JP2004279809A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電性、環境依存性、転写性、流動性に優れ、更に良好な画像を安定して得られる静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】水系媒体を用いてトナー粒子を作製し、該水系媒体を除去する洗浄工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記洗浄工程は、トナー粒子分散液にpH4〜5となるように酸を添加する工程と、酸が添加されたトナー粒子分散液の溶媒を水に置換する工程と、溶媒が置換されたリスラリーされたトナー粒子分散液にpH1〜4未満となるように酸を添加する工程と、を含む。
【選択図】 なし
【解決手段】水系媒体を用いてトナー粒子を作製し、該水系媒体を除去する洗浄工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記洗浄工程は、トナー粒子分散液にpH4〜5となるように酸を添加する工程と、酸が添加されたトナー粒子分散液の溶媒を水に置換する工程と、溶媒が置換されたリスラリーされたトナー粒子分散液にpH1〜4未満となるように酸を添加する工程と、を含む。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法又は静電記録法に用いられ、結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナーと称することがある。)は、少なくとも、結着樹脂と着色剤とを含有して構成され、この静電荷像現像用トナーの製造方法としては種々の方法が提案されている。
【0003】
従来より、電子写真法または静電記録法により形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナーを製造する方法は、幾つか知られている。一つの方法として、あらかじめ重合反応により作製したポリマーを微粒子化させることにより、ポリマー微粒子を製造する方法がある。その中で、溶融混練粉砕法は、あらかじめ粗粉砕したポリマーを機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで分級することによりポリマー微粒子を得る方法であり、現在では最も多用されている静電荷像現像用トナーの製造方法である。しかし、この方法で得られるポリマー微粒子は、不定形であり、その粒径も均一ではなく、粒度分布をシャープにするには分級工程を必要とする等の欠点がある。
【0004】
これらの欠点を改良する方法として、モノマーを出発原料として、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接ポリマー微粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この中で特にモノマーを水系媒体中に分散懸濁させ、これを加熱等によって重合することにより、粒子化する方法がある。この方法においては、有機溶媒及び界面活性剤を使用していないため、残存有機溶媒及び界面活性剤の除去が必要ないこと、着色剤、帯電制御剤及び離型剤等の不溶材料の内添が容易であること、粒度分布が比較的シャープであること等の特徴があり、工業化に適した方法と考えられる。
【0006】
また、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液を霧状に噴霧することにより粒子化する方法(例えば、特許文献2参照)や、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液に貧溶媒を添加するか、又は、あらかじめ溶媒に加熱溶解したポリマー溶液を冷却することにより、ポリマー微粒子を析出させる方法(例えば、特許文献3参照)も知られている。
【0007】
更に、加熱溶融したポリマーを、その融点以上に加熱した媒体中に分散させて冷却することにより、ポリマー微粒子を得る方法(例えば、特許文献4参照)も知られている。
【0008】
更に、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液(トナー組成物混合液)を水系媒体中に分散懸濁させ、これを加熱又は減圧等によって溶媒を除去することにより、粒子化する方法(例えば、特許文献5から特許文献9参照)がある。この方法においては、モノマー及び界面活性剤を使用していないため、残存モノマー及び界面活性剤の除去の必要がないこと、着色剤、帯電制御剤及び離型剤等の不溶材料の内添が容易であること、材料組成が変更されても粒子化に最適な条件の検討を要さないこと、粒度分布が比較的シャープであること等の特徴があり、工業化に適した方法と考えられる。
【0009】
しかしながら、モノマーを出発原料とする場合でも、ポリマーを出発原料とする場合でも、湿式でトナー粒子を造粒し、乾燥してトナー粒子を得る方法においては、造粒時に使用した水系媒体を除去する必要があり、除去が充分でないと、トナーの帯電性、特に環境依存性や転写性、流動性が悪化してしまうのが実状であった。
【0010】
【特許文献1】
特公昭36−10231号公報
【特許文献2】
特公昭35−7924号公報
【特許文献3】
特公昭33−9485号公報
【特許文献4】
特開昭50−120632号公報
【特許文献5】
特公昭38−2095号公報
【特許文献6】
特公昭61−28688号公報
【特許文献7】
特開昭63−25664号公報
【特許文献8】
特開平7−152202号公報
【特許文献9】
特開平9−15902号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、帯電性、環境依存性、転写性、流動性に優れ、更に良好な画像を安定して得られる静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する為の手段は、以下の通りである。
【0013】
即ち、<1>水系媒体を用いてトナー粒子を作製し、該水系媒体を除去する洗浄工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記洗浄工程は、トナー粒子分散液にpH4〜5となるように酸を添加する工程と、酸が添加されたトナー粒子分散液の溶媒を水に置換する工程と、溶媒が置換されたリスラリーされたトナー粒子分散液にpH1〜4未満となるように酸を添加する工程と、を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【0014】
<2>前記トナー粒子分散液にpH4〜5となるように酸を添加する工程におけるトナー粒子分散液の温度が0〜40℃であることを特徴とする<1>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【0015】
<3>前記洗浄工程の前に、結着樹脂及び着色剤とを有機溶媒中に溶解もしくは分散する工程、得られたトナー組成物混合液を水系媒体中に添加して乳化機を用いて分散懸濁させる工程、得られた懸濁液から有機溶媒を除去する工程、を有する<1>または<2>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【0016】
前記<1>から<3>に記載の製造方法により得られることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】
−静電荷像現像用トナーの製造方法−
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも、洗浄工程を有し、更に必要に応じて、その他の工程を有してなる。本発明においては、重合性単量体(モノマー)を出発原料とする場合には、前記洗浄工程の前に、混合工程、分散懸濁工程、重合工程を有することが好ましく、結着樹脂(ポリマー)を出発原料とする場合には、前記洗浄工程の前に、混合工程、分散懸濁工程、有機溶媒除去工程を有することが好ましい。
【0019】
[混合工程]
前記混合工程は、結着樹脂又は重合性単量体と着色剤とを含有する混合液(以下、「トナー組成物混合液」と呼ぶことがある。)を調製する工程であり、必要に応じてこれらの成分を有機溶媒中に、又は重合性単量体中に、溶解又は分散し、トナー組成物混合液を調製する。更に、必要に応じて、前記トナー組成物混合液には、これらの成分の他にその他の成分として、トナー粒子に通常添加される離型剤及び帯電制御剤等を適宜配合してもよい。
【0020】
前記トナー組成物混合液は、結着樹脂にあらかじめ着色剤、離型剤及び帯電制御剤等を混練させたものを、有機溶媒中に溶解もしくは分散させたものでもよく、また、結着樹脂を溶解させた有機溶媒中に又は重合性単量体性中に、着色剤、離型剤及び帯電制御剤等をボールミル、サンドミル等のメディア入り分散機や高圧分散機等を用いて分散したものでもよい。この混合工程においては、結着樹脂が溶解した有機溶媒中に又は重合性単量体中に、着色剤が分散している限り、如何なる方法により混合してもよい。
【0021】
(結着樹脂・重合性単量体性)
前記混合工程で用いられる結着樹脂及び重合性単量体としては、特に制限はなく、公知のものならば何如なるものでも使用することができる。
【0022】
前記重合性単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の不飽和結合を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和結合を有するニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエ−テル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフイン類等が挙げられる。
【0023】
