性を考慮すると、強熱減量が0.2〜0.8重量%であ
るチョップトストランドが好ましい。
【0052】(c) 変性ポリオレフィン 高結晶性ポリプロピレンは、その構造上塗装性等の化学
的性質が劣っているが、変性ポリオレフィンを添加する
ことにより改善することができる。変性ポリオレフィン
は、マレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物、
アクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステル、又
はアクリルアミド基とエポキシ基を有するグリシジル化
合物等を変性用モノマーとして、ポリオレフィンにグラ
フト重合することにより得られることが知られている
(例えば、特開昭50−52156号、特開昭52−1
05993号、特開昭55−50040号、特開昭58
−67743号、特開平6−172422号、特開平6
−172460号)。
【0053】変性用モノマーをグラフト重合するポリオ
レフィンは、プロピレンのホモポリマー、プロピレンの
ランダムまたはブロック共重合体、ポリエチレン、エチ
レン−プロピレンゴム、エチレン−ブテンゴム、ポリブ
チレン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、プロピレ
ン−非共役ジエンランダム共重合体等であり、特に限定
されないが、コストを考慮するとプロピレンのホモポリ
マーが好適である。変性用モノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、2,3−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸
又はその無水物又はこれらのエステル、及びグリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸
グリシジルエステル等の不飽和エポキシ化合物が好まし
い。さらに、下記一般式(V):
【化4】 (式中、R14はH又は炭素数1〜6のアルキル基であ
り、Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1個以上有
する炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、nは1
〜4の整数を表す。)で表されるアクリルアミド基とエ
ポキシ基を有するグリシジル化合物も変性モノマーとし
て用いることができる。
【0054】好ましい上記グリシジル化合物としては、
下記一般式(VI):
【化5】 で表されるものが挙げられる(式中、R15はH又は炭素
数1〜6のアルキル基である。)このようなアクリルア
ミド基とエポキシ基を有するグリシジル化合物は、例え
ば特開昭60−130580号に示される方法により製
造することができる。これらの化合物の中で、特に無水
マレイン酸が好ましい。
【0055】変性ポリオレフィンのMFRは、1〜50
0g/10分、特に10〜200g/10分であるのが
好ましく、グラフト率は0.1〜10重量%、特に0.
3〜6.0重量%であるのが好ましい。
【0056】(d) その他の添加物 本発明のガラス繊維強化樹脂組成物には、その用途に応
じてカーボンブラック、酸化チタン等の顔料、耐熱安定
剤、耐光安定剤、金属活性化剤、滑剤等を本発明の目的
を損なわない範囲で配合することができる。
【0057】[2] 配合比 各成分の配合比は、(a) 高結晶性ポリプロピレンが20
〜97.4重量%、好ましくは48〜89.5重量%で
あり、(b) 平均繊維径が 〜11μmであるガラス繊維
が2.5〜60重量%、好ましくは10〜45重量%で
あり、(c) 変性ポリオレフィンが0.1〜20重量%、
好ましくは0.5〜7重量%である。
【0058】高結晶性ポリプロピレンの配合量が20重
量%未満では、得られるガラス繊維強化樹脂組成物の耐
衝撃性等が低く、一方97.4重量%を越えると耐衝撃
性が低下する。またガラス繊維の配合量が2.5重量%
未満では耐熱性や耐衝撃性が低下し、一方60重量%を
越えると表面加工性及び生産性が低くなる。さらに変性
ポリオレフィンの配合量が0.1重量%未満では添加効
果がみられず、また20重量%を越えると機械強度が低
下する。
【0059】[3] ガラス繊維強化樹脂組成物の製造方法 上記成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダー等で、190〜280℃の温度範囲で溶融
