JP3070328B2 - 繊維状固体電解質成形体 - Google Patents

繊維状固体電解質成形体

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JP3070328B2
JP3070328B2 JP5061640A JP6164093A JP3070328B2 JP 3070328 B2 JP3070328 B2 JP 3070328B2 JP 5061640 A JP5061640 A JP 5061640A JP 6164093 A JP6164093 A JP 6164093A JP 3070328 B2 JP3070328 B2 JP 3070328B2
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電池をはじめとす
る固体電気化学素子に用いられる固体電解質とその成形
体およびその製造法に関するものであり、特にそのイオ
ン伝導種がリチウムイオンであるリチウムイオン導電性
の固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ、携帯電
話等のポータブル機器の開発にともない、その電源とし
て電池の需要は非常に大きなものとなっている。特に、
リチウム電池は、リチウムが小さな原子量を持ちかつイ
オン化エネルギーが大きな物質であることから、高いエ
ネルギー密度を得ることができる電池として各方面で盛
んに研究が行われている。
【0003】その一方、これらの用途に用いられる電池
は、電解質に殆どが液体を使用しているため、電解質の
漏液等の問題を皆無とすることができない。こうした問
題を解決し信頼性を高めるため、また素子を小型、薄型
化するためにも、液体電解質に代えて固体電解質を用
い、電池を全固体化する試みが各方面でなされている。
特に先に述べたリチウム電池に関しては、そのエネルギ
ー密度の高さのために、電池に異常が生じた際には電池
が発火する等の恐れがある。そのため、電池の安全性を
確保できるよう、不燃性の固体で構成される固体電解質
を用いた全固体リチウム電池の開発が望まれている。こ
のような電池に用いられる固体電解質としては、ハロゲ
ン化リチウム、窒化リチウム、リチウム酸素酸塩、ある
いはこれらの誘導体などが知られている。また、Li2
S−SiS2,Li2S−P25,Li2S−B23等の
リチウムイオン導電性の硫化物ガラス状固体電解質や、
これらのガラスにLiIなどのハロゲン化リチウム、L
3PO4などのリチウム酸素酸塩をドープしたリチウム
イオン導電性固体電解質は、10-4〜10-3S/cmの高
いイオン導電性を有することから世界的にその物性を中
心とした研究が行われている。
【0004】これらの固体電解質は無機固体粉末である
ため、電池へ応用する際には加圧成形等によるペレット
化が必要となっている。しかしながら得られるペレット
は、固く脆いものであるため、その薄型化や大面積化が
困難であり、また正極、負極の電極との一体化に際して
崩れ易い。
【0005】この問題を解決するために、無機固体電解
質粉末と高分子弾性体とを複合化し、固体電解質の加工
性を増したシート状などの形状を有する固体電解質成形
体の提案がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先に述べた固体電解質
成形体を得るに際して、固体電解質粉末の表面を有機溶
媒に溶解させた高分子弾性体で被覆して固体電解質粉末
粒子を互いに接合させるためにこれらの混合物を加圧成
形し、その後に有機溶媒を蒸発させる製造法が採られ
る。
【0007】しかしながら、ガラス状固体電解質のよう
に、バルク導電性が支配的な固体電解質については粉砕
によってそのイオン導電性が極端に低下し、上記の手法
を用いることは困難となる。
【0008】本発明は、以上のような課題を解決し、イ
オン導電率に優れた繊維状固体電解質とその成形体およ
びその製造法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】リチウムイオン導電性の
繊維状固体電解質は、その溶融ガラスもしくはガラスロ
ッドを用いて遠心法、吹付法、ロッド方式、ポット方式
のいずれかの方法によりガラス繊維状の固体電解質とし
て得られる。さらに、得られたガラス繊維状固体電解質
は、これを織布もしくは不織布として固体電解質成形体
を構成することができる。
【0010】また、ガラス繊維状固体電解質の空隙に熱
可塑性構造体を充填し、もしくはガラス繊維状固体電解
質中に熱可塑性繊維を配して織布とし固体電解質成形体
を構成するものである。
【0011】さらに、上記リチウムイオン導電性のガラ
