JPH10207094A - 電子写真用感光体 - Google Patents
電子写真用感光体Info
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- JPH10207094A JPH10207094A JP616097A JP616097A JPH10207094A JP H10207094 A JPH10207094 A JP H10207094A JP 616097 A JP616097 A JP 616097A JP 616097 A JP616097 A JP 616097A JP H10207094 A JPH10207094 A JP H10207094A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高感度で繰り返し特性の優れた複写機用およ
びプリンター用の電子写真用感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に感光層を有し、該感光層
は下記一般式(I)、 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は夫々水素原子、
ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、また
はアリール基)で示されるヒドラゾン誘導体のうちの少
なくとも一種を電荷輸送物質として含む電子写真用感光
体である。
びプリンター用の電子写真用感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に感光層を有し、該感光層
は下記一般式(I)、 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は夫々水素原子、
ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、また
はアリール基)で示されるヒドラゾン誘導体のうちの少
なくとも一種を電荷輸送物質として含む電子写真用感光
体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用感光体
に関し、詳しくは、電荷輸送物質として特定の有機材料
を用いたことで高感度で繰り返し特性に優れた複写機用
およびプリンタ用の電子写真用感光体に関する。
に関し、詳しくは、電荷輸送物質として特定の有機材料
を用いたことで高感度で繰り返し特性に優れた複写機用
およびプリンタ用の電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子写真用感光体(以下、感光
体とも称する)の感光材料としてはセレンまたはセレン
合金などの無機光導電性物質、酸化亜鉛あるいは硫化カ
ドミウムなどの無機光導電性物質を樹脂結着剤中に分散
させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたはポリ
ビニルアントラセンなどの有機光導電性物質、フタロシ
アニン化合物あるいはビスアゾ化合物などの有機光導電
性物質を樹脂結着剤中に分散させたものや真空蒸着させ
たものなどが利用されている。
体とも称する)の感光材料としてはセレンまたはセレン
合金などの無機光導電性物質、酸化亜鉛あるいは硫化カ
ドミウムなどの無機光導電性物質を樹脂結着剤中に分散
させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたはポリ
ビニルアントラセンなどの有機光導電性物質、フタロシ
アニン化合物あるいはビスアゾ化合物などの有機光導電
性物質を樹脂結着剤中に分散させたものや真空蒸着させ
たものなどが利用されている。
【0003】また、感光体には暗所で表面電荷を保持す
る機能、光を受容して電荷を発生する機能、同じく光を
受容して電荷を輸送する機能とが必要であるが、一つの
層でこれらの機能をあわせもったいわゆる単層型感光体
と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電荷
の保持と光受容時の電荷輸送に寄与する層とに機能分離
した層を積層したいわゆる積層型感光体がある。これら
の感光体を用いた電子写真法による画像形成には、例え
ばカールソン方式が適用される。この方式での画像形成
は暗所での感光体へのコロナ放電による帯電、帯電され
た感光体表面上への原稿の文字や絵などの静電潜像の形
成、形成された静電潜像のトナーによる現像、現像され
たトナー像の紙などの支持体への定着により行われ、ト
ナー像転写後の感光体は除電、残留トナーの除去、光除
電などを行った後、再使用に供される。
る機能、光を受容して電荷を発生する機能、同じく光を
