JPH103818A - リチウムイオン伝導性固体電解質成型体 - Google Patents

リチウムイオン伝導性固体電解質成型体

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JPH103818A
JPH103818A JP8154625A JP15462596A JPH103818A JP H103818 A JPH103818 A JP H103818A JP 8154625 A JP8154625 A JP 8154625A JP 15462596 A JP15462596 A JP 15462596A JP H103818 A JPH103818 A JP H103818A
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和也 岩本
Shigeo Kondo
繁雄 近藤
Yasumasa Takeuchi
安正 竹内
Fusasumi Masaka
房澄 真坂
Katsuhiro Ishikawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いイオン伝導性と高い加工性を兼ね備えた
リチウムイオン伝導性固体電解質成型体を得る。 【解決手段】 分子内に炭素−炭素二重結合を有する重
合体に、無水硫酸または無水硫酸ー電子供与性化合物錯
体を付加反応させて得られる重合体、およびリチウムイ
オン伝導性無機固体電解質よりなるリチウムイオン伝導
性固体電解質成型体。重合体としては、無水硫酸または
無水硫酸ー電子供与性化合物錯体の付加モル数が5モル
%以上50モル%以下のものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動イオン種がリ
チウムイオンであるリチウムイオン伝導性固体電解質に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ・携帯電
話等のポータブル機器の開発にともない、その電源とし
て電池の需要は非常に大きなものとなっている。特に、
リチウム電池は、リチウムが原子量が小さく、かつイオ
ン化エネルギーが大きな物質であることから、高エネル
ギー密度を得ることができる電池として盛んに研究が行
われ、現在ではポータブル機器の電源として広範囲に用
いられるに至っている。その一方、リチウム電池の汎用
化につれて、含有活物質量の増加による内部エネルギー
の増加と、さらに電解質に用いられている可燃性物質で
ある有機溶媒の含有量の増加により、電池の安全性に対
する関心が近年クローズアップされてきた。
【0003】リチウム電池の安全性を確保するための方
法としては、有機溶媒電解質に代えて不燃性の物質であ
る固体電解質を用いることが極めて有効であり、高い安
全性を備えた全固体リチウム電池の開発が望まれてい
る。このような電池に用いられるリチウムイオン伝導性
の固体電解質としては、ハロゲン化リチウム、窒化リチ
ウム、リチウム酸素酸塩、あるいはこれらの誘導体など
が知られている。さらに、Li2S−SiS2、Li2
−P25、Li2S−B23等のリチウムイオン伝導性
硫化物非晶質固体電解質や、これらのガラスにLiIな
どのハロゲン化リチウム、Li3PO4などのリチウム塩
をドープしたリチウムイオン伝導性固体電解質は、10
-4〜10-3S/cmの高いイオン伝導性を示すことが知
られている。
【0004】これらの固体電解質は、セラミックあるい
はガラスであり、一般的に電池へ応用する際には粉砕し
た固体電解質粉末を加圧成型したペレット状として用い
られる。しかしながら、得られるペレットは、固く脆い
ものであるため、加工性に乏しく、薄型化が困難である
という問題を有していた。これら無機の固体電解質に対
して、有機物からなる固体電解質は、リチウム塩と有機
高分子化合物の溶液より溶媒を蒸発させることにより得
られることから、無機の固体電解質に比べて薄膜化が容
易であり、また得られる固体電解質薄膜も可撓性を有す
るなど加工性に富むものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機物
からなる固体電解質は、そのイオン伝導度が室温で10
-4S/cm以下の低いものであり、実用のリチウム電池
用電解質としては不十分なものであった。この問題を解
決するために、可塑剤を加えることによりイオン伝導性
を高めた高分子固体電解質の提案もなされている。しか
し、可塑剤は本来可燃性のものであり、可塑剤を加える
ことによりリチウムイオンの輸率が低下し、あるいはリ
チウム負極との反応性が低下するなどの問題が逆に発生
する。そして、可塑剤の添加如何にかかわらず、これら
有機の固体電解質は、リチウム電池用の電解質としては
十分な性能を有するものとは言い難いものであった。
【0006】この高分子固体電解質の問題点を解決し、
さらに、可撓性あるいはゴム弾性を有する固体電解質と
して、近年上記の高分子固体電解質に比べて極めて高濃
度のリチウムイオン伝導性を有する無機塩と高分子より
なる"polymer in salt"型と名付けられた新規な固体電
解質の提案がC.A.Angellらによって提案されている(C.
