JPH1041401A - 抵抗内蔵トランジスタ - Google Patents

抵抗内蔵トランジスタ

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JPH1041401A
JPH1041401A JP7809397A JP7809397A JPH1041401A JP H1041401 A JPH1041401 A JP H1041401A JP 7809397 A JP7809397 A JP 7809397A JP 7809397 A JP7809397 A JP 7809397A JP H1041401 A JPH1041401 A JP H1041401A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 単一のトランジスタに最小限の抵抗を付加し
て単一回路素子として構成し、個別部品のTrと同一の
端子構成をもつ抵抗内蔵トランジスタを提供する。 【解決手段】 抵抗内蔵トランジスタは単一のTr24
とポリSiからなる第1抵抗26及び第2抵抗30を備
え、単一のTrのみが形成できる最小の半導体基板32
上に形成された素子体である。該基板上に第1及び第2
の抵抗を設置し、第1抵抗26の一端をベース34に配
線導体の電極42で接続すると共に、第2抵抗30をベ
ース34とエミッタ36間に配線導体エミッタ電極40
で接続し、半導体基板にコレクタ端子,エミッタにはエ
ミッタ電極40を、第1抵抗の他端にはベース電極44
を設け、エミッタ電極には半導体基板の収納容器に形成
されたエミッタ端子がリードボンディングにより接続さ
れ、またベース電極には収納容器に形成されたベース端
子が同様な方法で接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、単一のトランジ
スタ上に薄膜抵抗を内蔵した個別部品をなす抵抗内蔵ト
ランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種の電子回路からなるビデオ
テープレコーダ等の電子機器では、その構成回路を集積
回路(IC)化することが機能面で不利になる場合や、
回路定数の設定等によりIC化が困難な場合がある。I
Cでは抵抗に拡散抵抗が用いられ、複数のトランジスタ
が形成されているが、各素子はアイソレーションにより
他の素子と電気的に分離されているため、寄生トランジ
スタ効果を無視することができない。また、ICでは高
周波特性が良好なトランジスタ、スイッチング速度の早
いトランジスタ、或いは高耐圧、大電流のトランジスタ
等を形成することが困難である。このため、IC化に適
さない回路を含む電子機器では、トランジスタやチップ
抵抗器の個別部品を使用して回路を構成し、特定の回路
を成すIC等とともにプリント基板にその部品を実装す
ることが行われている。
【0003】次に、図7は、個別部品で構成されたリレ
ードライブ回路を示す。このリレードライブ回路にはス
イッチング回路を成すトランジスタ回路2が設置されて
いる。即ち、トランジスタ4のベースには抵抗6を介し
て入力端子8Aが形成され、そのエミッタには入力端子
8Bが形成されるとともに、エミッタ・ベース間には抵
抗10が接続され、また、入力端子8Bは基準電位(G
ND)端子8Cに共通にされている。そして、トランジ
スタ4のコレクタと電圧印加端子12との間には、並列
にリレー14の励磁コイル14Aとともにダイオード1
6が接続されている。このリレードライブ回路では、入
力端子8A、8B間に加えられた入力電圧Vi によって
トランジスタ4がスイッチングすることにより、リレー
14の励磁コイル14Aの励磁電流が制御され、リレー
接点14Bが開閉する。
【0004】また、図8は、個別部品で構成されたイン
バータ回路を示す。このインバータ回路には、図7に示
したトランジスタ回路2が設置され、リレー14及びダ
イオード16に代えて抵抗18が接続されているととも
に、トランジスタ4のコレクタに出力端子20が形成さ
れている。従って、このインバータ回路では、入力端子
8A、8Bに加えられた入力電圧Vi がトランジスタ4
によって反転され、その反転出力VO が出力端子20か
