JPH103807A - 車両用のシール工法 - Google Patents

車両用のシール工法

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JPH103807A
JPH103807A JP8155600A JP15560096A JPH103807A JP H103807 A JPH103807 A JP H103807A JP 8155600 A JP8155600 A JP 8155600A JP 15560096 A JP15560096 A JP 15560096A JP H103807 A JPH103807 A JP H103807A
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vehicle
liquid
housing
lens
catalyst
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JP8155600A
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Inventor
Kiminori Araki
木 公 範 荒
Takashi Hisanaga
永 孝 久
Akihito Kanemasa
政 昭 仁 兼
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】攪拌工程が不要、または攪拌が容易に行え、メ
ンテナンス、設備などが簡単で済み、良好な気(液)密
性を付与し、車両用のハウジングのリサイクルを可能に
する車両用シール工法の提供。 【解決手段】2つの基材を密着させるシール部の製造方
法において、(a)イソシアネート化合物を含む第1液
と(b)2量体化触媒を含む第2液とを、混合し、得ら
れた混合物を一方の基材に塗布し、発泡、硬化させ、そ
の上に他方の基材を圧接することを特徴とする車両用の
シール部の製造方法、および2つの基材を密着させるシ
ール部の製造方法において、2量体化触媒を含むイソシ
アネート化合物を一方の基材に塗布し、加熱、発泡、硬
化させ、その上に他方の基材を圧接することを特徴とす
る車両用のシール部の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は攪拌工程が不要、ま
たは攪拌が容易に行え、メンテナンス、設備等が簡単で
済み、良好な気(液)密性を付与し、車両用ハウジング
のリサイクルを可能にする車両用シール工法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘッドライトやリヤコンビネーションラ
ンプ等の車両用灯具は、基本的に、本体となるハウジン
グと、光源と、光源の光を前方に反射するリフレクタ
(リフレクタがハウジングに内包される場合もある)
と、光源およびリフレクタからの光を集光すると共に、
ハウジングの開放面を閉塞するレンズとが一体的に構成
された構造体である。このような車両用灯具において
は、内部に水等が入ると光源の破損や光量低下等の原因
となるため、ハウジングとレンズとの接合部にはシール
材(ガスケット、パッキン)が配置され、両者の間が液
(気)密に保たれている。
【0003】従来、このような車両用シール材は、いわ
ゆるホットメルトによって形成されており、ハウジング
あるいはレンズの接合部に形成された溝に溶融したホッ
トメルトを充填して、ハウジングとレンズとを組み合わ
せることにより、ハウジングとレンズとを接着して両者
を液密に保っていた。ところが、ホットメルトを利用す
る従来の方法では、両者を接着してしまうため、ハウジ
ング、レンズ、リフレクタ等のいずれか1つの部品が損
傷しただけで光源を除く車両用灯具の全部を交換する必
要があり、また車両用灯具等の廃棄(あるいは廃車)時
に、ハウジングやレンズ等の各種部材のリサイクルがで
きないという問題点がある。しかも、車両用灯具等の製
造中にホットメルトが不要な部分に付着すると、これを
完全に取り除くことができず、クレームの原因ともなる
ため、その部材は廃棄しなければならないという問題も
ある。
【0004】このようなホットメルトを用いた工法の問
題点を解決する手段として、ウレタン樹脂発泡体やシリ
コン樹脂発泡体等の発泡体をシール材として用いる方法
が知られており、例えば、特開昭52−113194号
公報には塩化ビニルゾルを用いる方法が、特開平3−9
4876号公報には発泡性ポリシロキサンを用いる方法
が、それぞれ開示されている。これらの方法では、発泡
性樹脂組成物の主剤と硬化剤とを混合してシール部分に
充填(吐出)し、この組成物を発泡硬化させて弾性を有
するシール材を形成し、その後、ハウジングとレンズと
を組み合わせ、両者をネジやクリップ等の機械的手段で