受容して電荷を輸送する機能とが必要であるが、一つの
層でこれらの機能をあわせもったいわゆる単層型感光体
と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電荷
の保持と光受容時の電荷輸送に寄与する層とに機能分離
した層を積層したいわゆる積層型感光体がある。これら
の感光体を用いた電子写真法による画像形成には、例え
ばカールソン方式が適用される。この方式での画像形成
は暗所での感光体へのコロナ放電による帯電、帯電され
た感光体表面上への原稿の文字や絵などの静電潜像の形
成、形成された静電潜像のトナーによる現像、現像され
たトナー像の紙などの支持体への定着により行われ、ト
ナー像転写後の感光体は除電、残留トナーの除去、光除
電などを行った後、再使用に供される。
【0004】近年、可とう性、熱安定性、膜形成性など
の利点により、電荷輸送能の優れた光導電性有機化合物
の感光体への応用が数多く提案されている。例えばオキ
サジアゾール化合物としては米国時許第3189447
号明細書、ピラゾリン化合物としては特公昭59−20
23号公報、またヒドラゾン化合物としては特公昭55
−42380号公報、特開昭57−101844号公
報、特開昭54−150128号公報などにより種々の
電荷輸送材料が知られている。
の利点により、電荷輸送能の優れた光導電性有機化合物
の感光体への応用が数多く提案されている。例えばオキ
サジアゾール化合物としては米国時許第3189447
号明細書、ピラゾリン化合物としては特公昭59−20
23号公報、またヒドラゾン化合物としては特公昭55
−42380号公報、特開昭57−101844号公
報、特開昭54−150128号公報などにより種々の
電荷輸送材料が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように有機材料
は無機材料にない多くの長所を持つが、また同時に電子
写真用感光体に要求されるすべての特性を充分に満足す
るものが得られていないのが現状であり、特に高感度お
よび繰り返し連続使用時の特性に問題があった。
は無機材料にない多くの長所を持つが、また同時に電子
写真用感光体に要求されるすべての特性を充分に満足す
るものが得られていないのが現状であり、特に高感度お
よび繰り返し連続使用時の特性に問題があった。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であって、感光層に電荷輸送物質として今まで用いられ
たことのない新しい有機材料を用いることにより、高感
度で繰り返し特性の優れた複写機用およびプリンター用
の電子写真用感光体を提供することを目的とする。
であって、感光層に電荷輸送物質として今まで用いられ
たことのない新しい有機材料を用いることにより、高感
度で繰り返し特性の優れた複写機用およびプリンター用
の電子写真用感光体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第一発明の電子写真用感光体は、導電性
基体上に感光層を有し、該感光層は下記一般式(I)、 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR
7は夫々水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換
のアルキル基、アリール基を表す。)で示されるヒドラ
ゾン誘導体のうちの少なくとも一種類を電荷輸送物質と
して含むことを特徴とするものである。
めに、本発明の第一発明の電子写真用感光体は、導電性
基体上に感光層を有し、該感光層は下記一般式(I)、 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR
7は夫々水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換
のアルキル基、アリール基を表す。)で示されるヒドラ
ゾン誘導体のうちの少なくとも一種類を電荷輸送物質と
して含むことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の第二発明の電子写真用感光
体は、導電性基体上に感光層を有し、該感光層は下記一
般式(II)、 (式中、R8、R9、R10、R11、R12、
R13、R14およびR15は夫々水素原子、ハロゲン
原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基を
表す。)で示されるヒドラゾン誘導体のうちの少なくと
も一種類を電荷輸送物質として含むことを特徴とするも
のである。ここで、式(I)および(II)中の置換基である
アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8であり、またア
リール基は、好ましくはフェニル基、トリル基またはナ
フチル基である。
体は、導電性基体上に感光層を有し、該感光層は下記一
般式(II)、 (式中、R8、R9、R10、R11、R12、
R13、R14およびR15は夫々水素原子、ハロゲン
原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基を
表す。)で示されるヒドラゾン誘導体のうちの少なくと
も一種類を電荷輸送物質として含むことを特徴とするも
のである。ここで、式(I)および(II)中の置換基である
アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8であり、またア
リール基は、好ましくはフェニル基、トリル基またはナ
フチル基である。
【0009】前記一般式(I)ないし(II)で示されるヒド
ラゾン誘導体を感光層に用いた電子写真用感光体の例
は、これまでは知られていない。本発明者らは、前記目
的を達成するために各種有機材料について鋭意検討を行
い、前記一般式(I)ないし(II)で示される特定のヒドラ
ゾン誘導体を電荷輸送物質として使用すると、電荷輸送
能が大幅に改良され電子写真特性の向上に極めて有効で
あることを見出し、高感度で繰り返し特性の優れた感光
体を得るに至ったのである。
ラゾン誘導体を感光層に用いた電子写真用感光体の例
は、これまでは知られていない。本発明者らは、前記目
的を達成するために各種有機材料について鋭意検討を行
い、前記一般式(I)ないし(II)で示される特定のヒドラ
ゾン誘導体を電荷輸送物質として使用すると、電荷輸送
能が大幅に改良され電子写真特性の向上に極めて有効で
あることを見出し、高感度で繰り返し特性の優れた感光
体を得るに至ったのである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる前記一般式
(I)および(II)で示されるヒドラゾン誘導体は、通常の
方法により合成することができる。すなわち、下記一般
式(III)あるいは(V)で示されるアルデヒド類と下記一般
式(IV)あるいは(VI)で示されるヒドラジン化合物とを、
酸触媒存在下適当な有機溶媒、例えばエタノール、トル
エンなどの中で反応させることにより、合成することが
できる。
(I)および(II)で示されるヒドラゾン誘導体は、通常の
方法により合成することができる。すなわち、下記一般
式(III)あるいは(V)で示されるアルデヒド類と下記一般
式(IV)あるいは(VI)で示されるヒドラジン化合物とを、
酸触媒存在下適当な有機溶媒、例えばエタノール、トル
エンなどの中で反応させることにより、合成することが
できる。
【0011】 こうして得られる前記一般式(I)および(II)で示される
ヒドラゾン誘導体の具体例を例示すると次の通りであ
る。
ヒドラゾン誘導体の具体例を例示すると次の通りであ
る。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】以下、本発明の電子写真用感光体を図面を
参照して具体的に説明する。本発明の感光体は前述のよ
うなヒドラゾン誘導体を感光層中に含有させたものであ
るが、これらヒドラゾン誘導体の応用の仕方によって、
図1、図2あるいは図3に示したごとくに用いることが
できる。
参照して具体的に説明する。本発明の感光体は前述のよ
うなヒドラゾン誘導体を感光層中に含有させたものであ
るが、これらヒドラゾン誘導体の応用の仕方によって、
図1、図2あるいは図3に示したごとくに用いることが
できる。
【0017】図1は、本発明の一例である単層型電子写
真用感光体の模式的断面を表しており、導電性基体1上
に、電荷発生物質3と電荷輸送物質5を樹脂バインダー
中に分散した感光層20が設けられている。
真用感光体の模式的断面を表しており、導電性基体1上
に、電荷発生物質3と電荷輸送物質5を樹脂バインダー
中に分散した感光層20が設けられている。
【0018】図2は、本発明の他の一例である負帯電積
層型電子写真用感光体の模式的断面を表しており、導電
性基体1上に、電荷発生物質3を主体とする電荷発生層
4と、電荷輸送物質5を樹脂バインダーで結着した電荷
輸送層6との積層からなる感光層21が設けられてい
る。
層型電子写真用感光体の模式的断面を表しており、導電
性基体1上に、電荷発生物質3を主体とする電荷発生層
4と、電荷輸送物質5を樹脂バインダーで結着した電荷
輸送層6との積層からなる感光層21が設けられてい
る。
【0019】図3は、本発明の更に他の一例である正帯
電積層型電子写真用感光体の模式的断面を表しており、
図2に示す感光体の逆の層構成の感光層22が導電性基
体1上に設けられている。この場合には、電荷発生層4
を保護するため、感光層22の上にさらに被覆層7を設
けるのが一般的である。
電積層型電子写真用感光体の模式的断面を表しており、
図2に示す感光体の逆の層構成の感光層22が導電性基
体1上に設けられている。この場合には、電荷発生層4
を保護するため、感光層22の上にさらに被覆層7を設
けるのが一般的である。
【0020】図2および図3に示す2種類の層構成の感
光体が存在する理由は、負帯電方式として通常用いられ
る図2に示す層構成の感光体を正帯電方式で用いようと
しても、これに適合する電荷輸送物質が見つかっておら
ず、したがって、正帯電方式の感光体としては現段階で
は図3に示す層構成が必要なためである。
光体が存在する理由は、負帯電方式として通常用いられ
る図2に示す層構成の感光体を正帯電方式で用いようと
しても、これに適合する電荷輸送物質が見つかっておら
ず、したがって、正帯電方式の感光体としては現段階で
は図3に示す層構成が必要なためである。
【0021】図1に示す単層型感光体は、電荷発生物質
を電荷輸送物質および樹脂バインダーを溶解した溶液中
に分散せしめ、この分散液を導電性基体上に塗布するこ
とによって作製できる。
を電荷輸送物質および樹脂バインダーを溶解した溶液中
に分散せしめ、この分散液を導電性基体上に塗布するこ
とによって作製できる。
【0022】図2に示す負帯電積層型感光体は、導電性
基体上に電荷発生物質の粒子を溶剤または樹脂バインダ
ー中に分散して得た分散液を塗布、乾燥し、その上に電
荷輸送物質および樹脂バインダーを溶解した溶液を塗
布、乾燥することにより作製できる。
基体上に電荷発生物質の粒子を溶剤または樹脂バインダ
ー中に分散して得た分散液を塗布、乾燥し、その上に電
荷輸送物質および樹脂バインダーを溶解した溶液を塗
布、乾燥することにより作製できる。
【0023】図3に示す正帯電積層型感光体は、電荷輸
送物質および樹脂バインダーを溶解した溶液を導電性基
体上に塗布、乾燥し、その上に電荷発生物質の粒子を溶
剤または樹脂バインダー中に分散して得た分散液を塗
布、乾燥し、さらに被覆層を形成することにより作製で
きる。
送物質および樹脂バインダーを溶解した溶液を導電性基
体上に塗布、乾燥し、その上に電荷発生物質の粒子を溶
剤または樹脂バインダー中に分散して得た分散液を塗
布、乾燥し、さらに被覆層を形成することにより作製で
きる。
【0024】本発明に使用される導電性基体1は感光体
の電極としての役目と同時に他の各層の支持体となって
おり、円筒状、板状、フィルム状のいずれでもよく、材
質的にはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの
金属、あるいはガラス、樹脂などの上に導電処理をほど
こしたものでもよい。
の電極としての役目と同時に他の各層の支持体となって
おり、円筒状、板状、フィルム状のいずれでもよく、材
質的にはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの
金属、あるいはガラス、樹脂などの上に導電処理をほど
こしたものでもよい。
【0025】電荷発生層4は、前記したように電荷発生
物質3の粒子を樹脂バインダー中に分散させた材料を塗
布するか、あるいは、真空蒸着などの方法により形成さ
れ、光を受容して電荷を発生する。また、その電荷発生
効率が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層6お
よび被覆層7への注入性が重要で、電場依存性が少なく
低電場でも注入の良いことが望ましい。電荷発生物質と
しては、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニ
ンなどのフタロシアニン化合物、各種アゾ、キノン、イ
ンジゴ顔料あるいはセレンまたはセレン化合物などが用
いられ、画像形成に使用される露光光源の光波長領域に
応じて好適な物質を選ぶことができる。電荷発生層は電
荷発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発生物
質の光吸収係数より決まり一般的には5μm以下であ
り、好適には1μm以下である。電荷発生層は電荷発生
物質を主体としてこれに電荷輸送性物質などを添加して
使用することも可能である。樹脂バインダーとしては、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウ
レタン、塩化ビニル、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチ
ラール、エポキシ、ジアリルフタレート樹脂、シリコー
ン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体および共重合体
などを適宜組み合わせて使用することが可能である。
物質3の粒子を樹脂バインダー中に分散させた材料を塗
布するか、あるいは、真空蒸着などの方法により形成さ
れ、光を受容して電荷を発生する。また、その電荷発生
効率が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層6お
よび被覆層7への注入性が重要で、電場依存性が少なく
低電場でも注入の良いことが望ましい。電荷発生物質と
しては、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニ
ンなどのフタロシアニン化合物、各種アゾ、キノン、イ
ンジゴ顔料あるいはセレンまたはセレン化合物などが用
いられ、画像形成に使用される露光光源の光波長領域に
応じて好適な物質を選ぶことができる。電荷発生層は電
荷発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発生物
質の光吸収係数より決まり一般的には5μm以下であ
り、好適には1μm以下である。電荷発生層は電荷発生
物質を主体としてこれに電荷輸送性物質などを添加して
使用することも可能である。樹脂バインダーとしては、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウ
レタン、塩化ビニル、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチ
ラール、エポキシ、ジアリルフタレート樹脂、シリコー
ン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体および共重合体
などを適宜組み合わせて使用することが可能である。
【0026】電荷輸送層6は樹脂バインダー中に有機電
荷輸送性物質として、前記一般式(I)あるいは(II)で示
されるヒドラゾン誘導体を分散させた塗膜であり、暗所
では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光受容時に
は電荷発生層から注入される電荷を輸送する機能を発揮
する。樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート、ポ
リエステル、ポリスチレン、メタクリル酸エステルの重
合体および共重合体などを用いることができる。
荷輸送性物質として、前記一般式(I)あるいは(II)で示
されるヒドラゾン誘導体を分散させた塗膜であり、暗所
では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光受容時に
は電荷発生層から注入される電荷を輸送する機能を発揮
する。樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート、ポ
リエステル、ポリスチレン、メタクリル酸エステルの重
合体および共重合体などを用いることができる。
【0027】被覆層7は暗所ではコロナ放電の電荷を受
容して保持する機能を有しており、かつ電荷発生層が感
応する光を透過する性能を有し、露光時に光を透過し、
電荷発生層に到達させ、発生した電荷の注入を受けて表
面電荷を中和消滅させることが必要である。被覆材料と
しては、ポリエステル、ポリアミドなどの有機絶縁性皮
膜形成材料が適用できる。また、これら有機材料とガラ
ス樹脂、SiO2などの無機材料さらには金属、金属酸
化物などの電気抵抗を低減せしめる材料とを混同して用
いることもできる。被覆材料としては有機絶縁性皮膜形
成材料に限定されることはなくSiO2などの無機材料
さらには金属、金属酸化物などを蒸着、スパッタリング
などの方法により形成することも可能である。被覆材料
は前述の通り電荷発生物質の光の吸収極大の波長領域に
おいてできるだけ透明であることが望ましい。
容して保持する機能を有しており、かつ電荷発生層が感
応する光を透過する性能を有し、露光時に光を透過し、
電荷発生層に到達させ、発生した電荷の注入を受けて表
面電荷を中和消滅させることが必要である。被覆材料と
しては、ポリエステル、ポリアミドなどの有機絶縁性皮
膜形成材料が適用できる。また、これら有機材料とガラ
ス樹脂、SiO2などの無機材料さらには金属、金属酸
化物などの電気抵抗を低減せしめる材料とを混同して用
いることもできる。被覆材料としては有機絶縁性皮膜形
成材料に限定されることはなくSiO2などの無機材料
さらには金属、金属酸化物などを蒸着、スパッタリング
などの方法により形成することも可能である。被覆材料
は前述の通り電荷発生物質の光の吸収極大の波長領域に
おいてできるだけ透明であることが望ましい。
【0028】被覆層自体の膜厚は被覆層の配合組成にも
依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大
するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。以
下、本発明の実施例について説明する。
依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大
するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。以
下、本発明の実施例について説明する。
【0029】
実施例1 x型無金属フタロシアニン(H2Pc)50重量部と前
記化合物No.I−3で示されるヒドラゾン誘導体10
0重量部をポリエステル樹脂(商品名:バイロン20
0、東洋紡(株)製)100重量部とテトラヒドロフラ
ン(THF)溶剤とともに3時間混合機により混練して
塗布液を調製し、導電性基体であるアルミ蒸着ポリエス
テルフィルム(Al−PET)上に、ワイヤーバー法に
て塗布して、乾燥後の膜厚が20μmになるように感光
体を作製した。
記化合物No.I−3で示されるヒドラゾン誘導体10
0重量部をポリエステル樹脂(商品名:バイロン20
0、東洋紡(株)製)100重量部とテトラヒドロフラ
ン(THF)溶剤とともに3時間混合機により混練して
塗布液を調製し、導電性基体であるアルミ蒸着ポリエス
テルフィルム(Al−PET)上に、ワイヤーバー法に
て塗布して、乾燥後の膜厚が20μmになるように感光
体を作製した。
【0030】実施例2 前記化合物No.I−2で示されるヒドラゾン誘導体8
0重量部とポリカーボネート樹脂(商品名:パンライト
L−1225、帝人化成(株)製)100重量部を塩化
メチレンで溶解してできた塗液をアルミ蒸着ポリエステ
ルフィルム基体上にワイヤーバーにて塗布し、乾燥後の
膜厚が20μmになるように電荷輸送層を形成した。こ
のようにして得られた電荷輸送層上に、ボールミルによ
り150時間粉砕処理したチタニルフタロシアニン(T
iOPc)50重量部およびポリエステル樹脂(商品
名:バイロン200、東洋紡(株)製)50重量部をT
HF溶剤とともに3時間混合機により混練して調製され
た塗布液をワイヤーバーにて塗布し、乾燥後の膜厚が1
μmになるように電荷発生層を形成した。
0重量部とポリカーボネート樹脂(商品名:パンライト
L−1225、帝人化成(株)製)100重量部を塩化
メチレンで溶解してできた塗液をアルミ蒸着ポリエステ
ルフィルム基体上にワイヤーバーにて塗布し、乾燥後の
膜厚が20μmになるように電荷輸送層を形成した。こ
のようにして得られた電荷輸送層上に、ボールミルによ
り150時間粉砕処理したチタニルフタロシアニン(T
iOPc)50重量部およびポリエステル樹脂(商品
名:バイロン200、東洋紡(株)製)50重量部をT
HF溶剤とともに3時間混合機により混練して調製され
た塗布液をワイヤーバーにて塗布し、乾燥後の膜厚が1
μmになるように電荷発生層を形成した。
【0031】実施例3 実施例2において、TiOPcに替えて、例えば特開昭
47−37543号公報に示され低るようなビスアゾ顔
料であるクロロダイアンブルーを用い、また電荷輸送物
質を前記化合物No.I−1で示されるヒドラゾン化合
物に替えて、実施例2と同様に感光体を作製した。
47−37543号公報に示され低るようなビスアゾ顔
料であるクロロダイアンブルーを用い、また電荷輸送物
質を前記化合物No.I−1で示されるヒドラゾン化合
物に替えて、実施例2と同様に感光体を作製した。
【0032】このようにして得られた感光体の電子写真
特性を測定した。暗所で+4.5kVのコロナ放電を行
って感光体表面を正帯電せしめたときの初期の表面電位
をVs(V)とし、続いてコロナ放電を中止した状態で
2秒間暗所保持したときの表面電位Vd(V)を測定
し、さらに続いて感光体表面に照度2ルックスの白色光
を照射してVdが半分になるまでの時間(秒)を求め感
度(半減露光量)E1/2(lux・s)とした。ま
た、照度2ルックスの白色光を10秒間照射したときの
表面電位を残留電位Vr(V)とした。
特性を測定した。暗所で+4.5kVのコロナ放電を行
って感光体表面を正帯電せしめたときの初期の表面電位
をVs(V)とし、続いてコロナ放電を中止した状態で
2秒間暗所保持したときの表面電位Vd(V)を測定
し、さらに続いて感光体表面に照度2ルックスの白色光
を照射してVdが半分になるまでの時間(秒)を求め感
度(半減露光量)E1/2(lux・s)とした。ま
た、照度2ルックスの白色光を10秒間照射したときの
表面電位を残留電位Vr(V)とした。
【0033】また、前記実施例1および2については、
長波長光での高感度が期待できるので、波長780nm
の単色光をもちいたときの電子写真特性も同時に測定し