前記結着樹脂としては、これらを用いた重合体もしくは共重合体、又はこれらの混合物等、更にはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル系縮合樹脂、これら縮合樹脂に前記ビニル系樹脂を混合したもの、これら重合体の存在下でビニル系単量体を重合することによって得られるグラフト重合体等が挙げられる。
【0024】
これら結着樹脂及び重合性単量体は、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0025】
前記重合性単量体を使用する場合には、重合開始剤を添加することが好ましく、該重合開始剤としては、公知の物が使用できる。具体的には、2,2’アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[2,2’−Azobis(2,4−dimethylvaleronitrile)]、2,2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)[2,2’−Azobis(2−methylbutyronitrile)]、2,2’アゾビスイソブチロニトリル[2,2’−Azobisisobutyronitrile]、2,2’アゾビス(2,4−ジメチル−4メトキシバレロニトリル)[2,2’−Azobis(2,4−dimethyl−4−methoxyvaleronitrile)]等のアゾ系重合開始剤や、メチルエチルケトンパーオキサイド[Methyl ethyl ketone peroxide]、クメンヒドロパーオキサイド[Cumene hydro peroxide]、ベンゾイルパーオキサイド[Benzoyl peroxide]等の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。これらは重合性単量体100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部用いられる。
【0026】
(着色剤)
前記混合工程で用いられる着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGRT、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチャングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリーンブルー、カルコイルブルー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等が挙げられる。
【0027】
(その他の成分)
前記混合工程では、前記その他の成分として、磁性体、帯電制御剤、離型剤等を内添剤として含有させることができる。
【0028】
前記磁性体としては、フエライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属もしくはそれらの合金、又はそれら金属を含む化合物が挙げられる。前記帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ホウ素塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロム等の措体からなる染料、トリフエニルメタン系顔料等、公知のものが挙げられる。
【0029】
(その他の成分)
また、前記離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化するシリコーン樹脂、オレフィン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、カルナウバワツクス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス、およびそれ等の変性物が挙げられる。
【0030】
前記混合工程で用いられる有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶媒は、結着樹脂を溶解できるものであって、かつ、水に溶解する割合が0〜30重量%程度のものであることが好ましい。また、工業化を行うに当たっては、作業上の安全性、コスト及び生産性等をも考慮すると、結着樹脂がポリオレフィンである場合にはシクロヘキサンを用い、また、それ以外の結着樹脂の場合には酢酸エチルを用いることが特に好ましい。
【0031】
[分散懸濁工程]
前記分散懸濁工程は、前記混合工程で調製したトナー組成物混合液を、分散剤を含有する水系媒体中に分散懸濁させ、懸濁液を調製する工程である。
【0032】
(水系媒体の調製)
前記水系媒体としては、水中に無機分散剤を分散させたものを用いることが好ましい。また、トナー粒子の粒度分布を均一にするためには、水中に無機分散剤を分散させるとともに、水に溶解する高分子分散剤を添加することが好ましい。この無機分散剤は、ボールミル、サンドミル、アトライター、ダイノーミルのようなメディアの入った分散機、APVゴーリン、マイクロフルイダイザーのような高圧分散機または超音波分散機等を用いて水中に分散させる。また、高分子分散剤は、水中に均一に溶解していれば如何なる方法によって添加してもよい。また、本発明に用いる水は、通常、イオン交換水、蒸留水または純水である。
【0033】
前記無機分散剤としては、親水性分散剤を用いることが好ましく、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等を挙げることができるが、炭酸カルシウムが特に好ましい。また、これらの無機分散剤は、その粒子表面がカルボキシル基を有する重合体で被覆されているものがより好ましい。このような重合体で被覆されたものを用いると、トナー粒子を安定に製造することができる。また、前記カルボキシル基を有する重合体としては、数平均分子量で1000〜200000の範囲のものを使用することが好ましく、極端に分子量が高いと、前記懸濁液中のトナー粒子表面への付着性が強すぎて、粒子中に埋没することあり、一方、分子量が低すぎると分散性に対する寄与が少なくなることがある。具体例としては、アクリル酸系樹脂、メタクリル酸系樹脂、フマール酸系樹脂、マレイン酸系樹脂等が代表的なものとして挙げられ、これらを構成するモノマーであるアクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸等の単独重合体又はそれらの共重合体及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体も使用することができ、また、そのカルボキシル基は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩、アンモニウム塩等の塩構造であることが好ましい。
【0034】
前記無機分散剤の粒子表面をこれらカルボキシル基を有する重合体で被覆する方法としては、これら重合体を水に溶解し、無機分散剤を添加して、混合、乾燥、粉砕又は解砕する方法、又は、無機分散剤の解砕時に、乾燥状態で混合する方法等を用いることができる。前記カルボキシル基を有する重合体の被覆量は、前記分散剤の全重量に対して、0.01〜5.0重量%程度であり、0.03〜3.0重量%が好ましい。
【0035】
前記無機分散剤としては、平均粒子径が1〜1000nmの範囲のものが用いられるが、好ましくは5〜500nmの範囲のものである。また、その無機分散剤の使用量は、トナー100重量部に対して1〜500重量部の範囲であり、好ましくは10〜200重量部の範囲である。
【0036】
前記高分子分散剤としては、親水性のものを用いることがが好ましく、カルボキシル基を有するものの中でヒドロキシプロポキシル基、メトキシル基等の親油基を持たないものが好ましい。具体的には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等の水溶性のセルロースエーテルが用いられるが、特にカルボキシメチルセルロースが好ましい。これらのセルロース類は、エーテル化度が0.6〜1.5であり、平均重合度が50〜3000のものである。また、そのカルボキシル基は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩であってもよい。
【0037】
これらの高分子分散剤は、トナー組成物混合液の粘度によって最適な量があり、この最適量より多くても少なくても形成される粒子の粒度分布はシャープでなくなる。このため、高分子分散剤は水系媒体の粘度が、20℃において概ね1〜3000mPa・sとなるように用いられ、好ましくは1〜1000mPa・sとなるよう添加することが好適である。また高分子分散剤は水中に均一に溶解していれば如何なる方法によって添加してもよい。
【0038】
(懸濁液の調製)
前記懸濁液は、上記混合工程で調製したトナー組成物混合液を、上記水系媒体中に分散懸濁させて調製することができる。
【0039】
分散懸濁させる装置としては、一般に市販されている乳化機或いは分散機を用いて行われ、例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)、ナショナルクッキングミキサー(松下電器産業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー、TKフィルミックス(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)等のバッチ又は連続両用乳化機、マイクロフルイダイザー(みづほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVゴウリン(ゴウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。
【0040】
[重合工程]
前記重合工程は、前記分散懸濁工程で調製した懸濁液中の重合性単量体を重合し、トナー分散液を生成する工程である。
【0041】