混練することにより得ることができる。またガラス繊維
を高濃度に添加したマスターバッチを予め調製し、これ
をポリプロピレンに配合してもよい。
【0060】[4] ガラス繊維強化樹脂組成物の物性 本発明のガラス繊維強化樹脂組成物のASTM D−7
90に従って室温で測定した曲げ弾性率(FM、単位:
kgf/cm2 )は次式(I) : FM≧212170×ρ−172870 ・・・・(I) (但し、ρはASTM D−792に従って室温で測定
したガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、0.91
5≦ρ≦1.50である。)を満たす。またASTM
D−638に従って室温で測定した引張強度(TS、単
位:kgf/cm2 )は次式(II)又は(III ): TS≧3250×ρ−2400 ・・・・(II) (但し、ρはガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、
0.915≦ρ≦1.14である。) TS≧670×ρ+540 ・・・・(III ) (但し、ρはASTM D−792に従って室温で測定
したガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、1.14
<ρ≦1.50である。)を満たす。なお、ガラス繊維
の平均繊維径を3〜8μmとした場合には、ガラス繊維
強化樹脂組成物の比重が、0.915≦ρ≦1.50の
範囲で前記(II)式を満たす。
【0061】FM<212170×ρ−172870、
TS<3250×ρ−2400又はTS<670×ρ+
540となる場合には、得られるガラス繊維強化樹脂組
成物の耐熱性、耐衝撃性等が低下する。
【0062】
【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではな
い。
【0063】合成例1 高結晶性プロピレンホモポリマー(a) −1 の製造 触媒成分(A) の調製 還流冷却器を具備した1リットルの反応容器に、窒素ガ
ス雰囲気下、チップ状の金属マグネシウム(純度99.
5%、平均粒径1.6mm)8.3g及びn−ヘキサン
250mlを入れ、68℃で1時間攪拌後金属マグネシ
ウムを取り出し、65℃で減圧乾燥する方法で予備活性
化した金属マグネシウムを得た。
【0064】次に、この予備活性化した金属マグネシウ
ムに、n−ブチルエーテル140ml及びn−ブチルマ
グネシウムクロライドのn−ブチルエーテル溶液(1.
75モル/リットル)を0.5ml加えた懸濁液を55
℃に保ち、さらにn−ブチルエーテル50mlにn−ブ
チルクロライド38.5mlを溶解した溶液を50分間
で滴下した。攪拌下70℃で4時間反応を行った後、反
応液を25℃に保持した。
【0065】次に、この反応液にHC(OC2 5 3
55.7mlを1時間かけて滴下した。滴下終了後、6
0℃で15分間反応を行い、反応生成固体をn−ヘキサ
ン各300mlで6回洗浄し、室温で1時間減圧乾燥
し、マグネシウム19.0%及び塩素28.9%を含む
マグネシウム含有固体31.6gを回収した。
【0066】還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを取り
付けた300mlの反応容器に、窒素ガス雰囲気下でマ
グネシウム含有固体6.3g及びn−ヘプタン50ml
を入れて懸濁液とし、室温で攪拌しながら2,2,2−
トリクロロエタノール20ml(0.02ミリモル)と
n−ヘプタン11mlの混合溶液を滴下ロートから30
分間かけて滴下し、さらに80℃で1時間攪拌した。得
られた固体をろ別し、室温のn−ヘキサン各100ml
で4回洗浄し、さらにトルエン各100mlで2回洗浄
して固体成分を得た。
【0067】上記の固体成分にトルエン40mlを加
え、さらに四塩化チタン/トルエンの体積比が3/2に
なるように四塩化チタンを加えて90℃に昇温した。攪
拌下、フタル酸ジn−ブチル2mlとトルエン5mlの
混合溶液を滴下した後、120℃で2時間攪拌した。得
られた固体状物質を90℃でろ別し、トルエン各100
mlで2回、90℃で洗浄した。さらに新たに四塩化チ
タン/トルエンの体積比が3/2になるように四塩化チ
タンを加え、120℃で2時間攪拌し、室温の各100
mlのn−ヘキサンにて7回洗浄して触媒成分(A) 5.