た。すなわち、Vdまでは同様に測定し、次に白色光の
替わりに1μWの単色光(780nm)を照射して半減
衰露光量(μJ/cm2)を求め、また、この光を10
秒間感光体表面に照射したときの残留電位にVr(ボル
ト)を測定した。測定結果を下記の表1に示す。
長波長光での高感度が期待できるので、波長780nm
の単色光をもちいたときの電子写真特性も同時に測定し
た。すなわち、Vdまでは同様に測定し、次に白色光の
替わりに1μWの単色光(780nm)を照射して半減
衰露光量(μJ/cm2)を求め、また、この光を10
秒間感光体表面に照射したときの残留電位にVr(ボル
ト)を測定した。測定結果を下記の表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1に見られるように、実施例1、2およ
び3は半減衰露光量、残留電位ともに遜色はなく、また
表面電位でも良好な特性を示している。また、実施例1
および2においては波長780nmの長波長光でも高感
度を示し、半導体レーザプリンタ用として充分使用可能
であることが判る。
び3は半減衰露光量、残留電位ともに遜色はなく、また
表面電位でも良好な特性を示している。また、実施例1
および2においては波長780nmの長波長光でも高感
度を示し、半導体レーザプリンタ用として充分使用可能
であることが判る。
【0036】実施例4 x型無金属フタロシアニン50重量部、塩化ビニル共重
合体(商品名:MR−110、日本ゼオン(株)製)5
0重量部を塩化メチレンとともに3時間混合機により混
練して塗布液を調製し、導電性基体であるアルミニウム
支持体上に、約2μmになるように塗布し、電荷発生層
を形成した。次に、化合物No.I−1で示されるヒド
ラゾン誘導体100重量部、ポリカーボネート樹脂(商
品名:PCZ200、三菱ガス化学(株)製)100重
量部、シリコーンオイル0.1重量部を塩化メチレンで
混合し、電荷発生層の上に約20μmとなるように塗布
し、電荷輸送層を形成した。このようにして得られた感
光体に対し−4.5kVのコロナ帯電を10秒間行った
後、波長780nmの単色光を用いたときの電子写真特
性を測定した。その結果、Vs=−660V、E1/2
=0.6μJ/cm2と良好な結果が得られた。
合体(商品名:MR−110、日本ゼオン(株)製)5
0重量部を塩化メチレンとともに3時間混合機により混
練して塗布液を調製し、導電性基体であるアルミニウム
支持体上に、約2μmになるように塗布し、電荷発生層
を形成した。次に、化合物No.I−1で示されるヒド
ラゾン誘導体100重量部、ポリカーボネート樹脂(商
品名:PCZ200、三菱ガス化学(株)製)100重
量部、シリコーンオイル0.1重量部を塩化メチレンで
混合し、電荷発生層の上に約20μmとなるように塗布
し、電荷輸送層を形成した。このようにして得られた感
光体に対し−4.5kVのコロナ帯電を10秒間行った
後、波長780nmの単色光を用いたときの電子写真特
性を測定した。その結果、Vs=−660V、E1/2
=0.6μJ/cm2と良好な結果が得られた。
【0037】実施例5 実施例4において、無金属フタロシアニンに替えて下記
構造式、 で示されるビスアゾ顔料を用い、また電荷輸送物質とし
て化合物No.I−5で示されるヒドラゾン誘導体10
0重量部、ポリカーボネート樹脂(商品名:BP−P
C、出光興産(株)製)100重量部、シリコーンオイ
ル0.1重量部を塩化メチレンで混合し、電荷発生層の
上に約20μmとなるように塗布し、電荷輸送層を形成
した。このようにして得られた感光体を−4.5kVの
コロナ帯電を10秒間行った後、白色光を用いたときの
電子写真特性を測定した。その結果、Vs=−720
V、E1/2=0.8lx・sと良好な結果が得られ
た。
構造式、 で示されるビスアゾ顔料を用い、また電荷輸送物質とし
て化合物No.I−5で示されるヒドラゾン誘導体10
0重量部、ポリカーボネート樹脂(商品名:BP−P
C、出光興産(株)製)100重量部、シリコーンオイ
ル0.1重量部を塩化メチレンで混合し、電荷発生層の
上に約20μmとなるように塗布し、電荷輸送層を形成
した。このようにして得られた感光体を−4.5kVの
コロナ帯電を10秒間行った後、白色光を用いたときの
電子写真特性を測定した。その結果、Vs=−720
V、E1/2=0.8lx・sと良好な結果が得られ
た。
【0038】実施例6 実施例5において、電荷発生物質を下記構造式、 で示されるビスアゾ顔料に替えて、また電荷輸送物質を
化合物No.II−1で示されるヒドラゾン誘導体に替
えて実施例5と同様に感光体を作製した。このようにし
て得られた感光体を実施例5と同様に電子写真特性を測
定した。その結果、Vs=−680V、E1/2=1.
