JPH1038016A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

液体封入式防振装置

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JPH1038016A
JPH1038016A JP21423396A JP21423396A JPH1038016A JP H1038016 A JPH1038016 A JP H1038016A JP 21423396 A JP21423396 A JP 21423396A JP 21423396 A JP21423396 A JP 21423396A JP H1038016 A JPH1038016 A JP H1038016A
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liquid
chamber
rubber
vibration damping
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Keiji Mitsuyoshi
啓司 三吉
Tatsuo Suzuki
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温下でも耐久強度が得られるようにすると
ともに、所定の動バネ特性が得られるようにする。 【解決手段】 振動体に連結される上部連結部材9と、
車体側メンバに連結される下部連結部材99との間に、
振動体からの振動が入力される防振ゴム体1、防振ゴム
体1に直列に、液体の充填された主室3及び副室6を設
ける。これら主室3と副室6との間を連結するオリフィ
ス4を設ける。上記防振ゴム体1を包み込むように、上
記上部連結部材9につながるゴム膜状の弾性部材2及び
上記下部連結部材99に結合される筒状金具22を設け
る。これら部材にて形成される空間内に液体を充填して
液室を設け、この液室をもって副室6あるいは独立の液
室66とする。 【効果】 防振ゴム体1を、天然ゴムを主体とした低動
バネ特性を有するゴム材にて形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体封入式防振装
置に関するものであり、特に、主バネを形成する防振ゴ
ム体の、その周りに液室を設けるようにするとともに、
当該液室の外側を耐熱性に優れたゴム膜状弾性部材にて
覆うようにし、これによって高周波数域における低動バ
ネ定数化を図るようにした、液体封入式防振装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】防振装置のうち、特に、自動車用のエン
ジンマウント等にあっては、動力源であるところのエン
ジンが、アイドリング運転の状態から最大回転速度まで
の間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い
範囲の周波数に対応できるものでなければならない。そ
のため、内部に二つの液室を設け、その間をオリフィス
をもって連結するようにした、いわゆる液体封入式のエ
ンジンマウント(防振装置)が、すでに案出されてお
り、公知となっている。ところで、このような従来の液
体封入式のエンジンマウントは、エンジンルーム内等の
高温下に置かれるものであるところから、当該インシュ
レータの部分が、疲労変形(へたり)等を起こすという
問題点がある。このような高温下での疲労変形(へた
り)等の問題点を解決するために、主バネを形成するイ
ンシュレータ(ゴム状弾性体)の外側に耐熱性の弾性部
材(ゴム材)を配するようにしたものが既に案出されて
おり、例えば特開平7−114388号公報等により、
すでに公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものは、主バネを形成する部分を天然ゴムを主体とした
ゴム状弾性体にて形成させるとともに、その外側の部分
に耐熱性に優れたゴム状弾性部材を巻き付けるようにし
た構成からなるものである。従って、上記天然ゴムを主
体とした主バネの部分の耐熱性あるいは酸素遮断性を向
上させようとすれば、上記外側に巻き付けられる(装着
される)耐熱性弾性部材の部分を厚くする必要がある。
しかしながら、この耐熱性を有するゴム状弾性部材は、
高周波数振動に対して、その動バネ定数が高くなるとい
う性質を有している。従って、高周波数域において、低
動バネ特性を得ようとするエンジンマウント等において
は、上記耐熱性弾性部材の部分を厚くするのは好ましく
ない。このような問題点を解決するために、主バネを形
