JPH1039528A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH1039528A
JPH1039528A JP19680796A JP19680796A JPH1039528A JP H1039528 A JPH1039528 A JP H1039528A JP 19680796 A JP19680796 A JP 19680796A JP 19680796 A JP19680796 A JP 19680796A JP H1039528 A JPH1039528 A JP H1039528A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
charge
aryl
electrophotographic photoreceptor
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19680796A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3575173B2 (ja
Inventor
Ayako Tsutsui
綾子 筒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP19680796A priority Critical patent/JP3575173B2/ja
Publication of JPH1039528A publication Critical patent/JPH1039528A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3575173B2 publication Critical patent/JP3575173B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度で、かつ、繰り返し連続使用時の特性安
定性に優れた電子写真感光体を提供する。 【解決手段】感光層に電荷輸送物質として特定のトリフ
ェニルアミン誘導体を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真感光体
に関し、詳しくは有機材料の電荷発生物質,電荷輸送物
質を含む感光層を備えてなり、電子写真方式の複写機,
プリンターなどに用いられる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術を利用する複写機,プリン
ターに用いられる像形成部材としての電子写真感光体
は、導電性基体とその上に形成される光導電性物質を含
んでなる感光層とで構成される。電子写真感光体の電気
特性は感光層に含まれる光導電性物質の性能に大きく左
右され、このような光導電性物質の研究開発が重要であ
り、活発に進められている。
【0003】光導電性物質としては、従来は、セレン,
酸化亜鉛,硫化カドミウムなどの無機光導電性物質が用
いられてきたが、このような無機光導電性物質を用いた
無機感光体は、感光体として要求される光感度,熱安定
性,耐湿性,耐久性などの特性において必ずしも満足で
きるものではなく、また、成膜性や可とう性が悪い,高
コストといった製造上の問題を抱えている。さらに、無
機光導電性物質は一般的に毒性が強いことが知られてい
る。
【0004】上述のような無機感光体の問題点を回避す
るために、種々の有機光導電性物質の感光体への適用が
試みられてきた。代表的な有機感光体としては、ポリ−
N−ビニルカルバゾールをはじめとする各種有機光導電
性ポリマーを用いた感光体が提案されたが、これらのポ
リマーは無機光導電性物質に比して軽量性,成膜性など
の点では優れているが、感度,耐久性,環境変化におけ
る安定性,機械的強度などの点では劣るという問題があ
った。
【0005】このような感光体の問題点を解決するため
に、感光層の電荷発生機能と電荷輸送機能をそれぞれ別
個の物質に分担させて行う機能分離型の感光体が開発さ
れている。このような機能分離型の感光体では、電荷発
生機能を有する物質,いわゆる電荷発生物質と、電荷輸
送機能を有する,いわゆる電荷輸送物質を個別に広範囲
の物質から選択することができ、かつ、それぞれの機能
を有する物質を目的に応じて選択して組み合わせて使用