ら取り出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなリレードラ
イブ回路やインバータ回路では、トランジスタ回路2の
用途や機能が異なっているものの、その回路構成は同一
である。このようなトランジスタ回路2を個別部品で構
成した場合、プリント基板上にトランジスタ4とともに
抵抗6、10を個別に実装して形成されるため、トラン
ジスタ回路2の設置数に比例してプリント基板の実装面
積が拡大する上、その配線工数が増加するとともに、電
子機器の小型化や軽量化を妨げる等の他、複数のトラン
ジスタ回路2を必要とするビデオテープレコーダ等の電
子機器では高価になる。
【0006】ところで、個別部品で構成されるトランジ
スタ回路2において、抵抗6はトランジスタ4に対する
ベース入力電流制限抵抗であって、その抵抗値によって
トランジスタ4の導通に必要なベース電流IB が決定さ
れる。抵抗10はプルダウン抵抗であり、トランジスタ
4に入力が無い場合、その抵抗値によってベース電位を
エミッタ電位に落とすことにより、トランジスタ4を遮
断状態にさせるものである。また、抵抗18は負荷抵抗
であり、その抵抗値をRL 、抵抗6、10の抵抗値をR
1 、R2 とすると、抵抗値R1 は負荷電流IL (=VCC
/RL )を流すのに十分なベース電流IB を得るための
値にすることが必要である。そして、トランジスタ4で
は、ベース電流IB に対しコレクタ電流IC は、トラン
ジスタ4の電流増幅率hFEとベース電流IB との積hFE
・IB で与えられるので、IB >VCC/hFE・RL の条
件を満たすことが必要であり、電流増幅率hFEは最少値
に設定し、ベース電流IB は計算値の2〜5倍の余裕を
持たせることが行われている。この場合、抵抗10に流
れる電流IB2は、ベース・エミッタ間電圧VBEと抵抗値
2 からVBE/R2 で与えられ、電流損失となるので、
この損失分を補った値のベース電流IB 及び抵抗値R2
が設定される。これらの定数設定は、トランジスタ回路
2が設置される回路条件に対応して行われ、設計上、個
々の回路ごとに個別に設定されるものである。特に、ト
ランジスタ4のスイッチング時のパラメータとしては、
電流増幅率hFEで決定するため、余裕を大きく取る必要
があり、個別部品で構成した場合に適正なスイッチング
特性を得るには、コレクタ・エミッタ間電圧VCEを低く
したときの電流増幅率hFEが必要となるが、値の変動が
大きく、一般に保証されていないので、上述のように公
表された電圧の最少値で計算されたベース電流IB の2
〜5倍の値にベース電流IB を設定するのである。この
ような粗い数値設定が許されるのは、トランジスタ4の
飽和領域において、ベース電流IB の増大に対するコレ
クタ電流IC の増加は極めて小さくなり、抵抗値R1
設定誤差によるコレクタ電流IC の変化が小さいことに
よる。
【0007】そして、トランジスタ回路2では、入力電
圧Vi がトランジスタ4のベース・エミッタ間電圧VBE
を越えると、ベース電流IB が流れ、そのベース電流I
B が流れる直前の入力電圧をしきい値電圧Vthとする
と、しきい値電圧Vthは、 Vth=R1 ・IB2+R2 ・IB2 ・・・(1) となり、電流IB2は、IB2=VBE/R2 であるから、こ
れを式(1)に代入すると、
【0008】
【数1】
【0009】となる。従って、しきい値電圧Vthは、抵
抗値R1 、R2 の比によって決定されるとともに、プル
ダウン抵抗(抵抗10)を有しないトランジスタ回路に
おけるしきい値電圧Vthの(R1 /R2 +1)倍になっ
ていることが判る。ここで、トランジスタ4のベース・
エミッタ間電圧VBEは約0.6Vであるので、しきい値
電圧Vthは、
【0010】
【数2】
【0011】となり、入力電圧Vi がしきい値電圧Vth
を越えると、トランジスタ4のベース電圧VB が0.6
Vを越え、トランジスタ4にはベース電流IB が流れ出
し、トランジスタ4が導通状態に移行する。
【0012】このようなトランジスタ回路2では、抵抗
6、10の抵抗値比率がスイッチング動作の基準である
しきい値電圧Vthに影響を与え、抵抗値比率が変動する
と、スイッチング特性にばらつきが生じるので、抵抗
6、10にはトランジスタ4の特性に対応し、必要な抵