1lx・sと良好な結果が得られた。
化合物No.II−1で示されるヒドラゾン誘導体に替
えて実施例5と同様に感光体を作製した。このようにし
て得られた感光体を実施例5と同様に電子写真特性を測
定した。その結果、Vs=−680V、E1/2=1.
1lx・sと良好な結果が得られた。
【0039】実施例7 実施例5において、電荷輸送物質を化合物No.II−2
で示されるヒドラゾン誘導体に替えて実施例5と同様に
感光体を作製した。このようにして得られた感光体を実
施例5と同様に電子写真特性を測定した。その結果、V
s=−660V、E1/2=1.3lx・sと良好な結
果が得られた。
で示されるヒドラゾン誘導体に替えて実施例5と同様に
感光体を作製した。このようにして得られた感光体を実
施例5と同様に電子写真特性を測定した。その結果、V
s=−660V、E1/2=1.3lx・sと良好な結
果が得られた。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、導電性基体上に電荷輸
送性物質として前記一般式(I)または(II)で示されるヒ
ドラゾン誘導体を用いることとしたことにより、正帯電
および負帯電においても高感度でしかも繰り返し特性の
優れた感光体を得ることができる。また、電荷発生物質
は露光光源の種類に対応して好適な物質を選ぶことがで
き、フタロシアニン化合物、ビスアゾ化合物などを用い
ることにより、半導体レーザプリンターや複写機に使用
可能な感光体を得ることができる。さらに、必要に応じ
て表面に被覆層を設置して耐久性を向上させることが可
能である。
送性物質として前記一般式(I)または(II)で示されるヒ
ドラゾン誘導体を用いることとしたことにより、正帯電
および負帯電においても高感度でしかも繰り返し特性の
優れた感光体を得ることができる。また、電荷発生物質
は露光光源の種類に対応して好適な物質を選ぶことがで
き、フタロシアニン化合物、ビスアゾ化合物などを用い
ることにより、半導体レーザプリンターや複写機に使用
可能な感光体を得ることができる。さらに、必要に応じ
て表面に被覆層を設置して耐久性を向上させることが可
能である。
【図1】 本発明の実施例に係る単層型電子写真用感光
体を示す断面図である。
体を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施例に係る負帯電型電子写真用感
光体を示す断面図である。
光体を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施例に係る正帯電型電子写真用感
光体を示す断面図である。
光体を示す断面図である。
1 導電性基体 3 電荷発生物質 4 電荷発生層 5 電荷輸送物質 6 電荷輸送層 7 被覆層 20 感光層 21 感光層 22 感光層
Claims (2)
- 【請求項1】 導電性基体上に感光層を有し、該感光層
は下記一般式(I)、 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR
7は夫々水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換
のアルキル基、またはアリール基を表す。)で示される
ヒドラゾン誘導体のうちの少なくとも一種を電荷輸送物
質として含むことを特徴とする電子写真用感光体。 - 【請求項2】 導電性基体上に感光層を有し、該感光層
は下記一般式(II)、 (式中、R8、R9、R10、R11、R12、
R13、R14およびR15は夫々水素原子、ハロゲン
原子、置換もしくは無置換のアルキル基、またはアリー
ル基を表す。)で示されるヒドラゾン誘導体のうちの少
なくとも一種を電荷輸送物質として含むことを特徴とす
る電子写真用感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP616097A JPH10207094A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP616097A JPH10207094A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 電子写真用感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10207094A true JPH10207094A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=11630785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP616097A Pending JPH10207094A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 電子写真用感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10207094A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009168890A (ja) * | 2008-01-11 | 2009-07-30 | Kyocera Mita Corp | 電子写真感光体 |
-
1997
- 1997-01-17 JP JP616097A patent/JPH10207094A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009168890A (ja) * | 2008-01-11 | 2009-07-30 | Kyocera Mita Corp | 電子写真感光体 |
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