することにより、優れた電子写真特性を有する感光体が
比較的容易に得られるという利点を有する。
【0006】ポリ−N−ビニルカルバゾールを電荷輸送
物質とし、その中に多環式芳香族炭化水素を分散させた
材料を用いて単層の感光層を形成し、いわゆる単層型感
光体を作製することができる。このような単層型感光体
は、生産性が良く、また、正帯電で機能するので一般に
負帯電するものが得られ易いトナー材料の選択の幅が広
いという利点があるが、感度が充分でなく、感光層を構
成する材料の選択の幅が狭い。また、感光体帯電時の表
面電位が低く、繰り返し使用時の特性安定性が良くない
ため、有機感光体として充分な特性を有しないという問
題があった。
【0007】そのために、感光層を二分割し、電荷発生
に寄与する層と暗所での表面電荷の保持と光受容時の電
荷輸送に寄与する層とに機能分離した積層構造の感光
体,いわゆる機能分離の積層型感光体が考案された。こ
のような構造においては、電荷発生機能と電荷輸送機能
をそれぞれ異なる層に分担させるので、それぞれの機能
を有する物質をより広範囲の化合物から選択することが
でき、それらを組み合わせることにより、任意の特性を
有する感光体が比較的容易に得られるという利点があ
る。そのため、感度や耐久性などの特性の向上が期待さ
れる。このような感光体として、電荷発生材料としてキ
ナクリドン顔料を用いる感光体(特開昭47−3033
2号公報),キノリン系顔料を用いる感光体(特開昭4
9−1231号公報)、電荷輸送材料としてヒドラゾン
系化合物を用いる感光体(特公昭55−42380号公
報)などが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子写
真感光体に要求される全ての特性を充分に満足する感光
体が得られていないのが現状であり、特に、感度および
繰り返し連続使用時の特性の安定性の向上が要望されて
いる。この発明は、上述の点に鑑みてなされたものであ
って、高感度で、かつ、繰り返し連続使用時の特性安定
性の優れた感光体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
によれば、導電性基体上に感光層を備えてなる電子写真
感光体において、感光層が電荷輸送物質として下記一般
式(I)または(II)で示されるトリフェニルアミン
誘導体のうちの少なくとも一種を含む感光体とすること
によって解決される。
【0010】
【化4】 [式(I)および(II)中、R1 〜R21はそれぞれ水
素原子,ハロゲン原子,アルキル基,シアノ基,アミド
基,アルコキシ基,フェノキシ基,アリル基,アリール
基,複素環基のうちのいずれかを表し、そのうちアリル
基,アリール基,複素環基は置換基を有してもよい。ま
た、R1 とR2 ,R3 とR4 ,R5 とR6,R8
9 ,R10とR11,R12とR13,R14とR15,R17とR
18,R20とR21は環を形成してもよい。] 通常の白色光を露光光源に用いる複写機用の感光体にお
いて、このような電荷輸送物質と組み合わせて用いられ
る電荷発生物質としては、下記一般式(III)または
(IV)で示されるビスアゾ化合物のうちの少なくとも
一種が好適に用いられる。
【0011】
【化5】 [式(III)および(IV)中、Aはカップラー残基
を表す。] この場合のA(カップラー残基)としては、下記一般式
(V)〜(X)で示されるものが好適である。
【0012】
【化6】 [式(V)〜(X)中、Zはベンゼン環と縮合して芳香
族環あるいは芳香族複素環を形成する残基、X1 は水素
原子,COOR,CONR' ''(R,R' およびR''
は、それぞれ水素原子,置換されてもよい以下のアルキ
ル基,アリール基,複素環基のうちのいずれかを表す)
のうちのいずれかを表し、X2 およびX5はそれぞれ置
換されてもよい以下のアルキル基,アリール基,複素環
基のうちのいずれかを表し、X3 およびX6 はそれぞれ
水素原子,シアノ基,カルバモイル基,カルボキシル
基,エステル基,アシル基のうちのいずれかを表し、X
4 およびX11はそれぞれ水素原子,置換されてもよい以
下のアルキル基,シクロアルキル基,アルケニル基,ア
ラルキル基,アリール基,複素環基のうちのいずれかを
表し、X7 およびX8 はそれぞれ水素原子,ハロゲン原
子,ニトロ基,置換されてもよい以下のアルキル基,ア