抗値比率を確保するために相対的に精度の高い抵抗器が
必要となる。
【0013】そこで、この発明は、単一のトランジスタ
に対して付随する最小限の抵抗を内蔵させ、トランジス
タや抵抗に任意の特性を製造段階で設定するとともに、
トランジスタ及び抵抗からなる単一の回路素子として構
成し、個別部品のトランジスタと同様の端子構成を持
ち、個別部品であるトランジスタや抵抗器の定数設定や
選定等の手数を要しない上、個別部品であるトランジス
タと同様に個別部品として取り扱うことができる抵抗内
蔵トランジスタを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明の抵抗内
蔵トランジスタは、単一のトランジスタ(24)の上に
設置したポリシリコンからなる第1の抵抗(26)及び
第2の抵抗(30)とを以て単一の素子体を成す抵抗内
蔵トランジスタであって、前記トランジスタは単一のト
ランジスタのみが形成可能な最小限の半導体基板(3
2)を以てコレクタ、前記半導体基板に形成された第1
の導電領域をベース(34)、このベースの内部に選択
的に形成された第2の導電領域をエミッタ(36)と
し、前記第1及び第2の抵抗は、前記トランジスタの表
面層を覆う絶縁層(酸化膜38)上に設置するととも
に、前記第1の抵抗の一端を前記ベースに配線導体(電
極42)を以て接続するとともに、前記第2の抵抗を前
記トランジスタのベースとエミッタとの間に配線導体
(エミッタ電極40)を以て接続し、前記半導体基板に
コレクタ端子(28C)、前記エミッタにはエミッタ電
極(40)、前記第1の抵抗の他端に前記ベースに対す
るベース電極(44)を設け、前記エミッタ電極には前
記半導体基板を収納する容器に形成されたエミッタ端子
(28E)がリードボンディングを以て接続され、前記
ベース電極には前記容器に形成されたベース端子(28
B)がリードボンディングを以て接続されたことを特徴
とする。
【0015】この発明の抵抗内蔵トランジスタによれ
ば、個別部品としての単一のトランジスタに対して付随
する最小限の抵抗としてポリシリコンからなる第1及び
第2の抵抗を内蔵させ、トランジスタや抵抗に任意の特
性を製造段階で設定するとともに、トランジスタ及び抵
抗からなる単一の回路素子として構成したことにより、
本来個別部品としてのトランジスタが持つコレクタ端
子、エミッタ端子及びベース端子が容器に形成されてい
るので、個別部品のトランジスタと同様の端子構成を成
している。したがって、この抵抗内蔵トランジスタは、
個別部品であるトランジスタや抵抗器の定数設定や選定
等の手数を要しない上、個別部品であるトランジスタと
同様に個別部品として取り扱い、スイッチング回路やイ
ンバータ回路等の各種の回路に用いられる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図面に示した実
施形態を参照して詳細に説明する。
【0017】図1ないし図3は、この発明の抵抗内蔵ト
ランジスタの実施形態を示し、図1は抵抗内蔵トランジ
スタの等価回路、図2は保護膜を省略した抵抗内蔵トラ
ンジスタの表面部の構成、図3は図2のA−A線断面を
示す。
【0018】図1に示すように、この抵抗内蔵トランジ
スタ22は、トランジスタ24を設置するとともに、こ
のトランジスタ24に対して必要最小限の第1及び第2
の抵抗26、30を設置して単一の回路素子、即ち、素
子体として構成されたものである。即ち、この抵抗内蔵
トランジスタ22には、単一のトランジスタ24が設置
され、このトランジスタ24のベースには抵抗26の一
端が接続され、抵抗26の他端にはベース端子28Bが
形成されている。また、ベース・エミッタ間にはバイア
ス回路を構成する抵抗30が接続され、これら抵抗2
6、30の抵抗値及び抵抗値比率は任意に設定される。
そして、エミッタにはエミッタ端子28E、コレクタに
はコレクタ端子28Cが形成されている。
【0019】この抵抗内蔵トランジスタ22には、図2
及び図3に示すように、単一のトランジスタを形成する
ための最小限の半導体基板32が設置され、この半導体
基板32はシリコン等で形成されている。そして、この
抵抗内蔵トランジスタ22では、半導体基板32をコレ
クタとし、半導体基板32の表面層に選択的に第1の導