成する防振ゴム体を天然ゴムを主体に形成させるように
するとともに、当該防振ゴム体の、その周りに液室を設
け、更に、当該液室の外郭を形成するところに、耐熱性
のゴム膜状弾性部材を設けるようにした液体封入式の防
振装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、請求項1記載の発明においては、振動体
に取付けられる上部連結部材と、車体側のメンバに取付
けられる下部連結部材と、これら上下両連結部材の間に
あって、上記振動体からの振動の入力される防振ゴム体
と、上記下部連結部材にその一端が結合されるものであ
って筒状の形態からなる筒状金具と、当該筒状金具の上
部開口部と上記上部連結部材との間に設けられる弾性部
材と、からなる防振装置に関して、上記弾性部材を耐熱
性ゴム膜からなるようにするとともに、当該弾性部材と
上記防振ゴム体との間に形成される空間部内に非圧縮性
流体(液体)を充填し、これによって、上記防振ゴム体
の周りに、当該防振ゴム体を取り囲むように液室を設け
るようにした構成を採ることとした。
【0005】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては次のような作用を呈することとなる。
すなわち、上記主バネを形成する防振ゴム体の周りに
は、一定の質量を有する液体が設けられるようになって
いるものであるところから、本防振装置における上記液
室内の液体の部分は、防振ゴム体が形成するバネ定数
(K)に対して、ダンパマス、すなわち、質量(M)を
形成することとなる。従って、上記振動体からの振動入
力に対して、これらバネ定数(K)及び質量(M)によ
って、一種の共振系が形成されることとなる。その結
果、100Hzないし600Hzの高周波数域の振動全
般にわたって、本防振装置における動バネ定数の低減化
がもたらされることとなる。これによって、これら高周
波数域全般にわたっての振動の遮断機能が発揮されるこ
ととなる。
【0006】また、本発明のものにおいては、上記防振
ゴム体の、その外側に、ゴム膜状の耐熱性弾性部材が設
けられるようになっているところから、エンジンルーム
等、高温下に設置される場合においても、上記防振ゴム
体の部分が直接高温に晒されることがない。また、本防
振ゴム体は、その周りに液室が設けられるようになって
いるところから、その表面部が、直接大気中の酸素と接
触することもない。すなわち、酸素遮断性において優れ
た構成となっている。従って、本発明における主バネを
形成する防振ゴム体としては、耐熱性及び対酸素劣化性
については、特に配慮する必要がなく、低動バネ特性の
みを追求すれば良い。その結果、通常の天然ゴムを主体
とした防振ゴム材を採用することができるようになり、
高周波数振動に対する動バネ定数の上昇を抑えることが
できるようになる。すなわち、動バネ定数(Kd )と静
バネ定数(Ks )との比(Kd /Ks )が高くならず、
高周波数域における振動遮断効果が十分に得られること
となる。
【0007】また、本発明のものにおいては、上記防振
ゴム体の、その外側に設けられる耐熱性の弾性部材は、
上記防振ゴム体の周りに設けられた液室の、その外郭を
形成する表皮部を担うようになっているものである。従
って、本弾性部材は、非常に薄くすることができるよう
になる。すなわち、ゴム膜状の形態からなるものであれ
ば良い。また、本弾性部材は、主バネを形成する防振ゴ
ム体とは別個独立に設けられるようになっているもので
あるとことから、本弾性部材が、本液体封入式防振装置
全体のバネ定数、特に、動バネ定数(動バネ特性)に影
響を及ぼすことが無い。これらのことから、本液体封入
式防振装置の高周波数域における動バネ定数は低く抑え
られることとなる。
【0008】次に、請求項2記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は、上記請求項1記載
のものと同じである。その特徴とするところは、主室と
副室とを有する液体封入式防振装置において、上記防振
ゴム体の周りに液室を設け、本防振ゴム体の対酸素遮断
性を向上させるようにしたことである。すなわち、振動
体に取付けられる上部連結部材と、車体側のメンバに取
付けられる下部連結部材と、これら上下両連結部材の間
にあって、上記振動体からの振動の入力される防振ゴム
体と、上記下部連結部材にその一端が結合されるもので
あって筒状の形態からなる筒状金具と、当該筒状金具の
上部開口部と上記上部連結部材との間に設けられる弾性
部材と、上記振動体からの振動の入力される防振ゴム体
に直列に設けられるものであって、その内部に非圧縮性
