JPH1039541A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法

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JPH1039541A
JPH1039541A JP19860796A JP19860796A JPH1039541A JP H1039541 A JPH1039541 A JP H1039541A JP 19860796 A JP19860796 A JP 19860796A JP 19860796 A JP19860796 A JP 19860796A JP H1039541 A JPH1039541 A JP H1039541A
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JP
Japan
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toner
particle size
polymer
solvent
developing
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JP19860796A
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English (en)
Inventor
Takashi Hara
敬 原
Hideyori Osakabe
英資 長ケ部
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分級することなく、均一な粒径を有するトナ
ーを容易に製造する方法を提供する。 【解決手段】 水と混和しない溶媒に結着樹脂及び着色
剤を混合する工程、得られた混合溶液を、カルボキシル
基を有する重合体で被覆された無機分散剤を含む水系媒
体中、又は、その無機分散剤及びカルボキシル基を有す
る高分子分散剤を含む水系媒体中に剪断力を付与して分
散懸濁させる工程、前記剪断力の60%以下の剪断力を
付与して粒度分布を調整する工程及び得られた懸濁液か
ら溶媒を除去する工程を有する静電荷像現像用トナーの
製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法または
静電記録法に用いられ、結着樹脂及び着色剤を含有する
静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真法または静電記録法
により形成される静電潜像を現像するための静電荷像現
像用トナーを含むポリマー微粒子を製造する方法は、幾
つか知られている。その中には、モノマーを出発原料と
して、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法
または分散重合法等の重合反応により、直接ポリマー微
粒子を製造する方法がある。しかし、これらの重合法で
製造されるポリマー微粒子は、残存モノマー及び界面活
性剤の除去が難しいこと、着色剤、帯電制御剤及び離型
剤等の不溶材料の内添が難しいこと、得られるポリマー
の種類及び粒径範囲が限定されること、材料組成が変更
されるごとに粒子化に最適な条件の検討を要すること等
の問題がある。
【0003】また、あらかじめ重合反応により作製した
ポリマーを微粒子化させることにより、ポリマー微粒子
を製造する方法がある。その中で、溶融混練粉砕法は、
あらかじめ粗粉砕したポリマーを機械回転式またはジェ
ット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで分級するこ
とによりポリマー微粒子を得る方法であり、現在では最
も多用されている静電荷像現像用トナーの製造方法であ
る。しかし、この方法で得られるポリマー微粒子は、不
定形であり、その粒径も均一ではなく、粒度分布をシャ
ープにするには分級工程を必要とする等の欠点があり、
また、ポリオレフィン等の樹脂は粉砕が困難なものであ
るため採用できないという問題もある。溶解ポリマース
プレー法は、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液を
霧状に噴霧することにより粒子化する方法であるが、こ
の方法により製造されるポリマー微粒子は粒径が均一に
ならないこと及び製造装置が大きくなる等の欠点があ
る。また、溶解ポリマー析出法は、あらかじめ溶媒に溶
解したポリマー溶液に貧溶媒を添加するか、または、あ
らかじめ溶媒に加熱溶解したポリマー溶液を冷却するこ
とにより、ポリマー微粒子を析出させる方法である。こ
の方法では、形状の制御が難しいこと及び使用するポリ
マーの種類とそれに対する溶媒の種類の選定が難しい等
の欠点がある。また、溶融ポリマー懸濁法は、加熱溶融