押圧固定することにより車両用灯具を形成する。
【0005】発泡体を用いる方法によれば、ハウジング
とレンズ、さらに両者とシール材等とが接着されないの
で、ハウジング等の部材が破損した際にも破損した部材
のみ交換が可能であり、また廃棄時にも各部材のリサイ
クルが可能である。また、組成物が不要な部分に付着し
た際にも、硬化後に組成物を完全に取り除くことができ
るので、部材を廃棄する必要もない。
【0006】しかし発泡体として2液の水発泡性ウレタ
ンを使用する場合、水とイソシアネート、ポリオールの
相溶性が良くないため、ダイナミックローターを備えた
2液混合吐出機(ダイナミックミキサー)が必要とな
る。しかし該装置は高価であるうえに、メンテナンスが
大変である。またローターを回転させるモーターが重い
ため、ロボットで塗付する際に、この重量に耐えうる大
きなロボットを用いる必要があり大きな制約となる。
【0007】また、リヤコンビネーションランプの車両
用灯具を車両本体に取り付ける場合は、雨水等、外から
の水漏れによるトランクルームの浸水や電気系統の故障
を避けるため、ランプのハウジングと車両本体の接合部
にパッキンを使用している。このパッキンは、現行では
シート状発泡体を成形後、打ち抜いたものを人手により
取付けている。
【0008】しかし、現行のパッキン製造方法では、車
体表面の形状が複雑なため、打ち抜いたパッキンの追従
性が悪くシール不良を起こしやすい、シール面圧を均等
化させるためビス止め箇所が多くなるなどの欠点があ
る。また、このパッキン材は吸水し易く防錆の点からも
好ましくない。さらに、シート状発泡体を成形した後、
打ち抜き、さらにその打ち抜いた発泡体を車両本体と車
両用灯具の間に取付る工程を必要とし手間がかかり、コ
ストが高くなる。また、車両本体やランプのハウジング
の形状が変更されるごとに打ち抜く型を変えなければな
らず、組み立て作業の自動化が困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決し、攪拌工程が不要、または攪拌が容易に行え、メン
テナンス、設備などが簡単で済み、良好な気(液)密性
を付与し、車両用のハウジングのリサイクルを可能にす
る車両用シール工法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の態様は、2つの基材を密着させるシール部の製造方法
において、(a)イソシアネート化合物を含む第1液と
(b)2量体化触媒を含む第2液とを、混合し、得られ
た混合物を一方の基材に塗布し、発泡、硬化させ、その
上に他方の基材を圧接することを特徴とする車両用のシ
ール部の製造方法を提供する。本発明の第2の態様は、
2つの基材を密着させるシール部の製造方法において、
2量体化触媒を含む1液型イソシアネート化合物を一方
の基材に塗布し、加熱、発泡、硬化させ、その上に他方
の基材を圧接することを特徴とする車両用のシール部の
製造方法を提供する。さらに、前記2つの基材が車両灯
具のハウジングとレンズである車両用のシール部の製造
方法、前記2つの基材が車両用灯具と車体である車両用
のシール部の製造方法、および前記2量体化触媒がフォ
スフォリンオキサイド系およびチタン系からなる群から
選ばれた少なくとも1種類である車両用のシール部の製
造方法を提供する。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
第1の態様はイソシアネート化合物を含む第1液と2量
体化触媒を含む第2液を攪拌混合し、発泡、硬化させ、
2つの基材を圧接することを特徴とする車両用のシール
部の製造方法に関する。
【0012】本発明に用いられるイソシアネート化合物
としては分子末端にイソシアネート基を含有していれ
ば、特に限定されず、通常のポリウレタン樹脂組成物に
使用されるポリイソシアネート化合物でもよいし、ポリ
オール化合物に過剰のポリイソシアネート化合物を反応
させて得られる反応生成物であって、イソシアネート基
を分子末端に含有する、いわゆるウレタンプレポリマー
であってもよい。
【0013】本発明に用いられるポリイソシアネート化
合物としては、通常のポリウレタン樹脂組成物に使用さ
れるものが各種例示され、具体的には、2,4−トリレ
ンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリ
レンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MD
I)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(2,4’−MDI)、p−フェニレンジイソシアネー
ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート(XDI),1,5−ナフ
タレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ポリイソ
シアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソ
シアネート、H 6 XDI(水添XDI)、H12MDI
(水添MDI)等の脂環式ポリイソシアネート;上記各
ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシア
ネート、またはこれらのイソシアヌレート変性ポリイソ
シアネート等が挙げられる。これらの1種あるいは2種
以上の組み合わせとして使用される。
【0014】本発明に用いられるウレタンプレポリマー
としては通常のポリウレタン樹脂組成物に用いられるポ
リイソシアネート化合物とポリオールから生成されるも
のであれば特に限定されないが、その調製に使用される
ポリイソシアネート化合物としては前記ポリイソシアネ
ート化合物を使用することができる。
【0015】他方、本発明に利用されるポリオールと
は、通常のウレタンプレポリマーの調製と同様、ポリエ
ーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他の
ポリオール、およびこれらの混合ポリオールが挙げられ
る。具体的には、ポリエーテルポリオールとしては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒド
ロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェ
ニルメタンなどの2価アルコール;グリセリン、1,
1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサ
ントリオール、ペンタエリスリトール等の多価アルコー
ル;エチレンジアミン、芳香族ジアミンなどのジアミン
類;ソルビトールなどの糖類などの1種または2種以上
に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオ
キサイドの1種または2種以上を付加して得られるポリ
オール;ポリオキシテトラメチレンオキサイド等が挙げ
られる。
【0016】また、ポリエステルポリオールは、縮合系
ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリオール、ポリ
カーボネートジオールに大別され、具体的には、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパン、あるいはその他の低分子ポリオールの
1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸、ダイマー酸、あるいはその他の低分子カルボ
ン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合
体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合
体等が挙げられる。
【0017】さらに、その他のポリオールとしては、主
鎖が炭素−炭素結合よりなるポリオール、例えば、アク
リルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加
されたポリブタジエンポリオール等や、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールも好適
に例示される。これらのポリオールは、単独でも2種以
上併用してもよい。
【0018】末端にイソシアネート基を有するウレタン
プレポリマー製造の際のポリイソシアネート化合物とポ
リオールの量比は、ポリイソシアネート化合物中のイソ
シアネート基1個あたり、ポリオール中のヒドロキシル
基が1個以下となる量比とするが、好ましくは0.95
〜0.75個である。また、ウレタンプレポリマーの製
造条件は、通常のウレタンプレポリマーの製造条件でよ
い。すなわち、上述のポリイソシアネート化合物とポリ
オールを反応温度50〜100℃程度で、常圧下で反応
させればよい。
【0019】本発明に用いられるイソシアネート化合物
は、分子末端にイソシアネート基を有していればよく、
上記の化合物に限定されるものではないが、好ましくは
MDIとプロピレングリコール(PPG)、ポリメリッ
クMDIとPPG、TDIとPPG,TDIとポリテト
ラメチレン・エーテルグリコール(PTMG)、MDI
とアクリルポリオール等から得られるウレタンプレポリ
マーが挙げられ、特に好ましくはMDIとPPG、ポリ
メリックMDIとPPG等から得られるウレタンプレポ
リマー等である。
【0020】本発明に用いられる2量体化触媒として
は、イソシアネートの二量化反応を促進し、カルボジイ
ミドの形成を促すものであれば特に限定されないが、リ
ン系触媒、チタン系触媒等が好適例として挙げられる。
具体的には、リン系触媒としては、3−メチル−1−フ
ェニルフォスフォレンオキサイドやその他のフォスフィ
ンオキサイド類、ホスフィン錯体等(例えば、カンフェ
ンフェニルフォスフィンオキサイドや下記式で例示され
るもの) が好ましい。
【化1】
【0021】チタン系触媒としては、テトラ−i−プロ
ポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキ
ス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン等が好ましい。
特に3−メチル−1−フェニルフォスフォレンオキサイ
ドを用いるのが好ましい。これらの触媒は、単独でも2
種以上併用してもよい。添加する触媒量はイソシアネー
ト化合物100重量部に対して0.01〜10重量部で
あり、好ましくは0.5〜5重量部である。車両用シー
ルとして適当な比重、圧縮率、硬度を有する樹脂組成物
が得られるからである。
【0022】2量体化触媒を含む第2液には触媒以外
に、触媒を溶すことができる溶媒を加えることもでき
る。添加可能な溶媒としてはポリオール、可塑剤、軟化
剤等が挙げられる。ポリオールとしては上述したポリオ
ールを用いることができ、プロピレングリコールが好適
に使用される。しかし特にこれに限定されるものではな
い。
【0023】可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ
ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジ
ペート、ジイソデシルアジペート、トリオクチルフォス
フェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、ト
リス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸
プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレ
ングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アル
キル、エポキシ化大豆油等が挙げられる。
【0024】上記の触媒を溶かすことができる溶媒は単
独で用いても2種以上併用してもよい。
【0025】第1の態様においては第1液および第2液
を攪拌混合する工程が必要であるが、この攪拌混合は、
第1液、第2液のいずれにも水が含まれなく相溶性の問
題がないので、動的に高効率の攪拌を行うダイナミック
ミキサー等の高価かつ複雑な装置を使わなくても容易に
攪拌ができ、静的に混合を行うスタティックミキサー等
の、安価で構造が単純な装置で十分な攪拌が得られる。
ただしダイナミックミキサー等の使用も可能であるのは
もちろんである。また、第1の態様においても反応を促
進するために加熱工程を加えてもよい。加熱条件は、反
応温度は50〜100℃であることが好ましく、特に7
0〜80℃であることが好ましい。100℃を超える
と、部材に変性が生じてしまうからである。
【0026】本発明の第2の態様においては、触媒とイ
ソシアネート化合物を予め一液にして、攪拌することな
く、これを塗付し、加熱により反応を促進させ、発泡、
硬化させることにより、車両用のシール部の製造を行
う。
【0027】本発明のイソシアネート化合物としては上
述のポリイソシアネート化合物やウレタンプレポリマー
を使用することができるが、分子末端にイソシアネート
基を有していればよく、特に上記化合物に限定されるも
のではない。好ましくはMDIとプロピレングリコール
(PPG)、ポリメリックMDIとPPG、TDIとポ
リテトラメチレン・エーテルグリコール(PTMG)、
TDIとPPG、MDIとアクリルポリオール等から得
られるウレタンプレポリマーが挙げられ、特に好ましく
はMDIとPPG、ポリメリックMDIとPPG等から
得られるウレタンプレポリマーである。
【0028】他方、触媒としては上述した触媒を用いる
ことができ、単独で用いても2種以上併用してもよい。
リン系触媒としては、3−メチル−1−フェニルフォス
フォレンオキサイドやその他のフォスフィンオキサイド
類、ホスフィン錯体等(例えば、カンフェンフェニルフ
ォスフィンオキサイドや下記式で例示されるもの) が好
ましい。
【化2】 チタン系触媒としては、テトラ−i−プロポキシチタ
ン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エ
チルヘキシルオキシ)チタン等が好ましい。特に3−メ
チル−1−フェニルフォスフォレンオキサイドを用いる
のが好ましい。これらの触媒は、単独でも2種以上併用
してもよい。触媒量はイソシアネート化合物100重量
部に対して、0.01〜10重量部であり、好ましくは
0.5〜5重量部である。触媒量をこの範囲にすること
により車両用シール材として適当な硬度、圧縮率、比重
を持つ樹脂組成物が得られる。また、アミン系触媒、ス
ズ系触媒等の一般的な樹脂化触媒を併用してもよい。
【0029】本発明の第2の態様では上記のイソシアネ
ート化合物と、触媒を予め一液にし、それを塗付、加熱
し、発泡硬化させることにより、車両用のシール材を形
成する。この工法においては攪拌工程は不要である。こ
こで加熱することにより反応を促進させるが、反応温度
は50〜100℃であることが好ましく、特に70〜8
0℃であることが好ましい。100℃を超えると、部材
に変性が生じてしまうからである。
【0030】本発明の第1の態様においては上記の
(a)イソシアネート化合物を含む第1液、および
(b)2量体化触媒を含む第2液を、攪拌混合し、発
泡、硬化させることにより車両用のシール材を形成す
る。
【0031】以上のように本発明において、第1の態様
ではスタティックミキサー等を使用した静的な混合で十
分であり、第2の態様では攪拌工程が全く不要である。
このように本発明の車両用のシール部の製造方法はいず
れの態様においても、ダイナミックミキサー等の高価で
複雑な装置を使用しなくても実施することができる。
【0032】本発明は車両用のシール部の製造方法に係
り、車両用のシールであれば施工箇所は限定されない
が、特に車両用灯具のハウシングとレンズのシール、お
よび車両用灯具と車体のシールに好適である。以下に車
両用灯具のハウシングとレンズのシール、および車両用
灯具と車体のシールを例に挙げて本発明の車両用のシー
ル部の製造方法を詳細に説明する。なお、以下の説明は
添付の図面を参照にする。
【0033】図1に示されるように、車両用灯具10
は、基本的に、光源12と、光源12を所定位置に保持
すると共に、内面が反射鏡となっており光を前方に反射
するリフレクタ15を内包するハウジング14と、ハウ
ジング14の開放面を閉塞すると共に、調光を行うレン
ズ16とが一体的に構成されてなるものである。なお、
図示例の車両用灯具10は、リフレクタ15がハウジン
グ14に内包される構成となっている例であるが、本発
明が対応する車両用灯具はこの構成に限定されず、リフ
レクタとハウジングとが別体になっている構成等、公知
のヘッドランプ、フォグランプ、リアコンビネーション
ランプ等の車両用灯具のレンズのシール全てに対応可能
である。
【0034】ハウジング14の開放面側の上端には、全
周に渡って外方に突出するフランジ18が形成される。
このフランジ18にはシール溝20が形成され、弾性を
有するシール材22が挿入(充填)されている。レンズ
16は、その接合部(外周部下端の突起=レンズ足)を
シール溝20に挿入するようにして配置され、バネ弾性
を有するクランプ24等によってレンズ16とハウジン
グ14とが互いに押圧されて固定されることにより、レ
ンズ16がハウジング14の開放面を閉塞し、レンズ1
6とハウジング14との接合部分が、シール材22によ
って液(気)密に接合されて、車両用灯具10が構成さ
れる。
【0035】本発明のシール部の製造方法は、このよう
な車両用灯具10のシール材22(ガスケット、パッキ
ン)の形成にも使用可能であって、未硬化すなわち液状
の樹脂を調製して、この樹脂をシール溝20に充填し、
加熱し、未硬化の樹脂を硬化することをその基本構成と
する。
【0036】前述のように、ハウジング等の部材が破損
した際にも破損した部材のみ交換が可能である、廃棄時
に各部材のリサイクルが可能である等の利点を有するこ
とから、車両用のシールとして、従来より使用されてい
るホットメルトを用いたシール材に変わって、ウレタン
発泡体の使用が拡大してきている。
【0037】図2に示される例は、本発明の第1の態様
の一例であって、第1液と第2液とを攪拌混合すること
により、加熱あるいは非加熱で硬化する樹脂組成物を用
いて、車両用灯具のハウジングとレンズのシールを行う
例である。
【0038】図2に示される例において、第1液は樹脂
槽30に充填され、第2液はあらかじめ脱水槽で脱水し
てから、樹脂槽32に充填される。第1液は供給ライン
36を経て、他方、第2液は供給ライン38を経て、そ
れぞれ混合器40に供給される。なお、第1液および第
2液の供給は、ポンプ等を用いた公知の方法によればよ
い。第1液および第2液は、混合器40によって混合さ
れ、この混合器40は、静的ないわゆるスタティックミ
キサー等で十分であるのは前述のとおりである。
【0039】混合器40で調製された樹脂混合物は、混
合器40から吐出され、ハウジング14のフランジ18
に形成されたシール溝20に充填され、シール材22と