A. Angell, C. Liu, and E. Sanchez, Nature, vol.63
2,(1993) 137)。しかしながら、上記のAngellらによ
って提案された"polymer in salt"型の固体電解質の伝
導度は、ほとんどが10-5S/cm以下の低いものであ
り、リチウム電池用の電解質として十分なイオン伝導度
を有するものとはいえないものであった。また、無機塩
としてAlCl3−LiBr−LiClO4などの室温溶
融塩を用いた場合、高いイオン伝導性を示すものの、電
気化学的なアルミニウムの還元が生じやすく、リチウム
電池用の電解質として適したものとはいえなかった。
【0007】本発明は、以上の課題を解決し、高いイオ
ン伝導性を有し、さらに可撓性を有し加工性に優れたリ
チウムイオン伝導性固体電解質成型体を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子内に炭素
−炭素二重結合を有する重合体に、無水硫酸または無水
硫酸ー電子供与性化合物錯体を付加反応(以下、スルホ
ン化反応という)させて得られる重合体(以下、特定重
合体という)、およびリチウムイオン伝導性無機固体電
解質より新規なリチウムイオン伝導性固体電解質成型体
を得る。上記重合体としては、重合体を構成する全単量
体ユニットに対する、無水硫酸または無水硫酸ー電子供
与性化合物錯体が付加した単量体ユニットの割合、すな
わちスルホン化された単量体ユニットの割合(以下、ス
ルホン化率という)が5モル%以上50モル%以下のも
のを用いるのが好ましい。また、リチウムイオン伝導性
無機固体電解質としては、硫化物を主体とした非晶質の
ものを用いる。さらに、非晶質リチウムイオン伝導性無
機固体電解質としては、硫化リチウム、硫化ケイ素を主
体とする物質より合成されたものが好ましい。また、さ
らに電子絶縁性の構造体を含んだリチウムイオン伝導性
固体電解質成型体とする。
【0009】
【発明の実施の形態】無機のリチウムイオン伝導性固体
電解質に可撓性を付与するために、高分子化合物を混合
すると、リチウムイオン伝導性無機固体電解質粒子の表
面は、絶縁性の高分子化合物に覆われた状態となる。そ
の結果、固体電解質粒子間のイオン伝導が阻害され、得
られたリチウムイオン伝導性無機固体電解質と高分子化
合物の複合体のイオン伝導度は低いものとなる。本発明
者らは、高分子化合物として、分子内の炭素−炭素二重
結合に無水硫酸または無水硫酸ー電子供与性化合物錯体
を付加させた重合体を用いることにより、リチウムイオ
ン伝導性無機固体電解質粒子間のリチウムイオンの移動
を妨げることなく、リチウムイオン伝導性無機固体電解
質に可撓性を付与し、高い加工性のものとできることを
見いだした。以下に、リチウムイオン伝導性無機固体電
解質の加工性を向上させるための高分子化合物として、
炭素−炭素二重結合をスルホン化させてなる重合体を用
いた場合に、重合体がリチウムイオン伝導性無機固体電
解質粒子間のイオン伝導を妨げない機構について説明す
る。
【0010】化1で表される炭素−炭素二重結合を持つ
構造の側鎖を有する重合体の前記二重結合に、たとえば
無水硫酸、無水硫酸−電子供与性化合物錯体などを作用
させると重合体の側鎖はスルホン化され、例えば化2で
表されるような環状構造を有する側鎖が形成される。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】このような重合体を無機のリチウムイオン
伝導性固体電解質と反応させると、この環状構造が開環
する。その結果、リチウムイオン伝導性無機固体電解質
中のリチウムイオンと高分子化合物間には、例えば化3
中で破線で示した電気的な相互作用が生じる。
【0014】
【化3】
【0015】すなわち、リチウムイオンは、上記のよう
に側鎖に電気的に緩く束縛された状態となっており、ま
た一方、このような側鎖は熱振動によりセグメント運動
を行っている。その結果、表面に上記で示した構造が形
成されたリチウムイオン伝導性無機固体電解質同士を接
触させた場合、リチウムイオンは重合体の側鎖のセグメ
ント運動によりリチウムイオン伝導性無機固体電解質粒
子間を移動することができ、粒子間のイオン伝導を妨げ
ることなく、可撓性を付与することができる。
【0016】しかしながら、このようなスルホン化した
側鎖が重合体中に多量に存在すると、重合体のゴム弾性
が失われ、得られたリチウムイオン伝導性固体電解質成
型体の加工性が低下する。そのため、炭素−炭素二重結
合をスルホン化させてなる重合体としては、高いイオン
伝導性を示し、かつ高い加工性を有するリチウムイオン
伝導性固体電解質成型体が得られるものとして、スルホ
ン化率が、5モル%以上50モル%以下のものが特に好
ましく用いられる。また、リチウムイオンと重合体との
電気的な相互作用を効率よく形成するためには、リチウ
ムイオン伝導性無機固体電解質と重合体を混合後、熱処
理をすることが望ましい。この熱処理温度は、固体電解
質成型体に高いイオン伝導性を発現させ、しかも重合体
が分解しない温度範囲120℃〜210℃が好ましい。
【0017】本発明に用いられる特定重合体は、分子中
に炭素−炭素二重結合を有する重合体を、例えば無水硫
酸、無水硫酸−電子供与性化合物錯体などによってスル
ホン化することにより得られる。分子中に炭素−炭素二
重結合を有する重合体としては、例えば分子中に2つ以
上の炭素−炭素二重結合を有する単量体(以下、特定単
量体ともいう)よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の化合物の(共)重合体が挙げられる。特定単量体の具
体例としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,2−
ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジ
エン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘ
キサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジ
エン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、
2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−
ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタ
ジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエ
ン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、
3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロ
ブタジエン、シクロヘキサジエン、シクロペンタジエ
ン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタトリエン、ビ
ニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、プロペニ
ルノルボルネン、イソプロペニルノルボルネンなどが挙