流体(液体)の封入される主室及び副室と、これら主室
と副室との間を連結するオリフィスと、からなる液体封
入式の防振装置に関して、上記弾性部材を耐熱性ゴム膜
からなるようにするとともに、上記防振ゴム体の設置さ
れる空間部のところであって当該防振ゴム体の周りに、
かつ、当該防振ゴム体を取り囲むように、非圧縮性流体
(液体)の充填された液室を設けるようにした構成を採
ることとした。
【0009】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては、上記請求項1記載のものに加えて、
更に次のような作用を呈することとなる。すなわち、本
発明のものは、主バネを形成する防振ゴム体の下方部
に、当該防振ゴム体に直列に、液体の封入された主室及
び副室が、更にはこれら主室と副室との間を連結するオ
リフィスが設けられるようになっているものであるとこ
ろから、上記請求項1記載のものに加えて、更に、上記
主室及び副室間の液体の流動作用により、低周波数の振
動であるアイドリング振動の遮断が行なわれることとな
る。
【0010】次に、請求項3記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は、上記請求項1記載
のものと同じである。その特徴とするところは、上記請
求項1記載のものに加えて、上記防振ゴム体の下方部に
設けられる主室内に撹拌板を設けるようにしたことであ
る。すなわち、請求項1記載の発明において上記防振ゴ
ム体の下方部に主室を設けるようにするとともに、当該
主室内に撹拌板を設け、一方、上記防振ゴム体の周りに
設けられた液室をもって副室を形成させるようにし、更
に、これら主室と副室との間に、これら両室内の液体を
流通させるためのオリフィスを設けるようにした構成を
採ることとした。
【0011】このような構成を採ることにより、本発明
においては、上記撹拌板の作用により、高周波数域での
低動バネ定数化(低動バネ特性)を得ることができるよ
うになる。すなわち、上記撹拌板の振動により、上記主
室内の液体を共振させることにより、100Hzないし
600Hzの範囲内の高周波数振動であって特定周波数
の振動入力に対して、本防振装置全体の動バネ定数を低
減化させることができるようになる。また、この特定周
波数の付近の高周波数域全般にわたっての振動入力に対
しては、上記防振ゴム体周りに形成される液室内の液体
の質量効果(ダンパマス効果)によって、これら入力振
動に対する動バネ定数の低減化を図ることができるよう
になる。その結果、これら高周波数域の振動の遮断効果
が高められることとなる。また、これら作用に加えて、
上記主室及び副室、更にはこれらの間を連結するオリフ
ィスの作用により、アイドリング振動に対して低動バネ
定数を得ることができるようになり、当該アイドリング
振動に対する遮断機能が発揮されることとなる。
【0012】次に、請求項4記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は、上記請求項3記載
のものと同じである。その特徴とするところは、上記撹
拌板をもって上下方向を初めとした各方向のストッパを
形成させるようにするとともに、当該ストッパを形成す
る撹拌板の下面部のところにスリット溝を設けるように
したことである。すなわち、本発明のものは、請求項3
記載の液体封入式防振装置において、上記撹拌板の端面
全周部にゴム状弾性体を設け、これによって、本防振装
置における上下方向及び当該上下方向を軸とする場合に
おける、そのラジアル方向のストッパを形成させ、更
に、当該ストッパを形成するゴム状弾性体のところであ
って上記撹拌板の下面部を形成するところに、液体の流
動が可能なスリット溝を設けるようにした構成を採るこ
ととした。
【0013】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては、次のような作用を呈することとな
る。すなわち、上記請求項3記載の発明のところで述べ
たと同様、上記撹拌板の作用による高周波数域での低動
バネ定数化が得られることとなる。そして、これに加え
て、更に、本撹拌板がストッパの役目を果たすこととな
る。また、これらストッパを形成するもののうち、ダウ
ンストッパ(バウンドストッパ)を成す上記撹拌板の下
面部のところには、ゴム状弾性体を基礎としたスリット
溝が設けられるようになっている。そして、このスリッ
ト溝内を、上記主室内の液体が流動できるようになって
いる。従って、上記撹拌板が最下方部まで移動(ストロ
ーク)してストッパ接触をしている状態において、更
に、当該撹拌板を下方にストロークさせようとする力が