この重合工程では、分散懸濁工程で調製した懸濁液を攪拌したまま20℃以上100℃以下の範囲に加熱し、1時間以上24時間以内そのまま保持することにより、懸濁液中の重合性単量体を重合させる。
【0042】
[有機溶媒除去工程]
前記溶剤除去工程は、前記分散懸濁工程で調製した懸濁夜中の有機溶媒を除去し、トナー分散液を生成させる工程である。
【0043】
この有機溶媒除去工程では、(1)分散懸濁工程で調製した懸濁液を20℃以上で100℃以下の範囲に加熱する、(2)分散懸濁工程で調製した懸濁液を1kPa以上101.3kPa未満に減圧する、(3)分散懸濁工程で調製した懸濁液に水を添加する、(4)分散懸濁工程で調製した懸濁液に水と該有機溶媒との両方に溶解する他の溶剤を添加する、(5)分散懸濁工程で調製した懸濁液に不活性気体を吹き込む、又は(6)分散懸濁工程で調製した懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新することにより、懸濁液中の粒子中の有機溶媒を除去するものである。これらの操作は単独で行なってもよいが、任意に組み合せて同時に行なうか、または、任意に組み合せて順番に行なってもよい。
【0044】
上記(3)における添加する水としては、一般にイオン交換水、蒸留水または純水が用いられる。また、上記(4)における水と溶剤の両方ともに溶解する他の溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、t−ブチルアルコール等が用いられる。有機溶媒除去工程により生成されるトナー分散液は、通常pH7〜10の弱アルカリ性である。
【0045】
[洗浄工程]
前記洗浄工程は、前記重合工程又は有機溶媒除去工程で生成したトナー分散液から水系媒体を除去した後、洗浄、脱水し、トナーケーキ又はトナースラリーを調製する工程である。洗浄工程は少なくとも以下に示す処理を行なう必要がある。
【0046】
以下に記載される脱水に用いられる装置は、トナー成分と液体成分を分離できる装置であれば特に指定はなく、市販される遠心分離機、遠心沈降機、遠心脱水機、フィルタープレス、加圧ろ過機、減圧ろ過機などが挙げられる。単にデカンテーションでも構わない。また、クロスフロー式で洗浄を行い、流出したろ液相当分の水を新たに加える方式で洗浄しても良い。
【0047】
リスラリーに用いられる装置は、トナーケーキを水中に再分散できる装置であれば特に指定はなく、ホモミクサーやディゾルバーのように高剪断力を付加できる装置や、単なる攪拌のみでも、撹拌に超音波を付与したり、外部に高剪断力を付与できる装置を設置し、循環させたり、脱水装置へのフィードに使うポンプを利用してほぐしたり、メッシュを通過させることによりほぐれていない粒子を分離したり、トナーがほぼ一次粒子までほぐれていればいかなる方法、装置であっても構わない。
【0048】
脱水前とリスラリー後のトナースラリーのトナー濃度は量産を考えると2〜40%程度が好ましい。また、脱水後のトナーケーキの水分率は装置の能力を考えると20〜60%が好ましい。
【0049】
(pH4〜5の酸処理)
ここでは酸を添加し、pHを4〜5とする。酸としては塩酸が好ましいが、硝酸等の強酸も使用できる。また酸処理の前に脱水及びリスラリーを行なってもよい。酸処理により、トナー分散液中の無機分散剤がある程度溶解する。また、酸を添加してpHを4〜5にする工程におけるトナー分散液の温度は0〜40℃が好ましい。
【0050】
酸添加後のスラリーのpHが4未満の場合には、有機分散剤等が析出し、特に環境依存性が悪化するという不都合がある。また、酸添加後のスラリーのpHが5を超える場合には、無機分散剤の溶解量が少ないため、後工程で処理する必要性が生じる。
【0051】
酸を添加してpHを4〜5にする工程におけるトナー分散液の温度が0℃未満である場合には、冷却に要するコストが多大となり、生産性が低下する。また、酸を添加してpHを4〜5にする工程におけるトナー分散液の温度が40℃を超える場合には、特に環境依存性が悪化し、製品の品質にばらつきが生じるという場合がある。
【0052】
(溶媒置換工程)
酸の添加によりpHが4〜5に調整されたトナー分散液の溶媒を水で置換する。具体的には、下記の(脱水工程)及び(リスラリー工程)によって、溶媒置換が可能である。ここで溶媒とは水系媒体中に溶解している有機分散剤、前記酸処理工程で溶解した無機分散剤、無機分散剤の処理剤を含むものを意味する。
【0053】
(脱水工程)
ここでは酸処理を実施したトナー分散液を脱水する。脱水することにより、溶媒の殆どが分離される。
【0054】
(リスラリー工程)
ここでは脱水したトナーケーキを水中にリスラリーする。また、本発明に用いる水は、前述の通り通常、イオン交換水、蒸留水または純水である。
【0055】
(pH1〜4未満の酸処理)
ここではリスラリーしたトナー分散液に酸を添加し、pHを1〜4未満にする。この酸処理により、残存していた無機分散剤は溶解する。
酸添加後のスラリーのpHが1未満の場合には、酸の量が過剰に使用される結果、後工程での酸の除去に大量の水を必要とし、生産性が低下する。
また、酸添加後のスラリーのpHが4以上の場合には、無機分散剤が残存し、特に環境依存性が悪化するという不都合がある。
【0056】
(その他)
(pH1〜4未満の酸処理)の前に、(pH4〜5の酸処理)、(脱水工程)及び(リスラリー工程)を数回繰り返してもよい。
(pH1〜4未満の酸処理)の後に、(脱水工程)、(リスラリー工程)、トナー分散液を過熱する工程、アルカリを添加する工程、再び酸を加える工程、等を所望のトナー特性となるように組み合わせて実施してもよい。pH1〜4の酸処理後の各工程は具体的には、例えば、特願2002−27707号公報、特願2002−352472号公報などに記載されており、これらの工程は本発明において適用可能である。
【0057】
[その他の工程]
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法には、更に必要に応じて、以下の工程を付加することができる。
【0058】
前記洗浄工程で得られたトナーケーキ又はトナースラリーを乾燥させた後、解砕、外添、篩分して静電荷像現像用トナーを作製する工程である。
【0059】
これらの工程においては、トナーが凝集や粉砕を起こさない方法である限り、乾燥、解砕、外添、篩分はいかなる方法で行なってもよい。
【0060】
また、本発明の方法によれば充分にシャープな粒度分布のトナー粒子が得られるが、さらにそれ以上のトナー特性を求める場合は、乾燥工程のあと、分級工程を行なってもよい。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。以下の説明において「部」はすべて「重量部」を意味する。
【0062】
(実施例1):重合単量体を出発原料とする場合
[混合工程]
スチレン 60部
n−ブチルアクリレート 27部
C.I.ピグメントブルー 6部
パラフィンワックス(融点89℃) 5部
テトラフェニルホウ素カルシウム 0.5部
2,2’−アゾビスイソブチロニロリル 1.5部
上記成分をダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて分散し、重合性単量体を含有するトナー組成物混合液を調製した。
【0063】
[分散懸濁工程]
アクリル酸−マレイン酸共重合体(数平均分子量10000)1重量%で被覆さ
れた炭酸カルシウム(1次平均粒径:80nm) 20部
イオン交換水 119部
上記成分をダイノーミルを用い平均分散時間が20分になるように分散することにより、表面処理炭酸カルシウム分散液を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム分散液139部に、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬社製)1部を混合溶解し、水系媒体を得た。
【0064】
上記水系媒体140部をTKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)により周速度20m/sで撹拌している中に、上記トナー組成物混合液100部を投入し、ホモミクサー羽根への平均通過回数が50回になるように撹拌した後、停止して懸濁液を得た。
【0065】
[重合工程]
上記混合液を窒素雰囲気下で、70℃に加熱し24時間撹拌して上記重合性単量体を加熱重合させ、トナースラリーを得た。
【0066】
[洗浄工程]
(pH4〜5の酸処理)
上記トナースラリー30kgに36.5重量%塩酸をpHが4.1になるよう添加し、1時間混合した。塩酸投入前、投入中、投入後のトナースラリーの温度は30〜35℃であった。
【0067】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーを遠心分離機(タナベウイルテック社社製)で1200Gで遠心脱水した。さらに水45kgをシャワーリングした。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び30kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0068】
(pH1〜4未満の酸処理)
上記トナースラリー30kgに36.5重量%塩酸をpHが2.0になるよう添加し、1時間混合した。
【0069】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーを遠心分離機(タナベウイルテック社社製)で1200Gで遠心脱水した。さらに水45kgをシャワーリングした。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び30kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0070】
(アルカリ処理)