ス状固体電解質は、少なくとも硫化リチウムを含む複数
の化合物より合成した硫化物系と、少なくともオルトケ
イ酸リチウムを含む複数の化合物より合成した酸化物系
のいずれかである。
【0012】硫化リチウムを含む複数の化合物として
は、硫化リチウムと、硫化ケイ素,硫化リンおよび硫化
ホウ素の群より選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を
用いるのが好ましい。
【0013】さらに、上記硫化リチウムを含む複数の化
合物としては、リン酸リチウムまたは硫酸リチウムより
選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含むものを用い
るとよい。
【0014】さらにまた、上記の少なくとも硫化リチウ
ムを含む複数の化合物としては、少なくとも一種類以上
のハロゲン化リチウムを含むものを用いることができ
る。
【0015】さらに上記オルトケイ酸リチウムを含む複
数の化合物としては、オルトケイ酸リチウムと、リン酸
リチウム,ジルコン酸リチウムおよびホウ酸リチウムの
群より選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含むもの
を用いることができる。
【0016】
【作用】固体電解質をガラス繊維状化することで、バル
ク導電性の固体電解質において固体電解質そのものが繊
維状であることから粒界の少ない状態で固体電解質の成
形体となり、バルク状態に近い高いイオン導電率を示す
ガラス繊維状の固体電解質を得ることができる。
【0017】また、バルクの高いイオン導電率を維持し
つつ、固体電解質の繊維同士が互いに絡み合うことか
ら、固体電解質成形体は十分な機械的強度や可撓性を確
保することができる。
【0018】また、上記ガラス繊維状固体電解質の空隙
に熱可塑性構造体を充填することは、撓み、引っ張りな
どに対する固体電解質成形体の機械的強度が一層向上す
ると共に、固体電解質そのものが繊維状であるために特
に溶媒を必要とする事無く熱可塑性構造体を充填するこ
とが可能となる。従って固体電解質成形体の製造法にお
いて、熱可塑性構造体をガラス繊維状固体電解質の空隙
に充填することは、特に好ましい。
【0019】ここでの固体電解質としては、Li2S−
SiS2に代表されるリチウムイオン導電性固体電解質
をはじめ、AgI−Ag2MoO4に代表される銀イオン
導電性固体電解質、CuI−Cu2O−MoO3に代表さ
れる銅イオン導電性固体電解質、BaO−P25に代表
されるプロトン導電性固体電解質があげられるが、ガラ
ス繊維状固体電解質に用いられる固体電解質としては、
その電解質を溶融させる温度が低く、またその融液が低
粘度であると共に、ガラスとしての安定性の指標であ
る、ガラス転移温度(Tg)と結晶化温度(Tc)との
差(Tc−Tg)が大きく、かつ室温において高いイオ
ン導電率を有する固体電解質材料が好ましい。
【0020】それらとしては硫化リチウムと、硫化ケイ
素,硫化リンおよび硫化ホウ素の群より選ばれる一つま
たはそれ以上の化合物とより合成される溶融温度900
℃、Tc−Tgが100℃以上である硫化物系のリチウ
ムイオン導電性固体電解質が好ましい。
【0021】また特に高いイオン導電率を有するものと
して、これらの材料中にリン酸リチウム,硫酸リチウム
およびオルトケイ酸リチウムの群より選ばれる一つまた
はそれ以上の化合物を含むもの、あるいは少なくとも一
種類以上のハロゲン化リチウムを含むものが特に好まし
い。
【0022】
【実施例】以下、本発明についてその実施例を用いて詳
細に説明するが、これらの実施例における操作は全て不
活性ガスを満たしたドライボックス中にて行った。
【0023】(実施例1)リチウムイオン導電性固体電
解質として0.5Li2S−0.5SiS2を用い、吹付
法によりガラス繊維状固体電解質を得た。以下にその詳
細を図1に従って説明する。
【0024】まず、固体電解質として、以下の方法で
0.5Li2S−0.5SiS2で表されるリチウムイオ
ン導電性の固体電解質を合成した。
【0025】すなわち、硫化リチウム(Li2S)と硫
化ケイ素(SiS2)とをモル比で0.5:0.5に混
合し、その混合物をガラス状カーボンの坩堝1中に入れ
た。その坩堝1を縦型電気炉2中に入れてアルゴン気流
中で900℃まで加熱して混合物を溶融状態とした。2
時間加熱後、坩堝のノズル3より融液である溶融ガラス
4を流下5させながらこれを吹出ノズル6からの高圧液
体窒素7で吹き飛ばし、0.5Li2S−0.5SiS2
で表されるリチウムイオン導電性のガラス繊維状固体電
解質8を得た。
【0026】つぎにこのガラス繊維状固体電解質を加圧