される。なお、混合器40からシール溝20への樹脂混
合物の吐出(充填)は、混合器40への第1液および第
2液の供給力を利用してもよく、あるいはポンプ等を用
いる方法であってもよく、公知の方法によればよい。加
熱して、又は加熱せずにシール材22(樹脂混合物)の
樹脂が硬化したら、図1に示されるように、レンズ16
の接合部分をシール溝20に挿入するようにしてハウジ
ング14とレンズ16とを組み合わせ、クランプ24で
両者を互いに押圧して固定することにより、車両用灯具
10が作製される。
【0040】さらに車両用灯具と車体とのシールを例に
挙げて、以下に本発明を詳細に説明する。第1の態様、
第2の態様のいずれの場合も上述の車両用灯具のハウジ
ングとレンズとのシールの場合と同様に、樹脂(混合
物)を調製することができる。図3は車体後部に車両用
灯具を装着させた状態を示し、図4は図3のA−Bにお
ける断面図であるが、調製された樹脂(混合物)は図4
中のボディーパネル3の所定位置4に塗布され、必要に
より加熱し、発泡、硬化させ、車両用灯具1の所定位置
をその上に圧接し上述の場合と同様にパッキン材2とす
る。調製された樹脂をボディーパネル3に塗布する際
に、混合がスタティックミキサーで行うことができれ
ば、重量のあるダイナミックミキサーを車体組立ライン
上で移動する必要がなく工程の合理化が著しい。一方、
調製された樹脂(混合物)を車両用灯具1の所定位置4
に塗布した場合は、同様にボティーパネル3と圧接し、
パッキン材2とする。
【0041】本発明の第1の態様を車両用灯具と車体の
シールに適用する場合も、車両用灯具のハウジングとレ
ンズのシールの場合と同様の方法でパッキン材を作成で
き、スタティックミキサー等の混合器を使用して樹脂混
合物を調製する。
【0042】所定位置4への樹脂混合物の吐出(充填)
は、第1の態様の場合は混合器40への第1液および第
2液の供給力を利用しても、ポンプ等を用いる方法であ
ってもよく、第2の態様の場合はポンプ等を用いてもよ
く、いずれの場合も公知の方法によればよい。パッキン
材2(樹脂混合物)の樹脂を充填した後あるいは、加熱
して、または加熱せずにその樹脂を硬化させてから、車
両用灯具1をボディーパネル3に挿入するように押圧し
て固定することにより、車両用灯具1がボディーパネル
3に取付けられる。さらに、ボディーパネル3と車両用
灯具1とをネジやクランプ等で固定してもよい。
【0043】本発明の組成物は、必要に応じて、さら
に、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料や染
料等の着色剤、炭酸カルシウムやシリカ等の充填剤、軟
化剤、可塑剤、カーボンブラックやシリカ等の補強剤、
各種の添加剤等を配合してもよい。
【0044】本発明の車両用のシール部の製造方法によ
れば攪拌工程が不要、またはスタティックミキサー等を
使用しても十分に攪拌が行え、メンテナンス、設備など
を簡単に済ますことができる。また、ホットメルト法で
は不可能だった車両用のハウジングのリサイクルも可能
になる。さらに、従来、車両後部にライトを装着する際
に使用していた打ち抜き法のパッキン材とは異なり、車
両表面の凹凸に柔軟に対応できるため、気(液)密なパ
ッキン材を提供することが出来る。
【0045】車両用灯具と車体パッキンを例に挙げて本
発明を説明したが、本発明は車両用のシール工法であ
り、その施工箇所は限定されず、例えばエアアウトレッ
ト、エアダクトなどにも使用できる。また他の用途への
転用、各種の変更および改良を行ってよい。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明する。ただし本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。下記の組成で試験片を作成した。 (実施例1;態様2に相当)ジフェニルメタンジイソシ
アネート20重量部とプロピレングリコール80重量部
によりプレポリマーを調製し、得られたプレポリマー1
00重量部に触媒として3−メチル−1−フェニルフォ
スフォレンオキサイド3重量部を加え、80℃で30分
間加熱し、発泡、硬化させ試験片を得た。
【0047】(実施例2;態様1に相当)ジフェニルメ
タンジイソシアネート30重量部とプロピレングリコー
ル70重量部によりプレポリマーを調製し、得られたプ
レポリマーを第1液とした。一方、ジオクチルフタレー
ト10重量部に触媒として3−メチル−1−フェニルフ
ォスフォレンオキサイド1重量部を溶解し、第2液とし
た。第2液を脱水してから、第1液50重量部と第2液
20重量部をスタティックミキサーで混合し、吐出した
混合物を80℃で30分間加熱し、発泡、硬化させ試験
片を得た。
【0048】(実施例3;態様1に相当)ジフェニルメ