ルコキシ基のうちのいずれかを表し、X9 は置換されて
もよい以下のアルキル基,アリール基,カルボキシル
基,エステル基のうちのいずれかを表し、X10は置換さ
れてもよい以下のアリール基,複素環基のうちのいずれ
かを表し、Yは芳香族環を形成する残基を表す。また、
7 とX8 は環を形成してもよい。] また、半導体レーザー光のような長波長光を露光光とす
るプリンターなどに用いられる感光体においては、電荷
発生物質として金属フタロシアニンまたは無金属フタロ
シアニンのうちの少なくとも一種を用いると好適であ
る。
【0013】前記一般式(I)または(II)に示され
るトリフェニルアミン誘導体は、通常の方法により合成
することができる。前記一般式(I)で示される化合物
は、例えば、下記一般式(XI)で示されるアルデヒド
類と下記一般式(XII)で示される化合物類とをアル
カリ存在下適当な有機溶媒(例えば、ジメチルホルムア
ミド,ジメトキシエタンなど)中で反応させることによ
り容易に合成できる。
【0014】
【化7】 こうして得られる前記一般式(I)で示されるトリフェ
ニルアミン誘導体の具体例としては下記のものが挙げら
れる。
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】 また、前記一般式(II)で示される化合物は、例え
ば、下記一般式(XIII)で示されるアルデヒド類と
下記一般式(XIV)で示される試薬とをアルカリ存在
下適当な有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド,ジ
メトキシエタンなど)中で反応させることにより容易に
合成できる。
【0018】
【化11】 こうして得られる前記一般式(II)で示されるトリフ
ェニルアミン誘導体の具体例としては下記のものが挙げ
られる。
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】 また、この発明に用いられる前記一般式(III)また
は(IV)で示されるビスアゾ化合物における前記一般
式(V)ないし(X)で示されるカップラー残基の具体
例としては下記のものが挙げられる。
【0021】
【化14】
【0022】
【発明の実施の形態】この発明に係わる感光体は、前述
のように一般式(I)または(II)で示したトリフェ
ニルアミン誘導体を感光層中に含有するものであり、種
々の構成の感光体が挙げられる。図1,図2および図3
に、この発明に係わる感光体の構成例の模式的断面図を
示す。
【0023】図1は、導電性基体1上に電荷発生物質3
1と電荷輸送物質41としてのトリフェニルアミン誘導
体とを樹脂バインダー中に分散した感光層2aが設けら
れた構成の感光体であり、通常、単層型感光体と称せら
れ、正帯電で使用される。図2および図3は、通常、機
能分離積層型感光体と称されるものである。図2は、導
電性基体1上に電荷発生物質31を含む電荷発生層3,
電荷輸送物質41を含む電荷輸送層4が順次積層された
感光層2bが設けられた構成の感光体であり、通常、負
帯電で用いられる。
【0024】図3は、導電性基体1上に、図2とは逆
に、電荷輸送物質41を含む電荷輸送層4,電荷発生物
質31を含む電荷発生層3が順次積層された感光層2c
が設けられた構成の感光体であり、通常、正帯電で用い
られる。この場合には、電荷発生層3を保護するために
さらに被覆層5を設けるのが一般的である。図1の感光
体は、電荷発生物質31を電荷輸送物質41および樹脂
バインダーを溶解した溶液中に分散させ、この分散液を
導電性基体1上に塗布し乾燥して感光層2aを形成する
ことによって作製される。
【0025】図2の感光体は、導電性基体上1に、電荷
発生物質31を真空蒸着して,あるいは電荷発生物質3
1を樹脂バインダーを溶解した溶液中に分散させた分散
液を塗布し乾燥して電荷発生層3を形成し、その上に、
電荷輸送物質41および樹脂バインダーを溶解した溶液
を塗布し乾燥して電荷輸送層4を形成して感光層2bを
形成することにより作製される。
【0026】図3の感光体は、導電性基体1上に、電荷
輸送物質41および樹脂バインダーを溶解した溶液を塗
布し乾燥して電荷輸送層4を形成し、その上に、電荷発
生物質31を真空蒸着して,あるいは電荷発生物質31
を樹脂バインダーを溶解した溶液中に分散させた分散液