5gを得た。
【0068】予備重合(予備重合触媒成分の調整) 攪拌機を取り付けた500mlの反応器に、窒素ガス雰
囲気下、上記で得られた成分(A) 3.5g及びn−ヘプ
タン300mlを入れ、攪拌しながら5℃に冷却した。
次にトリエチルアルミニウム(TEAL)のn−ヘプタ
ン溶液(2.0モル/リットル)及び2,3,4−トリ
メチル−3−アザシクロペンチルトリメトキシシラン
を、反応系におけるTEAL及び2,3,4−トリメチ
ル−3−アザシクロペンチルトリメトキシシランの濃度
がそれぞれ100ミリモル/リットル及び10ミリモル
/リットルとなるように添加し、5分間攪拌した。
【0069】次いで、系内を減圧した後、プロピレンガ
スを連続的に導入し、プロピレンを2.2時間重合させ
た。重合終了後、気相のプロピレンを窒素ガスでパージ
し、各100mlのn−ヘキサンで3回、室温にて固相
部を洗浄した。さらに固相部を室温で1時間減圧乾燥し
て、予備重合触媒成分を調製した。予備重合触媒成分に
含まれるマグネシウム量を測定した結果、予備重合量
は、成分(A) 1g当たり1.8gであった。
【0070】本重合 攪拌機を設けた5リットルのステンレス製オートクレー
ブに、窒素ガス雰囲気下、トリイソブチルアルミニウム
(TiBAL)のn−ヘプタン溶液(0.1モル/リッ
トル)6mlとt−ブトキシ−t−ブチルジメトキシシ
ランのn−ヘプタン溶液(0.01モル/リットル)6
mlを混合し5分間保持したものを入れた。
【0071】次いで、分子量制御剤として水素ガス6.
7リットル及び液体プロピレン3リットルを圧入した
後、反応系を70℃に昇温した。上記で得られた予備重
合触媒成分38.6mgを反応系に装入した後、1時間
プロピレンの重合を行った。重合終了後、未反応のプロ
ピレンをパージし、427gのポリプロピレン粉末を得
た。触媒成分(A) 1g当たりのポリプロピレン生成量
は、31.0kgであった。また、得られたポリプロピ
レンのMFRは40g/10分 (230℃、荷重2.1
6kgで測定) であった。さらにDSC測定(昇温速
度:10℃/分)を行ったところ、Tm は167.2℃
であり、△Hm は119.2J/gであった。
【0072】合成例2 高結晶性プロピレンホモポリマー(a) −2 の製造 水素ガスの量を5リットルとした以外は、合成例1と同
じ条件でプロピレンの重合を行った。触媒成分(A) 1g
当たりのポリプロピレン生成量は、30.2kgであっ
た。また、得られたポリプロピレンのMFRは20g/
10分であった。さらにDSC測定(昇温速度:10℃
/分)を行ったところ、Tm は167.0℃であり、△
m は119.0J/gであった。
【0073】合成例3 変性ポリオレフィン(c) −1 の製造 MFRが0.3g/10分のプロピレンホモポリマー1
00重量部に対し、無水マレイン酸1重量部とラジカル
開始剤(日本油脂(株)製、パーヘキシン2・5B)
0.2重量部をドライブレンドし、90mmφの単軸押出
機を用いて溶融混練した。シリンダー温度220℃でダ
イから押出し、ペレットを得た。得られた変性ポリプロ
ピレンの酸グラフト率をIR法で測定した結果、0.6
重量%であった。また、MFRは150g/10分であ
った。
【0074】合成例4 変性ポリオレフィン(c) −2 の製造 MFRが0.1g/10分のプロピレンホモポリマー1
00重量部に対し、無水マレイン酸10重量部とラジカ
ル開始剤(日本油脂(株)製、パーヘキシン2・5B)
2重量部をドライブレンドし、90mmφの単軸押出機を
用いて溶融混練した。シリンダー温度200℃でダイか
ら押出し、ペレットを得た。得られた変性ポリプロピレ
ンの酸グラフト率をIR法で測定した結果、5.0重量
%であった。また、MFRは275g/10分であっ
た。
【0075】合成例5 変性ポリオレフィン(c) −3 の製造 MFRが15g/10分のプロピレンホモポリマー10
0重量部に対し、無水マレイン酸0.2重量部とラジカ
ル開始剤(日本油脂(株)製、パーヘキシン2・5B)
0.15重量部をドライブレンドし、90mmφの単軸押
出機を用いて溶融混練した。シリンダー温度200℃で
ダイから押出し、ペレットを得た。得られた変性ポリプ
ロピレンの酸グラフト率をIR法で測定した結果、0.