上記トナースラリー30kgに4%水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.0になるよう添加した後1時間混合した。
【0071】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーを遠心分離機で1200Gで遠心脱水した。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び30kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0072】
(酸処理)
上記トナースラリー30kgに36.5重量%塩酸をpHが5.5になるよう添加し、1時間混合した。
【0073】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーを遠心分離機で1200Gで遠心脱水した。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び30kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0074】
[乾燥・解砕工程]
上記洗浄工程で得られたトナースラリーをスプレードライヤーで乾燥し、150μmメッシュを通過させることによりブロッキングを解砕し、トナー粒子を得た。
【0075】
[外添工程]
上記乾燥工程で得られたトナー粒子100重量部に、シリカR972(日本アエロジル社製)1重量部をヘンシェルミキサーで混合し、シリカを外添した静電荷像現像用トナーを得た。
【0076】
[評価]
静電荷像現像用トナーを用い、A−Color935(富士ゼロックス社製)によって画像を形成し、画質評価を行なった。画質については、初期及び1000枚プリント後の色調、画像濃度、かぶりの有無を目視で判断して行なった。転写性については、紙への転写直後の感光体表面上のトナーの有無を目視ルーペで確認した。環境依存性については、前記のシリカ外添前のトナーにフェライトキャリアをトナー濃度8%になるように混合して、高温多湿(28℃、80%)及び低温低湿(10℃、15%)下で一晩シーズニング後混合し、ブローオフ法で測定した帯電量の比(高温高湿/低温低湿)を求めた。流動性については、前記のシリカ外添前のトナーを45℃1晩シーズニング後、76μmメッシュふるいを通した際の通過性を目視で判断した。これらの結果を表1に示す。
【0077】
更に詳細に上記評価の基準について以下に説明する。
<画質初期及び画質1000枚後の画質評価>
目視観察で画像濃度が良好でかぶりがなく色調が良好である:○
目視観察で画像に少量のヌケ、かぶりがやや見られる:△
目視観察で画像にヌケがありかぶりも見られ色調が不良である:×
<転写性>
目視ルーペ観察で紙への転写直後の感光体表面上にトナーが存在しない:○
目視ルーペ観察で紙への転写直後の感光体表面上にトナーが存在する:×
<環境依存>
帯電量の比(高温高湿/低温低湿)が0.3以上:○
帯電量の比(高温高湿/低温低湿)が0.2以上0.3未満:△
帯電量の比(高温高湿/低温低湿)が0.2未満:×
<流動性>
目視観察で76μmメッシュふるいを通した際のトナーの通過性が良好:○
目視観察で76μmメッシュふるいを通した際に、トナーの残存物が生じる:×
【0078】
(実施例2):結着樹脂を出発原料とする場合
[混合工程]
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAオキサイド付
加物、テレフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(Tg66℃、Tm106
℃) 44.5部
C.I.ピグメントブルー 3部
パラフィンワックス(融点89℃) 2.5部
酢酸エチル 50部
上記成分をダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて分散し、ポリエステル樹脂を溶解したトナー組成物混合液を調製した。
【0079】
[分散懸濁工程]
アクリル酸−マレイン酸共重合体(数平均分子量10000)1重量%で被覆さ
れた炭酸カルシウム(1次平均粒径:80nm) 20部
イオン交換水 119部
上記成分をダイノーミルを用い平均分散時間が20分になるように分散することにより、表面処理炭酸カルシウム分散液を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム分散液139部に、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬社製)1部を混合溶解し、水系媒体を得た。
【0080】
上記水系媒体140部をTKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)により周速度20m/sで撹拌している中に、上記トナー組成物混合液100部を投入し、ホモミクサー羽根への平均通過回数が50回になるように撹拌した後、停止して懸濁液を得た。
【0081】
[有機溶媒除去工程]
分散懸濁工程で生成した懸濁液を攪拌しながら50℃に昇温した。一晩50℃に保ちその後室温まで冷却した。
【0082】
[洗浄工程]
(pH4〜5の酸処理)
上記トナースラリーに加水して、トナー濃度を15%に調整した。このスラリー100kgに36.5重量%塩酸をpHが4.5になるよう添加し、2時間混合した。塩酸投入前、投入中、投入後のトナースラリーの温度は10〜20℃であった。
【0083】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーをフィルタープレス(東京エンジニアリング社製)に0.4MPaで圧送した。これを0.7MPaで圧搾し脱水した。さらに圧搾後0.7MPaの空気で貫通ブローを行なった。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び100kgにして、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)でトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0084】
(pH1〜4未満の酸処理)
上記トナースラリー100kgに36.5重量%塩酸をpHが1.0になるよう添加し、1時間混合した。
【0085】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーをフィルタープレス(東京エンジニアリング社製)に0.4MPaで圧送した。これを0.7MPaで圧搾し脱水した。さらに圧搾後0.7MPaの空気で貫通ブローを行なった。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び100kgにして、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)でトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0086】
(アルカリ処理)
上記トナースラリー100kgに4%水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.0になるよう添加後、1時間混合した。
【0087】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーをフィルタープレスに0.4MPaで圧送した。これを0.7MPaで圧搾し脱水した。さらに圧搾後0.7MPaの空気で貫通ブローを行なった。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び100kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0088】
(酸処理)
上記トナースラリー100kgに36.5重量%塩酸をpHが5.5になるよう添加し、1時間混合した。
【0089】
(脱水)
上記トナースラリーをフィルタープレスに0.4MPaで圧送した。これを0.7MPaで圧搾し脱水した。さらに圧搾後0.7MPaの空気で貫通ブローを行なった。脱水後トナーケーキを取り出した。
【0090】
[乾燥・解砕工程]
上記洗浄工程で得られたトナーケーキをオーブン乾燥機で一晩乾燥し、150μmメッシュを通過させることによりブロッキングを解砕し、トナー粒子を得た。
【0091】
[外添工程]
上記乾燥工程で得られたトナー粒子100重量部に、シリカR972(日本アエロジル社製)1重量部をヘンシェルミキサーで混合し、シリカを外添した静電荷像現像用トナーを得た。
【0092】
[評価]
この静電荷像現像用トナーを実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
【0093】
(実施例3)
洗浄工程においてpH4〜5の酸処理のpHとトナースラリーの温度、pH1〜4未満の酸処理のpHを表1に示す通りに変更した以外は、実施例2と同様にして実施例3の静電荷像現像用トナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0094】
[評価]
この静電荷像現像用トナーを実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
洗浄工程においてpH4〜5の酸処理のpHとトナースラリーの温度、pH1〜4未満の酸処理のpHを表1に示す通りに変更した以外は、実施例2と同様にして実施例3の静電荷像現像用トナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0095】
(比較例1〜5)