を塗布し乾燥して電荷発生層3を形成して感光層2cを
形成し、さらにその上に、被覆層5を塗布形成すること
により作製される。
【0027】ここで、図2および図3に示すような2種
類の層構成の感光体とする理由は、電荷輸送物質として
この発明に係わる前記一般式(I)または(II)に示
すトリフェニルアミン誘導体を用いた場合、図2の構成
の感光体は負帯電で良好に機能するが正帯電では有効に
機能せず、図2の構成とは電荷発生層,電荷輸送層の順
序が逆転している図3の構成とすることにより正帯電で
良好に機能するようになるためである。
【0028】導電性基体1は、感光体の電極としての役
目と同時に感光体を構成する各層の支持体となってお
り、円筒状,板状,フィルム状いずれの形状でもよく、
材質的にはアルミニウム,ステンレス鋼,ニッケルなど
の金属、あるいはガラス,樹脂などの上に導電処理を施
したものなどが用いられる。電荷発生層3は、光を受容
して電荷キャリアを発生するが、その電荷キャリア発生
効率が高いことと同時に、発生した電荷キャリアの電荷
輸送層4への注入性が重要で、電場依存性が少なく低電
場でも注入の良いことが望ましい。電荷発生層は、前述
のように、電荷発生物質を真空蒸着するか、あるいは、
電荷発生物質を樹脂バインダーを溶解した溶液に分散さ
せた分散液を塗布することにより形成される。電荷発生
物質としては、無金属フタロシアニン,チタニルフタロ
シアニンなどのフタロシアニン化合物、各種アゾ化合
物,キノン化合物,インジゴ化合物,シアニン化合物,
スクアリリウム化合物,アズレニウム化合物,ピリリウ
ム化合物などの顔料や染料、あるいはセレンまたはセレ
ン化合物などを用いることができ、画像形成に用いられ
る露光光の光波長に応じて好適な物質が選ばれる。この
発明に係わる電荷輸送物質と組み合わせて好適な電荷発
生物質としては、半導体レーザー光などの長波長光を露
光光とするプリンター用としては無金属フタロシアニン
や金属フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物が挙
げられ、白色光を露光光とする複写機用としては、アゾ
化合物,スクアリリウム化合物が挙げられる。樹脂バイ
ンダーとしては、ポリカーボネート,ポリエステル,ポ
リアミド,ポリウレタン,塩化ビニル,フェノキシ樹
脂,ポリビニルブチラール,ジアリルフタレート樹脂,
メタクリル酸エステルの重合体および共重合体などを、
単独で、または適宜組み合わせて混合して用いることが
できる。電荷発生層は電荷キャリア発生機能を有すれば
よいので、その膜厚は電荷発生物質の光吸収係数により
決まり、一般的には5μm以下とされ、好適には1μm
以下とされる。電荷発生層は電荷発生物質を必須の主要
物質とするが、これに電荷輸送物質などを添加してもよ
い。
【0029】電荷輸送層4は、樹脂バインダー中にこの
発明に係わる前記一般式(I)または(II)で示され
るトリフェニルアミン誘導体を含有させた塗布膜からな
り、暗所では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光
受容時には電荷発生層から注入される電荷キャリアを輸
送する機能を有する。樹脂バインダーとしては、ポリカ
ーボネート,ポリエステル,ポリスチレン,メタクリル
酸エステルの重合体および共重合体などを用いることが
できる。電荷輸送層は、暗所で画像形成に必要な感光体
表面電位を保持し得る膜厚が必要とされ、一般的には約
10μm〜40μmとされ、好適には15μm〜30μ
mとされる。なお、感光体を使用する際に障害となるオ
ゾン劣化などを防止する目的で、電荷輸送層にアミン
系,フェノール系,硫黄系,亜リン酸エステル系,リン
系などの酸化防止剤を含有させることも可能である。
【0030】被覆層5は、電荷発生層3を保護するため
に設けられるもので、暗所ではコロナ放電などによる電
荷を受容して保持する機能を有しており、かつ、電荷発
生層が感応する光を透過する性能を有し、露光時に光を
透過して電荷発生層に到達させ、発生した電荷キャリア
の注入を受けてそれを表面に輸送して表面電荷を中和消
滅させることが必要である。被覆層の材料としては、ポ
リエステル,ポリアミドなどの有機絶縁性被膜形成材料
が適用できる。また、これらの有機材料とガラス樹脂,
SiO2 などの無機材料、さらには金属,金属酸化物な