したポリマーを、その融点以上に加熱した媒体中に分散
させて冷却することにより、ポリマー微粒子を得る方法
であり、この方法においては、媒体が水系であると、殆
んどの場合に加圧を必要とし、また、油系であると洗浄
が難しくなること及び形状の制御が困難である等の欠点
がある。
【0004】さらに、溶解ポリマー懸濁法(溶解懸濁
法)は、特公昭38−2095号公報、特公昭61−2
8688号公報、特開昭63−25664号公報等に開
示されているように、あらかじめ溶媒に溶解したポリマ
ー溶液(トナー組成物混合溶液)を水系媒体中に分散さ
せ、これを加熱または減圧等によって溶媒を除去するこ
とにより、粒子化する方法であり、上述した従来の方法
の中では工業化に最適な方法と考えられる。しかしなが
ら、この溶解懸濁法では、得られる静電荷像現像用トナ
ー粒子は、その粒径を均一にするという点においては未
だ不十分なものであり、粒径を均一にするためには、粒
子を作製した後に分級工程を設けることが必要となるた
めに、製造工程数の増加及びコストアップの要因になる
という問題がある。
【0005】一般に、静電荷像現像用トナーは、粒径が
均一であると、次のような利点がある。(1)帯電がシ
ャープになる。このことは、帯電量を低くすることがで
き、また、印加電圧に対するトナー濃度の立ち上がりが
シャープになり、その結果、印加電圧を下げることがで
きるから、感光体寿命が延長する。さらに、潜像消去に
要する発光ダイオードの光量が節減できるため、発光ダ
イオードの寿命も向上する。(2)選択現像が減少す
る。これはスペントトナーの発生原因となる微粉が少な
いことによるものであり、結果として現像剤寿命を延長
させることができる。(3)転写効率が向上する。これ
は非静電的付着力の大きい微粉が少ないことによるもの
であり、結果としてクリーナーレスシステムの可能性が
高くなる。(4)クリーニング不良が改善される。クリ
ーニング不良の原因となる微粉が少ないため、簡単なク
リーニングシステムで済み、また、感光体の傷や磨耗が
減少して感光体寿命が延長することになる。以上のこと
から、均一な粒径を有する静電荷像現像用トナー粒子の
作製が強く要請されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記のような実状に鑑みてなされたものである。
すなわち、本発明の目的は、従来粉砕不可能とされてい
たポリマーを含む任意の結着樹脂について、分級工程を
要することなく、粒径が均一な結着樹脂及び着色剤を含
有する静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、溶解懸濁
法による結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用
トナーの製造方法について鋭意検討した結果、トナー組
成物混合溶液を、特定の重合体で被覆された無機分散剤
を含む水系媒体中、または、その無機分散剤と特定の高
分子分散剤を含む水系媒体中に剪断力を付与して分散懸
濁させ、次いで、前記剪断力の60%以下の剪断力を付
与して粒度分布を調整することにより、均一な粒径を有
する静電荷像現像用トナーが得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の静電荷像現像用トナー
の製造方法は、水と混和しない溶媒に結着樹脂及び着色
剤を混合する工程、得られた混合溶液を、カルボキシル
基を有する重合体で被覆された無機分散剤を含む水系媒
体中に剪断力を付与して分散懸濁させる工程、前記剪断
力の60%以下の剪断力を付与して粒度分布を調整する
工程及び得られた懸濁液から溶媒を除去する工程を有す
ることを特徴とする。本発明の他の静電荷像現像用トナ
ーの製造方法は、水と混和しない溶媒に結着樹脂及び着
色剤を混合する工程、得られた混合溶液を、カルボキシ
ル基を有する重合体で被覆された無機分散剤及びカルボ
キシル基を有する高分子分散剤を含む水系媒体中に剪断
力を付与して分散懸濁させる工程、前記剪断力の60%
以下の剪断力を付与して粒度分布を調整する工程及び得
られた懸濁液から溶媒を除去する工程を有することを特
徴とする。本発明の静電荷像現像用トナーは、上記した
製造方法により得られたものであることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明における静電荷像現像用トナ
ーの製造方法は、第1の混合工程において、結着樹脂及
び着色剤、さらに、必要に応じて、トナー粒子に通常添
加される離型剤及び帯電制御剤等を適宜配合し、これら
を水と混和しない溶媒と混合することが必要である。そ
の配合物は、結着樹脂にあらかじめ着色剤、離型剤及び
帯電制御剤等を溶融混練させたものを水と混和しない溶
媒に分散もしくは溶解させたものでもよいし、または、