洗浄工程において第1回目の酸処理(pH4〜5の酸処理に対応)のpHとトナースラリーの温度、第2回目の酸処理(pH1〜4未満の酸処理に対応)のpHを表1に示す通りに変更した以外は、実施例2と同様にして比較例3〜5の静電荷像現像用トナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、帯電性、流動性、環境安定性に優れた静電荷像現像用トナーを容易に作製することができる。このことにより静電荷像現像方式において極めて優れた画像を提供することが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法又は静電記録法に用いられ、結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナーと称することがある。)は、少なくとも、結着樹脂と着色剤とを含有して構成され、この静電荷像現像用トナーの製造方法としては種々の方法が提案されている。
【0003】
従来より、電子写真法または静電記録法により形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナーを製造する方法は、幾つか知られている。一つの方法として、あらかじめ重合反応により作製したポリマーを微粒子化させることにより、ポリマー微粒子を製造する方法がある。その中で、溶融混練粉砕法は、あらかじめ粗粉砕したポリマーを機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで分級することによりポリマー微粒子を得る方法であり、現在では最も多用されている静電荷像現像用トナーの製造方法である。しかし、この方法で得られるポリマー微粒子は、不定形であり、その粒径も均一ではなく、粒度分布をシャープにするには分級工程を必要とする等の欠点がある。
【0004】
これらの欠点を改良する方法として、モノマーを出発原料として、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接ポリマー微粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この中で特にモノマーを水系媒体中に分散懸濁させ、これを加熱等によって重合することにより、粒子化する方法がある。この方法においては、有機溶媒及び界面活性剤を使用していないため、残存有機溶媒及び界面活性剤の除去が必要ないこと、着色剤、帯電制御剤及び離型剤等の不溶材料の内添が容易であること、粒度分布が比較的シャープであること等の特徴があり、工業化に適した方法と考えられる。
【0006】
また、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液を霧状に噴霧することにより粒子化する方法(例えば、特許文献2参照)や、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液に貧溶媒を添加するか、又は、あらかじめ溶媒に加熱溶解したポリマー溶液を冷却することにより、ポリマー微粒子を析出させる方法(例えば、特許文献3参照)も知られている。
【0007】
更に、加熱溶融したポリマーを、その融点以上に加熱した媒体中に分散させて冷却することにより、ポリマー微粒子を得る方法(例えば、特許文献4参照)も知られている。
【0008】
更に、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液(トナー組成物混合液)を水系媒体中に分散懸濁させ、これを加熱又は減圧等によって溶媒を除去することにより、粒子化する方法(例えば、特許文献5から特許文献9参照)がある。この方法においては、モノマー及び界面活性剤を使用していないため、残存モノマー及び界面活性剤の除去の必要がないこと、着色剤、帯電制御剤及び離型剤等の不溶材料の内添が容易であること、材料組成が変更されても粒子化に最適な条件の検討を要さないこと、粒度分布が比較的シャープであること等の特徴があり、工業化に適した方法と考えられる。
【0009】
しかしながら、モノマーを出発原料とする場合でも、ポリマーを出発原料とする場合でも、湿式でトナー粒子を造粒し、乾燥してトナー粒子を得る方法においては、造粒時に使用した水系媒体を除去する必要があり、除去が充分でないと、トナーの帯電性、特に環境依存性や転写性、流動性が悪化してしまうのが実状であった。
【0010】
【特許文献1】
特公昭36−10231号公報
【特許文献2】
特公昭35−7924号公報
【特許文献3】
特公昭33−9485号公報
【特許文献4】
特開昭50−120632号公報
【特許文献5】
特公昭38−2095号公報
【特許文献6】
特公昭61−28688号公報
【特許文献7】
特開昭63−25664号公報
【特許文献8】
特開平7−152202号公報
【特許文献9】
特開平9−15902号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、帯電性、環境依存性、転写性、流動性に優れ、更に良好な画像を安定して得られる静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する為の手段は、以下の通りである。
【0013】
即ち、<1>水系媒体を用いてトナー粒子を作製し、該水系媒体を除去する洗浄工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記洗浄工程は、トナー粒子分散液にpH4〜5となるように酸を添加する工程と、酸が添加されたトナー粒子分散液の溶媒を水に置換する工程と、溶媒が置換されたリスラリーされたトナー粒子分散液にpH1〜4未満となるように酸を添加する工程と、を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【0014】
<2>前記トナー粒子分散液にpH4〜5となるように酸を添加する工程におけるトナー粒子分散液の温度が0〜40℃であることを特徴とする<1>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【0015】
<3>前記洗浄工程の前に、結着樹脂及び着色剤とを有機溶媒中に溶解もしくは分散する工程、得られたトナー組成物混合液を水系媒体中に添加して乳化機を用いて分散懸濁させる工程、得られた懸濁液から有機溶媒を除去する工程、を有する<1>または<2>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【0016】
前記<1>から<3>に記載の製造方法により得られることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】
−静電荷像現像用トナーの製造方法−
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも、洗浄工程を有し、更に必要に応じて、その他の工程を有してなる。本発明においては、重合性単量体(モノマー)を出発原料とする場合には、前記洗浄工程の前に、混合工程、分散懸濁工程、重合工程を有することが好ましく、結着樹脂(ポリマー)を出発原料とする場合には、前記洗浄工程の前に、混合工程、分散懸濁工程、有機溶媒除去工程を有することが好ましい。
【0019】
[混合工程]
前記混合工程は、結着樹脂又は重合性単量体と着色剤とを含有する混合液(以下、「トナー組成物混合液」と呼ぶことがある。)を調製する工程であり、必要に応じてこれらの成分を有機溶媒中に、又は重合性単量体中に、溶解又は分散し、トナー組成物混合液を調製する。更に、必要に応じて、前記トナー組成物混合液には、これらの成分の他にその他の成分として、トナー粒子に通常添加される離型剤及び帯電制御剤等を適宜配合してもよい。
【0020】
前記トナー組成物混合液は、結着樹脂にあらかじめ着色剤、離型剤及び帯電制御剤等を混練させたものを、有機溶媒中に溶解もしくは分散させたものでもよく、また、結着樹脂を溶解させた有機溶媒中に又は重合性単量体性中に、着色剤、離型剤及び帯電制御剤等をボールミル、サンドミル等のメディア入り分散機や高圧分散機等を用いて分散したものでもよい。この混合工程においては、結着樹脂が溶解した有機溶媒中に又は重合性単量体中に、着色剤が分散している限り、如何なる方法により混合してもよい。
【0021】
(結着樹脂・重合性単量体性)
前記混合工程で用いられる結着樹脂及び重合性単量体としては、特に制限はなく、公知のものならば何如なるものでも使用することができる。
【0022】
前記重合性単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の不飽和結合を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和結合を有するニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエ−テル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフイン類等が挙げられる。
【0023】
前記結着樹脂としては、これらを用いた重合体もしくは共重合体、又はこれらの混合物等、更にはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル系縮合樹脂、これら縮合樹脂に前記ビニル系樹脂を混合したもの、これら重合体の存在下でビニル系単量体を重合することによって得られるグラフト重合体等が挙げられる。
【0024】
これら結着樹脂及び重合性単量体は、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0025】