どの電気抵抗を低減させる材料を適宜混合して用いるこ
とができる。被覆層材料は前述のとおり電荷発生物質の
光の吸収極大の波長領域においてできるだけ透明である
ことが望ましい。被覆層の膜厚はその材料の配合組成に
も依存するが、感光体を繰り返し連続使用したとき残留
電位が増大するなどの悪影響が生じない範囲で任意に設
定できる。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。 実施例1 X型無金属フタロシアニン(H2 Pc)50重量部と前
記化合物(I−1)で示されるトリフェニルアミン誘導
体100重量部とポリエステル樹脂(東洋紡績(株)
製;商品名「バイロン200」)100重量部とをテト
ラヒドロフラン(THF)とともに混練機により3時間
混練して塗布液を調製した。この塗布液を、導電性基体
としてのアルミニウム蒸着ポリエステルフィルム(Al
−PET)上にワイヤーバー法で塗布し乾燥して、乾燥
後の膜厚約20μmの感光層を形成して、図1に示した
構成の感光体を作製した。
【0032】実施例2 電荷輸送物質としての前記化合物(II−1)で示され
るトリフェニルアミン誘導体80重量部とバインダーと
してのポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製;商品
名「パンライトL−1225」)100重量部を塩化メ
チレンに溶解した塗布液を、導電性基体としてのAl−
PET上にワイヤーバー法で塗布し乾燥して、乾燥後の
膜厚約20μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送
層上に、ボールミルで150時間粉砕処理したチタニル
フタロシアニン(TiOPc)50重量部とポリエステ
ル樹脂(東洋紡績(株)製;商品名「バイロン20
0」)50重量部とをTHFとともに混練機により3時
間混練して調製した塗布液をワイヤーバー法で塗布し乾
燥して、乾燥後の膜厚約1μmの電荷発生層を形成して
感光層とした。続いて、その上にポリアミド樹脂を主要
成分とする被覆層を設けて、図3に示した構成の感光体
を作製した。
【0033】実施例3 実施例2において、電荷輸送物質としての前記化合物
(II−1)を前記化合物(I−2)に代え、電荷発生
物質としてのTiOPcを前記一般式(III)で示さ
れるビスアゾ化合物に代え、その他は実施例2と同様に
して感光体を作製した。
【0034】このようにして得られた各感光体を半導体
レーザービームプリンターを模擬した試験機に取り付け
てその電子写真特性を測定した。感光体表面を暗所で放
電電圧+6.0kV,10秒間のコロナ放電を行って正
帯電したときの表面電圧VS を測定する。続いて、コロ
ナ放電を中止した状態で2秒間暗所に保持したときの表
面電位VD を測定する。さらに続いて感光体表面に照度
2ルックスの白色光を照射してVD が1/2に減衰する
までの時間を測定して半減衰露光量E1/2 を求める。さ
らに、この光を10秒間照射したときの表面の残留電位
R を測定する。
【0035】また、実施例1および2の感光体について
は長波長光での高感度が期待できるので、波長780n
mの単色光による感度も測定する。すなわち、VD まで
は上述のようにして測定し、つぎに、白色光の代わりに
波長780nm,1μWの単色光を照射して半減衰露光
量を求め、さらに、この光を10秒間照射したときの表
面の残留電位VR を測定する。
【0036】これらの測定結果のうち、表面電圧VS
半減衰露光量E1/2 の測定結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 表1に見られるように、各感光体とも表面電圧VS ,半
減衰露光量E1/2 ともに互いに遜色なく、良好な特性で
あった。また、実施例1および2の感光体は、波長78
0nmの長波長光でも高感度を示し、半導体レーザービ
ームプリンター用として充分使用可能であることが判
る。
【0038】さらに、上述のような帯電,露光を100
0回繰り返したときの特性変動を評価したが、表面電圧
S の変化は40V以下であり、また、半減衰露光量E
1/2の変化もほとんど無く安定であった。 実施例4 アルミニウム合金を押し出し加工し、外周表面に干渉防
止のための凹凸加工を施した、外径30mm,肉厚1.