結着樹脂を水と混和しない溶媒に溶解させた後、着色
剤、離型剤及び帯電制御剤等をボールミル、サンドミル
等のメディア入り分散機または高圧乳化機等を用いて分
散混合したものでもよい。この混合工程においては、結
着樹脂が水と混和しない溶媒に溶解している限り、如何
なる方法により混合してもよい。
【0010】本発明に用いられる結着樹脂としては、従
来粒子の粉砕が不可能とされていたポリマーを含む任意
のポリマーの中で、溶媒に溶解するものであれば如何な
るものでもよく、例えば、スチレン−アクリル共重合
体、ポリエステル樹脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リオレフィン樹脂、その他に静電荷像現像用トナーの結
着樹脂として使用される公知の熱可塑性樹脂が挙げられ
る。
【0011】本発明に用いられる着色剤としては、カー
ボンブラック、磁性粉、シアン、マゼンタ、イエロー、
その他の静電荷像現像用トナー粒子の着色剤として公知
のものが挙げられる。また、離型剤としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィン類、
その他の静電荷像現像用トナー粒子の離型剤として公知
のものを用いることができる。また、帯電制御剤として
は、4級アンモニウム塩化合物、その他の静電荷像現像
用トナー粒子の帯電制御剤として公知のものを用いるこ
とができる。
【0012】本発明に用いられる水と混和しない溶媒と
しては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジブチ
ルエーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル系溶剤、
メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶
剤、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、ジクロロ
メタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲ
ン化炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらの溶媒は、
ポリマーを溶解できるものであって、かつ、水に溶解す
る割合が0〜30重量%程度のものであることが好まし
い。また、工業化を行うに当たっては、作業上の安全
性、コスト及び生産性等を考慮すると、ポリマーがポリ
オレフィンである場合にはシクロヘキサンを用い、ま
た、それ以外のポリマーの場合には酢酸エチルを用いる
ことが特に好ましい。これらの溶媒の使用量は、トナー
組成物混合溶液の粘度が、20℃または40℃において
1〜10000mPa・sの範囲となるように用いら
れ、好ましくは1〜2000mPa・sの範囲である。
【0013】本発明における第2の分散懸濁工程は、第
1の混合工程で得られたトナー組成物混合溶液を水系媒
体中に分散懸濁させる工程である。この分散懸濁工程で
は、強力な剪断力を付与できる装置を用いて、水系媒体
中にトナー組成物混合溶液を分散懸濁させるものであ
る。上記水系媒体としては、水中に無機分散剤を分散さ
せたものを添加することが必要である。また、粒度分布
をより均一にするために、無機分散剤を分散させたもの
に加えて、水に溶解する高分子分散剤が添加される。こ
の無機分散剤は、ボールミルのようなメディア入り分散
機または超音波分散機等を用いて水中に分散させる。ま
た、高分子分散剤は、水中に均一に溶解していれば如何
なる方法によって添加してもよい。また、本発明の方法
において、水は、一般にイオン交換水、蒸留水または純
水が用いられる。
【0014】本発明に用いられる無機分散剤としては、
親水性のものが好ましく、具体的には、シリカ、アルミ
ナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リ
ン酸三カルシウム、クレイ、ケイソウ土、ベントナイト
等を挙げることができるが、特に、炭酸カルシウムが好
ましい。これらの無機分散剤は、その粒子の表面がカル
ボキシル基を有する重合体で被覆されているものが用い
られ、その被覆により、安定して粒子を製造することが
できる。そのカルボキシル基を有する重合体としては、
数平均分子量で1000〜200000程度のものが使
用される。この重合体の具体例としては、アクリル酸系
樹脂、メタクリル酸系樹脂、フマール酸系樹脂、マレイ
ン酸系樹脂等が代表的なものとして挙げられ、これらの
樹脂を構成するモノマーであるアクリル酸、メタクリル
酸、フマール酸、マレイン酸等の単独重合体やそれらの
共重合体及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体