前記重合性単量体を使用する場合には、重合開始剤を添加することが好ましく、該重合開始剤としては、公知の物が使用できる。具体的には、2,2’アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[2,2’−Azobis(2,4−dimethylvaleronitrile)]、2,2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)[2,2’−Azobis(2−methylbutyronitrile)]、2,2’アゾビスイソブチロニトリル[2,2’−Azobisisobutyronitrile]、2,2’アゾビス(2,4−ジメチル−4メトキシバレロニトリル)[2,2’−Azobis(2,4−dimethyl−4−methoxyvaleronitrile)]等のアゾ系重合開始剤や、メチルエチルケトンパーオキサイド[Methyl ethyl ketone peroxide]、クメンヒドロパーオキサイド[Cumene hydro peroxide]、ベンゾイルパーオキサイド[Benzoyl peroxide]等の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。これらは重合性単量体100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部用いられる。
【0026】
(着色剤)
前記混合工程で用いられる着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGRT、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチャングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリーンブルー、カルコイルブルー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等が挙げられる。
【0027】
(その他の成分)
前記混合工程では、前記その他の成分として、磁性体、帯電制御剤、離型剤等を内添剤として含有させることができる。
【0028】
前記磁性体としては、フエライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属もしくはそれらの合金、又はそれら金属を含む化合物が挙げられる。前記帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ホウ素塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロム等の措体からなる染料、トリフエニルメタン系顔料等、公知のものが挙げられる。
【0029】
(その他の成分)
また、前記離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化するシリコーン樹脂、オレフィン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、カルナウバワツクス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス、およびそれ等の変性物が挙げられる。
【0030】
前記混合工程で用いられる有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶媒は、結着樹脂を溶解できるものであって、かつ、水に溶解する割合が0〜30重量%程度のものであることが好ましい。また、工業化を行うに当たっては、作業上の安全性、コスト及び生産性等をも考慮すると、結着樹脂がポリオレフィンである場合にはシクロヘキサンを用い、また、それ以外の結着樹脂の場合には酢酸エチルを用いることが特に好ましい。
【0031】
[分散懸濁工程]
前記分散懸濁工程は、前記混合工程で調製したトナー組成物混合液を、分散剤を含有する水系媒体中に分散懸濁させ、懸濁液を調製する工程である。
【0032】
(水系媒体の調製)
前記水系媒体としては、水中に無機分散剤を分散させたものを用いることが好ましい。また、トナー粒子の粒度分布を均一にするためには、水中に無機分散剤を分散させるとともに、水に溶解する高分子分散剤を添加することが好ましい。この無機分散剤は、ボールミル、サンドミル、アトライター、ダイノーミルのようなメディアの入った分散機、APVゴーリン、マイクロフルイダイザーのような高圧分散機または超音波分散機等を用いて水中に分散させる。また、高分子分散剤は、水中に均一に溶解していれば如何なる方法によって添加してもよい。また、本発明に用いる水は、通常、イオン交換水、蒸留水または純水である。
【0033】
前記無機分散剤としては、親水性分散剤を用いることが好ましく、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等を挙げることができるが、炭酸カルシウムが特に好ましい。また、これらの無機分散剤は、その粒子表面がカルボキシル基を有する重合体で被覆されているものがより好ましい。このような重合体で被覆されたものを用いると、トナー粒子を安定に製造することができる。また、前記カルボキシル基を有する重合体としては、数平均分子量で1000〜200000の範囲のものを使用することが好ましく、極端に分子量が高いと、前記懸濁液中のトナー粒子表面への付着性が強すぎて、粒子中に埋没することあり、一方、分子量が低すぎると分散性に対する寄与が少なくなることがある。具体例としては、アクリル酸系樹脂、メタクリル酸系樹脂、フマール酸系樹脂、マレイン酸系樹脂等が代表的なものとして挙げられ、これらを構成するモノマーであるアクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸等の単独重合体又はそれらの共重合体及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体も使用することができ、また、そのカルボキシル基は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩、アンモニウム塩等の塩構造であることが好ましい。
【0034】
前記無機分散剤の粒子表面をこれらカルボキシル基を有する重合体で被覆する方法としては、これら重合体を水に溶解し、無機分散剤を添加して、混合、乾燥、粉砕又は解砕する方法、又は、無機分散剤の解砕時に、乾燥状態で混合する方法等を用いることができる。前記カルボキシル基を有する重合体の被覆量は、前記分散剤の全重量に対して、0.01〜5.0重量%程度であり、0.03〜3.0重量%が好ましい。
【0035】
前記無機分散剤としては、平均粒子径が1〜1000nmの範囲のものが用いられるが、好ましくは5〜500nmの範囲のものである。また、その無機分散剤の使用量は、トナー100重量部に対して1〜500重量部の範囲であり、好ましくは10〜200重量部の範囲である。
【0036】
前記高分子分散剤としては、親水性のものを用いることがが好ましく、カルボキシル基を有するものの中でヒドロキシプロポキシル基、メトキシル基等の親油基を持たないものが好ましい。具体的には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等の水溶性のセルロースエーテルが用いられるが、特にカルボキシメチルセルロースが好ましい。これらのセルロース類は、エーテル化度が0.6〜1.5であり、平均重合度が50〜3000のものである。また、そのカルボキシル基は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩であってもよい。
【0037】
これらの高分子分散剤は、トナー組成物混合液の粘度によって最適な量があり、この最適量より多くても少なくても形成される粒子の粒度分布はシャープでなくなる。このため、高分子分散剤は水系媒体の粘度が、20℃において概ね1〜3000mPa・sとなるように用いられ、好ましくは1〜1000mPa・sとなるよう添加することが好適である。また高分子分散剤は水中に均一に溶解していれば如何なる方法によって添加してもよい。
【0038】
(懸濁液の調製)
前記懸濁液は、上記混合工程で調製したトナー組成物混合液を、上記水系媒体中に分散懸濁させて調製することができる。
【0039】
分散懸濁させる装置としては、一般に市販されている乳化機或いは分散機を用いて行われ、例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)、ナショナルクッキングミキサー(松下電器産業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー、TKフィルミックス(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)等のバッチ又は連続両用乳化機、マイクロフルイダイザー(みづほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVゴウリン(ゴウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。
【0040】
[重合工程]
前記重合工程は、前記分散懸濁工程で調製した懸濁液中の重合性単量体を重合し、トナー分散液を生成する工程である。
【0041】
この重合工程では、分散懸濁工程で調製した懸濁液を攪拌したまま20℃以上100℃以下の範囲に加熱し、1時間以上24時間以内そのまま保持することにより、懸濁液中の重合性単量体を重合させる。
【0042】
[有機溶媒除去工程]
前記溶剤除去工程は、前記分散懸濁工程で調製した懸濁夜中の有機溶媒を除去し、トナー分散液を生成させる工程である。
【0043】
この有機溶媒除去工程では、(1)分散懸濁工程で調製した懸濁液を20℃以上で100℃以下の範囲に加熱する、(2)分散懸濁工程で調製した懸濁液を1kPa以上101.3kPa未満に減圧する、(3)分散懸濁工程で調製した懸濁液に水を添加する、(4)分散懸濁工程で調製した懸濁液に水と該有機溶媒との両方に溶解する他の溶剤を添加する、(5)分散懸濁工程で調製した懸濁液に不活性気体を吹き込む、又は(6)分散懸濁工程で調製した懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新することにより、懸濁液中の粒子中の有機溶媒を除去するものである。これらの操作は単独で行なってもよいが、任意に組み合せて同時に行なうか、または、任意に組み合せて順番に行なってもよい。