1重量%であった。また、MFRは100g/10分で
あった。
【0076】合成例6 変性ポリオレフィン(c) −4 の製造 MFRが9g/10分のプロピレンホモポリマー100
重量部に対し、下記式(VII ):
【化6】 で表されるグリシジル化合物(鐘淵化学(株)製、AX
E)1重量部とラジカル開始剤(日本油脂(株)製、パ
ーヘキシン2・5B)0.1重量部をドライブレンド
し、90mmφの単軸押出機を用いて溶融混練した。シリ
ンダー温度200℃でダイから押出し、ペレットを得
た。得られた変性ポリプロピレンのAXEグラフト率を
IR法で測定した結果、1重量%であった。また、MF
Rは100g/10分であった。
【0077】実施例1〜7、比較例1〜11 1.原料 (a) ポリプロピレン (a) −1 :合成例1で製造した高結晶性プロピレンホモ
ポリマー Tm :167.2 ℃ △Hm :119.2 J/g MFR:40g/10min (230℃、荷重2.16kgで測定) 熱変形温度(℃):143 (ASTM D648 により18.6kg/cm
2 で測定) 曲げ弾性率(kgf /cm2 ):22500 ( ASTM D790により
室温で測定) アイゾット衝撃強度(kgf ・cm/cm):2 (ASTM D256
により23℃で測定) (a)−2 :合成例2で製造した高結晶性プロピレンホモ
ポリマー Tm :167.0 ℃ △Hm :119.0 J/g MFR:20g/10min 熱変形温度(℃):143 曲げ弾性率 (kgf /cm2 ):22000 アイゾット衝撃強度(kgf ・cm/cm):2.5 (a) −3 :プロピレンホモポリマー Tm :164.8 ℃ △Hm :113.0 J/g MFR:15g/10min 熱変形温度(℃):125 曲げ弾性率(kgf /cm2 ):14500 アイゾット衝撃強度(kgf ・cm/cm):2.5 (b) ガラス繊維 No. 平均繊維径(μm) 平均繊維長(mm) (b) −1 6.0 3 (b) −2 9.5 3 (b) −3 13.0 3 (c) 変性ポリオレフィン(変性PO) (c) −1 :合成例3で作製した変性ポリプロピレン MFR:150g/10min (c) −2 :合成例4で作製した変性ポリプロピレン MFR:275g/10min (c) −3 :合成例5で作製した変性ポリプロピレン MFR:100g/10min (c) −4 :合成例6で作製した変性ポリプロピレン MFR:100g/10min
【0078】2.混練方法 原料を所定の表1に示す配合比率に秤量し、高速ミキサ
ーでドライブレンドした後、二軸押出機(ナカタニ機械
(株)製、AS20)にて220〜250℃で、200
rpmのスクリュー回転数で溶融混練し、押出してペレ
ットを得た。
【0079】3.成形方法 得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度240
℃、射出圧力400kg/cm2 及び金型温度50℃で射出
成形し、試験片を作製した。
【0080】4.物性測定 各試験片の物性測定は、以下の方法で行った。結果を下
記表1に示す。 (1) 比重:ASTM D792 により室温で測定。 (2) MFR(g/10分):ASTM D1238により230 ℃、荷
重2.16kgで測定。 (3) 引張強度(kgf /cm2 ):ASTM D638 により室温で
測定。 (4) 曲げ弾性率(kgf /cm2 ):ASTM D790 により室温
で測定。 (5) 曲げ強度(kgf /cm2 ):ASTM D790 により室温で
測定。 (6) 熱変形温度(℃):ASTM D648 により18.6kg/cm2
で測定。 (7) アイゾット衝撃強度(kgf ・cm/cm):ASTM D256
により23℃で測定。
【0081】5.計算値と測定値の比較 上記4で測定した比重(ρ)から、曲げ弾性率(F
M’)を次式(VIII): FM’=212170×ρ−172870 ・・・・(VIII) (但し、0.915≦ρ≦1.50である。)により算
出し、測定値(FM)と計算値(FM’)を比較した。
100×(FM−FM’)/FM’がプラスの場合に、
前述の式(I)と適合(○)するものとし、またマイナ
スの場合には不適合(×)とした。同様に引張強度(T