げられ、中でも、1,3−ブタジエン、イソプレン、ジ
シクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンが好まし
い。これらの特定単量体は、単独でまたは2種類以上を
組み合わせて用いることができる。
【0018】また、特定単量体と他の単量体を併用して
得られる共重合体も使用することができる。他の単量体
の具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、ビニルメチルエチルケトン、ビニルメチルエー
テル、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、アリルアルコールなど
のビニル基含有化合物;(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリル酸グリジシルなどの(メタ)アク
リロイル基含有化合物;無水クロトン酸、無水マレイン
酸、無水フマル酸、無水イタコン酸などのモノまたはジ
カルボン酸の無水物などが挙げられる。これらの他の単
量体の使用割合には特に制限はないが、通常、98重量
%未満、好ましくは95重量%未満で用いられる。他の
単量体を98重量%以上用いると、スルホン化される炭
素−炭素二重結合が少なくなるため、十分なリチウムイ
オン伝導性を示す特定重合体が得られない場合がある。
【0019】上記(共)重合体の重合反応に使用される
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸水素、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾ
イルパーオキサイドなどのラジカル重合開始剤;アルカ
リ金属、n−ブチルリチウム、ナトリウムナフタレンな
どのアニオン系重合開始剤;硫酸、リン酸、過塩素酸、
三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四
塩化スズなどのカチオン系重合開始剤;トリエチルアル
ミニウムー四塩化チタンなどのチーグラー触媒などが挙
げられる。上記(共)重合体の重合反応においては、溶
媒を使用してもよい。使用可能な溶媒としては、例え
ば、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n
−ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼンなどの炭化水素系溶媒;エーテル、
ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶
媒、四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン化溶媒;
水などが挙げられる。
【0020】上記(共)重合体の反応は、通常−100
℃〜150℃の範囲で行われ、反応温度は、単量体、重
合開始剤および溶媒の種類によって決まる。上記(共)
重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量
で、通常、500〜5,000,000、好ましくは
1,000〜1,000,000である。重量平均分子
量が500未満では、得られる特定重合体のゴム弾性が
不十分となる場合があり、一方5,000,000以上
では、有機溶媒への溶解性が悪くなる場合がある。ま
た、上記(共)重合体の重合様式には特に制限はなく、
ランダム型、ブロック型、グラフト型、星型など種々の
構造をとることができる。好ましい(共)重合体として
は、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−イソ
プレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ジエン系共重合体およびこれらの部
分水添物が挙げられる。
【0021】本発明に用いられる特定重合体は、上記
(共)重合体中の炭素−炭素二重結合を、例えば無水硫
酸、無水硫酸−電子供与性化合物錯体などをスルホン化
剤として、スルホン化反応させることにより得られる。
ここで、電子供与性化合物としては、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジオキサン、ジブチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジメチルエーテルなどのエーテル類;ピ
リジン、ピペラジン、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミンなどのアミン類、ジメチルスル
フィド、ジエチルスルフィドなどのスルフィド類;アセ
トニトリル、エチルニトリル、プロピルニトリルなどの
ニトリル類;トリエチルホスファイト、トリブチルホス
ファイトなどのリン化合物などが挙げられ、中でもジオ
キサンが好ましい。無水硫酸、無水硫酸−電子供与性化
合物錯体などのスルホン化剤の使用量は、上記(共)重
合体を構成する全単量体ユニットに対して、通常無水硫
酸換算で1〜80モル%、好ましくは5〜50モル%で
ある。1モル%未満では、得られる特定重合体のリチウ
ムイオン伝導性が十分でない場合があり、一方、80モ
ル%を越えると、得られる特定重合体のゴム弾性が失わ
れ、リチウムイオン伝導性固体電解質成型体としたとき
の加工性が低下する場合がある。特に、高いリチウムイ
オン伝導性を示し、かつ加工性が良好であるリチウムイ
オン伝導性固体電解質成型体が得られる特定重合体とし
ては、スルホン化率が5モル%以上50モル%以下のも
のが好ましく用いられる。
【0022】上記スルホン化反応の際には、スルホン化
剤に対して不活性な溶媒を使用してもよい。使用可能な
溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロ
ロエチレンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、
ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸化硫黄、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサ
ンなどの脂肪族炭化水素;ジオキサンなどのエーテル類
が挙げられる。これらの溶媒は、単独であるいは2種類
以上を組み合わせて用いることができる。上記スルホン
化反応における反応温度は、通常−50〜100℃、好
ましくは、−30〜50℃である。−50℃未満ではス
ルホン化反応が遅くなる場合があり、一方100℃を超
えると副反応が起こり、得られる特定重合物が黒色化あ
るいは不溶化する場合がある。
【0023】このようにして得られる特定重合物は、−
SO2−O−からなる構造が、主鎖あるいは側鎖の炭素
原子と結合した環状構造をとっており、例えば化4また
は先の化2のような構造を有する。
【0024】
【化4】
【0025】また、リチウムイオン伝導性無機固体電解
質としては、高いイオン伝導性と広い電位窓を有するも
のが好ましく、これら特性を兼ね備えたものとして、硫
化物を主体とした非晶質のものが特に好ましい。さら
に、硫化物を主体としたリチウムイオン伝導性非晶質無