も使用することができ、また、そのカルボキシル基は、
ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等の金属塩
であってもよい。上記の無機分散剤は、平均粒子径が1
〜1000nmの範囲のものが用いられ、特に、好まし
くは5〜100nmの範囲のものである。また、これら
の無機分散剤の使用量は、トナー100重量部に対して
1〜500重量部の範囲で用いられ、好ましくは10〜
300重量部の範囲である。
【0015】本発明に用いられる高分子分散剤として
は、親水性のものが好ましく、カルボキシル基を有する
高分子分散剤であり、ヒドロキシプロポキシル基、メト
キシル基等の親油基を持たない高分子分散剤であること
が好ましく、具体的には、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロース等の水溶性のセルロー
スエーテルを挙げることができ、特に、カルボキシメチ
ルセルロースが好ましい。これらのセルロース類は、エ
ーテル化度が0.6〜1.5であり、平均重合度が50
〜3000のものである。また、そのカルボキシル基
は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等の金
属塩であってもよい。これらの高分子分散剤の使用量
は、水系媒体の粘度が20℃において1〜10000m
Pa・sとなるように用いられ、好ましくは1〜200
0mPa・sの範囲である。
【0016】上記第2の分散懸濁工程に使用される強力
な剪断力を付与できる装置としては、一般に乳化機、分
散機として市販されているものであれば、特に限定され
るものではなく、例えば、ホモジナイザー(IKA社
製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホ
モミクサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、
エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKパイプライ
ンホモミクサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル
(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿
式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャビトロン(ユ
ーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社
製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みづ
ほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、A
PVゴウリン(ゴウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化
機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー
(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイ
ザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機、等を挙げる
ことができる。
【0017】本発明における第3の粒度分布調整工程
は、上記第2の分散懸濁工程で生成した分散懸濁液中の
トナー組成物液滴の粒度分布を調整する工程である。こ
の粒度分布の調整は、分散懸濁工程で生成した分散懸濁
液に分散懸濁工程において付与した剪断力の60%以下
の剪断力を付与することが必要であるが、特に、その1
〜40%の範囲の剪断力を付与することが好ましい。
【0018】この第3の粒度分布調整工程において、比
較的弱い剪断力を付与することにより、微粒子の合一を
進行させて粒度分布をシャープにすることができる。こ
の工程では、微粒子径が大きくなるにつれて表面エネル
ギーが小さくなるため、無機分散剤により粒子が保持さ
れて微粒子のみが合一することになり、平均粒径が大径
化することは殆んどない。
【0019】分散懸濁工程で付与した剪断力の60%以
下の剪断力を付与する方法は、回転装置の場合には回転
数を60%以下に低下させることにより行い、また、圧
力装置の場合には圧力を60%以下に低下させることに
より行う。また、2つ以上の別個の装置を用いて60%
以下の剪断力を付与してもよく、その他の如何なる方法
でも、全体として、分散懸濁工程の60%以下の剪断力
を付与することにより微粒子が合一すればよい。この付
与時間は0.1分〜60分の範囲とすることが好まし
い。
【0020】本発明における第4の溶媒除去工程は、上
記第3の粒度分布調整工程で生成した分散懸濁液中の水
と混和しない溶媒を除去する工程である。この溶媒除去
工程では、(1)粒度分布調整工程で生成した分散懸濁
液を20〜100℃の範囲に加熱する、(2)粒度分布
調整工程で生成した分散懸濁液を10〜760mmHg
未満の範囲に減圧する、(3)粒度分布調整工程で生成
した分散懸濁液に水を添加する、(4)粒度分布調整工
程で生成した分散懸濁液に、水及び水と混和しない溶媒
の両方に溶解する溶媒を添加する、(5)粒度分布調整
工程で生成した分散懸濁液に不活性気体を吹込むか、の
いずれかの操作方法により、分散懸濁液の粒子中に含ま
れる水と混和しない溶媒が除去される。上記(1)〜
(5)の操作は、単独で行ってもよいが、任意に組み合
わせて同時に行うか、または、任意に組み合わせて順番
に行ってもよい。上記(3)の方法に添加する水は、一
般にイオン交換水、蒸留水または純水が用いられる。ま
た、上記(4)の方法において、水及び水と混和しない
溶媒の両方に溶解する溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、t−ブチルアルコール、ア
セトン等が用いられる。
【0021】本発明における静電荷像現像用トナーの製
造方法には、必要に応じて、以下の工程を追加すること
ができる。まず、上記第4の溶媒除去工程で生成した微
粒子懸濁液から水系媒体を除去し、洗浄し、脱水する工
程である。この洗浄、脱水工程では、溶媒除去工程で生
成した微粒子懸濁液を酸処理して無機分散剤を溶解さ
せ、その後水で洗浄を行い、脱水する。ただし、酸処理
の後に、アルカリ処理を追加してもよい。さらに、その
次の工程は、常法により乾燥、篩分及び外添を行うこと
により、静電荷像現像用トナーを得るものである。これ
らの工程においては、トナーが凝集や粉砕を起こさない
方法である限り、乾燥、篩分及び外添は如何なる方法で
行ってもよい。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、これら実施例に何ら限定されるものでは
ない。以下の説明において、「部」は、すべて「重量
部」を意味する。なお、トナー粒子の粒径及びその分布
の測定には、コールターマルチサイザーII(コールター
社製)を使用した。粒径は、重量平均粒径で表わし、ま
た、分布の広さの尺度は、GSD(Geometric
al Standard Deviation)、(重
量50%径)/(重量84%径)で表わした。このGS
D値は、1に近いほど粒径が単分散であることを意味し
ており、一般に単分散と言われているものは、GSD値
が1.1前後のものである。また、通常使用されている
トナーは、GSD値が1.35〜1.40の範囲のもの
であり、さらに、高画質であり、信頼性が高い等の高性
能のものとするためには、トナーのGSD値は、さらに
小さくすること、すなわち、粒度分布を狭くすることが
好ましい。
【0023】実施例1 [混合工程] スチレン−n−ブチルアクリレート樹脂 90部 (共重合比77:23、Mn=14000、Mw=26000、 溶液重合により作製) カーボンブラック(キャボット社製) 5部 ポリプロピレン(分子量約8000、三井石油化学社製) 5部 上記成分を、バンバリーミキサー(神戸製鋼社製)によ
り混練して分散物とした。この分散物20部を酢酸エチ
ル80部中に投入し、これを20℃において2時間撹拌
することにより、スチレン−n−ブチルアクリレート樹
脂を溶解したトナー配合物の混合溶液100部を得た。 [分散懸濁工程] アクリル酸−マレイン酸共重合体(数平均分子量10000) で被覆された炭酸カルシウム(平均粒径80nm) 10部 イオン交換水 100部 上記成分を超音波分散機に導入し、これを撹拌して生成
した溶液を水系媒体とした。得られた水系媒体220g
をホモジナイザー(IKA社製)により10000rp
mの回転数で撹拌している中に、上記トナー組成物の混
合溶液100gをゆっくりと投入し、その後2分間撹拌
した。 [粒度分布調整工程]次いで、引き続きそのホモジナイ
ザーの回転数を3500rpmに低下させて1分間撹拌
した後、停止して分散懸濁液320gを得た。 [溶媒除去方法]粒度分布調整工程で生成した分散懸濁
液を撹拌しながら50℃に昇温した。3時間50℃に保
持し、その後室温まで冷却した。 [洗浄、脱水工程]溶媒除去工程で得られた微粒子懸濁
液の200gに10規定塩酸40gを加え、さらに吸引
濾過によるイオン交換水洗浄を4回繰り返した。 [乾燥、篩分工程]脱水工程で得られた微粒子ケークを
真空乾燥機で乾燥し、45μmメッシュで篩分して、静
電荷像現像用トナーを得た。 [測定]篩分工程で得られたトナー粒子は、その粒径を
測定したところ、平均粒径が13.0μmであり、ま
た、GSDは1.20であった。