作用(入力)したときに、上記ストッパを形成するゴム
状弾性体の部分が撓むことの外に、上記撹拌板の下方部
に溜っていた液体が上記スリット溝を経由して撹拌板の
外側に流動する。このような液体の流動作用によって、
上記ストッパ作動後におけるバネ定数(動バネ特性)の
上昇が抑えられることとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図4を基に説明する。本発明の実施の形態に関
するものの、その構成は、図1に示す如く、振動体に取
付けられる上部連結部材9と、車体側のメンバ等に取付
けられる下部連結部材99と、上記下部連結部材99に
その一端が結合されるものであって筒状の形態からなる
筒状金具22と、当該筒状金具22の上部開口部と上記
上部連結部材9との間に設けられるゴム膜状の弾性部材
2と、当該ゴム膜状弾性部材2及び上記筒状金具22に
て形成される空間部内に設けられるものであって、上記
振動体からの振動が入力される防振ゴム体1と、当該防
振ゴム体1に直列に設けられるものであって、その内部
に非圧縮性流体(液体)の封入される主室3と、上記防
振ゴム体1の周りであって上記ゴム膜状弾性部材2及び
筒状金具22にて形成される空間部に設けられるととも
に、その内部に液体の充填された室からなる副室6と、
これら主室3と副室6との間を連結するオリフィス4
と、上記上部連結部材9に設けられるものであって、振
動体への連結に供される連結ボルト91の、その一端に
取り付けられるとともに、上記主室3内にて、上記振動
体からの入力振動に応じて振動する撹拌板5と、からな
ることを基本とするものである。
【0015】このような基本構成において、上記弾性部
材2は、薄膜状の部材からなるものであり、具体的に
は、EPDM等の耐熱性ゴム材からなるものである。そ
して、その上方部は、上記上部連結部材9に結合される
とともに、下方部は円筒状の筒状金具22の上部開口部
に一体的に結合されるようになっているものである。そ
して、当該筒状金具22は、その下端部にフランジ部2
22が設けられるようになっており、このフランジ部2
22にて、オリフィス4の一部を形成するとともに防振
ゴム体1の下方部を支えるプレート15、更には下部連
結部材99等がクリンチ結合手段等により一体的に結合
されるようになっているものである。なお、上記弾性部
材2は、図1及び図4に示す如く、上記筒状金具22等
とともに、一定の空間を形成するようになっているもの
である。そして、当該空間部内には、液体が充填される
ようになっているものである。すなわち、図1及び図4
に示す如く、副室6及び独立の液室66が形成されるよ
うになっているものである。
【0016】このような構成からなる液体の充填された
空間部内には、防振ゴム体1が設置されるようになって
いる。そして、当該防振ゴム体1は、図1及び図4に示
す如く、上記上部連結部材9に、上記弾性部材2とは別
個独立に設けられるようになっているものであり、天然
ゴムを主体とした防振ゴム材にて形成されるようになっ
ているものである。従って、高周波数域の振動入力に対
して、その動バネ定数(Kd )の上昇が抑えられるよう
になっているものである。なお、このような構成からな
る上記防振ゴム体1の、その周りに副室6が設けられる
ようになっているものにおいては、図1に示す如く、上
記弾性部材2は、上記副室6内の液圧変動に応じて変形
するダイヤフラムを形成するようになっているものであ
る。
【0017】次に、このような構成からなる防振ゴム体
1の下方部には、例えば図1に示す如く、液体の封入さ
れた主室3が設けられるようになっており、この主室3
は、オリフィス4を介して上記副室6に連通するように
なっているものである。そして、このような主室3内に
は、図1に示す如く、撹拌板5が設けられるようになっ
ている。この撹拌板5は、円錐形の形態からなるもので
あり、上記上部連結部材9に設けられるものであって振
動体への連結に供される連結ボルト91の、その一端側
に取り付けられるようになっているものである。従っ
て、本撹拌板5は、上記振動体からの振動が直接入力さ
れるようになっているものであり、この振動入力に応じ
て、上記主室3内の液体を撹拌する(振動させる)よう
になっているものである。
【0018】なお、本実施の形態においては、上記撹拌
板5は、本液体封入式防振装置の内部ストッパを形成す
るようになっており、円錐形撹拌板5の円周部付近に
は、その端面全周部51、52、59にわたってゴム状
弾性体が設けられるようになっている。従って、本実施
の形態のものにおいては、上面部51はリバウンドスト