機固体電解質としては、硫化リチウム、硫化ケイ素を出
発材料とした場合、出発材料の蒸気圧が低いものとな
り、固体電解質合成時の出発材料の蒸散を抑えることが
できる。そのため、固体電解質の合成法を簡便なものと
することができるから、リチウムイオン伝導性非晶質無
機化合物としては、硫化リチウム、硫化ケイ素を主体と
する物質より合成されるものが特に好ましく用いられ
る。また、電子絶縁性の構造体を加えることで、さらに
リチウムイオン伝導性固体電解質成型体の機械的強度を
高めることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。以
下に説明するリチウムイオン伝導性無機固体電解質の合
成ならびにそのイオン伝導度測定は、すべて乾燥アルゴ
ン雰囲気下で行った。まず、特定重合体の合成例を説明
する。
【0027】[合成例1]1リットルのセパラブルフラ
スコに十分に脱水したジオキサン500gを入れ、フラ
スコ内の温度を10〜30℃の範囲に保ち、撹拌しなが
ら、無水硫酸32.5gを滴下して、無水硫酸−ジオキ
サン錯体を得た。3リットルのセパラブルフラスコに、
重量平均分子量200,000のイソプレン−スチレン
共重合体(イソプレン/スチレン=70/30(モル
比))80gを入れ、十分に脱水したジオキサン800
gを加えて、共重合体を溶解させて、上記無水硫酸−ジ
オキサン錯体を加え、25℃で2時間スルホン化反応さ
せて特定重合体(S−1)を得た。元素分析によりスル
ホン化された単量体ユニットの量を求め、スルホン化率
を算出したところ、40%であった。
【0028】[合成例2〜18]表1に記載した通り
に、共重合体の種類および無水硫酸の使用量を変更した
以外は、合成例1と同様にして特定重合体を得、スルホ
ン化率を算出した。結果を表1に併せて示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1において、略号はそれぞれ以下のもの
を表す。 IP:イソプレン、ST:スチレン、BD:ブタジエ
ン、ET:エチレン、PP:プロピレン、DCP:ジシ
クロペンタジエン。
【0031】以下に示す各実施例と、使用される特定重
合体の番号の対応は表2に示す通りである。
【0032】
【表2】
【0033】《実施例1》リチウムイオン伝導性無機固
体電解質として0.6Li2S−0.4SiS2で表され
る硫化物ガラスを、また特定重合体としてスルホン化し
たイソプレン−スチレンランダム共重合体(S−1)を
それぞれ用い、リチウムイオン伝導性固体電解質成型体
を得た。以下にその詳細を示す。まず、リチウムイオン
伝導性無機固体電解質として、以下の方法で0.6Li
2S−0.4SiS2で表されるリチウムイオン伝導性非
晶質固体電解質を合成した。硫化リチウム(Li2S)
と硫化ケイ素(SiS2)をモル比で3:2の割合で混
合し、その混合物をガラス状カーボンの坩堝中に入れ
た。その坩堝を縦型炉中に入れ、アルゴン気流中で95
0℃まで加熱し、混合物を溶融状態とした。2時間加熱
の後、坩堝を液体窒素中に落とし込み急冷し、0.6L
2S−0.4SiS2で表されるリチウムイオン伝導性
非晶質固体電解質を得た。
【0034】このようにして得たリチウムイオン伝導性
非晶質固体電解質と特定重合体(S−1)より下記の方
法でリチウムイオン伝導性固体電解質成型体を得た。ま
ず、上記で得た固体電解質を350メッシュ以下に粉砕
した。この固体電解質粉末に(S−1)のジオキサン溶
液を加え、十分に混練し、スラリー状とした。なお混練
時の混合比は、イソプレン−スチレン共重合体の固形分
と固体電解質粉末の重量比が5:95となるようにし
た。このようにして得たスラリーをドクターブレード法
によりフッ素樹脂板上に塗布し、180℃の減圧下でジ
オキサンを蒸発させ乾燥した。3時間の乾燥の後、フッ
素樹脂板より剥離し、リチウムイオン伝導性固体電解質
成型体を得た。このリチウムイオン伝導性固体電解質成
型体のイオン伝導度は、以下に述べる交流インピーダン
ス法により測定した。まず、上記で得たリチウムイオン
伝導性固体電解質成型体のシートを10mmφの円盤状
に切り抜いた。この円盤の両面に10mmφのPt板を
圧接しインピーダンス測定用の電極とし、イオン伝導度
測定セルを構成した。交流インピーダンスは、ベクトル
インピーダンスアナライザにより、10mVの交流電圧
を印加し測定した。その結果、得られたリチウムイオン
伝導性固体電解質成型体のイオン伝導度は、2.3×1
-4S/cmであった。また、比較例として、特定重合
体を加えず固体電解質粉末を加圧成形し、そのイオン伝
導度を同様に測定したところ、そのイオン伝導度は4.
5×10-4S/cmであった。
【0035】つぎに、このリチウムイオン伝導性固体電
解質成型体の加工性の評価として、その可撓性を調べる
ために、折り曲げ試験を行った。折り曲げ試験は、この
リチウムイオン伝導性固体電解質成型体を50mmφの
スレンレス鋼棒に巻き付け、成型体の状態を目視した。
その結果、本実施例におけるリチウムイオン伝導性固体
電解質成型体は、折り曲げ試験によっても、外観上は異
常がみられず、高い可撓性を有していることがわかっ
た。以上のように、本発明によると高いリチウムイオン
伝導性を有し、加工性に優れたリチウムイオン伝導性固
体電解質成型体が得られることがわかった。
【0036】《実施例2》特定重合体として実施例1で
用いた(S−1)に代えて、(S−2)を用いた以外は
実施例1と同様の方法で、リチウムイオン伝導性固体電
解質成型体を得た。このリチウムイオン伝導性固体電解
質成型体のイオン伝導度を実施例1と同様にして測定し
たところ、そのイオン伝導度は3.2×10-4S/cm
であった。また、実施例1と同様の方法で行った折り曲
げ試験によっても外観上は異常がみられず、高い可撓性
を有していることがわかった。以上のように、本発明に
よると高いリチウムイオン伝導性を有し、加工性に優れ
たリチウムイオン伝導性固体電解質成型体が得られるこ
とがわかった。
【0037】《実施例3》特定重合体として実施例1で
用いた(S−1)に代えて、(S−3)を用いた以外は
実施例1と同様の方法で、リチウムイオン伝導性固体電
解質成型体を得た。このリチウムイオン伝導性固体電解
質成型体のイオン伝導度を実施例1と同様にして測定し
たところ、そのイオン伝導度は2.8×10-4S/cm
であった。また、実施例1と同様の方法で行った折り曲
げ試験でも外観上は異常がみられず、高い可撓性を有し
ていることがわかった。以上のように、本発明によると
高いリチウムイオン伝導性を有し、加工性に優れたリチ
ウムイオン伝導性固体電解質成型体が得られることがわ
かった。
【0038】《実施例4》特定重合体として実施例1で
用いた(S−1)に代えて、(S−4)を用いた以外は
実施例1と同様の方法で、リチウムイオン伝導性固体電
解質成型体を得た。このリチウムイオン伝導性固体電解
質成型体のイオン伝導度を実施例1と同様にして測定し
たところ、そのイオン伝導度は2.6×10-4S/cm
であった。また、実施例1と同様の方法で行った折り曲
げ試験でも外観上は異常がみられず、高い可撓性を有し
ていることがわかった。以上のように、本発明によると
高いリチウムイオン伝導性を有し、加工性に優れたリチ
ウムイオン伝導性固体電解質成型体が得られることがわ
かった。