0mm,長さ260mmのドラムをトリクレンを用いて
超音波洗浄し、界面活性剤入りアルカリ性洗浄液を滴下
しながらスポンジでドラム外周表面を擦り洗浄した後、
温度80℃の温純水で超音波洗浄し、乾燥して導電性基
体とする。
【0039】この基体外周面上に、X型無金属フタロシ
アニン50重量部,塩化ビニル共重合体(日本ゼオン
(株)製;商品名「MR−110」)50重量部を塩化
メチレンとともに混合機で3時間混練して調製した塗布
液を浸漬塗布し乾燥して、膜厚約2μmの電荷発生層を
形成した。この電荷発生層上に、前記化合物(I−4)
で示されるトリフェニルアミン誘導体100重量部,ビ
スフェノールA型−ビフェニル共重合ポリカーボネート
樹脂(出光興産(株)製;商品名「BP−PC」)10
0重量部,シリコンオイル0.1重量部を塩化メチレン
と混合して調製した塗布液を浸漬塗布し乾燥して、膜厚
約20μmの電荷輸送層を形成して感光層とし、図2に
示した構成の感光体を作製した。
【0040】この感光体の電子写真特性をコロナ放電電
圧を−6kVに変え、その他は実施例1準じて測定し
た。なお、照射光は波長780nmの単色光とした。測
定結果のうち、表面電圧VS ,半減衰露光量E1/2 の測
定結果を表2に示す。 実施例5 実施例4において、電荷発生物質を無金属フタロシアニ
ンから前記一般式(III)で示されるビスアゾ顔料に
代えたこと以外は、実施例4と同様にして感光体を作製
した。
【0041】実施例6 実施例4において、電荷発生物質を無金属フタロシアニ
ンから前記一般式(III)で示されるビスアゾ顔料に
代え、電荷輸送物質を前記化合物(II−5)で示され
るトリフェニルアミン誘導体に代えたこと以外は、実施
例4と同様にして感光体を作製した。
【0042】実施例7 実施例4において、電荷発生物質を無金属フタロシアニ
ンから前記一般式(IV)で示されるビスアゾ顔料に代
え、電荷輸送物質を前記化合物(I−7)で示されるト
リフェニルアミン誘導体に代えたこと以外は、実施例4
と同様にして感光体を作製した。
【0043】実施例8 実施例4において、電荷発生物質を無金属フタロシアニ
ンから前記一般式(IV)で示されるビスアゾ顔料に代
え、電荷輸送物質を前記化合物(II−8)で示される
トリフェニルアミン誘導体に代えたこと以外は、実施例
4と同様にして感光体を作製した。
【0044】このようにして作製した実施例5〜8の各
感光体の電子写真特性をコロナ放電電圧を−6kVに変
え、その他は実施例1に準じて測定した。なお、照射光
は白色光とする。測定結果のうち、表面電圧VS ,半減
衰露光量E1/2 の測定結果を表2に示す。
【0045】
【表2】 表2に見られるように、各感光体とも負帯電で良好な表
面電位を示し、実施例4の感光体は波長780nmの光
に高感度で、半導体レーザービームプリンターに充分使
用可能であり、実施例5〜8の各感光体はともに白色光
に高感度で、複写機用として充分使用可能であることが
判る。
【0046】
【発明の効果】この発明によれば、電荷輸送物質として
前記一般式(I)または(II)で示されるトリフェニ
ルアミン誘導体を用いることにより、正帯電,あるいは
負帯電において、帯電能に優れ,高感度で,しかも連続
繰り返し使用においても特性の安定な感光体を得ること
が可能となる。そうして、組み合わせて使用する電荷発
生物質を露光光に対応して適切に選ぶことにより、種々
の用途の電子写真応用装置に好適な感光体を得ることが
できる。例えば、電荷発生物質としてフタロシアニン化
合物を用いることにより半導体レーザービームプリンタ
ーに使用可能な感光体が得られ、アゾ化合物やスクアリ
ウム化合物を用いることにより白色光を露光光とする複
写機に好適な感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる感光体の一構成例の模式的断
面図
【図2】この発明に係わる感光体の異なる構成例の模式
的断面図
【図3】この発明に係わる感光体のさらに異なる構成例
の模式的断面図
【符号の説明】
1 導電性基体 2a,2b,2c 感光層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 被覆層 31 電荷発生物質 41 電荷輸送物質

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に感光層を備えてなる電子写
    真感光体において、感光層が電荷輸送物質として下記一
    般式(I)または(II)で示されるトリフェニルアミ
    ン誘導体のうちの少なくとも一種を含むことを特徴とす
    る電子写真感光体。 【化1】 [式(I)および(II)中、R1 〜R21はそれぞれ水
    素原子,ハロゲン原子,アルキル基,シアノ基,アミド
    基,アルコキシ基,フェノキシ基,アリル基,アリール
    基,複素環基のうちのいずれかを表し、そのうちアリル
    基,アリール基,複素環基は置換基を有してもよい。ま
    た、R1 とR2 ,R3 とR4 ,R5 とR6,R8
    9 ,R10とR11,R12とR13,R14とR15,R17とR
    18,R20とR21は環を形成してもよい。]
  2. 【請求項2】感光層が、電荷発生物質として、下記一般
    式(III)または(IV)で示される化合物のうちの
    少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1記
    載の電子写真感光体。 【化2】 [式(III)および(IV)中、Aはカップラー残基
    を表す。]
  3. 【請求項3】A(カップラー残基)が下記一般式(V)
    〜(X)で示されることを特徴とする請求項2記載の電
    子写真感光体。 【化3】 [式(V)〜(X)中、Zはベンゼン環と縮合して芳香
    族環あるいは芳香族複素環を形成する残基、X1 は水素
    原子,COOR,CONR' ''(R,R' およびR''
    は、それぞれ水素原子,置換されてもよい以下のアルキ