S’)を次式(IX)及び(X): TS’=3250×ρ−2400 ・・・・(IX) (但し、0.915≦ρ≦1.50である。) TS’=670×ρ+540 ・・・・(X) (但し、1.14<ρ≦1.50である。)により算出
し、測定値(TS)と計算値(TS’)を比較した。1
00×(TS−TS’)/TS’がプラスの場合に、前
述の式(II)及び(III )と適合(○)するものとし、
またマイナスの場合には不適合(×)とした。結果を下
記表1に示す。
【0082】 表1 例 No. 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 配合比率(重量%) ポリプロピレン (a) −1 77 65 ─ 48 (a) −2 ─ ─ 87 ─ (a) −3 ─ ─ ─ ─ ガラス繊維 (b) −1 ─ ─ ─ ─ (b) −2 20 30 10 45 (b) −3 ─ ─ ─ ─ 変性PO (c) −1 3 5 3 7 (c) −2 ─ ─ ─ ─ (c) −3 ─ ─ ─ ─ (c) −4 ─ ─ ─ ─ 組成物の物性 測定値 比重 1.04 1.13 0.966 1.28 MFR 11 10 9 8 引張強度 1050 1300 750 1400 曲げ弾性率 48500 70000 32100 103000 曲げ強度 1400 1700 1000 2000 熱変形温度 155 156 148 157 アイゾット 10 11 7 12 計算値 引張強度 980 1270 740 1400 差(1) +7.1 +2.4 +1.4 0 適合性 ○ ○ ○ ○ 曲げ弾性率 47790 66880 32090 98710 差(2) +1.5 +4.7 0 +4.4 適合性 ○ ○ ○ ○ 表1( つづき) 例 No. 実施例5 実施例6 実施例7 配合比率(重量%) ポリプロピレン (a) −1 85 69 48 (a) −2 ─ ─ ─ (a) −3 ─ ─ ─ ガラス繊維 (b) −1 ─ ─ 50 (b) −2 10 30 ─ (b) −3 ─ ─ ─ 変性PO (c) −1 ─ ─ ─ (c) −2 ─ 1 2 (c) −3 ─ ─ ─ (c) −4 5 ─ ─ 組成物の物性 測定値 比重 0.966 1.13 1.34 MFR 14 13 9 引張強度 760 1320 1960 曲げ弾性率 32300 70500 123000 曲げ強度 980 1720 2330 熱変形温度 148 156 158 アイゾット 6 11 13 計算値 引張強度 740 1270 1440 差(1) +2.7 +3.9 +36.1 適合性 ○ ○ ○ 曲げ弾性率 32090 66880 111440 差(2) +0.7 +5.4 +10.4 適合性 ○ ○ ○ 表1( つづき) 例 No. 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 配合比率(重量%) ポリプロピレン (a) −1 ─ ─ 87 65 (a) −2 ─ ─ ─ ─ (a) −3 87 65 ─ ─ ガラス繊維 (b) −1 ─ ─ ─ ─ (b) −2 10 30 ─ ─ (b) −3 ─ ─ 10 30 変性PO (c) −1 3 5 3 5 (c) −2 ─ ─ ─ ─ (c) −3 ─ ─ ─ ─ (c) −4 ─ ─ ─ ─ 組成物の物性 測定値 比重 0.966 1.13 0.966 1.13 MFR 14 12 15 14 引張強度 690 1170 650 1100 曲げ弾性率 30000 61600 29000 61000 曲げ強度 830 1530 810 1490 熱変形温度 145 154 147 155 アイゾット 7 9 7 8 計算値 引張強度 740 1270 740 1270 差(1) -6.8 -7.9 -12.2 -13.4 適合性 × × × × 曲げ弾性率 32090 66880 32090 66880 差(2) -6.5 -7.9 -9.6 -8.8 適合性 × × × × 表1( つづき) 例 No. 