【0039】《実施例5》リチウムイオン伝導性無機固
体電解質として0.01Li3PO4−0.63Li2
−0.36SiS2で表されるリチウムイオン伝導性非
晶質固体電解質を、また特定重合体として実施例2と同
様に(S−2)をそれぞれ用い、リチウムイオン伝導性
固体電解質成型体を構成した。以下にその詳細を示す。
まず、リチウムイオン伝導性無機固体電解質として、以
下の方法で0.01Li3PO4−0.63Li2S−
0.36SiS2で表されるリチウムイオン伝導性非晶
質固体電解質を合成した。最初に、非晶質固体電解質を
合成するためのガラス母材を合成した。硫化リチウム
(Li2S)と硫化ケイ素(SiS2)をモル比で0.6
4:0.36に混合し、この混合物をガラス状カーボン
坩堝中に入れ、横型炉中950℃で溶融した。その後、
融液を双ローラーで急冷し0.64Li2S−0.36
SiS2で表される非晶質固体電解質を得た。この非晶
質固体電解質をガラス母材とし、粉砕後0.01Li3
PO4−0.63Li2S−0.36SiS2の組成とな
るようにリン酸リチウムを混合した。この混合物を上記
と同様の方法で加熱・急冷し、0.01Li3PO4
0.63Li2S−0.36SiS2で表されるリチウム
イオン伝導性非晶質固体電解質を得た。0.6Li2
−0.4SiS2で表される固体電解質に代えてこの固
体電解質を用い、特定重合体として実施例2で用いた
(S−2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でリ
チウムイオン伝導性固体電解質成型体を得た。
【0040】このリチウムイオン伝導性固体電解質成型
体のイオン伝導度を実施例1と同様の方法で測定したと
ころ、4.5×10-4S/cmであった。また比較例と
して、固体電解質粉末単独のイオン伝導度も実施例1と
同様の方法で測定したところ7.8×10-4S/cmで
あった。また、実施例1と同様の方法で行った折り曲げ
試験でも外観上は異常がみられず、高い可撓性を有して
いることがわかった。以上のように、本発明によると高
いリチウムイオン伝導性を有し、加工性に優れたリチウ
ムイオン伝導性固体電解質成型体が得られることがわか
った。
【0041】《実施例6》リチウムイオン伝導性無機固
体電解質として0.05Li2O−0.60Li2S−
0.35SiS2で表されるリチウムイオン伝導性非晶
質固体電解質を、また特定重合体として実施例2と同様
に(S−2)をそれぞれ用い、リチウムイオン伝導性固
体電解質成型体を構成した。以下にその詳細を示す。
0.05Li2O−0.60Li2S−0.35SiS2
で表されるリチウムイオン伝導性非晶質固体電解質は、
リン酸リチウムに代えて酸化リチウムを用いた以外は、
実施例5と同様の方法で合成した。このようにして得た
リチウムイオン伝導性固体電解質を用い、特定重合体と
して実施例2で用いた(S−2)を用いた以外は、実施
例1と同様の方法でリチウムイオン伝導性固体電解質成
型体を得た。
【0042】このリチウムイオン伝導性固体電解質成型
体のイオン伝導度を実施例1と同様の方法で測定したと
ころ、3.9×10-4S/cmであった。また比較例と
して、固体電解質粉末単独のイオン伝導度も実施例1と
同様の方法で測定したところ6.6×10-4S/cmで
あった。また、実施例1と同様の方法で行った折り曲げ
試験でも外観上は異常がみられず、高い可撓性を有して
いることがわかった。以上のように、本発明によると高
いリチウムイオン伝導性を有し、加工性に優れたリチウ
ムイオン伝導性固体電解質成型体が得られることがわか
った。
【0043】《実施例7》リチウムイオン伝導性無機固
体電解質として0.3LiI−0.35Li2S−0.
35SiS2で表されるリチウムイオン伝導性非晶質固
体電解質を、また特定重合体として実施例1と同様に
(S−1)をそれぞれ用い、リチウムイオン伝導性固体
電解質成型体を構成した。以下にその詳細を示す。先
ず、リチウムイオン伝導性無機固体電解質として、以下
の方法で0.3LiI−0.35Li2S−0.35S
iS2で表されるリチウムイオン伝導性非晶質固体電解
質を合成した。最初に、出発物質の混合比を変えた以外
は実施例1と同様の方法で0.5Li2S−0.5Si
2で表される非晶質固体電解質を得た。この非晶質固
体電解質をガラス母材とし、粉砕後0.3LiI−0.
35Li2S−0.35SiS2の組成となるようにヨウ
化リチウムを混合した。この混合物を再度同様の方法で
加熱・急冷し、0.3LiI−0.35Li2S−0.
35SiS2で表されるリチウムイオン伝導性非晶質固
体電解質を得た。0.6Li2S−0.4SiS2で表さ
れる固体電解質に代えてこの固体電解質を用いた以外
は、実施例1と同様の方法でリチウムイオン伝導性固体
電解質成型体を得た。
【0044】このリチウムイオン伝導性固体電解質成型
体のイオン伝導度を実施例1と同様の方法で測定したと
ころ、2.6×10-4S/cmであった。また比較例と
して、固体電解質粉末単独のイオン伝導度も実施例1と
同様の方法で測定したところ7.2×10-4S/cmで
あった。また、実施例1と同様の方法で行った折り曲げ
試験に対しても外観上は異常がみられず、高い可撓性を
有していることがわかった。以上のように、本発明によ
ると高いリチウムイオン伝導性を有し、加工性に優れた
リチウムイオン伝導性固体電解質成型体が得られること
がわかった。
【0045】《実施例8》リチウムイオン伝導性無機固
体電解質として0.5Li2S−0.5P25で表され
るリチウムイオン伝導性非晶質固体電解質を、また特定
重合体として実施例1と同様に(S−1)をそれぞれ用
い、リチウムイオン伝導性固体電解質成型体を構成し
た。以下にその詳細を示す。先ず、固体電解質の原材料
として、硫化リチウム(Li2S)と硫化燐(P25
をモル比で0.5:0.5の割合で混合した。この混合
物を石英管中に封入し、900℃で溶融の後、石英管を
水中に落とし込み急冷し、0.5Li2S−0.5P2
5で表される非晶質固体電解質を得た。0.6Li2S−
0.4SiS2で表される固体電解質に代えてこの固体
電解質を用いた以外は、実施例1と同様の方法でリチウ
ムイオン伝導性固体電解質成型体を得た。このリチウム
イオン伝導性固体電解質成型体、ならびに比較例である
固体電解質粉末のイオン伝導度を実施例1と同様の方法
で測定したところ、特定重合体を加えることによるイオ
ン伝導度の低下は1/2以内におさまっていた。また、
実施例1と同様の方法で行った折り曲げ試験に対しても
外観上は異常がみられず、高い可撓性を有していること
がわかった。以上のように、本発明によると高いリチウ
ムイオン伝導性を有し、加工性に優れたリチウムイオン
伝導性固体電解質成型体が得られることがわかった。
【0046】《実施例9》リチウムイオン伝導性無機固
体電解質として0.6Li2S−0.4B23で表され
るリチウムイオン伝導性非晶質固体電解質を、また特定
重合体として実施例1と同様に(S−1)をそれぞれ用
い、リチウムイオン伝導性固体電解質成型体を構成し
た。以下にその詳細を示す。先ず、固体電解質の原材料
として、硫化リチウム(Li2S)と硫化ホウ素(B2
3)をモル比で0.6:0.4の割合で混合したものを
用いた以外は実施例8と同様の方法で0.6Li2S−
0.4B23で表される非晶質固体電解質を得た。0.