    ル基,アリール基,複素環基のうちのいずれかを表す)
    のうちのいずれかを表し、X2 およびX5はそれぞれ置
    換されてもよい以下のアルキル基,アリール基,複素環
    基のうちのいずれかを表し、X3 およびX6 はそれぞれ
    水素原子,シアノ基,カルバモイル基,カルボキシル
    基,エステル基,アシル基のうちのいずれかを表し、X
    4 およびX11はそれぞれ水素原子,置換されてもよい以
    下のアルキル基,シクロアルキル基,アルケニル基,ア
    ラルキル基,アリール基,複素環基のうちのいずれかを
    表し、X7 およびX8 はそれぞれ水素原子,ハロゲン原
    子,ニトロ基,置換されてもよい以下のアルキル基,ア
    ルコキシ基のうちのいずれかを表し、X9 は置換されて
    もよい以下のアルキル基,アリール基,カルボキシル
    基,エステル基のうちのいずれかを表し、X10は置換さ
    れてもよい以下のアリール基,複素環基のうちのいずれ
    かを表し、Yは芳香族環を形成する残基を表す。また、
    7 とX8 は環を形成してもよい。]
  4. 【請求項4】感光層が、電荷発生物質として金属フタロ
    シアニンまたは無金属フタロシアニンのうちの少なくと
    も一種を含有することを特徴とする請求項1記載の電子
    写真感光体。
JP19680796A 1996-07-26 1996-07-26 電子写真感光体 Expired - Fee Related JP3575173B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19680796A JP3575173B2 (ja) 1996-07-26 1996-07-26 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19680796A JP3575173B2 (ja) 1996-07-26 1996-07-26 電子写真感光体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1039528A true JPH1039528A (ja) 1998-02-13
JP3575173B2 JP3575173B2 (ja) 2004-10-13

Family

ID=16363983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19680796A Expired - Fee Related JP3575173B2 (ja) 1996-07-26 1996-07-26 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3575173B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3575173B2 (ja) 2004-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3717320B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3666262B2 (ja) 電子写真用感光体
US6268095B1 (en) Photoconductor for electrophotography
JPH04119360A (ja) 電子写真用感光体
JP3575173B2 (ja) 電子写真感光体
JPH05204175A (ja) 電子写真用感光体
JP3114394B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3006329B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH04304465A (ja) 電子写真用感光体
JP2005037476A (ja) 電子写真用感光体
JP2001215742A (ja) 電子写真用感光体
JP2817807B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH09134021A (ja) 電子写真用感光体
JPH1184695A (ja) 電子写真用感光体
JPH05158260A (ja) 電子写真感光体
JP2002221809A (ja) 電子写真用感光体
JP3346411B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2000242009A (ja) 電子写真用感光体
JPH10232502A (ja) 電子写真用感光体
JP2000330306A (ja) 電子写真用感光体
JPH10207094A (ja) 電子写真用感光体
JPH0683084A (ja) 電子写真用感光体
JPH0756370A (ja) 電子写真用感光体
JPH05323641A (ja) 電子写真感光体
JP2000258936A (ja) 電子写真用感光体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110716

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110716

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110716

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110716

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120716

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120716

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees