JPH1039028A - フィルム状の試料を取扱い自動的に位置決めするための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スタックから個々のフィルム試料を取り出し
て、該フィルム試料をデンシトメータの読取孔に正確に
位置決めする装置を提供すること。 【解決手段】 第１の腕および第２の腕がスライド部材
に取り付けられている。マガジン内で水平に並設、保持
されたフィルム試料から、第１の回転腕に取り付けられ
た真空パッドにより１枚ずつ取り出される。スライド部
材が移動することにより、フィルム試料が個別に第１の
回転腕に取り付けられた真空パッドと係合してマガジン
から取り出される。第２の回転腕は第１の回転腕の回転
平面に対して垂直な平面内で回転する。第２の回転腕の
遠位の端部には挟持顎が取り付けられており、フィルム
試料がその一端部において挟持される。第２の回転腕お
よびスライド部材を作動させることにより、フィルム試
料が個別に水平なＸ−Ｙ座標内で正確に位置決めされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は一般的にフィルム試
料の取扱装置に関し、特に、放射線量測定フィルム試料
を受け取り、該フィルム試料を放射線量読取のために位
置決めする自動化装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】フィルム放射線量測定は、放射線源への
被曝を記録するために、歯科用Ｘ線フィルムに類似する
フィルム製品を用いる技術である。電離放射線に被曝す
る可能性のある人のための放射線量測定サービスの供給
業者の性能試験手順はＡｎｓｉ標準Ｎ１３．１１．に規
定されている。フィルム放射線量測定では、個々のフィ
ルム試料を取り出して、デンシトメータにより読み取る
ために正確に位置決めする。このようにして、所定期間
内において被曝した全放射線量が測定される。典型的
に、フィルムは、放射線を受ける可能性のある人が身に
つけるように形成された放射線量計（ドシメータ）内で
曝露されている。放射線量計は、フィルムに対して正確
に位置決めされフィルムへの放射線の露光を低減する種
々の材料を含んでいる。フィルム試料は、処理された後
に、低減された露光を受けた部分がデンシトメータによ
り読み取られる。次いで、このデータは、その人が放射
線量計を身につけていた期間の放射線被爆量を調べるた
めに用いられる。フィルム試料は比較的小さく、典型的
には３１ｍｍ×４１ｍｍ程度の大きさである。手操作に
て、各々のフィルム試料の正しい部分を適切に位置決め
することは非常に時間のか刈る作業である。更に、各フ
ィルム試料について生じた濃度データが正しいフィルム
試料に適用されるように注意しなければならない。

【０００３】シートまたはタグを取扱い或いは移送する
種々の装置が公知となっている。米国特許第４４１８９
０６号明細書に開示された装置は、回転式のピックアッ
プアームに取り付けられた真空カップを具備している。
真空カップは、マガジン内に解放可能に設けられた個々
のシートまたはシートのスタックを吸引するために用い
られる。ピックアップアームはピニオン集成体に取り付
けられている。このピニオン集成体は、カム制御式の磁
気シリンダによりラックに沿って駆動される。ピニオン
集成体がラックに沿って下動する間、ピックアップアー
ムはピニオン集成体のギア装置により回転する。ピニオ
ン集成体が移動を完了したとき、ピックアップアームは
１８０°回転しており、シートが真空カップから関連す
る急速割出タレットのワークホルダへ解放される。

【０００４】米国特許第４３９４０１１号明細書には、
カードまたはタグ用の自動搬送装置が開示されている。
複数のカードまたはタグがホッパ内で水平方向に並設、
保持される。タグは真空カップを有する真空アームによ
りホッパから取り出される。真空アームはスライド部材
に回転自在に取り付けられている。スライド部材を水平
に移動させるためにエアシリンダが配設されている。ホ
ッパからタグを取り出すために真空アームを直立位置に
回転させるために、エアシリンダの棒部材が後退する
と、真空アームに設けられたクランクアームのカム従動
子が停止部に係合する。次いで、タグがホッパから離間
した水平位置に移送される。

【０００５】米国特許第５０３１８９２号明細書には、
スタックからシート材などのブランク材を取り出して前
方に搬送する装置が開示されている。鉛直方に積み重ね
られたブランク材が一対のガイドの間に支持されてい
る。個々のブランク材が、吸引カップにより形成可能な
保持部材によりスタックの底部から取り出される。保持
部材はサポート部材に取り付けられている。サポート部
材はＳ字状のガイドにりより形成された経路上を移動可
能となっており、これにより、ブランク材はスタックか
ら下方へ離反するとともに、搬送部材の方へ横方向へ搬
送される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来技術は、フィルム
試料の供給源から個々のフィルム試料を取り出して、第
１の腕から方向を変えて第２の腕へ移送し、フィルム試
料をデンシトメータなどの他の装置で読取可能とする水
平面内に正確に位置決めする装置を開示していない。更
に、従来技術は、上記フィルム試料から読み取られた情
報に基づいてフィルム試料を適切なビンに自動的に廃棄
する装置を開示していない。

【０００７】従って、本発明の目的は、スタックから個
々のフィルム試料を取り出して、該フィルム試料をデン
シトメータの読取孔に正確に位置決めする装置を提供す
ることである。本発明の他の目的は、歯科用フィルム試
料の主要部分をデンシトメータ等の機器により測定でき
るようにフィルム試料を保持する装置を提供することで
ある。更に本発明の他の目的は、デンシトメータなどの
測定装置がフィルム試料の特定部分を測定可能とするフ
ィルム試料の位置決め装置を提供することである。本発
明の更なる目的は、フィルム試料の各々を同定、識別可
能な装置を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴、目的、利
点は以下の記載から容易に明らかとなる。これらの特
徴、目的利点は、マガジン内で水平に並設、保持された
フィルム試料から、第１の平面内で回転自在に設けられ
た第１の回転腕に取り付けられた真空パッドにより１枚
ずつ取り出されるようにした装置により達成される。前
記第１の腕および第２の腕がスライド部材に取り付けら
れている。スライド部材が移動することにより、フィル
ム試料が個別に第１の回転腕に取り付けられた真空パッ
ドと係合してマガジンから取り出される。フィルム試料
を取り出した後、第１の回転腕が回転し、フィルム試料
が水平面内に位置するように方向が変えられる。前記第
２の回転腕は第１の回転腕の回転平面に対して垂直な平
面内で回転する。第２の回転腕の遠位の端部には挟持顎
が取り付けられている。幾分柔軟な挟持顎を作動させる
ことによりフィルム試料がその一端部において挟持され
る。第２の回転腕およびスライド部材を作動させること
により、例えばデンシトメータによる読取などの次の操
作のために、フィルム試料が個別に水平なＸ−Ｙ座標内
で正確に位置決めされる。

【０００９】本発明の装置は、フィルム試料の各々に特
定のコード化された識別情報に関してフィルム試料を個
別に走査できるよう配設された他の装置、例えばバーコ
ードリーダと組み合わせることができる。従って、本発
明の装置は、フィルム試料の正しい位置から濃度情報を
確実に収集することができ、更に、こうして得られたデ
ータを適切にフィルム試料と関連付けることができる。
更に、本発明の第２の回転腕は、１または複数の室を有
するビンにフィルム試料を廃棄することが可能であり、
これにより、作業者は迅速にデンシトメータによる読取
が成功したフィルム試料を識別し、適切により見取られ
なかったフィルム試料または適切な識別情報を備えてい
ないフィルム試料から分別することが可能となる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１を参照すると、本発明の自動
フィルム試料位置決め装置１０の平面図が図示されてい
る。装置１０は、フレームまたはハウジング１２を具備
している。ハウジング１２内にはマガジンホルダ１４が
配設されている。マガジンホルダ１４内へマガジン１６
を手操作により装着することができる。図２、３に詳細
に図示するマガジン１６は、フィルム試料２０のスタッ
ク１８を水平に保持する。マガジン１６は、対設された
一対のガイドレール２２および一体的に形成された上壁
２３を有している。ガイドレール２２の間にはフレーム
２４が固定されている。フレーム２４は断面が概ねＵ字
状を呈しており、フィルム試料２０の大きさよりも幾分
大きな寸法を有している。フレーム２４は底壁２５と側
壁２７とを有している。マガジン１６は、更に、固定さ
れたシリンダ２６を有している。シリンダ２６はバネで
付勢された棒部材２８を収容している。棒部材２８には
ピストン部材３０が取り付けられている。棒部材２８
は、ピストン部材３０をマガジン１６の開口端３２の方
へ付勢している。突起部３４が側壁２７から内側に突き
出している。突起部３４は、スタック１８の先頭のフィ
ルム試料２０と係合して、開口端３２を通過してマガジ
ン１６からフィルム試料を個別に取出可能なように、ス
タック１８をマガジン１６内に保持する。突起部３４
は、バネで付勢される棒部材２８による力に打ち勝つ当
接面を形成し、スタック１８をマガジン１６内に水平に
保持可能な寸法を以てマガジン１６内に突き出してい
る。然しながら、突起部３４は先頭のフィルム試料２０
に吸引力が作用したときに、フィルム試料が変形して、
或いは、撓んで突起部３４から外れ、以て、装置１０が
開口端３２から個々のフィルム試料を取出可能な程度に
小さくなければならない。

【００１１】また、ハウジング１２内には、モータ３８
により駆動される直動スライダ３６（図１、４参照）が
取り付けられている。直動スライダ３６は、好ましく
は、一対の案内棒に手動自在に取り付けられたスライド
部材を有している。このスライド部材は、案内棒に沿っ
て精密に位置決め可能に移動できなければならない。こ
れは、モータ３８から延びるネジ駆動軸により達成され
る。ネジ駆動軸はスライド部材のネジ付の受承部と係合
する。本発明で使用される適当な直動スライダ３６は、
New England Affiliated Technologies 社製モデルＮ
ｏ．ＲＭＳ−４００−ＳＭである。直動スライダ３６の
可動部分（スライド部材）にはブラケット４０が取り付
けられている。ブラケット４０の一方端部にはフィルム
取出機構４２が取り付けられている。フィルム取出機構
４２は第１の腕としての回転腕４６を有するモータ４４
を具備している。回転腕４６の近位の端部がモータ４４
に取り付けられている。回転腕４６の遠位の端部には、
回転腕から突出した真空パッド４８が設けられている。
真空パッド４８は真空発生、検知装置５０に接続されて
いる。本発明で用いることのできる真空発生、検知装置
の一例はConvum Myotoku社製モデルＣＢＡ−１０ＨＲＢ
−２４ＤＣ０−ＢＤである。モータ３８により駆動され
る直動スライダ３６が作動することにより、ブラケット
４０がマガジン１６の方向へ移動して、真空パッド４８
がマガジン１６に保持されているスタック１８のフィル
ム試料２０と係合する。真空発生、検知装置５０から真
空パッド１８を通じて適用される真空により、モータ３
８がブラケット４０をマガジン１６から離反させるとマ
ガジン１６から先頭のフィルム試料２０が取り出され
る。適用される真空は、先頭のフィルム試料２０が変形
して突起部３４から外れるときに、このフィルム試料を
真空パッド４８に保持するのに十分な程度の真空圧であ
る。マガジン１６から全てのフィルム試料が取り出され
ると、真空パッド４８をピストン部材３０の端面に係合
させる（図５参照）。ピストン部材３０はボア５２を有
している。真空パッド４８がマガジン１６からフィルム
試料２０を取り出す位置に回転したとき、真空パッド４
８はボア５２と一直線上に位置する。こうして、マガジ
ン１６内に保持されていた全てのフィルム試料２０がな
くなると、真空パッド４８はシールされずにボア５２を
通じて空気を吸引するので、真空発生、検知装置５０
は、フィルム試料２０が存在しないことを検知する。こ
れにより、マガジンのホルダ１４に新しいスタック１８
が挿入されるまで、本発明の装置１０は自動運転するこ
とが可能となる。

【００１２】フィルム試料２０のスタック１８のマガジ
ン１６への装填を補助するために、ピストン部材３０は
バネにより付勢された係止機構５４を有している。係止
機構５４は、ピストン部材の両側部から突出しており、
ガイドレール２２に設けられた耳状の小片５８の小孔５
６と共働する。こうして、作業者がバネにより付勢され
た棒部材２８に対抗してピストン部材３０を手操作にて
押し込んで、係止機構５４を小孔５６と係合させること
により、ピストン部材３０が完全に後退した位置に保持
される。次いで、作業者は、複数のフィルム試料２０、
好ましくは３００枚のフィルム試料をマガジン１６に装
填可能となる。マガジン１６に装填すると、作業者は、
係止機構５４の係止力に打ち勝ってピストン部材３０を
フィルム試料の方へ手操作にて押し込むことにより、棒
部材２８がスタック１８全体を開口端３２の方へ付勢し
て、先頭のフィルム試料２０が突起部３２に押接され
る。本発明で利用できる係止機構５４はVlier Enerpac
of Burbank社から市販されている。

【００１３】図１に示すように、ブラケット４０におい
て、フィルム取出機構４２の反対側には試料位置決め機
構６０（図６から図９参照）が配設されている。試料位
置決め機構６０は、マイクロステッピングモータ６２を
具備している。モータ６２の駆動軸６４にはテーブル部
材６６が連結されている。テーブル部材６６には、複数
のボルト７０によりアームブラケット６８が取り付けら
れている。圧縮コイルバネ７２がボルト７０の各々のシ
ャンクの周囲に設けられている。アームブラケット６８
の上面には空気シリンダ７４が取り付けられている。ア
ームブラケット６８から第２の腕としての回転腕７６が
延びている。回転腕７６は概ね中空形状をしており、長
手の軸７８を有している。軸７８は、クランク８０の一
端に連結されている。クランク８０は、ピン８２により
空気シリンダ７４のピストン棒８４に連結されている。
回転腕７６の遠位の端部から固定式の下顎部８６が突き
出している。軸７８の遠位の端部には回転式の上顎部８
８が連結されている。下顎部８６は下プレート部材９０
を有している。上顎部８８は上プレート部材９２を有し
ている。上下プレート部材９２、９０は、好ましくは、
バネ鋼（１０／１０００ｉｎ厚）から形成される。下プ
レート部材９０は、下顎部８６にしっかりと取り付けら
れており、上プレート部材９２はネジ９３により上顎部
９２に回転自在に取り付けられている。これにより、フ
ィルム試料２０が上下プレート部材９２、９０の間に挟
持されたときに、上顎部８８および上プレート部材９２
が自動的に着座することが可能となる。

【００１４】ハウジング１２にはセンサ９４、９６が取
り付けられている。センサ９４、９６は、好ましくは光
学式センサである。センサ９４により、本発明の装置１
０は、ブラケット４０の直動スライダ３６に沿った直線
移動量を正確に測定可能となる。センサ９６により、本
発明の装置１０はモータ６２による回転腕７６の回転移
動量を正確に測定可能となる。

【００１５】ハウジング１２内には、また、ビン９８が
配設されている。ビン９８は、少なくとも２つの室１０
０、１０２に分割されている。室１００、１０２は、フ
ィルム試料２０を廃棄するための容器として機能する。
ビン９８は、好ましくは、ハウジング１２に着脱自在に
取り付けられており、これにより、作業者が容易に室１
００、１０２を空にすることが可能となる。

【００１６】本発明の装置１０は、マイクロプロセッサ
またはコンピュータ（図示せず）により制御されること
は言うまでもない。デジタル信号の入出力が可能で、モ
ータ、デンシトメータ、バーコードリーダを制御可能で
あれば、どのようなコンピュータであってもよい。本発
明の装置１０はコンピュータにより全ての作用を自動制
御される。ただ、装置１０およびデンシトメータの起動
時には、作業員が手操作にてフィルム試料２０をマガジ
ン１６に装填し、マガジン１６をホルダ１６に装着する
必要がある。装置１０はデンシトメータに電気的に接続
可能であり、これにより、作業員は単一のスイッチによ
り操作することが可能となる。

【００１７】フィルム試料２０を保持するマガジン１６
がマガジンホルダ１４に装着されると、装置は作用を開
始することが可能となる。このときの、フィルム取出機
構４２とマガジン１６の相対位置を図１０に示す。次い
で、本発明の装置１０は以下のように作用する。直動ス
ライダ３６がブラケット４０、および、フィルム取出機
構４２をマガジン１６の方へ移動させ、真空パッド４８
がスタック１８の先頭のフィルム試料２０と係合する
（図１１）。真空発生、検知装置５０が真空を適用し、
直動スライダ３６がブラケット４０をマガジン１６から
離反させると、フィルム取出機構４２が先頭のフィルム
試料を保持または吸引する。先頭のフィルム試料２０が
スタック１８から分離されても、このフィルム試料は真
空パッド４８上において、マガジン１６に保持されてい
たのと同じ方向にて保持される。個々のフィルム試料を
このように取り出すことにより、マガジン１６に残った
フィルム試料は、マガジン内で前進することを除いて、
その方向や位置が乱されることがない。次いで、モータ
４４により回転腕４６が９０°回転して、真空パッド４
８が鉛直上方に移動する。これにより、真空パッド４８
に保持されているフィルム試料が水平に置かれる（図１
２）。次いで、マイクロステッピングモータ６２が回転
腕７６を真空パッド４８の方に回転させる。このとき、
上顎部８８は下顎部８６から離反した開放位置に回転し
ている。回転腕７６が回転することにより、下プレート
部材９０の一部が真空パッド４８に保持されているフィ
ルム試料２０の一端部の直下に配置される。次いで、空
気シリンダ７４が作動して、上顎部８８が回転して下顎
部８６に接近し、フィルム試料の一端部が上下プレート
部材９２、９０の間に挟持される。

【００１８】図１３に詳細に示すように、個々のフィル
ム試料２０は、デンシトメータが読み取る複数の放射線
量測定領域１０４、１０６を有している。更に、フィル
ム試料２０は、全てのフィルム試料を同じ向きでマガジ
ン１６内に装填するための参照マーク１０８を有してい
る。更に、フィルム試料２０は、個々のフィルム試料を
コンピュータが識別、同定するためのコード化された情
報領域１１０を有している。情報領域１１０は、好まし
くはバーコードよりなり、本発明の装置１０はバーコー
ドリーダ１１２が組み込まれている。直動スライダ３６
を移動させながらマイクロステッピングモータ６２によ
り回転腕７６を回転させて、上下プレート部材９２、９
０の間に保持されているフィルム試料２０を移動させる
ことにより、情報領域１１０がバーコードリーダ１１２
の下を通過する。代替的に、バーコードリーダ１１２
は、フィルム試料２０が図４、１２に示すように真空パ
ッド４８により水平位置に保持されている間に情報領域
１１０を読み取るように配置してもよい。バーコードリ
ーダ１１２は、光線を破線１１３に沿って照射する（図
１２）光学スキャナである。バーコードリーダ１１２は
フィルム試料２０を識別してコンピュータに送信する。

【００１９】ハウジング１２の側壁１１６にスロットま
たは開口部１１４が設けられており、該開口部１１４を
通過して回転腕７６は突出している。こうして、フィル
ム試料２０は、ハウジング１２の外側のデンシトメータ
の読取面近傍位置に保持される。次いで、コンピュータ
が直動スライダ３６を制御し、かつ、マイクロステッピ
ングモータ６２によりフィルム試料２０が精密に位置決
めされ、放射線量測定領域１０４、１０６がデンシトメ
ータ等の適当な装置の読取孔の下側に配置される。放射
線量測定領域の各々が読み取られると、直動スライダ３
６は試料位置決め機構６０をハウジング１２内に後退さ
せ、マイクロステッピングモータ６２が回転することに
より、フィルム試料２０がビン９８の室１００、１０２
の一方に廃棄される。複数の室を用いて、デンシトメー
タにより適正に読み取られたフィルム試料を室１００、
１０２の一方に入れ、デンシトメータによる読み取りが
成功しなかったフィルム試料を室の他方に入れることに
より、フィルム試料をコンピュータで自動的に分別する
ことが可能となる。

【００２０】上述したように、回転腕７６の回転および
直動スライダ３６の並進動作により、デンシトメータの
読取面１１８の直近にフィルム試料２０が正確に位置決
めされる（図８、９参照）。フィルム試料２０が正確に
位置決めされると、デンシトメータの押圧アーム１２０
が下動してフィルム試料２０を読取面１１８に押圧す
る。フィルム試料を読取面１１８に押圧することによ
り、アームブラケット６８および回転腕７６が傾斜し
て、アームブラケット６８がテーブル部材６６から離反
する。この動作は、ボルト７０と共働する圧縮コイルバ
ネ７２により可能となり、アームブラケット６８および
回転腕７６は、図９に示すように、テーブル部材６６の
前縁端１２２を中心として回転する。前縁端１２２は回
転腕７６に対して垂直となっている。

【００２１】フィルム試料がビン９８に廃棄されると、
次のフィルム試料２０が自動的にマガジン１６から取り
出され、マガジン１６内の全てのフィルム試料２０が読
み取られるまで上述の工程が繰り返される。

【００２２】放射線量側定用フィルム試料を読み取るた
めのデンシトメータとの関連において本発明の装置１０
を説明したが、本発明の装置１０を他の種類のフィルム
試料を取り扱うために用いることもできる。例えば、例
えば、画像走査、露光、物理実験その他の操作の目的
で、本発明の装置１０により試料を取り扱うことができ
る。

【００２３】フィルム試料２０を正確に位置決めするた
めに、コンピュータは、直動スライダ３６およびマイク
ロステッピングモータ６２に必要な動作を演算する。図
１４を参照してこの演算を説明する。図１４の点Ｅは、
図１３に示すように、フィルム試料２０の２つの縁部の
延長線の交点Ｅである。点Ｄは、デンシトメータの読取
孔の位置である。Ｒは、回転腕７６の回転中心Ｏからフ
ィルム試料２０においてデンシトメータにより読み取ら
れる部分までの距離である。ＰA は、フィルム試料２０
においてデンシトメータにより読み取るべき部分の実際
の位置である。ＰR は、回転腕７６がＡR −Ａに等しい
角度回転した後の、フィルム試料２０においてデンシト
メータにより読み取られるべき部分の位置である。ここ
で、Ｘ軸は回転腕７６の回転の基準線である。更に、図
１４は、回転腕の長さおよびフィルム試料の大きさを、
点Ｅの位置が回転中心Ｏを通過するＸ軸から２８．８ｍ
ｍ（１．１１０ｉｎ）、ｙ軸から１９３．５ｍｍ（７．
６２０ｉｎ）となるように仮定している。フィルム試料
２０において読み取るべき部分の実際の位置をデンシト
メータの開口部の実際の位置の直下に移動させる。つま
り、本発明の装置１０は、先ず、Ｙ軸方向に移動させて
点ＰA をＤと一直線上に配置する。これは、回転腕７６
を回転させて、読取部分が点Ｄと一直線上にくる。つま
り、回転腕７６を回転させて、ＰA をＰR に移動させ
る。これにより読取部分がＹ方向にＹ＋ＹC 移動する。
次いで、直動スライダ３６により回転腕７６をＸR ＋Ｘ
C だけ並進移動させる。回転腕７６の回転角度および回
転腕７６の並進移動距離（ｍｍ）は以下のとおりであ
る。 Ｒ＝（（１９３．５−Ｘ）² ＋（２８．２−Ｙ）² ）^1/2 （１） Ａ＝ｓｉｎ^-1（（２８．２−Ｙ）／Ｒ） （２） ＡR ＝ｓｉｎ^-1（（２８．２＋ＹC ）／Ｒ） （３） ＸR ＝１９３．５−Ｒ×ｃｏｓ（ＡR ） （４） これらの方程式を解くことにより、コンピュータはマイ
クロステッピングモータ６２および直動スライダ３６を
駆動するモータ３８を制御し、フィルム試料２０を正確
に位置決めする。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、上述した本発明の目的
を達成するすることが可能となる。本発明は上述した実
施形態に限定されず、本発明の精神と範囲とを逸脱する
ことなく種々の改良、変形、修正が可能であることは当
業者の当然とするところである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好ましい実施形態のフィルム試料位置
決め装置の平面図である。

【図２】図１の装置のマガジンの平面図である。

【図３】図２の矢視線３−３に沿うマガジンの断面図で
ある。

【図４】図１の矢視線４−４に沿うフィルム試料位置決
め装置の断面図である。

【図５】ピストン部材の斜視図である。

【図６】フィルム試料位置決め機構の側面図であり、上
下顎部が閉鎖位置にある状態を示す図である。

【図７】フィルム試料位置決め機構の側面図であり、上
下顎部が開放位置にある状態を示す図である。

【図８】フィルム試料位置決め機構の正面図であり、フ
ィルム試料が、デンシトメータの読取面においてデンシ
トメータの読取孔の下に位置している状態を示す図であ
る。

【図９】フィルム試料位置決め機構の正面図であり、デ
ンシトメータの押圧アームが、フィルム試料をデンシト
メータの読取面に押圧している状態を示す図である。

【図１０】フィルム取出機構とマガジンおよびバーコー
ドリーダの側面図であり、フィルム取出機構がフィルム
試料を取り出す準備ができた状態を示す図である。

【図１１】フィルム取出機構とマガジンおよびバーコー
ドリーダの側面図であり、フィルム取出機構がフィルム
試料と係合した状態を示す図である。

【図１２】フィルム取出機構とマガジンおよびバーコー
ドリーダの側面図であり、バーコードリーダがバーコー
ドを読み取るための平面に配置されたフィルム試料を示
す図である。

【図１３】フィルム試料の平面図である。

【図１４】本発明のフィルム試料位置決め装置の作用を
説明するための略図である。

【符号の説明】

１０…フィルム試料位置決め装置 １２…ハウジング １４…マガジンホルダ １６…マガジン ２０…フィルム試料 ４６…回転腕（第１の腕） ４８…真空パッド ７６…回転腕（第２の腕） ８６…下顎部 ８８…上顎部 ９８…ビン １１２…バーコードリーダ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルム試料を取り扱い自動的に位置決
   めするための装置において、 第１の腕、すなわち、近位の端部と遠位の端部とを有
   し、前記近位の端部が前記第１の腕を第１の平面内で回
   転させる手段に連結されており、前記遠位の端部に源か
   らフィルム試料を捕捉するための真空パッドが取り付け
   られて成る第１の腕と、 前記第１の平面に対して概ね垂直な第２の平面内で回転
   自在に設けられた第２の腕と、 前記第２の腕の遠位の端部に取り付けられ、前記真空パ
   ッドからフィルム試料を受け取る挟持手段と、 前記第２の腕を前記第２の平面内で並進移動させる手段
   と、 前記回転腕と前記並進移動させる手段とにより、前記フ
   ィルム試料を正確に位置決めする手段とを具備する装
   置。
2. 【請求項２】 前記正確に位置決めする手段が、前記第
   ２の腕と前記並進移動させる手段とを制御するマイクロ
   プロセッサである請求項１に記載の装置。