成形により厚さ150μmの不織布とした。この固体電
解質成形体のイオン導電率を、以下に述べる交流インピ
ーダンス法により測定した。
【0027】まず、上記で得た固体電解質成形体の不織
布シートを、直径10mmφの円盤状に切り抜いた。この
円盤の両面に同じく直径10mmφのPt板を圧接してイ
ンピーダンス測定用の電極とし、イオン導電率測定用セ
ルを構成した。
【0028】交流インピーダンスは、ベクトルインピー
ダンスアナライザにより、10mVの交流を入力して測
定した。その結果、得られた固体電解質成形体のイオン
導電率は2.1×10-4S/cmであった。
【0029】つぎに、この固体電解質成形体の加工性能
として、その可撓性を調べるために、折り曲げ試験を行
った。折り曲げ試験は、この固体電解質成形体を直径5
0mmφのステンレス棒に巻き付けて成形体の状態を目視
した。その結果、本実施例における固体電解質成形体は
折り曲げ試験によっても、外観上は異常がみられず、高
い可撓性を有していることがわかった。
【0030】さらに、折り曲げ後の成形体のイオン導電
率を再度測定したところ、折り曲げ試験前後でのイオン
導電率に変化は認められなかった。
【0031】以上のように、この例によると、固体電解
質のイオン導電率を大きく損なうことなく加工性に優れ
た固体電解質成形体が得られる。
【0032】(比較例1)比較のために実施例1での溶
融体(融液)を吹き付けて飛ばす吹付法に代えて、融液
を液体窒素中に投入して超急冷し、バルク状の固体電解
質を作製した。この固体電解質を乳鉢で100メッシュ
以下に粉砕し、直径10mmφ、厚さ0.2mmに、10t
/cm2の圧力で加圧成形し、この成形体のイオン導電率
を実施例1と同様の方法により測定したところ、1.0
×10-4S/cmであり、ガラス繊維状固体電解質成形体
に比較し約半減していることがわかった。
【0033】また、成形体がペレット状であるため非常
に脆く、折り曲げ試験を課すにいたらなかった。
【0034】(実施例2)実施例1で用いた0.5Li
2S−0.5SiS2で表されるリチウムイオン導電性固
体電解質に代えて、0.75AgI−0.25Ag2
oO4で表される銀イオン導電性固体電解質を用いて、
ガラス繊維状の固体電解質を得た。以下にこの銀イオン
導電性ガラス繊維状の固体電解質の製法を示す。
【0035】ヨウ化銀(AgI)とモリブデン酸銀(A
2MoO4)をモル比で0.75:0.25に混合し、
その混合物をガラス状カーボンの坩堝中に入れた。その
坩堝を縦型炉中に入れアルゴン気流中で500℃まで加
熱し、混合物を溶融状態とした。12時間加熱の後、坩
堝の中より流下させながら高圧液体窒素で吹き飛ばす吹
付法により、0.75AgI−0.25Ag2MoO4
表される銀イオン導電性のガラス繊維状固体電解質を得
た。
【0036】このガラス繊維状固体電解質を用いて、実
施例1と同様の方法で、ガラス繊維状固体電解質の成形
体を得た。
【0037】この固体電解質成形体のイオン導電率を実
施例1と同様にして測定したところ、そのイオン導電率
は1.2×10-2S/cmであった。
【0038】また、実施例1と同様の方法で行った折り
曲げ試験に対しても外観上は異常がみられず、さらに、
折り曲げ後に再度イオン導電率を測定したところでも折
り曲げ試験前後でそのイオン導電率に変化は認められ
ず、高い可撓性を有していることがわかった。
【0039】以上のように、この例によると固体電解質
のイオン導電率を大きく損なうことなく、加工性に優れ
た固体電解質成形体が得られることがわかった。
【0040】(比較例2)比較のために実施例2の溶融
体(融液)を吹き飛ばす吹付法に代えて、その融液を液
体窒素中に投入して超急冷し、バルク状の固体電解質を
作製した。この固体電解質を乳鉢で100メッシュ以下
に粉砕し、直径10mmφ、厚さ0.2mmに10t/cm2
の圧力で加圧成形した。この成形体のイオン導電率を実
施例1と同様の方法により測定したところ、7.5×1
-3S/cmであり、上記のガラス繊維状固体電解質成形
体に比較してそのイオン導電率が低下していることがわ
かった。
【0041】また、成形体がペレット状であるため非常
に脆く、比較例同様折り曲げ試験を課すにいたらなかっ
た。
【0042】(実施例3)実施例1で用いた0.5Li
2S−0.5SiS2で表される固体電解質に代えて、
0.3CuI−0.35Cu2O−0.35MoO3で表
される銅イオン導電性固体電解質を用いて、ガラス繊維
状固体電解質を得た。以下にその銅イオン導電性ガラス
繊維状固体電解質の製法を示す。
【0043】ヨウ化銅(CuI)と亜酸化銅(Cu
2O)およびモリブデン酸(MoO3)をモル比で0.
3:0.35:0.35に混合し、その混合物をガラス
状カーボンの坩堝中に入れた。その坩堝を縦型炉中に入
れてアルゴン気流中で700℃まで加熱し、混合物を溶
融状態とした。この融液を3時間加熱後、坩堝中の溶融
ガラスを流下させながらこれを高圧液体窒素で吹き飛ば
し、0.3CuI−0.35Cu2O−0.35MoO3
で表される銅イオン導電性ガラス繊維状固体電解質を得
た。
【0044】このガラス繊維状固体電解質を用いて、実
施例1と同様の方法で、ガラス繊維状固体電解質成形体
を得た。
【0045】この固体電解質成形体のイオン導電率を実
施例1と同様にして測定したところ、そのイオン導電率
は1.5×10-3S/cmであった。
【0046】また、実施例1と同様の方法で行った折り
曲げ試験によって外観上は異常がみられず、さらに、折
り曲げ後にイオン導電率を再度測定したところでも折り
曲げ試験前後でそのイオン導電率に変化は認められず、
高い可撓性を有していることがわかった。
【0047】(比較例3)比較のために実施例3の溶融
体(融液)を液体窒素中に投入して超急冷し、バルク状
の固体電解質を作製した。この固体電解質を乳鉢で10
0メッシュ以下に粉砕し、比較例1同様、直径10mm
φ、厚さ0.2mmに10t/cm2の圧力で加圧成形し、
そのイオン導電率を実施例1と同様の方法により測定し
たところ、7.0×10-4S/cmであり、ガラス繊維状
固体電解質成形体に比較してそのイオン導電率が低下し
た。
【0048】また、その成形体はペレット状であるため
非常に脆く、折り曲げ試験を課すにいたらなかった。
【0049】(実施例4)実施例1で用いた0.5Li
2S−0.5SiS2で表されるリチウムイオン導電性固
体電解質に代えて、0.45BaO−0.55P25
表されるプロトン導電性固体電解質を用いて、ガラス繊
維状固体電解質を得た。以下にプロトン導電性のガラス
繊維状固体電解質の製法を示す。
【0050】炭酸バリウム(BaCO3)とオルトリン
酸(H3PO4)とをモル比で0.45:0.275に混
合し、その混合物をガラス状カーボンの坩堝中に入れ
た。その坩堝を縦型炉中に入れアルゴン気流中で500
℃まで加熱し、混合物を溶融状態とした。この融液を3
時間加熱の後、坩堝の中より流下させながらこれを高圧
液体窒素で吹き飛ばし、0.45BaO−0.55P2
5で表されるプロトン導電性のガラス繊維状固体電解
質を得た。
【0051】このガラス繊維状固体電解質を用いて、実
施例1と同様の方法で、固体電解質成形体を得た。
【0052】この固体電解質成形体の150℃における
プロトン導電率を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、そのプロトン導電率は6.0×10-11S/cmであ
った。
【0053】また、実施例1と同様の方法で行った折り
曲げ試験においても外観上は異常はみられず、さらに折
り曲げ、再度プロトン導電率を測定したところ、折り曲
げ試験前後でそのプロトン導電率に変化は認められず、
高い可撓性を有していることがわかった。
【0054】(比較例4)比較のために実施例4の溶融
体(融液)を吹き飛ばす吹付法に代えて、融液を液体窒
素中に投入して超急冷し、バルク状の固体電解質を作製
した。この固体電解質を100メッシュ以下に粉砕し、
直径10mmφ、厚さ0.2mmに、圧力10t/cm2で加
圧成形した。この成形体の150℃におけるプロトン導
電率を実施例1と同様の方法により測定したところ、
8.0×10-12S/cmであり、ガラス繊維状固体電解
質成形体に比較し、そのプロトン導電率が低下してい
た。
【0055】また、この成形体がペレット状であるため
非常に脆く、折り曲げ試験を課すにいたらなかった。
【0056】(実施例5)実施例1で用いた吹付法に代
えて溶融体(溶融ガラス)を回転する放射盤上に流下さ
せ、その際に作用する遠心力で溶融ガラスを吹き飛ばす
遠心法により得られたガラス繊維状の固体電解質を用い
た以外は、実施例1と同様の方法により固体電解質の成
形体を得た。
【0057】この固体電解質成形体のイオン導電率を実
施例1と同様にして測定したところ、それは1.9×1
-4S/cmであった。
【0058】また、実施例1と同様の方法で行った折り
曲げ試験においても外観上は何ら異常はみられず、高い
可撓性を有していることがわかった。
【0059】(実施例6)実施例1で用いた吹付法に代
えて溶融体をロッド状に成形し、その固体電解質ロッド
を引き延ばすロッド方式を用いてガラス繊維状の固体電
解質を作製した。以下にその詳細を示す。
【0060】まず、固体電解質として、以下の方法で
0.03Li3PO4−0.59Li2S−0.38Si
2で表されるリチウムイオン導電性のガラス状固体電
解質を合成した。
【0061】最初に、ガラス状固体電解質を合成するた
めのガラス母材を合成した。これは硫化リチウム(Li
2S)と硫化ケイ素(SiS2)をモル比を0.61:
0.39とした以外は実施例1と同様の方法とし、0.
61Li2S−0.39SiS2で表されるガラス状固体
電解質を得た。このガラス状固体電解質をガラス母材と
し、その粉砕後0.03Li3PO4−0.59Li2
−0.38SiS2の組成となるようにリン酸リチウム
を混合した。この混合物を再度同様の方法で加熱・溶融
し、内径5mm、外径50mm、長さ15cmのステンレス管
を液体窒素で充分冷却したその管の中へこの溶融ガラス
を流し込み、リチウムイオン導電性固体電解質ガラスロ
ッドを作製した。このガラスロッドを350℃に加熱
し、引き伸ばすことにより0.03Li3PO4−0.5
9Li2S−0.38SiS2で表されるリチウムイオン
導電性のガラス状固体電解質を長繊維化した。このガラ
ス繊維状固体電解質を用いて織布を構成し固体電解質の
成形体を得た。
【0062】この固体電解質成形体のイオン導電率を実
施例1と同様にして測定したところ、9.0×10-5
/cmであった。
【0063】また、実施例1と同様の折り曲げ試験を行
った結果、電解質成形体の外観には何ら異常はみられ
ず、高い可撓性を有していることがわかった。
【0064】(実施例7)実施例1で用いた0.5Li
2S−0.5SiS2からなるガラス繊維状固体電解質と
ポリスチレンとからなる熱可塑性構造体とを用いて固体
電解質の成形体を構成した。
【0065】すなわち、ガラス繊維状固体電解質にポリ
スチレン粉末を2重量%の割合で混合したのち、これを
ホットローラー圧延機に通し、250℃の温度で厚さ1
50μmのシート状の固体電解質成形体を成形し、実施
例1と同様の方法でそのイオン導電率を測定した。その
イオン導電率は、7.0×10-5S/cmであった。
【0066】また、実施例1と同様の折り曲げ試験にお
いても外観上何ら異常はみられず、高い可撓性を有して
いることがわかった。
【0067】(実施例8)熱可塑性構造体として実施例
7で用いたポリスチレン粉末に代えて、1,2−ポリブ
タジエンを用いて同様に固体電解質成形体を得た。
【0068】ガラス繊維状固体電解質としては、実施例
1で得た0.5Li2S−0.5SiS2からなるものを
用い、このガラス繊維状固体電解質と、粉末状の1,2
−ポリブタジエンとを混合した。ただし、その際の混合
比は、1,2−ポリブタジエンがガラス繊維状固体電解
質に対して3重量%となるようにした。
【0069】この混合物をアルゴン雰囲気でホットロー
ラー圧延機に通し、250℃の温度で150μmの厚さ
に圧延して固体電解質の成形体を得た。
【0070】この固体電解質成形体のイオン導電率を実
施例1と同様にして測定したところ、7.5×10-5
/cmであった。
【0071】また、実施例1と同様の折り曲げ試験にお
いても外観上何ら異常がみられず、高い可撓性を有して
いることがわかった。
【0072】(実施例9)リチウムイオン導電性固体電
解質として実施例1で用いた0.5Li2S−0.5S
iS2からなるものを溶融し、これを坩堝の底の細孔よ
り流下させて超急冷し、得られた糸条をドラムに巻き付
けるポット方式により固体電解質を長繊維化した。この
長いガラス繊維状固体電解質を用いて織布を構成し固体
電解質成形体を得た。
【0073】この固体電解質成形体のイオン導電率を実
施例1と同様にして測定したところ、8.0×10-5
/cmであった。
【0074】また、実施例1と同様の折り曲げ試験を行
った結果、電解質成形体の外観には何ら異常はみられ
ず、高い可撓性を有していることがわかった。
【0075】(実施例10)実施例9で得られた長繊維
のガラス状固体電解質8と、ポリエチレン繊維9とを図
2に示したように交互に配して編組織布を構成し、固体
電解質成形体を得た。
【0076】この固体電解質成形体のイオン導電率を実
施例1と同様にして測定したところ、7.2×10-5
/cmであった。
【0077】また、実施例1と同様の折り曲げ試験を行
った結果、電解質成形体の外観には何ら異常はみられ
ず、高い可撓性を有していることがわかった。
【0078】(実施例11)実施例10で得た固体電解
質成形体を不活性雰囲気中で250℃まで加熱し、固体
電解質繊維間の結着性を向上させた。またこの電解質の
イオン導電率、可撓性は実施例10と同様の結果が得ら
れた。
【0079】以上のように、この例によると固体電解質
イオン導電率を大きく損なうことなく、加工性に優れた
固体電解質成形体が得られる。
【0080】(実施例12)固体電解質として実施例6
で合成した0.03Li3PO4−0.59Li2S−
0.38SiS2で表される固体電解質の融液を、実施
例1と同様な吹付法によってガラス繊維化する。このガ
ラス繊維状固体電解質に、熱可塑性構造体として実施例
7のポリスチレンを固体電解質に対して2.5重量%の
割合で加えた以外は、実施例7と同様の方法で厚さ15
0μmの固体電解質成形体を得た。
【0081】この固体電解質成形体のイオン導電率を実
施例1と同様の方法で測定したところ、7.0×10-4
S/cmであった。また、ガラス繊維状固体電解質単独の
イオン導電率も実施例1と同様の方法で測定したところ
7.0×10-4S/cmであった。
【0082】さらに実施例1と同様の折り曲げ試験を行
った結果、電解質成形体の外観には何ら異常はみられ
ず、高い可撓性を有していることがわかった。
【0083】(実施例13)固体電解質として0.3L
iI−0.35Li2S−0.35SiS2で表される固
体電解質を、実施例1と同様な吹付法によってガラス繊
維化し、熱可塑性構造体としてポリスチレンを用い、固
体電解質成形体を構成した。以下にその詳細を示す。
【0084】まず、固体電解質として、以下の方法で
0.3LiI−0.35Li2S−0.35SiS2で表
されるリチウムイオン導電性のガラス状固体電解質を合
成した。
【0085】これは実施例1と同様の方法で0.5Li
2S−0.5SiS2で表されるガラス状固体電解質とし
て得た。このガラス状固体電解質をガラス母材とし、そ
の粉砕後、0.3LiI−0.35Li2S−0.35
SiS2の組成となるように、ヨウ化リチウムを混合し
た。この混合物を再度同様の方法で加熱・溶融し、その
溶融ガラスを流下させながら高圧液体窒素で吹き飛ばし
て、0.3LiI−0.35Li2S−0.35SiS2
で表されるリチウムイオン導電性のガラス繊維状固体電
解質を得た。
【0086】この固体電解質に熱可塑性構造体としてポ
リスチレンを、固体電解質に対して3.0重量%の割合
で加えた以外、実施例7と同様の方法で固体電解質成形
体を得た。
【0087】この固体電解質成形体のイオン導電率を実
施例1と同様の方法で測定したところ、5.5×10-4
S/cmであった。また、ガラス繊維状固体電解質単独の
イオン導電率も実施例1と同様の方法で測定したところ
8×10-4S/cmであった。
【0088】また、実施例1と同様の折り曲げ試験を行
ったところ、電解質成形体の外観には何ら異常はみられ
ず、高い可撓性を有していることがわかった。
【0089】(実施例14)固体電解質として0.5L
2S−0.5P25で表されるリチウムイオン導電性
ガラス繊維状固体電解質を、実施例1と同様な吹付法に
よってガラス繊維化し、熱可塑性構造体としてはポリス
チレンを用いて固体電解質成形体を構成した。以下にそ
の詳細を示す。
【0090】まず、固体電解質の原材料として、硫化リ
チウム(Li2S)と硫化燐(P2 5)とをモル比で
0.5Li2S−0.5P25で表されるガラス状固体
電解質を得た。
【0091】この固体電解質に熱可塑性構造体としてポ
リスチレンを固体電解質に対して2.5重量%加えた以
外は、実施例7と同様の方法で固体電解質成形体を得
た。
【0092】この固体電解質成形体、ならびにガラス繊
維状固体電解質のイオン導電率を実施例1と同様の方法
で測定したところ、固体電解質成形体では1.8×10
-4S/cmで、熱可塑性構造体を加えないガラス繊維状固
体電解質では3.2×10-4S/cmであった。
【0093】また、実施例1と同様の折り曲げ試験を行
った結果、電解質成形体の外観には何ら異常はみられ
ず、高い可撓性を有していることがわかった。
【0094】(実施例15)固体電解質として0.6L
2S−0.4B23で表されるリチウムイオン導電性
のガラス繊維状固体電解質を、熱可塑性構造体としてポ
リスチレンをそれぞれ用い、固体電解質成形体を構成し
た。以下にその詳細を示す。
【0095】まず、固体電解質の原材料として、硫化リ
チウム(Li2S)と硫化ホウ素(B23)とをモル比
で0.6:0.4の割合で混合したものを用い、それ以
外は実施例1と同様の方法で0.6Li2S−0.4B2
3で表されるガラス状固体電解質を得た。
【0096】得られた固体電解質にポリスチレンからな
る熱可塑性構造体を固体電解質に対し0.3重量%加え
た以外は、実施例7と同様の方法で固体電解質成形体と
した。
【0097】この固体電解質成形体、ならびに固体電解
質粉末のイオン導電率を実施例1と同様の方法で測定し
たところ1.5×10-4S/cmで、熱可塑性構造体を加
えないガラス繊維状固体電解質では2.8×10-4S/
cmであった。
【0098】また、実施例1と同様の折り曲げ試験を行
ったところ電解質成形体の外観には異常はみられず、高
い可撓性を有していることがわかった。
【0099】以上のように、本発明によると固体電解質
のイオン導電率を大きく損なうことなく、加工性に優れ
た固体電解質成形体が得られる。
【0100】(実施例16)リチウムイオン導電性固体
電解質として0.4Li3PO4−0.6Li4SiO4
用い、吹付法によりガラス繊維状の固体電解質成形体を
得た。以下にその詳細を示す。
【0101】まず、固体電解質として、以下の方法で
0.4Li3PO4−0.6Li4SiO4で表されるリチ
ウムイオン導電性ガラス繊維状固体電解質を合成した。
【0102】すなわち、燐酸リチウム(Li3PO4)と
ケイ酸リチウム(Li4SiO4)とをモル比で0.4:
0.6に混合し、その混合物をガラス状カーボンの坩堝
中に入れた。その坩堝を縦型電気炉中に入れ、アルゴン
気流中で1300℃まで加熱し、混合物を溶融状態とし
た。これを2時間加熱の後、実施例1と同様の方法で坩
堝中の溶融ガラスを流下させながら高圧液体窒素で吹き
飛ばして0.4Li3PO4−0.6Li4SiO4で表さ
れるリチウムイオン導電性のガラス繊維状固体電解質を
得た。
【0103】つぎにこのガラス繊維状固体電解質を加圧
成形により不織布とした。この不織布状固体電解質成形
体のイオン導電率を実施例1と同様の方法で測定したと
ころ、2.8×10-6S/cmであった。
【0104】つぎに、この固体電解質成形体の加工性
を、実施例1と同様の折り曲げ試験を行った。その結
果、本実施例における固体電解質成形体は折り曲げ試験
によっても、外観上は異常がみられず、高い可撓性を有
していることがわかった。
【0105】(実施例17)実施例12で得られたガラ
ス繊維状の固体電解質成形体を用いてリチウム電池を作
製した。以下にその詳細を示す。
【0106】二硫化チタン(TiS2)と実施例12で
得られたガラス繊維状固体電解質とを重量比で1:1に
混合し、加圧成形して厚さ0.1mm、10×30mm角の
正極10とした。負極11には厚さ0.1mm、10×3
0mm角のLiシートを用いた。電解質12には実施例1
2で得たガラス繊維状固体電解質成形体を、厚さ0.2
mm、10×30mm角に成形して用いた。この電解質12
を正極、負極で挟み、さらに正,負極の外側にカーボン
ペースト13,13′を付着させて各極の端子とし、図
3に示す全固体リチウム二次電池を構成した。
【0107】この全固体リチウム二次電池の開回路電圧
は2.8V、短絡電流は700μA/cm2であった。ま
た100μA/cm2の電流密度で放電させたところ、図
4の様な放電曲線を示した。
【0108】ついで、この電池を直径50mmφのステン
レス棒に沿って30°の角度に5回折り曲げてみた結
果、電池の充放電の初期特性には何ら影響を与えなかっ
た。
【0109】さらに、比較的電圧の安定している範囲を
考慮し、放電終止電圧を1.9Vとして電流密度100
μA/cm2で充放電サイクル試験を続けたが、300サ
イクル後も充放電曲線は全く変化せず、また短絡電流の
変化も認められず、安定に動作することがわかった。
【0110】なお、上記の実施例においては、ガラス繊
維状固体電解質の製法として吹付法、遠心法、ポット方
式およびロッド方式についてのみ説明を行ったが、その
他の引き上げ法などの製法によっても同様の効果が得ら
れることはいうまでもなく、本発明のガラス繊維状固体
電解質の製法は上記の手法にのみ限定されるものではな
い。
【0111】また、熱可塑性構造体としてはポリスチレ
ン、1,2−ポリブタジエン、ポリエチレンについての
み説明を行ったが、この他の熱可塑性構造体として、ス
チレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体などの
他の樹脂を用いても同様の効果が得られることはいうま
でもなく、これらの樹脂に限定されるものではない。
【0112】さらに上記の実施例においては、リチウム
イオン導電性硫化物の固体電解質として、0.5Li2
S−0.5SiS2,0.03Li3PO4−0.59L
2S−0.38SiS2,0.5Li2S−0.5P2
5,0.6Li2S−0.4B23をリチウムイオン導電
性の酸化物固体電解質として0.4Li3PO4−0.6
Li4SiO4を、銀イオン導電性固体電解質として0.
