JP3575173B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真感光体に関し、詳しくは有機材料の電荷発生物質,電荷輸送物質を含む感光層を備えてなり、電子写真方式の複写機,プリンターなどに用いられる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術を利用する複写機,プリンターに用いられる像形成部材としての電子写真感光体は、導電性基体とその上に形成される光導電性物質を含んでなる感光層とで構成される。電子写真感光体の電気特性は感光層に含まれる光導電性物質の性能に大きく左右され、このような光導電性物質の研究開発が重要であり、活発に進められている。
【0003】
光導電性物質としては、従来は、セレン,酸化亜鉛,硫化カドミウムなどの無機光導電性物質が用いられてきたが、このような無機光導電性物質を用いた無機感光体は、感光体として要求される光感度,熱安定性,耐湿性,耐久性などの特性において必ずしも満足できるものではなく、また、成膜性や可とう性が悪い,高コストといった製造上の問題を抱えている。さらに、無機光導電性物質は一般的に毒性が強いことが知られている。
【0004】
上述のような無機感光体の問題点を回避するために、種々の有機光導電性物質の感光体への適用が試みられてきた。代表的な有機感光体としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールをはじめとする各種有機光導電性ポリマーを用いた感光体が提案されたが、これらのポリマーは無機光導電性物質に比して軽量性,成膜性などの点では優れているが、感度,耐久性,環境変化における安定性,機械的強度などの点では劣るという問題があった。
【0005】
このような感光体の問題点を解決するために、感光層の電荷発生機能と電荷輸送機能をそれぞれ別個の物質に分担させて行う機能分離型の感光体が開発されている。このような機能分離型の感光体では、電荷発生機能を有する物質,いわゆる電荷発生物質と、電荷輸送機能を有する,いわゆる電荷輸送物質を個別に広範囲の物質から選択することができ、かつ、それぞれの機能を有する物質を目的に応じて選択して組み合わせて使用することにより、優れた電子写真特性を有する感光体が比較的容易に得られるという利点を有する。
【0006】
ポリ−N−ビニルカルバゾールを電荷輸送物質とし、その中に多環式芳香族炭化水素を分散させた材料を用いて単層の感光層を形成し、いわゆる単層型感光体を作製することができる。このような単層型感光体は、生産性が良く、また、正帯電で機能するので一般に負帯電するものが得られ易いトナー材料の選択の幅が広いという利点があるが、感度が充分でなく、感光層を構成する材料の選択の幅が狭い。また、感光体帯電時の表面電位が低く、繰り返し使用時の特性安定性が良くないため、有機感光体として充分な特性を有しないという問題があった。
【0007】
そのために、感光層を二分割し、電荷発生に寄与する層と暗所での表面電荷の保持と光受容時の電荷輸送に寄与する層とに機能分離した積層構造の感光体,いわゆる機能分離の積層型感光体が考案された。このような構造においては、電荷発生機能と電荷輸送機能をそれぞれ異なる層に分担させるので、それぞれの機能を有する物質をより広範囲の化合物から選択することができ、それらを組み合わせることにより、任意の特性を有する感光体が比較的容易に得られるという利点がある。そのため、感度や耐久性などの特性の向上が期待される。このような感光体として、電荷発生材料としてキナクリドン顔料を用いる感光体(特開昭47−30332号公報),キノリン系顔料を用いる感光体(特開昭49−1231号公報)、電荷輸送材料としてヒドラゾン系化合物を用いる感光体(特公昭55−42380号公報)などが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子写真感光体に要求される全ての特性を充分に満足する感光体が得られていないのが現状であり、特に、感度および繰り返し連続使用時の特性の安定性の向上が要望されている。
この発明は、上述の点に鑑みてなされたものであって、高感度で、かつ、繰り返し連続使用時の特性安定性の優れた感光体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、この発明によれば、導電性基体上に感光層を備えてなる電子写真感光体において、感光層が電荷輸送物質として下記一般式(I)または(II)で示されるトリフェニルアミン誘導体のうちの少なくとも一種を含む感光体とすることによって解決される。
【0010】
【化4】
[式(I)および(II)中、R1〜R21はそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,アルキル基,アルコキシ基のうちのいずれかを表す。]
通常の白色光を露光光源に用いる複写機用の感光体において、このような電荷輸送物質と組み合わせて用いられる電荷発生物質としては、下記一般式(III)または(IV)で示されるビスアゾ化合物のうちの少なくとも一種が好適に用いられる。
【0011】
【化5】
[式(III)および(IV)中、Aはカップラー残基を表す。]
この場合のA(カップラー残基)としては、下記一般式(V)〜(X)で示されるものが好適である。
【0012】
【化6】
[式(V)〜(X)中、Zはベンゼン環と縮合して芳香族環あるいは芳香族複素環を形成する残基、X1 は水素原子,COOR,CONR’ R’’(R,R’ およびR’’は、それぞれ水素原子,置換されてもよい以下のアルキル基,アリール基,複素環基のうちのいずれかを表す)のうちのいずれかを表し、X2 およびX5 はそれぞれ置換されてもよい以下のアルキル基,アリール基,複素環基のうちのいずれかを表し、X3 およびX6 はそれぞれ水素原子,シアノ基,カルバモイル基,カルボキシル基,エステル基,アシル基のうちのいずれかを表し、X4 およびX11はそれぞれ水素原子,置換されてもよい以下のアルキル基,シクロアルキル基,アルケニル基,アラルキル基,アリール基,複素環基のうちのいずれかを表し、X7 およびX8 はそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,ニトロ基,置換されてもよい以下のアルキル基,アルコキシ基のうちのいずれかを表し、X9 は置換されてもよい以下のアルキル基,アリール基,カルボキシル基,エステル基のうちのいずれかを表し、X10は置換されてもよい以下のアリール基,複素環基のうちのいずれかを表し、Yは芳香族環を形成する残基を表す。また、X7 とX8 は環を形成してもよい。]
また、半導体レーザー光のような長波長光を露光光とするプリンターなどに用いられる感光体においては、電荷発生物質として金属フタロシアニンまたは無金属フタロシアニンのうちの少なくとも一種を用いると好適である。
【0013】
前記一般式(I)または(II)に示されるトリフェニルアミン誘導体は、通常の方法により合成することができる。
前記一般式(I)で示される化合物は、例えば、下記一般式(XI)で示されるアルデヒド類と下記一般式(XII)で示される化合物類とをアルカリ存在下適当な有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド,ジメトキシエタンなど)中で反応させることにより容易に合成できる。
【0014】
【化7】
こうして得られる前記一般式(I)で示されるトリフェニルアミン誘導体の具体例としては下記のものが挙げられる。
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
また、前記一般式(II)で示される化合物は、例えば、下記一般式(XIII)で示されるアルデヒド類と下記一般式(XIV)で示される試薬とをアルカリ存在下適当な有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド,ジメトキシエタンなど)中で反応させることにより容易に合成できる。
【0018】
【化11】
こうして得られる前記一般式(II)で示されるトリフェニルアミン誘導体の具体例としては下記のものが挙げられる。
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
また、この発明に用いられる前記一般式(III)または(IV)で示されるビスアゾ化合物における前記一般式(V)ないし(X)で示されるカップラー残基の具体例としては下記のものが挙げられる。
【0021】
【化14】
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明に係わる感光体は、前述のように一般式(I)または(II)で示したトリフェニルアミン誘導体を感光層中に含有するものであり、種々の構成の感光体が挙げられる。
図1,図2および図3に、この発明に係わる感光体の構成例の模式的断面図を示す。
【0023】
図1は、導電性基体1上に電荷発生物質31と電荷輸送物質41としてのトリフェニルアミン誘導体とを樹脂バインダー中に分散した感光層2aが設けられた構成の感光体であり、通常、単層型感光体と称せられ、正帯電で使用される。
図2および図3は、通常、機能分離積層型感光体と称されるものである。
図2は、導電性基体1上に電荷発生物質31を含む電荷発生層3,電荷輸送物質41を含む電荷輸送層4が順次積層された感光層2bが設けられた構成の感光体であり、通常、負帯電で用いられる。
【0024】
図3は、導電性基体1上に、図2とは逆に、電荷輸送物質41を含む電荷輸送層4,電荷発生物質31を含む電荷発生層3が順次積層された感光層2cが設けられた構成の感光体であり、通常、正帯電で用いられる。この場合には、電荷発生層3を保護するためにさらに被覆層5を設けるのが一般的である。
図1の感光体は、電荷発生物質31を電荷輸送物質41および樹脂バインダーを溶解した溶液中に分散させ、この分散液を導電性基体1上に塗布し乾燥して感光層2aを形成することによって作製される。
【0025】
図2の感光体は、導電性基体上1に、電荷発生物質31を真空蒸着して,あるいは電荷発生物質31を樹脂バインダーを溶解した溶液中に分散させた分散液を塗布し乾燥して電荷発生層3を形成し、その上に、電荷輸送物質41および樹脂バインダーを溶解した溶液を塗布し乾燥して電荷輸送層4を形成して感光層2bを形成することにより作製される。
【0026】
図3の感光体は、導電性基体1上に、電荷輸送物質41および樹脂バインダーを溶解した溶液を塗布し乾燥して電荷輸送層4を形成し、その上に、電荷発生物質31を真空蒸着して,あるいは電荷発生物質31を樹脂バインダーを溶解した溶液中に分散させた分散液を塗布し乾燥して電荷発生層3を形成して感光層2cを形成し、さらにその上に、被覆層5を塗布形成することにより作製される。
【0027】
ここで、図2および図3に示すような2種類の層構成の感光体とする理由は、電荷輸送物質としてこの発明に係わる前記一般式(I)または(II)に示すトリフェニルアミン誘導体を用いた場合、図2の構成の感光体は負帯電で良好に機能するが正帯電では有効に機能せず、図2の構成とは電荷発生層,電荷輸送層の順序が逆転している図3の構成とすることにより正帯電で良好に機能するようになるためである。
【0028】
導電性基体1は、感光体の電極としての役目と同時に感光体を構成する各層の支持体となっており、円筒状,板状,フィルム状いずれの形状でもよく、材質的にはアルミニウム,ステンレス鋼,ニッケルなどの金属、あるいはガラス,樹脂などの上に導電処理を施したものなどが用いられる。
電荷発生層3は、光を受容して電荷キャリアを発生するが、その電荷キャリア発生効率が高いことと同時に、発生した電荷キャリアの電荷輸送層4への注入性が重要で、電場依存性が少なく低電場でも注入の良いことが望ましい。電荷発生層は、前述のように、電荷発生物質を真空蒸着するか、あるいは、電荷発生物質を樹脂バインダーを溶解した溶液に分散させた分散液を塗布することにより形成される。電荷発生物質としては、無金属フタロシアニン,チタニルフタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、各種アゾ化合物,キノン化合物,インジゴ化合物,シアニン化合物,スクアリリウム化合物,アズレニウム化合物,ピリリウム化合物などの顔料や染料、あるいはセレンまたはセレン化合物などを用いることができ、画像形成に用いられる露光光の光波長に応じて好適な物質が選ばれる。この発明に係わる電荷輸送物質と組み合わせて好適な電荷発生物質としては、半導体レーザー光などの長波長光を露光光とするプリンター用としては無金属フタロシアニンや金属フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物が挙げられ、白色光を露光光とする複写機用としては、アゾ化合物,スクアリリウム化合物が挙げられる。樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート,ポリエステル,ポリアミド,ポリウレタン,塩化ビニル,フェノキシ樹脂,ポリビニルブチラール,ジアリルフタレート樹脂,メタクリル酸エステルの重合体および共重合体などを、単独で、または適宜組み合わせて混合して用いることができる。電荷発生層は電荷キャリア発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発生物質の光吸収係数により決まり、一般的には5μm以下とされ、好適には1μm以下とされる。電荷発生層は電荷発生物質を必須の主要物質とするが、これに電荷輸送物質などを添加してもよい。
【0029】
電荷輸送層4は、樹脂バインダー中にこの発明に係わる前記一般式(I)または(II)で示されるトリフェニルアミン誘導体を含有させた塗布膜からなり、暗所では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光受容時には電荷発生層から注入される電荷キャリアを輸送する機能を有する。樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート,ポリエステル,ポリスチレン,メタクリル酸エステルの重合体および共重合体などを用いることができる。電荷輸送層は、暗所で画像形成に必要な感光体表面電位を保持し得る膜厚が必要とされ、一般的には約10μm〜40μmとされ、好適には15μm〜30μmとされる。なお、感光体を使用する際に障害となるオゾン劣化などを防止する目的で、電荷輸送層にアミン系,フェノール系,硫黄系,亜リン酸エステル系,リン系などの酸化防止剤を含有させることも可能である。
【0030】
被覆層5は、電荷発生層3を保護するために設けられるもので、暗所ではコロナ放電などによる電荷を受容して保持する機能を有しており、かつ、電荷発生層が感応する光を透過する性能を有し、露光時に光を透過して電荷発生層に到達させ、発生した電荷キャリアの注入を受けてそれを表面に輸送して表面電荷を中和消滅させることが必要である。被覆層の材料としては、ポリエステル,ポリアミドなどの有機絶縁性被膜形成材料が適用できる。また、これらの有機材料とガラス樹脂,SiO2 などの無機材料、さらには金属,金属酸化物などの電気抵抗を低減させる材料を適宜混合して用いることができる。被覆層材料は前述のとおり電荷発生物質の光の吸収極大の波長領域においてできるだけ透明であることが望ましい。被覆層の膜厚はその材料の配合組成にも依存するが、感光体を繰り返し連続使用したとき残留電位が増大するなどの悪影響が生じない範囲で任意に設定できる。
【0031】
【実施例】
以下、この発明の実施例について説明する。
実施例1
X型無金属フタロシアニン(H2 Pc)50重量部と前記化合物(I−1)で示されるトリフェニルアミン誘導体100重量部とポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製;商品名「バイロン200」)100重量部とをテトラヒドロフラン(THF)とともに混練機により3時間混練して塗布液を調製した。この塗布液を、導電性基体としてのアルミニウム蒸着ポリエステルフィルム(Al−PET)上にワイヤーバー法で塗布し乾燥して、乾燥後の膜厚約20μmの感光層を形成して、図1に示した構成の感光体を作製した。
【0032】
実施例2
電荷輸送物質としての前記化合物(II−1)で示されるトリフェニルアミン誘導体80重量部とバインダーとしてのポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製;商品名「パンライトL−1225」)100重量部を塩化メチレンに溶解した塗布液を、導電性基体としてのAl−PET上にワイヤーバー法で塗布し乾燥して、乾燥後の膜厚約20μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に、ボールミルで150時間粉砕処理したチタニルフタロシアニン(TiOPc)50重量部とポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製;商品名「バイロン200」)50重量部とをTHFとともに混練機により3時間混練して調製した塗布液をワイヤーバー法で塗布し乾燥して、乾燥後の膜厚約1μmの電荷発生層を形成して感光層とした。続いて、その上にポリアミド樹脂を主要成分とする被覆層を設けて、図3に示した構成の感光体を作製した。
【0033】
実施例3
実施例2において、電荷輸送物質としての前記化合物(II−1)を前記化合物(I−2)に代え、電荷発生物質としてのTiOPcを前記一般式(III)で示されるビスアゾ化合物に代え、その他は実施例2と同様にして感光体を作製した。
【0034】
このようにして得られた各感光体を半導体レーザービームプリンターを模擬した試験機に取り付けてその電子写真特性を測定した。
感光体表面を暗所で放電電圧+6.0kV,10秒間のコロナ放電を行って正帯電したときの表面電圧VS を測定する。続いて、コロナ放電を中止した状態で2秒間暗所に保持したときの表面電位VD を測定する。さらに続いて感光体表面に照度2ルックスの白色光を照射してVD が1/2に減衰するまでの時間を測定して半減衰露光量E1/2 を求める。さらに、この光を10秒間照射したときの表面の残留電位VR を測定する。
【0035】
また、実施例1および2の感光体については長波長光での高感度が期待できるので、波長780nmの単色光による感度も測定する。すなわち、VD までは上述のようにして測定し、つぎに、白色光の代わりに波長780nm,1μWの単色光を照射して半減衰露光量を求め、さらに、この光を10秒間照射したときの表面の残留電位VR を測定する。
【0036】
これらの測定結果のうち、表面電圧VS ,半減衰露光量E1/2 の測定結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
表1に見られるように、各感光体とも表面電圧VS ,半減衰露光量E1/2 ともに互いに遜色なく、良好な特性であった。また、実施例1および2の感光体は、波長780nmの長波長光でも高感度を示し、半導体レーザービームプリンター用として充分使用可能であることが判る。
【0038】
さらに、上述のような帯電,露光を1000回繰り返したときの特性変動を評価したが、表面電圧VS の変化は40V以下であり、また、半減衰露光量E1/2 の変化もほとんど無く安定であった。
実施例4
アルミニウム合金を押し出し加工し、外周表面に干渉防止のための凹凸加工を施した、外径30mm,肉厚1.0mm,長さ260mmのドラムをトリクレンを用いて超音波洗浄し、界面活性剤入りアルカリ性洗浄液を滴下しながらスポンジでドラム外周表面を擦り洗浄した後、温度80℃の温純水で超音波洗浄し、乾燥して導電性基体とする。
【0039】
この基体外周面上に、X型無金属フタロシアニン50重量部,塩化ビニル共重合体(日本ゼオン(株)製;商品名「MR−110」)50重量部を塩化メチレンとともに混合機で3時間混練して調製した塗布液を浸漬塗布し乾燥して、膜厚約2μmの電荷発生層を形成した。この電荷発生層上に、前記化合物(I−4)で示されるトリフェニルアミン誘導体100重量部,ビスフェノールA型−ビフェニル共重合ポリカーボネート樹脂(出光興産(株)製;商品名「BP−PC」)100重量部,シリコンオイル0.1重量部を塩化メチレンと混合して調製した塗布液を浸漬塗布し乾燥して、膜厚約20μmの電荷輸送層を形成して感光層とし、図2に示した構成の感光体を作製した。
【0040】
この感光体の電子写真特性をコロナ放電電圧を−6kVに変え、その他は実施例1準じて測定した。なお、照射光は波長780nmの単色光とした。測定結果のうち、表面電圧VS ,半減衰露光量E1/2 の測定結果を表2に示す。
実施例5
実施例4において、電荷発生物質を無金属フタロシアニンから前記一般式(III)で示されるビスアゾ顔料に代えたこと以外は、実施例4と同様にして感光体を作製した。
【0041】
実施例6
実施例4において、電荷発生物質を無金属フタロシアニンから前記一般式(III)で示されるビスアゾ顔料に代え、電荷輸送物質を前記化合物(II−5)で示されるトリフェニルアミン誘導体に代えたこと以外は、実施例4と同様にして感光体を作製した。
【0042】
実施例7
実施例4において、電荷発生物質を無金属フタロシアニンから前記一般式(IV)で示されるビスアゾ顔料に代え、電荷輸送物質を前記化合物(I−7)で示されるトリフェニルアミン誘導体に代えたこと以外は、実施例4と同様にして感光体を作製した。
【0043】
実施例8
実施例4において、電荷発生物質を無金属フタロシアニンから前記一般式(IV)で示されるビスアゾ顔料に代え、電荷輸送物質を前記化合物(II−8)で示されるトリフェニルアミン誘導体に代えたこと以外は、実施例4と同様にして感光体を作製した。
【0044】
このようにして作製した実施例5〜8の各感光体の電子写真特性をコロナ放電電圧を−6kVに変え、その他は実施例1に準じて測定した。なお、照射光は白色光とする。測定結果のうち、表面電圧VS ,半減衰露光量E1/2 の測定結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
表2に見られるように、各感光体とも負帯電で良好な表面電位を示し、実施例4の感光体は波長780nmの光に高感度で、半導体レーザービームプリンターに充分使用可能であり、実施例5〜8の各感光体はともに白色光に高感度で、複写機用として充分使用可能であることが判る。
【0046】
【発明の効果】
この発明によれば、電荷輸送物質として前記一般式(I)または(II)で示されるトリフェニルアミン誘導体を用いることにより、正帯電,あるいは負帯電において、帯電能に優れ,高感度で,しかも連続繰り返し使用においても特性の安定な感光体を得ることが可能となる。そうして、組み合わせて使用する電荷発生物質を露光光に対応して適切に選ぶことにより、種々の用途の電子写真応用装置に好適な感光体を得ることができる。例えば、電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を用いることにより半導体レーザービームプリンターに使用可能な感光体が得られ、アゾ化合物やスクアリウム化合物を用いることにより白色光を露光光とする複写機に好適な感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる感光体の一構成例の模式的断面図
【図2】この発明に係わる感光体の異なる構成例の模式的断面図
【図3】この発明に係わる感光体のさらに異なる構成例の模式的断面図
【符号の説明】
1 導電性基体
2a,2b,2c 感光層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 被覆層
31 電荷発生物質
41 電荷輸送物質
Claims (4)
- A(カップラー残基)が下記一般式(V)〜(X)で示されることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
- 感光層が、電荷発生物質として金属フタロシアニンまたは無金属フタロシアニンのうちの少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
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