【0024】実施例2 実施例1の方法において、分散懸濁工程を下記のように
したこと以外は、実施例1と同様にして静電荷像現像用
トナーを得た。 [分散懸濁工程] アクリル酸−マレイン酸共重合体(数平均分子量4000) で被覆された炭酸カルシウム(平均粒径80nm) 12部 カルボキシメチルセルロース(エーテル化度0.75、 平均重合度850、第一工業製薬社製) 0.03部 イオン交換水 99.97部 上記成分を超音波分散機に導入し、これを撹拌して生成
した溶液を水系媒体とした。得られた水系媒体224g
をホモジナイザー(IKA社製)により10000rp
mの回転数で撹拌している中に、上記トナー組成物の混
合溶液100gをゆっくりと投入し、その後2分間撹拌
した。 [測定]篩分工程で得られたトナー粒子は、その粒径を
測定したところ、平均粒径が9.0μmであり、また、
GSDは1.16であった。
【0025】比較例1 実施例1の方法において、粒度分布調整工程を除いたこ
と以外は、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナー
を得た。 [測定]篩分工程で得られたトナー粒子は、その粒径を
測定したところ、平均粒径13.3μmであり、また、
GSDは1.31であった。
【0026】比較例2 比較例1で得られたトナーについて、分級機エルボージ
ェット(日鉄鉱業社製)を用いて、微粉を分級した。 [測定]分級により得られたトナー粒子は、その粒径を
測定したところ、平均粒径が14.0μmであり、ま
た、GSDは1.23であった。
【0027】比較例3 実施例2の方法において、粒度分布調整工程を除いたこ
と以外は、実施例2と同様にして静電荷像現像用トナー
を得た。 [測定]篩分により得られたトナー粒子は、その粒径を
測定したところ、平均粒径が8.0μmであり、また、
GSDは1.25であった。
【0028】比較例4 従来の溶融混練粉砕トナーであって、Vivace40
0(富士ゼロックス社製)に使用されているトナーにつ
いて、その粒度分布を測定した。 [測定]トナー粒子は、その粒径を測定したところ、平
均粒径が10.3μmであり、また、GSDは1.39
であった。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によれば、簡単な操作によ
って従来粉砕が不可能であったポリマーを含む任意のポ
リマーを結着樹脂として用いる静電荷像現像用トナーに
ついて、従来の溶融混練粉砕法はもとより、従来の溶解
懸濁法によるトナー粒子に比べて、分級を要することな
く、均一な粒径を有する静電荷像現像用トナーを容易に
形成することが可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と混和しない溶媒に結着樹脂及び着色
    剤を混合する工程、得られた混合溶液を、カルボキシル
    基を有する重合体で被覆された無機分散剤を含む水系媒
    体中に剪断力を付与して分散懸濁させる工程、前記剪断
    力の60%以下の剪断力を付与して粒度分布を調整する
    工程及び得られた懸濁液から溶媒を除去する工程を有す
    ることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 水と混和しない溶媒に結着樹脂及び着色
    剤を混合する工程、得られた混合溶液を、カルボキシル
    基を有する重合体で被覆された無機分散剤及びカルボキ
    シル基を有する高分子分散剤を含む水系媒体中に剪断力
    を付与して分散懸濁させる工程、前記剪断力の60%以
    下の剪断力を付与して粒度分布を調整する工程及び得ら
    れた懸濁液から溶媒を除去する工程を有することを特徴
    とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の製造方法により得られ
    たことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1494081A3 (en) * 2003-05-22 2005-06-08 Ricoh Company, Ltd. Toner, method for manufacturing the toner, method and device for packing the toner, and image forming apparatus using the toner
JP2008076574A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Sharp Corp 電子写真用トナーおよび画像形成装置

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