ッパを形成し、下面部52はバウンドストッパ(ダウン
ストッパ)を形成するようになっているものである。ま
た、その側端部59は、前後・左右方向のストッパ、す
なわち、ラジアル方向のストッパを形成するようになっ
ているものである。なお、このようなストッパを兼用す
る撹拌板5については、図1に示すようなストッパ部が
円環状の形態からなるものと、図3に示すような短冊状
の形態からなるものとが考えられる。この後者のもの
(短冊状のもの)は、車体側のメンバ等に取り付けられ
るカップ状の下部連結部材99の、その円筒部のところ
を、四隅にわたって絞り込むことによって形成される縦
壁部999のところに接触するようになっているもので
ある。すなわち、上記撹拌板5を、図3に示す如く、短
冊状の形態からなるようにするとともに、この短冊状撹
拌板5の側端部59のところを、上記下部連結部材99
の縦壁部999のところに、所定量の移動代(ストロー
ク代)をもたせた状態で接触させるようにしているもの
である。これによって、上記振動体からの振動入力が、
上記撹拌板5のラジアル方向へのものである場合、上記
ストッパ59、999が作動し、これら振動入力が抑え
込まれることとなる。なお、この短冊状のもの(図3参
照)は、撹拌板としての機能は上記円環状のものに較べ
て低下することとなる。
【0019】このような構成からなる撹拌板5の下面部
52に形成されるゴム状弾性体からなるダウンストッパ
のところには、図1及び図2に示すようなスリット溝5
5が複数本設けられるようになっている。なお、このス
リット溝55は、多くの場合、特に、上記撹拌板5が円
錐形の形態からなるもの、すなわち、ストッパ部が円環
状の形態からなるものにおいては、図2に示す如く、放
射状に設けられるようになっている。そして、このスト
ッパ部の下面部52のところに放射状に設けられたスリ
ット溝55の作用によって、上記撹拌板5が最下端部ま
でストロークしてダウンストッパとしての機能を発揮し
ている状態において、更に下方部への入力が作用した場
合、上記円錐形状の撹拌板5内に滞留している液体は、
上記スリット溝55を介して、その外側へと排出される
こととなる。これによって、ダウンストッパ作動時付近
における動バネ定数の上昇を抑えることができるように
なる。
【0020】このような構成からなるものにおいて、上
記弾性部材2及び筒状金具22等にて形成されるもので
あって、上記防振ゴム体1の、その外周部に形成される
液室を有するものについての、他の実施の形態につい
て、図4を基に説明する。このものも、その基本的な点
は、上記実施の形態のところで説明したものと同じであ
る。その特徴とするところは、上記液室が独立の液室6
6となっていることである。すなわち、上部連結部材9
及び上記筒状金具22の上部開口部の間に設けられるゴ
ム膜状弾性部材2と上記上部連結部材9に別途連結され
る防振ゴム体1との間に形成される空間部内に、液体が
充填(封入)されることによって、独立の液室66が形
成されるようになっているものである。そして、このよ
うな構成からなる防振ゴム体1及び独立の液室66の下
方部に、上記防振ゴム体1に対して直列に主室3が設け
られるとともに、その下方部には仕切板45を介して副
室6が設けられるようになっているものである。そし
て、このような構成からなる主室3と副室6との間に
は、これら各室3、6間を連結するオリフィス4が設け
られるようになっているものである。そして更に、この
ような構成からなる副室6の下方部にはゴム膜状のダイ
ヤフラム7を介して空気室8が形成されるようになって
いるものである。これら構成からなる各部材が、振動体
に取り付けられる上部連結部材9と車体側のメンバ等に
連結される下部連結部材99との間に設けられることに
よって、液体封入式防振装置が形成されるようになって
いる。
【0021】このような構成からなる本実施の形態のも
のについての、その作用等について説明する。すなわ
ち、本実施の形態のものにおいては、主バネを形成する
防振ゴム体1の周りには、一定の質量を有する液体が設
けられるようになっているものであるところから、本防
振装置における上記液室66内の液体の部分は、本防振
ゴム体1が形成するバネ定数(K)に対して、ダンパマ
ス、すなわち質量(M)を形成することとなる。従っ
て、上記振動体からの振動入力に対して、これらバネ定
数(K)及び質量(M)によって一種の共振系が形成さ
れることとなる。特に、本実施の形態のものにおいて
は、上記質量(M)を形成する液体が100Hzないし
600Hzの高周波数域全般の振動に対して、本防振装
置における動バネ定数の低減化をもたらすこととなる。