6Li2S−0.4SiS2で表される固体電解質に代え
てこの固体電解質を用いた以外は、実施例1と同様の方
法でリチウムイオン伝導性固体電解質成型体を得た。こ
のリチウムイオン伝導性固体電解質成型体、ならびに比
較例である固体電解質粉末のイオン伝導度を実施例1と
同様の方法で測定したところ、特定重合体を加えること
によるイオン伝導度の低下は1/2以内におさまってい
た。また、実施例1と同様の方法で行った折り曲げ試験
でも外観上は異常がみられず、高い可撓性を有している
ことがわかった。以上のように、本発明によると高いリ
チウムイオン伝導性を有し、加工性に優れたリチウムイ
オン伝導性固体電解質成型体が得られることがわかっ
た。
【0047】《実施例10》リチウムイオン伝導性無機
固体電解質としてLi1.3Al0.3Ti1.7(PO43
表される結晶質のリチウムイオン伝導性固体電解質を、
また特定重合体として実施例1と同様に(S−1)をそ
れぞれ用い、リチウムイオン伝導性固体電解質成型体を
構成した。以下にその詳細を示す。先ず、固体電解質の
原材料としては、炭酸リチウム、酸化アルミニウム、酸
化チタン、およびオルトリン酸を用いた。これら出発物
質を混合の後、ペレット状に加圧成型し、1300℃で
24時間焼成し、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43
表される結晶質のリチウムイオン伝導性無機固体電解質
を得た。0.6Li2S−0.4SiS2で表される固体
電解質に代えてこの固体電解質を用いた以外は、実施例
1と同様の方法でリチウムイオン伝導性固体電解質成型
体を得た。
【0048】このリチウムイオン伝導性固体電解質成型
体のイオン伝導度を実施例1と同様の方法で測定したと
ころ、1.1×10-4S/cmの値を示した。また比較
例として、特定重合体を加えない無機固体電解質単独の
イオン伝導度は、つぎの2つの方法で測定した。まず、
焼成後のペレットの両面に白金薄膜をスパッタ蒸着法に
より形成し、電極とした。この電極にリード線を銀ペー
ストにより接着し、イオン伝導度の測定セルとした。こ
の測定セルを用いて焼結体として測定した固体電解質単
独のイオン伝導度は、3.2×10-3S/cmの値を示
した。つぎに、この固体電解質のイオン伝導度を粉末成
型体を用いて測定した。粉砕した固体電解質粉末を電極
として白金板を配し、10mmφの円盤状に加圧成型し
た。この測定セルを用い、固体電解質のイオン伝導度を
測定した結果、8.1×10-5S/cmの値を示した。
【0049】以上のように、本発明によるリチウムイオ
ン伝導性固体電解質成型体は、焼結体の状態には及ばな
いものの、粉末成型体に比べると高いイオン伝導性を示
すことがわかった。粉末成型体を用いて測定したイオン
伝導度が低い値しか示さなかった原因としては、固体電
解質が結晶質であり、粒子中のイオン伝導経路が異方的
であるため、粒子間のイオン伝導経路の接続が不十分で
あると考えられる。それに対して焼結体では、焼結する
ことで粒子間での結晶成長が起こり、粒子間のイオン伝
導経路が接続されたため、高いイオン伝導性を示したも
のと考えられる。特定重合体と複合化した固体電解質成
型体中において、固体電解質粒子間のイオン伝導は、重
合体の側鎖のセグメント運動が関与することから等方的
なものとなると考えられる。その結果、粒子間のイオン
伝導経路の接続が粉末成型体に比べて良好なものとな
り、より高いイオン伝導性を示したものと思われる。ま
た、実施例1と同様の方法で行った折り曲げ試験でも外
観上は異常がみられず、高い可撓性を有していることが
わかった。以上のように、本発明によると高いリチウム
イオン伝導性を有し、加工性に優れたリチウムイオン伝
導性固体電解質成型体が得られることがわかった。
【0050】《実施例11》リチウムイオン無機固体電
解質として実施例1と同様に0.6Li2S−0.4S
iS2で表される非晶質固体電解質を、また特定重合体
として様々な比率でスルホン化したイソプレン−スチレ
ンランダム共重合体(S−5−1)〜(S−5−8)を
それぞれ用い、リチウムイオン伝導性固体電解質成型体
を得た。以下にその詳細を示す。(S−5−1)〜(S
−5−8)と実施例1で得たリチウムイオン伝導性無機
固体電解質より、実施例1と同様の方法でリチウムイオ
ン伝導性固体電解質成型体を得た。交流インピーダンス
測定の結果得られた、特定重合体のスルホン化率と得ら
れたリチウムイオン伝導性固体電解質成型体のイオン伝
導度の関係を図1に示す。この結果より、5%以上のス
ルホン化率のイソプレン−スチレンランダム共重合体を
用いることで、特に高いイオン伝導性を有するリチウム
イオン伝導性固体電解質成型体が得られることがわか
る。また、スルホン化率が50%を越えるイソプレン−
スチレンランダム共重合体を用いたものについては、得
られたリチウムイオン伝導体にゴム弾性が乏しく、実施
例1と同様の方法で行った折り曲げ試験の結果、リチウ
ムイオン伝導性固体電解質成型体に亀裂が生じた。以上
のように、特定重合体のスルホン化率を5%〜50%と
する本発明によると特に高いリチウムイオン伝導性を有
し、加工性に優れたリチウムイオン伝導性固体電解質成
型体が得られることがわかった。
【0051】《実施例12》リチウムイオン無機固体電
解質として実施例5で得た0.01Li3PO4−0.6
3Li2S−0.36SiS2で表される非晶質固体電解
質を、また特定重合体として様々な比率でスルホン化し
たスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