【0044】
上記(3)における添加する水としては、一般にイオン交換水、蒸留水または純水が用いられる。また、上記(4)における水と溶剤の両方ともに溶解する他の溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、t−ブチルアルコール等が用いられる。有機溶媒除去工程により生成されるトナー分散液は、通常pH7〜10の弱アルカリ性である。
【0045】
[洗浄工程]
前記洗浄工程は、前記重合工程又は有機溶媒除去工程で生成したトナー分散液から水系媒体を除去した後、洗浄、脱水し、トナーケーキ又はトナースラリーを調製する工程である。洗浄工程は少なくとも以下に示す処理を行なう必要がある。
【0046】
以下に記載される脱水に用いられる装置は、トナー成分と液体成分を分離できる装置であれば特に指定はなく、市販される遠心分離機、遠心沈降機、遠心脱水機、フィルタープレス、加圧ろ過機、減圧ろ過機などが挙げられる。単にデカンテーションでも構わない。また、クロスフロー式で洗浄を行い、流出したろ液相当分の水を新たに加える方式で洗浄しても良い。
【0047】
リスラリーに用いられる装置は、トナーケーキを水中に再分散できる装置であれば特に指定はなく、ホモミクサーやディゾルバーのように高剪断力を付加できる装置や、単なる攪拌のみでも、撹拌に超音波を付与したり、外部に高剪断力を付与できる装置を設置し、循環させたり、脱水装置へのフィードに使うポンプを利用してほぐしたり、メッシュを通過させることによりほぐれていない粒子を分離したり、トナーがほぼ一次粒子までほぐれていればいかなる方法、装置であっても構わない。
【0048】
脱水前とリスラリー後のトナースラリーのトナー濃度は量産を考えると2〜40%程度が好ましい。また、脱水後のトナーケーキの水分率は装置の能力を考えると20〜60%が好ましい。
【0049】
(pH4〜5の酸処理)
ここでは酸を添加し、pHを4〜5とする。酸としては塩酸が好ましいが、硝酸等の強酸も使用できる。また酸処理の前に脱水及びリスラリーを行なってもよい。酸処理により、トナー分散液中の無機分散剤がある程度溶解する。また、酸を添加してpHを4〜5にする工程におけるトナー分散液の温度は0〜40℃が好ましい。
【0050】
酸添加後のスラリーのpHが4未満の場合には、有機分散剤等が析出し、特に環境依存性が悪化するという不都合がある。また、酸添加後のスラリーのpHが5を超える場合には、無機分散剤の溶解量が少ないため、後工程で処理する必要性が生じる。
【0051】
酸を添加してpHを4〜5にする工程におけるトナー分散液の温度が0℃未満である場合には、冷却に要するコストが多大となり、生産性が低下する。また、酸を添加してpHを4〜5にする工程におけるトナー分散液の温度が40℃を超える場合には、特に環境依存性が悪化し、製品の品質にばらつきが生じるという場合がある。
【0052】
(溶媒置換工程)
酸の添加によりpHが4〜5に調整されたトナー分散液の溶媒を水で置換する。具体的には、下記の(脱水工程)及び(リスラリー工程)によって、溶媒置換が可能である。ここで溶媒とは水系媒体中に溶解している有機分散剤、前記酸処理工程で溶解した無機分散剤、無機分散剤の処理剤を含むものを意味する。
【0053】
(脱水工程)
ここでは酸処理を実施したトナー分散液を脱水する。脱水することにより、溶媒の殆どが分離される。
【0054】
(リスラリー工程)
ここでは脱水したトナーケーキを水中にリスラリーする。また、本発明に用いる水は、前述の通り通常、イオン交換水、蒸留水または純水である。
【0055】
(pH1〜4未満の酸処理)
ここではリスラリーしたトナー分散液に酸を添加し、pHを1〜4未満にする。この酸処理により、残存していた無機分散剤は溶解する。
酸添加後のスラリーのpHが1未満の場合には、酸の量が過剰に使用される結果、後工程での酸の除去に大量の水を必要とし、生産性が低下する。
また、酸添加後のスラリーのpHが4以上の場合には、無機分散剤が残存し、特に環境依存性が悪化するという不都合がある。
【0056】
(その他)
(pH1〜4未満の酸処理)の前に、(pH4〜5の酸処理)、(脱水工程)及び(リスラリー工程)を数回繰り返してもよい。
(pH1〜4未満の酸処理)の後に、(脱水工程)、(リスラリー工程)、トナー分散液を過熱する工程、アルカリを添加する工程、再び酸を加える工程、等を所望のトナー特性となるように組み合わせて実施してもよい。pH1〜4の酸処理後の各工程は具体的には、例えば、特願2002−27707号公報、特願2002−352472号公報などに記載されており、これらの工程は本発明において適用可能である。
【0057】
[その他の工程]
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法には、更に必要に応じて、以下の工程を付加することができる。
【0058】
前記洗浄工程で得られたトナーケーキ又はトナースラリーを乾燥させた後、解砕、外添、篩分して静電荷像現像用トナーを作製する工程である。
【0059】
これらの工程においては、トナーが凝集や粉砕を起こさない方法である限り、乾燥、解砕、外添、篩分はいかなる方法で行なってもよい。
【0060】
また、本発明の方法によれば充分にシャープな粒度分布のトナー粒子が得られるが、さらにそれ以上のトナー特性を求める場合は、乾燥工程のあと、分級工程を行なってもよい。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。以下の説明において「部」はすべて「重量部」を意味する。
【0062】
(実施例1):重合単量体を出発原料とする場合
[混合工程]
スチレン 60部
n−ブチルアクリレート 27部
C.I.ピグメントブルー 6部
パラフィンワックス(融点89℃) 5部
テトラフェニルホウ素カルシウム 0.5部
2,2’−アゾビスイソブチロニロリル 1.5部
上記成分をダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて分散し、重合性単量体を含有するトナー組成物混合液を調製した。
【0063】
[分散懸濁工程]
アクリル酸−マレイン酸共重合体(数平均分子量10000)1重量%で被覆さ
れた炭酸カルシウム(1次平均粒径:80nm) 20部
イオン交換水 119部
上記成分をダイノーミルを用い平均分散時間が20分になるように分散することにより、表面処理炭酸カルシウム分散液を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム分散液139部に、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬社製)1部を混合溶解し、水系媒体を得た。
【0064】
上記水系媒体140部をTKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)により周速度20m/sで撹拌している中に、上記トナー組成物混合液100部を投入し、ホモミクサー羽根への平均通過回数が50回になるように撹拌した後、停止して懸濁液を得た。
【0065】
[重合工程]
上記混合液を窒素雰囲気下で、70℃に加熱し24時間撹拌して上記重合性単量体を加熱重合させ、トナースラリーを得た。
【0066】
[洗浄工程]
(pH4〜5の酸処理)
上記トナースラリー30kgに36.5重量%塩酸をpHが4.1になるよう添加し、1時間混合した。塩酸投入前、投入中、投入後のトナースラリーの温度は30〜35℃であった。
【0067】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーを遠心分離機(タナベウイルテック社社製)で1200Gで遠心脱水した。さらに水45kgをシャワーリングした。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び30kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0068】
(pH1〜4未満の酸処理)
上記トナースラリー30kgに36.5重量%塩酸をpHが2.0になるよう添加し、1時間混合した。
【0069】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーを遠心分離機(タナベウイルテック社社製)で1200Gで遠心脱水した。さらに水45kgをシャワーリングした。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び30kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0070】
(アルカリ処理)
上記トナースラリー30kgに4%水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.0になるよう添加した後1時間混合した。
【0071】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーを遠心分離機で1200Gで遠心脱水した。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び30kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0072】
(酸処理)
上記トナースラリー30kgに36.5重量%塩酸をpHが5.5になるよう添加し、1時間混合した。
【0073】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーを遠心分離機で1200Gで遠心脱水した。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び30kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0074】