その結果、これら高周波数域全般における振動の遮断機
能が発揮されることとなる。
【0022】また、本実施の形態のものにおいては、上
記防振ゴム体1の、その外側にゴム膜状の耐熱性弾性部
材2が設けられるようになっているところから、エンジ
ンルーム等、高温下に設置される場合においても、上記
防振ゴム体1の部分が直接高温に晒されることがない。
また、本防振ゴム体1は、その周りに液室6、66が設
けられるようになっているところから、その表面部が、
直接大気中の酸素に晒されることが無い。従って、耐熱
性及び対酸素劣化性等については特に考慮する必要がな
い。その結果、通常の天然ゴムを主体とした防振ゴム材
を採用することができるようになり、高周波数振動に対
する動バネ定数の上昇を抑えることができるようにな
る。すなわち、動バネ定数(Kd )と静バネ定数(Ks
)との比(Kd /Ks )が高くならず、高周波数域に
おける振動遮断機能を十分に発揮させることができるよ
うになる。また、上記防振ゴム体1の、その外側に設け
られる耐熱性の弾性部材2は、上記防振ゴム体1の周り
に設けられた液室の、その外郭を規定する表皮部を形成
するようになっているものであるので、その厚さを薄く
することができるようになる。また、本弾性部材2は、
主バネを形成する防振ゴム体1とは別個独立に設けられ
るようになっているものであるところから、本弾性部材
2が、本液体封入式防振装置全体のバネ定数、特に動バ
ネ定数(動バネ特性)に影響を及ぼすことが無い。これ
らのことから、本液体封入式防振装置の高周波数域にお
ける動バネ定数を低く抑えることができるようになる。
【0023】また、本実施の形態のものにおいては、上
記主室3内に撹拌板5が設けられるようになっているこ
とより、この撹拌板5の作用により、高周波数域での低
動バネ定数化(低動バネ特性)を得ることができるよう
になる。すなわち、上記撹拌板5の振動により、上記主
室3内の液体を共振させることにより、100Hzない
し600Hzの範囲内であって特定周波数の振動入力に
対して、動バネ定数を低減化させることができるように
なる。また、比較的低周波数の振動であるアイドリング
振動に対しては、上記防振ゴム体1に直列に設けられる
主室3及び副室6、更にはこれら両室3、6の間を連結
するオリフィス4等の作用により、低動バネ定数を形成
させることができるようになる。その結果、上記アイド
リング振動の遮断が行なわれることとなる。
【0024】また、上記撹拌板5はストッパ機能を発揮
するようになっているとともに、当該撹拌板5の、その
下面部52のところにはスリット溝55が設けられるよ
うになっているので、このスリット溝55の作用によ
り、ストッパ作動時付近におけるバネ特性の変動を滑ら
かに行なわせることができるようになる。その結果、ス
トッパ作動時の衝撃音等を軽減化することができるよう
になるとともに、ストッパが離れるときの吸着作用を低
減化することができるようになる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、振動体に取付けられる
上部連結部材と、車体側のメンバに取付けられる下部連
結部材と、これら上下両連結部材の間にあって、上記振
動体からの振動の入力される防振ゴム体と、上記下部連
結部材にその一端が結合されるものであって筒状の形態
からなる筒状金具と、当該筒状金具の上部開口部と上記
上部連結部材との間に設けられる弾性部材と、上記振動
体からの振動の入力される防振ゴム体に直列に設けられ
るものであって、その内部に非圧縮性流体(液体)の封
入される主室及び副室と、これら主室と副室との間を連
結するオリフィスと、からなる液体封入式の防振装置に
関して、上記弾性部材を耐熱性のゴム膜からなるように
するとともに、上記防振ゴム体の設置される空間部のと
ころであって当該防振ゴム体の周りに、かつ、当該防振
ゴム体を囲むように、その内部に非圧縮性流体(液体)
の充填された液室を設けるようにした構成を採ることと
したので、上記主バネを形成する防振ゴム体に対して、
上記液体の部分が特定の質量からなるダンパマスを形成
することとなり、これによって高周波数域全般の振動に
対して低動バネ定数を形成させることができるようにな
った。その結果、こもり音を対象とした高周波数域全般
の振動遮断効果を高めることができるようになった。
【0026】また、エンジンルーム等、高温下に設置さ
れる場合においても、上記防振ゴム体の部分が直接高温
に晒されることがなくなった。また、本防振ゴム体は、
その周りに液室が設けられるようになっていることか
ら、その表面部が、直接大気中の酸素と接触することも