(S−6−1)〜(S−6−8)をそれぞれ用い、リチ
ウムイオン伝導性固体電解質成型体を得た。以下にその
詳細を示す。(S−6−1)〜(S−6−8)と実施例
5で得たリチウムイオン伝導性無機固体電解質より、実
施例1と同様の方法でリチウムイオン伝導性固体電解質
成型体を得た。交流インピーダンス測定の結果得られ
た、特定重合体のスルホン化率と得られたリチウムイオ
ン伝導性固体電解質成型体のイオン伝導度の関係を図2
に示す。この結果より、5%以上のスルホン化率のスチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を用いる
ことで、特に高いイオン伝導性を有するリチウムイオン
伝導性固体電解質成型体が得られることがわかる。ま
た、スルホン化率が50%を越えるスチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体を用いたものについて
は、得られたリチウムイオン伝導性固体電解質成型体に
ゴム弾性が乏しく、実施例1と同様の方法で行った折り
曲げ試験の結果、リチウムイオン伝導性固体電解質成型
体に亀裂が生じた。以上のように、高分子化合物のスル
ホン化率を5%〜50%とする本発明によると特に高い
リチウムイオン伝導性を有し、加工性に優れたリチウム
イオン伝導性固体電解質成型体が得られることがわかっ
た。
【0052】《実施例13》リチウムイオン無機固体電
解質として実施例5で得た0.01Li3PO4−0.6
3Li2S−0.36SiS2で表される非晶質固体電解
質を、また特定重合体として(S−2)をそれぞれ用
い、種々の温度で熱処理を行いリチウムイオン伝導性固
体電解質成型体を得た。以下にその詳細を示す。リチウ
ムイオン伝導性固体電解質成型体の熱処理温度を変化さ
せるために、スラリーの乾燥温度を変化させた。固体電
解質と特定重合体を含むスラリーは、実施例1と同様の
方法で得た。このようにして得たスラリーをドクターブ
レード法によりフッ素樹脂板上に塗布し、種々の温度で
加熱しつつ減圧下でジオキサンを蒸発させ乾燥した。3
時間の乾燥の後、フッ素樹脂板より剥離し、リチウムイ
オン伝導性固体電解質成型体を得た。交流インピーダン
ス測定の結果得られた、熱処理温度と得られたリチウム
イオン伝導性固体電解質成型体のイオン伝導度の関係を
図3に示す。この結果より、120℃〜210℃の温度
範囲で熱処理を行ったリチウムイオン伝導性固体電解質
成型体が、特に高いイオン伝導性を示すことがわかる。
以上のように、120℃〜210℃の温度範囲で熱処理
を行う本発明によると特に高いリチウムイオン伝導性を
有し、加工性に優れたリチウムイオン伝導性固体電解質
成型体が得られることがわかった。
【0053】《実施例14》リチウムイオン無機固体電
解質として実施例5で得た0.01Li3PO4−0.6
3Li2S−0.36SiS2で表される非晶質固体電解
質を、また特定重合体として(S−2)をそれぞれ用
い、さらに電子絶縁性の構造体としてポリエチレンメッ
シュを用い、リチウムイオン伝導性固体電解質成型体を
得た。その詳細を以下に示す。固体電解質と特定重合体
を含むスラリーは、実施例1と同様の方法で得た。続い
てこのスラリーをドクターブレード法により、開口率7
0%のポリエチレンメッシュの開口部に充填した。その
後、180℃の減圧下でジオキサンを蒸発させ乾燥し、
リチウムイオン伝導性固体電解質成型体を得た。このリ
チウムイオン伝導性固体電解質成型体のイオン伝導度を
実施例1と同様にして測定したところ、そのイオン伝導
度は2.7×10-4S/cmであった。また、実施例1
と同様の方法で行った折り曲げ試験では外観上は異常が
みられず、さらに5mmφのステンレス鋼棒を用いた折
り曲げ試験でも異常はみられず、本実施例によるリチウ
ムイオン伝導体がより高い可撓性を有していることがわ
かった。以上のように、リチウムイオン伝導性無機固体
電解質、特定重合体、さらに電子絶縁性の構造体を用い
る本発明によると、特に高い加工性を有し、高いリチウ
ムイオン伝導性を有したリチウムイオン伝導性固体電解
質成型体が得られることがわかった。
【0054】《実施例15》リチウムイオン伝導性無機
固体電解質として実施例14で用いた0.01Li3
4−0.63Li2S−0.36SiS2に代えて実施
例1で得た0.6Li2S−0.4SiS2で表されるリ
チウムイオン伝導性非晶質固体電解質を、また特定高分
子として実施例14で用いた(S−2)に代えて(S−
1)をそれぞれ用い、電子絶縁性構造体として実施例1
4で用いたポリエチレンメッシュに代えてガラス繊維の
メッシュを用いた以外は、実施例14と同様の方法でリ
チウムイオン伝導性固体電解質成型体を構成した。その
結果得られたリチウムイオン伝導性固体電解質成型体の
イオン伝導度を実施例1と同様にして測定したところ、
そのイオン伝導度は3.1×10-4S/cmであった。
また、実施例1と同様の方法で行った折り曲げ試験では
外観上は異常がみられず、さらに5mmφのステンレス
鋼棒を用いた折り曲げ試験でも異常はみられず、本実施
例によるリチウムイオン伝導性固体電解質成型体がより
高い可撓性を有していることがわかった。以上のよう
に、リチウムイオン伝導性無機固体電解質、特定重合
体、さらに電子絶縁性の構造体を用いる本発明による
と、特に高い加工性を有し、高いリチウムイオン伝導性
を有したリチウムイオン伝導性固体電解質成型体が得ら
れることがわかった。
【0055】なお、本発明の実施例においては、炭素−
炭素二重結合をスルホン化反応させてなる重合体とし
て、スルホン化したイソプレン−スチレンランダム共重
合体、スルホン化したスチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体などについてのみ説明したが、その他
の重合体として、その他の熱可塑性エラストマーなどの
他の重合体をスルホン化したものを用いても同様の効果
が得られることはいうまでもなく、本発明は、炭素−炭
素二重結合をスルホン化反応させてなる重合体として、
これら実施例で説明した重合体に限定されるものではな
い。また、本発明の実施例においては、リチウムイオン
伝導性無機固体電解質として、0.6Li2S−0.4
SiS2、0.01Li3PO4−0.63Li2S−0.
36SiS2、0.5Li2S−0.5P25、0.6L
2S−0.4B23などのリチウムイオン伝導性非晶
質固体電解質、あるいはLi1.3Al0.3Ti1 .7(P
43で表される結晶質のリチウムイオン伝導性固体電
解質について説明したが、これらの固体電解質の各成分
比の異なったもの、Li2S−GeS2など実施例では説
明しなかった他の硫化物を含むもの、LiCl−Li2
S−SiS2、LiBr−Li2S−P25など他のハロ
ゲン化リチウムを含むもの、またLiI−Li2S−S
iS2−P25、LiI−Li3PO4−Li2S−SiS
2などの擬4元系のものなど、あるいはLi3N、Li
1.3Sc0.3Ti1.7(PO43、Li0.2La0.6TiO3
などの実施例では説明しなかった他の結晶質のリチウム
イオン伝導性無機固体電解質を用いても同様の効果が得
られることもいうまでもなく、本発明はリチウムイオン
伝導性無機固体電解質として、これら実施例で説明した
ものに限定されるものではない。
【0056】またさらに、本発明の実施例において説明
したリチウムイオン伝導性無機固体電解質は、固体状態
の室温で10-4S/cm以上の高いイオン伝導性を示す
ものである。それに対して、LiPF6、LiBF4
ど、溶媒中でイオン解離した場合には高いリチウムイオ
ン伝導性を示すものの、固体状態の室温ではごく低いイ
オン伝導性しか示さないものについても、炭素−炭素二
重結合をスルホン化反応させてなる重合体と組み合わせ
ることで、同様の重合体の側鎖とリチウムイオンの電気
的相互作用が生じ、イオン伝導性を発現することができ
る。したがって、本発明はリチウムイオン伝導性無機固
体電解質として、これら実施例で説明した室温の固体状
態で10-4S/cm以上の高いイオン伝導性を示すもの
に限定されるものではない。また、本発明の実施例にお
いては、電子絶縁性構造体として、ポリエチレンメッシ
ュ、ガラス繊維メッシュを用いたものについてのみ説明
したが、その他の材質、例えばポリプロピレン、セルロ
ースなどのメッシュ、さらにはメッシュではなくこれら
の不織布を用いても同様の効果が得られることもいうま
でもなく、本発明は電子絶縁性構造体として、ポリエチ
レンメッシュ、ガラス繊維メッシュに限定されるもので
はない。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高いイオ
ン伝導性と高い加工性を兼ね備えたリチウムイオン伝導
性固体電解質成型体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるスルホン化率とリチ
ウムイオン伝導性固体電解質成型体のイオン伝導度の関
係を示す図である。
【図2】本発明の一実施例におけるスルホン化率とリチ
ウムイオン伝導性固体電解質成型体のイオン伝導度の関
係を示す図である。
【図3】本発明の一実施例における熱処理温度とリチウ
ムイオン伝導性固体電解質成型体のイオン伝導度の関係
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 繁雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 竹内 安正 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 真坂 房澄 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 石川 克広 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内の炭素−炭素二重結合に無水硫酸
    または無水硫酸ー電子供与性化合物錯体を付加させた重
    合体、およびリチウムイオン伝導性無機固体電解質より
    なることを特徴とするリチウムイオン伝導性固体電解質
    成型体。
  2. 【請求項2】 重合体を構成する全単量体ユニットに対
    する、無水硫酸または無水硫酸ー電子供与性化合物錯体
    が付加した単量体ユニットの割合が、5モル%以上50
    モル%以下である請求項1記載のリチウムイオン伝導性
    固体電解質成型体。
  3. 【請求項3】 リチウムイオン伝導性無機固体電解質
    が、硫化物を主体とした非晶質無機化合物である請求項
    1記載のリチウムイオン伝導性固体電解質成型体。
  4. 【請求項4】 非晶質無機化合物が、硫化リチウムおよ
    び硫化ケイ素を主体とする物質より合成された請求項3
    記載のリチウムイオン伝導性固体電解質成型体。
  5. 【請求項5】 さらに、電子絶縁性の構造体を含む請求
    項1記載のリチウムイオン伝導性固体電解質成型体。
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