比較例5 比較例6 比較例7 比較例8 配合比率(重量%) ポリプロピレン (a) −1 70 ─ ─ ─ (a) −2 ─ ─ ─ ─ (a) −3 ─ 82 74 46 ガラス繊維 (b) −1 ─ ─ ─ ─ (b) −2 30 ─ ─ ─ (b) −3 ─ 10 20 30 変性PO (c) −1 ─ ─ ─ ─ (c) −2 ─ ─ ─ ─ (c) −3 ─ 8 16 24 (c) −4 ─ ─ ─ ─ 組成物の物性 測定値 比重 1.13 0.966 1.04 1.13 MFR 13 8 8 8 引張強度 520 570 800 1000 曲げ弾性率 50700 26000 42000 55000 曲げ強度 670 730 1050 1300 熱変形温度 136 135 150 155 アイゾット 4 5 8 9 計算値 引張強度 1270 740 980 1270 差(1) -59.1 -23.0 -18.4 -21.3 適合性 × × × × 曲げ弾性率 66880 32090 47790 66880 差(2) -24.2 -19.0 -12.1 -17.7 適合性 × × × × 注(1) :100×(TS−TS’)/TS’ 注(2) :100×(FM−FM’)/FM’
【0083】表1より明らかなように、本発明のガラス
繊維強化樹脂組成物は、上記一般式(I)及び(II)又
は(III )を満たし、またガラス繊維の配合量が少ない
場合でも機械特性に優れている。また実施例2及び比較
例4により明らかなように、ガラス繊維の平均繊維径は
小さいほど機械特性に優れている。
【発明の効果】本発明のガラス繊維強化樹脂組成物は、
耐熱性、剛性、耐衝撃性、生産性及び成形品の表面平滑
性に優れ、自動車の内外装部品、家電製品用部品、事務
機器用部品等の用途に広く使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 幸彦 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 本田 俊和 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 瀬詰 忠司 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 示差走査熱量(DSC)測定(昇温
    速度:10℃/分)における融点(Tm )が166℃以
    上であり、融解熱量(△Hm )が118J/g以上であ
    る高結晶性ポリプロピレンと、(b) 平均繊維径が3〜1
    1μmの範囲であるガラス繊維と、(c) 変性ポリオレフ
    ィンとからなり、ASTM D−790に従って室温で
    測定した曲げ弾性率(FM、単位:kgf/cm2 )が
    次式(I): FM≧212170×ρ−172870 ・・・・(I) (但し、ρはASTM D−792に従って室温で測定
    したガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、0.91
    5≦ρ≦1.50である。)を満たし、かつASTM
    D−638に従って室温で測定した引張強度(TS、単
    位:kgf/cm2 )が次式(II)又は(III ): TS≧3250×ρ−2400 ・・・・(II) (但し、ρはASTM D−792に従って室温で測定
    したガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、0.91
    5≦ρ≦1.14である。) TS≧670×ρ+540 ・・・・(III ) (但し、ρはガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、
    1.14<ρ≦1.50である。)を満たすことを特徴
    とするガラス繊維強化樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガラス繊維強化樹脂組
    成物において、前記ガラス繊維の平均繊維径が3〜8μ
    mの範囲であり、かつ前記引張強度(TS、単位:kg
    f/cm2 )が次式(II): TS≧3250×ρ−2400 ・・・・(II) (但し、ρはASTM D−792に従って室温で測定
    したガラス繊維強化樹脂組成物の比重であり、0.91
    5≦ρ≦1.50である。)を満たすことを特徴とする
    ガラス繊維強化樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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