電領域の設置によってトランジスタ24のベース34が
形成され、このベース34には、選択的に設置された第
2の導電領域によってエミッタ36が形成されている。
即ち、抵抗内蔵トランジスタ22に設置されるトランジ
スタ24は、個別部品であるトランジスタと同様に形成
される。
【0020】そして、半導体基板32の表面部には、絶
縁層としてSiO2 等で形成された酸化膜38が設置さ
れ、この酸化膜38の表面には、第1及び第2の抵抗2
6、30がNi−Cr又はポリシリコン等から成る薄膜
抵抗によって形成されている。エミッタ36の表面を覆
う酸化膜38には、コンタクトウインドが形成され、ア
ルミニウム、金等を蒸着することにより、エミッタ36
に対するエミッタ電極40が形成されている。このエミ
ッタ電極40は、エミッタ端子28Eに対応しており、
抵抗30の一端部の上面に配線導体として延長され、電
気的に接続されている。また、ベース34の表面を覆う
酸化膜38にはコンタクトウインドが形成され、エミッ
タ電極40と同様に電極42が形成されている。この電
極42は抵抗26、30の一端部の上面に配線導体とし
て延長されており、抵抗26、30の一端部とベースと
の間が電極42を以て電気的に接続されている。また、
抵抗26の他端部には、ベース端子28Bに接続するベ
ース電極44が形成されている。トランジスタ24のコ
レクタに成っている半導体基板32、半導体基板32に
設置されたエミッタ電極40、ベース電極44には、半
導体基板32を収納する容器に設置されたピンから成る
コレクタ端子28C、エミッタ端子28E、ベース端子
28Bのそれぞれがリードボンディングにより電気的に
接続されている。
【0021】そして、この抵抗内蔵トランジスタ22
は、個別部品であるトランジスタと同様に1パッケージ
に組み込んで形成される。従って、一つの抵抗内蔵トラ
ンジスタ22はトランジスタ24及び抵抗26、30か
ら成る回路素子を成し、通常のトランジスタと同様に3
端子構造を持つので、個別部品としてのトランジスタと
同様に一つの電子部品として扱うことができ、しかも、
トランジスタ24の電気的特性及び抵抗26、30の抵
抗値や抵抗値比率は用途に応じて任意の特性が設定でき
るので、例えば、図4に示すように、従来のリレードラ
イブ回路(図7)におけるトランジスタ回路2に代えて
抵抗内蔵トランジスタ22を設置し、また、図5に示す
ように、インバータ回路(図8)におけるトランジスタ
回路2に代えて抵抗内蔵トランジスタ22を設置するこ
とができ、単一のトランジスタと同様の端子構造を持っ
ているので、その端子に対して必要な接続を行えばよ
く、その扱いは個別部品としてのトランジスタと同様で
あり、非常に簡易である。このように、この抵抗内蔵ト
ランジスタ22は、スイッチング回路やインバータ回路
等に広く用いることができるのである。
【0022】また、抵抗内蔵トランジスタ22では、ト
ランジスタ24とともに抵抗26、30を内蔵すること
によって、抵抗26、30の各抵抗値を抵抗内蔵トラン
ジスタ22の製造段階で任意に設定でき、しきい値電圧
th等の所望のスイッチング特性を任意に設定し、か
つ、その特性を保証し得るので、入力電圧Vi のみでス
イッチング特性の確認ができる。特に、各抵抗26、3
0は共に薄膜抵抗によって形成されており、トランジス
タ24の上に同一の製造条件を以て形成され、各抵抗値
1 、R2 ないし相対的な抵抗値比率を製造段階で任意
に設定し、同一の電気的な特性を持たせることができ
る。図2に示す抵抗26、30は、同一幅に形成され、
各抵抗値R1 、R2 は同一抵抗値に設定されている。従
って、この抵抗内蔵トランジスタ22では、個別部品で
あるトランジスタに抵抗器を付加した従来のトランジス
タ回路2のように、トランジスタの電流増幅率hFEや抵
抗値R 1 、R2 の抵抗比を設計段階で調整する必要がな
く、入力電圧Vi のみをパラメータとして必要なスイッ
チング特性を選択し、任意の回路条件に適合した信頼性
の高いスイッチング動作を実現することができる。従
来、個別部品であるトランジスタを用いた場合に必要な
スイッチング特性を得るために要求されていたパラメー
タ測定、精度の高い抵抗器の選択、抵抗値比率の設定な
どの手数が無く、また、測定精度の高い領域内に適合す