タンジイソシアネート40重量部とプロピレングリコー
ル60重量部によりプレポリマーを調製し、得られたプ
レポリマーを第1液とした。一方、プロピレングリコー
ル50重量部に3−メチル−1−フェニルフォスフォレ
ンオキサイド4重量部を溶解し、第2液とした。第2液
を110℃、減圧下で脱水してから、第1液60重量部
と第2液40重量部をスタティックミキサーで混合し、
吐出した混合物を室温で発泡、硬化させ試験片を得た。
【0049】(比較例1)プロピレングリコール100
重量部、水3重量部および3−メチル−1−フェニルフ
ォスフォレンオキサイド1重量部を混合し、これを第1
液とした。一方ポリメリックMDIを2液とし、第1液
100重量部と第2液22重量部をスタティックミキサ
ーで混合し、吐出した混合物を室温で、発泡、硬化させ
試験片を得た。以上得られた試験片の硬度、圧縮率(容
積減少率)、比重を測定し評価した。
【0050】
【0051】実施例1〜3の試験片は攪拌しなくとも、
又はスタティックミキサーによる静的な攪拌でも、均一
なウレタン樹脂組成物が得られ、車両用シールに好適
な、良好な気密性を保つ硬化物が得られた。一方同様の
パッキンを水添加によりつくると、同様のスタティック
ミキサーによる静的混合では、発泡が不均一で表面外観
が劣り発泡後のシール材の高さも不均一であった。車両
用シール材の攪拌工程をダイナミックミキサーで行う
と、ミキサーをラインに沿って動かす際に使用するロボ
ットはその荷重に耐えられるだけの大規模なものが必要
となり、そのコストはスタティックミキサーを使用する
場合と比較すると約3倍にも上る。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば攪拌工程が不要、または
攪拌が容易に行え、メンテナンス、設備などが簡単で済
み、良好な気(液)密性を付与し、車両用のハウジング
のリサイクルを可能にする車両用シール工法を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール工法を利用する車両用灯具の一
例の概略断面図であって、(a)はハウジング(リフレ
クタ)とレンズの固定前を、(b)はハウジング(リフ
レクタ)とレンズの固定後を、それぞれ示す。
【図2】本発明の第1の態様における車両用のシールの
作成例を示す。
【図3】車体後部に車両用灯具を装着させた状態の一例
を示す概念図である。
【図4】図3のA−Bにおける切断面の概略図である。
【符号の説明】
1 車両用灯具 2 パッキン材 3 ボディーパネル 4 パッキン装着位置 10 車両用灯具 12 光源 14 ハウジング(兼リフレクタ) 15 リフレクタ 16 レンズ 18 フランジ 20 シール溝 22 シール材 24 クランプ 30、32 樹脂槽 36、38 供給ライン 40 混合器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの基材を密着させるシール部の製造方
    法において、(a)イソシアネート化合物を含む第1液
    と(b)2量体化触媒を含む第2液とを、混合し、得ら
    れた混合物を一方の基材に塗布し、発泡、硬化させ、そ
    の上に他方の基材を圧接することを特徴とする車両用の
    シール部の製造方法。
  2. 【請求項2】2つの基材を密着させるシール部の製造方
    法において、2量体化触媒を含むイソシアネート化合物
    を一方の基材に塗布し、加熱、発泡、硬化させ、その上
    に他方の基材を圧接することを特徴とする車両用のシー
    ル部の製造方法。
  3. 【請求項3】前記2つの基材が車両用灯具のハウジング
    とレンズである請求項1または2に記載の車両用のシー
    ル部の製造方法。
  4. 【請求項4】前記2つの基材が車両用灯具と車体である
    請求項1または2に記載の車両用のシール部の製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記2量体化触媒がフォスフォリンオキサ
    イド系およびチタン系からなる群から選ばれた少なくと
    も1種類である請求項1〜4のいずれかに記載の車両用
    のシール部の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013500877A (ja) * 2009-07-24 2013-01-10 サンゴバン・パフォーマンス・プラスティックス・シェンヌー ポリウレタンガスケットおよびそれを形成する方法
CN109973933A (zh) * 2019-04-22 2019-07-05 大茂伟瑞柯车灯有限公司 一种安装简单且精度要求低的车灯调光机构

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