[乾燥・解砕工程]
上記洗浄工程で得られたトナースラリーをスプレードライヤーで乾燥し、150μmメッシュを通過させることによりブロッキングを解砕し、トナー粒子を得た。
【0075】
[外添工程]
上記乾燥工程で得られたトナー粒子100重量部に、シリカR972(日本アエロジル社製)1重量部をヘンシェルミキサーで混合し、シリカを外添した静電荷像現像用トナーを得た。
【0076】
[評価]
静電荷像現像用トナーを用い、A−Color935(富士ゼロックス社製)によって画像を形成し、画質評価を行なった。画質については、初期及び1000枚プリント後の色調、画像濃度、かぶりの有無を目視で判断して行なった。転写性については、紙への転写直後の感光体表面上のトナーの有無を目視ルーペで確認した。環境依存性については、前記のシリカ外添前のトナーにフェライトキャリアをトナー濃度8%になるように混合して、高温多湿(28℃、80%)及び低温低湿(10℃、15%)下で一晩シーズニング後混合し、ブローオフ法で測定した帯電量の比(高温高湿/低温低湿)を求めた。流動性については、前記のシリカ外添前のトナーを45℃1晩シーズニング後、76μmメッシュふるいを通した際の通過性を目視で判断した。これらの結果を表1に示す。
【0077】
更に詳細に上記評価の基準について以下に説明する。
<画質初期及び画質1000枚後の画質評価>
目視観察で画像濃度が良好でかぶりがなく色調が良好である:○
目視観察で画像に少量のヌケ、かぶりがやや見られる:△
目視観察で画像にヌケがありかぶりも見られ色調が不良である:×
<転写性>
目視ルーペ観察で紙への転写直後の感光体表面上にトナーが存在しない:○
目視ルーペ観察で紙への転写直後の感光体表面上にトナーが存在する:×
<環境依存>
帯電量の比(高温高湿/低温低湿)が0.3以上:○
帯電量の比(高温高湿/低温低湿)が0.2以上0.3未満:△
帯電量の比(高温高湿/低温低湿)が0.2未満:×
<流動性>
目視観察で76μmメッシュふるいを通した際のトナーの通過性が良好:○
目視観察で76μmメッシュふるいを通した際に、トナーの残存物が生じる:×
【0078】
(実施例2):結着樹脂を出発原料とする場合
[混合工程]
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAオキサイド付
加物、テレフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(Tg66℃、Tm106
℃) 44.5部
C.I.ピグメントブルー 3部
パラフィンワックス(融点89℃) 2.5部
酢酸エチル 50部
上記成分をダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて分散し、ポリエステル樹脂を溶解したトナー組成物混合液を調製した。
【0079】
[分散懸濁工程]
アクリル酸−マレイン酸共重合体(数平均分子量10000)1重量%で被覆さ
れた炭酸カルシウム(1次平均粒径:80nm) 20部
イオン交換水 119部
上記成分をダイノーミルを用い平均分散時間が20分になるように分散することにより、表面処理炭酸カルシウム分散液を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム分散液139部に、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬社製)1部を混合溶解し、水系媒体を得た。
【0080】
上記水系媒体140部をTKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)により周速度20m/sで撹拌している中に、上記トナー組成物混合液100部を投入し、ホモミクサー羽根への平均通過回数が50回になるように撹拌した後、停止して懸濁液を得た。
【0081】
[有機溶媒除去工程]
分散懸濁工程で生成した懸濁液を攪拌しながら50℃に昇温した。一晩50℃に保ちその後室温まで冷却した。
【0082】
[洗浄工程]
(pH4〜5の酸処理)
上記トナースラリーに加水して、トナー濃度を15%に調整した。このスラリー100kgに36.5重量%塩酸をpHが4.5になるよう添加し、2時間混合した。塩酸投入前、投入中、投入後のトナースラリーの温度は10〜20℃であった。
【0083】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーをフィルタープレス(東京エンジニアリング社製)に0.4MPaで圧送した。これを0.7MPaで圧搾し脱水した。さらに圧搾後0.7MPaの空気で貫通ブローを行なった。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び100kgにして、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)でトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0084】
(pH1〜4未満の酸処理)
上記トナースラリー100kgに36.5重量%塩酸をpHが1.0になるよう添加し、1時間混合した。
【0085】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーをフィルタープレス(東京エンジニアリング社製)に0.4MPaで圧送した。これを0.7MPaで圧搾し脱水した。さらに圧搾後0.7MPaの空気で貫通ブローを行なった。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び100kgにして、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)でトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0086】
(アルカリ処理)
上記トナースラリー100kgに4%水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.0になるよう添加後、1時間混合した。
【0087】
(脱水・リスラリー)
上記トナースラリーをフィルタープレスに0.4MPaで圧送した。これを0.7MPaで圧搾し脱水した。さらに圧搾後0.7MPaの空気で貫通ブローを行なった。脱水後トナーケーキを取り出し、加水して再び100kgにして、TKオートホモミクサーでトナーケーキをほぐしてスラリーとした。
【0088】
(酸処理)
上記トナースラリー100kgに36.5重量%塩酸をpHが5.5になるよう添加し、1時間混合した。
【0089】
(脱水)
上記トナースラリーをフィルタープレスに0.4MPaで圧送した。これを0.7MPaで圧搾し脱水した。さらに圧搾後0.7MPaの空気で貫通ブローを行なった。脱水後トナーケーキを取り出した。
【0090】
[乾燥・解砕工程]
上記洗浄工程で得られたトナーケーキをオーブン乾燥機で一晩乾燥し、150μmメッシュを通過させることによりブロッキングを解砕し、トナー粒子を得た。
【0091】
[外添工程]
上記乾燥工程で得られたトナー粒子100重量部に、シリカR972(日本アエロジル社製)1重量部をヘンシェルミキサーで混合し、シリカを外添した静電荷像現像用トナーを得た。
【0092】
[評価]
この静電荷像現像用トナーを実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
【0093】
(実施例3)
洗浄工程においてpH4〜5の酸処理のpHとトナースラリーの温度、pH1〜4未満の酸処理のpHを表1に示す通りに変更した以外は、実施例2と同様にして実施例3の静電荷像現像用トナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0094】
[評価]
この静電荷像現像用トナーを実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
洗浄工程においてpH4〜5の酸処理のpHとトナースラリーの温度、pH1〜4未満の酸処理のpHを表1に示す通りに変更した以外は、実施例2と同様にして実施例3の静電荷像現像用トナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0095】
(比較例1〜5)
洗浄工程において第1回目の酸処理(pH4〜5の酸処理に対応)のpHとトナースラリーの温度、第2回目の酸処理(pH1〜4未満の酸処理に対応)のpHを表1に示す通りに変更した以外は、実施例2と同様にして比較例3〜5の静電荷像現像用トナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、帯電性、流動性、環境安定性に優れた静電荷像現像用トナーを容易に作製することができる。このことにより静電荷像現像方式において極めて優れた画像を提供することが可能となる。
Claims (2)
- 水系媒体を用いてトナー粒子を作製し、該水系媒体を除去する洗浄工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、
前記洗浄工程は、
トナー粒子分散液にpH4〜5となるように酸を添加する工程と、
酸が添加されたトナー粒子分散液の溶媒を水に置換する工程と、
溶媒が置換されたリスラリーされたトナー粒子分散液にpH1〜4未満となるように酸を添加する工程と、
を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法により得られることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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