75AgI−0.25Ag2MoO4を、銅イオン導電性
固体電解質として0.3CuI−0.35Cu 2O−
0.35MoO3を、プロトン導電性の固体電解質とし
て0.45BaO−0.55P25で表されるものにつ
いてそれぞれ説明したが、これ以外にガラス化が可能な
固体電解質であればいずれのものでも使用可能なことは
いうまでもなく、上記の例で用いた固体電解質にのみ限
定されるものではない。
【0113】また、実施例においては、全固体リチウム
二次電池の正極として活物質である二硫化チタンと0.
03Li3PO4−0.59Li2S−0.38SiS2
ラス繊維状の固体電解質との混合物を説明したが、その
他上記に示す固体電解質を用いたもの、また二硫化チタ
ンに代えて、二硫化タンタルなどのカルコゲン層間化合
物、あるいは遷移金属酸化物などの他の正極活物質を用
いても同様の効果が得られることもいうまでもなく、本
発明におけるリチウム電池は上記の正極活物質とガラス
繊維状固体電解質との混合物に限定されるものではな
い。
【0114】さらに、上記実施例における全固体リチウ
ム電池のガラス繊維状固体電解質成形体層については、
0.03Li3PO4−0.59Li2S−0.38Si
2で表されるリチウムイオン導電性ガラス状固体電解
質の成形体を用いて説明したが、他のガラス化が可能な
固体電解質であればいずれのものでも使用可能である。
【0115】さらに、また上記実施例における全固体リ
チウム電池の負極材料にはLiシートを用いたが、他の
リチウム合金などを用いても同様の効果が期待できるこ
とは勿論であり、上記の実施例にのみ限定されるもので
はない。
【0116】
【発明の効果】以上のように、ガラス状固体電解質を繊
維状にし、成形体を構成することにより、バルクの導電
率に近い高い導電性を維持する固体電解質成形体を得る
ことができた。
【0117】特に、ガラスとしての安定性に優れたリチ
ウムイオン導電性の固体電解質においては、酸化物系リ
チウムイオン導電性固体電解質に比べて少なくとも硫化
リチウムを含む複数の化合物より合成されるリチウムイ
オン導電性固体電解質をガラス繊維状化することで、高
いイオン導電率を有する固体電解質成形体を容易に得る
ことができた。
【0118】また、ガラス繊維状固体電解質成形体の空
隙に熱可塑性構造体を充填することで、高いイオン導電
率を有し、しかも加工性にも富む固体電解質成形体を得
ることができた。
【0119】また、上記ガラス繊維状固体電解質の成形
体を用いることで、フレキシブルでかつ内部抵抗の低い
リチウム電池や固体電気化学センサを得ることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるガラス繊維状固体電
解質の製造装置を示す原理図
【図2】本発明の一実施例におけるガラス繊維状固体電
解質と熱可塑性構造体とを用いた織布の概略図
【図3】本発明の一実施例におけるガラス繊維状固体電
解質成形体を用いたリチウム電池の構成略図
【図4】本発明の一実施例におけるガラス繊維状固体電
解質成形体を用いたリチウム電池の放電曲線図
【符号の説明】
1 坩堝 2 電気炉 3 ノズル 4 溶融ガラス 5 流下する溶融ガラス 6 吹出ノズル 7 高圧液体窒素 8 ガラス繊維状固体電解質 9 ポリエチレン繊維
フロントページの続き (72)発明者 近藤 繁雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−74612(JP,A) 特開 平4−133209(JP,A) 特開 昭62−82665(JP,A) 米国特許4164610(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/36 - 10/38 H01B 1/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状固体電解質を織布もしくは不織布
    としたことを特徴とする繊維状固体電解質成形体。
  2. 【請求項2】 繊維状固体電解質相互の空隙に熱可塑性
    樹脂構造体を充填したことを特徴とする請求項記載の
    繊維状固体電解質成形体。
  3. 【請求項3】 繊維状固体電解質の長繊維と熱可塑性樹
    脂構造体繊維を配して織布を構成したことを特徴とする
    請求項記載の繊維状固体電解質成形体。
  4. 【請求項4】 固体電解質がガラス状であることを特徴
    とする請求項記載の繊維状固体電解質成形体。
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