る回路とするなどの制限を受けることがなく、任意のス
イッチ回路を実現することができる。
【0023】この抵抗内蔵トランジスタ22の飽和領域
において、抵抗26の抵抗値R1 をパラメータとしたV
i (入力電圧)−IC (コレクタ電流)を図6に示す。
このVi −IC 動作曲線は、トランジスタ24のコレク
タ・エミッタ間電圧VCE=3V(T=25℃)の場合を
示し、L1 はR1 =R2 =2.2kΩ、L2 はR1 =R
2 =10kΩ、L3 はR1 =R2 =47kΩの場合を示
す。
【0024】そして、図6から明らかなように、抵抗値
1 =R2 が変動したとき、Vi −IC 動作曲線L1
3 は、ほぼコレクタ電流IC 軸方向に平行移動したも
のとなる。従って、所望の電力負荷に対して抵抗値変動
の影響を受け難い動作点を設定するには、Vi −IC
作曲線の平坦領域となるように抵抗内蔵トランジスタ2
2を選択すればよい。
【0025】しかしながら、Vi −IC 動作曲線L1
3 の平坦部分が大きいもの程、抵抗値R1 、R2 が小
さく、従って、電力消費が大きくなることから、Vi
C動作曲線の立上り付近を動作点とすると、最も効率
が良いものとなる。そして、入力電圧Vi の変動やノイ
ズによる誤動作を防止するため、動作点を含む一定の電
圧範囲を除いてオン(ON)、オフ(OFF)電圧領域
を設定するが、その領域はそれ程狭い範囲ではなく、V
i −IC 動作曲線が対数グラフで表されているように、
抵抗内蔵トランジスタ22で広い範囲の負荷電力をカバ
ーすることができる。また、抵抗26、30は薄膜抵抗
で形成されるため、薄膜抵抗では比較的大きな抵抗値誤
差を生じるが、それによる動作電圧の変動は小さいの
で、その抵抗値誤差を無視することができる。従って、
限られた組合せの抵抗26、30から成る抵抗内蔵トラ
ンジスタ22の供給によって、電力負荷の異なる殆どの
スイッチ回路に適用可能である。
【0026】そして、単一のトランジスタ24を形成す
る最小限の半導体基板32に対し、トランジスタ24及
び抵抗26、30を一体化して通常の単一のトランジス
タと同様に1チップ化されているので、従来のトランジ
スタに抵抗を外部接続する回路形態に比較し、抵抗を外
部接続する必要がなく、その配線工数の簡略化ととも
に、各種使用機器の小型化や軽量化等を図ることがで
き、実装されるプリント基板の実装コストの低減を図る
ことができる。
【0027】また、回路構成上では、ベース入力抵抗で
ある抵抗26をトランジスタ24のパッケージ内に形成
していることから、外部からのサージ、静電気等に対す
る耐圧を向上させることができるとともに、ベースを外
部に引き出していないため、外部雑音による影響を受け
難く、また、ICでは形成することができない高耐圧、
大電流の回路を容易に実現でき、しかも、装置を簡略化
することができる。
【0028】さらに、最小限の能動素子である単一のト
ランジスタ24は、隣接する他の能動素子が無いことか
ら、トランジスタ24のみのエミッタ・ベース間、ベー
ス・コレクタ間の浮遊容量を小さく、周波数特性、スイ
ッチングスピード等を改善することができ、ICでは得
ることができない優れた特性を達成することができる。
そして、この抵抗内蔵トランジスタ22とICとを比較
すると、抵抗内蔵トランジスタ22は、基準電位(GN
D)端子が無いので、トランジスタ24をエミッタ接地
で使用する制限を受けることがなく、ベース端子28B
をエミッタ電位以下にバイアスすることも可能であり、
同一特性を持ったコンプリメンタリデバイスを容易に形
成できる。また、この抵抗内蔵トランジスタ22では、
抵抗26、30を薄膜抵抗で形成しているため、ICに
おけるアイソレーションが不要であり、寄生トランジス
タ効果を生じないので、その対策も不要である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、次のような効果が得られる。 (a)単一のトランジスタを形成可能な最小限の半導体
基板に、単一のトランジスタとともにポリシリコンから
なる第1及び第2の抵抗を設置して3端子の回路素子を
構成でき、トランジスタの特性に対応し、任意のスイッ
チング特性等の動作特性を並設される第1及び第2の抵
抗の抵抗値や抵抗値比率を製造段階で任意に設定して実
現でき、これを個別部品であるトランジスタと同様の容
器に内蔵したので、個別部品のトランジスタと同様に個
別部品として取り扱うことができるとともに、スイッチ
ング回路やインバータ回路などに広く用いることがで
き、個別部品であるトランジスタと同等の端子構成から
個別部品のトランジスタと同様な実装形態を取ることが
できる。
【0030】(b)単一のトランジスタ上に絶縁層を介
して第1及び第2の抵抗を設置しているので、個別部品
であるトランジスタに抵抗器を外部接続した従来のトラ
ンジスタ回路に比較し、プリント基板上の抵抗の設置面
積を削減できるとともに、抵抗を外部接続する必要がな
く、その配線工数の簡略化、各種使用機器の小型化、軽
量化等を図ることができ、プリント基板の実装コストの
低減を図ることができる。
【0031】(c)トランジスタとともに設置された第
1及び第2の抵抗は、同一の製造条件によって形成され
るポリシリコンからなる抵抗を用いているので、同一特
性を持ち、精度の高い抵抗値ないし抵抗比が設定できる
とともに、スイッチング回路やインバータ回路等の用途
に対応したものとすることができる。
【0032】(d)第1及び第2の抵抗の抵抗比によっ
てトランジスタをスイッチングするしきい値電圧を一定
範囲に保証でき、ベース端子とエミッタ端子との間の電
圧でトランジスタのスイッチング動作を制御できるスイ
ッチング素子として用いることができ、ベース端子に対
する入力電圧のみでスイッチング動作の範囲を確認で
き、精度の高いインバータ回路として用いることができ
る。
【0033】(e)また、個別部品であるトランジスタ
の単体では、ベース・エミッタ間電圧が例えば、0.6
Vと低く、ベース・エミッタ間電圧だけで実現しようと
するスイッチング回路のしきい値電圧等、スイッチング
特性について保証することができないのに対し、この抵
抗内蔵トランジスタでは、第1及び第2の抵抗の付加に
よって一義的にしきい値電圧を設定でき、しかも、その
1〜数V程度の電圧値に設定できるので、その値を測定
し易く、スイッチング精度を製造段階で確立し、かつ精
度を向上させることができ、所望のスイッチング特性を
保証することができる。即ち、第1及び第2の抵抗は、
トランジスタの特性に対応し、用途に応じた抵抗値及び
抵抗値比率の設定により、両者の相互的な関係によって
スイッチング回路等の基本的な機能回路を構成すること
ができ、トランジスタや抵抗器の選択ないし定数設定の
手数が無く、任意の動作特性が設定された抵抗内蔵トラ
ンジスタを単一の回路素子として選択することができ、
設計の簡略化とともに、各種機器の製造コストを低減さ
せることができる。
【0034】(f)また、この抵抗内蔵トランジスタ
は、単一のトランジスタのベース入力側に第1の抵抗、
ベース・エミッタ間に第2の抵抗を設置して一つの独立
した回路素子として構成しているので、トランジスタと
第1及び第2の抵抗とによって負荷電流の範囲を明確化
できるとともに、第1及び第2の抵抗の大まかな抵抗値
の設定によって負荷電流範囲を段階的に設定することが
でき、数種の負荷電流範囲を設定すれば、殆どのスイッ
チング回路に適用でき、特定範囲に設定された負荷電流
範囲の抵抗内蔵トランジスタを適用すべきスイッチ回路
等に対応して必要な負荷電流能力のものを適宜選択で
き、回路設計の自由度を拡大できるとともに、その簡略
化を図ることができる。即ち、抵抗内蔵トランジスタに
おけるトランジスタの飽和領域において、第1及び第2
の抵抗の抵抗値に応じた負荷電流が得られるが、所望の
電力負荷に対して抵抗値変動の影響を受け難い動作点を
設定するには、入力電圧に対するコレクタ電流動作曲線
の平坦領域となるように抵抗内蔵トランジスタを選択
し、また、その平坦部分は第1及び第2の抵抗の値が小
さく電力消費が大きくなることから、コレクタ電流の立
上り付近を動作点とすれば、最も効率が良いものとな
る。また、入力電圧の変動やノイズによる誤動作を防止
するには、動作点を含む一定の電圧範囲を除いてスイッ
チング電圧領域を設定すればよく、抵抗内蔵トランジス
タで広い範囲の負荷電力をカバーすることができる。そ
して、第1及び第2の抵抗はポリシリコンで形成されて
いるので、ポリシリコンからなる抵抗では比較的大きな
抵抗値誤差を生じるものの、それによる動作電圧の変動
は小さいので、その抵抗値誤差を無視することができ、
限られた組合せの第1及び第2の抵抗の抵抗値や抵抗値
比率を持つ抵抗内蔵トランジスタを供給することによっ
て、電力負荷の異なる殆どのスイッチ回路に適用でき
る。
【0035】(g)また、ベース入力側に設置された第
1の抵抗によって、外部からのサージ、静電気等に対す
る耐圧を向上させることができ、ベースを直接外部に引
き出していないため、個別部品のトランジスタに比較し
て外部雑音による影響を受け難く、また、ICでは形成
することができない高耐圧、大電流の回路を容易に実現
でき、しかも、素子構成を簡略化することができる。
【0036】(h)ICのような基準電位(接地)端子
が無く、しかも、トランジスタはエミッタ接地で使用す
る制限を受けることがなく、また、ベース端子をエミッ
タ電位以下にバイアスすることも可能であり、任意の回
路形態で使用できるとともに、同一特性を持ったコンプ
リメンタリデバイスを容易に実現できる。
【0037】(i)第1及び第2の抵抗はポリシリコン
で形成するため、ICにおけるアイソレーションが不要
であり、寄生トランジスタ効果を生じることがないの
で、その対策も不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の抵抗内蔵トランジスタの実施形態を
示す回路図である。
【図2】図1に示した抵抗内蔵トランジスタの構成を示
す平面図である。
【図3】図2に示した抵抗内蔵トランジスタのA−A線
断面図である。
【図4】図1に示したこの発明の抵抗内蔵トランジスタ
の実施形態を示す回路図である。
【図5】図1に示したこの発明の抵抗内蔵トランジスタ
の実施形態を示す回路図である。
【図6】この発明の抵抗内蔵トランジスタにおけるVi
−IC 動作曲線の一例を示す図である。
【図7】個別部品を用いた従来のリレードライブ回路で
ある。
【図8】個別部品を用いた従来のインバータ回路を示す
回路図である。
【符号の説明】
22 抵抗内蔵トランジスタ 24 トランジスタ 26 抵抗(第1の抵抗) 28B ベース端子 28C コレクタ端子 28E エミッタ端子 30 抵抗(第2の抵抗) 32 半導体基板 34 ベース 36 エミッタ 38 酸化膜(絶縁層) 40 エミッタ電極(配線導体) 42 電極(配線導体) 44 ベース電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/73

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一のトランジスタの上に設置したポリ
    シリコンからなる第1の抵抗及び第2の抵抗とを以て単
    一の素子体を成す抵抗内蔵トランジスタであって、前記
    トランジスタは単一のトランジスタのみが形成可能な最
    小限の半導体基板を以てコレクタ、前記半導体基板に形
    成された第1の導電領域をベース、このベースの内部に
    選択的に形成された第2の導電領域をエミッタとし、前
    記第1及び第2の抵抗は、前記トランジスタの表面層を
    覆う絶縁層上に設置するとともに、前記第1の抵抗の一
    端を前記ベースに配線導体を以て接続し、かつ、前記第
    2の抵抗を前記トランジスタのベースとエミッタとの間
    に配線導体を以て接続し、前記半導体基板にコレクタ端
    子、前記エミッタにはエミッタ電極、前記第1の抵抗の
    他端に前記ベースに対するベース電極を設け、前記エミ
    ッタ電極には前記半導体基板を収納する容器に形成され
    たエミッタ端子がリードボンディングを以て接続され、
    前記ベース電極には前記容器に形成されたベース端子が
    リードボンディングを以て接続されたことを特徴とする
    抵抗内蔵トランジスタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1316621C (zh) * 2003-05-08 2007-05-16 友达光电股份有限公司 互补式金属氧化物半导体反相器

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