無くなった。その結果、主バネを形成する上記防振ゴム
体に、天然ゴムを主体とした防振ゴム材を採用すること
ができるようになり、高周波数域において低動バネ定数
を得ることができるようになり、これによっても、こも
り音を対象とした高周波数域の振動に対して、その遮断
効果を高めることができるようになった。
【0027】また、本発明においては、上記主室内に撹
拌板を設けるとともに、当該撹拌板の下面部にゴム状弾
性体を設け、これによってダウンストッパを形成させ、
更に、このゴム状弾性体のところにスリット溝を設ける
ようにした構成を採ることとしたので、上記ダウンスト
ッパ作動時に、上記撹拌板内に滞留している液体が、そ
の外側に円滑に流れ出るようになり、ストッパ作動時の
衝撃力が緩和されるようになった。その結果、ストッパ
作動時におけるバネ定数の変化が滑らかになるととも
に、衝撃音の発生等が防止されるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明にかかる撹拌板のところに設けられるス
リット溝の構成を示す、その底面図である。
【図3】本発明にかかる撹拌板についての、その変形例
を示す平面図である。
【図4】本発明にかかる他の実施の形態に関するもの
の、その全体構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 防振ゴム体 15 プレート 2 弾性部材(ゴム膜状弾性部材) 22 筒状金具 222 フランジ部 3 主室 4 オリフィス 45 仕切板 5 撹拌板 51 上面部 52 下面部 55 スリット溝 59 側端部 6 副室 66 独立の液室 7 ダイヤフラム 8 空気室 9 上部連結部材 91 連結ボルト 99 下部連結部材 999 縦壁部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体に取付けられる上部連結部材と、
    車体側のメンバに取付けられる下部連結部材と、これら
    上下両連結部材の間にあって、上記振動体からの振動が
    入力される防振ゴム体と、上記下部連結部材にその一端
    が結合されるものであって筒状の形態からなる筒状金具
    と、当該筒状金具の上部開口部と上記上部連結部材との
    間に設けられる弾性部材と、からなる防振装置に関し
    て、上記弾性部材を耐熱性ゴム膜からなるようにすると
    ともに、当該弾性部材と上記防振ゴム体との間に形成さ
    れる空間部内に非圧縮性流体(液体)を充填し、これに
    よって、上記防振ゴム体の周りに、当該防振ゴム体を取
    り囲むように液室を設けるようにした構成からなること
    を特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液体封入式防振装置にお
    いて、上記防振ゴム体の下方部に、その内部に非圧縮性
    流体(液体)の封入された主室及び副室等からなる液室
    を設け、これら主室と副室との間を連結するオリフィス
    を設け、更に、上記副室の下方部にダイヤフラムを介し
    て空気室を設けるようにした構成からなることを特徴と
    する液体封入式防振装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液体封入式防振装置にお
    いて、上記防振ゴム体の下方部に主室を設けるようにす
    るとともに、当該主室内に撹拌板を設け、一方、上記防
    振ゴム体の周りに設けられるものであって、当該防振ゴ
    ム体と上記弾性部材との間に形成される液室をもって副
    室と成し、更に、これら主室と副室との間に、これら両
    室間の液体を流通させるためのオリフィスを設けるよう
    にした構成からなることを特徴とする液体封入式防振装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の液体封入式防振装置にお
    いて、上記撹拌板の端面全周部にゴム状弾性体を設け、
    これをもって、本防振装置における上下方向及び当該上
    下方向を軸とする場合における、そのラジアル方向のス
    トッパを形成させ、更に、当該ストッパを形成するゴム
    状弾性体のところであって上記撹拌板の下面部を形成す
    るところに、液体の流動が可能なスリット溝を設けるよ
    うにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。
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